JP2014213873A - 空気調和機における圧縮機の支持構造 - Google Patents

空気調和機における圧縮機の支持構造 Download PDF

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    • F24F1/12Vibration or noise prevention thereof

Abstract

【課題】空気調和機の運搬中は圧縮機の移動を規制し、空気調和機の運転中は圧縮機を確実に防振支持するものであって、製造コスト及び搬入コストの軽減を図った空気調和機における運搬中の圧縮機の支持構造を提供すること。【解決手段】本空気調和機における圧縮機の支持構造は、据付状態においては、底フレーム10上に取り付けられた防振支持装置30により圧縮機4を防振支持する。また、本空気調和機における圧縮機4の支持構造は、空気調和機の運搬中においては、空気調和機の梱包に使用される運搬用パレット7の上面に設けられた押上げ部53により圧縮機4を持ち上げ、これにより防振支持装置30を働かない状態として固定し、この固定状態を維持して圧縮機4の移動を規制する。【選択図】図4

Description

本発明は、空気調和機における圧縮機の支持構造に関する。特に、空気調和機の運搬中における圧縮機の支持構造に関する。
空気調和機は、一般に、圧縮機の運転振動がケーシングや配管へ伝播することによる異常振動や異音の発生を防止するために、圧縮機を防振ゴム、ばね等の弾性部材を備えた防振支持装置を介して底フレームの上に固定している。しかしながら、防振支持装置が圧縮機の運転振動の伝播を防止し得る状態のままで空気調和機を運搬すると、運搬中の振動や荷扱いにおける落下等により圧縮機が移動し、これにより圧縮機に接続されている配管や圧縮機を支持しているケーシングに大きな力が作用する恐れがある。このため、運搬中の防振支持装置の動きを規制するための対策が取られていた。
その一般的な例として、特許文献1に記載された空気調和機の例がある。特許文献1に記載の空気調和機では、圧縮機を支持する防振支持装置の運搬時の動きを規制するために、防振支持装置のばねを圧縮状態に固定する固定金具を使用してばねを締め付け状態に保持するようにしていた、
特開平6−249467
ところが、特許文献1に記載の従来例のものにおいては、組立ラインの工程として固定金具取り付けの工程が必要となる、さらに、現地据付時には固定金具を取り外さなければならないなどの手間を要するなどのため、工数アップの要因となっていた。また、現地工事において、この固定金具の取り外しを忘れると、本来の意味としての圧縮機の運転振動を緩和することができなくなり、運転時の異常振動や異音の発生を防止することができなくなる。このため、取り外し忘れ防止の注意銘板や取扱説明書への記載が必要になっていた。また、空気調和機における圧縮機を取り付けている機械室の構造によっては、固定金具の取り外しが困難となるおそれもあった。
本発明は、このような従来技術における問題点を解決するものであって、空気調和機の運搬中は圧縮機の移動を規制し、空気調和機の運転中は圧縮機を確実に防振支持するものであって、製造コスト及び搬入コストの軽減を図った空気調和機における運搬中の圧縮機の支持構造を提供することを目的とする。
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたものであって、圧縮機を支持する底フレームと、底フレーム上において圧縮機を防振支持する防振支持装置と、空気調和機を運搬する際にこの空気調和機を載置固定する運搬用パレットとを有し、前記運搬用パレットは、防振支持装置により底フレーム上に支持された圧縮機の底部を押し上げる押上げ部を有し、前記底フレームは、前記押上げ部が圧縮機の底部を押し上げることができるように前記押上げ部を貫通させる貫通孔を有し、前記防振支持装置は、圧縮機が上方に移動する場合に、圧縮機の支持脚の上方への移動位置を規制する上方位置規制部材を有し、さらに、前記運搬用パレット上に空気調和機が載置され、前記押上げ部により前記圧縮機が押し上げられた場合に、前記圧縮機の支持脚の上方への移動を前記上方位置規制部材により規制した状態を形成し、これにより運搬中の圧縮機を固定的に支持可能としたものである。
