JP2014212583A - 左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置 - Google Patents

左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置 Download PDF

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聡美 衞藤
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敬介 鈴木
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祐樹 中島
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Abstract

【課題】左右輪モータトルクが極性を異にする片輪スリップ時に、非スリップ輪の制駆動トルクが低下されることのないようにしつつ、スリップ輪のスリップ抑制を実現する。【解決手段】APO>0%の力行中、これとベーストルク算出用駆動輪速とから求める左右モータ駆動輪のベーストルクTLo,TRoが正値であるも、右輪の車両状態制御用トルク補正量ΔTRが負値で、右輪トルク指令値TR(=TRo+ΔTR)が左輪トルク指令値TL(=TLo+ΔTL)と極性の異なる負値である場合のt1に右輪が回生スリップを生ずると、右輪は車輪速VRを回生により低下され、この低下する車輪速VRに基づいて求める右輪ベーストルクTRoが上昇する。よって右輪はトルク指令値TRの絶対値を小さくされ、回生スリップを抑制される。スリップしていない左輪は、車輪速VLが不変のため左輪ベーストルクTLoは低下せず、右輪の回生スリップ抑制効果を実現し得る。【選択図】図9

Description

本発明は、個々の電動モータにより制駆動され、左右で対をなすモータ駆動車輪を具えた左右輪独立駆動車両に関わり、特に、これら左右モータ駆動車輪の駆動トルクを、これら駆動トルクが逆極性となるような値をも含む所定値だけ補正して車両の状態制御を行うようにした、左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置に関するものである。
上記のごとき左右輪独立駆動車両において、左右モータ駆動車輪の駆動トルクを補正することにより車両の状態制御を行う技術としては従来、例えば特許文献1に示されているようなものが提案されている。
この特許文献1による左右モータ駆動車輪の駆動力制御は、左右モータ駆動車輪のいずれか一方が、路面状態変化や駆動力変化によりスリップ(空転または滑走)して、左右モータ駆動車輪間における回転差が大きくなったとき、この回転差を少なくする差動制限のために、以下のような駆動力制御を行うというものである。
つまり、車両を一定速駆動走行や加速させる力行運転時は、回転速度が高い方のスリップ側車輪のモータトルクを低下させ、また車両を減速走行させる回生運転時は、回転速度が低い方のスリップ側車輪のモータトルクを低下させるというものである。
かかる左右モータ駆動車輪の駆動力制御により、左右左右モータ駆動車輪間で回転速度差が大きくなるのを防止することができ、左右モータ駆動車輪を共に路面に対し自発的に再粘着させて、左右輪独立駆動車両の悪路走破性を高めることができる。
特開昭60−32501号公報
しかし上記の提案技術によると、車両の力行運転時に左右モータ駆動車輪の駆動トルクが、一方は正トルクであるのに対し他方が負トルクであるというように、極性を異にする場合において、負トルク側車輪がスリップした時に以下の問題を生ずる。
つまり、負トルク側車輪がスリップした場合は当該車輪のモータ回転速度が負トルクにより低下されるため、相対的に正トルク側車輪のモータ回転速度の方が負トルク側車輪のモータ回転速度よりも高くなる。
上記の提案技術によると、この場合車両の力行運転時故に、モータ回転速度の高い方、つまりスリップしていない正トルク側車輪のモータトルクを低下させることとなり、結果として車両の前方駆動トルクが低下して走行性能が悪化するという問題を生ずる。
また、車両の回生運転時に左右モータ駆動車輪の駆動トルクが極性を異にする場合において、正トルク側車輪がスリップした時にも、以下のごとき問題を生ずる。
つまり、正トルク側車輪がスリップした場合には当該車輪のモータ回転速度がスリップ分だけ上昇するため、相対的に負トルク側車輪のモータ回転速度の方が正トルク側車輪のモータ回転速度よりも低くなる。
上記の提案技術によると、この場合車両の回生運転時故に、モータ回転速度の低い方、つまりスリップしていない負トルク側車輪のモータトルクを低下させることとなり、結果として車両の回生トルクが低下して制動性能が悪化するという問題を生ずる。
本発明は、上記の実情に鑑み、スリップしていない側の車輪に係わるモータトルクが低下されることのないような左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置を提案し、もって上記従来の提案技術による問題を解消することを目的とする。
この目的のため、本発明による左右輪独立駆動車両の駆動力制御は、これを以下のごとくに構成する。
先ず前提となる左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置を説明するに、これは、
個々の電動モータにより制駆動され、左右で対をなすモータ駆動車輪を具えた左右輪独立駆動車両に用いられ、前記左右モータ駆動車輪の駆動トルクを、これら駆動トルクが逆極性となるような値をも含む所定値だけ補正して車両の状態制御を行うようにしたものである。
本発明は、かかる左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置に対し、以下のベーストルク演算手段を設けた構成に特徴づけられる。
