JP2016111779A - 車両駆動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高横加速度における車両旋回時に、車両運動時の横加速度による横滑りを考慮して制御精度を向上させることができる車両駆動力制御装置を提供する。【解決手段】操舵角δfに基づいて演算した目標ヨーレイトγ*と横加速度ayと車速Vに基づいて演算した実ヨーレイトγとによりヨーレイト補正量Δγを求め、ヨーレイト補正量に応じた補助ヨーモーメントMzを左右輪の駆動力差ΔT3により発生させる。【選択図】図3
Description
本発明は、車両駆動力制御装置に関するものである。
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。この文献には、左右駆動輪に駆動力差を生じさせて、運転者の操舵に対する車両の旋回性能を高めるものが開示されている。左右駆動輪に駆動力差は目標左右モータ出力差に応じて制御されており、目標左右モータ出力差を目標ヨーレイトの微分値と動的コーナリングパワーとに基づいて演算されている。動的コーナリングパワーは、前後輪の左右輪荷重移動量に応じて演算されている。
コーナリングパワーは、タイヤの滑り角と輪荷重移動に応じて変化する。しかし、上記特許文献1に記載の技術では、輪荷重移動により車両運動時の横加速度による横滑りが考慮されていないため、特に高横加速度における制御精度が悪化するおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目されたもので、その目的とするところは、制御精度を向上させることができる車両駆動力制御装置を提供することである。
本発明は、上記問題に着目されたもので、その目的とするところは、制御精度を向上させることができる車両駆動力制御装置を提供することである。
車両旋回時に、操舵角に基づいて演算した目標ヨーレイトと横加速度と車速に基づいて演算した実ヨーレイトとによりヨーレイト補正量を求め、ヨーレイト補正量に応じた補助ヨーモーメントを左右輪の駆動力差により発生させるようにした。
よって本発明では、制御精度を向上させることができる。
〔実施例1〕
[駆動システム構成]
図1は、車両における駆動システムの構成を示す。車両は、後輪駆動方式の電動車両である。車両の各車輪4(左前輪4FL,右前輪4FR,左後輪4RL,右後輪4RR)のうち、左右後輪4RL,4RRが駆動輪である。各車輪4には、その車輪速度Vx(以下、前後加速度axを除き、添字xはFL〜RRを表す。)を検出する車輪速センサ56が設けられている。左右電動モータ3L,3Rは三相交流モータであり、左右後輪4RL,4RRを互いに独立に駆動する動力源である。本実施例では、左右電動モータ3L,3Rをばね下側(車輪4の側)に配置した、いわゆるインホイールモータ(IWM)方式を採用している。左右電動モータ3L,3Rには、その回転角を検出する左右モータ回転角センサ50L,50Rが設けられている。左右電動モータ3L,3Rには左右インバータ(INV)2L,2Rがそれぞれ接続されている。左右インバータ2L,2RはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を各相2組ずつ用いた三相出力インバータである。左右インバータ2L,2Rには、図外の高電圧バッテリが接続されている。左右インバータ2L,2Rには、それぞれの電流を検出する左右電流センサ51L,51Rが設けられている。
[駆動システム構成]
図1は、車両における駆動システムの構成を示す。車両は、後輪駆動方式の電動車両である。車両の各車輪4(左前輪4FL,右前輪4FR,左後輪4RL,右後輪4RR)のうち、左右後輪4RL,4RRが駆動輪である。各車輪4には、その車輪速度Vx(以下、前後加速度axを除き、添字xはFL〜RRを表す。)を検出する車輪速センサ56が設けられている。左右電動モータ3L,3Rは三相交流モータであり、左右後輪4RL,4RRを互いに独立に駆動する動力源である。本実施例では、左右電動モータ3L,3Rをばね下側(車輪4の側)に配置した、いわゆるインホイールモータ(IWM)方式を採用している。左右電動モータ3L,3Rには、その回転角を検出する左右モータ回転角センサ50L,50Rが設けられている。左右電動モータ3L,3Rには左右インバータ(INV)2L,2Rがそれぞれ接続されている。左右インバータ2L,2RはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を各相2組ずつ用いた三相出力インバータである。左右インバータ2L,2Rには、図外の高電圧バッテリが接続されている。左右インバータ2L,2Rには、それぞれの電流を検出する左右電流センサ51L,51Rが設けられている。
車両の駆動力制御装置1は、車両制御コントローラVCMとモータコントローラMCを有しており、左右後輪4RL,4RRの駆動力を互いに独立して制御可能である。モータコントローラMCは、左モータコントローラMCLと右モータコントローラMCRを有している。左モータコントローラMCLは左電動モータ3Lに対応して設けられ、右モータコントローラMCRは右電動モータ3Rに対応して設けられている。車両制御コントローラVCMと左モータコントローラMCL、右モータコントローラMCRは、通信線であるCAN(Controller Area Network)6により互いに接続されており、相互に通信を行う。なお、図1において、CAN6を介した接続を二重線による矢印で表し、ハード線を介した接続や演算値の入力を、二重線以外の線による矢印で表す。CAN6には、操舵角δfを検出する操舵角センサ54と、車両のヨーレイトγを検出するヨーレイトセンサ55と、車輪速センサ56からの信号が入力される。操舵角δfは、運転者によるステアリングホイールの操舵操作を反映する操舵状態量である。
左モータコントローラMCLは左モータ制御部10Lを有し、右モータコントローラMCRは右モータ制御部10Rを有している。左モータ制御部10Lは、左電動モータ3Lのモータ回転角センサ50と電流センサ51とからの入力を受ける。左モータ制御部10Lは、モータ回転角から、左電動モータ3Lの回転数(モータ回転数NL)を演算する。左モータ制御部10Lは、CAN6を介して受信した車両制御コントローラVCMからの左モータトルク指令値TLを実現すべく、左電動モータ3Lを制御する。具体的には、左モータ制御部10Lは、車両制御コントローラVCMからの左モータトルク指令値TLに対し、左電動モータ3Lのモータ回転数を乗じて、左電動モータ3Lに供給すべき目標電力を算出する。左モータ制御部10Lは、左電動モータ3Lに供給されている実電力(例えば、実電圧と実電流とから求まる。)と対応する目標電力との差分をゼロとするゲート信号を生成し、左インバータ2Lを駆動する。左インバータ2Lは、左モータ制御部10Lからのゲート信号に応じて動作し、左電動モータ3Lを力行または回生運転させる。右モータ制御部10Rについても左モータ制御部10Lと同様である。
