JP2014209459A - プレコートアルミニウム板材および車載led照明用ヒートシンク - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱性に優れたプレコートアルミニウム板材および車載LED照明用ヒートシンクを提供する。
【解決手段】車載LED照明用ヒートシンクに用いられ、アルミニウム板材20と樹脂系皮膜3Aを有するプレコートアルミニウム板材10であって、アルミニウム板材20は、熱伝導率が150W/m・K以上であり、樹脂系皮膜3Aは、熱硬化性樹脂と、黒色顔料成分と、骨材を含み、樹脂系皮膜3Aの膜厚は、5〜15μmであり、樹脂系皮膜3Aの表面の算術平均粗さRaが、1〜3μmであり、樹脂系皮膜3Aは、波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃において0.80以上であることを特徴とするプレコートアルミニウム板材10であり、当該プレコートアルミニウム板材10を成形してなる車載LED照明用ヒートシンク1である。
【選択図】図1
【解決手段】車載LED照明用ヒートシンクに用いられ、アルミニウム板材20と樹脂系皮膜3Aを有するプレコートアルミニウム板材10であって、アルミニウム板材20は、熱伝導率が150W/m・K以上であり、樹脂系皮膜3Aは、熱硬化性樹脂と、黒色顔料成分と、骨材を含み、樹脂系皮膜3Aの膜厚は、5〜15μmであり、樹脂系皮膜3Aの表面の算術平均粗さRaが、1〜3μmであり、樹脂系皮膜3Aは、波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃において0.80以上であることを特徴とするプレコートアルミニウム板材10であり、当該プレコートアルミニウム板材10を成形してなる車載LED照明用ヒートシンク1である。
【選択図】図1
Description
本発明は、発光ダイオード(LED)素子を搭載するための車載LED照明用ヒートシンク用のプレコートアルミニウム板材および車載LED照明用ヒートシンクに関する。
発光ダイオード(LED)素子を発光源とする照明は、低消費電力であり且つ長寿命であることから徐々に市場に浸透し始めている。その中でも、近年特に注目を集めているのが、自動車のヘッドライトなどの車載LED照明である。
しかしながら、このLED照明の発光源であるLED素子は熱に非常に弱く、許容温度を超えると発光効率が低下し、更には、その寿命にも影響を及ぼしてしまうという問題がある。この問題を解決するためには、LED素子の発光時の熱を周囲の空間に放熱する必要があるため、LED照明には大型のヒートシンクが備えられている。
このLED照明用ヒートシンクには、アルミニウム(アルミニウム合金を含む)を材料としたアルミダイキャスト製のものが多く採用されており、特許文献1〜4には、それらヒートシンクのうち代表的な構成のヒートシンクが開示されている。
近年、車載LED照明は、ハイパワー化が進展しており、車載LED照明用ヒートシンクに対しては、放熱性のさらなる向上が求められている。
一方、車載LED照明用ヒートシンクは、生産性向上および低コスト化を図るため、従来のアルミダイキャストではなく、アルミニウム板材を成形加工してなる成形体へと移りつつある。
アルミニウム板材の成形体からなるヒートシンクに対して、放熱性の向上を図るために、ヒートシンクを構成するアルミニウム板材自体や板材表面の特性からのさらなる放熱性向上に対するニーズは強いものとなっていた。
一方、車載LED照明用ヒートシンクは、生産性向上および低コスト化を図るため、従来のアルミダイキャストではなく、アルミニウム板材を成形加工してなる成形体へと移りつつある。
アルミニウム板材の成形体からなるヒートシンクに対して、放熱性の向上を図るために、ヒートシンクを構成するアルミニウム板材自体や板材表面の特性からのさらなる放熱性向上に対するニーズは強いものとなっていた。
本発明は、前記状況に鑑みてなされたものであり、放熱性に優れたプレコートアルミニウム板材および車載LED照明用ヒートシンクを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、検討を進めた結果、素材の熱抵抗を下げるために、アルミニウム板材の熱伝導率を一定のレベル以上とすること、アルミニウム板材からなる成形体の表面に黒色の皮膜を形成することによって放射率が高まること、皮膜は比較的薄くして皮膜としての熱抵抗を下げること、皮膜の表面粗さを適切に制御して、放射率を高めることが重要であること等の知見を得て、本発明に到達したものである。
本発明は以下のような構成を有するものである。本発明に係るプレコートアルミニウム板材は、車載LED照明用ヒートシンクに用いられ、アルミニウム板材と樹脂系皮膜を有しており、前記アルミニウム板材は、熱伝導率が150W/m・K以上であり、前記樹脂系皮膜は、熱硬化性樹脂と、黒色顔料成分と、骨材を含み、前記樹脂系皮膜の膜厚は、5〜15μmであり、前記樹脂系皮膜の表面の算術平均粗さRaが、1〜3μmであり、前記樹脂系皮膜は、波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃において0.80以上であることを特徴とする。
このような構成によれば、プレコートアルミニウム板材は、アルミニウム板材の熱伝導率に優れ、皮膜が比較的薄いものであるが、皮膜としての放射性に優れ、ヒートシンクとしたときに優れた放熱性を有したものとなる。
また、本発明に係るプレコートアルミニウム板材は、アルミニウム板材の結晶組織が、ファイバー状であることが好ましい。このような構成によれば、成形加工を行った際に、表面の肌荒れが少ない成形体を製造することができる。
本発明に係る車載LED照明用ヒートシンク(以下、適宜、ヒートシンクという)は、アルミニウム展伸材が成形されてなるヒートシンク成形体と、前記ヒートシンク成形体の表面に形成された黒色の皮膜と、を備える車載LED照明用ヒートシンクであって、前記アルミニウム展伸材の熱伝導率は、150W/m・K以上であり、前記皮膜の膜厚は、5〜15μmであり、前記皮膜の表面の算術平均粗さRaが、0.5〜3μmであり、前記皮膜は、波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃において0.80以上であることを特徴とする。
このような構成によれば、ヒートシンクは、アルミニウム展伸材の熱伝導率に優れ、皮膜が比較的薄いものであるが、皮膜としての放射性に優れ、ヒートシンクとして優れた放熱性が確保される。
また、本発明に係る車載LED照明用ヒートシンクの皮膜は、熱硬化性樹脂、黒色顔料成分と、骨材を含む樹脂系皮膜であり、前記皮膜の表面の算術平均粗さRaが、1〜3μmであることが好ましい。このような構成によれば、樹脂皮膜の耐久性が向上し、皮膜としての放射性はさらに優れたものとなる。
本発明のプレコートアルミニウム板材は、成形加工性に優れており、放熱性に優れた車載LED照明用ヒートシンクを得ることができる。また、本発明の車載LED照明用ヒートシンクは、放熱性に優れている。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
≪ヒートシンク≫