このような構成によれば、空気調和機が梱包されて運搬用パレットに載置された場合に、運搬用パレットに設けられた押上げ部により圧縮機が押し上げられ、防振支持装置の上方位置規制部材により圧縮機の支持脚の上方への移動が規制される。このようにして、圧縮機は、空気調和機の運搬時には必ず押上げ部と防振支持装置の上方位置規制部材とにより上下方向の移動が規制されるため、防振支持装置による防振機能を作用させない状態として固定的に支持される。また、空気調和機は、据え付けられた状態においては梱包装置から取りだされるため、運搬用パレットの押上げ部による圧縮機の押上げがなくなる。したがって、空気調和機の運転時においては、圧縮機が防振支持装置により確実に防振支持される。
また、このような圧縮機の支持構造の場合には、従来のものとは異なり、固定金具の取り外し忘れといった不都合な事態を完全に防止することができる。また、従来のような固定金具、取扱説明書、注意銘板などの物品が不要となることや、固定金具の取付、取外しに必要な工数を削減できることなどにより、製造コスト及び搬入コストを軽減することができる。
また、前記防振支持装置は、底フレームに立設された支持軸と、前記圧縮機の支持脚を弾性的に支持するための防振部材とを有し、前記支持軸は、上端にねじ部を有し、前記防振部材は、平面上の中心部において前記支持軸を鉛直方向に挿通させることにより上下方向に伸縮可能に取り付けられ、前記上方位置規制部材は、前記ねじ部に螺合して取りつけられたナットにより構成され、さらに、前記防振支持装置は、前記圧縮機が前記防振部材の上に載置された状態において、前記圧縮機の前記支持脚と前記上方位置規制部材との間に、運転中の前記圧縮機の上下移動を可能とする間隙が形成されている。
このような構成によれば、圧縮機の支持脚と前記上方位置規制部材との間に、運転中の圧縮機の振動を吸収可能とするための間隙が形成される。このため、圧縮機は、運転中、支持軸に貫挿されて取り付けられている防振部材により一定の範囲で上下に振動可能とされて防振支持される。
また、前記運搬用パレットは、木材を組み合わせて形成されたものであり、前記押上げ部は、圧縮機の平面上の中心部に位置する木材の上面に取り付けられていることが好ましい。
このような構成によれば、従来の木材製の運搬用パレットに対し押上げ部を追加した構造としたものとすることができるので、従来の木材製の運搬用パレットを部分的に変更して対応することができる。
また、前記押上げ部は、円形の上面により圧縮機の底面の中央部を押し上げるように形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、押上げ部の上面が円形であるので、圧縮機の底面の中央部をバランス良く押し上げることができ、より確実に圧縮機の移動を防止することができる。
また、前記押上げ部は、上面が前記圧縮機の底面の中央部に沿う凹形状に形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、圧縮機の底面の中央部をよりバランス良く押し上げることができるので、より確実に圧縮機の移動を防止することができる。
本発明に係る空気調和機における圧縮機の支持構造によれば、空気調和機を梱包することにより運搬中の圧縮機の移動が必ず規制されるとともに、空気調和機運転中は、空気調和機が梱包部材から開放されているため、圧縮機が確実に防振支持される。また、本圧縮機の支持構造によれば、固定金具を不要としたため、固定金具の外し忘れといった不都合な事態を完全に防止することができる。また、固定金具が不要となることにより、製造コスト及び搬入コストを軽減することができる。
本発明の実施の形態に係る圧縮機の支持構造を採用した空気調和機の斜視図である。 同空気調和機に係る摸式の平面機器配置図である。 同空気調和機における運搬用パレット及び底フレームの分解斜視図である。 同空気調和機における圧縮機の支持構造を説明する断面図である。 同圧縮機の支持構造における防振支持装置の状態図であり、空気調和機据付後の状態を示す。 同圧縮機の支持構造における防振支持装置の状態図であり、運搬中の状態を示す。 同圧縮機の支持構造における押上げ部の変形例を示す。
先ず、本実施の形態に係る圧縮機の支持構造を採用した空気調和機の概略構成を説明する。なお。以下の説明において前後方向、左右方向、高さ方向というときは、図1及び図3に図示した方向をいうものとする。
図1に示すように、本空気調和機は、分離型空気調和機における室外ユニットである。この室外ユニットは、高さ方向が水平方向の寸法より大きい縦長の箱形ケーシング1を備えている。また、この箱形ケーシング1の内部には、室外側熱交換器2、室外側熱交換器2に外気を供給する室外側ファン3、圧縮機4、アキュムレータ6などを備えている。なお、室外ユニットには、アキュムレータ6以外の冷媒回路構成部品や電装品箱などが組み込まれている。また、図1においては、空気調和機は、梱包時に使用される運搬用パレット7上に載置された状態で図示されている。このような状態は、本空気調和機の製造ラインにおける最終工程において見られる。
