JP2018148053A - 放熱シート - Google Patents
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Abstract
Description
従来、電子部品と放熱部材は、熱伝導性に優れた放熱シートを介在させて積層され、ネジ止め等によって積層方向に圧力を付与した状態で固定されている。放熱シートとしては、三次元網目構造の金属骨格およびこの金属骨格の間に形成された気孔を有する多孔質金属シートと、多孔質金属シートの気孔に充填されている弾性体とを含む放熱シートが使用されている。
しかしながら、特許文献1に開示されているように、気孔率が高く、細孔サイズが大きい多孔質金属シートは、気孔に弾性体を充填させにくく、また弾性体を充填させた後のシートは、発熱体や放熱部材に対して密着させにくいことがあった。
この場合は、気孔内に弾性体を均一に充填することができ、放熱シートの組成の均一性が高くなるので、放熱シートの表面粗さRaを確実に低くすることができ、これにより発熱体や放熱部材に対する密着性をより向上させることができる。
この場合は、熱伝導性がより高く、また発熱体や放熱部材の表面形状に合せて、形状を変形させることがより容易となる。
この場合は、発熱体や放熱部材の表面形状に合せて、形状を変形させることがさらに容易となる。
乾燥後の気泡含有粘性組成物の塗布膜を、ポリエチレンシートから剥がし、所望の形状に切り出し、焼結前成形体が得られる。
<多孔質アルニウムシート(発泡アルミニウムシート)の作製>
まず、平均粒子径4μmのアルミニウム粉末(不純物として、Fe:0.15質量%、Si:0.05質量%およびNi:0.01質量%を含む)と、平均粒子径9.1μmの水素化チタン粉末を用意した。このアルミニウム粉末と水素化チタン粉末を質量比で99:1となる割合で、合計で500gとなるように混合してアルミニウム混合原料粉末を調製した。
また、メチルセルロースを0.1質量部、エチルセルロースを2.9質量部、グリセリンを3質量部、ポリエチレングリコールを3質量部、そして水を91質量部の割合で、合計500gとなるように混合してバインダー溶液を調製した。
上記方法で作製した多孔質アルニウムシートに、液状シリコーンゴム(信越化学工業株式会社製:KE−1830)を塗布し、次いで、真空脱泡に1時間かけて、多孔質アルニウムシートの気孔に液状シリコーンゴムを充填した。次に、液状シリコーンゴムを充填した多孔質アルニウムシートを、二枚の離形フィルムの間に、多孔質アルミニウムシートと同じ厚さのスペーサーと共に挟み、0.5MPaの力でプレスした。その後、マッフル炉にて120℃で1時間加熱して、液状シリコーンゴムを硬化させ、多孔質アルニウムシートにシリコーンゴムを充填した放熱シートを作製した。
本発明例1〜12で用いた液状シリコーンゴムに変えて、二液型液状シリコーンゲル(信越化学工業株式会社製:KE−1013)を用いた。上記方法で作製した多孔質アルニウムシートに、二液を混合した液状シリコーンゲルを塗布し、次いで、真空脱泡に0.1時間かけて、多孔質アルニウムシートの気孔に液状シリコーンゲルを充填した。続いて液状シリコーンゲルを充填した多孔質アルニウムシートを、二枚の離形フィルムの間に、多孔質アルミニウムシートと同じ厚さのスペーサーと共に挟み、0.5MPaの力でプレスした。その後、マッフル炉にて120℃で1時間加熱して、液状シリコーンゲルを硬化させて、多孔質アルニウムシートにシリコーンゲルを充填した放熱シートを作製した。
本発明例1〜12で用いた液状シリコーンゴムに変えて、液状フッ素ゴム(ダイキン工業株式会社製:DPA−382)を用いた。上記方法で作製した多孔質アルニウムシートに、液状フッ素ゴムを塗布し、次いで、真空脱泡に1時間かけて、多孔質アルニウムシートの気孔に液状フッ素ゴムを充填した。次に、80℃で30分乾燥を行った。続いて液状フッ素ゴムを充填した多孔質アルニウムシートを、二枚の離形フィルムの間に、多孔質アルミニウムシートと同じ厚さのスペーサーと共に挟み、0.5MPaの力でプレスした。その後、マッフル炉にて120℃で1時間加熱して、液状フッ素ゴムを硬化させて多孔質アルニウムシートにフッ素ゴムを充填した放熱シートを作製した。
