JP2014213641A - トーションビーム式サスペンション - Google Patents

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Abstract

【課題】重量増加をより確実に回避し、トレーリングアームとトーションビームとの継手部分における応力集中を緩和し、容易に位置決め可能な生産性の高いトーションビーム式サスペンションを提供する。
【解決手段】トーションビーム式サスペンション2は、一方向へ開いた開放形状を呈する板状の長尺なトーションビーム5と、トーションビーム5の両端に連結される一対のトレーリングアーム6と、を備える。トレーリングアーム6はトーションビーム5に突き合わせて接合される中空構造のビーム接合部13を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、トーションビーム式サスペンションに関する。
自動車の燃費を向上させるために、車両の軽量化が求められている。そこで、足回り部品では、アルミニウム合金の適用が進められている。足回り部品であるトーションビーム式サスペンションは、トーションビームと、トーションビームのそれぞれの端部に溶接で接合される一対のトレーリングアームと、を備える。それぞれのトレーレリングアームは車両に負荷される横力、前後力、および上下力に対して高い剛性を要求される一方で、トーションビームは左右の車輪が上下逆位相で変位する際の捻り荷重を支えるための適度な剛性を要求される。
そこで、重量増加を回避しながらトーションビームのエッジ部に発生する応力を緩和したトーションビーム式サスペンションが知られている。この従来のトーションビーム式サスペンションは、トレーリングアームに差し込まれたトーションビームを備える(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−140031号公報
従来のトーションビーム式サスペンションでは、トレーリングアームにトーションビームを差し込む構造上、トレーリングアームとトーションビームとの重なり部分が生じる。この重なり部分は、トレーリングアームまたはトーションビームにとって余分な重量増加となる。
また、トレーリングアームとトーションビームとの径寸法が必然的に異なるため、重なり部分には段差が生じる。この段差は、応力集中によって強度上の不利益を招く。
さらに、トレーリングアームとトーションビームとエッジ部に未溶接部分があるため、溶接部分と未溶接部分との境目は、応力集中によって強度上の不利益を招く。未溶接部分は、微小な往復すべり運動によってフレッティング疲労にも晒される。
しかも、トレーリングアームとトーションビームとを溶接する際、トーションビームの長さ方向における位置決め精度を高め難い。
そこで、本発明は、重量増加をより確実に回避し、トレーリングアームとトーションビームとの継手部分における応力集中を緩和し、容易に位置決め可能な生産性の高いトーションビーム式サスペンションを提供することを目的とする。
前記の課題を解決するため本発明に係るトーションビーム式サスペンションは、一方向へ開いた開放形状を呈する板状、または一方向へ開いた開放形状を呈する管状の長尺なトーションビームと、前記トーションビームの両端に連結される一対のトレーリングアームと、を備え、前記トレーリングアームは前記トーションビームに突き合わせて接合される中空構造のビーム接合部を備える。
本発明によれば、重量増加をより確実に回避し、トレーリングアームとトーションビームとの継手部分における応力集中を緩和し、容易に位置決め可能な生産性の高いトーションビーム式サスペンションを提供できる。
本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを適用する車両を示す斜視図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す斜視図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す分解斜視図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションに作用する荷重を示す図。 本発明の実施形態に係るトーションビームの一例を示す横断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビームの一例を示す横断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビームの一例を示す横断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビームの一例を示す横断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを基準線に沿って示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションのトレーリングアームを示す斜視図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションの他の例を基準線に沿って示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションのトレーリングアームを示す斜視図。 本発明の実施形態に係るトレーリングアームの一例を示す横断面図。 本発明の実施形態に係るトレーリングアームの一例を示す横断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションの他の例を基準線に沿って示す断面図。 本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションの他の例を基準線に沿って示す断面図。