図1(a)に示すように、本発明に係るヒートシンク1は、車載LED照明100に用いられるものであり、アルミニウム展伸材が成形されてなるヒートシンク成形体2から構成されている。発明の実施形態によっては、ヒートシンク成形体2の表面に形成される皮膜3を備えている。そして、ヒートシンク1は、LED素子4から発生する熱を放散させるために用いられる。
以下、各構成について説明する。
≪ヒートシンク≫
図1(a)に示すように、本発明に係るヒートシンク1は、車載LED照明100に用いられるものであり、アルミニウム展伸材が成形されてなるヒートシンク成形体2から構成されている。発明の実施形態によっては、ヒートシンク成形体2の表面に形成される皮膜3を備えている。そして、ヒートシンク1は、LED素子4から発生する熱を放散させるために用いられる。
以下、各構成について説明する。
<ヒートシンク成形体>
ヒートシンク成形体2は、アルミニウム展伸材が成形されてなるアルミニウム製のものである。「アルミニウム展伸材」としたのは、展伸材に限定することで、現行のアルミダイキャストや押し出し材、樹脂製、鉄その他の金属製のものと差別化する趣旨である。アルミニウム展伸材のなかでも、生産性やプレコート処理性等に優れたアルミニウム板材が好ましい。以下、アルミニウム板材について説明する。
ヒートシンク成形体2は、アルミニウム展伸材が成形されてなるアルミニウム製のものである。「アルミニウム展伸材」としたのは、展伸材に限定することで、現行のアルミダイキャストや押し出し材、樹脂製、鉄その他の金属製のものと差別化する趣旨である。アルミニウム展伸材のなかでも、生産性やプレコート処理性等に優れたアルミニウム板材が好ましい。以下、アルミニウム板材について説明する。
<アルミニウム板材の素材>
本発明の車載LED照明用ヒートシンク1に用いられるアルミニウム板材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるものであり、本発明で用いられるアルミニウム板材(アルミニウム板材またはアルミニウム合金板材)としては、特に制限されるものではなく、製品形状や成形方法、使用時に求められる強度等に基づいて選択することができる。一般的には、プレス成形用のアルミニウム板材としては、非熱処理型のアルミニウム板、すなわち、1000系の工業用純アルミニウム板、3000系のAl−Mn系合金板、5000系のAl−Mg系合金板、もしくは熱処理型のアルミニウム板である、一部の6000系のAl−Mg−Si系合金板が使用される。しかしながら、ヒートシンク成形体2は、後記するように熱伝導率を150W/m・K以上とするため、アルミニウム板材は、1000系、一部の3000系、一部の6000系にほぼ限定される。
本発明の車載LED照明用ヒートシンク1に用いられるアルミニウム板材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるものであり、本発明で用いられるアルミニウム板材(アルミニウム板材またはアルミニウム合金板材)としては、特に制限されるものではなく、製品形状や成形方法、使用時に求められる強度等に基づいて選択することができる。一般的には、プレス成形用のアルミニウム板材としては、非熱処理型のアルミニウム板、すなわち、1000系の工業用純アルミニウム板、3000系のAl−Mn系合金板、5000系のAl−Mg系合金板、もしくは熱処理型のアルミニウム板である、一部の6000系のAl−Mg−Si系合金板が使用される。しかしながら、ヒートシンク成形体2は、後記するように熱伝導率を150W/m・K以上とするため、アルミニウム板材は、1000系、一部の3000系、一部の6000系にほぼ限定される。
本発明の車載LED照明用ヒートシンク1に用いられるアルミニウム板材は、好ましくは1000系であり、特に好ましい組成は以下のものである。
(Si含有量の好ましい範囲0.03〜1.00質量%)
Siは,母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Si含有量増加に伴いその効果が向上する。Si含有量が0.03質量%以上であればその効果がより十分となり、1.00質量%以下であれば熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
(Si含有量の好ましい範囲0.03〜1.00質量%)
Siは,母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Si含有量増加に伴いその効果が向上する。Si含有量が0.03質量%以上であればその効果がより十分となり、1.00質量%以下であれば熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
(Fe含有量の好ましい範囲0.10〜0.80質量%)
Feは、母相内に固溶してアルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Fe含有量増加に伴いその効果が向上する。Fe含有量が0.10質量%以上であればその効果がより十分となり、0.80質量%以下であれば熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
Feは、母相内に固溶してアルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Fe含有量増加に伴いその効果が向上する。Fe含有量が0.10質量%以上であればその効果がより十分となり、0.80質量%以下であれば熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
(Cu含有量の好ましい範囲0.30質量%以下)
Cuは、母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Cu含有量増加に伴いその効果が向上する。Cu含有量が0.30質量%以下であれば熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
Cuは、母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Cu含有量増加に伴いその効果が向上する。Cu含有量が0.30質量%以下であれば熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
(Mn含有量の好ましい範囲0.20質量%以下)
Mnは、母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Mn含有量増加に伴いその効果が向上する。Mn含有量が0.20質量%以下であれば熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
Mnは、母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Mn含有量増加に伴いその効果が向上する。Mn含有量が0.20質量%以下であれば熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
(Mg含有量の好ましい範囲0.20質量%以下)
