JP2014206657A - 光学素子の製造方法及び光学素子 - Google Patents
光学素子の製造方法及び光学素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014206657A JP2014206657A JP2013084405A JP2013084405A JP2014206657A JP 2014206657 A JP2014206657 A JP 2014206657A JP 2013084405 A JP2013084405 A JP 2013084405A JP 2013084405 A JP2013084405 A JP 2013084405A JP 2014206657 A JP2014206657 A JP 2014206657A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lens
- mask
- optical
- optical element
- base material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
Abstract
【解決手段】基材であるレンズ10の表面(例えば第1光学面11a)に島状のマスクMAを形成する際に、イオンビームIB等によってマスク用の粒子の運動エネルギーを増加させる処理を行う。このように、マスク用の粒子にエネルギーを与えるため、マスク用の粒子がレンズ10の表面上で島成長しやすくなる。その後、エッチングを行うことにより、レンズ10の表面に所望の形状及び密度を有する微細凹凸構造である反射防止構造体51を均一に形成することができる。基材の種類や基材の表面の濡れ性にかかわらず、所期の光学特性を有するレンズ10を容易に製造することができる。
【選択図】図3
Description
図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る光学素子の製造方法及び光学素子について説明する。
成形工程は、図2に示す第1及び第2金型41,42を組み込んだ射出成形機を用いて行われる。本工程により、レンズ10の本体部分が成形される。
改質工程は、後述するマスク形成工程前に、基材の表面、すなわちレンズ10の第1及び第2光学面11a,11bを改質するために行う。改質工程は、図3に示す加工装置60を用いて行う。具体的には、図5(A)に示すように、レンズ10の第1及び第2光学面11a,11bに対してイオンビームIBを10秒〜10分程度照射する。本工程により、第1及び第2光学面11a,11bの汚れを除去し、基材表面を活性化することができる。また、次工程の構造体形成工程における第1及び第2光学面11a,11bの濡れ性の変化を減少させることができる。改質工程において、イオンビームの出力及びイオンビーム形成用のガスは、マスク形成工程やエッチング工程と同様のものとすることができる。
構造体形成工程は、マスク形成工程と、エッチング工程とを有する。本工程により、基材の表面、すなわちレンズ10の第1及び第2光学面11a,11bに反射防止構造体51が形成される。なお、第1及び第2光学面11a,11bに対する処理工程は同様であるため、便宜上、第1光学面11aに反射防止構造体51を形成する場合についてのみ説明する。
本工程おけるマスク形成工程は、エッチング工程の前処理として行われる。マスク形成工程では、レンズ10の第1光学面11a上にマスクMAを形成する。マスク形成工程において、イオンビーム等の粒子の衝突エネルギーを用いることによってマスク用の粒子の運動エネルギーを増加させる処理を行いながら蒸着によってマスクMAを形成する。マスクMAは、図5(B)に拡大して示すように、微細な島状のパターンとなっている。マスクMAは、ランダムに配置された複数の島IMを有している。マスク形成工程は、蒸着等の膜堆積によって行われる。薄膜の初期成長過程において、膜の成長核が島IMとなって成長する状態、すなわち島成長が起こる。薄膜成長の初期過程を利用することで、マスクMAを分散した島状に形成することができる。膜が層状になる前の島成長の状態では、島IMが存在している部分と第1光学面11aが露出している部分とが存在するため、微細な島状の遮蔽パターンを有するマスクとして機能する。
本工程におけるエッチング工程は、図3に示すエッチング装置としての加工装置60を用いることで行われる。エッチング工程において、イオンガン63及び中和ガン64を利用して、イオンビームIBの照射、すなわち粒子の衝突エネルギーを用いる手法によってエッチングを行う。この際、イオンビームの出力及びイオンビーム形成用のガスは、エッチング工程とマスク形成工程とで異なるものとできる。
以下、本実施形態のうち構造体形成工程の実施例を説明する。
反射防止構造体51の基材として、熱可塑性樹脂製(APEL(三井化学株式会社製))の基板を用いた。基板の直径は11mmであり、厚さは3mmである。構造体形成工程のマスク形成工程において、図3に示すイオンガン63等を用いて基材の表面にイオンビームIBを照射しつつ、図3に示す蒸着装置65を用いて無処理の基材上にTiO2のマスクMAを成膜した。この際、イオンの加速エネルギーは、1W−1kWとした。本工程において、マスクMAの膜厚は、平均膜厚が1nm−10nm程度となるようにした。その後、エッチング工程において、図3に示すイオンガン63等を用いてマスクMAを形成した基材に対してArとO2の混合ガスによってイオンビームエッチング処理を50分間行った。この際、イオンの加速エネルギーは、1W−1kWとした。これにより、基材の表面に反射防止構造体51が作製される。基材の両面に対して構造体形成工程を行い、最初に反射防止構造体51が形成された面を先行面とし、次に反射防止構造体51が形成された面を後行面とした。
以下、構造体形成工程の比較例を説明する。
比較例1において、実施例1と同じ基材に対して構造体形成工程を行った。構造体形成工程は、マスク形成時にイオンビームを照射しない点を除き、上述した実施例1と同様である。
