JP2014207065A - 電磁式可動装置および可動部挙動推定方法 - Google Patents

電磁式可動装置および可動部挙動推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ストロークセンサを用いることなく可動部の挙動を的確に推定する。【解決手段】可動部MVを作動する可動鉄心6を磁気的に駆動する駆動用コイル1,2と、所定の巻数で巻回される巻回部を有し前記巻回部により可動鉄心6の移動領域を含む内部領域を形成して前記内部領域で駆動用コイル1,2による磁束を鎖交する電圧検知用コイル3とを備え、電圧検知用コイル3の出力に応じて可動部MVの挙動を推定するものであって、電圧検知用コイル3は、可動鉄心6の一部が前記内部領域における可動鉄心6の移動領域全体に常に存在する位置に配設する。【選択図】図1

Description

この発明は、電磁式可動装置および可動部挙動推定方法、特に、開閉器の開閉を操作する電磁操作機構およびその可動部の挙動を推定する方法に関するものである。
一般的な電磁操作機構は、固定接点および可動接点を備えた開閉器または遮断器に用いられ、投入用コイルに通電して励磁させて可動接点を投入し、永久磁石の磁力により接点を保持する。また、開極用コイルに通電して永久磁石の吸引力を打ち消す方向に励磁させ、蓄勢されたバネの反発力で接点を引きはがすことによって開極する。電磁操作機構は上記のような構造になっているため、電磁操作機構が故障すると遮断器や回路が損傷を受けて停電等を引き起こす可能性がある。したがって、電磁操作機構の動作状態を常に把握する技術が求められている。電磁操作機構の挙動が変化する主な要因として、バネ荷重、接点損耗、可動部摩擦、駆動用コイルに通電する電源の電圧低下(コンデンサ容量の低下)などがある。これらの変化を監視することによって遮断器または開閉器の故障を未然に防ぐことができ、さらに異常を示す部位を特定できればメンテナンス省力化の効果が期待できる。
電磁操作機構の状態を把握する手段として、たとえば特許文献1に開示されている電磁石動作監視装置は、可動鉄心を投入させるときに通電する投入用コイルと開極するときに通電する釈放用コイルを可動鉄心の外側に巻回している。このような電磁石操作装置において投入動作するとき、投入用コイルに電流が流れることによってコイルが励磁されると共に、通電していない釈放用コイルに誘導電圧が発生する。上記電磁石動作監視装置は、投入用コイルに流れる電流値と釈放用コイルに発生する誘導電圧値を測定し、それぞれの時間波形において変曲点(動作指令のタイミング、可動鉄心の動き出しのタイミング、可動鉄心の動作完了のタイミング)を検知して可動鉄心の動作所要時間を算出する。開極動作の場合は、釈放用コイルに電流を流したときの電流値と投入用コイルに発生する誘導電圧を測定する。
特開2011−253860号公報
従来の電磁操作機構における状態監視手段は可動鉄心の動作時間を算出して動作状態を推定するが、可動鉄心が動作中である場合、投入用コイルまたは開極用コイル(以下、駆動用コイルと称す)を鎖交する磁束は駆動用コイルに流れる電流と可動部の変位量によって不規則に変動するため、可動鉄心の動作時間のみで可動接点の動作速度や変位(移動距離)を推定することは困難である。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、可動部の挙動を的確に推定できる電磁式可動装置および可動部挙動推定方法を提供することを目的としている。
この発明に係る電磁式可動装置は、可動部を作動する磁性体を磁気的に駆動する駆動用コイルと、所定の巻数で巻回される巻回部を有し前記巻回部により前記磁性体の移動領域を含む内部領域を形成して前記内部領域で前記駆動用コイルによる磁束を鎖交する電圧検知用コイルと、前記電圧検知用コイルの出力に応じて前記可動部の挙動を推定する挙動推定手段とを備え、前記電圧検知用コイルは、前記磁性体の一部が前記内部領域における前記磁性体の前記移動領域全体に常に存在する位置に配設されることを特徴とするものである。
また、この発明に係る可動部挙動推定方法は、所定の巻数で巻回される巻回部により内部領域を形成して、前記内部領域に駆動用コイルによって磁気的に駆動される可動部を構成する磁性体の移動領域を設定するとともに、前記内部領域で前記駆動用コイルによる磁束を鎖交する電圧検知用コイルを用い、前記電圧検知用コイルの出力に応じて前記可動部の挙動を推定するにあたり、前記磁性体の一部が前記内部領域における前記磁性体の前記移動領域全体に常に存在する状態で前記電圧検知用コイルの出力を得ることを特徴とするものである。
この発明によれば、電圧検知用コイルを用いて可動部の挙動を的確に推定することができる。
本発明における実施の形態1による電磁操作式真空遮断器の構成図である。 本発明における実施の形態1による電磁操作式真空遮断器(開極時)の断面図である。 図3(a)は、本発明における実施の形態1による開極状態から投入動作を行う際の電磁操作機構の状態を表す断面図である。図3(b)は、本発明における実施の形態1による電圧検知用コイルと可動鉄心からなる磁性体との配置関係を拡大して示す模式図である。 本発明における実施の形態1による電磁操作式真空遮断器(投入時)の断面図である。 本発明における実施の形態1による開極動作時の電磁操作機構の状態を表す断面図である。 本発明における実施の形態1による可動部挙動推定装置の構成図である。 本発明における実施の形態1による開極動作時に駆動用コイルに流れる電流と電圧検知用コイルの両端電圧それぞれの時間波形である。 本発明における実施の形態1による可動部挙動推定装置の挙動推定手段の処理を説明するフローチャートである。 本発明における実施の形態1による開極動作時の電圧検知用コイルの両端電圧波形である。 本発明における実施の形態1による投入動作時の電圧検知用コイルの両端電圧波形と投入用コイルに流れる電流波形である。 本発明における実施の形態2による開極動作時に開極用コイルに流れる電流波形である。 本発明における実施の形態3での電圧検知用コイルの両端電圧波形である。 本発明における実施の形態3での係数Aに対する動作速度vの関係を示すグラフである。 本発明における実施の形態4での開極動作時の電圧検知用コイルの両端電圧波形である。 本発明における実施の形態5による可動部挙動推定装置のブロック図である。 本発明における実施の形態5による係数補正手段が基準値の調整を行うときのフローチャートである。
実施の形態1.
