JP2018148053A - 放熱シート - Google Patents

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史朗 石川
和彦 山▲崎▼
Kazuhiko Yamasaki
和彦 山▲崎▼
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信一 大森
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Abstract

【課題】発熱体や放熱部材に対する密着性が高く、熱伝導性が高い放熱シートを提供する。【解決手段】三次元網目構造の金属骨格およびこの金属骨格の間に形成された気孔を有する多孔質金属シートと、前記気孔に充填されている弾性体とを含む放熱シートであって、少なくとも一方の表面は、表面粗さRaが3μm以下であり、前記多孔質金属シートの気孔率が65%以上99%以下であって、前記弾性体がシリコーンゴム、シリコーンゲル、フッ素ゴムのいずれかもしくはこれらの混合物からなることを特徴とする放熱シート。【選択図】図1

Description

本発明は、放熱シートに関する。
一般に、CPUやパワートランジスタなどの電子部品(発熱体)においては、発生した熱を放散するためにヒートシンクなどの放熱部材(放熱体)が配設される。
従来、電子部品と放熱部材は、熱伝導性に優れた放熱シートを介在させて積層され、ネジ止め等によって積層方向に圧力を付与した状態で固定されている。放熱シートとしては、三次元網目構造の金属骨格およびこの金属骨格の間に形成された気孔を有する多孔質金属シートと、多孔質金属シートの気孔に充填されている弾性体とを含む放熱シートが使用されている。
放熱シートとしては、多数の気孔を有する多孔質金属シートの気孔に弾性体を充填した放熱シートが知られている。多孔質金属シートとしては、発泡金属シートのような三次元網目構造の金属骨格およびこの金属骨格の間に形成された気孔を有するシートが使用されている。弾性体としては、シリコーン樹脂、シリコーンゴムなど有機化合物が使用されている。
特許文献1には、多孔質金属シートとして、気孔率(多孔率)が90.0%〜98.0%の範囲内で、細孔サイズが90PPI〜120PPIである発泡銅シートを用いることが開示されている。また、この特許文献1には、多孔質金属シート(発泡銅シート)の表面を、弾性体である可撓性有機化合物で被覆することが記載されている。
特許文献2には、多孔質金属シート(可塑性多孔質金属層)として、気孔率10〜60%のCu,Al又はAgの多孔質焼結体を用いることが開示されている。
特表2014−534645号公報 特開平9−162336号公報
放熱シートは、発熱体にて発生した熱を放熱部材に効率よく伝達できるように発熱体や放熱部材に対して密着し易いこと、熱伝導性が高いことが必要となる。
しかしながら、特許文献1に開示されているように、気孔率が高く、細孔サイズが大きい多孔質金属シートは、気孔に弾性体を充填させにくく、また弾性体を充填させた後のシートは、発熱体や放熱部材に対して密着させにくいことがあった。
また、特許文献2に開示されている多孔質焼結体を用いた放熱シートは、気孔率が40〜60%の範囲と低く、金属の含有量が相対的に多いため、硬度が高く、変形しにくい。このため、発熱体や放熱部材に対する密着性が十分ではない場合があった。
本発明は、以上の課題を鑑みてなされたもので、発熱体や放熱部材に対する密着性が高く、熱伝導性が高い放熱シートを提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明者は放熱シートの表面粗さに着目して検討した。その結果、気孔率が65%以上99%以下の範囲にある多孔質金属シートの気孔に、弾性体としてシリコーンゴム、シリコーンゲル、フッ素ゴムのいずれかもしくはこれらの混合物を充填した放熱シートにおいては、表面粗さRaを3μm以下とすると、発熱体や放熱部材に対する密着性が向上し、熱伝導性が顕著に向上することを見出した。