本発明に係るトーションビーム式サスペンションの実施形態について図1から図25を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを適用する車両を示す斜視図である。
図1に示すとおり、本実施形態に係る車両としての自動車1は、リアサスペンションとしてトーションビーム式サスペンション2(以下、単に「サスペンション2」と呼ぶ。)を備える。サスペンション2は左右一対の車輪3を支持する。
サスペンション2は、自動車1の上下方向へ揺動する。サスペンション2は、長尺なトーションビーム5と、トーションビーム5の両端に連結される一対のトレーリングアーム6と、を備える。
トーションビーム5は自動車1の左右方向(車幅方向)に延びる。
トレーリングアーム6は、トーションビーム5に連接して車幅方向へ延びつつ二股に分かれる。それぞれの分岐は車両の前方および後方へ延びる。
サスペンションスプリング7およびショックアブソーバ8は、サスペンション2に負荷される自動車1の上下方向の力を支える。
図2は、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す斜視図である。
図3は、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す分解斜視図である。
図2および図3に示すように、本実施形態に係るサスペンション2は、車体に設けられるブラケット9によって揺動可能に支持される。また、サスペンション2は、ハブ11を介して車輪3を支える。ハブ11と車輪3との間にはブレーキドラム12が挟み込まれている。
トレーリングアーム6はアルミニウム合金など非鉄合金の鋳物製である。トーションビーム5はアルミニウム合金または鉄合金の押出材または板材の成形品である。
トレーリングアーム6はトーションビーム5に突き合わせて接合されるビーム接合部13を備える。トレーリングアーム6は、ビーム接合部13から二股に分かれる。それぞれの分岐はビーム接合部13から連続する円弧形状Rを呈する。この円弧は、曲率が小さい(曲率半径が大きい)ほど好ましい。ここで、車両の前方へ延びる一方の分岐を前アーム15と呼び、車両の後方へ延びる他方の分岐を後ろアーム16と呼ぶ。
前アーム15はブッシュ圧入部17を備える。ブッシュ圧入部17には、弾性のある管状のブッシュ18が圧入される。ブッシュ18はボルト21でブラケット9に揺動自在に支持される。ブラケット9、ブッシュ18、ブッシュ圧入部17は、サスペンション2のスイング軸である。
後ろアーム16は、アブソーバ取付部22と、スプリングシート23と、キャリア25と、を備える。
アブソーバ取付部22は、後ろアーム16のうちトーションビーム5を臨む面、つまり自動車1の車幅方向に見て内側に設けられる。アブソーバ取付部22は、ショックアブソーバ8の下方側の端部を揺動可能に支える。ショックアブソーバ8はボルト26でアブソーバ取付部22に揺動自在に支持される。
スプリングシート23は、ビーム接合部13から後ろアーム16に渡って延びる。スプリングシート23も自動車1の車幅方向に見て内側に設けられる。スプリングシート23はサスペンションスプリング7の下方側の端部に当てられる。なお、サスペンションスプリング7の上方側の端部は自動車1の車体フレームに当てられて、これを支える。
キャリア25は、トーションビーム5を臨む面の反対側の面、つまり、自動車1の車幅方向に見て外側を臨む面に設けられる。キャリア25はハブ11を介して車輪3を支持する。
トレーリングアーム6とトーションビーム5との継手部分27は、トーションビーム5の長手方向に延びる基準線Bに対して傾斜している。
図4は、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションに作用する荷重を示す図である。
図4に示すように、本実施形態に係るサスペンション2は、ブラケット9によって自動車1の上下方向へ揺動可能に支持される。また、サスペンション2は、サスペンションスプリング7およびショックアブソーバ8によって自動車1の上下方向に位置決めされる。
そして、トーションビーム5には、車輪3の設置点から作用する横力、前後力、および上下力と、左右一対の車輪3が上下方向に逆位相で変位することで作用するロール荷重とが作用する。
図5は、本発明の実施形態に係るトーションビームの一例を示す横断面図である。
図6は、本発明の実施形態に係るトーションビームの一例を示す横断面図である。