車両制御コントローラVCMは、加減速制御部7と、左右駆動力差制御部8と、左モータトルク指令値演算部9Lと、右モータトルク指令値演算部9Rとを有している。加減速制御部7は、車両の走行状態や運転者の加減速操作状態に基づいて左右電動モータ3L,3Rのモータトルクを制御することで、車両の制駆動力を制御する。加減速制御部7は、アクセルペダル開度APOを検出するアクセル開度センサ52と、ブレーキペダルストロークBSTを検出するブレーキペダルストロークセンサ53とからの入力を受ける。アクセルペダル開度APOは運転者の加速操作を反映する加速操作状態量であり、ブレーキペダルストロークBSTは運転者の制動操作を反映する制動操作状態量である。加減速制御部7は、CAN6を介して受信した車輪速度Vxから、(操舵角δfや各車輪速度Vxの差や各車輪4のスリップ状態等を考慮しつつ)車体速度Vを演算する。なお、CAN6を介して受信した左右モータ回転数NL,NRから車体速度Vを演算するようにしてもよい。また、別途設けた車体速度センサやGPSやナビ情報に基づいて車体速度Vを検出することとしてもよい。加減速制御部7は、アクセルペダル開度APOと車体速度Vに基づき、例えば予め設定されたトルクマップを参照して、運転者の加速要求に応じた目標駆動トルク(正値)を演算する。また、ブレーキペダルストロークBSTに基づき、例えば予め設定されたトルクマップを参照して、運転者の減速要求に応じた目標駆動トルク(負値)を演算する。加減速制御部7は、これらの目標駆動トルクの和値を演算し、その半分の値を左右電動モータ3L,3Rそれぞれの基本モータトルクT0とする。
[左右駆動力差制御部]
左右駆動力差制御部8は、車両の走行状態や運転者の操舵状態に基づいて左後輪4RLと右後輪4RRとの間で駆動力差を発生させることで、車両に所望のヨーモーメントMZを付与する、いわゆる直接ヨーモーメント制御(DYC)を実行する。図2は、左右駆動力差制御部8における制御構成を表す制御ブロック図である。左右駆動力差制御部8は、横加速度推定部80と、各種目的に応じてヨーモーメントMZを付与することでヨーレイトγを制御するための各種DYC部81〜84と、左右モータトルク差調整部85と、コーナリングパワー推定部86とを有している。左右駆動力差制御部8は、加減速制御部7と同様、CAN6を介して受信した車輪速度Vxから、車体速度Vを演算する。横加速度推定部80は、操舵角δfと車体速度Vに基づき、車両モデルを用いて、車両の重心位置に発生する横加速度ayを推定する。なお、横加速度センサを設けた場合には、このセンサからの信号により横加速度ayを検出してもよい。また、ヨーレイトセンサ55の検出値γと車体速度Vとを乗算することで横加速度ayを推定してもよい。
左右駆動力差制御部8は、車両の走行状態や運転者の操舵状態に基づいて左後輪4RLと右後輪4RRとの間で駆動力差を発生させることで、車両に所望のヨーモーメントMZを付与する、いわゆる直接ヨーモーメント制御(DYC)を実行する。図2は、左右駆動力差制御部8における制御構成を表す制御ブロック図である。左右駆動力差制御部8は、横加速度推定部80と、各種目的に応じてヨーモーメントMZを付与することでヨーレイトγを制御するための各種DYC部81〜84と、左右モータトルク差調整部85と、コーナリングパワー推定部86とを有している。左右駆動力差制御部8は、加減速制御部7と同様、CAN6を介して受信した車輪速度Vxから、車体速度Vを演算する。横加速度推定部80は、操舵角δfと車体速度Vに基づき、車両モデルを用いて、車両の重心位置に発生する横加速度ayを推定する。なお、横加速度センサを設けた場合には、このセンサからの信号により横加速度ayを検出してもよい。また、ヨーレイトセンサ55の検出値γと車体速度Vとを乗算することで横加速度ayを推定してもよい。
DYC部81〜84は、操舵角δfと車体速度Vと横加速度ayに基づき、車両に付与するヨーモーメント(制御ヨーモーメント)MZをそれぞれ演算する。DYC部81〜84は、この制御ヨーモーメントMZを発生するための左右後輪4RL,4RRの駆動力の差(目標駆動トルク差)として、左右電動モータ3L,3Rのモータトルク差ΔT1〜ΔT4をそれぞれ演算する。左右モータトルク差調整部85は、高電圧バッテリからの充放電制限や、左右電動モータ3L,3Rの定格トルク等の制限による、システムからのモータトルク制限値の入力を受ける。左右モータトルク差調整部85は、加速と各DYCの優先度に従い左右モータトルク差ΔTを調整(ΔT1〜ΔT4を配分)すると共に、モータトルク制限値を満足するように左右モータトルク差ΔTを制限する。すなわち、左右モータトルク差調整部85は、達成可能な調整後の左右モータトルク差ΔTを演算して、左右モータトルク指令値演算部9L,9Rに出力する。左右モータトルク指令値演算部9L,9Rは、左右モータトルク差ΔTの半分の値(ΔT×1/2)を基本モータトルクT0に加減算することで、左右後輪4RL,4RRそれぞれのモータトルク指令値TL,TRを演算する。例えば左操舵(左旋回)時には、左モータトルク指令値演算部9Lは、基本モータトルクT0から左右モータトルク差ΔTの半分の値(ΔT×1/2)を減算した値を左後輪4RLのモータトルク指令値(左モータトルク指令値TL)とする一方、右モータトルク指令値演算部9Rは、基本モータトルクT0に左右モータトルク差ΔTの半分の値(ΔT×1/2)を加算した値を右後輪4RRのモータトルク指令値(右モータトルク指令値TR)とする。これにより、全体としてのトルクを変えることなく、左旋回方向にヨーモーメントMZを付与できる。
(コーナリングパワー推定部)
コーナリングパワー推定部86は、下記式(1),(2)により、前輪のコーナリングパワーKf*と後輪のコーナリングパワーKr*を推定する。
[数1]
Kf*=Kf+δKf ・・・(1)
[数2]
Kr*=Kr+δKr ・・・(2)
コーナリングパワー推定部86は、下記式(1),(2)により、前輪のコーナリングパワーKf*と後輪のコーナリングパワーKr*を推定する。
[数1]
Kf*=Kf+δKf ・・・(1)
[数2]
Kr*=Kr+δKr ・・・(2)
以下、車輪のタイヤに垂直方向に作用する荷重(接地荷重)をタイヤ荷重という。コーナリングパワーKf*は、タイヤ荷重等の影響を除いて正規化した前輪コーナリングパワーKfと、タイヤ荷重の影響による前輪コーナリングパワー変動量δKfとの和により算出される。正規化したコーナリングパワーKfは、例えば前輪のタイヤ荷重Wfの初期値に対応する。変動量δKfは、荷重Wfの初期値からの(加減速による)変動量に対応しており、コーナリングパワーKfと荷重Wfとの関係特性を示す所定のマップを用いて推定することができる。加減速による荷重Wfの変動量(前後荷重移動量)は、車両の前後加速度axに基づき演算することができる。前後加速度axは、車両の加速トルク指令値から演算することができる。加速トルク指令値は、目標駆動トルク(基本モータトルクT0)から車両の走行抵抗を減ずることで演算することができる。後輪コーナリングパワーKr*,変動量δKrについても同様である。DYC部81〜84は、コーナリングパワーKf*,Kr*に基づきMZを演算する。
(加減速DYC部)
加減速DYC部81は、車両が旋回中に加速したり減速(制動)したりしても車両挙動を安定化させるために、上記駆動力差を制御する。図3は、加減速DYC部81の制御構成を表す制御ブロック図である。加減速DYC部81は、目標ヨーレイト演算部810と、実ヨーレイト推定部811と、ヨーレイト補正量演算部812と、ヨーモーメント演算部813と、左右モータトルク差演算部814とを有している。
加減速DYC部81は、車両が旋回中に加速したり減速(制動)したりしても車両挙動を安定化させるために、上記駆動力差を制御する。図3は、加減速DYC部81の制御構成を表す制御ブロック図である。加減速DYC部81は、目標ヨーレイト演算部810と、実ヨーレイト推定部811と、ヨーレイト補正量演算部812と、ヨーモーメント演算部813と、左右モータトルク差演算部814とを有している。