従って、本発明の放熱シートは、三次元網目構造の金属骨格およびこの金属骨格の間に形成された気孔を有する多孔質金属シートと、前記気孔に充填されている弾性体とを含む放熱シートであって、少なくとも一方の表面は、表面粗さRaが3μm以下であり、前記多孔質金属シートの気孔率が65%以上99%以下であって、前記弾性体がシリコーンゴム、シリコーンゲル、フッ素ゴムのいずれかもしくはこれらの混合物からなることを特徴としている。
この構成の放熱シートによれば、少なくとも一方の表面は、表面粗さRaが3μm以下と低いので、発熱体や放熱部材と接触させたときに隙間が形成されにくく、密着性が高くなる。また、多孔質金属シートの気孔率が65%以上99%以下とされているので、熱伝導性が高く、また発熱体や放熱部材の表面形状に合せて、形状を変形させることが容易で密着性が高くなる。さらに、前記弾性体がシリコーンゴム、シリコーンゲル、フッ素ゴムのいずれかもしくはこれらの混合物からなるので、表面が平坦になり易く、また発熱体や放熱部材の表面形状に合せて、形状を変形させることが容易で密着性が高くなる。
ここで、本発明の放熱シートにおいては、前記多孔質金属シートの気孔の平均孔径が50μm以上100μm以下の範囲にあることが好ましい。
この場合は、気孔内に弾性体を均一に充填することができ、放熱シートの組成の均一性が高くなるので、放熱シートの表面粗さRaを確実に低くすることができ、これにより発熱体や放熱部材に対する密着性をより向上させることができる。
また、本発明の放熱シートにおいては、前記多孔質金属シートの気孔率が70%以上99%以下の範囲にあることが好ましい。
この場合は、熱伝導性がより高く、また発熱体や放熱部材の表面形状に合せて、形状を変形させることがより容易となる。
さらに、本発明の放熱シートにおいては、厚みが150μm以上500μm以下の範囲にあることが好ましい。
この場合は、発熱体や放熱部材の表面形状に合せて、形状を変形させることがさらに容易となる。
本発明によれば、発熱体や放熱部材に対する密着性が高く、熱伝導性が高い放熱シートを提供することが可能性となる。
本発明の実施形態に係る放熱シートの側面図である。 本発明例1で作製した多孔質アルミニウムシートのSEM写真である。
以下に、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る放熱シートの側面図である。図1において、放熱シート10は、三次元網目構造の金属骨格12および金属骨格12の間に形成された気孔13を有する多孔質金属シート14と、気孔13に充填されている弾性体15とを含む。
本実施形態の放熱シート10では、表面11a、11bの少なくとも一方は、表面粗さRaが3μm以下とされている。表面粗さRaが3μmを超えると、放熱シート10の表面の凹凸が大きくなってしまい、放熱シート10と発熱体や放熱部材とを接触させたときに隙間が形成されて、発熱体および放熱部材に対する密着性が低下し、その間の熱伝導性が低下するおそれがある。発熱体や放熱部材に対する密着性を確実に向上させるためには、表面粗さRaは2.5μm以下であることが好ましく、0.5μm以上2.5μm以下の範囲にあることが好ましい。また、表面11a、11bの両面の表面粗さRaが3μm以下とされていることが好ましい。
また、本実施形態の放熱シート10では、多孔質金属シート14の気孔率は65%以上99%以下とされている。気孔率が65%未満となると、金属の含有量が相対的に多くなるため、硬度が高く、変形しにくくなり、放熱シート10と発熱体および放熱部材とを接触させたときに、発熱体および放熱部材の表面形状に対する形状追従性が低く、隙間が形成されるおそれがある。放熱シート10の形状追従性を確実に向上させるためには、多孔質金属シート14の気孔率は70%以上99%以下の範囲にあることが好ましい。