図2に示すように、箱形ケーシング1は、底フレーム10と底フレーム10上に取り付けられる箱形の外板20とにより構成されている。
図3に示すように、底フレーム10は、平面視が左右方向にやや長い長方形の皿形のものである。また、底フレーム10は、棚状の平面部11aと立上壁11bとを備えた周辺部11と、周辺部11の内周側に形成された窪み部12とに大別される。
窪み部12の中央部には、前後方向に延びるフレーム部13が2箇所に形成されている。このフレーム部13は、窪み部12を形成する板材を上方に部分的に隆起するようにプレス加工されたものであって、圧縮機4の支持部を形成している。また、このフレーム部13には、後述する防振支持装置を取り付けるための取付孔13aが3個形成されている。
図4に示すように、外板20は、下部において底フレーム10の周辺に形成された立上壁11bを利用して底フレーム10に固定されている。
図2に示すように、外板20の左右側面21,22及び背面23には、室外側熱交換器2に外気を取り入れるための外気吸入口21a,22a,23aが形成されている。また、図1に示すように、外板20の天面25には、外気を吐出すためのファン吐出口が形成され、この吐出口にはファンガード26が取り付けられている。
室外側熱交換器2は、クロスフィンコイル式熱交換器であって、左右側面21,22及び背面23の外気吸入口21a,22a,23aに対向するようにコの字形に形成されている。
図1に示すように、室外側ファン3は、プロペラファンであって駆動軸を上方に向けて取り付けられたモータにより駆動されるように構成されている。室外側ファン3が駆動されると、外気が白抜き矢印のように流れる。すなわち、外気吸入口21a,22a,23aから吸入された外気は、室外側熱交換器2を通過して室外側ファン3に吸入され、ファンガード26の部分から上方に向けて排気される。
図2に示すように、圧縮機4は、下方周辺部における3箇所に径方向外側に突出する支持脚4aが設けられている。
そして、図4に示すように、この圧縮機4は、運転中に防振支持するために、支持脚4aが防振支持装置30を介して底フレーム10上に支持される。
図5に示すように、防振支持装置30は、従来公知のものであり、底フレーム10のフレーム部13に立設される支持軸31と、この支持軸31に取り付けられる防振部材32と、圧縮機4の支持脚4aの上方への移動上限位置を規制する上方位置規制部材33と、支持軸31を底フレームに固定するための下方の座付きナット34とを有する。
支持軸31は、断面円形の棒状部材であって下方の端部にねじ部31aが形成され、上方の端部にねじ部31bが形成されている。下方のねじ部31aは、底フレーム10のフレーム部13に形成された取付孔13aから下方に突出するように取り付けられ、上方のねじ部31bは、圧縮機4の支持脚4aの上方に突出している。
防振部材32は、下方防振ゴム321と、上方防振ゴム322と、防振ばねを成すコイルスプリング323とにより構成されている。
下方防振ゴム321は、全体の大半を成す上部が略円筒状の円筒部分321aであり、この円筒部分321aの下方に、下面が底フレーム10のフレーム部13の上面に当接するとともに、上面でコイルスプリング323の下端を支持する鍔部321bを備えている。
また、上方防振ゴム322は、全体の大半を成す下部が略円筒状の円筒部分322aであり、その上方に鍔部322bがあり、さらにその上方に圧縮機4の支持脚4aに形成された取付孔4bに係合される円環溝状の係止部322cが形成されている。この鍔部322bは、上面が圧縮機4の支持脚4aの下面に当接し、下面がコイルスプリング323の上端を支持するように形成されている。
コイルスプリング323は、下方内周側に下方防振ゴム321の円筒部分321aが挿入され、上方内周側に上方防振ゴム322の円筒部分322aが挿入される。そして、下方防振ゴム321の上面と上方防振ゴム322の下面との間に適宜の間隔を形成することにより、下方防振ゴム321と上方防振ゴム322とを弾性的に連結している。このような防振部材32により支持脚4aを介して圧縮機4を支持することにより、圧縮機4を防振支持することを可能としている。
