JP2014206050A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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泉 大樹
Daiki Izumi
大樹 泉
靖 寺山
Yasushi Terayama
靖 寺山
伊藤 正博
Masahiro Ito
正博 伊藤
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Abstract

【課題】スクロール型圧縮機において、可動スクロールの旋回時において段付部と段差部とが当接した際に生じる衝撃を緩衝する。【解決手段】スクロール型圧縮機10において、固定スクロール18における固定側渦巻壁46に第1段付部72と、可動スクロール20における可動側渦巻壁78に第2段付部110と、該可動スクロール20の自転を規制するオルダム機構26とを有し、前記第1及び第2段付部72、110と第2及び第1段差部84、66との間の隙間設定値G1、G2の合計が、オルダムリング92の第1キー部98a、98bとオルダムベース28の第1係合溝部30との間の第1クリアランスE1と、第2キー部100a、100bと前記可動スクロール20の第2係合溝部90との間の第2クリアランスE2との合計に基づく前記可動スクロール20の周方向に沿った変位量よりも大きく設定される。【選択図】図4

Description

本発明は、固定スクロールに対して可動スクロールを旋回させることによりハウジングの内部において冷媒を圧縮するスクロール型圧縮機に関する。
従来から、固定板と該固定板に直立した渦巻状の固定壁を有する固定スクロールと、可動板と該可動板に直立した渦巻状の可動壁を前記固定壁に噛み合わせるように配置した可動スクロールとをハウジングの内部に備えたスクロール型圧縮機が知られている。
近年、さらなる冷媒等の圧縮比向上を図るために、例えば、特許文献1に開示されるスクロール型圧縮機のように、可動壁及び固定壁において高さの異なる段付部をそれぞれ設けると共に、前記可動壁に臨む固定スクロールの固定壁、前記固定壁に臨む可動スクロールの可動壁にそれぞれ前記可動壁及び固定壁が挿入され、前記段付部の接触する段差部を備え、前記段付部と段差部とを係合させるように旋回動作させるものが知られている。
このようなスクロール型圧縮機では、段付部と段差部との接触を回避するために、該段付部と段差部との間に微小な隙間を設け、運転状態において該隙間を維持することで前記接触を防止しつつ、圧縮室からの冷媒の漏れを抑制する構成としている。
特許第4410726号公報
しかしながら、上述したスクロール型圧縮機では、可動スクロールが固定スクロールに対して旋回動作する際、該可動スクロールには、固定スクロールとの間のシール性を高めるための旋回半径調整機構からの荷重や、圧縮された冷媒からの反力や、可動壁と固定壁との間に生じる摩擦等が様々な条件下で複合的に作用するため、段付部と段差部との間の隙間を最適に設定しても、両者の接触を完全に回避することは困難である。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、可動スクロールの旋回時において段付部と段差部とが接触した際の衝撃を緩衝可能なスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、ハウジング内に設けられる固定スクロールと、前記固定スクロールと噛み合わされる可動スクロールとを有し、前記固定スクロール及び可動スクロールは、基板部の高さを渦巻壁の中心部側で高く該中心部とは反対側となる外端部側で低く形成した段差部と、前記渦巻壁の高さを前記中心部側で低く該中心部とは反対側となる外端部側で高く形成した段付部とを備え、前記段差部と前記段付部とを互いに係合させ旋回動作させると共に、該可動スクロールの自転を防止するオルダム機構を有したスクロール型圧縮機において、
前記固定スクロールの段差部と前記可動スクロールの段付部とからなる第1段部における隙間を第1隙間設定値とし、