図7は、本発明の実施形態に係るトーションビームの一例を示す横断面図である。
図5から図7に示すように、本実施形態に係るサスペンション2のトレーリングアーム6は、横断面形状、つまり基準線Bに直交する方向の断面形状において、一方向へ開いた開放形状を呈する板状の梁である。具体的には、トレーリングアーム6は、U字形状(図5)、V字形状(図6)、C字形状(図7)の断面形状を呈する。
図8は、本発明の実施形態に係るトーションビームの一例を示す横断面図である。
図8に示すように、トレーリングアーム6は、横断面形状、つまり基準線Bに直交する方向の断面形状において、一方向へ開いた開放形状を呈する管状の梁であっても良い。具体的には、トレーリングアーム6は、例えば横断面形状が円形の管を押し潰すなどの塑性加工によってU字形状の断面形状を呈する。
なお、以下の説明は、断面U字形状のトレーリングアーム6で代表する。
図9は、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを基準線に沿って示す断面図である。
図10は、図9のX−X線において、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図である。
図11は、図9のXI−XI線において、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図である。
図12は、図9のXII−XII線において、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図である。
図13は、図9のXIII−XIII線において、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図である。
図14は、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションのトレーリングアームを示す斜視図である。
図9から図13に示すように、本実施形態に係るサスペンション2のビーム接合部13は略一様な肉厚の中空構造であり、閉断面形状を呈する
他方、サスペンション2のトーションビーム5は一方向へ開いた開放形状を呈する板状の梁である。トーションビーム5の開放方向は、自動車1の下方、つまり路面方向を向く。
また、トーションビーム5の端面は、基準線Bに直交する面に対して車両中央側へ傾く。
継手部分27の傾斜は、トーションビーム5の開放形状における開放側Oよりも非開放側Cのほうがトーションビーム5の長手方向における中央側(図4における左より)にある。換言すると、トーションビーム5の端部は、開放形状における非開放側Cから開放側Oへ向かって先細る。他方、ビーム接合部13の端部は、トーションビーム5の非開放側Cに対応する位置からトーションビーム5の開放側Oに対応する位置へ向かって太くなる。ビーム接合部13の端部は、トーションビーム5の端部形状に倣って傾斜している傾斜面28を備える。
ビーム接合部13の端部には、トーションビーム5の端部を嵌め込む凸部29が設けられる。凸部29はビーム接合部13とトーションビーム5との位置決めと、接合に要する最低限度の突出量があれば良い。そして、トーションビーム5を凸部29に嵌合させた状態では、トーションビーム5の端面がビーム接合部13の端部に突き合わさる一方、トーションビーム5およびビーム接合部13の外表面がほぼ面一になる。この継手部分27は、溶接や摩擦攪拌接合によって全周に渡って接合され、トーションビーム5とトレーリングアーム6とを一体化させる。
このような構成のサスペンション2は、開放断面形状であり比較的に剛性が低いトーションビーム5から閉断面形状であり比較的に剛性が高いトレーリングアーム6(詳しくはビーム接合部13)側へ向かって、トレーリングアーム6の断面積が徐々に大きくなり、トーションビーム5とトレーリングアーム6との継手部分27における急激な剛性変化を抑制できる。
次に、実施形態に係るサスペンション2の他の例を説明する。なお、各例で説明するサスペンション2A、2Bおよび2Cにおいてサスペンション2と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図15は、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションの他の例を基準線に沿って示す断面図である。
図16は、図15のXVI−XVI線において、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図である。
図17は、図15のXVII−XVII線において、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図である。
図18は、図15のXVIII−XVIII線において、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図である。
図19は、図15のXIX−XIX線において、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図である。