上方位置規制部材33は、座付きナットにより構成されている。圧縮機4が防振部材32に載置されて、防振部材32が圧縮機4の重量を受けて撓んだ状態において、上方位置規制部材33は、上方防振ゴム322の上面との間に所定の寸法Sの間隙35を形成するように、支持軸31の上方のねじ部31bに取り付けられている。これにより防振部材32により支持されている圧縮機4は、下方へは下方防振ゴム321と上方防振ゴム322とが当接する状態に収縮するまで移動可能である。また、防振部材32により支持されている圧縮機4は、上方防振ゴム322の上面が上方位置規制部材33としての座付きナットの下面に当接する状態に伸張するまで移動可能である。
座付きナット34は、支持軸31の下端をフレーム部13に固定するための締結部材である。この座付きナット34は、上方位置規制部材33としての座付きナットと同一のものが使用されている。
次に、本実施の形態における特徴を成す運搬中の空気調和機における圧縮機の固定構造について説明する。
本圧縮機の支持構造は、運搬中の空気調和機においては、防振支持装置30の防振機能を不作用とし、圧縮機4の移動を規制している。このために、梱包部材の一部を成す運搬用パレット7上に空気調和機を載置固定した状態においては、防振支持装置30により支持される圧縮機4の支持脚4aが上方位置規制部材33に当接する状態となるように圧縮機4を持ち上げる機構を備えている。
この圧縮機4を持ち上げる機構は、運搬用パレット7と底フレーム10とにおいて構成されている。
図4に示すように、運搬用パレット7は、木材製角材を組み合わせて形成されている。具体的には、前後方向に所定の間隔をおいて左右方向に延びる3本の木材製角材51が並べられている。そしてこれら木材製角材51の上面の、左右の両端位置に前後方向に延びる木材製角材52がそれぞれ配置され、これら木材製角材51.52が一体となるように適宜の方法により連結され組み立てられている。
このように構成された運搬用パレット7は、上記構造の点においては従来公知のものと同一であり、左右に配置された木材製角材52により底フレーム10の左右の平面部11aを支持することにより空気調和機を支持する。
ところで、本実施の形態に係る運搬用パレット7は、左右方向に延びる3本の木材製角材51のうちの中間位置に配置された木材製角材51を圧縮機4の鉛直方向に延びる中心軸の下方部を通過するように配置している。また、この木材製角材51における圧縮機4の底面の中心軸部位に当接して圧縮機4を押し上げる押上げ部53が形成されている。
この押上げ部53の形状は、平断面が円形、上面が円形の平面である円柱部材であり、その中心位置を圧縮機4の底面の中心位置に一致させている。
押上げ部53の大きさは、梱包部材の一部を成す運搬用パレット7上に空気調和機を載置固定した状態において、防振支持装置30により支持される圧縮機4の3個の支持脚4aがそれぞれ上方位置規制部材33に当接する状態を形成することに都合のよい寸法とされている。したがって、押上げ部53の高さは、この構造から計算される寸法とすることが必要である。押上げ部53の断面積は、圧縮機4をバランスよく押し上げること、取り付けの容易性、押上げ部53の強度などを加味して適宜に設定されている。
押上げ部53の材料は、圧縮機4のケーシングの底面に接触して圧縮機4を押し上げるものであるため、圧縮機4のケーシングの硬度よりやわらかい硬度の材料からなるものとすることにより、圧縮機4のケーシングを傷つけないようにしている。この実施の形態においては、運搬用パレット7が木材製角材を主材料としているので、運搬用パレット7の主材料と同一の木材により形成されている。したがって、この場合には製作技術の一貫性を維持することができる点で好ましいと考えられる。
また、上記のように、押上げ部53をして圧縮機4の底面に当接させて圧縮機4を押し上げ可能とするために、押上げ部53が底フレーム10を貫通して移動可能とすることが必要となる。そこで、図3及び図4に示すように、本実施の形態においては底フレーム10に押上げ部53を上下移動可能に貫通させるための貫通孔54が設けられている。
次に、以上のように構成された圧縮機の支持構造の作用について説明する。
空気調和機は、製造ラインにおいては、当初は運搬用パレット7に載置されない状態で組み立てが行われる。図5に示すように、この場合においては、防振支持装置30は、上方位置規制部材33としての座付きナットの下面と上方防振ゴム322の上面との間に所定の寸法Sの間隙35を形成するように圧縮機4が取り付けられる。したがって、この状態では、圧縮機4は上下移動可能の状態である。