前記可動スクロールの段差部と前記固定スクロールの段付部とからなる第2段部における隙間を第2隙間設定値とし、
前記オルダム機構は、第1オルダムキーが前記ハウジングの第1溝部に挿入され、第2オルダムキーが前記可動スクロールの第2溝部に挿入され、該第1オルダムキーと前記第1溝部との間の周方向に沿った間隙を第1クリアランス、該第2オルダムキーと前記第2溝部との間の周方向に沿った間隙を第2クリアランスとした際、
前記第1隙間設定値と前記第2隙間設定値との合計が、前記第1及び第2クリアランスの合計に基づく前記可動スクロールの周方向に沿った変位量より大きく設定されることを特徴とする。
本発明によれば、固定スクロール及び可動スクロールに段差部を設け、渦巻壁に前記段差部に係合される段付部を有すると共に、前記可動スクロールの自転を規制するオルダム機構を有したスクロール型圧縮機において、
前記固定スクロールの段差部と前記可動スクロールの段付部とからなる第1段部の第1隙間設定値と、前記可動スクロールの段差部と前記固定スクロールの段付部とからなる第2段部の第2隙間設定値との合計を、オルダム機構における第1オルダムキーとハウジングの第1溝部との間の周方向に沿った第1クリアランスと、第2オルダムキーと前記可動スクロールの第2溝部との間の周方向に沿った第2クリアランスとの合計に基づく前記可動スクロールの周方向に沿った変位量より大きく設定している。
従って、可動スクロールが固定スクロールに対して旋回する際、冷媒を圧縮した際の反力、オルダム機構の倒れ等の様々な要因で押圧され位置ずれし、段付部と段差部とが当接してしまう場合でも、両者が接触するより前にハウジングに対する第1オルダムキーの移動限界、前記第2オルダムキーに対する可動スクロールの移動限界へ到達するため、当接した際に生じる衝撃を確実に緩衝することができる。
また、第1段部が当接している状態において、第1クリアランスと第2クリアランスを常に一方側へと偏った位置とし、第2段部が当接している状態において、前記第1クリアランスと前記第2クリアランスを常に他方側へと偏った位置とすることで、第1段部の当接時、第2段部の当接時のいずれにおいても、発生する衝撃を効果的に緩衝することが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、段付部及び段差部を有したスクロール型圧縮機において、固定スクロールの段差部と前記可動スクロールの段付部とからなる第1段部の第1隙間設定値と、前記可動スクロールの段差部と前記固定スクロールの段付部とからなる第2段部の第2隙間設定値との合計を、オルダム機構における第1オルダムキーとハウジングの第1溝部との間の周方向に沿った第1クリアランスと、第2オルダムキーと前記可動スクロールの第2溝部との間の周方向に沿った第2クリアランスとの合計に基づく前記可動スクロールの周方向に沿った変位量より大きく設定する。これにより、可動スクロールが旋回時において様々な要因で押圧され位置ずれし、段付部と段差部とが当接してしまう場合でも、両者が接触するより前にハウジングに対する第1オルダムキーの移動限界、前記第2オルダムキーに対する可動スクロールの移動限界となるため、当接する際に生じる衝撃を確実に緩衝することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るスクロール型圧縮機の全体断面図である。 図1に示すスクロール型圧縮機において、固定スクロールに対して可動スクロールの可動側渦巻壁を組み合わせた状態を示す模式平面図である。 図1のスクロール型圧縮機におけるオルダム機構及び可動スクロールの分解斜視図である。 オルダム機構及び可動スクロールを示す平面図である。
本発明に係るスクロール型圧縮機について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係るスクロール型圧縮機を示す。
