JP2014209831A - 高効率出力安定化発電装置及び流水式小水力発電システム - Google Patents

高効率出力安定化発電装置及び流水式小水力発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】永久磁石式の発電装置において、ダミー抵抗方式やリアクタンス降下方式及び巻き線切替方式を用いることなくすべての運転状態に対して電力の高効率利用及び定電圧化を達成する。
【解決手段】発電装置10は、複数の永久磁石式発電機20−1、20−2、制御回路30、加算結線部38とから構成されていて、出力電圧を負荷12に印加するものであり、永久磁石式発電機20−1、20−2は、相互に並列な3相交流発電機であって、U相、V相、W相のそれぞれの出力巻き線U1、V1、W1とU2、V2、W2は、定格電圧に対して出力電圧が1/2となるように巻き数が1/2とされて、2基の発電機の出力巻き線における出力は、制御回路30において、発電機毎に独立して、且つ、U相、V相、W相毎に整流され、更に、出力を安定化され、その出力が加算結線部38より直列に加算されて、負荷12に印加される。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石を用いた高効率出力安定化発電装置及び流水式小水力発電システムに関する。
永久磁石式発電機は、ロータに永久磁石を用いるので、効率よく発電電力を得ることができ、風力発電機、マイクロ水力発電機や車載用発電機として利用されている。
永久磁石方式の発電機では、発電機の回転数と発電電圧は比例関係にあるが、上記のような発電機では、通常、低速回転において定格電力を得るように設計されていて、風力が強いとき、水流量が多いとき、あるいは、車両が高速運転をしたとき及び無負荷運転のときなどの高速回転時において発電電圧が制御器の最大入力電圧(耐電圧)を超えてしまう問題点があった。
図11に、永久磁石式発電機の出力垂下特性及び水力・風力の負荷変動特性を示す。図11において、A点は無負荷運転、B点は定格負荷(5.5A)垂下点、C点は電流が流れたことによる発電機トルクの増加により水車あるいは風車の回転が低下し、更に、電圧が低下する点を示している。
このC点において電圧は100VAC(相電圧)である。ここから、無負荷運転になった場合は、急激に回転・電圧が上昇し約300VAC(相電圧)に達する。このときの、整流出力電圧は約720VDCの高電圧となってしまう。それ故に 従来は例えば、予め決めたアイドル電流を流して、無負荷になっても大きな電圧変化が起きないようにしていた。即ち、常に大きな電力損失を伴っているということになる。
また、発電機の回転変動に伴う電圧変動を一定の電圧にそろえるためには、高速回転時では発電電圧を下げて、低速時には発電電圧を上げなければならず、これを昇降圧コンバータで電圧調整させると、昇圧回路および降圧回路を用いなければならず、装置が複雑且つ高価になるという問題点がある。
上記に対して、例えば特許文献1において、3相交流発電機における出力巻き線と出力側ソレノイドコイル、出力端子、制御ソレノイドコイルの先端を3相整流器に接続し、3相整流器の直流端子にパワートランジスタ等の電圧制御スイッチを接続し、負荷用3相整流部の電圧を検出して、電圧が一定になるように電圧制御スイッチのオン時間を制御することによって、装置の簡素化を実現し、且つ、パワートランジスタの容量を小さくした、永久磁石式発電機の電圧一定化制御装置が提案されている。
図12に示されるように、特許文献1記載の永久磁石式発電機1は、無負荷時の出力電圧を制御するために、発電機コイル2に対して直列にコイルL1、L2を配置して強制的にi1を発電機に流し、発電機の出力電圧垂下特性及びL1の電圧降下を利用して交流定電圧手法を採用しているが、無負荷時及び高回転高出力時に、コイルL1、L2による逆起電力の蓄積エネルギーを消費させるために大きな熱損失が発生してしまうという問題点がある。更に、この特許文献1では、また、高回転になったときに出力巻き線を1/2又はそれ以下に減じる巻き線切替方法を提案しているが、巻き線切換のため発電機の構造が複雑になり又、巻き線切替の電子回路が必要となり、更に制御アルゴリズムも複雑化して、製造コストの増大に繋がるという問題点があった。
又、従来、永久磁石方式において、低速高電圧を得る方法としては、84スロット、56ポールのアウターロータ方式等が提案されているが、回転トルクが大きいという問題点があった(特許文献2)。同様に多極方式ではコアレスも提案されているが、発電効率に問題があった。
例えば、流水式水力発電装置は、受電側の状態にかかわらず、水車は回り続けているので、制御回路起動前でも、無負荷状態で最大回転、最大電圧で動作している。この状態では、入力電圧が制御回路や系統連系装置の耐電圧を超えていて、そのまま発電出力を接続すると、これらは壊れてしまうこととなる。
そのため、従来は、起動前にはダミー抵抗に大電流を流して、水車の回転及び発電電圧降下を発生させて、後に系統連系装置を立ち上げるという手法をとっていた。
この方法では、立上げ、再立上げの手順が難しいという欠点があり、又、ダミー抵抗は発熱を伴い大電力を消費して総合発電効率を低下させていた。
また、小水力発電装置の場合、農業用水路等に設置して、電力系統に接続でき、所定の電力を得るために最小で1000rpm以上の発電機の回転数が必要であった。このためには、流水落差が1m以上、流量1m3以上が必要であり、設置可能水路が限定されていた。
更に、冷凍車などの、エンジンによる常時駆動の発電機を搭載した場合において、制御回路の耐圧を超える高電圧を、分流回路を用いて電圧降下させるものがあるが、無負荷時及び高速回転時において、分流回路の発熱量が大きくなって非実用的である。
例えば、常時駆動の発電機はエンジン回転速度が600rpm程度で増速比2.5倍とし、発電機回転数1500rpmの時に約300VDCの整流出力を得るようにしているが、高速回転時(例えば4000rpm×2.5)では、発電電圧が300V×10000/1500≒2000VDCとなり、制御回路を構成する半導体の耐電圧1200Vを超えてしまう。
また、2台の発電機を左右一対の車輪に連動して各々駆動する場合、左右の車輪の回転速度が異なる状況では発電電圧が異なり、単純に加算して高圧バッテリーに充電できないという問題点がある。
特許文献3記載の発明は電力変換装置に係るものであり、その構成は、特に、図7記載の回路構成図から、交流電源10に並列に接続された直流電源21、22と、直流電源21に接続された電力変換器4及び直流電源22に接続された電力変換器3とからなり、2つの電力変換器4、3の出力を直列にして負荷5に供給するものであり、単純な電源装置の直列加算器である。
ここで、直流電源21は、交流電源10に接続される変圧器21a及びこの変圧器21aの変圧後の電流が入力されるAC−DC変換器21bからなり、直流電源22も、同様に、変圧器22aとAC−DC変換器22bとから構成されている。
又、特許文献3の図7記載の回路構成では、変圧器21a、22aが交流電源10とAC−DC変換器21b、22b間に介在されていて、交流電源10からの電力は変圧器21a、22aで絶縁され、交流電源10とAC−DC変換器21b、22bとが直結されていないので、装置の重量が増大されるのみならず、変圧器21a、22aにおけるロスが発生して、総合効率が低下してしまうという問題点がある。
特許文献4の図4に示される回路構成において、制御回路であるスイッチング整流回路は一体構成であって、図4において符号406で示される並列のコイルW2、W3の出力電圧が加算された状態でスイッチング整流回路に流れる構成となっている。即ち、制御回路に対しては、既に入力段階で発電電圧が加算された構成となっていて、後段の制御回路を構成する半導体、例えば図7のS704,S732,S706,S734には、発電機からの2つの出力電圧が加算されて印加されることになる。
また、図2の交流発電機205の動力源210は、内燃機関やタービンであって、また主に可搬型発電機であって、その回転速度は制御器204によって適切に制御されている構成となっている。
しかし、風車、水車、自動車の回転軸のいずれかからなる回転駆動源の場合は、回転速度に応じて出力電圧が大きく変動し、永久磁石式発電機を用いていると、高速回転時の出力電圧が図7の半導体にかかったときに、これら半導体は過大な電圧によって耐圧破壊される恐れがある。
上記のような制御回路の半導体の耐圧破壊を回避するには、発電機出力に分流回路を設けて高電圧の時に分流回路に電流を流し電圧を下げる方法があるが当然大きな発熱を伴う。又、非常にコストがかかるが半導体の耐圧を高くする方法が採られているが限界がある。
特許文献5の図1に示される回路構成では、複数組(2組)の出力巻き線は、各々整流器を介して1つのインバータ回路7に直列又は並列に接続されるが、2組の巻き線の出力を個別に整流後直列又は並列に接続し、1つのインバータ回路に接続される構成である。
従って、直列に接続した場合、1つのインバータ回路の半導体に2組の巻き線の出力電圧が直列に加算されてかかることになり、発電機出力が大きく変動した場合、制御回路の半導体が耐圧破壊される恐れが生じる。又、並列接続1つのインバータの場合は2つの巻き線の発電出力には電圧差があり、つまりアンバランスを生じ、どちらか電圧の高いほうに負担がかかるという問題点もある。
特許第4913234号公報 特開2012−44817号公報 特開2007−280187号公報 特開2000−308396号公報 特開平10−84700号公報
本発明は、上記のような無負荷時及び高回転高出力時の大きな発電電圧が、ダミー抵抗方式やリアクタンス降下方式及び巻き線切替方式を用いてエネルギーを捨てたりすることなく、制御回路の耐電圧を超えないようにして、定格負荷時、無負荷時、低速回転時、高速回転時のすべての状態に対して電力の高効率利用及び定電圧化を達成することを課題とする。
また、農業用水路で流水落差の小さい場合でも発電可能な複数の発電機を含む高効率小水力発電システム及び、自動車の前又は後の左右の車輪あるいは4つの車輪とともに回転する回転体を駆動源とした発電機の場合、複数の、あるいは2基又は4基の発電機の発電出力を単純に加算してバッテリーに充電できるようにすることを課題とする。
即ち、以下の実施例により上記課題を解決することができる。
(1)風車、水車、自動車の回転体のいずれかからなる回転駆動源により駆動され、nが2以上の整数のとき、回転速度に応じて出力電圧が変化するn基の永久磁石式発電機を含む発電装置であって、前記n基の永久磁石式発電機の各々に1個ずつ設けられ、定格出力電圧に対してその1/nの出力電圧が得られるn個の1/n出力巻き線と、前記n個の1/n出力巻き線の各々に、1個ずつ直接接続されたn個の同一構成の整流器、及び、前記n個の整流器の各々に、1個ずつ接続され、その出力電圧を安定化するn個の同一構成の降圧型DC/DCコンバータを含む制御回路と、前記n個の降圧型DC/DCコンバータの出力端子を直列に結線することにより、各々の直流出力をそのまま直列加算して、要求電圧とする加算結線部と、を有してなる高効率出力安定化発電装置。