目標ヨーレイト演算部810は、加減速が無いと仮定した場合の操舵操作によって発生するヨーレイト(操舵ヨーレイト)を、2輪モデルの車両で成立する以下の関係式(車両の運動モデル)(3),(4)を用いて、操舵角δfと車体速度Vに基づき推定する。この推定した操舵ヨーレイトを目標ヨーレイトγ*とする。上記2輪モデルは、車両の左右のタイヤを前後輪でそれぞれ1つにまとめたものである。
[数3]
m×V(dβ/dt+γ)=−2Kf[β+(Lf/V)×γ−δf]−2Kr[β−(Lr/V)×γ] ・・・(3)
[数4]
IZ×(dγ/dt)=−2Kf[β+(Lf/V)×γ−δf]Lf+2Kr[β−(Lr/V)×γ]Lr ・・・(4)
ここで、
m:車両重量
V:車体速度
β:車体横滑り角
δf:操舵角
lf:車両重心から前輪4FL,4FRまでの距離
lr:車両重心から後輪4RL,4RRまでの距離
(ホイールベースをlとすると、l=lr+lf)
IZ:車両回転慣性
である。上記式(3),(4)は、タイヤ荷重等の影響(変動量δKf,δKr)を排除して正規化された前後輪コーナリングパワーKf,Krを用いる、線形2輪モデルを示している。
[数3]
m×V(dβ/dt+γ)=−2Kf[β+(Lf/V)×γ−δf]−2Kr[β−(Lr/V)×γ] ・・・(3)
[数4]
IZ×(dγ/dt)=−2Kf[β+(Lf/V)×γ−δf]Lf+2Kr[β−(Lr/V)×γ]Lr ・・・(4)
ここで、
m:車両重量
V:車体速度
β:車体横滑り角
δf:操舵角
lf:車両重心から前輪4FL,4FRまでの距離
lr:車両重心から後輪4RL,4RRまでの距離
(ホイールベースをlとすると、l=lr+lf)
IZ:車両回転慣性
である。上記式(3),(4)は、タイヤ荷重等の影響(変動量δKf,δKr)を排除して正規化された前後輪コーナリングパワーKf,Krを用いる、線形2輪モデルを示している。
操舵角δfを一定と仮定すると、上記式(3),(4)から、
[数5]
β={[1−(m/2l)(lf/lrKr)V2]/(1+AV2)}(lr/l) δf ・・・(5)
[数6]
γ=[1/(1+AV2)](V/l) δf ・・・(6)
ここで、
[数7]
A=−(m/2l2)(lf×Kf−lr×Kr)/(Kf×Kr) ・・・(7)
なお、横加速度推定部80は、上記式(6)を用いた下記式(8)により、操舵角δfと車体速度Vに基づき、横加速度ayを推定することができる。
[数8]
ay=Vγ=[1/(1+AV2)](V2/l) δf ・・・(8)
[数5]
β={[1−(m/2l)(lf/lrKr)V2]/(1+AV2)}(lr/l) δf ・・・(5)
[数6]
γ=[1/(1+AV2)](V/l) δf ・・・(6)
ここで、
[数7]
A=−(m/2l2)(lf×Kf−lr×Kr)/(Kf×Kr) ・・・(7)
なお、横加速度推定部80は、上記式(6)を用いた下記式(8)により、操舵角δfと車体速度Vに基づき、横加速度ayを推定することができる。
[数8]
ay=Vγ=[1/(1+AV2)](V2/l) δf ・・・(8)
実ヨーレイト推定部811は、加減速時に発生するヨーレイト(加減速ヨーレイト)を、下記式(9),(10)を用いて、操舵角δfと車体速度VとコーナリングパワーKf*,Kr*に基づき推定する。この推定した加減速ヨーレイトを実ヨーレイトγとする。
[数9]
m×V(dβ/dt+γ)=−2Kf*[β+(Lf/V)×γ−δf]−2Kr*[β−(Lr/V)×γ] ・・・(9)
[数10]
IZ×(dγ/dt)=−2Kf*[β+(Lf/V)×γ−δf]Lf+2Kr*[β−(Lr/V)×γ]Lr ・・・(10)
これらの式(9),(10)は、上記式(3),(4)において、コーナリングパワーKf,Krに代え、タイヤ荷重等の影響(変動量δKf,δKr)を考慮して推定された前後輪コーナリングパワーKf*,Kr*を用いる、非線形2輪モデルを示している。
[数9]
m×V(dβ/dt+γ)=−2Kf*[β+(Lf/V)×γ−δf]−2Kr*[β−(Lr/V)×γ] ・・・(9)
[数10]
IZ×(dγ/dt)=−2Kf*[β+(Lf/V)×γ−δf]Lf+2Kr*[β−(Lr/V)×γ]Lr ・・・(10)
これらの式(9),(10)は、上記式(3),(4)において、コーナリングパワーKf,Krに代え、タイヤ荷重等の影響(変動量δKf,δKr)を考慮して推定された前後輪コーナリングパワーKf*,Kr*を用いる、非線形2輪モデルを示している。
ヨーレイト補正量演算部812は、加減速ヨーレイトγを操舵ヨーレイトγ*に一致させるのに必要なヨーレイト補正量Δγを算出する。具体的には、操舵ヨーレイとγ*と加減速ヨーレイトγとの偏差を演算し、この偏差をヨーレイト補正量Δγとする。
[数11]
Δγ=γ*−γ ・・・(11)
[数11]
Δγ=γ*−γ ・・・(11)
ヨーモーメント演算部813は、ヨーレイト補正量Δγと車体速度VとコーナリングパワーKf*,Kr*に基づいて、ヨーレイト補正量Δγを実現する(操舵ヨーレイトγ*を達成する、ないし加減速ヨーレイトγが操舵ヨーレイトγ*に追従する)ために車両に付与するヨーモーメント(旋回モーメント)MZを演算する。この演算は、ヨーモーメントMZから加減速ヨーレイトγを導くのとは逆向きの、加減速ヨーレイトγからヨーモーメントMZを導く逆演算になる。ヨーモーメントMZを用いて、上記式(10)を変形し、
[数12]
IZ×(dγ/dt)=−2Kf*[β+(Lf/V)×γ−δf]Lf+2Kr*[β−(Lr/V)×γ]Lr+MZ ・・・(12)
式(9),(12)において、操舵角δfとして0を代入し、加減速ヨーレイトγとしてヨーレイト補正量Δγを代入すると、下記の関係式(13)〜(17)が得られる。
[数13]
MZ={[1+(2ζ/ωn)×s+(1/ωn 2)×s2]/[AG2 (1+TG2×s)]}×Δγ ・・・(13)
[数14]
AG2=(1/ωn 2)×[2(Kf*+Kr*)/(m×V×IZ)] ・・・(14)
[数15]
TG2=m×V/[2(Kf*+Kr*)] ・・・(15)
[数16]
ωn={[(4L2×Kf*×Kr*)/(m×V2×IZ)]−2(Lf×Kf*−Lr×Kr*)/IZ}1/2 ・・・(16)
[数17]
ζ={[m(Lf2×Kf*+Lr2×Kr*)+IZ(Kf*+Kr*)]/(m×V×IZ)}/{(4L2×Kf*×Kr*)/(m×V2×IZ)−2(Lf×Kf*−Lr×Kr*)/IZ}1/2 ・・・(17)
s:ラプラス演算子
上記式(13)により得られるヨーモーメントMZは、操舵ヨーレイトγ*を実現するために車両に発生させることが必要なヨーモーメントである。
[数12]
IZ×(dγ/dt)=−2Kf*[β+(Lf/V)×γ−δf]Lf+2Kr*[β−(Lr/V)×γ]Lr+MZ ・・・(12)
式(9),(12)において、操舵角δfとして0を代入し、加減速ヨーレイトγとしてヨーレイト補正量Δγを代入すると、下記の関係式(13)〜(17)が得られる。
[数13]
MZ={[1+(2ζ/ωn)×s+(1/ωn 2)×s2]/[AG2 (1+TG2×s)]}×Δγ ・・・(13)
[数14]
AG2=(1/ωn 2)×[2(Kf*+Kr*)/(m×V×IZ)] ・・・(14)
[数15]
TG2=m×V/[2(Kf*+Kr*)] ・・・(15)
[数16]
ωn={[(4L2×Kf*×Kr*)/(m×V2×IZ)]−2(Lf×Kf*−Lr×Kr*)/IZ}1/2 ・・・(16)
[数17]
ζ={[m(Lf2×Kf*+Lr2×Kr*)+IZ(Kf*+Kr*)]/(m×V×IZ)}/{(4L2×Kf*×Kr*)/(m×V2×IZ)−2(Lf×Kf*−Lr×Kr*)/IZ}1/2 ・・・(17)
s:ラプラス演算子