このスクロール型圧縮機10は、図1に示されるように、蓋状に形成されたフロントハウジング12と、カップ状に形成されたリアハウジング14とを含み、前記リアハウジング14の外周側には、例えば、冷媒等からなるガスを内部へと導入する吸入ポート16と、前記リアハウジング14の内部で圧縮された圧縮ガスが導出される吐出ポート(図示せず)とが形成される。そして、リアハウジング14の内部には、その開口した一端部側(矢印A方向)から固定スクロール18と、該固定スクロール18に対して旋回する可動スクロール20が挿入される。
フロントハウジング12は、その一端部に形成され後述する駆動部116の回転シャフト118を支持する円筒部22と、該円筒部22に対して拡径しリアハウジング14に連結される連結部24とを有する。連結部24の略中央部には、可動スクロール20に臨む端面に後述するオルダム機構26のオルダムベース28が図示しないボルトによって連結される。このオルダムベース28には、図1及び図3に示されるように、可動スクロール20側(矢印B方向)となる端面に一対の第1係合溝部(第1溝部)30が形成され、後述するオルダムリング92の第1キー部98a、98bが係合される。なお、第1係合溝部30と直交するように一対の収納溝31が形成される。すなわち、第1係合溝部30と収納溝31とは、オルダムベース28の周方向に沿って互いに90°離間するように設けられている。そして、収納溝31には、後述するオルダムリング92の凸部103が挿入される。
リアハウジング14は、例えば、有底筒状に形成され、その開口した一端部側(矢印A方向)に形成される大径部32と、該大径部32に対して他端部側(矢印B方向)に形成され縮径した小径部34と、該小径部34に隣接して他端部に形成されたガス吐出室36とを有する。なお、ガス吐出室36は、図示しない吐出ポートと連通している。
大径部32は、例えば、軸方向(矢印A、B方向)に沿って略一定径となる内周面を有し、その先端部には前記フロントハウジング12の連結部24が当接すると共に、前記連結部24と前記大径部32の端部に対して第1ロケートピン38が嵌合された状態で、フロントハウジング12とリアハウジング14とが複数の第1締結ボルト40によって互いに連結される。
一方、大径部32に形成される外周面には、内周側に向かって貫通した吸入ポート16が形成され、固定スクロール18の固定側渦巻壁46との間に形成されたガス吸入室42へガスが導入される。
小径部34は、大径部32の内周径に対して小径で軸方向(矢印A、B方向)に沿って延在した内周面を有し、前記軸方向に沿って所定深さで形成される。
固定スクロール18は、固定側基板部44と、該固定側基板部44から可動スクロール20側(矢印A方向)に立設して渦巻状に形成される固定側渦巻壁46とを有する。固定側基板部44は、例えば、所定厚さを有した円盤状に形成され、その略中心部には後述するガス圧縮室114からガス吐出室36へと連通する圧縮ガス導出孔48が軸方向(矢印A、B方向)に貫通するように形成される。そして、固定側基板部44は、リアハウジング14の大径部32の内部に収納される。
固定側基板部44の背面には、軸方向(矢印B方向)に沿って所定高さで突出し、該固定側基板部44の外縁部よりも小径な嵌挿部50が形成され、前記嵌挿部50がリアハウジング14の小径部34に挿入されると共に、その端面がリアハウジング14の内壁面に当接する。
また、嵌挿部50の端面には、リアハウジング14との間に第2ロケートピン52が嵌合され、これにより前記リアハウジング14に対する固定スクロール18の周方向への位置決めがなされ、この状態で、複数の第2締結ボルト54を前記リアハウジング14を通じて嵌挿部50へと螺合させることで互いに連結される。
この嵌挿部50の中央には、該嵌挿部50の端面から固定側基板部44側(矢印A方向)に向かって窪んだ窪み部56が形成され、前記窪み部56及び固定側基板部44を貫通するように圧縮ガス導出孔48が形成される。この窪み部56は、リアハウジング14のガス吐出室36に臨むように設けられ、その内部には、圧縮ガス導出孔48を閉塞する一方、ガス圧縮室114において圧縮された圧縮ガスが所定圧となった際に、開動作してガス吐出室36へ該圧縮ガスを導出する吐出弁58が設けられる。