(2)(1)の永久磁石式発電機が、その回転駆動源が1基の双頭式水力発電装置における2本の垂直軸水車とされ、この2本の垂直軸水車に1基ずつ取付けられた2基の永久磁石式発電機であり、且つ、nを2の倍数とし、定格出力電圧を1基の永久磁石式発電機で得る場合の増速機の増速比をmとしたとき、前記双頭式水力発電装置n/2基を、垂直軸水車により、増速比m=m/n2において駆動されるようにして、流水落差が0.5m以上1.0m未満の流水落差が得られる間隔で連続的に設置してなる流水式小水力発電システム。
ここで上記回転駆動源である回転体は、風車又は水車の出力軸、自動車のエンジン出力軸、及び車軸のみならず、例えば、ドラム型の発電機の場合は、固定軸を中心として回転するドラムを含むものとする。
この発明では、巻き線の巻き数を1/nとしたn基の発電機の出力巻き線の出力電圧を、各々整流し、且つ、各々降圧型DC/DCコンバータにより出力安定化後の電圧(例えば280/nVDC)を直列加算して、280VDCとしたことにより、発電機最高回転時において、整流用ダイオード、降圧型DC/DCコンバータ用高速スイッチング素子(Sic)等々における最大入力電圧(耐電圧)範囲を超えない範囲の、例えば1200VDC以下の電圧に抑え、更に、巻き線を1/nとしたことにより、巻き線インダクタンスを半減させて発電機内部の垂下電圧を減少させて効率を更に改善し、更に発電電圧が従来比1/nであることから巻き線切替を行なう必要がなく、且つ、発電機出力に負荷と並列にダミー抵抗及び外付けリアクタンスを挿入する必要がなく、低速回転域から高速回転域まで低損失にて発電電圧を効率良く安定化し利用することができる。
又、前記nを、前記最高回転数のときの前記制御回路への全入力電圧Emaxに対して、前記制御回路の耐電圧である最大入力電圧をEwとしたとき、Emax/n≦Ewとなる整数のうちの最小値として、制御回路への入力電圧が、制御回路の耐電圧を超えないようにしているので、高コストの素子を用いた制御回路を用いることなく、発電効率を改善することができる。
又、前記nを、前記最高回転数のときの前記制御回路への全入力電圧Emaxに対して、前記制御回路の許容入力電圧をEcとしたとき、Emax/n≦Ecとなる整数のうちの最小値として、制御回路の許容入力電圧を超えないようにしているので、高コストの素子を用いた制御回路を用いることなく、発電効率を改善することができる。
ここで、許容入力電圧とは、制御回路による制御可能な電圧であり、最大入力電圧(耐電圧)よりも低く、制御回路の素子を破壊することはないが、発電電圧が許容入力電圧を頻繁に超えると発熱により素子が劣化し易いし、発熱分だけエネルギーの損失が生じる。
本発明はダミー抵抗方式やリアクタンス降下方式を採用することなく、更に、無負荷時、高速回転時の最高発電電圧を従来の1/nとし、巻き線切換を必要とすることなく、n基の永久磁石式発電機からの制御回路への全入力電圧を無駄なく降圧することができ、且つ、広範囲な入力電圧を大きな損失なしで高効率に安定化することができるという効果を有する。
本発明の実施例1に係る高効率出力安定化発電装置における永久磁石式発電機の出力巻き線を含む回路を示す回路図 実施例1における永久磁石式発電機の出力巻き線を模式的に示す断面図 実施例1における降圧型DC/DCコンバータの詳細を示す回路図 実施例1の高効率出力安定化発電装置の出力を商用電源に系統連系する場合を示す回路図 実施例1の発電装置での回転数、発電電圧、及び熱損失との関係を示す線図 従来のリアクタンス降下方式の発電装置における同様の熱損失を示す線図 本発明を高効率小水力発電装置に適用して、5倍増速機を用いた場合の水車回転トルクと、20倍増速機を用いた場合の発電装置の水車回転トルクとを比較して示す線図 高効率出力安定化発電装置である流水式小水力発電装置を、複数、小水路に設置して構成した流水式小水力発電システムの実施例を模式的に示す斜視図 本実施例に係る流水式小水力発電装置を双頭式マイクロ水力発電装置とした場合を模式的に示す斜視図 本発明の永久磁石式発電機を4基にした場合の実施例を示す回路図 永久磁石式発電機の出力垂下特性、及び、水力・風力の負荷変動特性を示す線図 リアクタンス降下法により出力電圧を抑制した従来の発電装置を示す回路図
以下図1〜図3に示される本発明の実施例1に係る高効率出力安定化発電装置(以下、発電装置)について詳細に説明する。
実施例1に係る発電装置10は、2基の同一構成の永久磁石式発電機20−1、20−2と、制御回路30と、加算結線部38とを備えて構成されていて、出力電圧を負荷12に印加するものである。
永久磁石式発電機20−1、20−2は、3相交流発電機であって、水車・風車あるいは、自動車の前又は後の左右の車輪軸等の2本の出力軸である回転駆動源72A、72Bに並列に連結され、回転駆動源72A、72Bにより、それぞれ増速機73A、73Bを介して、ほぼ同期して回転駆動され、それぞれがU相、V相、W相の3相交流電力を発電するようにされている。
前記2基の永久磁石式発電機20−1、20−2におけるU相、V相、W相のそれぞれの出力巻き線24U1、24V、24W1及び24U、24V、24Wは、定格電圧を出力する場合の巻き数に対して、出力電圧が1/2となるように巻き数が1/2とされている。
また、2基の永久磁石式発電機20−1の24U1、24V、24W1、20−2の24U、24V、24Wにおける巻き線は、2基の並列な出力となるようにされている。
図2の符号26は永久磁石のロータ、28は固定子をそれぞれ示す。なお、本実施例1の発電機は、18スロット、12ポールにて形成されている。また、ロータ26は、水力発電機や、風力発電機又は自動車の車軸等の2つの回転体である回転駆動源29−1、29−2から増速機29A−1、29A−2を経て回転速度を増大され、ほぼ同期して駆動される。
これらの2系統の出力巻き線における出力電圧は、制御回路30において、系統ごとに独立して出力を安定化され、その2系統の直流出力が加算結線部38により、直列に加算されて、負荷12に印加されるようになっていて、2Y結線出力直列加算方式を構成している。
この2Y結線出力直列加算方式は、発電機の巻き線がY結線されていて、その出力が直流とされてから、降圧型DC/DCコンバータにより安定化され、直列に加算されるようにした構成を示す。
2基の永久磁石式発電機20−1、20−2の出力である2系統の3相交流出力の一方は3相整流器32−1に、また、他方は3相整流器32−2に各々直接入力され、且つ、個別に直流変換され、更に、3相整流器32−1及び32−2の直流出力は、個別に降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2において降圧されるようになっている。この実施例1では、最大1200VDCの入力を、140VDCに降圧及び安定化するようにされている。
詳細が図3に示されるように、降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2では、必要とされる電力のみ供給されるようにPWM方式スイッチング素子36−1、36−2が設けられている。図3では降圧型DC/DCコンバータ34−1のPWM方式スイッチング素子36−1のみが示されているが、降圧型DC/DCコンバータ34−2のPWM方式スイッチング素子36−2も同一の構成であるので、36−1(36−2)と示すことによって図示を省略する。
なお、3相整流器32−1及び32−2は全く同一であり、同様に、降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2も全く同一とされている。
この実施例1に係る発電装置10においては、各々巻き数が、定格出力電圧の場合の巻き数の1/2とされたY結線コイルを2系統(24U1、24V1、24W1及び24U2、24V2、24W2)を2基の永久磁石式発電機20−1、20−2に各々独立して設定して、これら2基の永久磁石式発電機20−1、20−2からの発電出力を個別に整流し、且つ、個別に降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2で安定化し、更に降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2の直流出力を加算結線部38により直列加算し、定格の出力(例えばDC280V出力)を得るようにされている。また、水力発電あるいは風力発電の場合は、図4に示されるように、直列加算された電力が系統連系装置39を経て、200Vの3相交流として、系統連系している商用電源に供給できるようにしてもよい。
この実施例1においては、3相整流器32−1、32−2及び降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2は、安定化出力を直列加算したことにより、制御回路30に対して1系統の場合の1/2の印加電圧となる。即ち、制御回路30の各々の入力回路(3相整流器32−1、32−2)は、従来の1系統の場合の1/2の印加電圧となる。
従って、2系統の各々の最大発電電圧が、制御回路30の電子部品の耐電圧を超えないようにすれば、巻き線切替による発電電圧の抑制を必要とせず、比較的低い耐電圧の電子部品を使用して回路を構成できるので、回転駆動源が高速で回転されてしまう風車や自動車への搭載が可能となる。又、複雑な巻き線切替技術を必要としないので、発電機の構造を簡素化することができ、量産が容易な低コスト発電装置を構成することができる。
なお、上記2基の永久磁石式発電機20−1、20−2のコイルは、各々の巻き数が、定格出力の場合のコイルの巻き数の1/2とされているが、巻き数は、発電機の台数が3の場合1/3、発電機の台数が4の場合1/4、・・・発電機の台数がnの場合1/nとする。なお、nは2以上の整数である(以下、同じ)。
更に具体的には、前記nとして、前記最高回転数のときの前記制御回路への全入力電圧Emaxに対して、前記制御回路の耐電圧である最大入力電圧をEwとしたとき、Emax/n≦Ewとなる最小値を選択してもよい。
例として、Emax=1854VDC、Ew=1200VDC、Emax/Ew=1.545≒2(n)となる。但し1200VDCは電子部品の耐電圧である。
また、前記nとしては、前記最高回転数のときの前記制御回路への全入力電圧Emaxに対して、前記制御回路の許容入力電圧をEcとしたとき、Emax/n≦Ecとなる最小値を選択してもよい。