本発明における実施の形態1を図1〜10について説明する。ここでは、可動部挙動推定装置を真空遮断器の電磁操作機構に適用し、可動鉄心の動作速度を推定する場合を例に説明する。
図1は本発明の実施の形態1による可動部挙動推定装置を備えた電磁操作式真空遮断器の構成図である。
真空遮断器における開閉部を構成する真空バルブ200は、真空の収納容器の中に可動接点22および固定接点23を収容している。可動接点22と固定接点23は可動方向に対向するように設置されている。電磁操作機構100は開閉部を構成する真空バルブ200の開閉操作を行うものであって、真空バルブ200の可動接点22と電磁操作機構100の可動鉄心6は、駆動棒9a,9bと接圧バネ10を介して連結されている。
ここで、固定接点23に対向する可動接点22、および、可動接点22と直結され一体に形成された駆動棒9bは、可動部MVを構成し、この可動部MVは電磁操作機構100の可動鉄心6により駆動棒9aと接圧バネ10を介して投入方向または開極方向に移動するよう作動され、可動部MVを構成する可動接点22が固定接点23と接離して開閉部を構成する真空バルブ200の開閉動作が行われるものである。
また、電磁操作機構100は、可動鉄心6および固定鉄心5、投入用コイル2、開極用コイル1、電圧検知用コイル3、投入用コイル2と開極用コイル1とで構成される駆動用コイルDCが巻回されているボビン4、永久磁石7で構成されている。
電磁操作機構100において、駆動用コイルを巻回するボビン4は内側に投入用コイル2、その外側に開極用コイル1が巻回されている。さらに、永久磁石7に近い側の開極用コイル1の外周には電圧検知用コイル3が巻回されている。
また、電磁操作機構100は、駆動用コイルDCおよび電圧検知用コイル3を巻いたボビン4の内部に磁性体で形成された可動鉄心6と、可動鉄心6と真空バルブ200とを連結する駆動軸9a,9および接圧バネ10とを備え、磁性体で形成された固定鉄心5は上記駆動用コイル1,2が巻回されたボビン4を囲むように配置し、固定鉄心5と可動鉄心6との接触面に永久磁石7を配置している。
なお、電圧検知用コイル3は、磁束が強く、かつ、コイルの内部に可動鉄心6の一部が常に含まれるような位置に備えるものとする。
すなわち、電圧検知用コイル3は、図3(b)に示すように、その主体となる環状体を形成し所定の巻数で巻回される巻回部3aを有するものであって、前記巻回部3aの環状内部には駆動用コイル1,2による磁束を鎖交する円盤状の内部領域RNが形成され、この内部領域RNには可動鉄心6からなる前記磁性体の移動領域RVが設定される。そして、電圧検知用コイル3は、可動鉄心6からなる前記磁性体の一部が前記内部領域RNにおける可動鉄心6からなる磁性体の前記移動領域RV全体に常に存在する位置に配設されるものである。可動接点22が開極状態にある場合の可動鉄心6における可動接点22側の端面は図示P1の位置にあり、可動接点22が駆動されて固定接点23と接触し投入状態となるとその端面は図示P2の位置になるものであって、開極動作時および投入動作時における動作期間の全てにおいて可動鉄心6の一部が内部領域RNにおける可動鉄心6の移動領域RVでの領域全体に常に存在することになる。すなわち、電圧検知用コイル3の内部領域RNにおける可動鉄心6の占有量は開極動作時および投入動作時の動作期間全てを通して何も変化がない。
なお、図3(b)では、投入用コイル2と開極用コイル1とで構成される駆動用コイルDCの一部が省略して示されている。
ここで、電磁操作機構100の動作について説明する。
図2は開極状態における電磁操作式真空遮断器を表す断面図である。電磁操作機構100が投入動作するとき、図示しない投入用電源が稼動すると、投入用コイル2に電流が流れ、投入用コイル2が励磁される。励磁された投入用コイル2が生じる磁束の向きを図3(a)の矢印で示す。この電磁力のはたらきによって可動鉄心6が紙面右側へ移動する。これにより真空バルブ200の可動接点22が固定鉄心23と接触して主回路の通電が可能になる。可動接点22と固定接点23が接触した後、接圧バネ10が圧縮され接点間の接触圧力が確保された状態になり、可動鉄心6を吸着した永久磁石7の磁束により接点の投入状態が保持される。
図4は投入状態における電磁操作機構100を表す断面図である。電磁操作機構100が開極動作するとき、図示しない開極用電源が稼動すると、開極用コイル1に電流が流れ、開極用コイル1が励磁される。励磁された開極用コイル1が生じる磁束の向きを図5の矢印で示す。この電磁力の向きが永久磁石7の磁束を打ち消すことによって接点対の接触を保持する力が弱まり、可動鉄心6が図4の左方向へ移動する。可動鉄心6の移動開始直後は、圧縮されていた接圧バネ10が伸びるだけであるが、接圧バネ10が伸びきって最大伸長状態となった後は駆動棒9aと9bは機械的に結合し、可動鉄心6とともに可動接点22、駆動棒9a,9b、接圧バネ10が連動して左方へ移動する。所定の開極距離まで可動鉄心6が移動すると、静止板8によって可動鉄心6は停止する。
以下では、開極動作時において可動鉄心6の動作速度を推定する場合を例にして説明する。
図6は可動部挙動推定装置300の構成図である。可動部挙動推定装置300は、電磁操作機構100の開極用コイル1に流れる電流Iと電圧検知用コイル3の両端電圧xを取得する測定手段301と、測定手段301で取得したデータを記録する記録手段302と、記録手段302から任意のデータ長の時系列データを取得して、電流の時系列データおよび電圧の時系列データから可動鉄心6または可動接点22の動作速度vを推定する挙動推定手段303と、挙動推定手段303で算出した可動鉄心6の動作速度vを入力として、予め記録手段302に保存していた基準速度vとの偏差を算出し、この偏差が予め設定する閾値よりも大きければ、電磁操作機構100に異常が発生したことを示す信号と動作速度vを出力する状態判定手段304と、状態判定手段304から異常検知信号と可動鉄心6の動作速度vの推定値を取得し、設備管理者に状態推定結果を通知する通知手段305とを備えている。