Mgは、母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Mg含有量増加に伴いその効果が向上する。Mg含有量が0.20質量%以下であれば、熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
Mgは、母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Mg含有量増加に伴いその効果が向上する。Mg含有量が0.20質量%以下であれば、熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
(Cr含有量の好ましい範囲0.10質量%以下)
Crは、母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Cr含有量増加に伴いその効果が向上する。Cr含有量が0.10質量%以下であれば、熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
Crは、母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Cr含有量増加に伴いその効果が向上する。Cr含有量が0.10質量%以下であれば、熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
(Zn含有量の好ましい範囲0.20質量%以下)
Znは、母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Zn含有量増加に伴いその効果が向上する。Zn含有量が0.20質量%以下であれば、熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
Znは、母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高める効果があり、Zn含有量増加に伴いその効果が向上する。Zn含有量が0.20質量%以下であれば、熱伝導性が向上してヒートシンク材としての性能が向上する。
(Ti含有量の好ましい範囲0.10質量%以下)
Tiは、アルミニウム合金鋳造組織を微細化、均質化(安定化)する効果があり、圧延用スラブの造塊時の鋳造割れを防止する効果を有する。Ti含有量が0.10質量%を超えるとその効果が飽和する。また、0.10質量%以下であれば、熱伝導性が向上する。そのため、0.10質量%を超える量を含有することは不要である。
Tiは、アルミニウム合金鋳造組織を微細化、均質化(安定化)する効果があり、圧延用スラブの造塊時の鋳造割れを防止する効果を有する。Ti含有量が0.10質量%を超えるとその効果が飽和する。また、0.10質量%以下であれば、熱伝導性が向上する。そのため、0.10質量%を超える量を含有することは不要である。
[熱伝導率]
ヒートシンク成形体2は、その用途がヒートシンク1であるため、放熱性が要求される。本発明における所望の放熱性を確保するためには、ヒートシンク成形体2を構成するアルミニウム板材の熱伝導率は、150W/m・K以上であることが必要である。好ましくは200W/m・K以上である。なお、上限値については特に規定されるものではないが、経済的な観点から好ましくは240W/m・K以下である。このような特性を有したアルミニウム合金としては、前記したような特定の品番や組成の合金を挙げることができる。
熱伝導率は、たとえばレーザーフラッシュ法によって測定することができる。
なお、ヒートシンク成形体2に用いるアルミニウム板材は、プレコート材でもよいし、アフターコート材であってもよい。また成形体2に加工後に陽極酸化処理を行なってもよいが、経済的な観点からプレコート材が好ましい。
ヒートシンク成形体2は、その用途がヒートシンク1であるため、放熱性が要求される。本発明における所望の放熱性を確保するためには、ヒートシンク成形体2を構成するアルミニウム板材の熱伝導率は、150W/m・K以上であることが必要である。好ましくは200W/m・K以上である。なお、上限値については特に規定されるものではないが、経済的な観点から好ましくは240W/m・K以下である。このような特性を有したアルミニウム合金としては、前記したような特定の品番や組成の合金を挙げることができる。
熱伝導率は、たとえばレーザーフラッシュ法によって測定することができる。
なお、ヒートシンク成形体2に用いるアルミニウム板材は、プレコート材でもよいし、アフターコート材であってもよい。また成形体2に加工後に陽極酸化処理を行なってもよいが、経済的な観点からプレコート材が好ましい。
[結晶組織]
アルミニウム板材は、結晶組織がファイバー状であることが好ましい。「ファイバー状」とは、結晶組織の長軸方向と短軸方向のアスペクト比が10倍以上の伸長組織を有する状態をいう。アルミニウム板材の結晶組織がファイバー状であれば、成形体を製造するために、曲げ加工を行った際に、成形体の加工部の表面が平滑となるため、好ましい。ファイバー状組織の中でも、結晶組織の短軸方向の長さが5〜50μmであるものが、加工部の肌荒れがより小さくなり、好ましい。粒状の粗大な結晶組織を有するアルミニウム板材は、通常、加工部の表面の肌荒れが大きくなり、好ましくない。
アルミニウム板材の結晶組織の判別は、顕微鏡によって行うことができる。顕微鏡で結晶組織を判別する場合、圧延によってアルミニウムが延ばされる方向(圧延方向)に平行となるアルミニウムの断面を観察する。
アルミニウム板材は、結晶組織がファイバー状であることが好ましい。「ファイバー状」とは、結晶組織の長軸方向と短軸方向のアスペクト比が10倍以上の伸長組織を有する状態をいう。アルミニウム板材の結晶組織がファイバー状であれば、成形体を製造するために、曲げ加工を行った際に、成形体の加工部の表面が平滑となるため、好ましい。ファイバー状組織の中でも、結晶組織の短軸方向の長さが5〜50μmであるものが、加工部の肌荒れがより小さくなり、好ましい。粒状の粗大な結晶組織を有するアルミニウム板材は、通常、加工部の表面の肌荒れが大きくなり、好ましくない。
アルミニウム板材の結晶組織の判別は、顕微鏡によって行うことができる。顕微鏡で結晶組織を判別する場合、圧延によってアルミニウムが延ばされる方向(圧延方向)に平行となるアルミニウムの断面を観察する。
ファイバー状の組織を実現するための好ましい焼鈍条件について説明する。
ファイバー状の組織を実現し、良好な曲げ加工性を備えるための焼鈍条件は、130〜280℃、1〜10時間であることが好ましい。焼鈍温度が130℃未満では焼鈍するアルミコイル内で特性がばらつく。一方、焼鈍温度が280℃を超えると回復・再結晶が進行し、耐力が下がり、かつ結晶粒が粗大化する。また、焼鈍時間が1時間未満では温度が低い場合と同様にアルミコイル内の特性がばらつく。一方、10時間を超えると工場生産性が低下する。
ファイバー状の組織を実現し、良好な曲げ加工性を備えるための焼鈍条件は、130〜280℃、1〜10時間であることが好ましい。焼鈍温度が130℃未満では焼鈍するアルミコイル内で特性がばらつく。一方、焼鈍温度が280℃を超えると回復・再結晶が進行し、耐力が下がり、かつ結晶粒が粗大化する。また、焼鈍時間が1時間未満では温度が低い場合と同様にアルミコイル内の特性がばらつく。一方、10時間を超えると工場生産性が低下する。
<皮膜>
