JP2014213815A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータトルクを効率的に使用することにより、エンジン始動時の、加速感不足の抑制及びクランキング時間の短縮の両立を図ることが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供すること。
【解決手段】目標クラッチトルク演算部は、エンジン始動処理の実行時に、第2クラッチの締結状態に基づいて余裕代トルクTyoを変更する余裕代トルク設定処理を実行し、かつ、余裕代トルクTyoを、第2クラッチの非スリップ時には、両クラッチのばらつきトルクTba1、Tba2を合算した値とし、第2クラッチの補正未完了スリップ時には、第1クラッチのばらつきトルクTba1に目標駆動トルクtFo0とモータの駆動トルクとの偏差に応じたトルク加算値αを加算した値とし、第2クラッチの補正完了スリップ時には、第1クラッチのばらつきトルクTba1に設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置とした。
【選択図】図11

Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、モータとエンジンとの間に第1クラッチを備え、モータと駆動輪側との間に第2クラッチを備えたハイブリッド車両において、第1クラッチを締結してモータトルクを伝達してエンジンを始動するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術では、エンジン始動時には、第2クラッチをスリップさせて始動ショックが駆動輪側に伝達されないようにしながら、モータトルクに余裕がある場合は、第1クラッチの伝達トルク容量をかさ上げして、エンジン始動時間の短縮を図っている。
特開2008−179283号公報
しかしながら、従来、モータトルクが出力可能な上限値であるモータ上限トルクを超えないように、常に、モータトルクの最大値を、モータ上限トルクから両クラッチにおける指令値に対する伝達トルクのばらつき分の余裕代トルクを減算した値に制限していた。よって、この余裕代トルクの減算分だけ、駆動輪に伝達される駆動力が少なくなり、その分、加速不足あるいはクランキング時間の増加を招くという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、モータトルクを効率的に使用することにより、エンジン始動時の、加速感不足の抑制及びクランキング時間の短縮の両立を図ることが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置では、
エンジン始動処理時に、モータ上限トルクと、各クラッチのトルク容量の合力と、の間に、ばらつきトルクに基づいて設定された余裕代トルクを確保し、トルク容量の合力がモータ上限トルクを超えないようにする始動時トルク処理を実行するトルク容量制御部が、エンジン始動処理の実行時に、第2クラッチの締結状態に基づいて、余裕代トルクを変更する余裕代トルク設定処理を実行し、
かつ、この余裕代トルク設定処理では、前記第2クラッチの非スリップ時には、前記余裕代トルクを、両クラッチのばらつきトルクを合算した値とし、前記第2クラッチがスリップ状態で補正未完了の補正未完了スリップ時には、余裕代トルクを、第1クラッチのばらつきトルクに、目標駆動トルクとモータの駆動トルクとの偏差に応じたトルク加算値を加算した値とし、前記第2クラッチがスリップ状態で補正完了の補正完了スリップ時には、余裕代トルクを、第1クラッチのばらつきトルクに設定するようにしたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置とした。
本発明のハイブリッド車両の制御装置にあっては、エンジン始動時のモータ上限トルクに対する余裕代トルクを、第2クラッチの締結状態に応じ、非スリップ時と、補正未完スリップ時と、補正完了スリップ時と、で可変とした。そして、非スリップ時の余裕代トルクを、両クラッチのばらつきトルクを合算した値とする。これに対し、補正未完スリップ時には、余裕代トルクを、第1クラッチのばらつきトルクに偏差に応じたトルク加算値を加算し、補正完了スリップ時には、余裕代トルクを、第1クラッチのばらつきトルクとした。
これにより、余裕代トルクを、常に、両クラッチのばらつき分のトルクを合算した値とした従来技術よりも、小さく抑えることが可能となる。
したがって、モータ上限トルクから余裕代トルクを差し引いて得られるモータ出力可能最大値を、従来よりも大きく確保可能となり、その分、加速上昇あるいはクランキング時間の短縮を図ることが可能となる。
実施の形態1の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレーン系を示すパワートレーン系構成図である。 実施の形態1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す制御システム構成図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置の統合コントローラの制御ブロック図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置で用いられる目標定常トルクマップ(a)とMGアシスト駆動力マップ(b)を示すマップ図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置で用いられる走行モードマップを示すマップ図 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置の統合コントローラにて実行される統合制御演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置においてフィードバック補正を実行する構成の演算ブロック図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置においてフィードバック補正による目標駆動トルクとモータトルクとの偏差の変化を示すタイムチャートである。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置において目標第2クラッチトルク容量を決定する演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置においてモータ上限トルクと第2クラッチの入力回転数との関係を示すモータ上限トルク特性図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置において第2クラッチの締結状態に応じた余裕代トルクを棒グラフにより示す余裕代トルク特性図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置において第2クラッチの締結状態に応じた余裕代トルクを一覧状態にて示す余裕代トルク特性図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置においてモータ使用可能トルクをクラッチトルク合算値とし、F/F補正およびF/B補正に基づいて第1クラッチおよび第2クラッチに配分する構成を示す演算ブロック図である 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置において、モータ使用可能トルクにおける、第1クラッチへのクランキングトルクと第2クラッチへの配分量である目標第2クラッチトルク配分量との関係を示すトルク配分特性図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置のクラッチトルク容量補正配分演算部において、クラッチトルク容量補正値合算値の配分比を決める定数のアクセル開速度に対する特性を示す配分比マップであり、(a)はクラッチトルク容量補正値合算値の符号が負の場合を示し、(b)はクラッチトルク容量補正値合算値の符号が正の場合を示している。