このベーストルク演算手段は、運転者が車両に課する要求負荷と、前記左右モータ駆動車輪の駆動輪速とから、これら駆動車輪の基本となるベーストルクを個々に、対応車輪が力行中であれば前記電動モータの力行特性に基づき低回転時ほど大きなトルク値となるよう、また、対応車輪が回生中であれば前記電動モータの回生特性に基づき高回転ほど大きなトルク値となるよう定めるものである。
本発明による左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置は、かかるベーストルク演算手段により求めた前記左右モータ駆動車輪のベーストルクを前記所定値だけ補正して対応する前記電動モータの駆動制御に資することで前記車両の状態制御を遂行するよう構成する。
かかる本発明による左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置にあっては、左右モータ駆動車輪のベーストルクを個々に、対応車輪が力行中であれば電動モータの力行特性に基づき低回転時ほど大きなトルク値となるよう、また、対応車輪が回生中であれば電動モータの回生特性に基づき高回転ほど大きなトルク値となるよう定めるため、以下の作用・効果を得ることができる。
つまり、力行運転中に左右モータ駆動車輪の駆動トルクが極性を異にする場合において、負トルク側車輪がスリップした時、当該車輪のモータ回転速度が低下するため、当該車輪のベーストルクが増大され、このベーストルクと上記補正分(上記所定値)との和値である負トルク側車輪の負トルクが増大(絶対値を0に向け低下)されてそのスリップ抑制効果が得られる反面、スリップしていない正トルク側車輪はモータ回転速度が不変であるため、そのベーストルクを低下されることなく維持し得る。
従って、車両の前方駆動トルクが低下するという前記の問題を生ずることなく、つまり従来生じていた前記走行性能の悪化を生ずることなく、負トルク側車輪のスリップを抑制することができる。
また、回生運転中に左右モータ駆動車輪の駆動トルクが極性を異にする場合において、正トルク側車輪がスリップした時、当該車輪のモータ回転速度がスリップ分だけ上昇するため、当該車輪のベーストルクが低下されてスリップ抑制効果が得られる反面、スリップしていない負トルク側車輪はモータ回転速度が不変であるため、そのベーストルクが不変に保たれ、このベーストルクと上記補正分(上記所定値)との和値である負トルク側車輪の負トルクも不変である。
従って、車両の回生トルクが低下するという前記の問題を生ずることなく、つまり従来生じていた前記制動性能の悪化を生ずることなく、正トルク側車輪のスリップを抑制することができる。
本発明の第1実施例になる駆動力制御装置を具えた電気自動車の駆動系に係わる全体制御システムを示す概略系統図である。 図1における車輪駆動トルク指令値演算部が、最終的な左右輪トルク指令値を求める時に実行するメインルーチンである左右輪駆動力制御プログラムの全体を示すフローチャートである。 図2のメインルーチンにおいて左右輪ベーストルク算出用左右駆動輪速を演算する場合に実行するサブルーチンを示すフローチャートである。 図3のサブルーチンにおいて、操舵角に応じた左右駆動輪速差大小判定閾値を求める場合に実行する制御プログラムを示すフローチャートである。 図2のメインルーチンにおいて、片輪スリップ発生時のベーストルク補正演算を行う場合に実行するサブルーチンを示すフローチャートである。 電動モータ駆動車輪の駆動による力行中の駆動輪速とベーストルクとの関係を示す力行時性能線図である。 図1〜6に示した第1実施例になる駆動力制御装置の動作例1を示す動作タイムチャートである。 図1〜6に示した第1実施例になる駆動力制御装置の動作例2を示す動作タイムチャートである。 図1〜6に示した第1実施例になる駆動力制御装置の動作例3を示す動作タイムチャートである。 図1〜6に示した第1実施例になる駆動力制御装置の動作例4を示す動作タイムチャートである。 本発明の第2実施例になる駆動力制御装置が実行する、左右輪ベーストルク算出用左右駆動輪速演算処理に関した、図3と同様なサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明の第2実施例において有用な左右駆動輪速差に対する重み付け係数の変化特性を示す特性線図である。 図11のサブルーチンにおいて、アクセル踏み増し時に重み付け係数を変更する場合に実行する制御プログラムを示すフローチャートである。 図11〜13の第2実施例における重み付け係数を用いた場合における左右輪ベーストルク算出用左右駆動輪速の変化状況を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例の構成>
図1は、本発明の第1実施例になる駆動力制御装置を具えた電気自動車の駆動系に係わる全体制御システムを示す概略系統図である。
この電気自動車は、左右前輪1FL,1FRおよび左右後輪1RL,1RRを具え、左右後輪1RL,1RRを、それぞれのホイールに内蔵させた個々の電動モータ3RL,3RR(インホイールモータIWM)により駆動して走行可能であり、また左右前輪1FL,1FRの転舵により操向可能である。
電動モータ3RL,3RRはそれぞれ、発電機としても機能し得るモータ/ジェネレータで、上記の通りモータ駆動される左右後輪1RL,1RRを、発電負荷の付与により回生制動し得るものとする。
図1の電気自動車は、周知の通り電動モータ3RL,3RR(インホイールモータIWM)により車両全体の制駆動力を制御されるが、そのためのシステムは本発明と関係ないため省略し、制御システムについては、本発明に係わる部分のみを図1に示した。
つまり図1の電気自動車は、電動モータ3RL,3RR(インホイールモータIWM)への車輪駆動トルク指令値を後述のようにして決定するための車輪駆動トルク指令値演算部11を具える。