本発明のヒートシンク成形体2は、その表面に皮膜3が形成されている。ヒートシンク成形体2の表面に皮膜3が形成されていることによって、ヒートシンク成形体2の耐久性および放射性を向上させることができる。しかし、皮膜3が形成されていることによって、伝熱の際の熱抵抗が大きくなることから、皮膜3の膜厚は比較的小さいことが好ましい。皮膜3の膜厚は、5μm未満であると良好な放射率を確保できない。一方、皮膜3の膜厚が15μmを超えても、もはや放射率は向上せず、逆に皮膜3の熱抵抗が大きくなる。よって、皮膜3の膜厚は、5〜15μmとする。皮膜3の膜厚は、より好ましくは、7〜12μmである。皮膜3の膜厚の測定は、例えば、渦電流膜厚計イソスコープ(ISOSCOPE:登録商標)によって測定することができる。
本発明のヒートシンク成形体2は、その表面に皮膜3が形成されている。ヒートシンク成形体2の表面に皮膜3が形成されていることによって、ヒートシンク成形体2の耐久性および放射性を向上させることができる。しかし、皮膜3が形成されていることによって、伝熱の際の熱抵抗が大きくなることから、皮膜3の膜厚は比較的小さいことが好ましい。皮膜3の膜厚は、5μm未満であると良好な放射率を確保できない。一方、皮膜3の膜厚が15μmを超えても、もはや放射率は向上せず、逆に皮膜3の熱抵抗が大きくなる。よって、皮膜3の膜厚は、5〜15μmとする。皮膜3の膜厚は、より好ましくは、7〜12μmである。皮膜3の膜厚の測定は、例えば、渦電流膜厚計イソスコープ(ISOSCOPE:登録商標)によって測定することができる。
ここで、ヒートシンク成形体2の表面とは、ヒートシンク成形体2の表面の少なくとも一面を意味し、いわゆる表面、裏面が含まれる。
皮膜3の種類としては、特に限定されないが、プレコート、アフターコート、陽極酸化等の樹脂系皮膜や無機系皮膜がある。
皮膜3の種類としては、特に限定されないが、プレコート、アフターコート、陽極酸化等の樹脂系皮膜や無機系皮膜がある。
皮膜3は、黒色であることが必要である。皮膜3の色調が黒色であると、放熱率が高くなり、ヒートシンク1としての放熱性がより向上するからである。皮膜3を黒色とするためには、皮膜3が後記する樹脂系皮膜であるときは、黒色顔料成分を含有させることが好ましい。皮膜3が無機系皮膜であるときは、黒色陽極酸化とすることが好ましい。
[算術平均粗さ(Ra)]
本発明では、上記したように皮膜3の膜厚を薄めに設定することによって、放射率を維持しつつ、できるだけ熱抵抗を下げている。しかし、皮膜3の膜厚を薄くすると、一般に放射率が下がる。そこで、放射率の低下を補うため、皮膜3の表面粗さを大きめに設定する。皮膜3の表面がある程度荒れていることによって、表面積が増大し、放射率を高めることができる。
皮膜3の表面の算術平均粗さRaが0.5μm未満であると、良好な放射率の確保が困難となる。一方、皮膜3の表面の算術平均粗Raが3μmを超えると粗面になりすぎて、LED素子4との間に細かい空隙ができやすくなり、LED素子4とヒートシンク1との間の熱伝導が損なわれる。よって、皮膜3の表面の算術平均粗さRaは、0.5〜3μmとする。皮膜3の表面の算術平均粗さRaは、より好ましくは1〜3μmであり、さらに好ましくは1〜2μmである。
本発明では、上記したように皮膜3の膜厚を薄めに設定することによって、放射率を維持しつつ、できるだけ熱抵抗を下げている。しかし、皮膜3の膜厚を薄くすると、一般に放射率が下がる。そこで、放射率の低下を補うため、皮膜3の表面粗さを大きめに設定する。皮膜3の表面がある程度荒れていることによって、表面積が増大し、放射率を高めることができる。
皮膜3の表面の算術平均粗さRaが0.5μm未満であると、良好な放射率の確保が困難となる。一方、皮膜3の表面の算術平均粗Raが3μmを超えると粗面になりすぎて、LED素子4との間に細かい空隙ができやすくなり、LED素子4とヒートシンク1との間の熱伝導が損なわれる。よって、皮膜3の表面の算術平均粗さRaは、0.5〜3μmとする。皮膜3の表面の算術平均粗さRaは、より好ましくは1〜3μmであり、さらに好ましくは1〜2μmである。
皮膜3の表面の算術平均粗さRaを調整する方法としては、皮膜を形成する前のアルミニウム板材の表面研磨の方法・程度を変えたり、ショットブラストで荒らしたり、後記するように皮膜に骨材を添加したりして行うことができるが、皮膜に骨材を添加する方法が好ましい。
算術平均粗さ(Ra)の測定は、市販されている表面粗さ測定器を使用して測定する。例えば、サーフコーダなどを使用することができる。
表面粗さ測定器の探針を試験片に対し圧延方向に直交する方向に走査して、JIS B0601に記載の算術平均粗さ(Ra)として測定される。
表面粗さ測定器の探針を試験片に対し圧延方向に直交する方向に走査して、JIS B0601に記載の算術平均粗さ(Ra)として測定される。
皮膜3は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂から選ばれる2種類以上を含み、双方の樹脂が有する水酸基、カルボキシル基、グリシジル基、アミノ基、イソシアネート基などが互いに化学結合する組み合わせとすることで得ることができる。このような組み合わせの樹脂同士を2種類以上含む場合、一方の樹脂と他方の樹脂が互いに主剤と硬化剤として熱硬化反応するため、熱硬化性樹脂となる。組み合わせによって熱硬化反応が十分進まない場合には、別にイソシアネート化合物などの硬化剤と組み合わせても良い。
これらの樹脂を単独でしか含まない場合(例えばポリエステル樹脂単独の場合)は、ヒートシンク1の使用時に、皮膜3が溶融してしまう場合がある。この場合には、ヒートシンク1とLED素子4との接着力が低下してしまうため、ヒートシンク1の耐久性が低下することがある。しかし、樹脂が単独の場合であっても、別にイソシアネート化合物などの硬化剤と組み合わせることによって、十分な耐熱性と密着性を有した熱硬化性樹脂とすることができる。
これらの樹脂を単独でしか含まない場合(例えばポリエステル樹脂単独の場合)は、ヒートシンク1の使用時に、皮膜3が溶融してしまう場合がある。この場合には、ヒートシンク1とLED素子4との接着力が低下してしまうため、ヒートシンク1の耐久性が低下することがある。しかし、樹脂が単独の場合であっても、別にイソシアネート化合物などの硬化剤と組み合わせることによって、十分な耐熱性と密着性を有した熱硬化性樹脂とすることができる。
2種類以上の樹脂成分を組み合わせた皮膜の組み合わせの中でも、たとえば、アミノ硬化ポリエステル系樹脂、イソシアネート硬化ポリエステル系樹脂、メラミン硬化ポリエステル系樹脂、フェノール硬化エポキシ系樹脂、ユリア(尿素)硬化エポキシ系樹脂等を利用すると、耐熱性と密着性が向上するのでさらに好ましい。またアクリル変性エポキシ樹脂やウレタン変性ポリエステル樹脂等の変性樹脂も好適に使用できる。
黒色顔料成分は、前記したように、樹脂系皮膜を黒色にして、放射率を高めるために用いられる。黒色顔料成分の具体例としては、カーボンブラックやグラファイトなどの炭素系のもののほか、銅・マンガン・鉄などの金属酸化物系、などを挙げることができる。黒色顔料成分は、皮膜を形成する樹脂材料に対して3〜50質量%程度添加される。