多孔質金属シート14内の気孔13は、平均孔径が50μm以上100μm以下の範囲にあることが好ましい。平均孔径が小さくなりすぎると、気孔率が高い多孔質金属シートの製造が難しくなるおそれがある。一方、平均孔径が大きくなりすぎると、気孔内に弾性体を均一に充填させにくく、放熱シート10の組成の均一性が低くなり、放熱シートの表面粗さRaが大きくなるおそれがある。
多孔質金属シート14は、アルミニウムを80質量%以上含むことが好ましい。アルミニウムは、表面に化学的に安定な酸化皮膜が形成され易く、200℃の温度でも酸化しにくいので、放熱シートの優れた熱伝導性を、さらに長期間にわたって維持することができる。
本実施形態の放熱シート10において、弾性体15は、シリコーンゴム、シリコーンゲル、フッ素ゴムのいずれかもしくはこれらの混合物とされている。
本実施形態の放熱シート10は、厚みが150μm以上500μm以下の範囲にあることが好ましい。厚みが薄くなりすぎると、形状追従性が低下して、放熱シートと銅板および発熱体パッケージとの密着性が低下するおそれがある。一方、厚みが厚くなりすぎると、バルク熱抵抗が大きくなり、放熱シート全体の熱抵抗が大きくなるおそれがある。
本実施形態の放熱シート10は、例えば、多孔質金属シート14に弾性体15を充填することによって製造することができる。弾性体15がシリコーンゴムあるいはフッ素ゴムである場合は、未架橋の液状ゴムを、多孔質金属シート14の気孔13に充填した後、未架橋の液状ゴムを架橋させることによって製造することができる。弾性体15がシリコーンゲルである場合は、流動性のシリコーンゲルを、多孔質金属シート14の気孔13に充填した後、シリコーンゲルを硬化させることによって製造することができる。弾性体15がシリコーンゴムおよびフッ素ゴムである場合は、未架橋の液状ゴムを、多孔質金属シート14の気孔13に充填した後、未架橋の液状ゴムを架橋させることによって製造することができる。放熱シート10の表面粗さRaは、多孔質金属シート14の平均孔径や気孔率によって調整することができる。
多孔質金属シート14としては、アルミニウムを主成分とする発泡アルミニウムシートを用いることができる。発泡アルミニウムシートは、例えば、アルミニウム粉末と焼結助剤粉末とを混合してアルミニウム混合原料粉末を調製するアルミニウム混合原料粉末調製工程、アルミニウム混合原料粉末とバインダー溶液とを混合して粘性組成物を調製する粘性組成物調製工程、粘性組成物に炭素数5〜8の炭化水素系有機溶剤を加えて発泡させて気泡含有粘性組成物を得る気泡含有粘性組成物生成工程、気泡含有粘性組成物を所望の形状に成形した後、乾燥させて焼結前成形体を得る焼結前工程、そして焼結前成形体を非酸化性雰囲気にて加熱焼成して、アルミニウム粉末を焼結させる焼結工程を含む方法によって作製することができる。
アルミニウム混合原料粉末調製工程において、アルミニウム粉末としては、平均粒子径が2μm以上200μm以下の範囲内、好ましくは2μm以上40μm以下の範囲内、特に好ましくは2μm以上5μm以下の範囲内のものを用いることができる。焼結助剤粉末としては、チタンおよび/または水素化チタンの粉末を用いることができる。焼結助剤粉末は、平均粒子径が1μm以上30μm以下の範囲内、好ましくは4μm以上20μm以下の範囲内のものを用いることができる。アルミニウム粉末の平均粒子径は、焼結助剤粉末の平均粒子径よりも小さいこと、特に1/2以下であることが好ましい。この場合、焼結助剤粉末の表面に微細なアルミニウム粉末が付着したアルミニウム混合原料粉末が調製されるので、緻密なアルミニウム骨格の発泡アルミニウムシートを得ることができる。