エネルギー損失については、降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2では、PWM方式スイッチング素子36−1及び36−2におけるエネルギー損失が、FETのON抵抗(0.08Ω/35A)+スイッチングロス+チョークコイルLの銅損(0.04Ω)のみに限定され非常に少ない。
又、図3に示される降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2においては、チョークコイルLに蓄積されたエネルギーが負荷12に消費されるため、高いスパイク電圧の発生及び発熱が無く、広範囲な入力電圧(146V〜1200V)を定電圧出力(例えば出力電圧DC140V)にするには極めて有効であり、エネルギーの損失が少ない。
更に、チョークコイルLは、リアクタンス降下方式では交流3相チョークコイルを必要としたが、本方式では1つの直流パワーチョークコイルで構成でき軽量化、高効率化、且つ、低コスト化を図ることができる。
なお、整流器はダイオードを用いたものに限定されず、例えば高速スイッチングにより整流するものでもよい。
[実験例]
定格280VDC出力の永久磁石式発電機におけるU、V、W各相の巻き線2系統を並列加算していたものを、巻き線を1/2とした2基の永久磁石式発電機からの2系統の安定化出力140VDCを直列加算して定格出力E1を280VDCとした。結果として各発電機の巻き線は1/2で従前通りの発電が可能となった。これを、E1=140+140=280VDCと表わすことができる。
エネルギー損失の実測値を図5に示す。また、同様のE1=280VDCの出力を得るための永久磁石式発電機において、リアクタンス降下方式を採用した場合の熱損失を図6に示す。
図5と図6を比較すれば、実施例1の発電装置において、熱損失が非常に少なくなっていることが分かる。
次に、発電装置と増速機との関係について説明する。
上記のような永久磁石式発電機を用いた流水式小水力発電機、風力発電機、車両用発電機においては、水車、風車や車軸からなる回転駆動源の回転が低い場合でも希望の発電電圧が得られるようにするために増速機を利用している。しかし、増速機を利用した場合、低速回転時は希望の電圧を得ることができるが、高速回転時及び無負荷回転時には、発電電圧が制御回路の最大入力電圧(耐電圧)を超えて制御回路を壊してしまうこととなる。
これに対して、本実施例1では増速機29A−1、29A−2の増速比をm、無負荷回転時または高速回転時における最高回転数のときの制御回路への全入力電圧Emaxに対して、制御回路の許容入力電圧をEcとしたとき、シミュレーション結果は次のようになった。
<条件>
(1)流水式小水力発電機を含む流水式小水力発電装置では(1基の場合)、一般的に20倍(増速比m=20)程度の増速機を使用している(水車1回転に対して発電機20回転)。
(2)定格負荷(10KW)時の回転及び発生電圧;
1000rpm(50rpm×20)⇒320VDC
(3)無負荷時の回転及び発生電圧;
3200rpm(160rpm×20)⇒1024VDC・・・(a)
(4)系統連系装置(パワーコンディショナー)の許容入力電圧⇒600VDC ・・・(b)
<計算>
(1)無負荷過電圧対策・・・(a)及び(b)より
1024VDC/600VDC=1.7≒2となり、n=2で2セットの制御回路で分担しているので耐圧対策としてはm=20のままでよい。・・・(c)
(2)低速回転対応としては、基準巻き数を2基並列とすることと、更に各々の安定化出力電圧を直列加算(n=2)することで出力電圧は2倍となるので、各発電機出力は1/2、即ち、増速比は1/2に低減してもよい。・・・(d)
(c)、(d)より増速比は、(20倍)×1/2=10倍にすることができる。・・・(e)
増速比は、発電機トルクを考慮すると更に低減することができる。以下、これを説明する。
従来、発電機トルク×20=水車の回転トルクであるので、上記のように増速比が1/2になると、発電機トルク×10=水車の回転トルクも1/2となる。従って、水車は、回転トルクが軽減された分回転が上昇する。
水車の定格負荷回転数〜無負荷回転数=50〜160rpmであるので、図7より、定格負荷回転数〜無負荷回転数曲線のトルク1/2の回転数を求めると約100rpmとなる。・・・(f)
この回転数に増速比10を掛けると100×10=1000rpmとなるので、<条件>(2)から発電機1基あたり500rpmの回転数があれば、発電機2基(n=2)で定格負荷時の発生電圧320VDCが得られる。・・・(g)
よって、更に増速比を1/2(1/n)にすることができる。従って、増速比は1/4=1/n2とすることができる。即ち、修正増速比m=20×1/4=5倍となる。最終的な水車の回転数は、図7より140rpm程度となり、発電機の回転数は140×5=700rpmとなる。(g)からは、必要回転数が500rpmであるので700rpmは充分な回転数である。
結論として、定格出力電圧を1基の永久磁石式発電機で得る場合の増速機の増速比をmとしたとき、前記増速機の増速比をm=m/n2とすることができる。
<最小回転数、最大回転数の確認>
図7より、(1)定格負荷回転飽和点は、上記のように修正増速比が5となったので10Kg・mとなり、回転数は約140rpmとなる。従って、140rpm×5=700rpmが定格出力を得られる最小回転数となる。
(2)無負荷回転飽和点は、160rpm×5=900rpm(最大回転数)となる。
(3)最小回転数の発電電圧は320VDC×700rpm/1000rpm=224VDCとなり、この224VDCより140VDCを生成する。・・・(h)
(4)最大回転数の発電電圧は320VDC×900rpm/1000rpm=288VDCとなり、この288VDCより140VDCを生成する。・・・(i)
(5)(h)、(i)により、水車の最小回転時及び最大回転時のいずれの場合でも、2基の発電機の安定化電圧140Vを直列加算し、合計280VDCを生成して、系統連系装置に入力できる。
ここで、高効率小水力発電装置の増速機の増速比を20から5に変更することによる効率の変化について発電機1基の場合で説明する。
(1)落差による水エネルギー
:P0=流量(m3/s)×重力加速度(9.8)×落差(m)
=0.88×9.8×1=8.62KW
但し、流量0.88m3/s及び落差1mは実測値
(2)水車が回転することで発生するエネルギー
:P1=2πn/60×N・m 但しn=水車回転数(rpm)
=2×3.14×50/60×500N・m=2.617KW
増速機20倍(水車1回転⇒発電機20回転)
但し、500N・mは図7の定格負荷回転飽和点の値約50Kg・m
(3)効率計算:増速比20の場合
P1/P0×100=2.617/8.62×100=30%
(4)効率計算:増速比5の場合
水車が受ける力は変化なし:500N・m
水車の回転数は図7より:140rpm
P2=2πn/60×N・m 但しn=水車回転数(rpm)
=2×3.14×140/60×500N・m=7.326KW
P2/P0×100=6.541/8.62×100=85%
従来の発電機において、負荷電流による回転トルクが増速機により20倍にされた状態で、水車にかかり、且つ、回転を低下させていた現象は、増速比を5倍(m=5)に低下させることで、水車にかかるトルクが1/4に軽減され、上記の計算のように水車の回転数が50rpmから140rpmに改善される。
これにより発電電圧を低速回転で確保でき、更に無負荷運転・定格負荷運転時の回転数変化も軽減し、これらを利用して、流水式小水力発電装置の効率を30%から85%に改善できた。なお、5.0<m≦7.5の範囲でも、効率は85%未満50%以上とすることができた。
また、従来、1基の発電機の場合、流水落差1mで5KWの電力を得ていたものが、本発明の実施例では流水落差0.5mで同様の5KW以上の発電が可能となり、また落差の少ない、更に側壁が低い農業用水路等であっても複数の流水式小水力発電装置を設置することが可能となる。以上は1基の発電機の場合であり、これをn基の発電機で分担するとトルクは1/n2に軽減され、必要な流水落差も更に小さくなる。
例えば、図8に示される流水式小水力発電システム40のように、小水路42中に、0.3m以上、1.0未満の流水落差f、f、f、f・・fが得られる間隔で、各々が1/nの巻き線のコイルを有するn基の流水式小水力発電装置44A、44B、44C、44D・・44を連続的に設置して発電することができる。図8の符号43は小水路42に設けられた堰を示す。これは、水を塞き止めて流水落差を形成するものである。
なお、上記増速機は水力発電装置の場合のみならず、風力発電装置または車両用発電装置にも適用される。
実施例1に係る発電装置10の、n=2の場合の具体例としては、例えば図9に示されるような、特許第4817471号公報に開示される2基の垂直軸水車46−1、46−2の間に水を流して、それぞれの垂直軸水車に連結された一対の流水式小水力発電装置により発電する、いわゆる双頭式マイクロ水力発電装置47とするのが好適である。
この場合、特許第4817471号発明では、2基の発電機が独立していて、各々の出力電圧が負荷に対して並列に加えられるが、本実施例では、2基の発電機出力が直列に加算される。又、2つの発電機が完全に同期していなくても良く、2つの安定直流出力に差異があっても安定して加算できるという利点がある。図9の符号48−1、48−2は垂直軸水車46−1、46−2にそれぞれ駆動される永久磁石式発電機を示す。
また、双頭式マイクロ水力発電装置47を、図8の流水式小水力発電システム40を構成する流水式小水力発電装置44A、44B、44C、44D・・・のように並列して小水路に設置してもよい。この場合、一つの流水式小水力発電装置で2基の永久磁石式発電機を用いるので、流水落差は、少なくとも0.5m必要となる。また、永久磁石式発電機の数nは2の倍数となり、流水式小水力発電装置はn/2基となる。
これに対して、従来の並列加算をする方式では、2つの電圧がほぼ一致していないとアンバランスが発生して、どちらかの電源に電流が集中してしまうという問題点が生じる。又、車両用発電装置においては、左右の車輪軸に発電機を1基ずつ取り付けることが考えられるが、車両が直進状態でない場合は、左右の車輪軸に回転速度差が生じ、又、安定化の時間差による出力差を生ずるので、従来は2基の発電機の出力電圧を加算することができなかった。
上記の車両用発電装置の場合は、左右の車輪軸により駆動される2基の発電機の回転速度差があって、出力電圧差が生じても、出力電圧を加算することができる。従って、従来の車両用発電機では一軸のみから所定の電圧を得るために、高コストの発電装置や増速機を用いる必要があったが、実施例1の場合は、低コストの発電装置により左右の車輪軸から効率よく電力を得て、且つ、両出力電圧を加算することができるため、特に低速域において、従来の2又はn倍の電力を得ることができる。