骨材は、皮膜3の表面の算術平均粗さRaを上記の所定の範囲に制御するために用いられる。骨材の具体例としては、架橋アクリルビーズ、架橋ウレタンビーズなどに代表される有機系骨材、ガラスビーズなどに代表される無機系骨材などを挙げることができる。骨材の平均粒子径は、3〜50μm程度のものが好ましく用いられる。骨材は、皮膜を形成する樹脂材料に対して、必要に応じて、3〜30〜質量%程度添加される。
[積分放射率]
本発明において、皮膜3は、波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃において0.80以上である。放射率は、物体表面からの赤外線放射能を黒体表面からの赤外線放射能で割った比例係数であり、特定の温度における特定波長の光に対して定義される。取り得る数値は0(白体)から1(黒体)の範囲であり、数字が大きいほど赤外線放射能が大きい。これをある範囲の波長領域で積分したのが積分放射率である。プランクの放射式によれば、本発明の実施温度領域である室温付近、より具体的には0〜100℃の実用温度領域で発生し得る赤外線の波長は、波長領域が3〜30μmの範囲に集中している。言い換えると、この波長領域の範囲から外れる波長領域の赤外線は無視してよい。この様な理由により、本発明においては、25℃における3〜30μmの波長領域の赤外線に限定している。
本発明において、皮膜3は、波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃において0.80以上である。放射率は、物体表面からの赤外線放射能を黒体表面からの赤外線放射能で割った比例係数であり、特定の温度における特定波長の光に対して定義される。取り得る数値は0(白体)から1(黒体)の範囲であり、数字が大きいほど赤外線放射能が大きい。これをある範囲の波長領域で積分したのが積分放射率である。プランクの放射式によれば、本発明の実施温度領域である室温付近、より具体的には0〜100℃の実用温度領域で発生し得る赤外線の波長は、波長領域が3〜30μmの範囲に集中している。言い換えると、この波長領域の範囲から外れる波長領域の赤外線は無視してよい。この様な理由により、本発明においては、25℃における3〜30μmの波長領域の赤外線に限定している。
皮膜3に対する、波長が3〜30μmにおける赤外線の積分放射率が25℃において0.80未満であると、皮膜3の表面から赤外線として熱を放出する能力が低下し、製品を冷却する能力が不足する。よって、ヒートシンク1の放熱性が低下する。なお、前記した波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率は0.85以上であることがより好ましく、0.90以上であることがさらに好ましい。また、上限値については特に規定されるものではないが、経済的な観点から好ましくは0.99以下である。波長が3〜30μmにおける赤外線の積分放射率は、皮膜の色、膜厚、表面状態、皮膜の種類等を組み合わせることによって制御することができる。
皮膜3に対する、波長が3〜30μmにおける赤外線の積分放射率は、市販されている簡易放射率計を使用して測定することができるほか、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)などを用いて測定することが出来る。例えば、京都電子工業社製放射率系D&S AERD装置を用いて測定することができる。
[その他]
皮膜3には、本発明の所望する効果を奏する範囲で、少量の着色剤や、様々な機能を付与する添加剤を含有させることができる。例えば、成形性を更に向上させるため、例えば、ポリエチレンワックス、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン、テフロン(登録商標)ワックス、シリコーン系ワックス、グラファイト系潤滑剤、モリブデン系潤滑剤等の潤滑剤を、1種または2種以上含有させることができる。また、電子機器等で要求されるアース確保を目的とした導電性を付与するための導電性微粒子として、例えば、ニッケル微粒子をはじめとする金属微粒子、金属酸化物微粒子、導電性カーボン、グラファイト等を、1種または2種以上含有させることができる。さらには、防汚性が要求される場合には、フッ素系化合物やシリコーン系化合物を含有させてもよい。それ以外に抗菌剤、防カビ剤、脱臭剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆顔料、体質顔料などを、本発明の所望する効果を奏する限り、含有させることができる。
皮膜3には、本発明の所望する効果を奏する範囲で、少量の着色剤や、様々な機能を付与する添加剤を含有させることができる。例えば、成形性を更に向上させるため、例えば、ポリエチレンワックス、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン、テフロン(登録商標)ワックス、シリコーン系ワックス、グラファイト系潤滑剤、モリブデン系潤滑剤等の潤滑剤を、1種または2種以上含有させることができる。また、電子機器等で要求されるアース確保を目的とした導電性を付与するための導電性微粒子として、例えば、ニッケル微粒子をはじめとする金属微粒子、金属酸化物微粒子、導電性カーボン、グラファイト等を、1種または2種以上含有させることができる。さらには、防汚性が要求される場合には、フッ素系化合物やシリコーン系化合物を含有させてもよい。それ以外に抗菌剤、防カビ剤、脱臭剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆顔料、体質顔料などを、本発明の所望する効果を奏する限り、含有させることができる。
≪プレコートアルミニウム板材≫
図1(b)に示すように、本発明に係るプレコートアルミニウム板材10は、車載LED照明用ヒートシンクに用いられるものであり、アルミニウム板材20と、アルミニウム板材20の表面に形成される樹脂系皮膜3Aとを備えている。そして、アルミニウム板材20は、熱伝導率が150W/m・K以上であり、樹脂系皮膜3Aは、熱硬化性樹脂と黒色顔料成分と骨材を含み、樹脂系皮膜3Aの膜厚は、5〜15μmであり、樹脂系皮膜3Aの表面の算術平均粗さRaが、1〜3μmであり、樹脂系皮膜3Aは、波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃において0.80以上であることを特徴とするものである。
アルミニウム板材20の熱伝導率、樹脂系皮膜3Aの成分、膜厚、算術平均粗さRa、積分放射率については前記に説明したとおりである。
図1(b)に示すように、本発明に係るプレコートアルミニウム板材10は、車載LED照明用ヒートシンクに用いられるものであり、アルミニウム板材20と、アルミニウム板材20の表面に形成される樹脂系皮膜3Aとを備えている。そして、アルミニウム板材20は、熱伝導率が150W/m・K以上であり、樹脂系皮膜3Aは、熱硬化性樹脂と黒色顔料成分と骨材を含み、樹脂系皮膜3Aの膜厚は、5〜15μmであり、樹脂系皮膜3Aの表面の算術平均粗さRaが、1〜3μmであり、樹脂系皮膜3Aは、波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃において0.80以上であることを特徴とするものである。
アルミニウム板材20の熱伝導率、樹脂系皮膜3Aの成分、膜厚、算術平均粗さRa、積分放射率については前記に説明したとおりである。