この車輪駆動トルク指令値演算部11は、左右モータ駆動車輪1RL,1RRの基本となるベーストルクTLo, TRoを個々に演算するための左右ベーストルク演算部12L,12Rと、これら左右輪ベーストルクTLo, TRoの算出に際して用いる左右後輪速(左右駆動輪速)VL*,VR*を演算するベーストルク算出用駆動輪速演算部13と、車両挙動などの車両状態を狙い通りのものにするのに必要な左右輪トルク補正量ΔTL,ΔTRを求める左右輪トルク補正量演算部14と、左右輪ベーストルクTLo, TRoをトルク補正量ΔTL,ΔTRだけ補正して最終的な左右輪トルク指令値TL,TRを求めるための加算器15L,15Rとで構成する。
左右ベーストルク演算部12L,12Rは、アクセル開度APO(運転者が車両に課する要求負荷)と、演算部13からのベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*とに基づき、後述するごとくに左右輪ベーストルクTLo, TRoを個々に演算する。
ベーストルク算出用駆動輪速演算部13は、電動モータ3RL,3RRにその駆動制御用に内蔵されている回転レゾルバ(図示せず)の信号から高精度に求め得る左右輪モータ回転速度VL,VRと、ステアリングホイール操舵角θとに基づき、後述するごとくにベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*を演算する。
以上の構成部分から成る車輪駆動トルク指令値演算部11は、加算器15L,15Rからの最終的な左右輪トルク指令値TL,TRをそれぞれ、対応する左右輪のインバータ4RL,4RRに指令する。
これらインバータ4RL,4RRはトルク指令値TL,TRに応動して、電動モータ3RL,3RR(インホイールモータIWM)を個々に、トルク指令値TL,TR対応の左右輪モータ制御電流によりバッテリ(図示せず)駆動し、左右輪トルク指令値TL,TRを実現する。
なおこの際、インバータ4RL,4RRには電動モータ3RL,3RR(インホイールモータIWM)に流れる実電流を計測してフィードバックし、上記モータ駆動の制御精度向上を図る。
<左右輪駆動力制御>
上記した構成の車輪駆動トルク指令値演算部11が、最終的な左右輪トルク指令値TL,TRを求める要領を、図2〜5の左右輪駆動力制御プログラムに基づき以下に詳述する。
図2は左右輪駆動力制御の全体を示すメインルーチンであり、ステップS11においてアクセル開度APOを読み込む。
一方で、図1のベーストルク算出用駆動輪速演算部13に対応するステップS12においては、電動モータ3RL,3RRの回転レゾルバ信号に基づき計測した高精度な左右輪モータ回転速度(左右駆動輪速実測値)VL,VRに基づき、ベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*を以下のようにして演算する。
この演算に際しては図3の制御プログラムを実行し、先ずステップS21において上記の左右輪モータ回転速度(左右モータ駆動輪速の実測値)VL,VRを読み込む。
次のステップS22においては、これら左右モータ駆動輪速VL,VRから両者の平均車輪速である左右駆動輪速平均値VaをVa=(VL+VR)/2の演算により求める。
ステップS23においては、左右駆動輪速差|VR−VL|の大小判定(片輪スリップ判定)時に判定基準となる閾値xを、操舵角θに応じ大操舵時ほど大きくなるよう変更する。
具体的には図4に示すごとく、ステップS31で読み込んだ操舵角θを基にステップS32において、操舵角θで発生する左右駆動輪速差yを計算により予測し、ステップS33において、この操舵角対応左右駆動輪速差yを初期値αに足し込んで、左右駆動輪速差大小判定(片輪スリップ判定)閾値x(=y+α)を求める。
なお、上記した片輪スリップ判定用の閾値xは、左右輪駆動力差による車両挙動制御時において生ずる程度の左右駆動輪速差を片輪スリップ発生と誤判定することのないよう定める必要があること勿論である。
図3のステップS23で図4に示すごとくにして左右駆動輪速差大小判定(片輪スリップ判定)閾値xを求めた後のステップS24においては、左右駆動輪速差|VR−VL|が上記の閾値x以上か否かにより、片輪スリップが発生しているか否かをチェックする。
片輪スリップ発生状態であれば、ステップS25において、ベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*にそれぞれ左右駆動輪速実測値VL,VRを設定し、VL*=VL, VR*=VRと定め、片輪スリップ発生状態でなければ、ステップS26において、ベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*にそれぞれ、ステップS22で求めた左右駆動輪速平均値Vaを設定してVL*=Va, VR*=Vaと定め、ベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*を同じ値Vaとなす。
ステップS27においては、ステップS25またはステップS26で上記のように決定したベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*を、図1に示すごとく対応する側のベーストルク演算部12L,12Rへ出力する。
左右輪ベーストルク演算部12L,12Rに対応する図2のステップS13およびステップS14のうち、ステップS13においては、ステップS11で読み込んだアクセル開度APO、およびステップS12で図3,4の演算により決定したベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*から、以下のようにして左右モータ駆動車輪1RL,1RRの基本となるベーストルクTLo,TRoを個々に求める。