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置の動作例およびその比較例の動作例を示すタイムチャートである。 実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置の動作例およびその比較例の動作例を示すタイムチャートである。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施の形態1におけるハイブリッド車両の制御装置の構成を、「パワートレーン系構成」、「制御システム構成」、「統合コントローラの構成」、「統合制御演算処理構成」、に分けて説明する。
[パワートレーン系(ハイブリッド駆動系)構成]
図1は、実施の形態1の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレーン系を示す。以下、図1に基づき、パワートレーン系構成を説明する。
実施の形態1のハイブリッド車両のパワートレーン系は、図1に示すように、エンジン1と、モータジェネレータ2(モータ)と、自動変速機3と、第1クラッチ4と、第2クラッチ5と、ディファレンシャルギア6と、タイヤ7(駆動輪)と、を備えている。
実施の形態1のハイブリッド車両は、エンジンと1モータ・2クラッチを備えたパワートレーン系構成であり、走行モードとして、第1クラッチ4の締結による「HEVモード」と、第1クラッチ4の開放による「EVモード」と、第2クラッチ5をスリップ締結状態にして走行する「WSCモード」と、を有する。
エンジン1は、その出力軸とモータジェネレータ2(略称MG)の入力軸とが、トルク容量可変の第1クラッチ4を介して連結される。
モータジェネレータ2は、その出力軸と自動変速機3の入力軸とが連結される。
自動変速機3は、複数段の変速段を有する変速機であり、その出力軸にディファレンシャルギア6を介してタイヤ7、7が連結される。この自動変速機3は、車速VSPとアクセル開度APOに応じて変速段を自動選択する自動変速、または、ドライバーの選択する変速段を選択するマニュアル変速を行う。
第2クラッチ5(略称CL2)は、自動変速機3のシフト状態に応じて異なる変速機内の動力伝達を担っているトルク容量可変のクラッチ・ブレーキによる締結要素のうち、1つを用いている。これにより自動変速機3は、第1クラッチ4を介して入力されるエンジン1の動力と、モータジェネレータ2から入力される動力を合成してタイヤ7、7へ出力する。
第1クラッチ4と第2クラッチ5には、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる乾式多板クラッチや湿式多板クラッチ等を用いればよい。このパワートレーン系には、第1クラッチ4の接続状態に応じて2つの運転モードがあり、第1クラッチ4の切断状態では、モータジェネレータ2の動力のみで走行する「EVモード」であり、第1クラッチ4の接続状態では、エンジン1とモータジェネレータ2の動力で走行する「HEVモード」である。
そして、パワートレーン系には、第1クラッチ4の入力回転数を検出するCL1インプット回転センサ10と、第1クラッチ4の出力回転数(=CL2入力回転数=モータ回転数)を検出するCL1アウトプット回転センサ11と、第2クラッチ5の出力回転数を検出するCL2アウトプット回転センサ12と、自動変速機3の出力軸回転数を検出するAT出力回転センサ13と、が設けられる。
[制御システム構成]
図2は、実施の形態1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す。以下、図2に基づいて、制御システム構成を説明する。
実施の形態1の制御システムは、図2に示すように、統合コントローラ20と、エンジンコントローラ21と、モータコントローラ22と、インバータ8と、バッテリ9と、第1ソレノイドバルブ14と、第2ソレノイドバルブ15と、アクセル開度センサ17と、CL1ストロークセンサ23(図1参照)と、SOCセンサ16と、変速モード選択スイッチ24と、を備えている。
統合コントローラ20は、パワートレーン系構成要素の動作点を統合制御する。この統合コントローラ20では、アクセル開度APOとバッテリ充電状態(バッテリSOC)と、車速VSP(自動変速機出力軸回転数に比例)と、に応じて、運転者が望む駆動力を実現できる運転モードを選択する。そして、モータコントローラ22に目標モータトルクもしくは目標モータ回転数を指令し、エンジンコントローラ21に目標エンジントルクを指令し、各ソレノイドバルブ14、15に駆動信号を指令する。
エンジンコントローラ21は、エンジン1を制御する。モータコントローラ22は、モータジェネレータ2を制御する。インバータ8は、モータジェネレータ2を駆動する。バッテリ9は、電気エネルギーを蓄える。第1ソレノイドバルブ14は、第1クラッチ4の油圧を制御する。第2ソレノイドバルブ15は、第2クラッチ5の油圧を制御する。アクセル開度センサ17は、アクセル開度(APO)を検出する。CL1ストロークセンサ23は、第1クラッチ4(CL1)のクラッチピストンのストロークを検出する。SOCセンサ16は、バッテリ9の充電状態を検出する。変速モード選択スイッチ24は、車速VSPとアクセル開度APOに応じて変速段を自動選択する自動変速モードと、ドライバーの選択する変速段を選択するマニュアル変速モードと、を切り替える。
[統合コントローラの構成]
図3は、実施の形態1の統合コントローラ20を示す演算ブロック図である。以下、図3〜図5に基づいて、統合コントローラ20の構成を説明する。なお、以下に説明する制御は、たとえば、10msecごとに繰り返し実行される。
図3に示すように、統合コントローラ20は、目標駆動トルク演算部201、目標走行モード演算部202、目標入力トルク演算部203、目標入力回転数演算部204及び目標クラッチトルク演算部205を備えている。
目標駆動トルク演算部201は、予め定められた目標駆動力マップを用いて、アクセル開度センサ17により検出されたアクセル開度APO、および車速センサ18により検出された車速VSPに基づいて、目標駆動トルクtFo0を演算する。なお、本実施の形態1では、目標駆動トルクtFo0を演算するのにあたり、図4(a)に示す目標定常駆動力マップと、図4(b)に示すMGアシスト駆動力マップを用いて、目標定常駆動力とMGアシスト駆動力を算出する。