上記式(13)により得られるヨーモーメントMZは、操舵ヨーレイトγ*を実現するために車両に発生させることが必要なヨーモーメントである。
なお、図4に示すようなマップを用いて、車体速度Vと横加速度ayに基づき、MZ/Δγ(=G2)を設定し、このMZ/Δγにヨーレイト補正量Δγを乗算することで、ヨーモーメントMZを演算するようにしても良い。このマップでは、大略、横加速度ayが大きいときは横加速度ayが小さいときよりもMZ/Δγが小さくなり、車体速度Vが高いときは車体速度Vが低いときよりもMZ/Δγが小さくなるように設けられている。具体的には、車体速度Vを所与としたとき、横加速度ayが大きくなるにつれてMZ/Δγは徐々に(次第に緩やかになる勾配で)小さくなる。車体速度Vが低から高へ変化するのに応じて、MZ/Δγが小さくなるように、横加速度ayに対するMZ/Δγの上記特性線が平行移動する。このようなマップは、例えば実験やシミュレーションにより設定することができる。
左右モータトルク差演算部814は、ヨーモーメントMZに基づいて、このヨーモーメントMZを実現するような、加減速DYC用の左右モータトルク差(加減速DYCトルク差)ΔT1を、下記式(18)により演算する。
[数18]
ΔT1=2MZ/(trIZ) ・・・(18)
tr:車両のトレッド長
[数18]
ΔT1=2MZ/(trIZ) ・・・(18)
tr:車両のトレッド長
左右モータトルク差演算部814は、車体速度Vと横加速度ayに基づいて、加減速DYCトルク差ΔT1の上限値ΔT1maxを設定する。上記式(18)により求めた加減速DYCトルク差ΔT1が上限値ΔT1max以上となるときには、上限値ΔT1maxを加減速DYCトルク差ΔT1として出力する。
具体的には、図5に示すような3次元マップにおいて、車体速度Vと横加速度ayに基づき上限値ΔT1maxを設定する。このマップでは、大略、横加速度ayが大きいときは横加速度ayが小さいときよりも上限値ΔT1maxが小さくなり、車体速度Vが高いときは車体速度Vが低いときよりも上限値ΔT1maxが小さくなるように設けられている。車体速度Vが例えばV1以下のとき、横加速度ayがゼロからay1までの範囲では、上限値ΔT1maxは最大の一定値である。横加速度ayがay1からay2までの範囲では、横加速度ayが大きくなるにつれて上限値ΔT1maxは徐々に(所定の勾配で)小さくなる。横加速度ayがay2より大きい範囲では、上限値ΔT1maxは最小の一定値(ゼロ)である。また、横加速度ayが例えばay0以下のとき、車体速度VがゼロからV1までの範囲では、上限値ΔT1maxは上記最大の一定値である。車体速度VがV1からV2までの範囲では、車体速度Vが高くなるにつれて上限値ΔT1maxは徐々に(所定の勾配で)小さくなる。車体速度VがV2より大きい範囲では、上限値ΔT1maxは最小の一定値である。このようなマップは、例えば実験やシミュレーションにより設定することができる。
(操舵応答DYC部)
操舵応答DYC部82は、運転者の操舵操作に対し、目標とする車両のヨーレイト過渡特性(ヨーレイト過渡目標)を達成するために、上記駆動力差を制御する。操舵応答DYC部82の制御構成は、図3と同様である。
操舵応答DYC部82は、運転者の操舵操作に対し、目標とする車両のヨーレイト過渡特性(ヨーレイト過渡目標)を達成するために、上記駆動力差を制御する。操舵応答DYC部82の制御構成は、図3と同様である。
操舵応答DYC部82の目標ヨーレイト演算部820は、操舵に対して目標とする車両のヨーレイト過渡特性を演算する。例えば、実験やシミュレーションにより予め設定したマップを参照して、操舵角δfおよび車体速度Vに基づき、静的な目標ヨーレイトを演算する。そして、ヨーレイトの過渡の応答速度が任意の値になるよう、動的な目標ヨーレイトを演算する。例えば、静的目標ヨーレイトに対し所定の2次系の伝達関数Fを用いてなまし処理を行うことにより、各車輪4のタイヤ力によって実現可能なものとなるよう、動的目標ヨーレイトを演算することができる。このように演算した動的目標ヨーレイト(操舵目標ヨーレイト)を目標ヨーレイトγ*とする。
[数19]
γ*=F×δf ・・・(19)
伝達関数Fは、複数の次数を有するローパスフィルタなどで表すこともできる。また、その時定数は運転者の違和感とならないように決めることができる。
[数19]
γ*=F×δf ・・・(19)
伝達関数Fは、複数の次数を有するローパスフィルタなどで表すこともできる。また、その時定数は運転者の違和感とならないように決めることができる。
実ヨーレイト推定部821は、加減速DYC部81の目標ヨーレイト演算部810と同様にして、操舵ヨーレイトを推定する。この推定した操舵ヨーレイトを実ヨーレイトγとする。
なお、2次系の伝達関数G1(s)を用いて上記式(3),(4)を書き換えると、下記の関係式(20)〜(25)が得られる。
[数20]
γ=G1×δf ・・・(20)
[数21]
G1(s)=[AG1(1+TG1×s)]/[1+(2ζ/ωn)×s+(1/ωn 2)×s2] ・・(21)
[数22]
AG1=(1/ωn 2)×[(4L×Kf×Kr)/(m×V×IZ)] ・・・(22)
[数23]
TG1=(m×V×Lf)/(2×L×Kr) ・・・(23)
[数24]
ωn={[(4L2×Kf×Kr)/(m×V2×IZ)]−2(Lf×Kf−Lr×Kr)/IZ}1/2 ・・・(24)
[数25]
ζ={[m(Lf2×Kf+Lr2×Kr)+IZ(Kf+Kr)]/(m×V×IZ)}/{(4L2×Kf×Kr)/(m×V2×IZ)−2(Lf×Kf−Lr×Kr)/IZ}1/2 ・・・(25)
s:ラプラス演算子
なお、2次系の伝達関数G1(s)を用いて上記式(3),(4)を書き換えると、下記の関係式(20)〜(25)が得られる。
[数20]
γ=G1×δf ・・・(20)
[数21]
G1(s)=[AG1(1+TG1×s)]/[1+(2ζ/ωn)×s+(1/ωn 2)×s2] ・・(21)
[数22]
AG1=(1/ωn 2)×[(4L×Kf×Kr)/(m×V×IZ)] ・・・(22)
[数23]
TG1=(m×V×Lf)/(2×L×Kr) ・・・(23)
[数24]
ωn={[(4L2×Kf×Kr)/(m×V2×IZ)]−2(Lf×Kf−Lr×Kr)/IZ}1/2 ・・・(24)
[数25]
ζ={[m(Lf2×Kf+Lr2×Kr)+IZ(Kf+Kr)]/(m×V×IZ)}/{(4L2×Kf×Kr)/(m×V2×IZ)−2(Lf×Kf−Lr×Kr)/IZ}1/2 ・・・(25)
s:ラプラス演算子
ヨーレイト補正量演算部822は、操舵ヨーレイトγを操舵目標ヨーレイトγ*に一致させるのに必要なヨーレイト補正量Δγを、上記式(11)に基づき算出する。
ヨーモーメント演算部823の構成は、加減速DYC部81のヨーモーメント演算部813と同様である。ここで、
[数26]
G2(s)=[AG2(1+TG2×s)]/[1+(2ζ/ωn)×s+(1/ωn 2)×s2] ・・・(26)
とすると、上記式(13)から、
[数27]
Δγ=G2(s)×MZ ・・・(27)
また、上記式(11),(19),(20)から、
[数28]
Δγ=γ*−γ=F×δf−G1(s)×δf=δf×[F−G1(s)] ・・・(28)
よって、これらの式(27),(28)から、
[数29]
MZ=δf×[F−G1(s)]/G2(s) ・・・(29)
ヨーモーメント演算部823の構成は、加減速DYC部81のヨーモーメント演算部813と同様である。ここで、
[数26]
G2(s)=[AG2(1+TG2×s)]/[1+(2ζ/ωn)×s+(1/ωn 2)×s2] ・・・(26)
とすると、上記式(13)から、
[数27]
