JP2014205661A - アミノ酸含有顆粒及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)崩壊剤(例、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微粒二酸化珪素等)を配合することによって、口腔内で容易に崩壊する顆粒を得る方法。
(2)押出造粒において押出穴径を小さくし、顆粒の表面積を大きくすることによって、口腔内での溶解性を向上させる方法。
(3)造粒原料の練りの程度を緩和し、結合剤で結着させる方法。
上記(2)の方法は、押出穴径に対し、造粒原料の粒度が大きくなり、押出造粒時に閉塞を起こすという問題あった。
また、上記(3)の方法は、結合剤の効果が強すぎ、僅かな添加量の差違でも、顆粒形成の状況が大きく変化するため、所望の顆粒物性を得るための制御が難しいという問題があった。
(i)該顆粒の体積基準メジアン径が850μm以上であり、
(ii)粒子径が212μm以下である粒子の含有割合が20重量%以下であり、且つ、
(iii)崩壊時間が28秒以下である、顆粒。
[2] アミノ酸が、20℃の水に対する溶解度が5g/dl以上のアミノ酸(以下、水溶性アミノ酸という)を35重量%以上含む、[1]記載の顆粒。
[3] アミノ酸の含有量が、60〜95重量%である、[1]又は[2]記載の顆粒。
[4] 比容積が、2.6mL/g以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の顆粒。
[5] 体積基準メジアン径が60〜90μmであるアミノ酸粒子を含有する造粒原料100重量部に、エタノールを10〜17重量部添加し、造粒する工程を含むことを特徴とする、アミノ酸を含有する顆粒の製造方法。
[6] アミノ酸粒子が、水溶性アミノ酸粒子を35重量%以上含む、[5]記載の方法。
[7] アミノ酸粒子が水溶性アミノ酸粒子を含み、該水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が、20〜50μmであり、
エタノールの添加量が、造粒原料100重量部に対して10.5〜13重量部である、[5]又は[6]記載の方法。
[8] アミノ酸粒子が水溶性アミノ酸粒子を含み、
該水溶性アミノ酸粒子が、プロリン粒子とそれ以外の水溶性アミノ酸粒子とからなり、
プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が、35〜65μmであり、
エタノールの添加量が、造粒原料100重量部に対して14〜16重量部である、[5]又は[6]記載の方法。
[9] アミノ酸粒子が、20℃の水に対する溶解度が5g/dl未満のアミノ酸(以下、難溶性アミノ酸という)粒子を含み、
難溶性アミノ酸粒子とプロリン粒子との混合物の体積基準メジアン径が、90〜130μmである、[8]記載の方法。
[10] アミノ酸粒子の、造粒原料における含有量が、60〜95重量%である、[5]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11] 造粒が、押出造粒である、[5]〜[10]のいずれかに記載の方法。
本発明において、顆粒の体積基準メジアン径は、下記(1)〜(5)の手順で測定される。
(1)試料(約100g)の重量を計測した後、タップ式ふるい振盪機(As200tap、Restch社製)を使用して、該試料を、目開き850、710、500、355、212μmのふるいにて、3分間ふるい分けを行う。
(2)目開き850μmのふるい上の試料を、上記タップ式ふるい振盪機を使用して、目開き2000、1700、1400、1180、1000μmのふるいにて、3分間ふるい分けを行う。
(3)各ふるい上の試料、及びふるいの下に設置された受け皿上の試料の重量をそれぞれ測定し、試料の総重量に対する各粒度区分の重量割合を算出する。
(4)粒度の低い区分から順に重量割合を積算することにより各粒度区分における積算値を算出した後、各粒度区分における積算値を縦軸に、各粒度区分における最大粒径を横軸にプロットして、積算分布図を作成する。
(5)積算分布図から、積算値が50重量%となる粒度を求め、当該粒度を、体積基準メジアン径として用いる。
本発明の顆粒の体積基準メジアン径の上限値は特に制限されないが、比容増大、外観の観点から、好ましくは1250μmであり、より好ましくは1200μmであり、特に好ましくは1150μmである。
本発明において、顆粒の微粉率は、上述の顆粒の体積基準メジアン径の測定において算出した、試料の総重量に対する0〜212μmの粒度区分の重量割合である。
本発明において、顆粒の崩壊時間は、口腔内崩壊錠試験装置「トリコープテスタ」(製品名、岡田精工社製)を用いて測定される。具体的な測定の手順は、下記(1)〜(5)の通りである。
(1)試料台の中心部に直径2.0mm、深さ35mmの円柱形の窪みをつけ、錘(重量:40g)の中心部に直径1.9mm、深さ35mmの円柱形の窪みをつける。
(2)当該試料台及び錘の窪みの底面部に、それぞれ直径0.7mmの穴(開口率:31.6%)をあけた後、試料台に1.5gのサンプルを入れて上から錘を乗せる。