次に、実施例1の発電装置を、車両用とした場合のシミュレーション結果について説明する。この場合、2基の永久磁石式発電機は、例えば前又は後の左右の車輪とともに回転する2つの回転体に別個に取り付けられる。
自動車ディーゼルエンジンの回転速度は、低速度では600rpm、高速度では3500rpmとなり、車両変速機による変速比を1.0と仮定すると、車軸の回転速度も同様となる。これを増速比2.5倍の増速機によって増速すると発電機の入力軸の回転速度は1500rpm〜8750rpmとなる。
この回転速度に基づいて、図5から実施例1の2Y結線出力直列加算方式及び図6からリアクタンス降下方式の発電電圧は、次のようになる。
図5からの本実施例の方式では、1基の発電機において、無負荷相電圧最大は400VAC、線間電圧が400×√3=692VAC、整流出力は692×√2=969VDCとなるのに対して、図6のリアクタンス降下方式では、無負荷相電圧最大が700VAC、線間電圧が700×√3=1211VAC、整流出力が1211×√2=1707VDCとなる。
従って、実施例1の2Y結線出力直列加算方式であれば、各発電機において全回転領域(1500〜8750rpm)を巻き線の切替無しで制御可能であるのに対して、リアクタンス降下方式では線間電圧が1707VDCとなってしまうので、必然的に巻き線切替を用いないと制御することができないことが分かる。
次に、この車両用発電装置についての、2Y結線出力直列加算方式とリアクタンス降下方式の相異によるエネルギー損失比較を、発電機回転速度4000rpmとしてシミュレーションしてみた。
図5から、4000rpmでは、制御部損失が50W(直流回路)となり、これに対して、図6において4000rpmのときの熱損失は1200W(400Wを線間に変換して皮相電力を求めた)のエネルギーが負荷と並列に浪費されていることが分かる。
両者の効率を比較すると、2Y結線出力直列加算方式では、入力が3.13KVAに対して損失が50W×2とすると、出力は3.03KVAとなり、制御部効率は3.03/3.13×100=96.8%となる。即ち、画期的な高効率を得ることができた。
これに対してリアクタンス降下方式では、入力3.13KVAに対して損失が1.2KWなので、出力は1.93KVAとなり、効率が1.93/3.13×100=61.7%となる。これにより、本実施例に係る発電装置の場合、従来61.7%が96.8%に改善されたことが分かる。
次に、図10に示される、n=4とした実施例2に係る高効率出力安定化発電装置(永久磁石式発電装置)50について説明する。
この永久磁石式発電装置50は、4基の永久磁石式発電機60−1、60−2、60−3、60−4と制御回路70と、加算結線部72とから構成されている。また、各永久磁石式発電機60−1、60−2、60−3、60−4は、増速機51−1、51−2、51−3、51−4を介して4つの回転駆動源50−1、50−2、50−3、50−4に連結されている。
制御回路70には、4つの3相整流器62−1、62−2、62−3、62−4、降圧型DC/DCコンバータ64−1、64−2、64−3、64−4、PWM方式スイッチング素子66−1、66−2、66−3、66−4が含まれている。
他の構成については、図1、図3に示された構成と同一の符号を付して説明を省略する。
このn=4の永久磁石式発電装置50は、例えば車両用の場合、4輪自動車の各車輪軸あるいはトレーラの4つの車輪軸を回転駆動源50−1、50−2、50−3、50−4とする。
この実施例2では、4つの車輪軸の回転速度が同期していなくても発電電力を電圧加算して、高い電圧とすることができる。上記のnの上限値は、実施例1の場合と同様に決定する。
風力、水力発電では、n基の安定化出力を直列加算し、高圧を得て(例えば1000VDC)、長距離送電し受電側で、高効率降圧型DC/DCコンバータで、280VDC等の出力電圧を得ることができる。従来は交流高電圧での送電が主であったが、本方式はトランスを使用しないDC方式での高電圧送電を可能とした。
このことは、発電場所と電力の使用場所が離れている場合、配線材料コストの削減、送電損失の削減等に大きく貢献することを意味する。
又、単一軸に複数の発電機を設ける場合、永久磁石式等の発電機のトルクはT=Kt*Ia(Kt:トルク乗数 Ia:電流)であり、n基の発電機をつけて各々に負荷電流が流れるとn×Tとなり、水車、風車に大きな負荷トルクがかかり、回転数を低下させてしまう結果となり、不都合な場合もあるが、例えば、エンジンブレーキ時の車輪のような大きいトルクの外力で発電機を回す場合や、実施例2の具体例のように複数の回転駆動軸の回転速度にばらつきがある場合に用いて好適である。
更に、マイクロ風力発電機や水力発電機を3基以上、狭い地域に分散して設けた場合、各発電機の出力にばらつきがあっても、実施例1あるいは2によれば、全体の出力を加算して高電圧とすることができる。
上記の車両用の永久磁石式発電装置は、車輪や車軸あるいはエンジン出力軸によって常時回転駆動されるものであるが、本発明はこれに限定されるものでなく、自動車のブレーキ作動時、エンジンブレーキ作動時のみに発電するようにしたものであってもよい。
1.車両用の永久磁石式発電機として、小型軽量が必要条件であるが、本方式では巻き線切替が必要なく低速域から高速域まで単一巻き線で利用可能であるため極めて有益であり、更に2Y結線出力直列加算方式であるため、発電機1基当たりの発電電圧は従来比1/nである。このことは、高速回転時に最高発電電圧が従来比1/nであり、非常に高価となる高耐圧の電力半導体を使用しなくても回路構成が成り立つ特徴がある。故に、車両用発電機として利用可能である。
2.マイクロ水力及びマイクロ風力については、本発明では複数巻き線の巻き数を従来通りとした場合、各発電機の回転数が従来比1/nで、更に並列の発電コイルをn系統持ち、安定化出力を直列加算することで回転数を1/nにでき合計1/nの増速機で発電出力電圧は従来通りである。水力、風力発電では、低速回転で如何に大きな電力を発電するかが課題であるので、マイクロ水力発電及びマイクロ風力発電装置として利用可能性がある。
3.従来、マイクロ水力及び、特にマイクロ風力のように回転が不安定な動力を利用して高電圧安定化出力(280VDC)を得ることが困難であったが、本発明によればn基の発電機のn個の直流安定化出力を直列加算するだけで簡単に高電圧を得ることができる。このことは発電電力の長距離送電に役立つ可能性が大きく、電力消費地から遠い場所の風力発電、水力発電に利用価値が高い。
10、50…高効率出力安定化発電装置
12…負荷
20−1、20−2、48−1、48−2、60−1、60−2、60−3、60−4…永久磁石式発電機
29−1、29−2、50−1、50−2、50−3、50−4…回転駆動源
29A−1、29A−2、51−1、51−2、51−3、51−4…増速機
30、70…制御回路
32−1、32−2、62−1、62−2、62−3、62−4…3相整流器
34−1、34−2、64−1、64−2、64−3、64−4…降圧型DC/DCコンバータ
36−1、36−2、66−1、66−2、66−3、66−4…PWM方式スイッチング素子
38、72…加算結線部
39…系統連系装置
40…流水式小水力発電システム
42…小水路
43…堰
44A、44B、44C、44D…流水式小水力発電装置
46−1、46−2…垂直軸水車
47…双頭式マイクロ水力発電装置
本発明は、永久磁石を用いた高効率出力安定化発電装置及び流水式小水力発電システムに関する。
永久磁石式発電機は、ロータに永久磁石を用いるので、効率よく発電電力を得ることができ、風力発電機、マイクロ水力発電機や車載用発電機として利用されている。
永久磁石方式の発電機では、発電機の回転数と発電電圧は比例関係にあるが、上記のような発電機では、通常、低速回転において定格電力を得るように設計されていて、風力が強いとき、水流量が多いとき、あるいは、車両が高速運転をしたとき及び無負荷運転のときなどの高速回転時において発電電圧が制御器の最大入力電圧(耐電圧)を超えてしまう問題点があった。
図11に、永久磁石式発電機の出力垂下特性及び水力・風力の負荷変動特性を示す。図11において、A点は無負荷運転、B点は定格負荷(5.5A)垂下点、C点は電流が流れたことによる発電機トルクの増加により水車あるいは風車の回転が低下し、更に、電圧が低下する点を示している。
このC点において電圧は100VAC(相電圧)である。ここから、無負荷運転になった場合は、急激に回転・電圧が上昇し約300VAC(相電圧)に達する。このときの、整流出力電圧は約720VDCの高電圧となってしまう。それ故に 従来は例えば、予め決めたアイドル電流を流して、無負荷になっても大きな電圧変化が起きないようにしていた。即ち、常に大きな電力損失を伴っているということになる。
また、発電機の回転変動に伴う電圧変動を一定の電圧にそろえるためには、高速回転時では発電電圧を下げて、低速時には発電電圧を上げなければならず、これを昇降圧コンバータで電圧調整させると、昇圧回路および降圧回路を用いなければならず、装置が複雑且つ高価になるという問題点がある。
上記に対して、例えば特許文献1において、3相交流発電機における出力巻き線と出力側ソレノイドコイル、出力端子、制御ソレノイドコイルの先端を3相整流器に接続し、3相整流器の直流端子にパワートランジスタ等の電圧制御スイッチを接続し、負荷用3相整流部の電圧を検出して、電圧が一定になるように電圧制御スイッチのオン時間を制御することによって、装置の簡素化を実現し、且つ、パワートランジスタの容量を小さくした、永久磁石式発電機の電圧一定化制御装置が提案されている。
図12に示されるように、特許文献1記載の永久磁石式発電機1は、無負荷時の出力電圧を制御するために、発電機コイル2に対して直列にコイルL1、L2を配置して強制的にi1を発電機に流し、発電機の出力電圧垂下特性及びL1の電圧降下を利用して交流定電圧手法を採用しているが、無負荷時及び高回転高出力時に、コイルL1、L2による逆起電力の蓄積エネルギーを消費させるために大きな熱損失が発生してしまうという問題点がある。更に、この特許文献1では、また、高回転になったときに出力巻き線を1/2又はそれ以下に減じる巻き線切替方法を提案しているが、巻き線切換のため発電機の構造が複雑になり又、巻き線切替の電子回路が必要となり、更に制御アルゴリズムも複雑化して、製造コストの増大に繋がるという問題点があった。
又、従来、永久磁石方式において、低速高電圧を得る方法としては、84スロット、56ポールのアウターロータ方式等が提案されているが、回転トルクが大きいという問題点があった(特許文献2)。同様に多極方式ではコアレスも提案されているが、発電効率に問題があった。
例えば、流水式水力発電装置は、受電側の状態にかかわらず、水車は回り続けているので、制御回路起動前でも、無負荷状態で最大回転、最大電圧で動作している。この状態では、入力電圧が制御回路や系統連系装置の耐電圧を超えていて、そのまま発電出力を接続すると、これらは壊れてしまうこととなる。