Δγ=G2(s)×MZ ・・・(27)
また、上記式(11),(19),(20)から、
[数28]
Δγ=γ*−γ=F×δf−G1(s)×δf=δf×[F−G1(s)] ・・・(28)
よって、これらの式(27),(28)から、
[数29]
MZ=δf×[F−G1(s)]/G2(s) ・・・(29)
ここで、
[数30]
G2(s)=G1(s)×GZ(s) ・・・(30)
とすると、上記式(21),(26)から、
[数31]
GZ(s)=G2(s)/G1(s)=[AG2(1+TG2×s)]/[AG1(1+TG1×s)] ・・・(31)
であり、上記式(29),(31)から、
[数32]
GZ(s)×MZ=δf×(F/G1(s)−1) ・・・(32)
である。GZ(s)は、ヨーモーメントMZがΔγ(ないしγ)に反映される度合い、言換えると、ヨーモーメントMZからΔγ(ないしγ)に到るまでの感度(ヨーモーメントMZによる制御効果)を表している。
左右モータトルク差演算部824は、操舵応答DYC用の左右モータトルク差(操舵応答DYCトルク差)ΔT2を、加減速DYCトルク差ΔT1と同様にして演算する。
[数30]
G2(s)=G1(s)×GZ(s) ・・・(30)
とすると、上記式(21),(26)から、
[数31]
GZ(s)=G2(s)/G1(s)=[AG2(1+TG2×s)]/[AG1(1+TG1×s)] ・・・(31)
であり、上記式(29),(31)から、
[数32]
GZ(s)×MZ=δf×(F/G1(s)−1) ・・・(32)
である。GZ(s)は、ヨーモーメントMZがΔγ(ないしγ)に反映される度合い、言換えると、ヨーモーメントMZからΔγ(ないしγ)に到るまでの感度(ヨーモーメントMZによる制御効果)を表している。
左右モータトルク差演算部824は、操舵応答DYC用の左右モータトルク差(操舵応答DYCトルク差)ΔT2を、加減速DYCトルク差ΔT1と同様にして演算する。
(アンダーステア抑制DYC部)
アンダーステア抑制DYC部83は、例えば予期せぬ急カーブで高い横加速度が発生する場合でも、アンダーステアを抑制するために、上記駆動力差を制御する。アンダーステア抑制DYC部83の制御構成は、図3と同様である。
アンダーステア抑制DYC部83は、例えば予期せぬ急カーブで高い横加速度が発生する場合でも、アンダーステアを抑制するために、上記駆動力差を制御する。アンダーステア抑制DYC部83の制御構成は、図3と同様である。
アンダーステア抑制DYC部83の目標ヨーレイト演算部830は、加減速が無いと仮定した場合の操舵操作によって発生する車両の定常ヨーレイトを、上記式(3),(4)からそれぞれ導かれる以下の式(33),(34)を用いて、操舵角δfと車体速度Vに基づき演算する。この演算した定常ヨーレイトを目標ヨーレイト(定常目標ヨーレイト)γ*とする。
[数33]
m×V×γ=−2Kf[β+(Lf/V)×γ−δf]−2Kr[β−(Lr/V)×γ] ・・・(33)
[数34]
2Kf[β+(Lf/V)×γ−δf]Lf=2Kr[β−(Lr/V)×γ]Lr ・・・(34)
なお、図6に示すようなマップを用いて、横加速度ayと車体速度Vに基づき定常ヨーレイトを設定し、これを定常目標ヨーレイトγ*としてもよい。
[数33]
m×V×γ=−2Kf[β+(Lf/V)×γ−δf]−2Kr[β−(Lr/V)×γ] ・・・(33)
[数34]
2Kf[β+(Lf/V)×γ−δf]Lf=2Kr[β−(Lr/V)×γ]Lr ・・・(34)
なお、図6に示すようなマップを用いて、横加速度ayと車体速度Vに基づき定常ヨーレイトを設定し、これを定常目標ヨーレイトγ*としてもよい。
実ヨーレイト推定部831は、現在の定常ヨーレイトを、上記式(9),(10)からそれぞれ導かれる以下の式(35),(36)を用いて、操舵角δfと車体速度Vに基づき推定する。この推定した定常ヨーレイトを実ヨーレイト(定常操舵ヨーレイト)γとする。
[数35]
m×V×γ=−2Kf* [β+(Lf/V)×γ−δf]−2Kr* [β−(Lr/V)×γ] ・・・(35)
[数36]
2Kf* [β+(Lf/V)×γ−δf]Lf=2Kr* [β−(Lr/V)×γ]Lr ・・・(36)
なお、図7に示すような(主に高い横加速度ayの領域でアンダーステア特性を示す)マップを用いて、横加速度ayと車体速度Vに基づき定常ヨーレイトを推定し、これを定常操舵ヨーレイトγとしてもよい。
[数35]
m×V×γ=−2Kf* [β+(Lf/V)×γ−δf]−2Kr* [β−(Lr/V)×γ] ・・・(35)
[数36]
2Kf* [β+(Lf/V)×γ−δf]Lf=2Kr* [β−(Lr/V)×γ]Lr ・・・(36)
なお、図7に示すような(主に高い横加速度ayの領域でアンダーステア特性を示す)マップを用いて、横加速度ayと車体速度Vに基づき定常ヨーレイトを推定し、これを定常操舵ヨーレイトγとしてもよい。
ヨーレイト補正量演算部832は、定常操舵ヨーレイトγを定常目標ヨーレイトγ*に一致させるのに必要なヨーレイト補正量Δγを、上記式(11)に基づき算出する。
ヨーモーメント演算部833の構成は、加減速DYC部81のヨーモーメント演算部813と同様である。
ヨーモーメント演算部833の構成は、加減速DYC部81のヨーモーメント演算部813と同様である。
左右モータトルク差演算部834は、アンダーステア抑制DYC用の左右モータトルク差(アンダーステア抑制DYCトルク差)ΔT3を、加減速DYCトルク差ΔT1と同様にして演算する。
左右モータトルク差演算部834は、さらに基本モータトルクT0に応じてアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3の上限値ΔT3maxを設定する。加減速DYCトルク差ΔT1と同様にして演算したアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3が上限値ΔT3max以上となるときには、上限値ΔT3maxをアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3として出力する。基本モータトルクT0は、アクセルペダル開度APOとブレーキペダルストロークBSTに応じて設定されている。つまり、基本モータトルクT0は、運転者の要求駆動力を示していることとなる。
具体的には、図8に示すようなマップにおいて、基本モータトルクT0に基づき上限値ΔT3を設定する。このマップは、大略、基本モータトルクT0が大きいときには基本モータトルクT0が小さいときよりも上限値ΔT3が小さくなるように設けられている。具体的には、基本モータトルクT0が例えばゼロからT01以下のとき、上限値ΔT3maxは最大の一定値である。基本モータトルクT0がT01からT02までの範囲では、基本モータトルクT0が大きくなるにつれて上限値ΔT3maxは徐々に(所定の勾配で)小さくなる。基本モータトルクT0がT02以上のときには、上限値ΔT3maxは最小の一定値である。アンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3の制限は、マップによらずレートリミッタやローパスフィルタを用いて実現するようにしても良い。
