JP2014214001A - 印刷機 - Google Patents

Abstract

【課題】搬送される枚葉シート毎に適切な幅方向位置を設定することが可能な印刷機を提供すること。【解決手段】印刷機１００はフィーダーボード２２上に設けられた引き針２５と、フィーダーボード２２上の枚葉シートＰの幅方向位置を検出可能な検出手段５０と、引き針２５の駆動を制御する制御部ＣＯＮＴとを有している。検出部５０は所定のタイミングでレンズ部Ｐ１の頂点Ｃの位置を、通過する枚葉シートＰ毎に検出する。制御部ＣＯＮＴは検出部５０の検出した頂点Ｃの位置情報と記憶されたラインＬとのずれを算出し、引き針２５の駆動モータの駆動量を調節し、通過する枚葉シートＰ毎に引き針２５の移動量を調整して、頂点ＣがラインＬ上を通過するように制御する。【選択図】 図３

Description

本発明は、印刷機に関し、特にフィーダーボード上で引き針により枚葉シートの幅方向位置を位置決めして印刷部へ枚葉シートを搬送する技術に関するものである。

印刷機はフィーダーボードを連続的に搬送される枚葉シートを、枚葉シートの搬送方向に直行する方向である幅方向に位置決めする引き針により位置決めし、印刷部へ搬送するように構成されている。通常、引き針に設けられた当接面に、連続的に搬送される枚葉シートの幅方向端部を一律に当接させ、搬送している。つまり、常に枚葉シートはその幅方向において同一位置で機内に搬送される。

被印刷物である枚葉シートにはレンチキュラーシートという、一方の面に断面が凸状のレンズ部が形成され、他方の面に平滑面が形成されたものがある。この平滑面に印刷を施すことにより、レンズ部を有する面から見たときに、立体的な視覚効果を与えたり、見る角度によって異なる画像が見えるという視覚効果を与えたりするなど、付加価値のある印刷物を得ることが出来る。特許文献１にはこのようなレンチキュラーシートに印刷を施す技術の開示がある。

特開平９−２４５７０号公報

一般にレンチキュラーシートは高価なものであり、印刷ミスを少なくして良品率を向上させることが求められるが、レンチキュラーシートは大判のシートを裁断して作成されるので、各レンチキュラーシートによって幅方向におけるレンズの位置が異なる場合がある。よって、印刷精度にばらつきが生じ、良品率が向上しないという問題があった。

特に、見る角度によって異なる画像が見えるような印刷物を作成する場合、印刷画像として、左目用画像と右目用画像を交互に形成し、両画像の境目をレンズ部の頂点に合わせる必要があるが、各レンチキュラーシートのばらつきによって印刷ミスが生じる可能性があった。

本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、搬送される枚葉シート毎に適切な幅方向位置を設定することが可能な印刷機を提供することである。また、レンチキュラーシートを高精度に印刷可能な印刷機を提供することである。

本発明は上記目的を達成するため、枚葉シートＰを印刷部３０に搬送可能なフィーダーボード２２と、該フィーダーボード２２と該印刷部３０との間に設けられ、枚葉シートＰを搬送方向に直行する幅方向Ａ，Ｂに位置決め駆動可能な引き針２５とを有する印刷機１００において、該フィーダーボード２２上の枚葉シートＰの幅方向位置を検出可能な検出手段５０と、該引き針２５の駆動を制御する制御部ＣＯＮＴとを有し、該制御部ＣＯＮＴは該検出手段５０の検出結果に基づき該引き針２５の駆動を枚葉シートＰ毎に制御可能であることを特徴とする。

また本発明に係る印刷機１００において、該枚葉シートＰは一方の面に凸状のレンズ部Ｐ１が搬送方向に長く、かつ該レンズ部Ｐ１が幅方向に複数形成され、他方の面が平滑面に形成されたレンチキュラーシートＰであり、該検出部５０は該レンチキュラーシートＰの該レンズ部Ｐ１の幅方向における頂点位置Ｃを検出し、該制御部ＣＯＮＴは該検出手段５０の検出結果に基づき該引き針２５の駆動を枚葉シートＰ毎に制御可能であることを特徴とする。

本発明に係る印刷機によれば、枚葉シート毎に適切な幅方向位置を設定することが可能となり、印刷作業の良品率を向上させることのできる印刷機を得ることが可能となる。

また、レンチキュラーシートのレンズ部の幅方向における頂点位置が適正位置に位置決め可能となり、高精度なレンチキュラー印刷を行うことのできる印刷機を得ることが可能となる。

本発明に係る印刷機の一実施形態の概略構成を示す図である。 フィーダーボードの印刷部付近の概略側面図である。 フィーダーボードの概略平面図である。 レンチキュラーシートの概略図であり、（ａ）は平面図を、（ｂ）は側面図を示す。

以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、図１において、実質的に同様の構成、作用を有する部品には同じ参照符号を付してある。