図20は、図15のXX−XX線において、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションを示す断面図である。
図21は、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションのトレーリングアームを示す斜視図である。
図14から図21に示すように、本実施形態に係るサスペンション2Aは、ビーム接合部13の傾斜面28に窪んだ凹部31を備える。
凹部31は、トーションビーム5の長手方向に見て、トーションビーム5から最も遠方にある縁部Pからトーションビーム5の先端Qまで窪みの深さh1を徐々に増大させる形状を呈し、トーションビーム5の先端Qからビーム接合部13の先端Rまで窪みの深さh2を徐々に減少させる形状を呈する。
また、凹部31は、基準線Bに直交する断面において、円弧形状を呈する。
図22は、本発明の実施形態に係るトレーリングアームの一例を示す横断面図である。
図23は、本発明の実施形態に係るトレーリングアームの一例を示す横断面図である。
図22および図23に示すように、本実施形態に係るサスペンション2Aの凹部31は、横断面形状、つまり基準線Bに直交する方向の断面形状において、円弧形状の他に、矩形状(図22)またはV字形状(図23)の断面形状を呈するものであっても良い。
このような構成のサスペンション2Aは、トレーリングアーム6の傾斜面28に凹部31を備えることによって、サスペンション2に比べてトーションビーム5からトレーリングアーム6(詳しくはビーム接合部13)側へ向かうトレーリングアーム6の断面積増加量、断面積変化量をより鈍く、緩やかにして、トーションビーム5とトレーリングアーム6との継手部分27における急激な剛性変化をより抑制できる。
図24は、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションの他の例を基準線に沿って示す断面図である。
図24に示すように、本実施形態に係るサスペンション2Bのビーム接合部13の肉厚は、トーションビーム5から遠ざかるほど徐々に、または段階的に厚くなる。ビーム接合部13の肉厚は、先端Rで最も薄く、トーションビーム5から最も遠方にある凹部31の縁部Pまで徐々に、または段階的に厚くなり、トレーリングアーム6の他の部分と同程度の厚みに到達する。
なお、サスペンション2Bはサスペンション2Aと同様に凹部31を備えているが、サスペンション2のように平坦な傾斜面28を備えていても良い。
このような構成のサスペンション2Bは、ビーム接合部13の肉厚をトーションビーム5から遠ざかるほど徐々に、または段階的に厚くすることによって、サスペンション2、2Aに比べてトーションビーム5からトレーリングアーム6(詳しくはビーム接合部13)側へ向かうトレーリングアーム6の断面積増加量、断面積変化量をさらに鈍く、緩やかにして、トーションビーム5とトレーリングアーム6との継手部分27における急激な剛性変化をさらに抑制できる。
図25は、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンションの他の例を基準線に沿って示す断面図である。
図25に示すように、本実施形態に係るサスペンション2Cのビーム接合部13の肉厚は、トーションビーム5の長手方向において、トレーリングアーム6とトーションビーム5との継手部分27に対応する第一領域A1と、第一領域A1外であって凹部31に対応する第二領域A2と、第一領域A1および第二領域A2以外の第三領域A3との間で異なる。
第一領域A1はビーム接合部13の先端Rからトーションビーム5の先端Qまでの区間であり、第二領域A2は、トーションビーム5の先端Qから凹部31のうちトーションビーム5から最も遠方にある縁部Pまでの区間であり、第三領域A3は縁部Pよりも車幅方向外側の区間であってビーム接合部13の根元部分である。
第一領域A1の肉厚が最も薄く、第三領域A3の肉厚が最も厚い。第一領域A1および第三領域A3は略一様な厚みを呈する。
第二領域A2の肉厚は第一領域A1の肉厚と第三領域A3の肉厚との差分内で徐々に、または段階的に変化している。
このような構成のサスペンション2Cは、肉厚の変化、ひいては剛性の変化をともなう第二領域A2を備えることによって、トレーリングアーム6とトーションビーム5との継手部分27、つまり第一領域A1に生じる応力を第二領域A2に分担させ、ひいては応力集中部Sを第二領域A2に移動させてトレーリングアーム6とトーションビーム5との継手部分27の荷重負担を低減させる(図25中、二点鎖線S1から二点破線S2へ移動させる。)。特に、第三領域A3に近い部分で第二領域A2の肉厚を急激に変化させると、この効果は顕著になる。
本実施形態に係るサスペンション2、2A、2Bおよび2Cは、トレーリングアーム6にトーションビーム5を突き合わせて接合するため、従来のサスペンションよりも確実に軽量化でき、容易に位置決めできる。
また、本実施形態に係るサスペンション2、2A、2Bおよび2Cは、継手部分27を傾斜させたことによって、継手部分27における剛性変化を緩やかに抑え、応力集中を緩和できる。