従ってステップS13およびステップS14は、本発明におけるベーストルク演算手段に相当する。
つまり、左右モータ駆動車輪1RL,1RRが一定速でまたは加速しながら駆動(力行)されている場合は、電動モータ3RL,3RRの図6に例示するような力行特性に基づき、アクセル開度APOが大きいほど、また左右駆動輪速VL*,VR*が低い(駆動輪が低回転である)ほど、左右モータ駆動車輪1RL,1RRのベーストルクTLo,TRoを大きなトルク値となるよう定める。
また、左右モータ駆動車輪1RL,1RRが一定速でまたは減速しながら回生制動されている場合は、電動モータ3RL,3RRの図示せざる回生特性に基づき、アクセル開度APO=0のもと、左右駆動輪速VL*,VR*が高い(駆動輪が高回転である)ほど、左右モータ駆動車輪1RL,1RRのベーストルクTLo,TRoを大きなトルク値となるよう定める。
次のステップS14においては、ステップS13で求めた左右モータ駆動車輪1RL,1RRのベーストルクTLo,TRoを、左右モータ駆動車輪1RL,1RRの一方がスリップを生じた片輪スリップ時に以下のごとくに補正する。
この補正は、図5に示す制御プログラムの実行により遂行し、ステップS41において左右輪モータ回転速度、つまり左右モータ駆動輪速VL,VRを読み込み、ステップS42においてアクセル開度APOおよび左右前輪1FL,1FRの従動輪速Vs(車体速相当値)を読み込む。
ステップS43においては、従動輪速Vsと左モータ駆動輪速VLとの差値|Vs−VL|、つまり左モータ駆動車輪1RLのスリップ量を求めて、これがスリップ判定閾値c以上か否かにより、左モータ駆動車輪1RLがスリップしているか否かをチェックする。
|Vs−VL|≧cにより左モータ駆動車輪1RLがスリップしていると判定した場合、制御をステップS44に進め、|Vs−VL|<cにより左モータ駆動車輪1RLがスリップしていないと判定した場合、制御をステップS45に進める。
これらステップS44およびステップS45では、従動輪速Vsと右モータ駆動輪速VRとの差値|Vs−VR|、つまり右モータ駆動車輪1RRのスリップ量を求めて、これがスリップ判定閾値c以上か否かにより、右モータ駆動車輪1RRがスリップしているか否かをチェックする。
つまり、ステップS43およびステップS44では左右モータ駆動車輪1RL,1RRが共にスリップしている状態か、左モータ駆動車輪1RLのみがスリップしている片輪スリップ状態かをチェックし、ステップS33およびステップS45では左右モータ駆動車輪1RL,1RRが共にスリップしていない状態か、右モータ駆動車輪1RRのみがスリップしている片輪スリップ状態かをチェックする。
従ってステップS43〜ステップS45は、本発明における片輪スリップ検知手段に相当する。
左右モータ駆動車輪1RL,1RRが共にスリップしている状態であったり、共にスリップしていない状態である場合、つまり片輪スリップ状態でなければステップS46において、図2のステップS13で求めた左右モータ駆動車輪1RL,1RRのベーストルクTLo,TRoを補正することなく、そのまま最終的な左右輪ベーストルクTLo,TRoとする。
左モータ駆動車輪1RLのみがスリップしている片輪スリップ状態であれば、ステップS47において、図2のステップS13で求めた左右輪ベーストルクTLo,TRoのうち、スリップしている左モータ駆動車輪1RLのベーストルクTLoは補正することなく、そのまま最終的な左輪ベーストルクTLoとするが、スリップしていない右モータ駆動車輪1RRの右輪ベーストルクTRoを以下のように補正する。
つまりステップS47においては、アクセル開度APOおよび従動輪速(車体速)Vsから求まる運転者要求トルクTsと、スリップしている左モータ駆動車輪1RLのベーストルクTLoとの差、つまり左輪スリップによるトルク低下分(Ts−TLo)だけ、ステップS13(図2)で求めた右輪ベーストルクTRoを補正して最終的な右輪ベーストルクTRo←TRo+(Ts−TLo)と定める。
右モータ駆動車輪1RRのみがスリップしている片輪スリップ状態であれば、ステップS48において、図2のステップS13で求めた左右輪ベーストルクTLo,TRoのうち、スリップしている右モータ駆動車輪1RRのベーストルクTRoは補正することなく、そのまま最終的な右輪ベーストルクTRoとするが、スリップしていない左モータ駆動車輪1RLの左輪ベーストルクTLoを以下のように補正する。
つまりステップS48においては、アクセル開度APOおよび従動輪速(車体速)Vsから求まる運転者要求トルクTsと、スリップしている右モータ駆動車輪1RRのベーストルクTRoとの差、つまり右輪スリップによるトルク低下分(Ts−TRo)だけ、ステップS13(図2)で求めた左輪ベーストルクTLoを補正して最終的な左輪ベーストルクTLo←TLo+(Ts−TRo)と定める。
図2においては、ステップS11〜ステップS14(図1の演算部12L,12R.13)で上記のごとく最終的な左右輪ベーストルクTLo,TRoを求める間、図1の左右輪トルク補正量演算部14に対応するステップS15およびステップS16において、車両挙動などの車両状態を狙い通りのものにするのに必要な左右輪トルク補正量ΔTL,ΔTRを求める。
ステップS15においては、運転者によるステアリング操作や、アクセルペダル操作や、ブレーキペダル操作など運転操作に係わる情報、および車速や、路面状態などの車両運転状態を読み込む。
ステップS16においては、これらの入力情報から運転者が要求している車両挙動や、安全運転上および走行性能上において望ましい過渡的および定常的な目標状態を求め、車両状態がこの目標通りのものになるようにするに必要な左右輪トルク補正量ΔTL,ΔTRを求める。
