JP2014213351A - 管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法 - Google Patents

管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配設された管状物を小さな作業領域において容易に撤去可能な管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法を提供すること。
【解決手段】配管に結合した結合用部の内側に螺合又は該配管の内側に直接螺合した管状物の周側面に接する枠体と、管状物の幅よりも小さい幅を有する押圧子と、枠体に接する管状物が圧縮状態となるまで、押圧子を管状物に対して圧接しつつ管状物を押圧する押圧手段と、を備える管状物圧縮装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法に関し、特に、配設された管状物を小さな作業領域において容易に撤去可能な管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法に関する。
従来において、地中に埋設してある既設管の内部に樹脂管を挿通させて管接続構造を形成する発明が知られている(特許文献1の請求項1、[0042]〜[0062]、及び図1〜7参照。)。また、管状物を地中に埋設する態様だけでなく、地面、建造物の床面、床下、天井面及び壁面に沿うように管状物を配設する態様も採用されることが多い。
特開2000−230672号公報
しかしながら、管状物の端部が適宜の部材に螺合していることが多いので、一旦配設された管状物を撤去する場合には、管状物を強固に挟持可能なパイプレンチ等の器具を用いて管状物を回転させることにより、ネジを緩めるようにして管状物の固定状態を解除する作業が必要である。また、パイプレンチ等の器具を用いた場合、大きな作業領域が必要であり、強固に螺合している管状物を撤去するには管状物を回転させる大きな力が必要となるので作業効率も低かった。
よって、本発明が解決しようとする課題は、配設された管状物を小さな作業領域において容易に撤去可能な管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る管状物圧縮装置は、配管に結合した結合用部の内側に螺合又は配管の内側に直接螺合した管状物の周側面に接する枠体と、管状物の幅よりも小さい幅を有する押圧子と、枠体に接する管状物が圧縮状態となるまで、押圧子を管状物に対して圧接しつつ管状物を押圧する押圧手段と、を備える。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る管状物圧縮方法は、配管に結合した結合用部の内側に螺合又は配管の内側に直接螺合した管状物の周側面に枠体を接触させる枠体設置工程、枠体が接触する管状物に対して、押圧手段に取り付けられた押圧子を接触させる圧縮準備工程、及び、押圧子を管状物に対して圧接しつつ、管状物を圧縮状態となるまで押圧する圧縮行程、を備える。
また、本発明に係る管状物圧縮装置において、圧縮状態は、管状物がその軸線を中心として回転しなくとも、配管又は結合用部から管状物の脱離が可能である状態であるのが好ましい。
更に、本発明に係る管状物圧縮装置において、管状物が円筒体であり、管状物が圧縮状態となる際に、管状物と押圧子との接点が、圧縮前の管状物の断面における中心を通過するのが好ましい。
本発明に係る管状物圧縮装置において、押圧手段が管状物を押圧する方向は、管状物の軸線に直交又は略直交する方向であることが好ましい。
また、本発明に係る管状物圧縮装置において、管状物が円筒体であり、枠体が、管状物の周側面の半周又は略半周に亘って面接触する形状を有し、押圧子が管状物の押圧方向に突出する突出部を有するのが好ましい。
また、本発明に係る管状物圧縮装置において、枠体が、管状物の周側面に面接触する第1部材と、第1部材に固定され、押圧手段が固定的に取り付けられる第2部材とを有し、押圧手段が管状物を押圧する方向は、第2部材から第1部材に向かう方向であるのが好ましい。
以上のように、本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法によれば、押圧子を管状物に圧接して押圧手段により管状物を押圧することにより管状物を圧縮するので、配設された管状物を小さな作業領域において容易に撤去することができる。