さらに、嵌挿部50の外周面には、環状溝を介してシールリング60が装着される。このシールリング60は、例えば、ゴム等の弾性材料から断面円形状に形成され、リアハウジング14における小径部34の内周面に当接することで、固定スクロール18の嵌挿部50とリアハウジング14の小径部34との間を通じた圧縮ガスの流通が遮断される。
一方、図1及び図2に示されるように、可動スクロール20に臨む固定側基板部44の表面には、圧縮ガス導出孔48を有した中心部から外端部側に向かって所定範囲に形成された第1固定側底面部62と、前記第1固定側底面部62に対して前記固定側渦巻壁46に沿った外端部側(図2中、矢印D方向)に形成された第2固定側底面部64とを備える。
第2固定側底面部64は、第1固定側底面部62に対して背面側(矢印B方向)に所定高さだけ窪んで形成され、前記第1固定側底面部62と前記第2固定側底面部64とは、固定スクロール18の軸方向と直交する方向に延在し、互いに略平行に形成される。
すなわち、固定側基板部44の表面は、第1固定側底面部62と第2固定側底面部64とによって軸方向(矢印A、B方向)において段付状に形成され、前記第1固定側底面部62と前記第2固定側底面部64との境界部位には、中心部側(図2中、矢印C方向)に向かって断面半円状に膨出した第1段差部66が形成される。第1段差部66は、固定スクロール18の軸方向(矢印A、B方向)に沿って立設した壁面で形成される。
固定側渦巻壁46は、固定側基板部44の中心部から半径外方向に向かって徐々に拡径するように渦巻状に形成され、前記中心部となる圧縮ガス導出孔48側に形成された第1固定側壁部68と、該第1固定側壁部68と連続し外端部側(図2中、矢印D方向)に形成された第2固定側壁部70とを有する。第2固定側壁部70は、第1固定側壁部68に対して固定側基板部44に対する高さが高く形成される。すなわち、固定側渦巻壁46は、第1固定側壁部68及び第2固定側壁部70から段付状に形成される。
第2固定側壁部70の端部には、第1固定側壁部68側(図2中、矢印C方向)に向かって断面略半円状に膨出した第1段付部72が形成される。また、第1及び第2固定側壁部68、70の上端部にはそれぞれ第1チップシール74が装着され(図1参照)、可動スクロール20に組み付けられた際に、可動側基板部76に摺接することで後述するガス圧縮室114の気密を保持する。
可動スクロール20は、図1及び図2に示されるように、可動側基板部76と、該可動側基板部76から固定スクロール18側(矢印B方向)へと立設して渦巻状に形成され、前記固定側渦巻壁46に噛み合う可動側渦巻壁78とを有する。
可動側基板部76は、例えば、所定厚さを有した円盤状に形成され、固定スクロール18に臨む表面には、中心部から外端部側に向かって所定範囲に形成された第1可動側底面部80と、前記第1可動側底面部80に対して前記可動側渦巻壁78に沿った外端部側に形成された第2可動側底面部82とを備える。
第2可動側底面部82は、第1可動側底面部80に対して固定スクロール18から離間する方向(矢印A方向)に所定高さだけ窪んで形成され、前記第1可動側底面部80と前記第2可動側底面部82とは、可動スクロール20の軸方向と直交する方向に延在し、互いに略平行に形成される。
すなわち、可動側基板部76の表面は、中心部側に形成された第1可動側底面部80と外端部側に形成された第2可動側底面部82とによって軸方向(矢印A、B方向)において段付状に形成され、前記第1可動側底面部80と前記第2可動側底面部82との境界部位には、中心部側(図2中、矢印C方向)に向かって断面半円状に膨出した第2段差部84が形成される。第2段差部84は、可動スクロール20の軸方向(図1中、矢印A、B方向)に沿って立設した壁面で形成される。
また、可動側基板部76の背面には、図1に示されるように、その中央部に突出したボス部86が形成され、その内部には旋回軸受88を介して回転可能にブッシュ120が嵌挿されると共に、前記ボス部86の外周側には、一対の第2係合溝部(第2溝部)90が形成される。この第2係合溝部90は、図1及び図3に示されるように、例えば、断面矩形状で背面に対して所定深さで窪み、ボス部86を中心として対称となる位置に一直線上に配置され、半径外方向に向かって延在している。