以下、構造体形成工程の別の実施例について説明する。実施例2において、反射防止構造体51の基材として、熱可塑性樹脂(APEL(三井化学株式会社製)、EP5000(三菱ガス化学株式会社製)、ZEONEX(日本ゼオン株式会社製))の基板を用いた。基板の直径は11mmであり、厚さは3mmである。構造体形成工程は、上述した実施例1と同様である。
以下、構造体形成工程の別の比較例を説明する。
比較例2において、実施例2と同じ基材に対して構造体形成工程を行った。構造体形成工程は、マスク形成時にイオンビームを照射しない点を除き、上述した実施例1と同様である。
以下、構造体形成工程の別の実施例について説明する。実施例3において、反射防止構造体51の基材として、熱可塑性樹脂(APEL(三井化学株式会社製))のレンズ10を用いた。実施例3において、構造体形成工程の際に、エッチング処理にイオンビームを用いたサンプル1と、プラズマを用いた反射防止構造体51を形成したサンプル2とを得た。サンプル1、2共にマスク形成工程において、イオンビームを照射しつつTiO2のマスクMAを成膜した。本工程において、マスクMAの膜厚は、平均膜厚が1nm−20nm程度となるようにした。その後、エッチング工程において、サンプル1に対しては、図3に示すイオンガン63等を用いてマスクMAを形成した基材に対してArとO2の混合ガスによってイオンビームエッチング処理を50分間行った。この際、イオンの加速エネルギーは、1W〜1kWとした。一方、サンプル2に対しては、図示を省略するプラズマ装置を用いてプラズマエッチング処理を5分間行った。この際、プラズマエッチングは、プラズマ発生用の高周波電圧と基板バイアス用の低周波電圧を印加できるものを使用し、高周波電源10W−500W、低周波電源5W−200Wの極力低電源で実施した。また、プラズマエッチング用のガスにはO2を使用した。
以下、構造体形成工程の別の実施例について説明する。実施例4において、図3に示す蒸着装置65を用いて、ガラス基板上に極力低いレートで膜を堆積させた。光学干渉表面粗さ計(Wyko(Veeco社製))を用いて成膜した膜の厚さを測定した。レートは測定した膜厚を作製時間で割って算出した。その結果、実施例4の最低堆積レートは0.01nm/secであった。
以下、構造体形成工程の別の比較例について説明する。比較例3において、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、ガラス基板上に極力低いレートで膜を堆積させた。膜厚の測定方法は、実施例4と同様である。比較例3の最低堆積レートは10nm/secであった。
以下、第2実施形態に係る光学素子の製造方法等について説明する。なお、第2実施形態の光学素子の製造方法等は第1実施形態の光学素子の製造方法等を変形したものであり、特に説明しない事項は第1実施形態と同様である。
Claims (7)
- 基材の表面でマスク用の粒子の運動エネルギーを増加させる処理を行いながら蒸着によって島状のマスクを形成するマスク形成工程と、
前記マスク形成工程後、前記基材の表面をエッチングし微細凹凸構造を形成するエッチング工程と、
を備えることを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記マスク用の粒子の運動エネルギーを増加させる処理は、プラズマ及びイオンビームのいずれか一方を用いることによって行うことを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
- 前記マスク用の粒子の運動エネルギーを増加させる処理は、前記基材の表面を加熱することによって行うことを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
- 前記マスク形成工程前に、前記基材の表面を改質する改質工程を行うことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記基材の材料は、樹脂及び金属酸化物のいずれか一方であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記エッチング工程において、プラズマ及びイオンビームのいずれか一方を用いることによってエッチングを行うことを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 請求項1から6までのいずれか一項に記載の光学素子の製造方法を用いて製造することを特徴とする光学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013084405A JP2014206657A (ja) | 2013-04-12 | 2013-04-12 | 光学素子の製造方法及び光学素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013084405A JP2014206657A (ja) | 2013-04-12 | 2013-04-12 | 光学素子の製造方法及び光学素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014206657A true JP2014206657A (ja) | 2014-10-30 |
Family
ID=52120232
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013084405A Pending JP2014206657A (ja) | 2013-04-12 | 2013-04-12 | 光学素子の製造方法及び光学素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014206657A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019211920A1 (ja) * | 2018-04-30 | 2019-11-07 | ナルックス株式会社 | 表面に微細凹凸構造を備えたプラスチック成型品の製造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0545503A (ja) * | 1991-08-09 | 1993-02-23 | Konica Corp | 光学素子およびその製造方法 |