図1(A)及び図1(B)は、本発明に係る管状物圧縮装置の一実施形態を示す断面概略図である。 図2(A)及び図2(B)は、図1に示した管状物を圧縮した状態の管状物圧縮装置の断面概略図である。 図3(A)及び図3(B)は、図1に示した管状物が圧縮状態となった管状物圧縮装置の断面概略図である。 図4(A)は圧縮前の管状物を示す概略図である。図4(B)は圧縮状態の管状物を示す概略図である。 図5は、図1に示した管状物圧縮装置を方向転換して設置した断面概略図である。 図6は、本発明に係る管状物圧縮装置の別の実施形態を示す断面概略図である。
以下に、本発明に係る管状物圧縮装置について、図面を参照しつつ説明する。先ず、図1に示した管状物圧縮装置1は、本発明に係る管状物圧縮装置の一実施形態である。図1(A)及び図1(B)に示すように、管状物圧縮装置1は、枠体2と、押圧子3と、ジャッキ4とを備えている。
枠体2は、配管5に結合したネジ継手6の内側に螺合した管状物7の周側面に接する部材である。
管状物7は、円筒体であり、その内部に種々の流体が流通可能な部材である。配管5は、固定されて成る部材である。ネジ継手6は、配管5と管状物7とを接合する中継用部材である。配管5の端部の外側に形成された雄ネジとネジ継手6の一端部の内側に形成された雌ネジとが螺合しており、ネジ継手6の他端部の内側に形成された雌ネジと管状物7の端部の外側に形成された雄ネジとが螺合している。また、ネジ継手6の周側面は円形に形成されている。
従来においては、管状物7の撤去作業の際に、ネジ継手6の外形に沿ったレンチ等の適宜の保持手段によってネジ継手6を固定しつつ、管状物7をパイプレンチ等によりその軸線を中心として回転させるようになっている。これにより、管状物7と配管5又はネジ継手6との結合を解除し、管状物7の脱離及び撤去を行なっていた。なお、六角レンチ等で把持可能なように、周側面が六角形に形成されているネジ継手であっても、本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法を適用することができる。
なお、図1に示した実施形態おいては配管5と管状物7との接合にソケット型のネジ継手6を用いている。該ネジ継手6は、本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法における結合用部の一例であり、ソケット型以外にエルボ型、チーズ型のネジ継手を用いることもできる。本発明に係る管状物圧縮装置においては、結合用部が一体化した配管であって、内周面における管状物との接合部位に雌ネジが形成されることにより、配管と管状物とが直接螺合する形態であっても良い。
本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法は、流体の流通路の保守のために管状物を撤去する際、又は、配管及び管状物を全て撤去する際等に適用することができ、本発明によれば配設された管状物を圧縮して撤去することとなる。本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法による管状物の圧縮については、図2〜4を参照しつつ後述する。
図1に示した枠体2は、管状物7の周側面に接する部材であり、第1部材8及び第2部材9を有している。第1部材8は、管状物7の周側面に面接触する部材であり、管状物7の周側面に沿った形状の曲面部10が管状物7との接触部位に形成されている。曲面部10は管状物7の半周に亘って面接触する。第2部材9は、第1部材8に固定され、ジャッキ4が固定的に取り付けられて成る部材である。第1部材8は基台様の部材であるので、水平面に第1部材8を設置した上で管状物7を裁置すると安定的な第1部材8と管状物7との接触状態が実現可能である。第2部材9は矩形を成す板材を平行に2箇所で折曲し、対向する2面を形成して成る部材である。
第1部材8と第2部材9とはボルト及びナットから成る接合手段11により相互に固定状態となっており、ジャッキ4と第2部材9とはボルト等の固定部材12によりネジ止めされて取付状態となっている。なお、本発明に係る管状物圧縮装置において、枠体の第1部材が管状物の半周又は略半周に亘って面接触する形状を有することが好ましく、これにより管状物の押圧時に管状物をガタつきなく保持することができるので、管状物の圧縮作業が容易になる。