目標走行モード演算部202は、図5に示す走行モードマップを参照し、目標走行モードを演算し、選択する。図5の走行モードマップには、車速VSPとアクセル開度APOに応じて、EV走行モード、WSC走行モードおよびHEV走行モードの領域がそれぞれ設定されている。なお、この走行モードマップにおいて、EV走行モードまたはHEV走行モードからWSCモードへの切り替え線は、所定アクセル開度APO1未満の領域では、自動変速機3が1速段のときに、エンジン1のアイドル回転数よりも小さな回転数となる下限車速VSP1よりも低い領域に設定されている。また、所定アクセル開度APO1以上の領域では、大きな駆動力が要求されることから、下限車速VSP1よりも高い車速VSP1b領域までWSC走行モードが設定されている。なお、システム状態検出部206により検出されるバッテリ9のSOC(又は目標充放電電力tP)や車両の勾配をも考慮して目標走行モードが演算される。
目標入力トルク演算部203、目標入力回転数演算部204及び目標クラッチトルク演算部205は、アクセル開度APO、目標駆動トルクtFo0、目標走行モード、車速VSP、クラッチスリップ回転数検出部207によるクラッチスリップ回転数、出力軸回転数検出部208による出力軸回転数および目標充放電電力tPに基づいて、これらの動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルク、目標モータジェネレータトルク、目標クラッチトルク容量をそれぞれ演算する。
そして、目標エンジントルク/目標モータトルク演算部209は、目標入力トルク演算部203にて演算された目標入力トルクと目標走行モード演算部202にて演算された目標走行モードとに基づいて、エンジントルク制御部210に目標エンジントルクを出力するとともに、モータトルク/回転数制御部211へ目標モータトルクを出力する。
また、目標入力回転数演算部204により演算された目標入力回転数(=モータ回転数)は、モータトルク/回転数制御部211へ出力されるが、モータトルク/回転数制御部211は、MG制御モード選択部215にて選択されたモータジェネレータ2の制御モードがトルク制御か速度制御(回転数制御)かに応じて、モータジェネレータ2へ目標入力回転数または目標モータトルクのいずれかを出力する。なお、本例のMG制御モード選択部215は、目標走行モードがHEV走行モードである場合はトルク制御を選択する。
目標クラッチトルク演算部205により演算された目標クラッチトルクは目標クラッチトルク容量制御部212へ出力され、第1クラッチ4および第2クラッチ5の伝達トルクが制御される。なお、第2クラッチ5として、本実施の形態1では、自動変速機3内の摩擦締結要素を用いているため、第2クラッチ5への指令値は、図示を省略した変速コントローラに出力される。
[統合制御演算処理構成]
図6は、実施の形態1の統合コントローラ20にて実行される統合制御演算処理の流れを示す。以下、図6に基づいて、統合制御演算処理構成を説明する。なお、この統合制御演算処理は、たとえば、10msecごとに繰り返し実行される。
ステップS01では、各コントローラ21,22からデータを受信し、次のステップS02では、センサ値を読み込み、後の演算に必要な情報を取り込む。
ステップS03では、ステップS02でのセンサ値読み込みに続き、目標駆動トルク演算部201により車速VSP、アクセル開度APO、ブレーキ制動力に応じて目標駆動トルクtFo0を演算し、ステップS04へ進む。なお、この目標駆動トルクtFo0は、次のステップS4にて求められる走行モードに応じて、ステップS08にて目標エンジントルクtTeと目標モータトルクtTmとに分配される。
ステップS04では、ステップS03での目標駆動トルクtFo0の演算に続き、目標駆動トルク、バッテリSOC、アクセル開度APO、車速VSP、路面勾配、等の車両状態に応じて、目標走行モードを選択し、ステップS06へ進む。
すなわち、ステップS04では、目標走行モード演算部202(図3参照)により目標駆動トルク、バッテリ9のSOC、アクセル開度APO、車速VSP、車両の勾配等から図5の走行モードマップを参照し、EV走行モード、HEV走行モード又はWSC走行モードのいずれかを選択する。
なお、統合コントローラ20の目標入力トルク演算部203、目標入力回転数演算部204及び目標クラッチトルク演算部205は、ステップS04で選択された走行モードになるように、過渡的な目標エンジントルク、目標モータトルク、目標クラッチトルク容量(目標第1クラッチトルク容量、目標第2クラッチトルク容量)を演算し、エンジントルク制御部210、モータトルク/回転数制御部211、目標クラッチトルク容量制御部212に出力する。
また、このモード選択により、「EVモード」から「HEVモード」または「WSCモード」へのモード遷移を選択した場合にエンジン始動を実施する。
ステップS05では、ステップS04で選択された走行モードに応じてモータジェネレータ2の制御モード(回転数制御またはトルク制御)を選択し、モータコントローラ22へ出力する。この処理は、図3に示すMG制御モード選択部215にて実行されるもので、HEV走行モードが選択された場合は、モータジェネレータ2をトルク制御する。
図6に戻りステップS06では、ステップS04で決定された目標走行モードおよびステップS05にて選択されたモータ制御モードに応じて、目標入力回転数を演算し、ステップS07へ進む。なお、この処理は、目標入力回転数演算部204(図3参照)にて実行される。
ステップS07では、目標入力トルク演算部203(図3参照)にて、目標駆動トルクtFo0および各種デバイスの保護を考慮した目標入力トルクを演算し、ステップS08へ進む。
ステップS08では、目標エンジントルク/目標モータトルク演算部209にて、ステップS07で算出した目標入力トルク及び発電要求を考慮し、エンジン1とモータジェネレータ2へのトルク配分を決める。そして、エンジン1とモータジェネレータ2に対する目標エンジントルクtTe、目標モータトルクtTmを算出し、ステップS09へ進む。
なお、このエンジン始動時の目標モータトルクtTmは、例えば、バッテリSOCからモータジェネレータ2の出力可能最大トルクを推定し、このモータ出力可能最大トルクから、予め任意に設定しておいた車輪駆動用最大トルクを差し引いて求めることができる。
ステップS09では、ステップS08での目標エンジントルク/モータトルク演算に続き、目標クラッチトルク容量制御部212(図3参照)にて、第1クラッチ4の目標クラッチトルク容量(目標第1クラッチトルク容量tTcl1)を演算し、ステップS10へ進む。
ステップS10では、ステップS09での目標第1クラッチトルク容量演算に続き、ステップS05で決めた走行モード状態、CL2スリップ回転数に応じて、第2クラッチ5のトルク容量の目標値である目標第2クラッチトルク容量tTcl2を演算し、ステップS11へ進む。なお、この演算は、目標クラッチトルク容量制御部212(図3参照)にて行なう。
ステップS11では、ステップS10での目標第2クラッチトルク容量演算に続き、目標エンジントルクtTe、目標モータトルクtTm、目標各クラッチトルク容量tTcl1,tTcl2のデータを各コントローラ21,22および変速コントローラ(図示省略)へ送信し、エンドへ進む。
(フィードバック補正)
ここで、目標クラッチトルク演算部205における目標第2クラッチトルク容量tTcl2のフィードバック補正について説明する。