そのため、従来は、起動前にはダミー抵抗に大電流を流して、水車の回転及び発電電圧降下を発生させて、後に系統連系装置を立ち上げるという手法をとっていた。
この方法では、立上げ、再立上げの手順が難しいという欠点があり、又、ダミー抵抗は発熱を伴い大電力を消費して総合発電効率を低下させていた。
また、小水力発電装置の場合、農業用水路等に設置して、電力系統に接続でき、所定の電力を得るために最小で1000rpm以上の発電機の回転数が必要であった。このためには、流水落差が1m以上、流量1m3以上が必要であり、設置可能水路が限定されてい
た。
更に、冷凍車などの、エンジンによる常時駆動の発電機を搭載した場合において、制御回路の耐圧を超える高電圧を、分流回路を用いて電圧降下させるものがあるが、無負荷時及び高速回転時において、分流回路の発熱量が大きくなって非実用的である。
例えば、常時駆動の発電機はエンジン回転速度が600rpm程度で増速比2.5倍とし、発電機回転数1500rpmの時に約300VDCの整流出力を得るようにしているが、高速回転時(例えば4000rpm×2.5)では、発電電圧が300V×10000/1500≒2000VDCとなり、制御回路を構成する半導体の耐電圧1200Vを超えてしまう。
また、2台の発電機を左右一対の車輪に連動して各々駆動する場合、左右の車輪の回転速度が異なる状況では発電電圧が異なり、単純に加算して高圧バッテリーに充電できないという問題点がある。
特許文献3記載の発明は電力変換装置に係るものであり、その構成は、特に、図7記載の回路構成図から、交流電源10に並列に接続された直流電源21、22と、直流電源21に接続された電力変換器4及び直流電源22に接続された電力変換器3とからなり、2つの電力変換器4、3の出力を直列にして負荷5に供給するものであり、単純な電源装置の直列加算器である。
ここで、直流電源21は、交流電源10に接続される変圧器21a及びこの変圧器21aの変圧後の電流が入力されるAC−DC変換器21bからなり、直流電源22も、同様に、変圧器22aとAC−DC変換器22bとから構成されている。
又、特許文献3の図7記載の回路構成では、変圧器21a、22aが交流電源10とAC−DC変換器21b、22b間に介在されていて、交流電源10からの電力は変圧器21a、22aで絶縁され、交流電源10とAC−DC変換器21b、22bとが直結されていないので、装置の重量が増大されるのみならず、変圧器21a、22aにおけるロスが発生して、総合効率が低下してしまうという問題点がある。
特許文献4の図4に示される回路構成において、制御回路であるスイッチング整流回路は一体構成であって、図4において符号406で示される並列のコイルW2、W3の出力電圧が加算された状態でスイッチング整流回路に流れる構成となっている。即ち、制御回路に対しては、既に入力段階で発電電圧が加算された構成となっていて、後段の制御回路を構成する半導体、例えば図7のS704,S732,S706,S734には、発電機からの2つの出力電圧が加算されて印加されることになる。
また、図2の交流発電機205の動力源210は、内燃機関やタービンであって、また主に可搬型発電機であって、その回転速度は制御器204によって適切に制御されている構成となっている。
しかし、風車、水車、自動車の回転軸のいずれかからなる回転駆動源の場合は、回転速度に応じて出力電圧が大きく変動し、永久磁石式発電機を用いていると、高速回転時の出力電圧が図7の半導体にかかったときに、これら半導体は過大な電圧によって耐圧破壊される恐れがある。
上記のような制御回路の半導体の耐圧破壊を回避するには、発電機出力に分流回路を設けて高電圧の時に分流回路に電流を流し電圧を下げる方法があるが当然大きな発熱を伴う。又、非常にコストがかかるが半導体の耐圧を高くする方法が採られているが限界がある。
特許文献5の図1に示される回路構成では、複数組(2組)の出力巻き線は、各々整流器を介して1つのインバータ回路7に直列又は並列に接続されるが、2組の巻き線の出力を個別に整流後直列又は並列に接続し、1つのインバータ回路に接続される構成である。
従って、直列に接続した場合、1つのインバータ回路の半導体に2組の巻き線の出力電圧が直列に加算されてかかることになり、発電機出力が大きく変動した場合、制御回路の半導体が耐圧破壊される恐れが生じる。又、並列接続1つのインバータの場合は2つの巻き線の発電出力には電圧差があり、つまりアンバランスを生じ、どちらか電圧の高いほうに負担がかかるという問題点もある。
特許第4913234号公報 特開2012−44817号公報 特開2007−280187号公報 特開2000−308396号公報 特開平10−84700号公報
本発明は、ダミー抵抗方式やリアクタンス降下方式を採用することなく、更に、無負荷時、高速回転時の最高発電電圧を従来の少なくとも1/2とし、巻き線切替を必要とすることなく、制御回路への全入力電圧を無駄なく降圧し、且つ、広範囲な入力電圧を大きな損失なしで高効率に安定化することができる高効率出力安定化発電装置を提供することを課題とする。
また、農業用水路で流水落差の小さい場合でも発電可能な複数の発電機を含む高効率小水力発電システム及び、自動車の前又は後の左右の車輪あるいは4つの車輪とともに回転する回転体を駆動源とした発電機の場合、複数の、あるいは2基又は4基の発電機の発電出力を単純に加算してバッテリーに充電できるようにすることを課題とする。
即ち、以下の実施例により上記課題を解決することができる。
(1)風車、水車、自動車の回転体のいずれかからなる回転駆動源により駆動され、n2以上の整数とし、回転速度に応じて出力電圧が変化するn基の永久磁石式発電機を含む発電装置であって、前記n基の永久磁石式発電機の各々に1個ずつ設けられ、定格出力電圧に対してその1/nの出力電圧が得られるn個の1/n出力巻き線と、前記n個の1/n出力巻き線の各々に、1個ずつ直接接続されたn個の同一構成の整流器、及び、前記n個の整流器の各々に、1個ずつ接続され、その出力電圧を安定化するn個の同一構成の降圧型DC/DCコンバータを含む制御回路と、前記n個の降圧型DC/DCコンバータの出力端子を直列に結線することにより、各々の直流出力をそのまま直列加算して、要求電圧とする加算結線部と、を有してなる高効率出力安定化発電装置。
(2)(1)の永久磁石式発電機が、その回転駆動源が1基の双頭式水力発電装置における2本の垂直軸水車とされ、この2本の垂直軸水車に1基ずつ取付けられた2基の永久磁石式発電機であり、且つ、nを2の倍数であって4以上の整数とし、定格出力電圧をn=1と仮定した1系統の出力巻き線からなる1基の永久磁石式発電機で得る場合の増速機の増速比をmとしたとき、前記双頭式水力発電装置n/2基を、垂直軸水車により、増速比m=m/n2において駆動されるようにして、流水落差が0.5m以上1.0m未満の流水落差が得られる間隔で連続的に設置してなる流水式小水力発電システム。
ここで上記回転駆動源である回転体は、風車又は水車の出力軸、自動車のエンジン出力軸、及び車軸のみならず、例えば、ドラム型の発電機の場合は、固定軸を中心として回転するドラムを含むものとする。
この発明では、巻き線の巻き数を1/nとしたn基の発電機の出力巻き線の出力電圧を、各々整流し、且つ、各々降圧型DC/DCコンバータにより出力安定化後の電圧(例えば280/nVDC)を直列加算して、280VDCとしたことにより、発電機最高回転時において、整流用ダイオード、降圧型DC/DCコンバータ用高速スイッチング素子(Sic)等々における最大入力電圧(耐電圧)範囲を超えない範囲の、例えば1200VDC以下の電圧に抑え、更に、巻き線を1/nとしたことにより、巻き線インダクタンスを半減させて発電機内部の垂下電圧を減少させて効率を更に改善し、更に発電電圧が従来比1/nであることから巻き線切替を行なう必要がなく、且つ、発電機出力に負荷と並列にダミー抵抗及び外付けリアクタンスを挿入する必要がなく、低速回転域から高速回転域まで低損失にて発電電圧を効率良く安定化し利用することができる。
又、前記nを、前記永久磁石式発電機が最高回転数のときの1個の前記降圧型DC/DCコンバータの入力電圧Emaxに対して、前記降圧型DC/DCコンバータの耐電圧である最大入力電圧をEwとしたとき、Emax/n≦Ewとなるようにして、降圧型DC/DCコンバータへの入力電圧が、降圧型DC/DCコンバータの耐電圧を超えないようにしているので、高コストの素子を用いた制御回路を用いることなく、発電効率を改善することができる。
又、前記nを、前記永久磁石式発電機が最高回転数のときの1個の前記降圧型DC/DCコンバータの入力電圧Emaxに対して、前記降圧型DC/DCコンバータの許容入力電圧をEcとしたとき、Emax/n≦Ecとなるようにして、降圧型DC/DCコンバータの許容入力電圧を超えないようにしているので、高コストの素子を用いた制御回路を用いることなく、発電効率を改善することができる。
ここで、許容入力電圧とは、降圧型DC/DCコンバータによる制御可能な電圧である。発電電圧が最大入力電圧(耐電圧)よりも低ければ降圧型DC/DCコンバータの素子を破壊することはないが、発電電圧が最大入力電圧頻繁に接近すると発熱により素子が劣化し易くなり、これを抑制するために許容入力電圧を定めている。
本発明はダミー抵抗方式やリアクタンス降下方式を採用することなく、更に、無負荷時、高速回転時の最高発電電圧を従来の1/nとし、巻き線切換を必要とすることなく、n基の永久磁石式発電機からの制御回路への全入力電圧を無駄なく降圧することができ、且つ、広範囲な入力電圧を大きな損失なしで高効率に安定化することができるという効果を有する。
本発明の実施例1に係る高効率出力安定化発電装置における永久磁石式発電機の出力巻き線を含む回路を示す回路図 実施例1における永久磁石式発電機の出力巻き線を模式的に示す断面図 実施例1における降圧型DC/DCコンバータの詳細を示す回路図 実施例1の高効率出力安定化発電装置の出力を商用電源に系統連系する場合を示す回路図 実施例1の発電装置での回転数、発電電圧、及び熱損失との関係を示す線図 従来のリアクタンス降下方式の発電装置における同様の熱損失を示す線図 本発明を高効率小水力発電装置に適用したときにおける5倍増速機を用いた場合の水車回転トルクと、20倍増速機を用いた場合の発電装置の水車回転トルクとを比較して示す線図 高効率出力安定化発電装置である流水式小水力発電装置を、複数、小水路に設置して構成した流水式小水力発電システムの実施例を模式的に示す斜視図 本実施例に係る流水式小水力発電装置を双頭式マイクロ水力発電装置とした場合を模式的に示す斜視図 本発明の永久磁石式発電機を4基にした場合の実施例を示す回路図 永久磁石式発電機の出力垂下特性、及び、水力・風力の負荷変動特性を示す線図 リアクタンス降下法により出力電圧を抑制した従来の発電装置を示す回路図