第1部材8における曲面部10は、管状物7が圧縮前、圧縮途中及び圧縮状態に依らず、管状物7に接触し続ける。したがって、鉛直方向又は略鉛直方向に配設された管状物7に対して枠体2が接触する場合に、管状物7又は管状物圧縮装置1の滑動防止を目的として、曲面部10の表面にエラストマーを配置する実施形態を採用しても良い。
押圧子3は、管状物7の幅よりも小さい幅を有する部材である。押圧子3は、特に図1(B)に示すように管状物7の軸線に沿った平板状の板部13と、管状物7の圧縮方向に突出する突出部14とを有している。管状物7が円筒体でかつ押圧子3が突出部14を有していることにより、管状物7における押圧子3の突出部14が圧接される部位をより一層圧縮することができるので好ましい。
ここで、押圧子3の幅及び管状物7の幅は、管状物7の形状に依らずに管状物7の軸線に直交する方向で、かつ、管状物7を押圧する方向、つまり図1に示す実施形態においては上から下に向かう方向に直交する方向の大きさである。
更に具体的には、図1に示す実施形態の押圧子3の幅は、管状物7の軸線に直交する方向の板部13の幅で、かつ、管状物7をその軸線が水平となるように配置したときに、管状物7の水平方向の直径と平行な板部13の幅である。つまり、押圧子3の幅は、図1の押圧子3の水平方向における最大幅である。管状物7の幅は、管状物7をその軸線が水平となるように配置したときに、管状物7の水平方向の直径、好ましくは水平方向の内径である。
押圧子3の幅が管状物7の幅よりも小さいことにより、管状物7の圧縮時に、破断又はネジ部分がなめる等の不可逆的な変形がネジ継手6における管状物7との螺合部位に生じることを防止することができる。なお、管状物7を押圧する方向については図2〜4を参照しつつ詳述する。
ジャッキ4は、管状物7の周側面と枠体2における第1部材8の曲面部10とが接触している状態で、管状物7が圧縮状態となるまで、押圧子3を管状物7に圧接しつつ管状物7を押圧する部材である。ジャッキ4における押圧子3の取り付けられる位置は、ジャッキ4の伸長時に管状物7を圧接可能な位置であり、ジャッキ4の伸長方向先端部と管状物7との間に押圧子3が位置するように決定される。ジャッキ4としては、押圧子3を介して管状物7に押圧する力を作用させることができる限り特に制限はされず、例えば油圧ジャッキ、エアジャッキ、ネジジャッキ、又はラックジャッキ等を採用することができる。
続いて、本発明に係る管状物圧縮装置の使用方法、及び本発明に係る管状物圧縮方法について、図1〜4を参照しつつ説明する。
先ず、枠体設置工程を実行する前段階として、管状物7は、枠体2に接触している部位近傍において管状物7の軸線に直交するように切断されている。つまり、管状物7の内部を流体が流通している状態とは異なり、管状物7におけるネジ継手6に螺合している部位近傍を圧縮するために残して切断することによって、他の部位と分離する。これによって、圧縮する管状物7が短くなることにより、管状物7の取り扱いが容易になるので、管状物7の圧縮及び撤去の作業効率が向上するので好ましい。
続いて、枠体設置工程として、ネジ継手6の内側に螺合して成る管状物7の周側面に、枠体2を接触させる。次いで、圧縮準備工程として、枠体2が接触する管状物7に対して、ジャッキ4に取り付けられた押圧子3を接触させる。つまり、枠体設置工程及び圧縮準備工程が完了した状態が管状物圧縮装置1の図1に示す状態である。更に詳述すると、枠体設置工程において、管状物7の周側面の下方半周部分と枠体2の第1部材8とを面接触させると共に、第1部材8と第2部材9とが接合手段11によって接合して固定状態とする。また、圧縮準備工程において、図1における管状物7の上端に押圧子3を接触させて、ジャッキ4を伸長するだけで管状物7を押圧可能な状態とする。
図1に示す実施形態においては、枠体設置工程を実行することにより、押圧子3が管状物7に接触するので圧縮準備工程も同時に達成されるようになっている。もっとも、本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法において、枠体設置工程を実行した状態では押圧子が管状物に非接触であり、押圧手段の位置又は押圧手段の伸長状態を適宜に調節することにより圧縮準備工程を実行するようにしても良い。