基本モータトルクT0が大きくなり上限値ΔT3maxが小さくなると、当初のアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3が上限値ΔT3max未満であったものが上限値ΔT3max以上となることがある。最終的には、アンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3を上限値ΔT3maxに制限するが、そのときのアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3の変化速度を車体速度Vまたは横加速度ayに基づいて設定する。具体的には、車体速度Vが高いほどアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3の変化速度が小さくなるようにする。また横加速度ayが大きいほどアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3の変化速度が小さくなるようにする。
(外乱抑制DYC部)
外乱抑制DYC部84は、例えば横風等の外乱に対しても車両挙動を安定化させるために、上記駆動力差を制御する。図9は、外乱抑制DYC部84の制御構成を表す制御ブロック図である。
外乱抑制DYC部84は、例えば横風等の外乱に対しても車両挙動を安定化させるために、上記駆動力差を制御する。図9は、外乱抑制DYC部84の制御構成を表す制御ブロック図である。
外乱抑制DYC部84の目標ヨーレイト演算部840は、外乱が無いと仮定した場合のヨーレイト(車両挙動)を、上記式(9),(12)を用いて、操舵角δf、車体速度V、コーナリングパワーKf*,Kr*に基づき推定する。この推定したヨーレイト(推定ヨーレイト)を目標ヨーレイトγ*とする。上記式(12)におけるヨーモーメントMZとしては、ワンステップ(1制御周期)前における左右モータトルク差ΔT(=ΔTn-1)をヨーモーメントMZに換算したものを用いる。外乱抑制DYC部84は、実ヨーレイト推定部を備える代わりに、CAN6を介して受信したヨーレイトセンサ55の検出値を実ヨーレイトγとして用いる。
ヨーレイト補正量演算部842は、実ヨーレイトγを推定ヨーレイトγ*に一致させるのに必要なヨーレイト補正量Δγを、上記式(11)に基づき算出する。
ヨーモーメント演算部843の構成は、加減速DYC部81のヨーモーメント演算部813と同様である。
左右モータトルク差演算部844は、外乱抑制DYC用の左右モータトルク差(外乱抑制DYCトルク差)ΔT4を、加減速DYCトルク差ΔT1と同様にして演算する。
ヨーモーメント演算部843の構成は、加減速DYC部81のヨーモーメント演算部813と同様である。
左右モータトルク差演算部844は、外乱抑制DYC用の左右モータトルク差(外乱抑制DYCトルク差)ΔT4を、加減速DYCトルク差ΔT1と同様にして演算する。
(左右モータトルク差調整部)
左右モータトルク差調整部85は、各DYC(ΔT1〜ΔT4)の優先度を、基本的に以下のように設定する(優先度が高い順)。「外乱抑制DYC(中・高車速)>加減速DYC>アンダーステア抑制DYC>操舵応答DYC>外乱抑制DYC(低車速)」。具体的には、各DYCそれぞれに異なるゲインを設定する。左右モータトルク差調整部85は、横加速度ayの大きさに基づき各DYCのゲインを調整する。横加速度ayが大きいときは、横加速度ayが小さいときよりも、外乱抑制DYC及び操舵応答DYCのゲインを小さくする。横加速度ayが例えば0.6G以上の領域では、アンダーステア抑制DYCのゲインを0付近まで落とす。また、加減速DYCのゲインを小さくする(0付近までは落とさない)。
左右モータトルク差調整部85は、各DYC(ΔT1〜ΔT4)の優先度を、基本的に以下のように設定する(優先度が高い順)。「外乱抑制DYC(中・高車速)>加減速DYC>アンダーステア抑制DYC>操舵応答DYC>外乱抑制DYC(低車速)」。具体的には、各DYCそれぞれに異なるゲインを設定する。左右モータトルク差調整部85は、横加速度ayの大きさに基づき各DYCのゲインを調整する。横加速度ayが大きいときは、横加速度ayが小さいときよりも、外乱抑制DYC及び操舵応答DYCのゲインを小さくする。横加速度ayが例えば0.6G以上の領域では、アンダーステア抑制DYCのゲインを0付近まで落とす。また、加減速DYCのゲインを小さくする(0付近までは落とさない)。
[作用]
実施例1の駆動力制御装置1は、横加速度推定部80において車両の重心位置に発生する横加速度ayを推定するようにした。そして、アンダーステア抑制DYC部83の目標ヨーレイト演算部830において操舵角δfと車体速度Vに基づいて目標ヨーレイトγ*を演算するようにした。また実ヨーレイト推定部831において横加速度ayと車体速度Vとに基づいて実ヨーレイトγを演算するようにした。そして、ヨーレイト補正量演算部832において目標ヨーレイトγ*と実ヨーレイトγとの差をヨーレイト補正量Δγとして演算するようにした。左右モータトルク差演算部814においてヨーレイト補正量Δγに基づいてアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3を演算するようにした。
実施例1の駆動力制御装置1は、横加速度推定部80において車両の重心位置に発生する横加速度ayを推定するようにした。そして、アンダーステア抑制DYC部83の目標ヨーレイト演算部830において操舵角δfと車体速度Vに基づいて目標ヨーレイトγ*を演算するようにした。また実ヨーレイト推定部831において横加速度ayと車体速度Vとに基づいて実ヨーレイトγを演算するようにした。そして、ヨーレイト補正量演算部832において目標ヨーレイトγ*と実ヨーレイトγとの差をヨーレイト補正量Δγとして演算するようにした。左右モータトルク差演算部814においてヨーレイト補正量Δγに基づいてアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3を演算するようにした。
図10は横加速度ayと旋回半径比R/R0の関係を示すグラフである。図10ではタイヤの滑り角がゼロのときに旋回半径R0=28.4mとなるような操舵角δfに設定している。図10の実線は実施例1の駆動力制御装置1により左右モータトルク差を発生させているときのグラフ、点線は左右モータトルク差を発生させていないとき(操舵のみによる旋回時)のグラフである。
左右モータトルク差を発生させていないときには、横加速度ayがay1までは横加速度ayに対する旋回半径比R/R0の変化は線形であるが、ay1を越えると非線形となる。また急激にアンダーステア特性が強くなっている。つまり車両の旋回性能が悪化し、運転操作が困難となる。一方、左右モータトルク差を発生させたときには、横加速度ayがay1を越えay2までは横加速度ayに対する旋回半径比R/R0の変化は線形となる。また左右モータトルク差を発生させていないときに比べてアンダーステア特性を抑制することができる。そのため、横加速度ayが高い状況下にあっても運転操作を容易にすることができる。
横加速度ayが高いときには、左右後輪4RL,4RRのトルク差に対して発生するヨーモーメントが大きくなる。同じく、車体速度Vが高いときには、左右後輪4RL,4RRのトルク差に対して発生するヨーモーメントが大きくなる。そのため、ヨーモーメント演算部833において、横加速度ayが高いほどヨーモーメントMZが小さくなるように、また車体速度Vが高いほどヨーモーメントMZが小さくなるように演算するようにした。これにより、横加速度ayや車体速度Vの高低に関わらず、ヨーレイト補正量Δγを発生させるようにすることができる。
左右後輪4RL,4RRのトルク差によりトルク差を発生させようとすると、駆動力が車両の旋回運動に使われることとなるため、車両が前進する方向に作用する駆動力が小さくなる。そこで実施例1では、左右モータトルク差演算部834において、基本モータトルクT0(運転者の要求駆動力)が高いときには、アンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3が小さくするようにした。これにより、運転者の意図に沿った車両挙動とすることができる。