以下、可動部挙動推定装置300の動作を説明する。
まず、可動鉄心6の移動に伴う開極用コイル1を鎖交する磁束の変化について説明する。
可動鉄心6が移動するときに開極用コイル1を鎖交する磁束φは、式(1)のように表せ、開極用コイル1における通電電流Iの時間変化の項と可動鉄心6の動作速度vの項で表現できる。
Figure 2014207065
ここで、xは電圧検知用コイル3の両端電圧、tは時刻、rは可動鉄心6の変位、φは開極用コイル1を鎖交する総磁束、Iは開極用コイル1の電流、Nは電圧検知用コイル3の巻数である。
可動鉄心6や可動接点22などの可動部MVが移動するとき、駆動系に関する質量や負荷は不連続に変化する。その変化は開極用コイル1がつくる磁束φに反映される。
図7は開極動作時に駆動用コイルDCに流れる電流Iと電圧検知用コイル3の両端電圧xの時間経過を表す波形の一例である。開極指令によって時刻tsに図示しない開極用電源から開極用コイル1へ電流が流れると、電圧検知用コイル3の両端には開極用コイル1に流れる電流値Iに応じた磁束φに相当する電圧が現れる。そして接圧バネ10が伸長した後、時刻tに可動接点22が固定接点23から引きはがされ、可動接点22が可動鉄心6とともに移動を開始すると、可動部質量が増加したことと可動接点22が移動することによって、電圧検知用コイル3の両端電圧xは少なくとも1つの不連続点を持つ。これより、時刻t以降の磁束は電圧検知用コイル3の両端電圧xは、開極用コイル1に流れる電流Iと可動鉄心6の移動距離で決まる磁束φに対応する。
電圧検知用コイル3の両端電圧x(t)および駆動用コイルの電流I(t)から可動鉄心6の動作速度vを推定するために、式(1)を次のように変形する。
Figure 2014207065
式(2)においてx(t)とI(t)はそれぞれ測定対象とするコイルの出力として取得できる。また、値Eおよび値Fは電磁操作機構100の電磁石の静特性より定める値であり、電磁操作機構100の電磁石の静特性は可動部挙動推定装置300の記録手段302に予め保存されている。
値Eおよび値Fが成す平面が複雑である場合は、事前に真空遮断器の標準的な動作条件で開閉動作したときの駆動用コイル電流Iと電圧検知用コイル3の両端電圧xを用いて係数の最適化を行う。最適化はさまざまな方法があるが、例えばサポートベクター回帰など、一般的に知られている手法でもよい。
以降、表記の簡単のため、式(2)を下記式(3)のように表す。
Figure 2014207065
可動部挙動推定装置300の測定手段301は、電磁操作機構100の動作指令の信号が入力された時点からデータの取得を開始する。測定手段301は、開極用コイル1に流れる電流と電圧検知用コイル3の両端電圧を時間間隔Δtごとに測定して時系列のデータ列とし、記録手段302へ出力する。なお、時間間隔Δtは、開閉動作に要する時間に相当する時間幅Tに対して挙動の変化が確認できる程度の時間分解能としてあらかじめ設定されており、測定開始から任意の時間幅Tだけ経過した段階で1回のデータ取得を終了する。
可動部挙動推定装置300の記録手段302は、測定手段301から送られた開極用コイル1の通電電流値と電圧検知用コイル3の電圧値の時系列データを記録し、測定1回分のデータ量を保存した後、挙動推定手段303に1回分の時系列データを出力する。
図8は、可動部挙動推定装置300の挙動推定手段303の処理を説明するフローチャートである。可動部挙動推定装置300の挙動推定手段303は、記録手段302から入力された開極用コイル1に流れる電流と電圧検知用コイル3の両端電圧xの時系列データから、動作速度vを求めるために利用するデータ領域を決める。記録手段302から入力される時系列データは動作開始指令を検知した時刻tから動作終了tまでの挙動を表しているため、可動部MVが動作していない時間が含まれている。そこで挙動推定手段303は、時系列データの時間変化を探索することにより、可動部MVが動作している間の時系列データに対してのみ、式(3)を適用する。
例えば、測定手段301が、1回の開極動作における電圧検知用コイル3の両端電圧xの時間変化を図9に示すようなデータとして取得したとする。このとき、まず挙動推定手段303は、この電圧波形から可動接点22の動作開始時刻tを算出する。具体的には、まず通電開始時刻tから微小な時間Δtだけ経過した時の電圧値x(t+Δt)と通電開始後に電圧がゼロになる時刻tを算出する。そして、次の式を満足する時刻tを求める。
Figure 2014207065
式(4)で可動接点22の動作開始時刻tを得た後、挙動推定手段303は記録手段302から得た電流と電圧の時系列データの中から、時刻t以降のデータに対して式(3)を適用して開極速度vを算出する。
可動部挙動推定装置300の状態判定手段304は、挙動推定手段303が出力する開極速度vと記録手段302から呼び出した開極速度の許容範囲の上限値と下限値(許容範囲は開閉器の運用条件によってあらかじめ定まっている)との大小関係を算出する。開極速度vが開極速度の許容範囲内であれば、状態判定手段304はvの値を通知手段305へ出力するだけであるが、開極速度vが開極速度の許容範囲から外れた場合は、開極速度vを出力するとともに警報の発報指令を通知手段305へ出力する。