粘性組成物調製工程において、バインダー溶液は、水溶性バインダー樹脂と可塑剤とが水に溶解した水溶液であることが好ましい。水溶性バインダー樹脂としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよびエチルセルロースの少なくともいずれか一種以上を用いることができる。可塑剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびフタル酸ジ−n−ブチルの少なくともいずれか一種以上を用いることができる。
気泡含有粘性組成物生成工程において、炭化水素系有機溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンの少なくともいずれか一種以上を用いることができる。
焼結前工程において、気泡含有粘性組成物を所望の形状に成形する方法としては、例えば、帯状のポリエチレンシートの剥離剤塗布面に、気泡含有粘性組成物をドクターブレード法、スラリー押出し法またはスクリーン印刷法等で塗布して塗布膜を形成する方法を用いることができる。気泡含有粘性組成物の単位面積当たりの塗布量は、0.002g/cm以上0.040g/cm以下の範囲内にあることが好ましい。また、気泡含有粘性組成物の塗布膜の厚さは100μm以上1mm以下の範囲にあることが好ましい。
気泡含有粘性組成物の塗布膜は、温度および湿度を調整した環境中で保持して、気泡を整寸化した後、乾燥させることが好ましい。気泡の整寸化を、例えば、温度35℃、湿度95%RHに調整された環境中で保持することによって行う場合は、保持時間を5分以上15分以下の範囲内とすることが好ましい。保持時間が短くなりすぎると、気泡含有粘性組成物塗布膜内の気泡のサイズが小さくなり、最終的に得られる発泡アルミニウムシートの気孔のサイズが小さくなりすぎるおそれがある。一方、保持時間が長くなりすぎると、気泡含有粘性組成物塗布膜内の気泡のサイズが大きくなり、最終的に得られる発泡アルミニウムシートの気孔のサイズが大きくなりすぎるおそれがある。
気泡含有粘性組成物の塗布膜は、大気乾燥機にて温度70℃で乾燥させることが好ましい。
乾燥後の気泡含有粘性組成物の塗布膜を、ポリエチレンシートから剥がし、所望の形状に切り出し、焼結前成形体が得られる。
焼結工程では、上記焼結前成形体を、ジルコニア等の敷粉を敷いたアルミナセッターなどの耐熱容器の上に載置して、非酸化性雰囲気中にて焼成する。非酸化性雰囲気とは、不活性雰囲気または還元性雰囲気を含み、アルミニウム混合原料粉末を酸化させない雰囲気であることを意味する。非酸化性雰囲気は、例えば、露点が−20℃以下のアルゴン雰囲気中とすることができる。
焼結工程では、先ず、上記焼結前成形体を、仮焼成して、焼結前成形体のバインダー溶液成分を揮発および/または分解させるともに、焼結助剤粉末として水素化チタンを用いた場合には脱水素化させることが好ましい。仮焼成は520℃の温度で行うことが好ましい。
次に、仮焼成した焼結前成形体を、本焼成して、アルミニウム粉末を焼結させることによって、発泡アルミニウムシートを得る。本焼成の焼成温度(T)は、アルミニウム混合原料粉末が融解を開始する温度をTm(℃)として、Tm−10(℃)≦焼成温度(T)≦685(℃)を満足する温度とすることが好ましい。
以上のような構成とされた本実施形態に係る放熱シート10によれば、表面11a、11bの少なくとも一方は、表面粗さRaが3μm以下とされているので、表面粗さRaが3μm以下とされた表面11a、11bは、発熱体や放熱部材と接触させたときに隙間が形成されにくく、密着性が高くなる。また、多孔質金属シート14の気孔率は65%以上99%以下とされているので熱伝導性が高くなり、また発熱体や放熱部材の表面形状に合せて、形状を変形させることが容易で密着性が高くなる。さらに弾性体15は、シリコーンゴム、シリコーンゲル、フッ素ゴムのいずれかもしくはこれらの混合物とされている。弾性体15がシリコーンゴム、シリコーンゲル、フッ素ゴムのいずれかもしくはこれらの混合物からなるので、表面が平坦になり易く、また発熱体や放熱部材の表面形状に合せて、形状を変形させることが容易で密着性が高くなる。