そして、可動側基板部76の背面側(矢印A方向)には、フロントハウジング12との間に、可動スクロール20の自転を規制するオルダム機構26が設けられる。
このオルダム機構26は、図1及び図3に示されるように、フロントハウジング12の連結部24に連結されるオルダムベース28と、環状のオルダムリング92と、前記オルダムベース28と可動スクロール20の可動側基板部76との間に挟持されるスラストプレート94とを含む。
オルダムベース28に形成される第1係合溝部30は、図1、図3及び図4に示されるように、例えば、断面矩形状で該オルダムベース28の中心に対して対称に配置され、且つ、半径方向に延在するように所定深さだけ窪んで形成される。
オルダムリング92は、円環状に形成されたベース部96と、該ベース部96の一端面に対して断面矩形状に突出した一対の第1キー部(第1オルダムキー)98a、98bと、前記該ベース部96の他端面に対して断面矩形状に突出した一対の第2キー部(第2オルダムキー)100a、100bとを有する。
第1キー部98a、98bは、ベース部96の中心に対して対称となるように一直線上に配置され、第2キー部100a、100bは、前記中心に対して対称となるように一直線上に配置され、且つ、前記第1キー部98a、98bと略直交する位置に配置される。換言すれば、一対の第2キー部100a、100bは、一対の第1キー部98a、98bに対してベース部96の周方向に沿って略90°だけ離間した位置に設けられる。
そして、第1キー部98a、98bは、スラストプレート94の第1凹部102を介してオルダムベース28の第1係合溝部30にそれぞれ挿入され、図4に示されるように、該第1係合溝部30の周方向に沿った幅寸法が前記第1キー部98a、98bの周方向に沿った幅寸法に対して大きく形成されているため、前記第1キー部98a、98bの側面と前記第1係合溝部30の内壁面との間に、オルダムリング92の周方向に沿った第1クリアランスE1が形成される。
また、第1キー部98a、98bに対するベース部96の他端面側には、所定高さで突出した凸部103が形成され、オルダムベース28の収納溝31に収納される。
一方、第2キー部100a、100bは、スラストプレート94の第2凹部104を介して可動スクロール20の第2係合溝部90にそれぞれ挿入され、図4に示されるように、該第2係合溝部90の周方向に沿った幅寸法が前記第2キー部100a、100bの周方向に沿った幅寸法に対して大きく形成されているため、前記第2キー部100a、100bの側面と前記第2係合溝部90の内壁面との間に、オルダムリング92の周方向に沿った第2クリアランスE2が形成される。
これにより、可動スクロール20は、オルダムリング92を含むオルダム機構26によって径方向にのみ往復変位可能で、且つ、自転が規制された状態で、旋回動作が許容された状態となる。
可動側渦巻壁78は、図1及び図2に示されるように、可動側基板部76の中心部から半径外方向に向かって徐々に拡径するように渦巻状に形成され、前記中心部側に形成された第1可動側壁部106と、該第1可動側壁部106と連続し外端部側(図2中、矢印D方向)に形成された第2可動側壁部108とを有する。
第2可動側壁部108は、第1可動側壁部106に対して可動側基板部76に対する高さが高く形成される(図1参照)。すなわち、可動側渦巻壁78は、第1可動側壁部106及び第2可動側壁部108から段付状に形成される。第2可動側壁部108の端部には、第1可動側壁部106側(図2中、矢印C方向)に向かって断面略半円状に膨出した第2段付部110が形成される。
また、第1及び第2可動側壁部106、108の上端部にはそれぞれ第2チップシール112が装着され(図1参照)、固定スクロール18に対して組み付けられた際に、固定側基板部44に摺接することで後述するガス圧縮室114の気密を保持する。