可動部挙動推定装置300の通知手段305は、状態判定手段304が出力した開極速度v、または開極速度vと警報発報指令が入力される。状態判定手段304から得た情報が速度のみであった場合、通知手段305は図示しないモニタ等の画像出力機器に開極速度vを表示するか、正常動作であることを示す画像を表示する。一方、状態判定手段304が警報発報指令を出力したときは、図示しないモニタ等の画像出力機器に開極速度vを表示し、かつ、速度異常であることを示す画像と音を発生させて管理者に通知する。
以上では開極動作時の時系列データの区間を限定する方法について説明したが、投入動作時の時系列データを取り扱う場合、投入動作時に利用する時系列データの区間は可動部の動きだし時刻tpcから可動接点22が固定鉄心23と接触した時刻tまでとなる。
図10に1回の投入動作における電圧検知用コイル3の両端電圧の時間変化と投入用コイル2に流れる電流波形の例を示す。通電開始時刻tから微少な時間Δtだけ経過した時の電圧値x(t+Δt)と通電電流波形が最大になる時刻tmiを算出する。そして、次の式を満足する時刻tpcを求める。
Figure 2014207065
式(5)で可動接点22の動作開始時刻tpcを得た後、挙動推定手段303は記録手段302から得た電流と電圧の時系列データから、時刻(ts+Δt)からtpcまでのデータに対して式(3)を適用して投入速度vを算出する。
このような構成によれば、電磁操作機構の構造を変更することなく、かつ、ストロークセンサを必要としないため、電磁操作機構を小型化できる。さらに可動部の動作速度を常時監視できるため、重大事故を未然に防ぐ効果が期待でき、機器の点検効率を向上させることができる。
このように電磁操作機構の駆動用コイルに流れる電流と、駆動用コイルが励磁されたときに発生する誘導電圧と、電磁操作機構の電磁石の静特性に基づく式を定義し、これを解くことによって可動部の動作速度を精度よく算出できる。
本発明における実施の形態1による電磁式可動装置は、次の構成を具備することを特徴とする。
真空バルブ200で構成される開閉部において固定接点23に対向して設けられた可動接点22、および、この可動接点22に直結され一体に設けられた駆動棒9bにより構成される可動部MVと、
前記可動部MVを駆動棒9aおよび接圧バネ10を介し投入方向または開極方向に移動して作動し真空バルブ200で構成される開閉部を開閉操作する可動鉄心6からなる磁性体と、
前記可動部MVを作動する可動鉄心6からなる磁性体を磁気的に駆動する開極用コイル1および投入用コイル2からなる駆動用コイルDCと、
環状体を形成し所定の巻数で巻回される巻回部3aを有し前記巻回部3aの環状内部に設定される前記可動鉄心6からなる磁性体の移動領域RVを含む円盤状の内部領域RNを形成して前記内部領域RNで前記駆動用コイルDCによる磁束を鎖交する電圧検知用コイル3と、
前記電圧検知用コイル3の出力値vのみに基づき、あるいは、前記電圧検知用コイル3の出力値xおよび前記駆動用コイルDCに流れる電流値Iに基づいて前記可動部MVの挙動を推定することにより、前記電圧検知用コイル3の出力に応じて前記可動部MVの挙動を推定する挙動推定手段303とを備え、
前記電圧検知用コイル3は、前記可動鉄心6からなる前記磁性体の一部が前記内部領域RNにおける前記磁性体の前記移動領域RVで示される領域全体に常に存在する位置に配設される。
本発明における実施の形態1による電磁式可動装置は、この構成により、次の作用効果を奏する。
電圧検知用コイル3を用いて、可動鉄心6からなる磁性体により作動される駆動棒9bおよび可動接点22で構成される前記可動部MVとして接圧バネ10の最大伸長状態または最大圧縮状態において可動鉄心6からなる磁性体および接圧バネ10ならびに駆動棒9a,9bと一体化されて移動する可動接点22に係る開極動作時または投入動作時の移動速度vや変位rなどの挙動を的確に推定することができる。
特許文献1として先に示した従来の装置では、投入用コイルの励磁により開極のための釈放用コイルに発生する誘導電圧を測定して可動鉄心の動作所要時間を算出するものであるが、投入用コイルの励磁による投入動作状態では釈放用コイルの内部で可動鉄心の端部が投入方向に移動し釈放用コイル内部における可動鉄心の占有量が急速に変化するため釈放用コイルに発生する誘導電圧は急激かつ不規則に変動するものであって、釈放用コイルに発生する誘導電圧を用いた可動部の挙動推定は正確に行えないものである。
これに対し、本発明のものでは、電圧検知用コイル3の内部領域RNに存在する可動鉄心6からなる磁性体の占有量が開極動作および投入動作時における全ての動作期間を通してどの時点でも変化することはなく、円滑かつ規則的に変化する電圧検知用コイル3の検出値によって可動部MVの挙動を的確に推定することができる。
なお、前記可動鉄心6からなる磁性体の移動を前記可動部MVの移動とみなし、前記可動鉄心6からなる磁性体の挙動を可動部MVの挙動として推定することができる。
また、前記挙動推定手段303は、前記電圧検知用コイル3の出力電圧値xおよび前記駆動用コイルに流れる電流値Iから次式(6)により関数Gを計算し、得られた関数Gを下記式(7)に適用して計算することによって、可動部MVの動作速度vを推定する。
この構成により、前記可動部MVの移動速度vを的確に推定し、前記可動部MVの挙動を的確に推定することができる。
Figure 2014207065
さらに、前記挙動推定手段303は、開極動作時に、前記電圧検知用コイル3の出力値xおよび前記駆動用コイルDCに流れる電流値Iからなる変動データなどの前記電圧検知用コイル3の出力値xを含む変動データに係る任意のデータ長分の時系列データを取得し、可動鉄心6からなる磁性体により駆動棒9aを介して開極方向へ移動するよう作動され接圧バネ10が最大伸長状態となって駆動棒9aと9bが機械的に結合された後に、可動鉄心6からなる磁性体および接圧バネ10ならびに駆動棒9aと一体化されて移動する駆動棒9bおよび可動接点22からなる前記可動部MVに係る開極時における動作速度vや変位rなどの挙動を推定する。