以上、この発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、本実施形態では、多孔質金属シート14として、アルミニウムを80質量%以上含むものを用いた例を説明したが、これに限定されることなく、銅、銀などの熱伝導性が高い金属を用いることができる。
[本発明例1〜15および比較例1、2]
<多孔質アルニウムシート(発泡アルミニウムシート)の作製>
まず、平均粒子径4μmのアルミニウム粉末(不純物として、Fe:0.15質量%、Si:0.05質量%およびNi:0.01質量%を含む)と、平均粒子径9.1μmの水素化チタン粉末を用意した。このアルミニウム粉末と水素化チタン粉末を質量比で99:1となる割合で、合計で500gとなるように混合してアルミニウム混合原料粉末を調製した。
また、メチルセルロースを0.1質量部、エチルセルロースを2.9質量部、グリセリンを3質量部、ポリエチレングリコールを3質量部、そして水を91質量部の割合で、合計500gとなるように混合してバインダー溶液を調製した。
上記のアルミニウム混合原料粉末50質量部と、上記のバインダー溶液49質量部とを混練して粘性組成物を調製し、次いで、この粘性組成物にヘプタン1質量部を加えて発泡させ、気泡含有粘性組成物を得た。なお、アルミニウム混合原料粉末、バインダー溶液およびヘプタンは、合計500gとなるように混合した。
次に、得られた気泡含有粘性組成物を、剥離剤が塗布されたポリエチレンシート上に、単位面積当たりの塗布量が下記の表1に示す量となるように、ドクターブレード法にて塗布して気泡含有粘性組成物塗布膜を形成した。この気泡含有粘性組成物塗布膜を温度35℃、湿度95%RHに調整された環境中で表1に示す保持時間にて保持して、気泡を整寸化した後、大気乾燥機を用いて温度70℃で50分間乾燥した。乾燥後の気泡含有粘性組成物塗布膜をポリエチレンシートから剥がし、直径100mmの円形に切り出して、焼結前成形体を得た。
得られた焼結前成形体を、ジルコニア敷粉を敷いたアルミナセッターの上に載置して、アルゴン雰囲気中で、温度520℃で30分間仮焼成して、バインダー溶液成分を除去した。仮焼成した後の焼結前成形体を、アルゴン雰囲気中で、温度663℃で30分間本焼成して、アルミニウム多孔質焼結体を得た。得られたアルミニウム多孔質焼結体をロールプレスにかけ、表1に示す厚さとなるまで圧延して、多孔質アルミニウムシート(発泡アルミニウムシート)を作製した。
<放熱シートの作製:本発明例1〜12、比較例1、2>
上記方法で作製した多孔質アルニウムシートに、液状シリコーンゴム(信越化学工業株式会社製:KE−1830)を塗布し、次いで、真空脱泡に1時間かけて、多孔質アルニウムシートの気孔に液状シリコーンゴムを充填した。次に、液状シリコーンゴムを充填した多孔質アルニウムシートを、二枚の離形フィルムの間に、多孔質アルミニウムシートと同じ厚さのスペーサーと共に挟み、0.5MPaの力でプレスした。その後、マッフル炉にて120℃で1時間加熱して、液状シリコーンゴムを硬化させ、多孔質アルニウムシートにシリコーンゴムを充填した放熱シートを作製した。
<放熱シートの作製:本発明例13>
本発明例1〜12で用いた液状シリコーンゴムに変えて、二液型液状シリコーンゲル(信越化学工業株式会社製:KE−1013)を用いた。上記方法で作製した多孔質アルニウムシートに、二液を混合した液状シリコーンゲルを塗布し、次いで、真空脱泡に0.1時間かけて、多孔質アルニウムシートの気孔に液状シリコーンゲルを充填した。続いて液状シリコーンゲルを充填した多孔質アルニウムシートを、二枚の離形フィルムの間に、多孔質アルミニウムシートと同じ厚さのスペーサーと共に挟み、0.5MPaの力でプレスした。その後、マッフル炉にて120℃で1時間加熱して、液状シリコーンゲルを硬化させて、多孔質アルニウムシートにシリコーンゲルを充填した放熱シートを作製した。