そして、リアハウジング14内において、可動側渦巻壁78が固定スクロール18側(矢印B方向)となるように配置され、前記固定スクロール18を構成する固定側基板部44及び固定側渦巻壁46と、可動スクロール20を構成する可動側基板部76及び可動側渦巻壁78とによってガス圧縮室114が形成される。
この際、固定スクロール18の第1固定側壁部68が、可動スクロール20の第1可動側底面部80に臨み、第2固定側壁部70が第2可動側底面部82に臨むように配置され、一方、前記可動スクロール20の第1可動側壁部106が、固定スクロール18の第1固定側底面部62に臨み、第2可動側壁部108が第2固定側底面部64に臨むように配置される。また、固定スクロール18の第1段付部72が、可動スクロール20の第2段差部84に臨むように配置され、前記可動スクロール20の第2段付部110が、前記固定スクロール18の第1段差部66に臨むように配置される(図2参照)。
駆動部116は、図1に示されるように、回転シャフト118と、該回転シャフト118の端部に連結されたブッシュ120と、前記回転シャフト118を回転自在に支持する第1及び第2軸受122、124と、前記ブッシュ120を回転自在に支持する旋回軸受88とを備える。回転シャフト118は、その一端である軸部126がフロントハウジング12の円筒部22に挿入され、第1軸受122を介して回転自在に支持される。
回転シャフト118は、略一定径の軸部126と、該軸部126の端部に設けられ拡径した支持体128とを有し、前記軸部126がフロントハウジング12の一端側(矢印A方向)、前記支持体128が固定スクロール18側となる前記フロントハウジング12の他端側(矢印B方向)となるように配置される。そして、軸部126は、フロントハウジング12の一端部から所定長さだけ突出してプーリ(図示せず)が装着される。また、フロントハウジング12の円筒部22は、軸部126の外周側とフロントハウジング12との間に装着されるカバー部材130によって閉塞される。
支持体128の端面には、可動スクロール20側(矢印B方向)に突出し、前記支持体128の軸心に対して偏心したクランクピン132が設けられている。そして、クランクピン132は、後述するブッシュ120の偏心孔134に挿入され、その端部に形成された溝部に係止リング136が装着されることにより、前記ブッシュ120のクランクピン132に対する抜け止めがなされる。
ブッシュ120は、例えば、軸方向に所定長さを有した円盤状の本体部138と、該本体部138の外周面から半径外方向に延在したバランスウェイト部140とを有し、前記本体部138には、中心から半径外方向に偏心した位置に偏心孔134が形成される。そして、偏心孔134には、駆動部116側(矢印A方向)となる一端面側からクランクピン132が挿入される。
このブッシュ120の偏心孔134にクランクピン132が挿入されることで回転シャフト118によってスイング運動可能に旋回され、これにより、可動スクロール20が旋回半径を可変させながら旋回する。また、支持体128は、フロントハウジング12の内部に設けられた第2軸受124によって回転自在に支持される。
この駆動部116は、回転シャフト118の一端部に装着されるプーリ(図示せず)に、エンジン等の回転駆動源からベルトを介して回転力が伝達されることで、前記回転シャフト118が回転する。
本発明の実施の形態に係るスクロール型圧縮機10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
先ず、電磁クラッチの動作作用下に、図1に示される回転シャフト118に回転力が伝達されると、支持体128が第1軸受122を介して回転し、これによって前記支持体128に固着されたクランクピン132が回転シャフト118の軸心に対して偏心した状態で旋回する。これにより、クランクピン132を介してブッシュ120が回転し、オルダムリング92が摺動し、且つ、その自転が規制されているため、可動スクロール20がオルダム機構26によって自転を拘束された状態で固定スクロール18に対して旋回する。