図1の加算器15L,15Rに対応する図2のステップS17においては、ステップS14で求めた最終的な左右輪ベーストルクTLo,TRoと、ステップS16で求めた車両状態制御用の左右輪トルク補正量ΔTL,ΔTRとを合算して、左右輪トルク指令値TL,TRをそれぞれ求める。
TL=TLo+ΔTL
TR=TRo+ΔTR
ステップS17においては、上記の左右輪トルク指令値TL,TRをそれぞれ、図1に示すごとく対応するインバータ4RL,4RRに出力する。
これらインバータ4RL,4RRはトルク指令値TL,TRに応動して、電動モータ3RL,3RR(インホイールモータIWM)を個々に、トルク指令値TL,TR対応の左右輪モータ制御電流によりバッテリ(図示せず)駆動し、左右輪トルク指令値TL,TRを実現する。
<第1実施例の作用・効果>
上記第1実施例の左右輪モータ駆動力制御による作用および効果を、図7〜10の片輪スリップ時における動作例1〜4に基づき以下に説明する。
(動作例1)
図7は、アクセル開度APOを0%よりも大きくした力行走行中であって、左右モータ駆動車輪1RL,1RRがトルク指令値TL>0,TR>0で力行駆動されている場合のタイムチャートである。
瞬時t1に右モータ駆動車輪1RRが駆動スリップを発生すると、当該スリップにより右輪1RRは車輪速VRをスリップ分だけ図示のごとくに上昇される。
右駆動輪速VRが上昇することにより、これに基づき図2のステップS13で図6を参照しつつ前述したように求められる当該車輪のベーストルクTRoは図示のごとくに低下され、図2のステップS17で求める当該車輪のトルク指令値TR(=TRo+ΔTR)も図示のように低下され、これにより右モータ駆動車輪1RRの駆動スリップを抑制することができる。
一方でスリップしていない左モータ駆動車輪1RLは、車輪速VLが不変であるため図7のように瞬時t1での速度に保たれる。
よって、この車輪速VLに基づき図2のステップS13で図6を参照しつつ前述したように求められる左モータ駆動車輪1RLのベーストルクTLoは図7のごとくに保持され、図2のステップS17で求める当該車輪のトルク指令値TL(=TLo+ΔTL)も図7のように保持される。
従って、左モータ駆動車輪1RLの駆動力低下、つまり走行性能の低下を発生することがなく、右モータ駆動車輪1RRの駆動スリップを抑制するという上記の効果を走行性能の低下なしに達成することができる。
(動作例2)
図8も、アクセル開度APOを0%より大きくした力行走行中であって、左右モータ駆動車輪1RL,1RRがトルク指令値TL>0,TR>0で力行駆動されている場合のタイムチャートである。
また図8では、左右駆動輪速差|VR−VL|が旋回走行中などに起因して発生しているものの、この|VR−VL|が当初は図3のステップS24における設定値xよりも小さく、ベーストルク算出用駆動輪速VL*,VR*として左右駆動輪速平均値Vaを用いるため(ステップS26)、左右モータ駆動車輪1RL,1RRを差動制限しない成り行き任せの差動下に駆動させることで、車両の旋回性能を向上させることができる。
瞬時t1に右モータ駆動車輪1RRが駆動スリップを発生すると、当該スリップにより右輪1RRは車輪速VRをスリップ分だけ図示のごとくに上昇され、これにより瞬時t2に左右駆動輪速差|VR−VL|が設定値xよりも大きくなる。
瞬時t2以降は、ベーストルク算出用駆動輪速VL*,VR*としてそれぞれの車輪速VL,VRを用いるため(ステップS25)、左右モータ駆動車輪1RL,1RRを以下のように差動制限しつつ駆動させることで、車両の旋回性能よりも片輪スリップの抑制を優先させることができる。
瞬時t1以降における右駆動輪速VRの上昇により左右駆動輪速平均値Vaも上昇するため、これを基に図2のステップS13で図6を参照しつつ求める左右モータ駆動車輪1RL,1RRのベーストルクVL*,VR*が図示のごとく揃って低下する。
しかし、左右駆動輪速差|VR−VL|が設定値xよりも大きくなる瞬時t2以降は、ベーストルク算出用駆動輪速VL*,VR*としてそれぞれの車輪速VL,VRを用いるため(ステップS25)、VR*=VRに基づき図2のステップS13で図6を参照しつつ求められる右モータ駆動車輪1RRのベーストルクTRoは図示のごとくに低下され、図2のステップS17で求める当該車輪のトルク指令値TR(=TRo+ΔTR)も図示のように低下され、これにより右モータ駆動車輪1RRの駆動スリップを抑制することができる。
一方、スリップしていない左モータ駆動車輪1RLの車輪速VLは瞬時t2にスリップ発生前の値に復帰することから、VL*=VLに基づき図2のステップS13で図6を参照しつつ求められる左モータ駆動車輪1RLのベーストルクTLoも図示のごとく、スリップ発生前の値に戻る。
これにより、図2のステップS17で求める当該車輪のトルク指令値TL(=TLo+ΔTL)も図8のように瞬時t2の直後に、スリップ発生前の値に復帰することとなり、非スリップ輪1RLの駆動トルクを実質的にスリップ発生前の値に維持することができる。
従って、左モータ駆動車輪1RLの駆動力低下、つまり走行性能の低下を発生することがなく、右モータ駆動車輪1RRの駆動スリップを抑制するという上記の効果を走行性能の低下なしに達成することができる。
(動作例3)
図9は、アクセル開度APOが0%より大きい力行側にあって、これとベーストルク算出用駆動輪速VL*,VR*とから求める左右モータ駆動車輪1RL,1RRのベーストルクTLo,TRoが力行側の正値であるものの、右モータ駆動車輪1RRの車両状態制御用トルク補正量ΔTRが負値であることから、当該車輪のトルク指令値TR(=TRo+ΔTR)が図9の最下段に示すごとく、左モータ駆動車輪1RLのトルク指令値TL(=TLo+ΔTL)と極性の異なる回生トルクである場合のタイムチャートである。
瞬時t1に右モータ駆動車輪1RRが回生(制動)スリップを発生すると、当該右輪1RRは車輪速VRを回生により図示のごとくに低下され、この低下する車輪速VRに基づいて求める当該車輪のベーストルクTRoが図示のように上昇する。