図１に示す印刷機１００は、給紙部２０、印刷部３０、排紙部４０及び制御部ＣＯＮＴを備えている。給紙部２０は、枚葉シートＰを印刷部３０に供給することができる。印刷部３０は、給紙部２０から供給される枚葉シートＰを複数の印刷ユニット（ここでは４台の印刷ユニット３０ａ〜３０ｄ）により印刷する。また、排紙部４０は、印刷部３０にて印刷された印刷物Ｑを排紙する。この印刷機１００では、給紙部２０から枚葉シートＰが印刷部３０に供給され、当該供給された枚葉シートＰが印刷部３０における各印刷ユニット３０ａ〜３０ｄにて印刷された後、当該印刷された印刷物Ｑが排紙部４０にて排紙される。

印刷部３０の各印刷ユニット３０ａ〜３０ｄは、それぞれ版胴１、ゴム胴２及び圧胴３を主要構成要素の一組として構成されるものである。印刷ユニット３０ａにおける４ａは給紙胴であり、印刷ユニット３０ｂ〜３０ｄにおける４はいずれも渡し胴である。

各印刷ユニット３０ａ〜３０ｄにおいて、版胴１には印刷用の版（図示を省略）が配設される。この版にはインキ及び水が供給され、版に従ってインキがゴム胴２に転写される。そしてゴム胴２に転写されたインキがゴム胴２及び圧胴３に挟持されつつ搬送されてくる枚葉シートＰにさらに転写される。これにより、給紙部２０から供給される枚葉シートＰに対してそれぞれに設けられた版に対応して印刷を行うことができる。

印刷ユニット３０ａ〜３０ｄは、それぞれブラック色（Ｋ）、シアン色（Ｃ）、マゼンタ色（Ｍ）、イエロー色（Ｙ）の４色の印刷用インキにより、枚葉シートＰにカラー印刷画像を印刷する。かくして印刷部３０では、枚葉シートＰに、互いに異なる複数の基本色（ここではブラック色（Ｋ）、シアン色（Ｃ）、マゼンタ色（Ｍ）、イエロー色（Ｙ）の４色）で構成されるカラー印刷画像が印刷される。

排紙部４０は、搬送部４１及び収容部４２を備えている。この排紙部４０では、印刷ユニット３０ｄの圧胴３にて搬送されてくる印刷物Ｑが、先端部が搬送部４１の保持部（図示省略）に保持され、搬送部４１の図中略下側面に沿って搬送されて収容部４２に送られる。収容部４２は、搬送部４１にて搬送されてきた印刷物Ｑを収容することができる。

給紙部２０は、収容部である給紙台２１及びフィーダーボード２２を備えている。給紙台２１は、複数の枚葉シートＰを収容することができるものであり、フィーダーボード２２は、給紙台２１に収容される枚葉シートＰを１枚ずつ引き出し、当該引き出された枚葉シートＰを印刷部３０に向けて搬送することができるものである。これにより、枚葉シートＰを印刷部３０に供給することができる。

また、図２、３に示すように、給紙部２０は搬送方向（図１の矢印Ｚ方向）下流側で印刷部３０との間に、前当て２３と引き針２５を有する。前当て２３は図２中矢印Ｙ方向に揺動可能に構成されており、図２に示す矢印Ｘ方向への揺動端位置で枚葉シートＰの移動を停止させ、矢印Ｙ方向に揺動し、図示しないスインググリッパが枚葉シートＰを把持して給紙胴４ａに受け渡すことにより枚葉シートＰは印刷部３０へ搬送される。

引き針２５は図３に示すように、フィーダーボード２２上に設けられた支持体２４の開口部２４ｂ内を、枚葉シートＰの搬送方向に直行する幅方向に摺動可能に設けられている。支持体２４は略箱形状をしており、当接部２４ａが一体的に２箇所設けられている。この当接部２４ａの側面は枚葉シートＰが当接可能に構成されている。

引き針２５は上面に吸引口２５ａを有している。吸引口２５ａは図示しないエア源と接続されており、枚葉シートＰを吸引保持して幅方向に枚葉シートＰを移動させることが可能となっている。通常、引き針２５は矢印Ｂ方向に位置し、枚葉シートＰが前当て２３に当接したら枚葉シートＰを吸引保持して矢印Ａ方向に移動し、枚葉シートＰを当接部２４ａに当接させるよう構成される。引き針２５は図示しない駆動モータにより駆動される。

また、フィーダーボード２２上には、検出部５０が、図示しない固定手段により固定されている。検出部５０が本発明における検出手段である。検出部５０はフィーダーボード２２上を搬送される枚葉シートＰのすぐ上に位置し、図３に示すように枚葉シートＰの搬送方向上流端を検出可能となっている。検出部５０はＣＣＤイメージセンサを用いたカメラなどにより構成される。

制御部ＣＯＮＴは、図１に示すとおり、各印刷ユニット３０ａ〜３０ｄ、検出部５０に接続されている。また、図示はしていないが、印刷機を駆動する本機モータ及び引き針２５の駆動モータにも接続されている。