次に、製造ラインの最終工程においては、空気調和機は運搬用パレット7の上に載置固定された状態とされる。この状態においては、図4に示すように、圧縮機4は押上げ部53により上方に持ち上げられる。このため、図6に示すように、上方防振ゴム322の上面が上方位置規制部材33としての座付きナットの下面に当接する状態となるように、防振部材32が伸張される。この状態となると、圧縮機4の3個の支持脚4aが全て上方位置規制部材33としての座付きナットの下面に当接するため、これ以上は上方へ移動することができなくなる。また、圧縮機4の底部の中心位置において押上げ部53により上方に押し上げられている。したがって、3個の支持脚4aが防振支持装置30により規制される上限位置にて固定された状態となる。
このように固定された状態で圧縮機4を運搬する場合には、従来のような固定金具を取り付けることなく圧縮機4の上下方向及び水平方向への移動が規制される。したがって、空気調和機の運搬中に空気調和機に衝撃が加えられたとしても圧縮機4の移動が回避されるので、圧縮機4に接続されている配管に支障をきたす恐れがない。また、空気調和機は、据付現地において据え付けられる場合に梱包部材から取り出される。こうなると押上げ部53の形成されていた運搬用パレット7が底フレーム10から取り外されることになるので、圧縮機4は、防振支持装置30において運転状態の位置で支持される。
すなわち、図5に示すように、圧縮機4は、上方位置規制部材33としての座付きナットと上方防振ゴム322の上面との間に所定の寸法Sの間隙35を形成するように支持される。したがって、圧縮機4は、運転中の振動に対し下方へは、コイルスプリング323の収縮により下方防振ゴム321と上方防振ゴム322とが当接する状態位置まで移動可能となる。また、圧縮機4は、運転中の振動に対し上方へは、コイルスプリング323の伸張により上方防振ゴム322の上面が上方位置規制部材33としての座付きナットの下面に当接する状態位置まで移動可能となる。このように圧縮機は、運転中の振動に対し必ず防振された状態で支持される。
本実施の形態に係る送風機の支持構造は、以上のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
(1)圧縮機4は、空気調和機の運搬時には、押上げ部53と防振支持装置30の上方位置規制部材33とにより上下方向への移動が規制され、防振支持装置30による防振機能を作用させない状態として固定的に支持される。また、圧縮機4は、空気調和機が据え付けられた状態においては、運搬用パレット7の押上げ部53による圧縮機4の押上げがなくなるため、防振支持装置30により確実に防振支持される。
(2)本圧縮機の支持構造は、従来のものとは異なり、固定金具の取り外し忘れといった不都合な事態を完全に防止することができる。また、従来のような固定金具、取扱説明書、注意銘板などの物品が不要となることや、固定金具の取付、取外しに必要な工数を削減できることなどにより、製造コスト及び搬入コストを軽減することができる。
(3)本圧縮機の支持構造によれば、圧縮機4の支持脚4aと前記上方位置規制部材33との間に、運転中の圧縮機4の振動を吸収可能とするための間隙35が形成されている。このため、圧縮機4は、運転中、支持軸31に挿通されて取り付けられている防振部材32により一定の範囲で上下に振動可能とされて防振支持される。
(4)運搬用パレット7は、木材を組み合わせて形成されたものであり、押上げ部53が圧縮機4の平面上の中心部に位置する木材の上面に取り付けられているので、従来の木材製の運搬用パレット7を部分的に変更することにより対応することができる。
(5)押上げ部は、円形の上面により圧縮機4の底面の中央部を押し上げるように形成されているので、圧縮機4の底面の中央部をバランス良く押し上げることができ、より確実に圧縮機4の移動を防止することができる。
(6)また、押上げ部53は、圧縮機4のケーシングの硬度より小さい硬度の材料(この実施の形態においては木材)により形成されているので、空気調和機の運搬中の振動や荷扱いにおける落下等による圧縮機4への衝撃を緩和することができる。
(7)押上げ部53は、運搬用パレット7を構成する木材と同一の木材により形成されているので、元々木材により形成されている従来の運搬用パレット7を容易に部分変更することができる。
(変形例)
本圧縮機の支持構造は、上記各実施形態に限定されることなく、以下の変更も可能である。この場合、以下の変形例は他の変形例と適宜組み合わせて実施することもできる。
・図3に示すように、押上げ部53は、先の実施の形態においては上面が平面に形成されていたが、図7に示すように圧縮機4の底面の曲面に沿う形状としてもよい。このような構成にすれば、圧縮機4の底面の中央部を安定的にバランスよく押し上げることができる。したがって、より確実に圧縮機4の運搬中の移動を防止することができる。