よって、右モータ駆動車輪1RRのトルク指令値TR(=TLo+ΔTL)は0に向け増大され、つまり負の絶対値を小さくされ、右モータ駆動車輪1RRは回生制動トルクの低下により回生(制動)スリップを抑制される。
他方でスリップしていない左モータ駆動車輪1RLは、車輪速VLが不変であるため図9のように瞬時t1での速度に保たれる。
よって、この車輪速VLに基づき求められる左モータ駆動車輪1RLのベーストルクTLoは図9のごとくに保持され、当該車輪のトルク指令値TL(=TLo+ΔTL)も図9のように保持される。
従って、左モータ駆動車輪1RLの駆動力低下、つまり走行性能の低下を発生することがなく、右モータ駆動車輪1RRの回生(制動)スリップを抑制するという上記の効果を走行性能の低下なしに達成することができる。
(動作例4)
図10は、アクセル開度APOが0%にされ、このAPO=0%とベーストルク算出用駆動輪速VL*,VR*とから求めた左右モータ駆動車輪1RL,1RRのベーストルクTLo,TRoが負値(回生側)であるコースト走行状態において、瞬時t1に右モータ駆動車輪1RRが回生制動スリップを生じた場合のタイムチャートである。
瞬時t1の右輪回生スリップにより右駆動輪速VRが回生により図示のごとくに低下され、この低下する車輪速VRに基づいて求める当該右輪のベーストルクTRoが図示のように上昇する。
よって、右モータ駆動車輪1RRのトルク指令値TR(=TLo+ΔTL)は0に向け増大され、つまり負の絶対値を小さくされ、右モータ駆動車輪1RRは回生制動トルクの低下により回生(制動)スリップを抑制される。
他方でスリップしていない左モータ駆動車輪1RLは、車輪速VLが不変であるため図10のように瞬時t1での速度に保たれる。
よって、この車輪速VLに基づき求められる左モータ駆動車輪1RLのベーストルクTLoは図10のごとくに保持され、当該車輪のトルク指令値TL(=TLo+ΔTL)も図10のように保持される。
従って、左モータ駆動車輪1RLの制動力低下、つまり制動性能の低下を発生することがなく、右モータ駆動車輪1RRの回生(制動)スリップを抑制するという上記の効果を制動性能の低下なしに達成することができる。
本実施例によれば、上記した動作例1〜4につき上述した作用・効果のほかに以下の作用・効果をも奏し得る。
つまり図3のステップS23で、左右駆動輪速差|VR−VL|の大小判定(片輪スリップ判定)閾値xを、操舵角θに応じ大操舵であるほど大きくなるよう変更するため、詳しくは図4につき前述したとおり、操舵角θで発生する左右駆動輪速差y分だけ閾値xを大きくなるよう変更するため、
操舵角θで発生する左右駆動輪速差yが左右駆動輪速差|VR−VL|の大小判定(片輪スリップ判定)の精度を低下させることがなくなり、当該判定の精度を旋回走行中も高く維持して、前記の作用・効果を一層確実なものにすることができる。
また、図2のステップS13で求めたベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*をそのまま左右駆動輪ベーストルクTLo,TRoの演算に用いず、これらベーストルクTLo,TRoのうち、スリップしていない車輪側のベーストルクを、同図のステップS14(図5のステップS47またはステップS48)で、スリップしている車輪のスリップによるトルク低下分(Ts−TLo)だけ増大補正してベーストルクTLo,TRoの演算に資するため、
スリップ側車輪のスリップによるトルク低下分(Ts−TLo)を非スリップ側車輪の駆動力増大で補うことができ、車両全体としての駆動力低下を回避し得て、運転者が要求する駆動力を確実に実現することができる。
<第2実施例>
図11〜14は本発明の第2実施例を示す。
本実施例においても、システム構成は図1につき前述したと同様なものとし、左右輪駆動力制御のメインルーチンは図2につき前述したと同様なものとし、図3のサブルーチンを図11に置換し、ベーストルク算出用駆動輪速VL*,VR*を第1実施例とは異なる以下の要領で決定する点が異なるのみとする。
図11は、図3のステップS25をステップS51〜ステップS53に置換したもので、他のステップS21〜S24、ステップS26およびステップS27は図3におけると同様なものである。
ステップS24で左右駆動輪速差|VR−VL|が閾値x以上(片輪スリップ発生)と判定した場合に選択されるステップS51においては、図12の実線で示す特性マップを基に左右駆動輪速差|VR−VL|から重み付け係数wを検索する。
ベーストルク算出用駆動輪速VL*,VR*は第1実施例につき前述した通り、片輪スリップ発生状態(|VR−VL|≧x)でなければ、VL*=Va, VR*=Vaと定め(ステップS26)、片輪スリップ発生状態(|VR−VL|≧x)であればVL*=VL, VR*=VRと定めるが(ステップS25)、
上記の重み付け係数wは、片輪スリップ発生状態においてベーストルク算出用駆動輪速VL*,VR*を左右駆動輪速差|VR−VL|に応じ、この差が大きいほど左右駆動輪速平均値Vaから対応する駆動輪速実測値VL,VRに向けて連続的に変化する値となすためのものである。
そこで重み付け係数wは図12に実線で示すごとく、左右駆動輪速差|VR−VL|が片輪スリップ判定閾値x未満である間は0であり、|VR−VL|>xの領域では、|VR−VL|が大きくなるにつれ0から所定勾配で漸増し、|VR−VL|=x´で最大の1になるようなものとする。
次のステップS52においては、|VR−VL|>xのもとで所定以上のアクセルペダルの踏み増し(アクセル踏み増し)操作が行われた場合に、悪路からの脱出要求時であってアクセル踏み増し量が大きいほど悪路脱出のために早期の片輪スリップ抑制が必要であるとの判断から、これを実現し得るよう重み付け係数wを以下のごとくに変更する。