このフィードバック補正は、例えば、特開2007−331534号公報などにより公知の補正を用いるものであり、その補正の手法自体は、本願の特徴ではないため、簡単に説明する。
このフィードバック補正は、第2クラッチ5のスリップ時に、図7に示す第2クラッチトルク容量補正演算部35により実行される。この第2クラッチトルク容量補正演算部35では、第2クラッチ5の計算上の出力回転数(第2クラッチ出力側回転数規範値Ncl2oref)と、第2クラッチ出力側回転数検出値Ncl2oとの偏差(第2クラッチ出力側回転数偏差)Ncl2oerrを0にするように、第2クラッチ伝達トルク容量のフィードバック制御量である第2クラッチ伝達トルク容量補正値Tcl2FBを算出する。
以下、図7に基づいて簡単に説明する。
フィードフォワード(位相)補償演算部31では、フィードフォワード(位相)補償器を用いて、基本第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTcl2baseに位相補償を施し、フィードフォワード制御用の第2クラッチ伝達トルク容量目標値Tcl2ffを演算する。
第2クラッチ出力側回転数目標値演算部32は、基本第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTcl2baseと、予め求めておいた平坦路での車両走行抵抗Trとに基づく演算により、出力軸駆動トルク目標値tToを求める。
さらに、車輪駆動トルク目標値tTdと、車両慣性モーメントJoと、変速比Gmと、最終減速比Gfとに基づき、第2クラッチ5のクラッチ出力側回転数目標値tNcl2oを下記式(1)により求める。
tNcl2o={(Gm・Gf)2 /Jo}×(1/s)×tTd ・・・(1)
第2クラッチ出力側回転数規範値演算部33は、第2クラッチ5の規範モデルGcl2ref(s)にクラッチ出力側回転数目標値tNcl2oを通して、この規範モデルに一致させるための第2クラッチ出力側回転数規範値Ncl2orefを演算する。
この第2クラッチ出力側回転数規範値Ncl2orefの演算にあたっては実際には、タスティン近似などで離散化して得られた下記式(2)の漸化式を用い。
Ncl2oref=Gc2ref(s)×tNcl2o
={1/(τcl2ref・s+1)}×tNcl2o ・・・(2)
なお、τcl2refは第2クラッチ制御用規範応答時定数である。
第2クラッチ出力側回転数偏差演算部34においては、上記第2クラッチ出力側回転数規範値Ncl2orefと、第2クラッチ出力側回転数検出値Ncl2oとの間における第2クラッチ出力側回転数偏差Ncl2oerr=Ncl2oref−Ncl2oを演算する。
第2クラッチトルク容量補正演算部35は、第2クラッチ出力側回転数偏差Ncl2oerrを0にするための、つまり、第2クラッチ出力側回転数規範値Ncl2orefに第2クラッチ出力側回転数検出値Ncl2oを一致させるための第2クラッチ伝達トルク容量のフィードバック制御量である第2クラッチ伝達トルク容量補正値Tcl2FBを算出する。
この第2クラッチ伝達トルク容量補正値Tcl2FBの演算にあたっては実際には、下記式(3)のタスティン近似などで離散化して得られた以下の漸化式を用いて当該演算を行うこととする。
Tcl2FB={Kcl2p+(Kcl2i/s)}・Ncl2oerr ・・・(3)
なお、Kcl2pは比例制御ゲイン、Kcl2iは積分制御ゲインである。
第2クラッチスリップ回転制御用の第2クラッチトルク容量目標値演算部36は、フィードフォワード制御用の第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTcl2ffと、第2クラッチ伝達トルク容量補正値Tcl2FBとを合算した後、この合算値からエンジン始動時第2クラッチ伝達トルク容量補正値ΔTcl2eを差し引いて、第2クラッチスリップ回転制御用の第2クラッチ伝達トルク容量目標値Tcl2FBonを求める。そして、この第2クラッチスリップ回転制御用の第2クラッチ伝達トルク容量目標値Tcl2FBonを最終目標第2クラッチトルク容量Tcl2ESとする。
以上の図7に示す構成に基づき、第2クラッチ5の計算上の出力回転数(第2クラッチ出力側回転数規範値Ncl2oref)と、第2クラッチ出力側回転数検出値Ncl2oとの偏差(第2クラッチ出力側回転数偏差)Ncl2oerrが0になるようにフィードバック制御を行なう。
また、このフィードバック制御に基づいて、上記第2クラッチ出力側回転数偏差Ncl2oerrが相対的に大きく補正が完了していない場合は、目標駆動トルクtFo0と目標モータトルクtTmとの偏差も大きい。一方、補正が完了して上記第2クラッチ出力側回転数偏差Ncl2oerrが小さくなると、目標駆動トルクtFo0と目標モータトルクtTmとの偏差も小さくなる。
図8は、第2クラッチ5のスリップ時における補正実施中および補正終了時のモータ駆動トルクTmと目標駆動トルクtFo0との関係を示している。
この図8に示すように、第2クラッチ5のスリップ開始から上記のフィードバック補正が開始される。この補正実施中は、モータ駆動トルクTmと目標駆動トルクtFo0とが乖離している。この状態からフィードバック補正を実施することにより、モータ駆動トルクTmと目標駆動トルクtFo0との偏差が小さくなる。そして、補正が完了した時点では、モータ駆動トルクTmと目標駆動トルクtFo0とが一致、あるいは両者の偏差が小さな値に抑えられる。したがって、モータ駆動トルクTmと目標駆動トルクtFo0との偏差があらかじめ設定された完了判定値以上か未満かにより、補正中(補正未完了)か補正完了かを判定することができる。
(始動時トルク処理(余裕代トルク設定処理))
次に、目標クラッチトルク容量制御部212にてエンジン始動時の目標両クラッチトルク容量tTcl1、tTcl2を演算するのに伴い、その合算値が、モータ上限トルクを超えないように設定する始動時トルク処理について説明する。
すなわち、本実施の形態1では、モータ上限トルクから、両クラッチ4,5のばらつきトルクTba1、Tba2に基づく余裕代トルクTyoを差し引いた値を、目標両クラッチトルク容量tTcl1、tTcl2として使用可能な使用可能モータトルクとしている。
さらに、本実施の形態1では、余裕代トルクTyoを、第2クラッチ5のフィードバック補正の進行状況に応じて、可変としている。以下に、その余裕代トルクTyoを可変とするための処理を、図9の目標第2クラッチトルク容量tTcl2を決定する演算処理の流れを示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS101において、エンジン始動中のモータ上限トルクを算出し、ステップS102に進む。ここで、エンジン始動時に入力回転数が上昇する際、パワー制限によるモータトルク低下が起きる場合があるため、クランキング中は、エンジン始動時の最終目標回転数に基づいてモータ上限トルクを算出する。
すなわち、第2クラッチ5では、出力側はEV走行中の回転数を維持しつつ、クランキング相当分だけ、第2クラッチ5をスリップさせる。このため、入力回転数は、図10に示すように、エンジン始動時には、EV走行中の回転数に対して第2クラッチ5のスリップ量の分だけ増加する。