プレコートアルミニウム板材10を構成するアルミニウム板材20の結晶組織は、ファイバー状であることが好ましい。前記したように、アルミニウム板材20の結晶組織がファイバー状であれば、成形体を製造するために成形加工を行った際に、成形体の加工部の表面の肌荒れが小さくなり、プレコートされた皮膜に亀裂を生じさせることを防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。
例えば、アルミニウム板材20の表面に、下地処理により、下地処理皮膜(図示省略)を設けてもよい。
例えば、アルミニウム板材20の表面に、下地処理により、下地処理皮膜(図示省略)を設けてもよい。
<下地処理>
アルミニウム板材20の表面は、樹脂系皮膜3Aとの密着性を高めるため、下地処理を施すことが好ましい。好ましい下地処理としては、Cr、ZrまたはTiを含有する従来公知の反応型下地処理皮膜および塗布型下地処理皮膜を利用することができる。即ち、リン酸クロメート皮膜、クロム酸クロメート皮膜、リン酸ジルコニウム皮膜、酸化ジルコニウム皮膜、リン酸チタン皮膜、塗布型クロメート皮膜、塗布型ジルコニウム皮膜等を適宜使用することができる。これらの皮膜に有機成分を組み合わせた有機無機ハイブリッド型の下地処理皮膜でもよい。なお、近年、環境対応の流れから六価クロムを嫌う傾向があり、六価クロムを含まないリン酸クロメート皮膜や、リン酸ジルコニウム皮膜、酸化ジルコニウム皮膜、リン酸チタン皮膜、塗布型ジルコニウム皮膜等を使用するのが好ましい。
アルミニウム板材20の表面は、樹脂系皮膜3Aとの密着性を高めるため、下地処理を施すことが好ましい。好ましい下地処理としては、Cr、ZrまたはTiを含有する従来公知の反応型下地処理皮膜および塗布型下地処理皮膜を利用することができる。即ち、リン酸クロメート皮膜、クロム酸クロメート皮膜、リン酸ジルコニウム皮膜、酸化ジルコニウム皮膜、リン酸チタン皮膜、塗布型クロメート皮膜、塗布型ジルコニウム皮膜等を適宜使用することができる。これらの皮膜に有機成分を組み合わせた有機無機ハイブリッド型の下地処理皮膜でもよい。なお、近年、環境対応の流れから六価クロムを嫌う傾向があり、六価クロムを含まないリン酸クロメート皮膜や、リン酸ジルコニウム皮膜、酸化ジルコニウム皮膜、リン酸チタン皮膜、塗布型ジルコニウム皮膜等を使用するのが好ましい。
なお、本発明では下地処理皮膜の膜厚として、下地処理皮膜成分中に含まれるCr、ZrまたはTiのアルミニウム板材20への付着量(金属Cr、金属Zrまたは金属Ti換算値)を、例えば、従来公知の蛍光X線法を用いて、比較的、簡便かつ定量的に測定することができる。そのため、生産性を阻害することなくプレコートアルミニウム板材10の品質管理を行うことできる。なお、下地処理皮膜の付着量としては、金属Cr、金属Zrまたは金属Ti換算値で10〜50mg/m2であることが好ましい。付着量が10mg/m2以上であれば、アルミニウム板材20の全面を均一に被覆することができ、耐食性が向上する。また、50mg/m2以下であれば、プレコートアルミニウム板材10を成形した際に、下地処理の皮膜自体に割れが生じにくくなる。
また、生産性を考慮しない場合には、アルミニウム板材20の表面に陽極酸化処理や電解エッチング処理等の従来公知の処理を行うこともできる。これらの処理を行うと、アルミニウム板材20の表面に微細な凹凸が形成されるため、樹脂系皮膜3Aの密着性が大きく向上する。
さらに、耐食性をそれほど求めず簡易な方法で済ませたい場合には、アルミニウム板材20の表面を脱脂処理のみする手法でもかまわない。脱脂の手法としては、有機系薬剤による脱脂、界面活性剤系薬剤による脱脂、アルカリ系薬剤での脱脂、酸系薬剤による脱脂等、従来公知の方法を用いることができる。ただし、有機系薬剤や界面活性剤系薬剤の場合には、脱脂能力がやや劣るため、アルカリ系薬剤や酸系薬剤による脱脂の方が生産性はよくなる。アルカリ系薬剤の脱脂能力は、使用するアルカリの主成分、濃度、処理温度によってコントロールできるが、脱脂能力を強くした場合には、多くのスマットが発生するため、その後の水洗を十分に行わないと、かえって樹脂系皮膜3Aの密着性が低下する場合もある。また、アルミニウム板材20に、添加元素としてマグネシウムを多く含む品種を使用する場合には、アルカリ系薬剤では、マグネシウムが表面に残って樹脂系皮膜3Aの密着性が低下する場合がある。そのため、この場合には、酸系薬剤を使用または併用することが好ましい。
≪プレコートアルミニウム板材の製造方法≫
次に、プレコートアルミニウム板材の製造方法の一例について、適宜、図1を参照して説明する。
プレコートアルミニウム板材10の製造方法については、特に制限されるものではなく、ベース樹脂の元となる樹脂および硬化剤を含む塗料を、従来公知の方法にてアルミニウム板の上に塗布した後、加熱により架橋反応させることによって得ることができる。なお、塗料を焼き付ける際の焼付温度は、150〜285℃程度とするのが好ましい。
次に、プレコートアルミニウム板材の製造方法の一例について、適宜、図1を参照して説明する。
プレコートアルミニウム板材10の製造方法については、特に制限されるものではなく、ベース樹脂の元となる樹脂および硬化剤を含む塗料を、従来公知の方法にてアルミニウム板の上に塗布した後、加熱により架橋反応させることによって得ることができる。なお、塗料を焼き付ける際の焼付温度は、150〜285℃程度とするのが好ましい。
ここで塗料の塗布は、はけ、ロールコータ、カーテンフローコータ、ローラーカーテンコータ、静電塗装機、ブレードコータ、ダイコータ等、いずれの手段で行ってもよいが、特に、塗布量が均一となると共に、作業が簡便なロールコータを使用するのが好ましい。ロールコータで塗布する場合、樹脂系皮膜3Aの膜厚の制御は、アルミニウム板材20の搬送速度、ロールの回転方向と回転速度、ロール間の押し付け圧(ニップ圧)等を適宜調整することによって行うことができる。
プレコートアルミニウム板材10を用いてヒートシンク1を製造する場合は、プレコートアルミニウム板材10を従来公知の方法により曲げ加工等の成形加工を行い、ヒートシンク1の形状とすればよい。
次に、本発明について、本発明の要件を満たす実施例と、本発明の要件を満たさない比較例と、を対比させて具体的に説明する。
本実施例では、熱伝導率と板厚の異なるアルミニウム合金板を折り曲げ加工して作成した模擬車載LED照明用ヒートシンクを製作し、放熱性能を確認するための「連続点灯試験」を実施した。
本実施例では、熱伝導率と板厚の異なるアルミニウム合金板を折り曲げ加工して作成した模擬車載LED照明用ヒートシンクを製作し、放熱性能を確認するための「連続点灯試験」を実施した。
表1に示す組成のアルミニウム合金を、溶解、鋳造して鋳塊とし、この鋳塊に面削を施した後に、480℃で均質化熱処理を施した。この均質化した鋳塊に、熱間圧延、さらに冷間圧延、焼鈍処理を施して、板厚1.0mmの圧延板とした。冷間圧延での圧延率は75%、焼鈍処理は240℃、4時間とした。但し、表2に示すNo.25の実施例だけは、焼鈍処理を360℃、4時間とした。以下に説明するように、この圧延板の表面に塗膜を形成し、供試材とした。具体的には以下のとおりである。