図４に被印刷物であるレンチキュラーシートＰ（枚葉シート）を示す。レンチキュラーシートＰには一方の面が平滑面として形成され、他方の面にレンズ部Ｐ１が形成されている。レンズ部Ｐ１は凸状の長く形成されたものが複数並列されることにより構成されており、頂点Ｃを有する。前記平滑面に印刷部３０により印刷が行われるので、レンズ部Ｐ１の形成された他方の面がフィーダーボード２２に直面するように載置される。また、レンズ部Ｐ１の長手方向が搬送方向と平行になるように載置される。

本実施形態の作用について説明する。印刷作業が始まると、給紙台２１から一枚ずつ枚葉シートＰが供給され、枚葉シートＰは図２に示すようにフィーダーボード２２上を一部重なり合った状態で搬送される。検出部５０は所定のタイミング（枚葉シートＰが前当て２３に当接する直前）で、枚葉シートＰの搬送方向上流端（後端）の最も引き針２５寄り（幅方向端部）のレンズ部Ｐ１の頂点Ｃの位置を、通過する枚葉シートＰ毎に検出する。

制御部ＣＯＮＴには予め頂点Ｃの幅方向で通過すべき位置（図３にラインＬで示す）が記憶されている。印刷画像によって、通過すべき位置を複数とし、これらをテーブル化してもよい。制御部ＣＯＮＴは検出部５０の検出した頂点Ｃの位置情報と記憶されたラインＬとのずれを算出し、引き針２５の駆動モータの駆動量を調節し、通過する枚葉シートＰ毎に引き針２５の移動量を調整して、頂点ＣがラインＬ上を通過するように制御する。

このラインＬについて、見る角度によって異なる画像が見えるような印刷物を作成する場合においては、交互に形成された左目用画像と右目用画像の境目が印刷される位置に前記の頂点Ｃの位置が搬送されるよう、印刷画像の基となる画像データによってラインＬの位置が設定される。

具体的には、枚葉シートＰが前当て２３へ当接したとき、引き針２５が吸引口２５ａにより枚葉シートＰを保持し、図３中矢印Ａ方向へ移動し、枚葉シートＰが支持体２４の当接部２４ａに当接するときに引き針２５の移動が停止する。この状態において、制御部ＣＯＮＴは頂点Ｃの位置とラインＬとを比較し、必要に応じて引き針２５を矢印Ｂ方向に所定量移動させ、頂点ＣがラインＬ上を通過するように制御するのである。

このように制御することにより、幅方向においてレンズ部の位置にばらつきのあるレンチキュラーシートを使用した場合でも、高精度な印刷を行うことができ、良品率の向上となる。

尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、前述の実施形態では、引き針２５が枚葉シートＰを吸引保持する、いわゆるエア引き針であったが、枚葉シートＰの上下に配置された回転可能なコロによって枚葉シートＰを保持する方式の引き針を用いてもよい。

また、前述の実施形態では、レンズ部Ｐ１の頂点Ｃの位置検出を行っていたが、これに限定されず、たとえば、レンズ部Ｐ１の断面側端部から幅方向におけるレンズ部Ｐ１の長さの１／３の位置検出をするなど、所望の位置を検出するようにしてもよい。

また、前述の実施形態では、枚葉オフセット印刷機であったが、これに限定されず、引き針を有する印刷機であればグラビア印刷機やフレキソ印刷機のようなものであってもよい。

本発明に係る印刷機は、引き針を有する印刷機において極めて有用である。

２０…給紙部、２２…フィーダーボード、２３…前当て、２４…支持体、２４ａ…当接部、２５…引き針、２５ａ…吸引口、３０…印刷部、４０…排紙部、５０…検出部、Ｃ…頂点、ＣＯＮＴ…制御部、Ｐ…枚葉シート、Ｐ１…レンズ部、

Claims (2)

1. 枚葉シートを印刷部に搬送可能なフィーダーボードと、該フィーダーボードと該印刷部との間に設けられ、枚葉シートを搬送方向に直行する幅方向に位置決め駆動可能な引き針とを有する印刷機において、
   該フィーダーボード上の枚葉シートの幅方向位置を検出可能な検出手段と、該引き針の駆動を制御する制御部とを有し、該制御部は該検出手段の検出結果に基づき該引き針の駆動を枚葉シート毎に制御可能であることを特徴とする印刷機。
2. 該枚葉シートは一方の面に凸状のレンズ部が搬送方向に長く、かつ該レンズ部が幅方向に複数形成され、他方の面が平滑面に形成されたレンチキュラーシートであり、該検出部は該レンチキュラーシートの該レンズ部の幅方向における頂点位置を検出し、該制御部は該検出手段の検出結果に基づき該引き針の駆動を枚葉シート毎に制御可能であることを特徴とする請求項１記載の印刷機。

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