(3)試料台の左右に配置された近接センサーの高さを、試料台から6mmの高さに調整する。
(4)崩壊試験液(KCl濃度:1.49g/dl、NaCl濃度:1.44g/dl、Tween80濃度:0.3%、蒸留水を用いて調製)を6.0ml/分の流量で、試料台に入れたサンプルに滴下する。
(5)滴下を開始してから、近接センサーと錘とが2点で接するまでの時間を測定し、当該時間を崩壊時間として用いる。
本発明の顆粒が含有するアミノ酸は、タンパク質を構成するアミノ酸及びタンパク質を構成しないアミノ酸のいずれか1種又は2種以上を含む。タンパク質を構成するアミノ酸としては、脂肪族アミノ酸(グリシン、アラニン)、分岐鎖アミノ酸(イソロイシン、ロイシン、バリン)、ヒドロキシアミノ酸(セリン、トレオニン)、酸性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)、アミド型アミノ酸(アスパラギン、グルタミン)、塩基性アミノ酸(リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、ヒスチジン)、含硫アミノ酸(システイン、シスチン、メチオニン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン)、複素環式アミノ酸(トリプトファン、ヒスチジン)、イミノ酸(プロリン、4−ヒドロキシプロリン)が挙げられる。タンパク質を構成しないアミノ酸としては、例えば、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、ホモシステイン、オルニチン、5−ヒドロキシトリプトファン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、トリヨードチロニン、チロキシン等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の顆粒が含有するアミノ酸は、タンパク質を構成するアミノ酸が好ましい。
塩の例としては、酸付加塩や塩基との塩等を挙げることができ、生理学的に許容し得る塩が好ましい。
アミノ酸の生理学的に許容し得る塩を形成する酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、モノメチル硫酸等の有機酸が挙げられる。
アミノ酸の生理学的に許容し得る塩を形成する塩基としては、例えば、金属(例、ナトリウム、カリウム、カルシウム等)の水酸化物又は炭酸化物、アンモニア等の無機塩基;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、エタノールアミン、モノアルキルエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基が挙げられる。
これらの塩は、1種単独の塩又は2種以上の塩の組み合わせのいずれでもよい。
また、本発明のアミノ酸における水溶性アミノ酸の含有量は、80重量%以下(より好ましくは70重量%以下、特に好ましくは55重量%以下)であることが好ましい。水溶性アミノ酸の含有量が80重量%以下であることにより、本発明の顆粒は、苦味を持つ水溶性アミノ酸を多く含有する場合であっても、摂取直後のアミノ酸の溶解に伴う苦味を強く感じ難くなる。
一方、20℃の水に対する溶解度が5g/dl未満のアミノ酸は、本明細書において「難溶性アミノ酸」と称する。
(水溶性アミノ酸)
L−バリン (6g/dl)
L−スレオニン (9g/dl)
L−プロリン (155g/dl)
L−アルギニン (15g/dl)
L−メチオニン (5g/dl)
L−ヒスチジン塩酸塩 (17g/dl)
L−リジン塩酸塩 (54g/dl)
(難溶性アミノ酸)
L−グルタミン (4g/dl)
L−ロイシン (2g/dl)
L−イソロイシン (4g/dl)
L−トリプトファン (1g/dl)
L−フェニルアラニン (3g/dl)
L−アルギニン 6.0〜21.0モル%、L−イソロイシン 6.0〜20.0モル%、L−ロイシン 8.0〜25.0モル%、L−バリン6.0〜19.0モル%、L−リジン塩酸塩 1.0〜6.0モル%、メチオニン 2.0〜8.0モル%、L−スレオニン 4.0〜13.0モル%、L−ヒスチジン塩酸塩 1.0〜6.0モル%、L−プロリン 3.0〜9.0モル%、L−フェニルアラニン 0.2〜1.0モル%、L−トリプトファン 0.1〜1.0モル%及びL−グルタミン 8.0〜27.0モル%。
また、本発明の顆粒は、結合剤を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「結合剤を実質的に含有しない」とは、(1)結合剤を全く含有しないこと、又は(2)結合剤を含有していても、その含有量が、顆粒の呈味、飲み易さ、口どけを有意に変化させる量に満たないこと(通常1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満)を意味する。結合剤の具体例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化トウモロコシ澱粉、熱可塑性セルロースエーテル等が挙げられる。