以下図1〜図3に示される本発明の実施例1に係る高効率出力安定化発電装置(以下、発電装置)について詳細に説明する。
実施例1に係る発電装置10は、2基の同一構成の永久磁石式発電機20−1、20−2と、制御回路30と、加算結線部38とを備えて構成されていて、出力電圧を負荷12に印加するものである。
永久磁石式発電機20−1、20−2は、3相交流発電機であって、水車・風車あるいは、自動車の前又は後の左右の車輪軸等の2本の出力軸である回転駆動源72A、72Bに並列に連結され、回転駆動源72A、72Bにより、それぞれ増速機73A、73Bを介して、ほぼ同期して回転駆動され、それぞれがU相、V相、W相の3相交流電力を発電するようにされている。
前記2基の永久磁石式発電機20−1、20−2におけるU相、V相、W相のそれぞれの出力巻き線24U1、24V、24W1及び24U、24V、24Wは、定格電圧を出力する場合の巻き数に対して、出力電圧が1/2となるように巻き数が1/2とされている。
また、2基の永久磁石式発電機20−1の24U1、24V、24W1、20−2の24U、24V、24Wにおける巻き線は、2基の並列な出力となるようにされている。
図2の符号26は永久磁石のロータ、28は固定子をそれぞれ示す。なお、本実施例1の発電機は、18スロット、12ポールにて形成されている。また、ロータ26は、水力発電機や、風力発電機又は自動車の車軸等の2つの回転体である回転駆動源29−1、29−2から増速機29A−1、29A−2を経て回転速度を増大され、ほぼ同期して駆動される。
これらの2系統の出力巻き線における出力電圧は、制御回路30において、系統ごとに独立して出力を安定化され、その2系統の直流出力が加算結線部38により、直列に加算されて、負荷12に印加されるようになっていて、2Y結線出力直列加算方式を構成している。
この2Y結線出力直列加算方式は、発電機の巻き線がY結線されていて、その出力が直流とされてから、降圧型DC/DCコンバータにより安定化され、直列に加算されるようにした構成を示す。
2基の永久磁石式発電機20−1、20−2の出力である2系統の3相交流出力の一方は3相整流器32−1に、また、他方は3相整流器32−2に各々直接入力され、且つ、個別に直流変換され、更に、3相整流器32−1及び32−2の直流出力は、個別に降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2において降圧されるようになっている。この実施例1では、最大1200VDCの入力を、140VDCに降圧及び安定化するようにされている。
詳細が図3に示されるように、降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2では、必要とされる電力のみ供給されるようにPWM方式スイッチング素子36−1、36−2が設けられている。図3では降圧型DC/DCコンバータ34−1のPWM方式スイッチング素子36−1のみが示されているが、降圧型DC/DCコンバータ34−2のPWM方式スイッチング素子36−2も同一の構成であるので、36−1(36−2)と示すことによって図示を省略する。
なお、3相整流器32−1及び32−2は全く同一であり、同様に、降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2も全く同一とされている。
この実施例1に係る発電装置10においては、各々巻き数が、定格出力電圧の場合の巻き数の1/2とされたY結線コイルを2系統(24U1、24V1、24W1及び24U2、24V2、24W2)を2基の永久磁石式発電機20−1、20−2に各々独立して設定して、これら2基の永久磁石式発電機20−1、20−2からの発電出力を個別に整流し、且つ、個別に降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2で安定化し、更に降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2の直流出力を加算結線部38により直列加算し、定格の出力(例えばDC280V出力)を得るようにされている。また、水力発電あるいは風力発電の場合は、図4に示されるように、直列加算された電力が系統連系装置39を経て、200Vの3相交流として、系統連系している商用電源に供給できるようにしてもよい。
この実施例1においては、3相整流器32−1、32−2及び降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2は、安定化出力を直列加算したことにより、制御回路30に対して1系統の場合の1/2の印加電圧となる。即ち、制御回路30の各々の入力回路(3相整流器32−1、32−2)は、従来の1系統の場合の1/2の印加電圧となる。
従って、2系統の各々の最大発電電圧が、制御回路30の電子部品の耐電圧を超えないようにすれば、巻き線切替による発電電圧の抑制を必要とせず、比較的低い耐電圧の電子部品を使用して回路を構成できるので、回転駆動源が高速で回転されてしまう風車や自動車への搭載が可能となる。又、複雑な巻き線切替技術を必要としないので、発電機の構造を簡素化することができ、量産が容易な低コスト発電装置を構成することができる。
なお、上記2基の永久磁石式発電機20−1、20−2のコイルは、各々の巻き数が、定格出力の場合のコイルの巻き数の1/2とされているが、巻き数は、発電機の台数が3の場合1/3、発電機の台数が4の場合1/4、・・・発電機の台数がnの場合1/nとする。なお、nは2以上の整数である(以下、同じ)。
更に具体的には、前記nは、前記永久磁石式発電機20−1、20−2が最高回転数のときの降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2への、1/n出力巻き線で得られ、3相整流器32−1、32−2で整流された入力電圧Emaxに対して、前記降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2の耐電圧である最大入力電圧をEwとしたとき、Emax/n≦Ewとなる値を選択してもよい。
例として、1個の降圧型DC/DCコンバータへの入力電圧Emax=1854VDC、Ew=1200VDC、Emax/Ew=1.545≒2(n)となる。但し1200VDCは降圧型DC/DCコンバータを構成する電子部品の耐電圧である。
また、前記nは、前記永久磁石式発電機の最高回転数のとき、1個の降圧型DC/DCコンバータの入力電圧Emaxに対して、前記降圧型DC/DCコンバータへの許容入力電圧をEcとしたとき、Emax/n≦Ecとなる値を選択してもよい。
エネルギー損失については、降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2では、PWM方式スイッチング素子36−1及び36−2におけるエネルギー損失が、FETのON抵抗(0.08Ω/35A)+スイッチングロス+チョークコイルLの銅損(0.04Ω)のみに限定され非常に少ない。
又、図3に示される降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2においては、チョークコイルLに蓄積されたエネルギーが負荷12に消費されるため、高いスパイク電圧の発生及び発熱が無く、広範囲な入力電圧(146V〜1200V)を定電圧出力(例えば出力電圧DC140V)にするには極めて有効であり、エネルギーの損失が少ない。
更に、チョークコイルLは、リアクタンス降下方式では交流3相チョークコイルを必要としたが、本方式では1つの直流パワーチョークコイルで構成でき軽量化、高効率化、且つ、低コスト化を図ることができる。
なお、整流器はダイオードを用いたものに限定されず、例えば高速スイッチングにより整流するものでもよい。
[実験例]
整流後の定格出力280VDC出力を得る永久磁石式発電機におけるU、V、W各相の巻き線2系統を並列加算していたものを、巻き線を1/2とした2基の永久磁石式発電機からの2系統の発電出力をそれぞれ整流安定化後に各140VDCを直列加算して定格出力E1を280VDCとした。結果として各発電機の巻き線は1/2で従前通りの発電が可能となった。これを、E1=140+140=280VDCと表わすことができる。
エネルギー損失の実測値を図5に示す。また、同様のE1=280VDCの出力を得るための永久磁石式発電機において、リアクタンス降下方式を採用した場合の熱損失を図6に示す。
図5と図6を比較すれば、実施例1の発電装置において、熱損失が非常に少なくなっていることが分かる。
次に、発電装置と増速機との関係について説明する。
上記のような永久磁石式発電機を用いた流水式小水力発電機、風力発電機、車両用発電機においては、水車、風車や車軸からなる回転駆動源の回転が低い場合でも希望の発電電圧が得られるようにするために増速機を利用している。しかし、増速機を利用した場合、低速回転時は希望の電圧を得ることができるが、高速回転時及び無負荷回転時には、発電電圧が制御回路の最大入力電圧(耐電圧)を超えて制御回路を壊してしまうこととなる。
これに対して、本実施例1では増速機29A−1、29A−2の増速比をm、無負荷回転時または高速回転時における最高回転数のときの1個の降圧型DC/DCコンバータの入力電圧Emaxに対して、降圧型DC/DCコンバータの許容入力電圧をEcとしたとき、シミュレーション結果は次のようになった。
<条件>
(1)流水式小水力発電機を含む流水式小水力発電装置では(1基の場合)、一般的に20倍(増速比m=20)程度の増速機を使用している(水車1回転に対して発電機20回転)。
(2)定格負荷(10KW)時の回転及び発電圧(3相整流後の電圧)
1000rpm(50rpm×20)⇒320VDC
(3)無負荷時の回転及び発電圧(3相整流後の電圧)
3200rpm(160rpm×20)⇒1024VDC・・・(a)
(4)系統連系装置(パワーコンディショナー)の許容入力電圧⇒600VDC ・・・
(b)
<計算>
(1)無負荷過電圧対策・・・(a)及び(b)より
1024VDC/600VDC=1.7≒2となり、n=2で1/2の巻き線を2系統とし、2セットの降圧型DC/DCコンバータで分担しているので耐圧対策としてはm=20のままでよい。・・・(c)
(2)低速回転対応としては、基準巻き数(1000rpmにおいて3相整流出力320Vを得る巻き線)を2系統とすることと、更に各々の安定化出力電圧を直列加算(n=2)することで出力電圧は2倍となるので、各発電機出力は1/2、即ち、増速比は1/2に低減してもよい。・・・(d)
(c)、(d)より増速比は、(20倍)×1/2=10倍にすることができる。・・・(e)