左右モータトルク差演算部834においてアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3が小さくする際に、車体速度Vが高いほどアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3の変化速度が小さくなるようにした。これにより、運転者の要求駆動力が小さい状況において、素早く運転者の意図に沿った車両挙動を実現することができる。
また横加速度ayが大きいほどアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3の変化速度が小さくなるようにした。横加速度ayが大きいときにはアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3は大きく演算される。アンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3の変化速度を遅くすることにより、運転者へ与える違和感を抑制することができる。これにより、全体としてのモータトルクを変えることなく、ヨーモーメントMZを付与できる。
またヨーモーメント演算部833において、マップを用いてヨーモーメントMZを演算するようにした。これにより、演算負荷を抑制することができる。
〔効果〕
(1) 左右後輪4RL,4RRの駆動力を互いに独立して出力可能な左右電動モータ3L,3R(駆動力出力手段)と、車両旋回時に、操舵角δfに基づいて目標ヨーレイトγ*を演算する目標ヨーレイト演算部830と、横加速度ayと車体速度V(車速)に基づいて発生している実ヨーレイトγを推定する実ヨーレイト推定部831と、目標ヨーレイトγ*と実ヨーレイトγに基づきヨーレイト補正量Δγを演算するヨーレイト補正量演算部832(補正量演算手段)と、ヨーレイト補正量Δγに基づき左右電動モータ3L,3Rにより車両に発生させるヨーモーメントMZ(補助ヨーモーメント)を演算するヨーモーメント演算部833(補助ヨーモーメント演算手段)と、車両にヨーモーメントMZを発生させるように左右後輪4RL,4RRのアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3(駆動力差)を演算する左右モータトルク差演算部834(駆動力差演算手段)と、演算したアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3に基づいて左右電動モータ3L,3Rを制御する左右モータ制御部10L,10R(制御手段)と、を設けた。
よって、横加速度ayに対する旋回半径比R/R0の特性が線形となる範囲を高横加速度に広げることができ、横加速度ayが高い状況下にあっても運転操作を容易にすることができる。
(1) 左右後輪4RL,4RRの駆動力を互いに独立して出力可能な左右電動モータ3L,3R(駆動力出力手段)と、車両旋回時に、操舵角δfに基づいて目標ヨーレイトγ*を演算する目標ヨーレイト演算部830と、横加速度ayと車体速度V(車速)に基づいて発生している実ヨーレイトγを推定する実ヨーレイト推定部831と、目標ヨーレイトγ*と実ヨーレイトγに基づきヨーレイト補正量Δγを演算するヨーレイト補正量演算部832(補正量演算手段)と、ヨーレイト補正量Δγに基づき左右電動モータ3L,3Rにより車両に発生させるヨーモーメントMZ(補助ヨーモーメント)を演算するヨーモーメント演算部833(補助ヨーモーメント演算手段)と、車両にヨーモーメントMZを発生させるように左右後輪4RL,4RRのアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3(駆動力差)を演算する左右モータトルク差演算部834(駆動力差演算手段)と、演算したアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3に基づいて左右電動モータ3L,3Rを制御する左右モータ制御部10L,10R(制御手段)と、を設けた。
よって、横加速度ayに対する旋回半径比R/R0の特性が線形となる範囲を高横加速度に広げることができ、横加速度ayが高い状況下にあっても運転操作を容易にすることができる。
(2) ヨーレイト補正量演算部832は、目標ヨーレイトγ*と実ヨーレイトγの差をヨーレイト補正量Δγとするようにした。
よって、横加速度ayの変化に対応した車両のヨーレイト変化を相殺することができるヨーレイト補正量Δγを求めることができる。
よって、横加速度ayの変化に対応した車両のヨーレイト変化を相殺することができるヨーレイト補正量Δγを求めることができる。
(3) ヨーモーメント演算部833は、横加速度ayが高いほどヨーモーメントMZが小さくなるように演算するようにした。
よって、横加速度ayの高低に関わらず、ヨーレイト補正量Δγを発生させるようにすることができる。
よって、横加速度ayの高低に関わらず、ヨーレイト補正量Δγを発生させるようにすることができる。
(4) ヨーモーメント演算部833は、車体速度Vが高いほどヨーモーメントMZが小さくなるように演算するようにした。
よって、車体速度Vの高低に関わらず、ヨーレイト補正量Δγを発生させるようにすることができる。
よって、車体速度Vの高低に関わらず、ヨーレイト補正量Δγを発生させるようにすることができる。
(5) 基本モータトルクT0(運転者の要求駆動力)を演算する加減速制御部7(要求駆動力演算手段)を備え、左右モータトルク差演算部834は、基本モータトルクT0が所定値T01より高いときにはアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3を、基本モータトルクT0が所定値T01以下のときよりも小さくなるように演算するようにした。
よって、運転者の意図に沿った車両挙動とすることができる。
よって、運転者の意図に沿った車両挙動とすることができる。
(6) 左右モータトルク差演算部834は、車体速度Vが高いほどアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3を小さくする速度を速くするようにした。
よって、運転者の要求駆動力が小さい状況において、素早く運転者の意図に沿った車両挙動を実現することができる。
よって、運転者の要求駆動力が小さい状況において、素早く運転者の意図に沿った車両挙動を実現することができる。
(7) 左右モータトルク差演算部834は、横加速度ayが高いほどアンダーステア抑制DYCトルク差ΔT3を小さくする速度を遅くするようにした。
よって、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
よって、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
(8) 左右モータ制御部10L,10Rは、左右後輪4RL,4RRのうち一方が出力する駆動力が左右モータトルク差ΔTの半分の駆動力分増すように制御し、他方が出力する駆動力が左右モータトルク差ΔTの半分の駆動力分減じるように制御するようにした。
よって、全体としてのモータトルクを変えることなく、ヨーモーメントMZを付与できる。
よって、全体としてのモータトルクを変えることなく、ヨーモーメントMZを付与できる。
(9) ヨーモーメント演算部833は、マップを用いてヨーモーメントMZを演算するようにした。
よって、演算不可を抑制することができる。