この構成により、上記任意のデータ長分の時系列データによって、可動鉄心6からなる磁性体により作動され前記接圧バネ10の最大伸長状態において可動鉄心6からなる磁性体および接圧バネ10ならびに駆動棒9aと一体化されて移動する駆動棒9bおよび可動接点22で構成される可動部MVに係る開極動作時の移動速度vや変位rなどの挙動を時系列に沿って的確に推定することができる。
ここで、挙動推定手段303は、上記時系列データの経時変化を探索することにより、駆動棒9bと可動接点22で構成される前記可動部MVが接圧バネ10の最大伸長後に可動鉄心6からなる磁性体および接圧バネ10ならびに駆動棒9aと一体化されて移動を開始する時点tpを算出する。上記時系列データは、開極動作時における時点tp以降において前記可動部MVを構成する可動接点22が可動鉄心6からなる磁性体および接圧バネ10ならびに駆動棒9aと一体化して動作している間のみのデータが式(3)に適用され、これによって、可動部MVを構成する可動接点22の移動状況を確実に把握し開極動作時の移動速度vや変位rなどの挙動を時系列に沿って的確に推定することができるものである。
そして、前記挙動推定手段303は、投入動作時に、前記電圧検知用コイル3の出力値xおよび前記駆動用コイルDCに流れる電流値Iからなる変動データなどの前記電圧検知用コイル3の出力値xを含む変動データに係る任意のデータ長分の時系列データを取得し、可動鉄心6からなる磁性体により駆動棒9aを介して投入方向へ移動するよう作動され接圧バネ10が最大圧縮状態となって駆動棒9aと9bが機械的に結合された後に、可動鉄心6からなる磁性体および接圧バネ10ならびに駆動棒9aと一体化されて移動する駆動棒9bおよび可動接点22からなる前記可動部MVに係る投入時における動作速度vや変位rなどの挙動を推定する。
この構成により、上記任意のデータ長分の時系列データによって、可動鉄心6からなる磁性体により作動され前記接圧バネ10の最大圧縮状態において可動鉄心6からなる磁性体および接圧バネ10ならびに駆動棒9aと一体化されて移動する駆動棒9bおよび可動接点22で構成される可動部MVに係る投入動作時の移動速度vや変位rなどの挙動を時系列に沿って的確に推定することができる。
ここで、挙動推定手段303は、上記時系列データの経時変化を探索することにより、駆動棒9bと可動接点22で構成される前記可動部MVが接圧バネ10の最大圧縮後に可動鉄心6からなる磁性体および接圧バネ10ならびに駆動棒9aと一体化されて移動を開始する時点tpを上記式(4)に基づいて算出する。上記時系列データは、開極動作時における時点tp以降において前記可動部MVを構成する可動接点22が可動鉄心6からなる磁性体および接圧バネ10ならびに駆動棒9aと一体化して動作している間のみのデータが式(3)に適用され、これによって、可動部MVを構成する可動接点22の移動状況を確実に把握し投入動作時の移動速度vや変位rなどの挙動を時系列に沿って的確に推定することができるものである。
前述のように、
前記挙動推定手段303は、開極動作時に、前記電圧検知用コイル3の出力値xおよび前記駆動用コイルDCに流れる電流値Iからなる変動データなどの前記電圧検知用コイル3の出力値xを含む変動データに係る任意のデータ長分の時系列データを取得し、可動鉄心6からなる磁性体により駆動棒9aを介して開極方向へ移動するよう作動され接圧バネ10が最大伸長状態となって駆動棒9aと9bが機械的に結合された後に、可動鉄心6からなる磁性体および接圧バネ10ならびに駆動棒9aと一体化されて開極方向へ移動する駆動棒9bおよび可動接点22からなる前記可動部MVに係る開極時における動作速度vや変位rなどの挙動を推定する。
あるいは、
前記挙動推定手段303は、投入動作時に、前記電圧検知用コイル3の出力値xおよび前記駆動用コイルDCに流れる電流値Iからなる変動データなどの前記電圧検知用コイル3の出力値xを含む変動データに係る任意のデータ長分の時系列データを取得し、可動鉄心6からなる磁性体により駆動棒9aを介して投入方向へ移動するよう作動され接圧バネ10が最大圧縮状態となって駆動棒9aと9bが機械的に結合された後に、可動鉄心6からなる磁性体および接圧バネ10ならびに駆動棒9aと一体化されて投入方向へ移動する駆動棒9bおよび可動接点22からなる前記可動部MVに係る投入時における動作速度vや変位rなどの挙動を推定する。
さらに、前記挙動推定手段303は、上記時系列データの取得による前記可動部MVに係る開極時あるいは投入時における動作速度や変位などの挙動推定に加えて、前記電磁操作機構の前記駆動用コイルDCに流す励磁電流値Iと前記励磁電流Iによって前記可動鉄心6からなる磁性体に生成される磁束値との関係、および、前記励磁電流Iによって前記可動鉄心6からなる磁性体に生成される磁束値と前記可動部MVを作動する前記可動鉄心6からなる磁性体に働く電磁力によって前記磁性体が動いたときの変位との関係を示す前記駆動用コイルDCを含む電磁要素の静特性を参酌して、前記可動部MVの挙動を推定する。可動部MVの挙動を示す動作速度vは、上記式(2)および式(3)に基づいて算出されるものであるところ、上記式(2)における値Eおよび値Fは電磁操作機構100における前記駆動用コイルDCを含む電磁石の静特性より定める値であり、このように電磁要素の静特性を参酌することによって、可動部MVの挙動を示す動作速度vをより的確に推定することができるものである。
この構成により、電磁要素の静特性を参酌して、前記可動部MVの挙動を更に的確に推定することができる。
実施の形態2.