そこで、モータ上限トルクの演算にあたっては、上記のトルク低下を考慮し、第2クラッチ5の入力回転数(=モータ回転数)に基づいて、EV走行中の回転数に対して、入力回転数が高くなるほど(スリップ量が増加するほど)、モータ上限トルクを制限する。
また、入力回転数としては、EV時の回転数にスリップ回転数を加えた目標モータ回転数tNmを用いる。ただし、CL1アウトプット回転センサ11が検出する第2クラッチ5の入力回転数(実モータ回転数rNm)が目標モータ回転数tNmよりも大きくなった場合は、実モータ回転数rNmを用いる。
次のステップS102では、第2クラッチ5の締結状態に応じた余裕代トルクTyoを算出し、ステップS103に進む。
この余裕代トルクTyoは、第2クラッチ5の締結状態に応じて可変としている。すなわち、余裕代トルクTyoを、非スリップ時、補正未完了スリップ時、補正完了スリップ時で、それぞれ異なる設定を行なう。
非スリップ時は、第2クラッチ5が完全締結状態である場合である。この場合、図11および図12に示すように、余裕代トルクTyoとして、第1クラッチ4のばらつきトルクTba1および第2クラッチ5のばらつきトルクTba2を合算する。
また、補正未完了スリップ時は、第2クラッチトルク容量補正演算部35によるフィードバック補正が完了していない状態である。この場合、余裕代トルクTyoとして、第1クラッチ4のばらつきトルクTba1に、トルク加算値Tαを加算する。このトルク加算値Tαは、目標駆動トルクtFo0とモータ駆動トルクTmとの偏差に応じ、偏差が大きいほど大きな値とするとともに、第2クラッチ5のばらつきトルクTba2よりも小さな値に設定する。これにより、余裕代トルクTyoを小さくできる。
そして、補正完了スリップ時には、上記フィードバック補正が完了した場合である。この場合、余裕代トルクTyoとして、第1クラッチ4のばらつきトルクTba1のみを用いる。
なお、補正未完了と補正完了の判定は、このステップS102の処理を実行する部分において行なう。この場合、目標駆動トルクtFo0とモータ駆動トルクTm(フィードバック値)との偏差が、あらかじめ補正完了を判定するために設定された完了判定閾値未満となった時点で、補正完了と判定する。すなわち、目標駆動トルクtFo0とモータ駆動トルクTmとが一致した場合は、第2クラッチ5においてスリップが生じていないとともに、トルクばらつきによる補正が完了した状態である。したがって、上記偏差が小さくなり、補正完了とみなすことができる値(0を含む小さな値)まで低下した時点で、補正完了と判定する。
ステップS102に続くステップS103では、目標第2クラッチトルク上限値tTcl2maxを設定した上で、目標第2クラッチトルク容量tTcl2を算出し、エンドに進む。
なお、目標第2クラッチトルク上限値tTcl2maxは、図11に示すように、モータ上限トルクから、目標第1クラッチトルク容量tTcl1と余裕代トルクTyoとを差し引いた値とする。
モータ上限トルクは、モータジェネレータ出力可能最大トルクとモータトルク許容上限値との小さい方を選択(セレクトロー)して設定する。ここで、モータジェネレータ出力可能最大トルクは、理論上あらかじめ設定されたモータジェネレータトルクマップに基づいてモータ回転数Nmに応じて設定される(モータ回転数Nmが上昇するにつれてモータ駆動トルクTmは低下する)。モータトルク許容上限値は、バッテリSOCやモータジェネレータ2の制御系も含む発熱などによって制限される上限値である。
(トルク配分処理)
目標第2クラッチトルク容量tTcl2および目標第1クラッチトルク容量tTcl1は、上述のように、図11の余裕代トルク特性図に示すように決定することができる。すなわち、目標第2クラッチトルク容量tTcl2は、上述の始動時トルク処理における余裕代トルク設定処理により決定した目標第2クラッチトルク上限値tTcl2maxを超えない範囲で決定している。また、目標第1クラッチトルク容量tTcl1は、例えば、所定時間内にエンジンの始動が完了するために最低限必要なトルクに設定している。
これに対し、図11に示すモータ使用可能トルクを、車両条件に応じ、目標第1クラッチトルク容量tTcl1と目標第2クラッチトルク上限値tTcl2maxに配分することも可能である。これにより、さらに、モータ使用可能トルクを有効に使用することが可能となる。
図13に示す例は、モータ上限トルクから余裕代トルクTyoを差し引いたモータ使用可能トルクを、クラッチトルク合算値とし、F/F補正およびF/B補正に基づいて両クラッチに配分するようにした例の演算ブロック図である。
トルク配分部101には、上述のようにして決定された目標第1クラッチトルク容量tTcl1、目標第2クラッチトルク容量tTcl2の配分を、エンジン回転数Neに基づいて変更する、F/F補正を行う。
この配分について図14に基づいて説明する。
図示のモータ使用可能トルクは、前述のように、モータ上限トルクから余裕代トルクTyoを差し引いた値である。
このモータ使用可能トルクにおいて、まず、エンジン始動に必要なトルクであるクランキング初期トルクTestart1、クランキング可能トルクTestart2を確保し、その残りを目標第2クラッチトルク配分量とする。
クランキング初期トルクTestart1は、エンジン回転数がクランキング初期判定閾値Nes以下であるクランキング初期に与えるクランキングトルクである。このクランキング初期トルクTestart1は、エンジンが回り始めるまでは負荷が大きいため、この初期以降のクランキング時に用いるクランキング可能トルクTestart2よりも相対的に大きな値に設定されている。さらに、目標第2クラッチトルク配分量の範囲内において、目標第2クラッチトルク容量は、目標駆動トルクtFo0を超えることがないように設定する。
一方、クランキング可能トルクTestart2は、エンジン1が回転を始めて以降にクランキングに必要なトルクに設定されている。
図14に示す例では、目標第2クラッチトルク配分量は、斜線の領域となる。すなわち、エンジン回転数がクランキング初期判定閾値Nes以下の領域では、目標第2クラッチトルク配分量は、モータ使用可能トルクから、クランキング初期トルクTestart1を差し引いた値に制限されている。一方、クランキング初期判定閾値Nesを超えた領域では、目標第2クラッチトルク配分量は、目標駆動トルクtFo0に制限されている。
上記目標第2クラッチトルク配分量の範囲内で第2クラッチ基本指令値Tcl2ESBを決定したら、モータ使用可能トルクから第2クラッチ基本指令値Tcl2ESBを差し引いた値を第1クラッチ基本指令値Tcl1ESBとして配分する。
クラッチトルク容量合算補正値演算部102では、後述する最終第1クラッチトルク容量指令値Tcl1ES、最終目標第2クラッチトルク容量Tcl2ES、入力軸回転数Ncl2iならびに回転数制御中の回転数制御用モータトルク指令値Tm_FB_ONからクラッチトルク容量合算補正値TclESHを演算する。
この演算では、まず、制御対象モデル102aにて、回転数制御用モータトルク指令値Tm_FB_ONから各クラッチ4,5の最終目標各クラッチトルク容量Tcl1ES、Tcl2ESを合算したクラッチトルク容量合算推定値TclESを差し引いた値を入力する。そして、制御対象モデル102aでは、この入力により下記式(4)に基づき入力軸回転数規範値Ncl2irefを演算する。