本発明例1〜12で用いた液状シリコーンゴムに変わり、液状シリコーンゴム(信越化学:KE−1830)と液状シリコーンゲル(信越化学製:KE−1013)を1:1の重量比で混合したものを用いた。上記方法で作製した多孔質アルニウムシートに、液状シリコーンゴムと二液を混合した液状シリコーンゲルを1:1の重量比で混合したものを塗布し、次いで、真空脱泡に0.1時間かけて、多孔質アルニウムシートの気孔に混合物を充填した。続いて混合物を充填した多孔質アルニウムシートを、二枚の離形フィルムの間に、多孔質アルミニウムシートと同じ厚さのスペーサーと共に挟み、0.5MPaの力でプレスした。その後、マッフル炉にて120℃で1時間加熱して、多孔質アルニウムシートに、シリコーンゴムとシリコーンゲルの混合物を充填した放熱シートを作製した。
本発明例1〜15および比較例1、2で作製した多孔質アルニウムシートの気孔率と平均孔径、および放熱シートの表面粗さRa、シート硬さ、熱伝導度、熱抵抗を、下記の方法により測定した。その結果を、多孔質アルニウムシートの厚さとともに表2に示す。
多孔質アルニウムシートを5cm角のサイズで切り出し、切り出した多孔質アルミニウムシートの質量M(g)と、体積V(cm3)、真密度D(g/cm3)を測定した。気孔率は、下記の計算式にて算出した。真密度は気相置換法(マイクロメトリクス社製 アキュピックII 1340)により測定した。
気孔率(%)=[1−{M÷(V×D)}]×100
多孔質アルミニウムシートを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。図2に本発明例1で作製した多孔質アルミニウムシートのSEM写真を示す。SEMにて観察された気孔の長径を孔径として、1試料につき50か所測定した。なお、40μm以上の長径を持つ気孔のみを測定対象とした。測定した孔径の算術平均値を算出し、これを平均孔径とした。
表面粗さRaは、Bruker Nano社製Dektak150を用いて測定した。測定は1mmスキャンによって行い、荷重は5.00mg、スキャンスピードは1mm/30sとした。
放熱シートを重ねて、5mm厚の試料を作製した。作製した5mm厚の試料に対して、JIS−K−6253に準じて、タイプAのデュロメーター(テフロック、GS−719N)を用いて硬さを5点測定した。測定した硬さの算術平均値を算出し、これをシート硬さとした。
熱伝導度は、放熱シートの垂直方向の熱拡散率から算出した。放熱シートの垂直(厚み)方向の熱拡散率は、NETZSCH−GeratebauGmbH製のLFA477 Nanoflash を用いたレーザーフラッシュ法で測定した。放熱シートの熱伝導度の計算には、多孔質アルニウムシートの密度と比熱、およびシリコーン樹脂の密度と比熱から体積分率に基づいて計算した値を用いた。
放熱シートを銅板(50mm×60mm、厚さ3mm)の上に貼り付けた。この放熱シートを貼り付けた銅板の放熱シートと発熱体パッケージとをトルク40Ncmの力でねじ留めした上で、T3Star装置を用いて、放熱シートの熱抵抗を測定した。発熱体パッケージはTO−3Pを用いた。発熱:1A、30sec(素子温度:ΔT=2.6℃)、測定:0.01A、測定時間:45secの条件で測定を行った。
11a、11b 表面
12 金属骨格
13 気孔
14 多孔質金属シート
15 弾性体
Claims (4)
- 三次元網目構造の金属骨格およびこの金属骨格の間に形成された気孔を有する多孔質金属シートと、前記気孔に充填されている弾性体とを含む放熱シートであって、
少なくとも一方の表面は、表面粗さRaが3μm以下であり、前記多孔質金属シートの気孔率が65%以上99%以下であって、前記弾性体がシリコーンゴム、シリコーンゲル、フッ素ゴムのいずれかもしくはこれらの混合物からなることを特徴とする放熱シート。 - 前記多孔質金属シートの気孔率が70%以上99%以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の放熱シート。
- 前記多孔質金属シートの気孔の平均孔径が50μm以上100μm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の放熱シート。
- 厚みが150μm以上500μm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の放熱シート。
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