本発明による実施の形態2を図11について説明する。図11は開極動作時に開極用コイル1に流れる電流波形の例である。
この場合のように、可動接点22が時刻tで動きだした後(一点鎖線で示す部分)の電流の時間変化が微小である場合、開極速度の式(3)を次の式(8)のように定義してもよい。
Figure 2014207065
この場合、可動接点22が移動しているときは、可動鉄心6が移動することによって磁束が発生し、電圧検知用コイル3に誘導電圧が発生する。可動接点22が移動している間の開極用コイル1の電流が一定であるとみなすと、電圧検知用コイル3の出力は主に可動鉄心6の変位r(t)の時間変化に依存する。
したがって開極用コイル1に流れる電流値が一つの制約条件になり、可動接点6が移動している間のg(r)は、下記式(9)で表されるHの逆関数となる。
Figure 2014207065
以上のように、可動接点22が移動中であるときの通電電流値Iが一定とみなせる場合、g(r)の次元が1つ減るため、逆関数の計算が容易になる。逆関数の演算量が抑えられるので演算用回路を小さくでき、製作コストを抑えられる。
前記挙動推定手段303は、前記電圧検知用コイル3における出力値xのみの経時変化を基に前記可動部MVの動作速度vを推定する。
ここでは、可動接点22が可動部MVとして駆動棒9aと一体に開極方向に移動し始めた時点tp以降の開極用コイル1からなる駆動用コイルDCに流れる電流Iを一定とみなして前記可動部MVの動作速度vが推定される。
時点tp以降の開極用コイル1からなる駆動用コイルDCに流れる電流Iは、ほぼ一定であって、これを一定とみなすことにより、挙動推定手段303における演算処理が容易となり、簡素化した装置構成でほぼ的確な挙動推定を行うことができる。
実施の形態3.
本発明による実施の形態3を図12および図13について説明する。図12は電圧検知用コイル3の両端電圧波形の例である。
また、時刻tで可動接点22が動作開始した後の電圧検知用コイル3の両端電圧xの時間変化が下記式(10)で表せる場合、動作速度vの計算式を下記式(11)としてもよい。
Figure 2014207065
例えば、電圧検知用コイル3の両端電圧波形x(t)が図12で表されるとき、時刻tp以降のx(t)が式(10)で近似できる。
図13は、式(10)の係数Aの変化に対する動作速度vの関係の例を示す。このように、係数Aと動作速度vの関係が二次式で定義できるため、演算が容易である。さらに演算用回路を小さくできるので、製作コストを抑えられる。
なお、時刻tで可動接点22が動作開始した後の電圧検知用コイル3の両端電圧の時間変化が必ずしも一次式である必要はなく、二次式や級数展開などで表現されることもある。二次以上の次数で表現される場合、最高次数にかかる係数を用いて式(11)を定義する。
前記挙動推定手段303は、前記電圧検知用コイル3から前記可動部MVの移動中における前記電圧検知用コイル3での出力値の時間変化x(t)がx(t)=At+Bあるいは二次以上の関数で近似できる出力を受けて最高次数にかかる係数Aを取得し、前記係数Aを変数とした二次式である上記式(11)を演算して動作速度値vを求めることにより、可動部MVの動作速度vを推定する。
この構成により、挙動推定手段303における演算処理が容易となり、簡素化した装置構成でほぼ的確な挙動推定を行うことができる。
実施の形態4.
本発明における実施の形態4を図14について説明する。図14は電圧検知用コイル3の両端電圧波形の例である。
以上では可動鉄心6の動作速度vを算出する方法について説明したが、可動鉄心6の変位r(t)を算出する場合は、電圧検知用コイル3の両端電圧x(t)を積分して駆動用コイルに鎖交する磁束φvを算出し、下記式(12)で計算することにより、可動鉄心6の変位r(t)を求めることができる。
Figure 2014207065
接点損耗量Mは、開極動作時の可動鉄心6の動き出し時刻tから可動接点22の動き出し時刻tまでの間に可動鉄心6が移動した距離として算出できる。図14は開極動作時の電圧検知用コイル3の両端電圧波形の例である。なお、可動鉄心6の動き出し時刻
は、電圧検知用コイル3の両端電圧x(t)において次式(13)を満たす時刻として得る。
Figure 2014207065
上記のようにして算出したtを使って、接点損耗量Mは次式(14)で求められる。
Figure 2014207065
この実施の形態4では、前記挙動推定手段303は、前記電圧検知用コイル3の両端電圧x(t)を時間積分して可動部MVに働く磁束Φを計算し、上記式(12)で可動部MVの変位rを求めることにより、可動部MVの変位を推定する。そして、上記式(13)および式(14)により接点損耗量Mを算出する。
このように電圧検知用コイル3の両端電圧xと開極用コイル1に流れる電流Iの時系列データおよびrから可動鉄心6の変位量を計算するので、接点損耗量Mが高精度に算出できる。
実施の形態5.