Ncl2iref=(1/Jcl2is)×(Tm_FB_ON−Tcl1ES−Tcl2ES) (4)
ただし、Jcl2iは、モータ(入力軸)周りの慣性モーメントである。
そして、入力軸回転数(計測値)Ncl2iと入力軸回転数規範値Ncl2irefとの偏差Ncl2ierrに対し、下記式(5)に示す特性のフィルタ処理を施し、クラッチトルク容量補正値の総和であるクラッチトルク容量合算補正値TclESHを演算する。
TclESH={Jcl2is/(τ・s+1)}×(Ncl2oref−Ncl2i) (5)
ただし、τはクラッチトルク容量補正値演算用フィルタ時定数である。
次に、クラッチトルク容量補正配分演算部103では、下記式(6)(7)に基づきクラッチトルク容量合算補正値TclESHを、第1クラッチトルク容量補正値Tcl1ESB、第2クラッチトルク容量補正値Tcl2ESBへ配分する。
Tcl1ESB=KDIST_FB×TclESH (6)
Tcl2ESB=(1−KDIST_FB)×TclESH (7)
ここで、上式におけるKDIST_FBはクラッチトルク容量補正値の配分比を決める定数であり、クラッチトルク容量補正値の符号やアクセル開度速度ΔApoにより決定する。実際には例えば図15に示すマップに基づき決定する。
図15(a)はクラッチトルク容量合算補正値TclESHの符号が負、すなわちトルク容量を減少側(増加を減少に修正)に補正する場合のマップとなる。この図15(a)のような特性とすることにより、図示のアクセル開度速度ΔApoの絶対値が設定値未満の緩加減速領域では第1クラッチ4に優先的に配分される。一方、このアクセル開度速度ΔApoが緩加減速領域外では、アクセル開度速度ΔApoの絶対値が大きくなるに連れて第2クラッチ5への配分量が増える。これにより、運転者が微妙なアクセルコントロールで加速している場合には第1クラッチ4に配分し、タイヤ(駆動輪)7,7の駆動トルク変化を抑える。一方、運転者のアクセル開度速度ΔApoが高い場合は、第2クラッチ5への補正量の配分を増やし、加速レスポンスを向上させる。
一方、図15(b)はクラッチトルク容量合算補正値TclESHが正、すなわちトルク容量を増加側に補正する場合のマップとなる。この図15(b)のような特性とすることにより、アクセルを急に戻し加速を弱める場合以外は、補正量は第2クラッチ5へ優先的に配分される。これにより、アクセルを踏み込んで加速する場合には、第2クラッチ5のトルク容量を優先的に補正することにより加速レスポンスが向上する。また、アクセルを急に戻し加速を弱める場合には、第2クラッチ5にトルク配分されないため、第2クラッチ5に補正を加算する場合と比較して、減速不足による違和感を抑制できる。
そして、図13の上下限制限処理部104では、各エンジン始動用トルク容量の各クラッチ基本指令値Tcl1ESB、Tcl2ESBから、各クラッチトルク容量補正値Tcl1ESH、Tc2ESHを差し引いた値に対し、以下に示す上下限制限および制限によって考慮されない補正の再配分を行ない、最終目標各クラッチトルク容量Tcl1ES、Tcl2ESを演算する。このような上下限の制限により、誤差が蓄積されるのを抑制できる。
<上下限制限処理>
ここで、上下限制限処理部104における上下限制限処理について説明する。
1)最終目標第1クラッチトルク容量Tcl1ES
1−1)Tcl1ESB−TclESH<TESである場合、
Tcl1ES=TES (8)
1−2)それ以外
Tcl1ES=Tcl1ESB−Tcl1ESH (9)
なお、TESは、所定時間内にエンジンの始動が完了するために最低限必要なトルク、すなわち、エンジン始動下限トルクTESminであり、予め実験などにより求めた値を設定する。このエンジン始動下限トルクTESminを設定する部分が、エンジン始動可能下限トルク演算部に相当する。
2)最終目標第2クラッチトルク容量Tcl2ES
2−1)Tcl2ESB−TclESH>tFo0である場合、
Tcl2ES=tFo0 (10)
2−2)それ以外
Tcl2ES=Tcl2ESB−Tcl2ESH (11)
<再配分処理>
次に、上下限制限処理部104における再配分処理について説明する。
1)最終目標第1クラッチトルク容量Tcl1ESが下限制限された場合
制限量「TES−(Tcl1ESB−Tcl1ESH)」を上下限制限後の最終目標第2クラッチトルク容量Tcl2ESから減算し、これを最終目標第2クラッチトルク容量Tcl2ESとする。
2)最終目標第2クラッチトルク容量Tcl2ESが上限制限された場合
制限量「tFo0−(Tcl2ESB−Tcl2ESH)」を上下限制限後の最終第1クラッチトルク容量指令値Tcl1ESに加算し、これを最終第1クラッチトルク容量指令値Tcl1ESとする。
(実施の形態1の作用)
次に、実施の形態1の作用を説明する。
(比較例)
本実施の形態1の作用を説明するのにあたり、まず、実施の形態のように、図7のフローチャートに示す余裕代トルクTyoの設定処理を実施しない比較例の動作例を図16により説明する。
この比較例は、余裕代トルクTyoを、常時、図11の(1)EV中非スリップに示すように、第1クラッチ4のばらつきトルクTba1と第2クラッチ5のばらつきトルクTba2との加算値とした例である。
この場合、モータ駆動トルクTmは、モータ上限トルクに対して余裕代トルクTyo(=Tba1+Tba2)だけ下回る。この結果、モータ駆動トルクTmは、エンジン始動開始後、モータ上限トルクまで使い切ることができないため、前後加速度(前後G)が、図示のように低下して加速不良が生じる。
次に、実施の形態1の動作を説明する。
この説明にあたり、図13に示す構成によりトルク配分処理を実行しない場合と、実行した場合とに分けて説明する。
まず、トルク配分処理を実行しない場合を図16に基づいて説明する。
この動作例では、エンジン始動開始時点の前から、エンジン始動によるショック軽減のために、第2クラッチ5をスリップさせている。
したがって、このスリップに伴う図7の演算ブロック図に示す構成によるフィードバック補正に基づいて、第2クラッチ出力側回転数規範値Ncl2orefと、第2クラッチ出力側回転数検出値Ncl2oとの偏差(クラッチ出力側回転数偏差)Ncl2oerrが0となるように制御される。
この結果、図16においてCl2スリップと示した点線で囲んだ領域において、モータ駆動トルクTmは、目標駆動トルクtFo0に略一致する。
したがって、余裕代トルクTyoとして、図11、図12において(3)として示す補正完了時に用いる第1クラッチ4のばらつきトルクTba1のみが用いられる。
よって、モータ駆動トルクTmは、図16において二点鎖線により示すように、モータ上限トルクに近づき、その結果、車両前後加速度(前後G)の低下も、二点鎖線により示すように、比較例よりも抑えることが可能となる。
(トルク配分時)
次に、図13の演算ブロック図に示す構成により、使用可能モータトルクの範囲内で、各クラッチ容量Tcl1,Tcl2の配分を行った場合について説明する。
この動作例は、運転者がアクセルペダルをゆっくり踏んでEVモードからHEVモードへの移行を行った場合の動作を示している。