そして、吸入ポート16から供給されたガスが、リアハウジング14の内部に導入され、固定スクロール18における固定側渦巻壁46と可動スクロール20における可動側渦巻壁78との間で形成されるガス圧縮室114へ導入され、可動スクロール20の可動側渦巻壁78が固定スクロール18の固定側渦巻壁46に対して接触しながら旋回することで、その間に形成されたガス圧縮室114内のガスを圧縮しながら中心部側(図2中、矢印C方向)に向かって進行させていく。
例えば、可動スクロール20の旋回作用下にガスを圧縮する過程において、固定側渦巻壁46と可動側渦巻壁78との間で、ガス圧縮室114が略三日月状で外周側に形成された2つの中間圧縮室に分割され始め、固定スクロール18の第1段付部72が可動スクロール20の第2段差部84に対して接近して当接し、一方、前記可動スクロール20の第2段付部110が、前記固定スクロール18の第1段差部66に対して接近して当接することで、初めて2つの中間圧縮室へと完全に分割される。
この際、可動スクロール20の第2段付部110は、固定スクロール18の第1段差部66に対して略円形状となる軌跡で移動し、第2段差部84も、第1段付部72に対して相対的に略円形状となる軌跡で移動する。
そして、さらなる可動スクロール20の旋回によって、第1及び第2段付部72、110が第2及び第1段差部84、66の内端部まで移動し、2つの中間圧縮室においてガスを圧縮した後、第1及び第2段付部72、110が前記内端部から再び離間し始める。
このように、スクロール型圧縮機10では、固定スクロール18に対する可動スクロール20の旋回作用下にガス圧縮室114が2つの中間圧縮室に分割された状態と、一方の中間圧縮室と他方の中間圧縮室とが互いに連通して一体化された状態とを交互に繰り返しながら、徐々にガス圧縮室114を中心部側(矢印C方向)に向かって進行させ、その内部に供給されたガスを圧縮していく。その後、圧縮された圧縮ガスが、圧縮ガス導出孔48からガス吐出室36へと導出され、図示しない吐出ポートを介して図示しない冷媒循環系へと吐出される。
上述したような可動スクロール20の旋回作用下にガスを圧縮していく圧縮行程において、例えば、圧縮されたガスによる反力や、図示しない旋回半径調整機構や、オルダムリング92の倒れ等によって前記可動スクロール20に径方向の荷重が付与され、所定位置から位置ずれしてしまうことがある。
例えば、図4に示されるように、オルダム機構26において、第1及び第2クリアランスE1、E2の合計に基づく前記可動スクロール20の周方向に沿った変位量より、固定スクロール18の第1段差部66と可動スクロール20の第2段付部110との間の第1隙間設定値G1と、第2段差部84と第1段付部72との間の第2隙間設定値G2との合計(G1+G2)を大きく設定しておくことにより、オルダムベース28に対してオルダムリング92が位置ずれし、その第1係合溝部30とオルダムリング92の第1キー部98a、98bとの間の周方向に沿った第1クリアランスE1の分だけ移動し、且つ、前記オルダムリング92の第2キー部100a、100bに対して可動スクロール20が周方向に沿った第2クリアランスE2の分だけ位置ずれし、前記第1及び第2段付部72、110と第2及び第1段差部84、66とが当接してしまう場合でも、両者が当接するより前にオルダムベース28に対するオルダムリング92の移動限界(第1クリアランスE1)、前記オルダムリング92に対する可動スクロール20の移動限界(第2クリアランスE2)に到達するため、両者が高速で当接してしまうことが回避され、それに伴って、当接時に生じる衝撃が緩衝される。
以上のように、本実施の形態では、固定スクロール18における固定側渦巻壁46に第1段付部72と、可動スクロール20における可動側渦巻壁78に第2段付部110と、前記可動スクロール20の自転を規制するオルダム機構26とを有したスクロール型圧縮機10において、固定スクロール18における第1段差部66と可動スクロール20の第2段付部110との間の第1隙間設定値G1と、第2段差部84と第1段付部72との間の第2隙間設定値G2との合計が、オルダムリング92の第1キー部98a、98bと第1係合溝部30との間の第1クリアランスE1と第2クリアランスE2の合計に基づく前記可動スクロール20の周方向に沿った変位量よりも大きくなるように設定することで、前記可動スクロール20が様々な条件下で旋回する際に、複合的に作用する荷重によって位置ずれした場合でも、第1及び第2段付部72、110と第2及び第1段差部84、66との当接によって生じる衝撃を確実に緩衝することができる。