枠体2における第1部材8と第2部材9との接合手段11による固定的接合、及び、ジャッキ4と第2部材9との固定部材12による固定については、上記枠体設置工程及び上記圧縮準備工程におけるいずれの段階で行なっても良い。
上述の枠体設置工程の前段階として管状物7を切断したが、本発明に係る管状物圧縮方法においては、管状物と配管又は結合用部との脱離及び撤去が可能である限り、切断作業は必須では無い。本発明に係る管状物圧縮方法として、例えば管状物を切断することなく、管状物と配管又は結合用部との結合部位近傍を圧縮して、脱離可能な圧縮状態にして管状物を撤去するという実施形態も採用することができる。
次に実行される圧縮行程において、押圧子3を管状物7に対して圧接しつつ、管状物7を圧縮状態となるまで押圧する。
図2に示す管状物圧縮装置1は、管状物7が圧縮され始めた状態である。ジャッキ4による管状物7の押圧方向は、管状物7の軸線に対して直交又は略直交する方向である。また、前記押圧方向は、第2部材9から第1部材8に向かう方向でもある。ジャッキ4が該押圧方向に伸長することによって、ジャッキ4の伸長方向先端部に取り付けられて成る押圧子3が管状物7に圧接される。前記圧縮準備工程において、押圧子3が管状物7の周側面に接触しているので、ジャッキ4の伸長長さと同一の長さだけ押圧子3が管状物7を変形させつつ移動する。なお、図2に示す管状物7は圧縮状態ではないので、圧縮行程が継続される。
次いで図3には、ジャッキ4による押圧が完了して管状物7が圧縮状態となった管状物圧縮装置1を示した。ジャッキ4の前記押圧方向を維持しつつジャッキ4を伸長することによって、図2に示す状態よりも押圧子3が管状物7に一層圧接されて、管状物7の変形が進行する。図2に示す状態では押圧子3の突出部14のみが管状物7の周側面に圧接していたが、図3に示す管状物7の圧縮が完了した状態では押圧子3の突出部14及び板部13が管状物7に埋没するようにしてその周側面に圧接されている。
図1〜3に示した管状物7の圧縮過程では、管状物7と押圧子3との接点、詳述すると圧縮開始時における管状物7と押圧子3との接点が、圧縮前の管状物7の断面における中心を通過するようになっている。管状物7が圧縮状態となる際に該接点がこのような軌道を描くことによって、前記接点の軌道を軸とすると、軸に対して対称又は略対称となるように管状物7が変形して圧縮状態となる。例えば前記接点が管状物7の断面における中心を通過しない場合は、管状物7の変形に対称性が生じない。したがって、前記接点が特定の軌道を描くように管状物7を圧縮することによって、管状物7の変形をある程度制御することができるようになる。よって、管状物7の変形の制御によって、管状物7が圧縮状態になるまでジャッキ4により管状物7をどの程度押圧すれば良いかを、定量的に分析可能となるので、管状物7の圧縮及び撤去の作業効率がより一層向上する。もっとも、結果的に管状物が圧縮状態となる限り、本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法において、管状物を非対称に変形するように圧縮しても問題は無い。
上述したように、図3に示す管状物7が圧縮状態である。圧縮状態は、管状物7がその軸線を中心として回転しなくとも、配管5又はネジ継手6から管状物7の脱離が可能である状態である。ここで、図4を参照しつつ、管状物7の圧縮状態について詳述する。
図4(A)には図1に示した圧縮前の管状物7の断面を示すと共に、図4(B)には図3に示した圧縮状態の管状物7の断面を示した。図4(A)及び(B)における黒色の小円は圧縮前の管状物7の断面の中心Cである。また、図4における太線は管状物7と、配管又は結合用部(いずれも図4には図示せず)との接触部位である。図4(B)における破線で示した円弧は、圧縮によって変形した管状物7の圧縮前の輪郭である。更に、図4(B)に示した一点鎖線Dは圧縮前の管状物7の中心を通る線分であり、二点鎖線Tは圧縮状態の管状物7と配管又は結合用部との接触部位の端部同士を結んだ線分である。