本発明における実施の形態5を図15および図16について説明する。図15は本発明における実施の形態5による可動部挙動推定装置400のブロック図である。
本発明の実施の形態5における可動部挙動推定装置400は、実施の形態1に記載の測定手段301、記録手段302、挙動推定手段303、状態判定手段304、通知手段305を備え、さらには直近の電流、電圧の時系列データから関数g(r)を最適化して再学習して動作速度の基準値を補正する係数補正手段306を備えている。
可動部挙動推定装置400は、記録手段302に開閉器の標準状態での動作速度をあらかじめ保存している。そしてこの標準値は、関数g(r)と対応している。ところで、経年劣化などによって電磁操作機構100の一部の部品を交換した場合、部品の公差や製造ばらつき、取り付け方法によって動作特性が変化するのが一般的である。したがって、部品交換後の標準条件で測定した動作速度と記録手段302に保存している標準値に誤差が生じる可能性がある。係数補正手段306は、このような標準値の誤差の増大を防ぐために備えられる。
図16は係数補正手段306が基準値の調整を行うときの手順を示すフローチャートである。作業者は対象の部品を交換した後、電磁操作機構100の駆動用コイルに通電して開閉動作の挙動を確認する。このとき、開閉動作を複数回行うのが望ましい。例えばL回開閉動作させたとすると、駆動用コイルに流れる電流と電圧検知用コイル3の両端電圧はL回ずつ、記録手段302に記録・保存される。係数補正手段306は、部品交換後i番目に測定したコイル電流および電圧のそれぞれの時系列データを記録手段302から呼び出して関数g(r)の係数を最適化する。再学習して得た係数の組をKと表す。係数調整手段306は、係数Kを記録手段302に記録する。上記の操作をL回繰り返した後、新しい係数の組を係数Kの中央値Kとして得る。挙動推定手段303は、新しい係数Kを用いて動作速度vを算出する。係数補正手段306は記録手段302に保存している標準値をvで上書きし、標準速度vを更新する。
このように係数補正手段306を備えることにより、電磁操作装置や開閉器の稼働中に機械的な変更があった場合でも動作速度の変化量を高精度に推定できる。
本発明における実施の形態5による電磁式可動装置は、開極用コイル1および投入用コイル2からなる駆動用コイルDC(図1〜5参照)に流れる電流Iと電圧検知用コイル3(図1〜5参照)の両端電圧を取得する測定手段301と、測定手段301で取得したデータを記録する記録手段302と、記録手段302から任意のデータ長分の時系列データを取得して、駆動用コイルDCの通電電流Iおよび電圧検知用コイル3の両端電圧xから可動部MV(図1〜5参照)の動作速度vなどの挙動を推定する挙動推定手段303と、挙動推定手段303で算出した可動部MVの動作速度vなどの挙動推定結果に基づき、前記電磁操作機構に異常が発生したかを判断する状態判定手段304と、状態判定手段304から異常検知信号と可動部MVの動作速度vなどの挙動推定結果を取得し、設備管理者に状態推定結果を通知する通知手段305とを備え、状態判定手段304は、挙動推定手段303による挙動推定結果と基準値とを比較して前記可動部の動作に異常が発生したかどうかを判別するものであって、直近に測定した駆動用コイル3の通電電流Iおよび電圧検知用コイル3の両端電圧xの時系列データから挙動推定のための関数を再学習して前記基準値を補正する係数補正手段を備える。
この構成により、装置の稼働中に可動部動作に影響を与える条件変更があった場合でも動作速度vの変化量などを含む可動部の挙動を高精度に推定できる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の一部または全部を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100 電磁操作機構、DC 駆動用コイル、1 開極用コイル、2 投入用コイル、3 電圧検知用コイル、4 ボビン、5 固定鉄心、6 可動鉄心6 永久磁石、8 静止板、MV 可動部、9a,9b 駆動棒、10 接圧バネ、200 真空バルブ、 21 ベローズ、22 可動接点、23 固定接点、300、400 可動部挙動推定装置、301 測定手段、302 記録手段、303 挙動推定手段、304 状態判定手段、305 通知手段、306 係数補正手段。

Claims (20)

  1. 可動部を作動する磁性体を磁気的に駆動する駆動用コイルと、所定の巻数で巻回される巻回部を有し前記巻回部により前記磁性体の移動領域を含む内部領域を形成して前記内部領域で前記駆動用コイルによる磁束を鎖交する電圧検知用コイルと、前記電圧検知用コイルの出力に応じて前記可動部の挙動を推定する挙動推定手段とを備え、前記電圧検知用コイルは、前記磁性体の一部が前記内部領域における前記磁性体の前記移動領域全体に常に存在する位置に配設されることを特徴とする電磁式可動装置。
  2. 前記可動部を構成する可動接点を有する開閉部と、前記可動部を作動する磁性体からなる可動鉄心および前記駆動用コイルを有する電磁操作機構とを具備する開閉器において、前記挙動推定手段は、前記電圧検知用コイルの出力に応じて前記可動部を構成する前記可動接点の挙動を推定することを特徴とする請求項1に記載の電磁式可動装置。
    の電磁式可動装置。
  3. 前記挙動推定手段は、前記電圧検知用コイルの出力値および前記駆動用コイルに流れる電流値に基づいて前記可動部の挙動を推定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁式可動装置。
  4. 前記挙動推定手段は、前記電圧検知用コイルの出力値を含む変動データに係る任意のデータ長分の時系列データを取得して、前記可動部の挙動を推定することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の電磁式可動装置。