<放熱シートの作製:本発明例14>
本発明例1〜12で用いた液状シリコーンゴムに変えて、液状フッ素ゴム(ダイキン工業株式会社製:DPA−382)を用いた。上記方法で作製した多孔質アルニウムシートに、液状フッ素ゴムを塗布し、次いで、真空脱泡に1時間かけて、多孔質アルニウムシートの気孔に液状フッ素ゴムを充填した。次に、80℃で30分乾燥を行った。続いて液状フッ素ゴムを充填した多孔質アルニウムシートを、二枚の離形フィルムの間に、多孔質アルミニウムシートと同じ厚さのスペーサーと共に挟み、0.5MPaの力でプレスした。その後、マッフル炉にて120℃で1時間加熱して、液状フッ素ゴムを硬化させて多孔質アルニウムシートにフッ素ゴムを充填した放熱シートを作製した。
<放熱シートの作製:本発明例15>
本発明例1〜12で用いた液状シリコーンゴムに変わり、液状シリコーンゴム(信越化学:KE−1830)と液状シリコーンゲル(信越化学製:KE−1013)を1:1の重量比で混合したものを用いた。上記方法で作製した多孔質アルニウムシートに、液状シリコーンゴムと二液を混合した液状シリコーンゲルを1:1の重量比で混合したものを塗布し、次いで、真空脱泡に0.1時間かけて、多孔質アルニウムシートの気孔に混合物を充填した。続いて混合物を充填した多孔質アルニウムシートを、二枚の離形フィルムの間に、多孔質アルミニウムシートと同じ厚さのスペーサーと共に挟み、0.5MPaの力でプレスした。その後、マッフル炉にて120℃で1時間加熱して、多孔質アルニウムシートに、シリコーンゴムとシリコーンゲルの混合物を充填した放熱シートを作製した。
<評価>
本発明例1〜15および比較例1、2で作製した多孔質アルニウムシートの気孔率と平均孔径、および放熱シートの表面粗さRa、シート硬さ、熱伝導度、熱抵抗を、下記の方法により測定した。その結果を、多孔質アルニウムシートの厚さとともに表2に示す。
(気孔率)
多孔質アルニウムシートを5cm角のサイズで切り出し、切り出した多孔質アルミニウムシートの質量M(g)と、体積V(cm)、真密度D(g/cm)を測定した。気孔率は、下記の計算式にて算出した。真密度は気相置換法(マイクロメトリクス社製 アキュピックII 1340)により測定した。
気孔率(%)=[1−{M÷(V×D)}]×100
(平均孔径)
多孔質アルミニウムシートを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。図2に本発明例1で作製した多孔質アルミニウムシートのSEM写真を示す。SEMにて観察された気孔の長径を孔径として、1試料につき50か所測定した。なお、40μm以上の長径を持つ気孔のみを測定対象とした。測定した孔径の算術平均値を算出し、これを平均孔径とした。
(表面粗さRa)
表面粗さRaは、Bruker Nano社製Dektak150を用いて測定した。測定は1mmスキャンによって行い、荷重は5.00mg、スキャンスピードは1mm/30sとした。
(シート硬さ)
放熱シートを重ねて、5mm厚の試料を作製した。作製した5mm厚の試料に対して、JIS−K−6253に準じて、タイプAのデュロメーター(テフロック、GS−719N)を用いて硬さを5点測定した。測定した硬さの算術平均値を算出し、これをシート硬さとした。
(熱伝導度)
熱伝導度は、放熱シートの垂直方向の熱拡散率から算出した。放熱シートの垂直(厚み)方向の熱拡散率は、NETZSCH−GeratebauGmbH製のLFA477 Nanoflash を用いたレーザーフラッシュ法で測定した。放熱シートの熱伝導度の計算には、多孔質アルニウムシートの密度と比熱、およびシリコーン樹脂の密度と比熱から体積分率に基づいて計算した値を用いた。