増速比は、発電機トルクを考慮すると更に低減することができる。以下、これを説明する。
従来、発電機トルク×20=水車の回転トルクであるので、上記のように増速比が1/2になると、発電機トルク×10=水車の回転トルクも1/2となる。従って、水車は、回転トルクが軽減された分回転が上昇する。
水車の定格負荷回転数〜無負荷回転数=50〜160rpmであるので、図7より、定格負荷回転数〜無負荷回転数曲線のトルク1/2の回転数を求めると約100rpmとなる。・・・(f)
この回転数に増速比10を掛けると100×10=1000rpmとなるので、<条件>(2)から発電機1基あたり1000rpm×1/2=500rpmの回転数があれば、発電機2基(n=2)で定格負荷時の発電圧160VDC×2(=n)=320VDCが得られる。・・・(g)
よって、更に増速比を1/2(1/n)にすることができる。従って、増速比は1/4=1/n2とすることができる。即ち、修正増速比m=20×1/4=5倍となる。最終
的な水車の回転数は、図7より140rpm程度となり、発電機の回転数は140×5=700rpmとなる。(g)からは、必要回転数が500rpmであるので700rpmは充分な回転数である。
結論として、定格出力電圧をn=1と仮定した1系統の出力巻き線からなる1基の永久磁石式発電機で得る場合の増速機の増速比をmとしたとき、前記増速機の増速比をm=m/n2とすることができる。
定格負荷時の回転数、無負荷時回転数の確認>
図7より、(1)定格負荷回転飽和点は、上記のように修正増速比が5となったので10Kg・mとなり、回転数は約140rpmとなる。従って、140rpm×5=700rpmが定格負荷時の回転数となる。
(2)無負荷回転は、160rpm×5=900rpm(最大回転数)となる。
(3)定格負荷時回転数の発電電圧は320VDC×700rpm/1000rpm=224VDCとなり、この224VDCより140VDCを生成する。・・・(h)
(4)無負荷時回転数の発電電圧は320VDC×900rpm/1000rpm=288VDCとなり、この288VDCより140VDCを生成する。・・・(i)
(5)(h)、(i)により、水車の定格負荷時転及無負荷時転のいずれの場合でも、2基の発電機の各々の安定化電圧140Vを直列加算し、合計280VDCを生成して、系統連系装置に入力できる。
ここで、高効率小水力発電装置の増速機の増速比を20から5に変更することによる効率の変化について発電機1基の場合で説明する。
(1)落差による水エネルギー
:P0=流量(m3/s)×重力加速度(9.8m/s 2 )×落差(m)
=0.88×9.8×1=8.62KW
但し、流量0.88m3/s及び落差1mは実測値
(2)水車が回転することで発生するエネルギー
:P1=2πn/60×N・m 但しn=水車回転数(rpm)
=2×3.14×50/60×500N・m=2.617KW
増速機20倍(水車1回転⇒発電機20回転)
但し、500N・mは図7の定格負荷回転飽和点の値約50Kg・m
(3)効率計算:増速比20の場合
P1/P0×100=2.617/8.62×100=30%
(4)効率計算:増速比5の場合
水車が受ける力は変化なし:500N・m
水車の回転数は図7より:140rpm
P2=2πn/60×N・m 但しn=水車回転数(rpm)
=2×3.14×140/60×500N・m=7.326KW
P2/P0×100=7.326/8.62×10085%
従来の発電機において、負荷電流による回転トルクが増速機により20倍にされた状態で、水車にかかり、且つ、回転を低下させていた現象は、増速比を5倍(m=5)に低下させることで、水車にかかるトルクが1/4に軽減され、上記の計算のように水車の回転数が50rpmから140rpmに改善される。
これにより発電電圧を低速回転で確保でき、更に無負荷運転・定格負荷運転時の回転数変化も軽減し、これらを利用して、流水式小水力発電装置の効率を30%から85%に改善できた。なお、5.0<m≦7.5の範囲でも、効率は85%未満50%以上とすることができた。
また、従来、1基の発電機の場合、流水落差1mで5KWの電力を得ていたものが、本発明の実施例では流水落差0.5mで同様の5KW以上の発電が可能となり、また落差の少ない、更に側壁が低い農業用水路等であっても複数の流水式小水力発電装置を設置することが可能となる。以上は1基の発電機の場合であり、これをn基の発電機で分担するとトルクは1/n2に軽減され、必要な流水落差も更に小さくなる。
例えば、図8に示される流水式小水力発電システム40のように、小水路42中に、0.3m以上、1.0未満の流水落差f、f、f、f・・fが得られる間隔で、各々が1/nの巻き線のコイルを有するn基の流水式小水力発電装置44A、44B、44C、44D・・44を連続的に設置して発電することができる。図8の符号43は小水路42に設けられた堰を示す。これは、水を塞き止めて流水落差を形成するものである。
なお、上記増速機は水力発電装置の場合のみならず、風力発電装置または車両用発電装置にも適用される。
実施例1に係る発電装置10の、n=2の場合の具体例としては、例えば図9に示されるような、特許第4817471号公報に開示される2基の垂直軸水車46−1、46−2の間に水を流して、それぞれの垂直軸水車に連結された一対の流水式小水力発電装置により発電する、いわゆる双頭式マイクロ水力発電装置47とするのが好適である。
この場合、特許第4817471号発明では、2基の発電機が独立していて、各々の出力電圧が負荷に対して並列に加えられるが、本実施例では、2基の発電機出力が直列に加算される。又、2つの発電機が完全に同期していなくても良く、2つの安定直流出力に差異があっても安定して加算できるという利点がある。図9の符号48−1、48−2は垂直軸水車46−1、46−2にそれぞれ駆動される永久磁石式発電機を示す。
また、双頭式マイクロ水力発電装置47を、図8の流水式小水力発電システム40を構成する流水式小水力発電装置44A、44B、44C、44D・・・のように並て小水路に設置してもよい。この場合、一つの流水式小水力発電装置で2基の永久磁石式発電機を用いるので、流水落差は、少なくとも0.5m必要となる。また、永久磁石式発電機の数nは2の倍数となり、流水式小水力発電装置はn/2基となる。
これに対して、従来の並列加算をする方式では、2つの電圧がほぼ一致していないとアンバランスが発生して、どちらかの電源に電流が集中してしまうという問題点が生じる。又、車両用発電装置においては、左右の車輪軸に発電機を1基ずつ取り付けることが考えられるが、車両が直進状態でない場合は、左右の車輪軸に回転速度差が生じ、又、安定化の時間差による出力差を生ずるので、従来は2基の発電機の出力電圧を加算することができなかった。
上記の車両用発電装置の場合は、左右の車輪軸により駆動される2基の発電機の回転速度差があって、出力電圧差が生じても、出力電圧を加算することができる。従って、従来の車両用発電機では一軸のみから所定の電圧を得るために、高コストの発電装置や増速機を用いる必要があったが、実施例1の場合は、低コストの発電装置により左右の車輪軸から効率よく電力を得て、且つ、両出力電圧を加算することができるため、特に低速域において、従来の2又はn倍の電力を得ることができる。
次に、実施例1の発電装置を、車両用とした場合のシミュレーション結果について説明する。この場合、2基の永久磁石式発電機は、例えば前又は後の左右の車輪とともに回転する2つの回転体に別個に取り付けられる。
自動車ディーゼルエンジンの回転速度は、低速度では600rpm、高速度では3500rpmとなり、車両変速機による変速比を1.0と仮定すると、車軸の回転速度も同様となる。これを増速比2.5倍の増速機によって増速すると発電機の入力軸の回転速度は1500rpm〜8750rpmとなる。
この回転速度に基づいて、図5から実施例1の2Y結線出力直列加算方式及び図6からリアクタンス降下方式の発電電圧は、次のようになる。
図5からの本実施例の方式では、1基の発電機において、無負荷相電圧最大は400VAC、線間電圧が400×√3=692VAC、整流出力は692×√2=969VDCとなるのに対して、図6のリアクタンス降下方式では、無負荷相電圧最大が700VAC、線間電圧が700×√3=1211VAC、整流出力が1211×√2=1707VDCとなる。
従って、実施例1の2Y結線出力直列加算方式であれば、各発電機において全回転領域(1500〜8750rpm)を巻き線の切替無しで制御可能であるのに対して、リアクタンス降下方式では線間電圧が1707VDCとなってしまうので、必然的に巻き線切替を用いないと制御することができないことが分かる。
次に、この車両用発電装置についての、2Y結線出力直列加算方式とリアクタンス降下方式の相異によるエネルギー損失比較を、発電機回転速度4000rpmとしてシミュレーションしてみた。
図5から、4000rpmでは、制御部損失が50W(直流回路)となり、これに対して、図6において4000rpmのときの熱損失は1200W(400Wを線間に変換して皮相電力を求めた)のエネルギーが負荷と並列に浪費されていることが分かる。
両者の効率を比較すると、2Y結線出力直列加算方式では、入力が3.13KVAに対して損失が50W×2とすると、出力は3.03KVAとなり、制御部効率は3.03/3.13×100=96.8%となる。即ち、画期的な高効率を得ることができた。
これに対してリアクタンス降下方式では、入力3.13KVAに対して損失が1.2KWなので、出力は1.93KVAとなり、効率が1.93/3.13×100=61.7%となる。これにより、本実施例に係る発電装置の場合、従来61.7%が96.8%に改善されたことが分かる。
次に、図10に示される、n=4とした実施例2に係る高効率出力安定化発電装置(永久磁石式発電装置)50について説明する。
この永久磁石式発電装置50は、4基の永久磁石式発電機60−1、60−2、60−3、60−4と制御回路70と、加算結線部72とから構成されている。また、各永久磁石式発電機60−1、60−2、60−3、60−4は、増速機51−1、51−2、51−3、51−4を介して4つの回転駆動源50−1、50−2、50−3、50−4に連結されている。
制御回路70には、4つの3相整流器62−1、62−2、62−3、62−4、降圧型DC/DCコンバータ64−1、64−2、64−3、64−4、PWM方式スイッチング素子66−1、66−2、66−3、66−4が含まれている。
他の構成については、図1、図3に示された構成と同一の符号を付して説明を省略する。
このn=4の永久磁石式発電装置50は、例えば車両用の場合、4輪自動車の各車輪軸あるいはトレーラの4つの車輪軸を回転駆動源50−1、50−2、50−3、50−4とする。
この実施例2では、4つの車輪軸の回転速度が同期していなくても発電電力を電圧加算して、高い電圧とすることができる。上記のnの上限値は、実施例1の場合と同様に決定する。