・押上げ部53は、先の実施の形態においては運搬用パレット7の主要材料を成す木材と同一の木材を使用していたが、これに代えて強度が大きく、加工性の良好な樹脂などの材料を用いるようにしてもよい。
・防振部材32は、先の実施の形態においては、下方防振ゴム321と、上方防振ゴム322と、防振ばねを成すコイルスプリング323とにより構成されているが、このような構造に限定されるものではなく、公知の種々の構造の防振部材を用いてもよい。
・上方位置規制部材33は、先の実施の形態においては支持軸31の上端に形成されたねじ部31bに螺合された座付きナットであったが、座を付属していないナットとしてもよい。また、上方位置規制部材33は、支持軸31に固定されずに底フレーム10等に別個に固定されている規制部材としてもよい。
・支持軸31は、支持軸31の下方のねじ部31aに固定されている座付きナット34により、取付孔13aから上方へ抜けることのないように構成されていた。しかしながらこのような構成に代えて、支持軸31の上方への抜けを防止する頭部が支持軸31の下端に一体的に形成されたものとしてもよい。
・空気調和機は、先の実施の形態においては分離型空気調和機における室外ユニットとしていたが、圧縮機、室外側熱交換器、室内側熱交換器などを一つのケーシング内に収納した一体型空気調和機に適用してもよい。
4…圧縮機、4a…支持脚、7…運搬用パレット、10…底フレーム、30…防振支持装置、31…支持軸、31b…ねじ部、32…防振部材、33…上方位置規制部材、35…間隙、51…木材、53…押上げ部、54…貫通孔。

Claims (5)

  1. 圧縮機(4)を支持する底フレーム(10)と、
    底フレーム(10)上において圧縮機(4)を防振支持する防振支持装置(30)と、
    空気調和機を運搬する際にこの空気調和機を載置固定する運搬用パレット(7)とを有し、
    前記運搬用パレット(7)は、防振支持装置(30)により底フレーム(10)上に支持された前記圧縮機(4)の底部を押し上げる押上げ部(53)を有し、
    前記底フレーム(10)は、前記押上げ部(53)が前記圧縮機(4)の底部を押し上げることができるように前記押上げ部(53)を貫通させる貫通孔(54)を有し、
    前記防振支持装置(30)は、前記圧縮機(4)が上方へ移動する場合に、前記圧縮機(4)の支持脚(4a)の上方への移動上限位置を規制する上方位置規制部材(33)を有し、さらに、前記運搬用パレット(7)上に空気調和機が載置され、前記押上げ部(53)により前記圧縮機(4)が押し上げられた場合に、前記圧縮機(4)の支持脚(4a)の上方への移動を前記上方位置規制部材(33)により規制した状態を形成し、これにより運搬中の前記圧縮機(4)を固定的に支持可能とした
    空気調和機における圧縮機の支持構造。
  2. 前記防振支持装置(30)は、底フレーム(10)に立設された支持軸(31)と、前記圧縮機(4)の支持脚(4a)を弾性的に支持するための防振部材(32)とを有し、
    前記支持軸(31)は、上端にねじ部(31b)を有し、
    前記防振部材(32)は、平面上の中心部において前記支持軸(31)を鉛直方向に挿通させることにより上下方向に伸縮可能に取り付けられ、
    前記上方位置規制部材(33)は、前記ねじ部(31b)に螺合して取りつけられたナットにより構成され、
    さらに、前記防振支持装置(30)は、前記圧縮機(4)が前記防振部材(32)の上に載置された状態において、前記圧縮機(4)の前記支持脚(4a)と前記上方位置規制部材(33)との間に、運転中の前記圧縮機(4)の上下移動を可能とする間隙(35)が形成されている
    請求項1記載の空気調和機における圧縮機の支持構造。
  3. 前記運搬用パレット(7)は、木材を組み合わせて形成されたものであり、
    前記押上げ部(53)は、前記圧縮機(4)の平面上の中心部に位置する木材(51)の上面に取り付けられている
    請求項1又は2記載の空気調和機における圧縮機の支持構造。
  4. 前記押上げ部(53)は、円形の上面により前記圧縮機(4)の底面の中央部を押し上げるように形成されている
    請求項3記載の空気調和機における圧縮機の支持構造。
  5. 前記押上げ部(53)は、上面が前記圧縮機(4)の底面の中央部に沿う凹形状に形成されている
    請求項3記載の空気調和機における圧縮機の支持構造。
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