  5. 前記挙動推定手段は、前記電磁操作機構の前記駆動用コイルに流す励磁電流値と前記励磁電流によって前記磁性体に生成される磁束値との関係、および、前記励磁電流によって前記磁性体に生成される磁束値と前記磁性体に働く電磁力によって前記磁性体が動いたときの変位との関係を示す前記駆動用コイルを含む電磁要素の静特性を参酌して、前記可動部の挙動を推定することを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の電磁式可動装置。
  6. 前記挙動推定手段は、前記電圧検知用コイルにおける出力値の経時変化を基に前記可動部の動作速度を推定することを特徴とする請求項1から請求項5までの何れかに記載の電磁式可動装置。
  7. 前記挙動推定手段は、前記電圧検知用コイルから前記可動部の移動中における前記電圧検知用コイルでの出力値の時間変化x(t)がx(t)=At+Bあるいは二次以上の関数で近似できる出力を受けて最高次数にかかる係数Aを取得し、前記係数Aを変数とした二次式を演算して動作速度値を求めることにより、可動部の動作速度を推定することを特徴とする請求項1から請求項6までの何れかに記載の電磁式可動装置。
  8. 前記挙動推定手段は、前記電圧検知用コイル電圧を時間積分して前記可動部に働く磁束を求めることにより、前記可動部の変位を推定することを特徴とする請求項1から請求項6までの何れかに記載の電磁式可動装置。
  9. 前記挙動推定手段の出力に基づき、前記可動部の動作に異常が発生したかどうかを判別する状態判定手段と、前記状態判定手段から異常検知信号を取得するとともに、前記挙動推定手段による挙動推定結果を取得し、設備管理者に異常の検知と挙動推定結果とを通知する通知手段とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項8までの何れかに記載の電磁式可動装置。
  10. 前記状態判定手段は、前記挙動推定手段による挙動推定結果と基準値とを比較して前記可動部の動作に異常が発生したかどうかを判別するものであって、直近に測定した駆動用コイルの通電電流および電圧検知用コイルの両端電圧の時系列データから挙動推定のための関数を再学習して前記基準値を補正する係数補正手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載の電磁式可動装置。
  11. 所定の巻数で巻回される巻回部により内部領域を形成して、前記内部領域に駆動用コイルによって磁気的に駆動される可動部を構成する磁性体の移動領域を設定するとともに、前記内部領域で前記駆動用コイルによる磁束を鎖交する電圧検知用コイルを用い、前記電圧検知用コイルの出力に応じて前記可動部の挙動を推定するにあたり、前記磁性体の一部が前記内部領域における前記磁性体の前記移動領域全体に常に存在する状態で前記電圧検知用コイルの出力を得ることを特徴とする可動部挙動推定方法。
  12. 前記可動部により作動される可動接点を有する開閉部と、前記可動部を構成する磁性体からなる可動鉄心および前記駆動コイルを有する電磁操作機構とを具備する開閉器において前記可動接点を作動する前記可動部の挙動を推定するにあたり、前記挙動推定手段は、前記電圧検知用コイルの出力に応じて前記可動部の挙動を推定することを特徴とする請求項11に記載の可動部挙動推定方法。
  13. 前記電圧検知用コイルの出力値および前記駆動用コイルに流れる電流値に基づいて前記可動部の挙動を推定することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の可動部挙動推定方法。
  14. 前記駆動用コイルの通電電流および前記電圧検知用コイル電圧に係る任意のデータ長分の時系列データを取得して、前記可動部の挙動を推定することを特徴とする請求項11から請求項13までの何れかに記載の可動部挙動推定方法。
  15. 前記電磁操作機構の前記駆動用コイルに流す励磁電流値と前記励磁電流によって前記可動鉄心に生成される磁束値との関係、および、前記励磁電流によって前記可動鉄心に生成される磁束値と前記可動部を構成する磁性体に働く電磁力によって前記磁性体が動いたときの変位との関係を示す電磁要素の静特性を参酌して、前記可動部の挙動を推定することを特徴とする請求項11から請求項14までの何れかに記載の可動部挙動推定方法。
  16. 前記電圧検知用コイルにおける出力値の経時変化を基に前記可動部の動作速度を推定することを特徴とする請求項11から請求項15までの何れかに記載の可動部挙動推定方法。
  17. 前記電圧検知用コイルから前記可動部の移動中における前記電圧検知用コイルでの出力値の時間変化x(t)がx(t)=At+Bあるいは二次以上の関数で近似できる出力を受けて最高次数にかかる係数Aを取得し、前記係数Aを変数とした二次式を演算して動作速度値を求めることにより、可動部の動作速度を推定することを特徴とする請求項11から請求項16までの何れかに記載の可動部挙動推定方法。
  18. 前記電圧検知用コイル電圧を時間積分して可動部に働く磁束を計算することにより、可動鉄心の変位を推定することを特徴とする請求項11から請求項16までの何れかに記載の可動部挙動推定方法。
  19. 前記可動部の挙動推定結果に基づき、前記可動部の動作に異常が発生したかどうかを判別して、設備管理者に異常の検知と挙動推定結果とを通知することを特徴とする請求項11から請求項18までの何れかに記載の可動部挙動推定方法。
  20. 前記挙動推定手段による挙動推定結果と基準値とを比較して前記可動部の動作に異常が発生したかどうかを判別するにあたり、直近に測定した駆動用コイルの通電電流および電圧検知用コイルの両端電圧の時系列データから挙動推定のための関数を再学習して前記基準値を補正することを特徴とする請求項19に記載の可動部挙動推定方法。
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