管状物7を上記圧縮状態とするには、図4(B)に示されるように一点鎖線Dの大きさよりも二点鎖線Tの大きさが小さくなる必要がある。更に詳述すると、一点鎖線Dの大きさは固定されているのに対して、二点鎖線Tの大きさはゼロである圧縮前状態から、圧縮過程の進行に従って大きくなり、一点鎖線Dの大きさと一致した後に、小さくなるように変化する。したがって、圧縮状態の管状物7は、二点鎖線Tの大きさが一点鎖線Dの大きさと圧縮によって一致した後に、更に圧縮されることによって、一点鎖線Dの大きさよりも二点鎖線Tの大きさが小さくなっている。
図1〜3に示した管状物圧縮装置1を使用し、本発明に係る管状物圧縮方法によって管状物7が圧縮状態となることによって、管状物7を回転させずに、単に把持して配管又は結合用部から脱離させることができ、管状物7の撤去作業に従来使用していたパイプレンチ等が不要となる。これにより、パイプレンチの使用時に必要であった大きな作業領域が不要となると共に、パイプレンチの使用時に円筒体の管状物を回転させる間に把持し続ける大きな力が不要となる。つまり、本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法を用いることによって、管状物を小さな作業領域において容易に撤去することができる。
通常、配管又は結合用部は金属材料によって形成されており、経年によって錆等が発生し、管状物と配管又は結合用部との螺合状態が強固になってしまうこと又は固着してしまうことが多かった。鉛直方向、天井裏及び天井面に沿うように配設された管状物を、従来のようにパイプレンチを用いて配管又は結合用部から脱離させて撤去しようとすると、作業領域が不安定であるだけでなく、重量の大きなパイプレンチを作業完了まで高い位置で保持し続ける必要があった。また、高い位置に配設され、固着した管状物をパイプレンチにより回転させるには大きな力が必要であった。更に、パイプレンチで管状物を回転させることにより、管状物を配管又は結合用部から脱離させる際に、パイプレンチと脱離した管状物とが共に落下する可能性があった。
本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法は、地中、建造物の壁内、床下及び天井裏に配設された管状物、並びに、地面、建造物の壁面、床面及び天井面に沿うように配設された管状物を、小さな作業領域において容易に圧縮及び撤去することができる。
更に、本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法は、圧縮対象が鉛直方向、天井裏及び天井面に沿うように配設された管状物であっても、枠体及び押圧手段を適当な箇所に固定又は吊り下げておくことが好ましい。これにより、管状物が圧縮状態となった際、又は、圧縮状態の管状物を配管若しくは結合用部から脱離させる際に、管状物圧縮装置の落下を防止することができるので、管状物の撤去作業に係る安全性の向上を図ることができる。
ここで、図5に、建造物中の天井R及び壁W近傍に配設された管状物7を圧縮するために図1で示した管状物圧縮装置1を設置した態様を示す。図5に示すように、天井Rの一部に設けられた貫通孔を挿通する配管5の端部に配設された管状物7は、圧縮部位近傍で切断されている。なお、図5に示す管状物圧縮装置1の一部には、天井Rと第2部材9とを接続し、かつ管状物圧縮装置1の重量が作用しても破断しない吊下手段Hが取り付けられている。つまり、鉛直方向、略鉛直方向、又は天井面に沿って配設される管状物を圧縮する場合は、本発明に係る管状物圧縮方法の各工程を実行する際に、枠体2及びジャッキ4を、固定部材である配管5若しくはネジ継手6、又は天井R等の適当な箇所に、固定又は吊り下げておくと良い。管状物7が圧縮状態となったときに、管状物圧縮装置1の自重によって管状物7がネジ継手6との螺合部位から脱離しても、図5に示した吊下手段H又は適宜の固定手段を、枠体2及びジャッキ4に取り付けておくことにより、管状物圧縮装置1が床面、地面又は作業者に対して落下することを防止可能となる。なお、鉛直方向、略鉛直方向、又は天井面に沿って配設される管状物を管状物圧縮装置により圧縮状態にした場合、管状物を枠体、押圧手段及び押圧子により保持することとなるので、管状物のみが落下することも無い。