まず、市販されている10WのLED照明ユニットを購入して解体し、ダイキャスト製ヒートシンクを取り出して、ベンチマーク用ヒートシンクとした。次に、このベンチマーク用ヒートシンクの形状を模擬し、アルミニウム合金板から製作した実施例および比較例となるヒートシンクを製作した。形状を模擬するに当たり、特に注意したのはLED素子取り付け部と、LED照明ユニットに組み立てなおす際に必要となる接合部の形状だけは忠実に再現することである。その理由は、解体する前の照明ユニットに組み込めない形状では実用性に欠けるためである。また生産性を考慮し、一枚の板から製作できる形状とした。
実施例および比較例となるヒートシンクは、以下のようにして作成した。まず、各種板厚および熱伝導率を有するアルミニウム合金からなる圧延板の表面を、弱アルカリ脱脂後にリン酸クロメート処理を施した。次に、まず片側の面に、加熱後に実施例の表2に記載された成分となる塗料を、狙いの厚みとなるようにバーコーターで塗布した。その後、架橋反応が促進しない程度の100℃で60秒間仮乾燥を行った。次に、反対面に最初の面と同一成分の塗料を同一のバーコーターで塗布した。その後、焼付温度を素材到達温度230℃、炉中保持時間60秒にて加熱することによって、プレコートアルミニウム板を作製した。そして、このプレコートアルミニウム板を寸法30cm×30cmとし、これを折り曲げ加工して、上記ダイキャスト製のヒートシンクとほぼ同等の形状になるようにしたものを試験材のヒートシンクとして用いた(試験No.1〜24)。LED素子の基板とヒートシンクとの取り付けに際しては、M3のボルト、ナットを用いて結合した。また、LED素子の基板とヒートシンクの接合面には、接触度合を高めるために、市販のシリコングリースを塗布した。
表面粗さの調整は、粒径の異なる骨材を添加量を調整しながら添加する方法にて実施した。骨材については架橋アクリルビーズを用いたが、他の樹脂や無機質のものでも良い。
また、実施例および比較例のうち、陽極酸化処理したものについては、何も表面処理していないアルミニウム板をまず研磨あるいはショットブラストにて表面粗さ調整した後、所定の形状に折り曲げ加工した後、硫酸陽極酸化処理を施した。硫酸は15%、電圧と電流密度、通電時間は所定の皮膜厚さが得られる条件に適宜設定した。特に黒色陽極酸化については黒色染料にて染色した後、封孔処理を行なっている。
また、実施例および比較例のうち、陽極酸化処理したものについては、何も表面処理していないアルミニウム板をまず研磨あるいはショットブラストにて表面粗さ調整した後、所定の形状に折り曲げ加工した後、硫酸陽極酸化処理を施した。硫酸は15%、電圧と電流密度、通電時間は所定の皮膜厚さが得られる条件に適宜設定した。特に黒色陽極酸化については黒色染料にて染色した後、封孔処理を行なっている。
[熱伝導率]
アルミニウム板材の熱伝導率は、レーザーフラッシュ法によって測定した。
アルミニウム板材の熱伝導率は、レーザーフラッシュ法によって測定した。
[算術平均粗さRa]
皮膜の表面の算術平均粗さ(Ra)の測定は、表面粗さ測定器(小坂研究所社製サーフコーダSE−30D)を使用して行った。探針を供試材に対し、圧延方向に直交する方向に走査して、JISB0601に記載の算術平均粗さ(Ra)を測定することにより行なった。算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上3μm以下μm以下のときを○、0.5μm未満または3μmを超えるμmを超えるときは×と判定した。
皮膜の表面の算術平均粗さ(Ra)の測定は、表面粗さ測定器(小坂研究所社製サーフコーダSE−30D)を使用して行った。探針を供試材に対し、圧延方向に直交する方向に走査して、JISB0601に記載の算術平均粗さ(Ra)を測定することにより行なった。算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上3μm以下μm以下のときを○、0.5μm未満または3μmを超えるμmを超えるときは×と判定した。
[皮膜の膜厚]
皮膜の膜厚は、渦電流膜厚計イソスコープ(ISOSCOPE:登録商標)を用いて測定した。
皮膜の膜厚は、渦電流膜厚計イソスコープ(ISOSCOPE:登録商標)を用いて測定した。
[積分放射率]
波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率の放射率は、京都電子工業社製放射率系D&S AERD装置を使用して25℃の温度条件下で測定した。なお、この簡易放射率計の測定波長領域は3〜30μmとなっているため、表示される数値が本発明で定義している積分放射率となる。
波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃の温度において0.80以上であるものを良好、0.80未満であるものを不良と判定した。
波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率の放射率は、京都電子工業社製放射率系D&S AERD装置を使用して25℃の温度条件下で測定した。なお、この簡易放射率計の測定波長領域は3〜30μmとなっているため、表示される数値が本発明で定義している積分放射率となる。
波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃の温度において0.80以上であるものを良好、0.80未満であるものを不良と判定した。
[放熱性:連続点灯試験]
車載LED照明は世界中の多様な環境での使用が想定されるが、実際に照明が用いられるのは夜間に限られる。この様な条件では熱帯地方での夜間が一番過酷な放熱性を求められると考えられる。そこでこの様な環境を想定し、35℃環境下にて連続点灯試験を行なった。
ベンチマーク、実施例および比較例の各ヒートシンクに、10WのLED素子を取り付けて発光させ、温度が定常状態に到達した際のLED素子直下のヒートシンク温度を測定した。この際ベンチマークの温度と同等以下の温度であった場合を放熱性が良好とし、ベンチマークの温度より高温に到達した場合を放熱性が不良(×)と判定した。放熱性が良好なものの内、ベンチマークの温度より1℃以上低下したものを○とし、ベンチマークの温度より1℃未満で低下したものを△とした。そして本発明では放熱性が○のものを実施例、△または×のものは比較例に相当すると認定した。
車載LED照明は世界中の多様な環境での使用が想定されるが、実際に照明が用いられるのは夜間に限られる。この様な条件では熱帯地方での夜間が一番過酷な放熱性を求められると考えられる。そこでこの様な環境を想定し、35℃環境下にて連続点灯試験を行なった。
ベンチマーク、実施例および比較例の各ヒートシンクに、10WのLED素子を取り付けて発光させ、温度が定常状態に到達した際のLED素子直下のヒートシンク温度を測定した。この際ベンチマークの温度と同等以下の温度であった場合を放熱性が良好とし、ベンチマークの温度より高温に到達した場合を放熱性が不良(×)と判定した。放熱性が良好なものの内、ベンチマークの温度より1℃以上低下したものを○とし、ベンチマークの温度より1℃未満で低下したものを△とした。そして本発明では放熱性が○のものを実施例、△または×のものは比較例に相当すると認定した。
[軽量化]
今回、ベンチマークとなるダイキャストヒートシンクを板化するにあたり、性能とは別に軽量化目標をベンチマークの50%とした。そこで試作した実施例または比較例のヒートシンクの重量がベンチマークの50%以下の場合は軽量である(○)、50%を超える場合には特に軽量というものではないが使用に際しては問題ない(△)とした。