この場合、比較例で述べたように、余裕代トルクTyoとして、両ばらつきトルクTba1,Tba2を加算した値を用いた場合のモータ駆動トルクTmbは、二点鎖線により示すように、モータ上限トルクに達することはない。この場合、駆動トルクの低下が生じ、加速不良が生じる。
それに対し、本実施の形態1の図16に示す例では、上記式(9)に基づいて、最終目標第1クラッチトルク容量Tcl1ESは、第1クラッチ基本指令値Tcl1ESBからクラッチトルク容量補正値Tcl1ESHを差し引いた値としている。
したがって、最終目標第1クラッチトルク容量Tcl1ESは、配分を行わない場合の二点鎖線で示すものに対して、同図の実線により示すように、低下される。なお、この場合、下限制限される。
一方、最終目標第2クラッチトルク容量Tcl2ESには、この第1クラッチ4のトルク低下に対応して加算される。その結果、配分後の最終目標第2クラッチトルク容量Tcl2ESは、図において実線により示すように、点線により示す非配分実行時よりも大きな値とされる。
その結果、モータ駆動トルクTmは、モータ上限トルクの近傍まで使い切ることができ、駆動トルクは、エンジン始動時に低下することがなく、加速性能を確保できる。
また、モータ駆動トルクTmは、モータ上限トルクの近傍まで使い切っているが、最終目標第1クラッチトルク容量Tcl1ESを低下させているため、スリップ状態を維持することができる。
以上のように、モータ駆動トルクTmを使い切って良好な加速を得ることができる。
(実施の形態1の効果)
実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
a)実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置は、
駆動源としてのエンジン1およびモータジェネレータ2と、エンジン1とモータジェネレータ2との間に伝達トルクを変更可能に設けられた第1クラッチ4と、モータジェネレータ2と駆動輪との間に伝達トルクを変更可能に設けられた第2クラッチ5とを備え、モータジェネレータ2のみの駆動力を前記駆動輪に伝達するEVモードと、エンジン1およびモータジェネレータ2の駆動力を駆動輪としてのタイヤ7に伝達するHEVモードとを形成可能なハイブリッド駆動系と、
運転者の操作および車両状態に基づいて車両の目標駆動トルクtFo0を演算する目標駆動トルク演算部201と、
EVモードでの走行中に、エンジン始動判断がなされると、第1クラッチ4を締結させるとともに第2クラッチ5をスリップさせるクラッチトルク容量制御と、モータ2の駆動力を、エンジン1をクランキングさせるクランキングトルクおよび目標駆動トルクtFo0に応じて制御するモータトルク制御と、を実行して走行しながらエンジン1を始動させるエンジン始動処理を実行する制御手段としての統合コントローラ20と、
統合コントローラ20に含まれ、第1クラッチ4および第2クラッチ5の目標トルク容量を演算し、かつ、エンジン始動処理時に、モータジェネレータ2の出力可能なモータ上限トルクと、各クラッチ4,5のトルク容量の合力と、の間に、両クラッチ4,5のトルク容量のばらつき分であるばらつきトルクに基づいて設定された余裕代トルクTyoを確保し、前記トルク容量の合力が前記モータ上限トルクを超えないようにする始動時トルク処理(図9の処理)を実行するトルク容量制御部としての目標クラッチトルク演算部205と、
このトルク容量制御部としての目標クラッチトルク演算部205に含まれ、第2クラッチ5のスリップ時に、第2クラッチ出力回転数に基づいて第2クラッチ5の目標トルク容量をフィードバック補正する第2クラッチトルク容量補正値演算部35と、
を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
目標駆動トルクtFo0とモータ2の駆動トルクとに基づいて、両者の偏差があらかじめ設定された完了判定閾値未満となった場合に、目標第2クラッチトルク容量補正部35によるフィードバック補正が完了状態であるか否かを判定する補正完了判定手段(S102の処理に含まれる)を備え、
トルク容量制御部としての目標クラッチトルク演算部205は、エンジン始動処理の実行時に、第2クラッチ5の締結状態に基づいて、余裕代トルクTyoを変更する余裕代トルク設定処理を実行し、
かつ、この余裕代トルク設定処理では、第2クラッチ5の非スリップ時には、余裕代トルクTyoを、第1クラッチ4および第2クラッチ5のばらつきトルクTba1、Tba2を合算した値とし、第2クラッチ5がスリップ状態であり、かつ、補正完了判定手段が補正未完了と判定した補正未完了スリップ時には、余裕代トルクTyoを、第1クラッチ4のばらつきトルクTba1に、目標駆動トルクtFo0とモータ2の駆動トルクとの偏差に応じたトルク加算値αを加算した値とし、第2クラッチ5がスリップ状態であり、かつ、補正完了判定手段が補正完了と判定した補正完了スリップ時には、余裕代トルクTyoを、第1クラッチ4のばらつきトルクTba1に設定することを特徴とする。
このように、エンジン始動時のモータ上限トルクに対する余裕代トルクTyoを、第2クラッチ5の締結状態に応じ、非スリップ時と、補正未完スリップ時と、補正完了スリップ時と、で可変とした。さらに、非スリップ時の余裕代トルクTyoを、両クラッチ4,5のばらつきトルクTba1、Tba2を合算した値とした。これに対し、補正未完スリップ時には、余裕代トルクTyoを、第1クラッチ4のばらつきトルクTba1に、目標駆動トルクtFo0とモータ2の駆動トルクとの偏差に応じたトルク加算値αを加算し、補正完了スリップ時には、余裕代トルクTyoを、第1クラッチ4のばらつきトルクTba1とした。
これにより、余裕代トルクTyoを、常に、両クラッチ4,5のばらつき分のトルクを合算した値とした従来技術よりも、小さく抑えることが可能となる。
したがって、モータ上限トルクから余裕代トルクTyoを差し引いて得られるモータ出力可能最大値(モータ使用可能トルク)を、従来よりも大きく確保可能となり、その分、加速上昇あるいはクランキング時間の短縮を図ることが可能となる。
b)実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置は、
モータ上限トルクを演算するモータ上限トルク演算部(図9のS101の処理を行なう部分)は、目標モータ回転数tNmに、第2クラッチ5のスリップ回転数を加えた値と、モータジェネレータ2の回転数を検出する回転数検出手段としてのCL1アウトプット回転センサ11が検出する実モータ回転数rNmとの大きいほうの値に基づいてモータ上限トルクを演算することを特徴とする。
目標モータ回転数tNmと実モータ回転数rNmとの大きいほうの値を入力回転数としてモータ上限トルクを演算するため、エンジン始動中の回転上昇に伴うパワー制限によるモータトルク低下に対応して、モータ上限トルクを適正に設定することができる。よって、両クラッチトルクがモータ上限トルクを超えることによる運転性悪化を防止できる。
c)実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置は、
トルク容量制御部としての目標クラッチトルク演算部205は、目標第2クラッチトルク容量tTcl2の上限である目標第2クラッチトルク上限値tTcl2maxを設定する上限制限部(ステップS103の処理を実行する部分)を備え、