また、固定スクロール18の第1段付部72と可動スクロール20における第2段差部84とが当接している状態では、第1及び第2クリアランスE1、E2が常に一方へと偏った状態となり、前記可動スクロール20の第2段付部110と前記固定スクロール18の第1段差部66とが当接している状態では、前記第1及び第2クリアランスE1、E2が前記一方とは反対側となる他方へと常に偏った状態となるため、第1段差部66と第2段付部110との当接時、第2段差部84と第1段付部72との当接時のいずれにおいても、発生する衝撃を効果的に緩衝することが可能となる。
具体的には、上述した第1クリアランスE1及び第2クリアランスE2の大きさに対して、第1及び第2係合溝部30、90内における第1及び第2キー部98a、98b、100a、100bの移動可能範囲が適切となるように、第1及び第2隙間設定値G1、G2の大きさを適宜設定すればよい。
なお、本発明に係るスクロール型圧縮機は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…スクロール型圧縮機 12…フロントハウジング
14…リアハウジング 18…固定スクロール
20…可動スクロール 24…連結部
26…オルダム機構 30…第1係合溝部
44…固定側基板部 46…固定側渦巻壁
66…第1段差部 72…第1段付部
76…可動側基板部 78…可動側渦巻壁
84…第2段差部 90…第2係合溝部
92…オルダムリング 94…スラストプレート
96…ベース部 98a、98b…第1キー部
100a、100b…第2キー部 110…第2段付部
114…ガス圧縮室 116…駆動部

Claims (2)

  1. ハウジング内に設けられる固定スクロールと、前記固定スクロールと噛み合わされる可動スクロールとを有し、前記固定スクロール及び可動スクロールは、基板部の高さを渦巻壁の中心部側で高く該中心部とは反対側となる外端部側で低く形成した段差部と、前記渦巻壁の高さを前記中心部側で低く該中心部とは反対側となる外端部側で高く形成した段付部とを備え、前記段差部と前記段付部とを互いに係合させ旋回動作させると共に、該可動スクロールの自転を防止するオルダム機構を有したスクロール型圧縮機において、
    前記固定スクロールの段差部と前記可動スクロールの段付部とからなる第1段部における隙間を第1隙間設定値とし、
    前記可動スクロールの段差部と前記固定スクロールの段付部とからなる第2段部における隙間を第2隙間設定値とし、
    前記オルダム機構は、第1オルダムキーが前記ハウジングの第1溝部に挿入され、第2オルダムキーが前記可動スクロールの第2溝部に挿入され、該第1オルダムキーと前記第1溝部との間の周方向に沿った間隙を第1クリアランス、該第2オルダムキーと前記第2溝部との間の周方向に沿った間隙を第2クリアランスとした際、
    前記第1隙間設定値と前記第2隙間設定値との合計が、前記第1及び第2クリアランスの合計に基づく前記可動スクロールの周方向に沿った変位量より大きく設定されることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 請求項1記載のスクロール型圧縮機において、
    前記第1段部が当接している状態において、前記第1クリアランスと前記第2クリアランスが常に一方側へと偏った位置となり、前記第2段部が当接している状態において、前記第1クリアランスと前記第2クリアランスが常に他方側へと偏った位置となることを特徴とするスクロール型圧縮機。
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