これらの結果を表2に示す。なお、表2中における下線部は、本発明の要件または効果を有していないことを示す。
今回、ベンチマークとなるダイキャストヒートシンクを板化するにあたり、性能とは別に軽量化目標をベンチマークの50%とした。そこで試作した実施例または比較例のヒートシンクの重量がベンチマークの50%以下の場合は軽量である(○)、50%を超える場合には特に軽量というものではないが使用に際しては問題ない(△)とした。
これらの結果を表2に示す。なお、表2中における下線部は、本発明の要件または効果を有していないことを示す。
[外観]
付加的な評価として、折り曲げ加工した加工部の外観について評価した。加工部の外観は、目視で判定した。外観が平滑で良好なものを○、外観が凹凸が多いものを△とした。
付加的な評価として、折り曲げ加工した加工部の外観について評価した。加工部の外観は、目視で判定した。外観が平滑で良好なものを○、外観が凹凸が多いものを△とした。
表2に示すように、試験No.2、3、5、6、10、14、16〜20、25は、本発明の構成を満たすものであり、放熱性において良好な性能を示すものであった。但し、試験No.25は、板材の結晶組織が等軸状であり、加工部の外観において、ファイバー状の結晶組織の板材に比べて、やや劣っていた。一方、試験No.1、4、7〜9、11〜13、15、21〜24は、本発明の構成を満たさないものであり、以下のような結果となった。
試験No.1は、熱伝導率が下限値未満であるため、放熱性が劣っていた。
試験No.4は、熱伝導率が下限値未満であるため、放熱性が劣っていた。
試験No.7と9は、皮膜が白色であるため、皮膜の赤外線領域における積分放射率が0.80未満となり、放熱性に劣るものであった。
試験No.8と21は、皮膜の膜厚が15μmを超えるものであり、放熱性にやや劣るものであった。
試験No.11は、皮膜の表面の算術平均粗さが0.5μm未満のものであり、放熱性にやや劣るものであった。
試験No.12は、皮膜の表面の算術平均粗さが3μmを超えるものであり、放熱性にやや劣るものであった。
試験No.13は、皮膜の赤外線領域における積分放射率が0.80未満のものであり、放熱性に劣るものであった。
試験No.15は、試験No.12と同様に、皮膜の表面の算術平均粗さが3μmを超えるものであり、放熱性にやや劣るものであった。
試験No.22は、皮膜の膜厚が15μmをはるかに超えるものであり、放熱性に劣るものであった。
試験No.23は、皮膜が無色であるため、皮膜の赤外線領域における積分放射率が0.80未満となり、放熱性に劣るものであった。
試験No.24は、皮膜が白色であるため、皮膜の赤外線領域における積分放射率が0.80未満となり、また皮膜がポリエステル樹脂単独からなるものであり、皮膜の耐熱性に劣り、放熱性の試験中に皮膜は溶融してしまった。
試験No.4は、熱伝導率が下限値未満であるため、放熱性が劣っていた。
試験No.7と9は、皮膜が白色であるため、皮膜の赤外線領域における積分放射率が0.80未満となり、放熱性に劣るものであった。
試験No.8と21は、皮膜の膜厚が15μmを超えるものであり、放熱性にやや劣るものであった。
試験No.11は、皮膜の表面の算術平均粗さが0.5μm未満のものであり、放熱性にやや劣るものであった。
試験No.12は、皮膜の表面の算術平均粗さが3μmを超えるものであり、放熱性にやや劣るものであった。
試験No.13は、皮膜の赤外線領域における積分放射率が0.80未満のものであり、放熱性に劣るものであった。
試験No.15は、試験No.12と同様に、皮膜の表面の算術平均粗さが3μmを超えるものであり、放熱性にやや劣るものであった。
試験No.22は、皮膜の膜厚が15μmをはるかに超えるものであり、放熱性に劣るものであった。
試験No.23は、皮膜が無色であるため、皮膜の赤外線領域における積分放射率が0.80未満となり、放熱性に劣るものであった。
試験No.24は、皮膜が白色であるため、皮膜の赤外線領域における積分放射率が0.80未満となり、また皮膜がポリエステル樹脂単独からなるものであり、皮膜の耐熱性に劣り、放熱性の試験中に皮膜は溶融してしまった。
なお、特許文献1〜4に記載のLEDヒートシンクはいずれもフィンを有する形状が必須もしくは推奨される発明となっており、これらの形状をアルミニウムで実現させるには、ダイキャスト法で行なうしかなく、本発明でのベンチマークヒートシンクに相当する。ダイキャスト法に使用される鋳物用合金は基本的に熱伝導率が低く、軽量化も困難となるため、本発明を満足しない。またいずれのヒートシンクも本発明の特徴である表面については記載されていない。本実施例で示すように、この従来のアルミニウム板材は、前記の評価において一定の水準を満たさないものである。従って、本実施例によって、本発明に係るアルミニウム板材が従来のアルミニウム板材と比較して、優れていることが客観的に明らかとなった。
以上、本発明について実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて改変・変更等することができることはいうまでもない。
1 車載LED照明用ヒートシンク
2 ヒートシンク成形体
3 皮膜
3A 樹脂系皮膜
4 LED素子
10 プレコートアルミニウム板材
20 アルミニウム板材
100 車載LED照明
2 ヒートシンク成形体
3 皮膜
3A 樹脂系皮膜
4 LED素子
10 プレコートアルミニウム板材
20 アルミニウム板材
100 車載LED照明
Claims (4)
- 車載LED照明用ヒートシンクに用いられ、アルミニウム板材と樹脂系皮膜を有するプレコートアルミニウム板材であって、
前記アルミニウム板材は、熱伝導率が150W/m・K以上であり、
前記樹脂系皮膜は、熱硬化性樹脂と、黒色顔料成分と、骨材を含み、
前記樹脂系皮膜の膜厚は、5〜15μmであり、
前記樹脂系皮膜の表面の算術平均粗さRaが、1〜3μmであり、
前記樹脂系皮膜は、波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃において0.80以上であることを特徴とするプレコートアルミニウム板材。 - 前記アルミニウム板材の結晶組織は、ファイバー状であることを特徴とする請求項1に記載のプレコートアルミニウム板材。
- アルミニウム展伸材が成形されてなるヒートシンク成形体と、前記ヒートシンク成形体の表面に形成された黒色の皮膜と、を備える車載LED照明用ヒートシンクであって、
前記アルミニウム展伸材の熱伝導率は、150W/m・K以上であり、
前記皮膜の膜厚は、5〜15μmであり、
前記皮膜の表面の算術平均粗さRaが、0.5〜3μmであり、
前記皮膜は、波長が3〜30μmの赤外線領域における積分放射率が25℃において0.80以上であることを特徴とする車載LED照明用ヒートシンク。 - 前記皮膜は、熱硬化性樹脂と、黒色顔料成分と、骨材を含む樹脂系皮膜であり、
前記皮膜の表面の算術平均粗さRaが、1〜3μmであることを特徴とする請求項3に記載の車載LED照明用ヒートシンク。
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