本発明の顆粒が、医薬又は食品分野において慣用の担体を含有し、該担体が崩壊剤又は結合剤としての作用も有する場合、該担体の含有量は、顆粒の呈味、飲み易さ、口どけを有意に変化させる量に満たないことが好ましい。
本発明の顆粒の比容積の下限値は、特に制限はないが通常1.5mL/gである。
本発明の顆粒の比容積は、カサ比重測定器(蔵持科学器械製作所製、JIS規格K6721)を用いて測定される。
本発明の顆粒の製造方法は、体積基準メジアン径が特定の範囲であるアミノ酸粒子を含有する造粒原料に、特定量のエタノールを添加し、造粒する工程を含むことを特徴とする。
すなわち、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA、日機装社製)を用い、99.5%エタノールを循環槽に入れて、撹拌及び超音波照射を行いながら循環させた後、ブランク測定を行い、次いで、循環槽に試料を投入し、撹拌及び超音波照射を行いながら循環した後、粒径測定を行う。
本発明の他の一実施態様として、水溶性アミノ酸粒子がプロリン粒子とそれ以外の水溶性アミノ酸粒子とからなり、プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が上記の特定の範囲に調整される場合、難溶性アミノ酸粒子とプロリン粒子との混合物の体積基準メジアン径は、好ましくは90〜130μmであり、より好ましくは100〜125μmであり、特に好ましくは110〜120μmである。
以下の実施例において、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径及び顆粒の物性(体積基準メジアン径、微粉率、崩壊時間、比容積)は、下記のとおりに測定した。
アミノ酸粒子の体積基準メジアン径は、下記の方法によって測定した。
すなわち、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA、日機装社製)を用い、99.5%エタノールを循環槽に入れて、撹拌及び超音波照射を行いながら循環させた後、ブランク測定を行い、次いで、循環槽に試料を投入し、撹拌及び超音波照射を行いながら循環した後、粒径測定を行った。
顆粒の体積基準メジアン径は、下記(1)〜(5)の手順で測定した。
(1)試料(約100g)の重量を計測した後、タップ式ふるい振盪機(As200tap、Restch社製)を使用して、該試料を、目開き850、710、500、355、212μmのふるいにて、3分間ふるい分けを行う。
(2)目開き850μmのふるい上の試料を、上記タップ式ふるい振盪機を使用して、目開き2000、1700、1400、1180、1000μmのふるいにて、3分間ふるい分けを行う。
(3)各ふるい上の試料、及びふるいの下に設置された受け皿上の試料の重量をそれぞれ測定し、試料の総重量に対する各粒度区分の重量割合を算出する。
(4)粒度の低い区分から順に重量割合を積算することにより各粒度区分における積算値を算出した後、各粒度区分における積算値を縦軸に、各粒度区分における最大粒径を横軸にプロットして、積算分布図を作成する。
(5)積算分布図から、積算値が50重量%となる粒度を求め、当該粒度を、体積基準メジアン径として用いる。
顆粒の微粉率は、上述の顆粒の体積基準メジアン径の測定において算出した、試料の総重量に対する0〜212μmの粒度区分の重量割合を用いた。
顆粒の崩壊時間は、口腔内崩壊錠試験装置「トリコープテスタ」(製品名、岡田精工社製)を用いて、下記(1)〜(5)の手順で測定した。
(1)試料台の中心部に直径2.0mm、深さ35mmの円柱形の窪みをつけ、錘(重量:40g)の中心部に直径1.9mm、深さ35mmの円柱形の窪みをつける。
(2)当該試料台及び錘の窪みの底面部に、それぞれ直径0.7mmの穴(開口率:31.6%)をあけた後、試料台に1.5gのサンプルを入れて上から錘を乗せる。
(3)試料台の左右に配置された近接センサーの高さを、試料台から6mmの高さに調整する。
(4)崩壊試験液(KCl濃度:1.49g/dl、NaCl濃度:1.44g/dl、Tween80濃度:0.3%、蒸留水を用いて調製)を6.0ml/分の流量で、試料台に入れたサンプルに滴下する。
(5)滴下を開始してから、近接センサーと錘とが2点で接するまでの時間を測定し、当該時間を崩壊時間として用いる。
顆粒の比容積は、カサ比重測定器(蔵持科学器械製作所製、JIS規格K6721)を用いて測定した。
下表1の組成のアミノ酸粒子を、ナウターミキサー(NS−X、ホソカワミクロン社製)を用いて30分間予備混合した後、アルピネ粉砕機(コロプレックス160−Z、槇野産業社製)を用いて、体積基準メジアン径を、48μm、74μm又は102μmに調整し、再度ナウターミキサーにて15分間混合することにより、アミノ酸混合物を得た。
但し、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を102μmに調整したものは、造粒できなかったか、又は造粒できても顆粒を形成しなかった。