(熱抵抗)
放熱シートを銅板(50mm×60mm、厚さ3mm)の上に貼り付けた。この放熱シートを貼り付けた銅板の放熱シートと発熱体パッケージとをトルク40Ncmの力でねじ留めした上で、T3Star装置を用いて、放熱シートの熱抵抗を測定した。発熱体パッケージはTO−3Pを用いた。発熱:1A、30sec(素子温度:ΔT=2.6℃)、測定:0.01A、測定時間:45secの条件で測定を行った。
本発明例1〜15で得られた放熱シートは、比較例1、2で得られた放熱シートと比較して熱抵抗が低く、熱伝導性が高いことが確認された。比較例1、2で得られた放熱シートの熱抵抗が高くなった理由は、表面粗さRaが大きく、放熱シートと銅板(放熱部材)および発熱体パッケージ(発熱体)との間に隙間が形成され、密着性が低いためである。これは本発明例1〜4と比較例1、2を比較することでより明確に支持される。つまり本発明例1〜4で得られた放熱シートは、比較例1、2で得られた放熱シートと比較すると、厚みが同じで熱伝導度が低いにもかかわらず、全体の熱抵抗としては小さくなっている。これは、本発明例1〜4と比較例1、2は放熱シートの厚み、気孔率およびシート硬さが同じであることを考慮すると、本発明例1〜4で得られた放熱シートは表面粗さRaが小さいことに起因して、比較例1、2で得られた放熱シートと比較して、銅板および発熱体パッケージとの密着性が高くなっていることを示している。
また、本発明例1、13〜15の結果から、弾性体がシリコーンゴム、シリコーンゲル、フッ素ゴムもしくはこれらの混合物のいずれにおいても熱抵抗が低く、熱伝導性が高い放熱シートが得られることが確認された。
さらに、本発明例8、9で得られた放熱シートは、表面粗さRaと平均孔径がほぼ同等でありながらも、本発明例8で得られた放熱シートの方が熱抵抗は低くなった。これは、本発明例8で得られた放熱シートの方が、気孔率が高いため、形状が変形し易く、放熱シートと銅板および発熱体パッケージとの密着性がより高くなったためである。
また、本発明例3、5、10、11で得られた放熱シートは、表面粗さRaと気孔率がほぼ同等でありながらも、本発明例10、11で得られた放熱シートの方が熱抵抗は高くなった。これは、本発明例10で得られた放熱シートは厚みが薄いため、形状が変形しにくく、放熱シートと銅板および発熱体パッケージとの密着性が低下したためである。一方、本発明例11で得られた放熱シートは厚みが厚いため、バルク熱抵抗がやや高くなったためである。
10 放熱シート
11a、11b 表面
12 金属骨格
13 気孔
14 多孔質金属シート
15 弾性体

Claims (4)

  1. 三次元網目構造の金属骨格およびこの金属骨格の間に形成された気孔を有する多孔質金属シートと、前記気孔に充填されている弾性体とを含む放熱シートであって、
    少なくとも一方の表面は、表面粗さRaが3μm以下であり、前記多孔質金属シートの気孔率が65%以上99%以下であって、前記弾性体がシリコーンゴム、シリコーンゲル、フッ素ゴムのいずれかもしくはこれらの混合物からなることを特徴とする放熱シート。
  2. 前記多孔質金属シートの気孔率が70%以上99%以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の放熱シート。
  3. 前記多孔質金属シートの気孔の平均孔径が50μm以上100μm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の放熱シート。
  4. 厚みが150μm以上500μm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の放熱シート。
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