JP2000258607A (ja) * | 1999-03-11 | 2000-09-22 | Canon Inc | 微細構造の形成方法及び光学素子の製造方法 |
JP2005042132A (ja) * | 2003-07-22 | 2005-02-17 | Seiko Epson Corp | 誘電体の低温成膜方法 |
JP2012212019A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Konica Minolta Advanced Layers Inc | 光学要素アレイの製造方法、光学要素アレイ、レンズユニット、及びカメラモジュール |
-
2013
- 2013-04-12 JP JP2013084405A patent/JP2014206657A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0545503A (ja) * | 1991-08-09 | 1993-02-23 | Konica Corp | 光学素子およびその製造方法 |
JP2000258607A (ja) * | 1999-03-11 | 2000-09-22 | Canon Inc | 微細構造の形成方法及び光学素子の製造方法 |
JP2005042132A (ja) * | 2003-07-22 | 2005-02-17 | Seiko Epson Corp | 誘電体の低温成膜方法 |
JP2012212019A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Konica Minolta Advanced Layers Inc | 光学要素アレイの製造方法、光学要素アレイ、レンズユニット、及びカメラモジュール |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019211920A1 (ja) * | 2018-04-30 | 2019-11-07 | ナルックス株式会社 | 表面に微細凹凸構造を備えたプラスチック成型品の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20220003897A1 (en) | Optical body, display device, and method for manufacturing optical body | |
JP6006718B2 (ja) | 光学フィルタ、光学機器、電子機器及び反射防止複合体 | |
EP2965130B1 (en) | Synthetic diamond optical elements | |
Bushunov et al. | Review of surface modification technologies for mid‐infrared antireflection microstructures fabrication | |
Toyota et al. | Fabrication of microcone array for antireflection structured surface using metal dotted pattern | |
JP2010511079A (ja) | プラスチック表面にナノ構造を製造する方法 | |
JP6878477B2 (ja) | 立体像結像装置の製造方法 | |
US8158211B2 (en) | Anti-reflection plate and method for manufacturing anti-reflection structure thereof | |
US9927692B2 (en) | Reflective photomask and production method therefor | |
EP3761070B1 (en) | Optical body, master, and method for manufacturing optical body | |
WO2013015406A1 (ja) | 光学装置、撮像装置、及び撮像装置の製造方法 | |
JP2014206657A (ja) | 光学素子の製造方法及び光学素子 | |
JP6611113B1 (ja) | 表面に微細凹凸構造を備えたプラスチック素子の製造方法 | |
KR101529955B1 (ko) | 칼코게나이드 기반의 광학계 모듈 | |
JP6292129B2 (ja) | 光学素子の製造方法及び反射防止構造体の作製方法 | |
JP2014170066A (ja) | 光学体、撮像装置、電子機器、および原盤 | |
TWI836590B (zh) | 光學體、母盤、及光學體之製造方法 | |
JP2010014822A (ja) | グリッド偏光フィルムの製造方法 | |
JP6224314B2 (ja) | 光学フィルタ及び光学機器 | |
CN111830605A (zh) | 具有激光诱发周期表面微结构的光学镜片 | |
JP2010116613A (ja) | クラスターイオンアシスト蒸着装置及び方法 | |
JP4915877B2 (ja) | マイクロレンズ用金型、マイクロレンズおよびそれらの製法 | |
Alexeev et al. | Fabrication and Application of Phase only Holograms for High Power Laser Beam Shaping. | |
KR20210032855A (ko) | 청광 차단 저반사 광학부재 및 이의 제조방법 | |
JPH063507A (ja) | マイクロレンズ及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160408 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170117 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170316 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170822 |