この変更に際しては図13の制御プログラムを実行し、ステップS61においてアクセル開度APOを読み込み、ステップS62においてアクセル踏み増し量aを計算する。
ステップS63においては、アクセル踏み増し量aが悪路脱出判定閾値未満か否かをチェックし、閾値未満の場合は悪路脱出要求時でないことから、ステップS64において、重み付け係数wを変更せず、図11のステップS51で求めた値のままとする。
ステップS63でアクセル踏み増し量aが悪路脱出判定閾値以上であると判定する場合、悪路脱出要求時であってアクセル踏み増し量が大きいほど悪路脱出のために早期の片輪スリップ抑制制御が必要であることから、ステップS65において、重み付け係数wを、図11のステップS51で求めた値よりも、アクセル踏み増し量aに応じた係数補正量Δw(a)だけ大きな値w+Δw(a)に変更する。
かかる変更後の重み付け係数wは、アクセル踏み増し量aが大きいほど、図12に一点鎖線で例示するごとく増大する。
ステップS52で図13の制御プログラムに基づき上記のごとくに重み付け係数wを変更した後に選択されるステップS53においては、当該重み付け係数wと、左右駆動輪速VL,VRと、左右駆動輪速平均値Vaとから、次式の演算によりベーストルク算出用駆動輪速VL*,VR*を求め、
VL*=w×VL+(1−w)Va
VR*=w×VR+(1−w)Va
これらベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*をステップS27において、図1に示すごとく対応する側のベーストルク演算部12L,12Rへ出力する。
かくして本実施例の左右輪ベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*はそれぞれ図14に示すごとく、左右駆動輪速差|VR−VL|が片輪スリップ判定閾値x未満である間(片輪スリップが発生していない間)、第1実施例と同様にVL*=Va,VR*=Vaである。
しかして、左右駆動輪速差|VR−VL|が片輪スリップ判定閾値x以上である間(片輪スリップが発生している間)、
左輪ベーストルク算出用左右駆動輪速VL*は図14に示すごとく、左右駆動輪速差|VR−VL|が大きいほど左右駆動輪速平均値Vaから対応する左駆動輪速VLへと連続的に変化し、VL*=VLとなった後の大きな左右駆動輪速差|VR−VL|のもとではVL*=VLに保たれ、また、
右輪ベーストルク算出用左右駆動輪速VR*は図14に示すごとく、左右駆動輪速差|VR−VL|が大きいほど左右駆動輪速平均値Vaから対応する右駆動輪速VRへと連続的に変化し、VR*=VRとなった後の大きな左右駆動輪速差|VR−VL|のもとではVR*=VRに保たれる。
なお図14は、アクセル踏み増し量aが悪路脱出判定閾値未満である場合における左右輪ベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*の左右駆動輪速平均値Vaから対応する左右駆動輪速VL,VRへの変化特性を示すが、
アクセル踏み増し量aが悪路脱出判定閾値以上である場合は、このアクセル踏み増し量aが大きいほど、左右駆動輪速差|VR−VL|に対する重み付け係数wの変化割合を図12に一転鎖線で示すごとく大きくするため、左右駆動輪速差|VR−VL|に対する左右輪ベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*の左右駆動輪速平均値Vaから対応する左右駆動輪速VL,VRへの変化速度は、図14よりも高速となる。
<第2実施例の作用・効果>
上記した第2実施例の構成によれば、前記した第1実施例と同様な作用・効果n加えて以下の作用・効果をも奏し得る。
つまり第2実施例においては、左右輪ベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*を図14につき前記した通り、左右駆動輪速差|VR−VL|の増大に応じて左右駆動輪速平均値Vaから対応する左右駆動輪速VL,VRへ連続的に変化させるため、
第1実施例のごとくに左右輪ベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*が、左右駆動輪速差|VR−VL|=xの前後で左右駆動輪速平均値Vaから対応する左右駆動輪速VL,VRへ切り替わったり、逆方向へに切り替わることがなく、これらVL*,VR*の急変による左右輪ベーストルクTLo,TRoの急変でショックアブソーバが発生するという問題を回避することができる。
また、上記のごとく左右輪ベーストルク算出用左右駆動輪速VL*,VR*を左右駆動輪速差|VR−VL|の増大に応じ左右駆動輪速平均値Vaから対応する左右駆動輪速VL,VRへと切り替える速度を、図13のステップS65につき前述した重み付け係数wの補正により、アクセル踏み増し量aが悪路脱出判定閾値以上である間、このアクセル踏み増し量aが大きいほど速くしたため、
アクセル踏み増し量aが大きくなる悪路からの緊急脱出要求時において、悪路脱出のための早期片輪スリップ抑制機能を果たすことができ、悪路からの緊急脱出要求を確実に実現することができる。
<その他の実施例>
なお上記各実施例では、図1に示すごとく左右輪独立駆動車両が左右後輪1RL,1RRのみを独立駆動する後2輪独立駆動車両である場合について説明したが、左右前輪1FL,1FRのみを独立駆動する前2輪独立駆動車両である場合や、全輪1FL,1FR,1RL,1RRを独立駆動する四輪駆動車両である場合も、本発明は同様に適用可能であるのは言うまでもない。
ただし四輪駆動車両である場合、図5のステップS42における従動輪速Vsが存在しないことから、トラクションコントロールや、アンチスキッド制御に際して採用されていて周知の、駆動輪速から車両の対地速度(車体速)を求める手法に基づき演算した車体速を従動輪速Vsの代わりに用いること勿論である。