風力、水力発電では、n基の安定化出力を直列加算し、高圧を得て(例えば1000VDC)、長距離送電し受電側で、高効率降圧型DC/DCコンバータで、280VDC等の出力電圧を得ることができる。従来は交流高電圧での送電が主であったが、本方式はトランスを使用しないDC方式での高電圧送電を可能とした。
このことは、発電場所と電力の使用場所が離れている場合、配線材料コストの削減、送電損失の削減等に大きく貢献することを意味する。
又、単一軸に複数の発電機を設ける場合、永久磁石式等の発電機のトルクはT=Kt*Ia(Kt:トルク乗数 Ia:電流)であり、n基の発電機をつけて各々に負荷電流が流れるとn×Tとなり、水車、風車に大きな負荷トルクがかかり、回転数を低下させてしまう結果となり、不都合な場合もあるが、例えば、エンジンブレーキ時の車輪のような大きいトルクの外力で発電機を回す場合や、実施例2の具体例のように複数の回転駆動軸の回転速度にばらつきがある場合に用いて好適である。
更に、マイクロ風力発電機や水力発電機を3基以上、狭い地域に分散して設けた場合、各発電機の出力にばらつきがあっても、実施例1あるいは2によれば、全体の出力を加算して高電圧とすることができる。
上記の車両用の永久磁石式発電装置は、車輪や車軸あるいはエンジン出力軸によって常時回転駆動されるものであるが、本発明はこれに限定されるものでなく、自動車のブレーキ作動時、エンジンブレーキ作動時のみに発電するようにしたものであってもよい。
1.車両用の永久磁石式発電機として、小型軽量が必要条件であるが、本方式では巻き線切替が必要なく低速域から高速域まで単一巻き線で利用可能であるため極めて有益であり、更に2Y結線出力直列加算方式であるため、発電機1基当たりの発電電圧は従来比1/nである。このことは、高速回転時に最高発電電圧が従来比1/nであり、非常に高価となる高耐圧の電力半導体を使用しなくても回路構成が成り立つ特徴がある。故に、車両用発電機として利用可能である。
2.マイクロ水力及びマイクロ風力については、本発明では複数巻き線の巻き数を従来通りとした場合、各発電機の回転数が従来比1/nで、更に並列の発電コイルをn系統持ち、安定化出力を直列加算することと、前記回転を1/nとしたこと水車、風車への増速比を軽減でき、それらの回転が上がるため、更に回転数を1/nにでき合計1/nの増速機で発電出力電圧は従来通りである。水力、風力発電では、低速回転で如何に大きな電力を発電するかが課題であるので、マイクロ水力発電及びマイクロ風力発電装置として利用可能性がある。
3.従来、マイクロ水力及び、特にマイクロ風力のように回転が不安定な動力を利用して高電圧安定化出力(280VDC)を得ることが困難であったが、本発明によればn基の発電機のn個の直流安定化出力を直列加算するだけで簡単に高電圧を得ることができる。このことは発電電力の長距離送電に役立つ可能性が大きく、電力消費地から遠い場所の風力発電、水力発電に利用価値が高い。
10、50…高効率出力安定化発電装置
12…負荷
20−1、20−2、48−1、48−2、60−1、60−2、60−3、60−4…永久磁石式発電機
29−1、29−2、50−1、50−2、50−3、50−4…回転駆動源
29A−1、29A−2、51−1、51−2、51−3、51−4…増速機
30、70…制御回路
32−1、32−2、62−1、62−2、62−3、62−4…3相整流器
34−1、34−2、64−1、64−2、64−3、64−4…降圧型DC/DCコンバータ
36−1、36−2、66−1、66−2、66−3、66−4…PWM方式スイッチング素子
38、72…加算結線部
39…系統連系装置
40…流水式小水力発電システム
42…小水路
43…堰
44A、44B、44C、44D…流水式小水力発電装置
46−1、46−2…垂直軸水車
47…双頭式マイクロ水力発電装置
又、前記nを、前記永久磁石式発電機が最高回転数のときの、n=1と仮定した1系統の出力巻き線から得られ、整流されたとした場合の、n=1の降圧型DC/DCコンバータへの入力電圧Emaxに対して、前記降圧型DC/DCコンバータの耐電圧である最大入力電圧をEwとしたとき、Emax/n≦Ewとなるようにして、降圧型DC/DCコンバータへの入力電圧が、降圧型DC/DCコンバータの耐電圧を超えないようにしているので、高コストの素子を用いた制御回路を用いることなく、発電効率を改善することができる。
又、前記nを、前記永久磁石式発電機が最高回転数のときの、n=1と仮定した1系統の出力巻き線から得られ、整流されたとした場合の、n=1の降圧型DC/DCコンバータへの入力電圧Emaxに対して、前記降圧型DC/DCコンバータの許容入力電圧をEcとしたとき、Emax/n≦Ecとなるようにして、降圧型DC/DCコンバータの許容入力電圧を超えないようにしているので、高コストの素子を用いた制御回路を用いることなく、発電効率を改善することができる。
更に具体的には、前記nは、前記永久磁石式発電機20−1、20−2が最高回転数のときの、n=1と仮定した1系統の出力巻き線から得られ、整流されたとした場合の、n=1の降圧型DC/DCコンバータへの入力電圧Emaxに対して、前記降圧型DC/DCコンバータ34−1、34−2の耐電圧である最大入力電圧をEwとしたとき、Emax/n≦Ewとなる値を選択してもよい。
例として、n=1と仮定した1系統の出力巻き線から得られ、整流されたとした場合の、n=1の降圧型DC/DCコンバータへの入力電圧Emax=1854VDC、Ew=1200VDC、Emax/Ew=1.545≒2(n)となる。但し1200VDCは降圧型DC/DCコンバータを構成する電子部品の耐電圧である。
また、前記nは、前記永久磁石式発電機の最高回転数のとき、入力電圧Emaxに対して、前記降圧型DC/DCコンバータの許容入力電圧をEcとしたとき、Emax/n≦Ecとなる値を選択してもよい。
これに対して、本実施例1では増速機29A−1、29A−2の増速比をm、無負荷回転時または高速回転時における最高回転数のときの、n=1と仮定した1系統の出力巻き線から得られ、整流されたとした場合の入力電圧Emaxに対して、降圧型DC/DCコンバータの許容入力電圧をEcとしたとき、シミュレーション結果は次のようになった。
<条件>
(1)流水式小水力発電機を含む流水式小水力発電装置では(1基の場合)、一般的に20倍(増速比m=20)程度の増速機を使用している(水車1回転に対して発電機20回転)。
(2)定格負荷(10KW)時の回転及び発電電圧(3相整流後の電圧);
1000rpm(50rpm×20)⇒320VDC
(3)無負荷時の回転及び発電電圧(3相整流後の電圧);
3200rpm(160rpm×20)⇒1024VDC・・・(a)
(4)降圧型DC/DCコンバータの許容入力電圧⇒600VDC・・・(b)

Claims (9)

  1. 風車、水車、自動車の回転体のいずれかからなる回転駆動源により駆動され、nが2以上の整数のとき、回転速度に応じて出力電圧が変動するn基の永久磁石式発電機を含む発電装置であって、
    前記n基の永久磁石式発電機の各々に1個ずつ設けられ、定格出力電圧に対してその1/nの出力電圧が得られるn個の1/n出力巻き線と、
    前記n個の1/n出力巻き線の各々に、1個ずつ直接接続されたn個の同一構成の整流器、及び、前記n個の整流器の各々に、1個ずつ接続され、その出力電圧を安定化するn個の同一構成の降圧型DC/DCコンバータを含む制御回路と、
    前記n個の降圧型DC/DCコンバータの出力端子を直列に結線することにより、各々の直流出力をそのまま直列加算して、要求電圧とする加算結線部と、
    を有してなる高効率出力安定化発電装置。
  2. 請求項1において、
    前記nは、前記最高回転数のときの前記制御回路への全入力電圧Emaxに対して、前記制御回路の耐電圧である最大入力電圧をEwとしたとき、Emax/n≦Ewとなる整数のうちの最小値とされていることを特徴とする高効率出力安定化発電装置。
  3. 請求項1において、
    前記nは、前記最高回転数のときの前記制御回路への全入力電圧Emaxに対して、前記制御回路の許容入力電圧をEcとしたとき、Emax/n≦Ecとなる整数のうちの最小値とされていることを特徴とする高効率出力安定化発電装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記n基の永久磁石式発電機は、前記回転駆動源によりそれぞれ増速機を介して駆動されるように構成され、前記定格出力電圧を1基の永久磁石式発電機で得る場合の増速機の増速比をmとしたとき、前記増速機の増速比をm=m/n2としたことを特徴とする高効率出力安定化発電装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記回転駆動源は、自動車の前側又は後側の左及び右の車輪とともに、それぞれ独立して回転する回転体とされ、前記n基の永久磁石式発電機は、前記回転体に1基ずつ取付けられた2基の永久磁石式発電機であることを特徴とする高効率出力安定化発電装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記回転駆動源は、自動車の4輪の車輪とともに回転する回転体とされ、前記n基の永久磁石式発電機は、前記回転体に1基ずつ取付けられた4基の永久磁石式発電機であることを特徴とする高効率出力安定化発電装置。
  7. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記回転駆動源は、1基の双頭式水力発電装置における2本の垂直軸水車とされ、前記n基の永久磁石式発電機は、前記2本の垂直軸水車に1基ずつ取付けられた2基の永久磁石式発電機であることを特徴とする高効率出力安定化発電装置。
  8. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記定格出力電圧を1基の永久磁石式発電機で得る場合の増速機の増速比をmとしたとき、前記n基の永久磁石式発電機は、水車により、増速比m=m/n2において駆動される流水式水力発電機であって、このn基の流水式水力発電機を流水落差が0.3m以上0.5m未満の流水落差が得られる間隔で連続的に設置してなる高効率出力安定化発電装置。
  9. nを2の倍数とし、且つ、前記定格出力電圧を1基の永久磁石式発電機で得る場合の増速機の増速比をmとしたとき、請求項7の双頭式水力発電装置n/2基を、水車により、増速比m=m/n2において駆動されるようにして、流水落差が0.5m以上1.0m未満の流水落差が得られる間隔で連続的に設置してなる流水式小水力発電システム。
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