さらに、本実施形態に係るサスペンション2、2A、2Bおよび2Cは、継手部分27を全周に渡って接合するため、溶接部と未溶接部の境目がなく、応力集中が抑制され、フレッティング疲労が回避される。
さらにまた、本実施形態に係るサスペンション2、2A、2Bおよび2Cは、継手部分27の外表面がほぼ面一なため、外表面付近での応力集中を緩和できる。なお、トーションビーム5の内表面とトレーリングアーム6の傾斜面28との間には段差を生じるが、外表面側よりも応力値が低く、問題にはならない。
また、本実施形態に係るサスペンション2、2A、2Bおよび2Cは、ビーム接合部13と前アーム15との間、およびビーム接合部13と後ろアーム16との間が、それぞれ円弧形状を呈しているため、ブッシュ圧入部17、アブソーバ取付部22、スプリングシート23、およびキャリア25からトーションビーム5へ荷重を円滑に伝達させて、応力集中を緩和できる。
さらに、本実施形態に係るサスペンション2、2A、2Bおよび2Cは、一方向へ開いた開放形状のトーションビーム5を備えるため、ねじり剛性をそれ程必要とされない車種に適用できる。
さらにまた、本実施形態に係るサスペンション2Cは、継手部分27がアルミニウム合金の溶接構造になる場合、材料強度が低下しやすいアルミニウム合金の継手部分27と応力集中部分とを離間させて、継手部分27での応力集中を緩和できる。
したがって、本実施形態に係るサスペンション2、2A、2Bおよび2Cによれば、重量増加をより確実に回避し、トレーリングアーム6とトーションビーム5との継手部分27における応力集中を緩和し、容易に位置決め可能になる。
1 自動車
2、2A、2B、2C トーションビーム式サスペンション
3 車輪
5 トーションビーム
6 トレーリングアーム
7 サスペンションスプリング
8 ショックアブソーバ
9 ブラケット
11 ハブ
12 ブレーキドラム
13 ビーム接合部
15 前アーム
16 後ろアーム
17 ブッシュ圧入部
18 ブッシュ
21 ボルト
22 アブソーバ取付部
23 スプリングシート
25 キャリア
26 ボルト
27 継手部分
28 傾斜面
29 凸部
31 凹部

Claims (12)

  1. 一方向へ開いた開放形状を呈する板状、または一方向へ開いた開放形状を呈する管状の長尺なトーションビームと、
    前記トーションビームの両端に連結される一対のトレーリングアームと、を備え、
    前記トレーリングアームは前記トーションビームに突き合わせて接合される中空構造のビーム接合部を備えるトーションビーム式サスペンション。
  2. 前記トレーリングアームと前記トーションビームとの継手部分は、前記トーションビームの長手方向に延びる基準線に対して傾斜している請求項1に記載のトーションビーム式サスペンション。
  3. 前記傾斜は、前記開放形状における開放側よりも非開放側のほうが前記トーションビームの長手方向における中央側にある請求項2に記載のトーションビーム式サスペンション。
  4. 前記トーションビームの端部は、前記開放形状における非開放側から開放側へ向かって細くなり、
    前記ビーム接合部の端部は、前記トーションビームの端部形状に倣って傾斜している傾斜面を備える請求項2または3に記載のトーションビーム式サスペンション。
  5. 前記傾斜面に窪んだ凹部を備える請求項4に記載のトーションビーム式サスペンション。
  6. 前記ビーム接合部の肉厚は、前記トーションビームから遠ざかるほど徐々に、または段階的に厚い請求項1から5のいずれか1項に記載のトーションビーム式サスペンション。
  7. 前記ビーム接合部の肉厚は、前記トーションビームの長手方向において、前記トレーリングアームと前記トーションビームとの継手部分に対応する第一領域と、前記第一領域外であって前記凹部に対応する第二領域と、前記第一領域および前記第二領域以外の第三領域との間で異なり、前記第一領域の肉厚が最も薄く、前記第三領域の肉厚が最も厚く、前記第二領域の肉厚は前記第一領域の肉厚と前記第三領域の肉厚との差分内で徐々に、または段階的に変化している請求項5に記載のトーションビーム式サスペンション。
  8. 前記凹部は矩形状の横断面形状を呈する請求項5に記載のトーションビーム式サスペンション。
  9. 前記凹部はV字形状の横断面形状を呈する請求項5に記載のトーションビーム式サスペンション。
  10. 前記ビーム接合部は、閉断面形状を呈する請求項1から9のいずれか1項に記載のトーションビーム式サスペンション。
  11. 前記トレーリングアームは、前記ビーム接合部から二股に分かれ、それぞれの分岐は前記ビーム接合部から連続する円弧形状を呈する請求項1から10のいずれか1項に記載のトーションビーム式サスペンション。
  12. 前記トレーリングアームは非鉄合金の鋳物製であり、
    前記トーションビームはアルミニウム合金または鉄合金の押出材または板材の成形品である請求項1から11のいずれか1項に記載のトーションビーム式サスペンション。
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