従来において、配管又は結合用部との螺合状態が強固になってしまった又は固着してしまった管状物を、パイプレンチ等によって大きな力で回転させて脱離させようとすると、ネジ部又はネジ部近傍が破断又はネジ部がなめる等の不可逆的な変形が生じる可能性があった。これに対して、本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法においては、螺合状態に関係なく管状物を圧縮状態にすることによって、配管又は結合用部からの脱離を可能せしめているので、配管又は結合用部に不可逆的な変形を生じる可能性が少ない又は無い。したがって、本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法によると、管状物を撤去した後に配管又は結合用部を再利用することができる。
図6に、本発明に係る管状物圧縮装置の枠体の変形例を示した。なお、図6においては、管状物と枠体とを示している。また、図1に示した実施形態と同様の部材である場合は、同一の参照符号を付しており、詳細な説明を省略する。
図6に示す管状物71は、図1に示した前記管状物7に比べて径が小さい。本発明に係る管状物圧縮装置及び管状物圧縮方法においては、管状物を圧縮状態とすることができる限り、円筒形の管状物と枠体とは面接触をすることは必須ではないが、前記曲面部10に比べて断面形状の径が小さい曲面部101を有するスペーサSを用いることが好ましい。管状物71の径に応じた大きさのスペーサSを用いることにより、管状物71を枠体に設置したときにガタつきが生じないので、管状物71の所望の位置を正確に圧縮することができ、圧縮に係る作業効率が向上する。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:管状物圧縮装置、2及び21:枠体、3:押圧子、4:ジャッキ、5:配管、6:ネジ継手、7及び71:管状物、8及び81:第1部材、9及び91:第2部材、10及び101:曲面部、11:接合手段、12:固定手段、13:板部、14:突出部、C:中心、D:一点鎖線、T:二点鎖線、R:天井、W:壁、H:吊下手段、S:スペーサ

Claims (7)

  1. 配管に結合した結合用部の内側に螺合又は該配管の内側に直接螺合した管状物の周側面に接する枠体と、
    前記管状物の幅よりも小さい幅を有する押圧子と、
    前記枠体に接する前記管状物が圧縮状態となるまで、前記押圧子を前記管状物に対して圧接しつつ前記管状物を押圧する押圧手段と、
    を備える管状物圧縮装置。
  2. 前記圧縮状態は、前記管状物がその軸線を中心として回転しなくとも、前記配管又は前記結合用部から前記管状物の脱離が可能である状態である
    請求項1に記載の管状物圧縮装置。
  3. 前記管状物が円筒体であり、
    前記管状物が前記圧縮状態となる際に、前記管状物と前記押圧子との接点が、圧縮前の前記管状物の断面における中心を通過する
    請求項1又は2に記載の管状物圧縮装置。
  4. 前記押圧手段が前記管状物を押圧する方向は、前記管状物の軸線に直交又は略直交する方向である
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の管状物圧縮装置。
  5. 前記管状物が円筒体であり、
    前記枠体が、前記管状物の周側面の半周又は略半周に亘って面接触する形状を有し、
    前記押圧子が前記管状物の押圧方向に突出する突出部を有する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の管状物圧縮装置。
  6. 前記枠体が、前記管状物の周側面に面接触する第1部材と、該第1部材に固定され、前記押圧手段が固定的に取り付けられる第2部材とを有し、
    前記押圧手段が前記管状物を押圧する方向は、前記第2部材から前記第1部材に向かう方向である
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の管状物圧縮装置。
  7. 配管に結合した結合用部の内側に螺合又は該配管の内側に直接螺合した管状物の周側面に枠体を接触させる枠体設置工程、
    前記枠体が接触する前記管状物に対して、押圧手段に取り付けられた押圧子を接触させる圧縮準備工程、及び、
    前記押圧子を前記管状物に対して圧接しつつ、前記管状物を圧縮状態となるまで押圧する圧縮行程、
    を備える管状物圧縮方法。
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