1FL,1FR 左右前輪
1RL,1RR 左右後輪(左右モータ駆動車輪)
3RL,3RR インホイールモータ(電動モータ)
4RL,4RR インバータ
11 車輪駆動トルク指令値演算部
12L,12R 左右ベーストルク演算部
13 ベーストルク算出用駆動輪速演算部
14 左右輪トルク補正量演算部
15L,15R 加算器

Claims (8)

  1. 個々の電動モータにより制駆動され、左右で対をなすモータ駆動車輪を具えた左右輪独立駆動車両に用いられ、前記左右モータ駆動車輪の駆動トルクを、これら駆動トルクが逆極性となるような値をも含む所定値だけ補正して車両の状態制御を行うようにした、左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置において、
    運転者が車両に課する要求負荷と、前記左右モータ駆動車輪の駆動輪速とから、これら駆動車輪の基本となるベーストルクを個々に、対応車輪が力行中であれば前記電動モータの力行特性に基づき低回転時ほど大きなトルク値となるよう、また、対応車輪が回生中であれば前記電動モータの回生特性に基づき高回転ほど大きなトルク値となるよう定めるベーストルク演算手段を設け、
    該手段により求めた前記左右モータ駆動車輪のベーストルクを前記所定値だけ補正して対応する前記電動モータの駆動制御に資することで前記車両の状態制御を遂行するよう構成したことを特徴とする左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置。
  2. 請求項1に記載された、左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置において、
    前記ベーストルク演算手段は、前記左右モータ駆動車輪間の駆動輪速差が設定値未満である場合、前記左右モータ駆動車輪の駆動輪速として同じ値を、前記ベーストルクの演算に資するものであることを特徴とする左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置。
  3. 請求項2に記載された、左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置において、
    前記左右モータ駆動車輪間の駆動輪速差に係わる前記設定値は、操舵角が大きいほど大きな設定値であることを特徴とする左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置。
  4. 請求項2または3に記載された、左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置において、
    前記左右モータ駆動車輪間の駆動輪速差が設定値未満である場合に前記左右モータ駆動車輪の駆動輪速として用いる前記同じ値は、前記左右駆動輪速の実測値の平均値であることを特徴とする左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載された、左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置において、
    前記ベーストルク演算手段は、前記左右モータ駆動車輪間の駆動輪速差が前記設定値以上である場合、前記左右モータ駆動車輪の駆動輪速として、これら左右駆動輪速の実測値をそれぞれ用い、前記ベーストルクの演算を行うものであることを特徴とする左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置。
  6. 請求項2〜4のいずれか1項に記載された、左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置において、
    前記ベーストルク演算手段は、前記左右モータ駆動車輪間の駆動輪速差が前記設定値以上である場合、前記左右モータ駆動車輪の駆動輪速として、前記駆動輪速差が大きくなるにつれ前記同じ値から前記左右モータ駆動車輪の駆動輪速に向け変化する左右個別の駆動輪速を用い、前記ベーストルクの演算を行うものであることを特徴とする左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置。
  7. 請求項6に記載された、左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置において、
    前記ベーストルク演算手段は、前記左右モータ駆動車輪間の駆動輪速差が前記設定値以上である場合に前記左右モータ駆動車輪の駆動輪速として用いる、前記駆動輪速差が大きくなるにつれ前記同じ値から前記左右モータ駆動車輪の駆動輪速に向け変化する駆動輪速の変化割合を、前記設定値以上の駆動輪速差のもとで所定以上の前記要求負荷の増大が行われた場合に高めて、前記ベーストルクの演算を行うものであることを特徴とする左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載された、左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置において、
    前記ベーストルク演算手段は、前記左右モータ駆動車輪の一方のみがスリップする片輪スリップを検知する片輪スリップ検知手段を具え、該片輪スリップが検知されるとき、前記演算した左右モータ駆動車輪のベーストルクのうち、非スリップ側モータ駆動車輪のベーストルクを、スリップ側モータ駆動車輪のスリップによるトルク変化分だけ補正して、前記電動モータの駆動制御に資するものであることを特徴とする左右輪独立駆動車両の駆動力制御装置。
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