よって、演算不可を抑制することができる。
〔他の実施例〕
以上、本発明を実施するための形態を、図面に基づく実施例により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、電動モータの配置はインホイールモータ方式でなくてもよい。また、左右輪を駆動する動力源は、単一の電動モータやエンジン(内燃機関)であってもよい。この場合、動力源からのトルクの左右輪に対する配分を調整する機構を備えることで、左右輪の駆動力を互いに独立に制御可能である。また、後輪ではなく前輪の駆動力を互いに独立して制御可能な前輪駆動方式や、4輪の駆動力を互いに独立して制御可能な4輪駆動方式の車両に実施例の駆動力制御装置を適用してもよい。
以上、本発明を実施するための形態を、図面に基づく実施例により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、電動モータの配置はインホイールモータ方式でなくてもよい。また、左右輪を駆動する動力源は、単一の電動モータやエンジン(内燃機関)であってもよい。この場合、動力源からのトルクの左右輪に対する配分を調整する機構を備えることで、左右輪の駆動力を互いに独立に制御可能である。また、後輪ではなく前輪の駆動力を互いに独立して制御可能な前輪駆動方式や、4輪の駆動力を互いに独立して制御可能な4輪駆動方式の車両に実施例の駆動力制御装置を適用してもよい。
3L 左電動モータ(駆動力出力手段)
3R 右電動モータ(駆動力出力手段)
4RL 左後輪
4RR 右後輪
7 加減速制御部(要求駆動力演算手段)
10L 左モータ制御部(制御手段)
10R 右モータ制御部(制御手段)
83 目標ヨーレイト演算部
831 実ヨーレイト推定部
832 ヨーレイト補正量演算部(補正量演算手段)
833 ヨーモーメント演算部(補助ヨーモーメント演算手段)
834 左右モータトルク差演算部(駆動力差演算手段)
3R 右電動モータ(駆動力出力手段)
4RL 左後輪
4RR 右後輪
7 加減速制御部(要求駆動力演算手段)
10L 左モータ制御部(制御手段)
10R 右モータ制御部(制御手段)
83 目標ヨーレイト演算部
831 実ヨーレイト推定部
832 ヨーレイト補正量演算部(補正量演算手段)
833 ヨーモーメント演算部(補助ヨーモーメント演算手段)
834 左右モータトルク差演算部(駆動力差演算手段)
Claims (9)
- 前後輪のうち少なくとも一方の左右輪の駆動力を互いに独立して出力可能な駆動力出力手段と、
車両旋回時に、操舵角に基づいて目標ヨーレイトを演算する目標ヨーレイト演算手段と、
横加速度と車速に基づいて発生している実ヨーレイトを推定する実ヨーレイト推定手段と、
前記目標ヨーレイトと前記実ヨーレイトに基づきヨーレイト補正量を演算する補正量演算手段と、
前記ヨーレイト補正量に基づき前記駆動力出力手段により車両に発生させる補助ヨーモーメントを演算する補助ヨーモーメント演算手段と、
前記車両に前記補助ヨーモーメントを発生させるように左右輪の駆動力差を演算する駆動力差演算手段と、
演算した前記駆動力差に基づいて前記駆動力出力手段を制御する制御手段と、
を設けたことを特徴とする車両駆動力制御装置。 - 請求項1に記載の車両駆動力制御装置において、
前記補正量演算手段は、前記目標ヨーレイトと前記実ヨーレイトの差を前記ヨーレイト補正量とすることを特徴とする車両駆動力制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両駆動力制御装置において、
前記補助ヨーモーメント演算手段は、前記横加速度が高いほど前記補助ヨーモーメントが小さくなるように演算することを特徴とする車両駆動力制御装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置において、
前記補助ヨーモーメント演算手段は、前記車速が高いほど前記補助ヨーモーメントが小さくなるように演算することを特徴とする車両駆動力制御装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置において、
運転者の要求駆動力を演算する要求駆動力演算手段を備え、
前記駆動力差演算手段は、前記要求駆動力が所定値より高いときには前記駆動力差を、前記要求駆動力が所定値以下のときよりも小さくなるように演算することを特徴とする車両駆動力制御装置。 - 請求項5に記載の車両駆動力制御装置において、
前記駆動力差演算手段は、前記車速が高いほど前記駆動力差を小さくする速度を速くすることを特徴とする車両駆動力制御装置。 - 請求項5または請求項6に記載の車両駆動力制御装置において、
前記駆動力差演算手段は、前記横加速度が高いほど前記駆動力差を小さくする速度を遅くすることを特徴とする車両駆動力制御装置。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置において、
前記制御手段は、前記左右輪のうち一方が出力する駆動力が前記駆動力差の半分の駆動力分増すように制御し、他方が出力する駆動力が前記駆動力差の半分の駆動力分減じるように制御することを特徴とする車両駆動力制御装置。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置において、
前記補助ヨーモーメント演算手段は、マップを用いて前記補助ヨーモーメントを演算することを特徴とする車両駆動力制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014245729A JP2016111779A (ja) | 2014-12-04 | 2014-12-04 | 車両駆動力制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014245729A JP2016111779A (ja) | 2014-12-04 | 2014-12-04 | 車両駆動力制御装置 |
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JP2014245729A Pending JP2016111779A (ja) | 2014-12-04 | 2014-12-04 | 車両駆動力制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108430847A (zh) * | 2016-09-07 | 2018-08-21 | Ntn株式会社 | 车辆的转弯控制装置 |
JP2019202571A (ja) * | 2018-05-21 | 2019-11-28 | Ntn株式会社 | 車両システムおよびそれを備えた車両 |
-
2014
- 2014-12-04 JP JP2014245729A patent/JP2016111779A/ja active Pending
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CN108430847A (zh) * | 2016-09-07 | 2018-08-21 | Ntn株式会社 | 车辆的转弯控制装置 |
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US10940853B2 (en) | 2016-09-07 | 2021-03-09 | Ntn Corporation | Vehicular turning control system |
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