この上限制限部は、モータ上限トルクから、余裕代トルクTyoと目標第1クラッチトルク容量tTcl1とを差し引いた値を、目標第2クラッチトルク上限値tTcl2maxとすることを特徴とする。
したがって、エンジン始動時のスリップ制御でモータトルクの飽和により第2クラッチ5が締結される不具合の発生を抑制でき、これにより、良好な運転性を確保できる。
d)実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置は、
制御手段としての統合コントローラ20は、両クラッチ4,5の目標トルク容量の合算値と、回転数制御用モータトルク指令値Tm_FB_ONと、実モータ回転数rTm(入力軸回転数Ncl2i)と、を入力し、回転数制御用モータトルク指令値Tm_FB_ONと各目標トルク容量に基づいて求めたモータ回転数規範値Ncl2iと、実モータ回転数rTm(入力軸回転数Ncl2i)との差分が小さくなるようにフィードバック補正を行うクラッチトルク補正値演算部102を備えていることを特徴とする。
クラッチトルク補正値演算部102にてリアルタイムの補正を行うのにあたり、上記a)のように、第2クラッチ5の補正状態に応じて余裕代トルクTyoを設定し、各クラッチ4,5に対する制御量を設定するため、この補正の負担を軽減できる。
e)実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置は、
モータ使用可能トルクの範囲内で、目標第1クラッチトルクtTcl1、目標第2クラッチトルクtTcl2の配分を運転状況に応じて可変とした。
したがって、第1クラッチ4に優先的に配分した場合は、始動時間の短縮を図ることが可能である。一方、第2クラッチ5に優先的に配分した場合は、加速性能を向上できる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施の形態1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施の形態1では、第2クラッチとして、図1に示すように、自動変速機内の締結要素としてのクラッチを用いた例を示したが、自動変速機とは独立したクラッチをモータジェネレータと自動変速機との間に設定してもよい。あるいは、自動変速機と左右駆動輪としてのタイヤとの間の位置に第2クラッチを設定してもよい。
1 エンジン
2 モータジェネレータ
4 第1クラッチ
5 第2クラッチ
20 統合コントローラ(制御手段:)
35 第2クラッチトルク容量補正演算部
201 目標駆動トルク演算部(目標駆動演算手段)
205 目標クラッチトルク演算部(トルク容量制御部)
Tyo 余裕代トルク

Claims (4)

  1. 駆動源としてのエンジンおよびモータと、前記エンジンと前記モータとの間に伝達トルクを変更可能に設けられた第1クラッチと、前記モータと駆動輪との間に伝達トルクを変更可能に設けられた第2クラッチとを備え、前記モータのみの駆動力を前記駆動輪に伝達するEVモードと、前記エンジンおよび前記モータの駆動力を前記駆動輪に伝達するHEVモードとを形成可能なハイブリッド駆動系と、
    運転者の操作および車両状態に基づいて車両の目標駆動トルクを演算する目標駆動トルク演算手段と、
    前記EVモードでの走行中に、エンジン始動判断がなされると、前記第1クラッチを締結させるとともに前記第2クラッチをスリップさせるクラッチトルク容量制御と、前記モータの駆動力を、前記エンジンをクランキングさせるクランキングトルクおよび前記目標駆動トルクに応じて制御するモータトルク制御と、を実行して走行しながら前記エンジンを始動させるエンジン始動処理を実行する制御手段と、
    この制御手段に含まれ、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチの目標トルク容量を演算し、かつ、前記エンジン始動処理時に、前記モータの出力可能なモータ上限トルクと、各クラッチのトルク容量の合力と、の間に、両クラッチのトルク容量のばらつき分であるばらつきトルクに基づいて設定された余裕代トルクを確保し、前記トルク容量の合力が前記モータ上限トルクを超えないようにする始動時トルク処理を実行するトルク容量制御部と、
    このトルク容量制御部に含まれ、前記第2クラッチのスリップ時に、第2クラッチ出力回転数に基づいて前記第2クラッチの目標トルク容量をフィードバック補正する目標第2クラッチトルク容量補正部と、
    を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記目標駆動トルクと前記モータの駆動トルクとに基づいて、両者の偏差があらかじめ設定された完了判定閾値未満となった場合に、前記目標第2クラッチトルク容量補正部による前記フィードバック補正が完了状態であるか否かを判定する補正完了判定手段を備え、
    前記トルク容量制御部は、前記始動時トルク処理の実行時に、前記第2クラッチの締結状態に基づいて、前記余裕代トルクを変更する余裕代トルク設定処理を実行し、
    かつ、この余裕代トルク設定処理では、前記第2クラッチの非スリップ時には、前記余裕代トルクを、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチのばらつきトルクを合算した値とし、前記第2クラッチがスリップ状態であり、かつ、前記補正完了判定手段が補正未完了と判定した補正未完了スリップ時には、前記余裕代トルクを、前記第1クラッチのばらつきトルクに、前記目標駆動トルクと前記モータの駆動トルクとの偏差に応じたトルク加算値を加算した値とし、前記第2クラッチがスリップ状態であり、かつ、前記補正完了判定手段が補正完了と判定した補正完了スリップ時には、前記余裕代トルクを、前記第1クラッチのばらつきトルクに設定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記モータ上限トルクを演算するモータ上限トルク演算部は、前記EVモード走行中の回転数に前記第2クラッチのスリップ回転数を加えた目標モータ回転数と、前記モータの回転数を検出する回転数検出手段が検出する実モータ回転数との大きいほうの値に基づいて前記モータ上限トルクを演算することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記トルク容量制御部は、前記目標第2クラッチトルクの上限を設定する上限制限部を備え、
    この上限制限部は、前記モータ上限トルクから、前記余裕代トルクと前記第1クラッチの目標トルク容量とを差し引いた値を、前記第2クラッチの目標トルク容量の上限とすることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記制御手段は、両クラッチの目標トルク容量の合算値と、回転数制御用のモータトルク指令値と、実モータ回転数と、を入力し、前記モータトルク指令値と各目標トルク容量に基づいて求めたモータ回転数規範値と、実モータ回転数との差分が小さくなるようにフィードバック補正を行うクラッチトルク補正値演算部を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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