実施例1、2、比較例1〜3及びコントロールの顆粒の物性(体積基準メジアン径、微粉率、崩壊時間、比容積)を測定し、また、専門パネラー(6名)によって官能評価を行った。官能評価は、「総合評価」、「飲み易さ」、「口どけ」、及び「口腔内でのべとつき」の各項目について、下記の基準に従って行った。ここで「飲み易さ」は、物性のみの観点から、飲み易さを評価し、「総合評価」は、呈味及び物性の観点から、飲み易さを評価した。
○:controlに比べて好ましい。
△:controlと差異なし。
×:controlに比べて好ましくない。
○:controlに比べて飲み易い。
△:controlと同等の飲み易さ。
×:controlに比べて飲み難い。
○:controlに比べて口どけ良好。
△:controlと同等の口どけ感。
×:controlに比べて口どけ不良。
○:controlに比べてべたつかない。
△:controlと同等のべたつき。
×:controlに比べてよりべたつく。
また、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を74μmに調整し、エタノールの量を、造粒原料100重量部に対し9.0重量部とした顆粒(比較例3)は、顆粒形成が不十分で、官能評価の結果も、コントロールの顆粒に比べて劣るものであった。
一方、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を74μmに調整し、エタノールの量を、造粒原料100重量部に対し10.5〜12.0重量部とした顆粒(実施例1、2)は、顆粒の体積基準メジアン径が850μmより大きく、微粉率が20重量%未満であり、顆粒形成が良好であった。また、これらの顆粒は、官能評価の結果もコントロールの顆粒に比べて優れていて、飲み易いものであった。特に崩壊時間がいずれも19秒とコントロールの顆粒に対して大きく短縮すると共に口どけの評価が顕著に上昇し、そのため総合評価も、コントロールの顆粒に比べて顕著に優れていた。
表1のアミノ酸粒子のうち、全ての水溶性アミノ酸粒子を、ナウターミキサー(NS−X、ホソカワミクロン社製)を用いて30分間予備混合した後、アルピネ粉砕機(コロプレックス160−Z、槇野産業社製)を用いて体積基準メジアン径を調整し、次いで、残りのアミノ酸粒子(難溶性アミノ酸粒子)を加えて再度ナウターミキサーにて15分間混合することにより、アミノ酸混合物を得た。
得られたアミノ酸混合物を用い、上記の実施例1等の顆粒と同様に調製して、実施例3、4及び比較例4の顆粒を得た。これらの調製における、エタノールの添加量、及び押出造粒機の押出穴の直径は下記表5に示す通りである。
表1のアミノ酸粒子のうち、L−バリン粒子及びL−プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子を、ナウターミキサー(NS−X、ホソカワミクロン社製)を用いて30分間予備混合した後、アルピネ粉砕機(コロプレックス160−Z、槇野産業社製)を用いて体積基準メジアン径を調整し、次いで、残りのアミノ酸粒子(難溶性アミノ酸粒子、L−バリン粒子及びL−プロリン粒子)を加えて再度ナウターミキサーにて15分間混合することにより、アミノ酸混合物を得た。
得られたアミノ酸混合物を用い、上記の実施例1等の顆粒と同様に調製して、比較例5の顆粒を得た。
実施例3、4及び比較例4、5の顆粒の物性(体積基準メジアン径、微粉率、崩壊時間、比容積)を測定し、また、専門パネラー(6名)によって、上記と同様に官能評価を行った。
また、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を107μmに調整した顆粒(比較例5)は、崩壊時間が23秒であり、コントロールの顆粒に比べてやや短縮した。しかしながら口どけの改善の程度は僅かなものであり、苦味、酸味、甘味のバランスも大きく崩れていた。そのため総合的に判断すると、当該顆粒は、コントロールの顆粒に比べて品質の改善は殆ど認められなかった。
一方、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を70μmに調整し、エタノールの量を、造粒原料100重量部に対し12.0〜13.0重量部とした顆粒(実施例3、4)は、顆粒の体積基準メジアン径が850μmより大きく、微粉率が20重量%未満であり、顆粒形成が良好であった。また、これらの顆粒の崩壊時間はそれぞれ15秒、16秒であり、コントロールの顆粒に比べて大幅に短縮しており、また口どけの評価は、コントロールの顆粒に比べて優れていて、実施例1及び2の顆粒と同等以上であった。
さらに、これらの顆粒は、実施例1及び2の顆粒に比べて、比容積の増大が抑制されていた。これは、実施例3及び4の顆粒は、粉砕された水溶性アミノ酸粒子が、未粉砕の難溶性アミノ酸粒子の間に挟まった構造を有しているためであると考えられる。
表1のアミノ酸粒子のうち、L−プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子を、ナウターミキサー(NS−X、ホソカワミクロン社製)を用いて30分間予備混合した後、アルピネ粉砕機(コロプレックス160−Z、槇野産業社製)を用いて体積基準メジアン径を調整し、次いで、残りのアミノ酸粒子(難溶性アミノ酸粒子及びL−プロリン粒子)を加えて再度ナウターミキサーにて15分間混合することにより、アミノ酸混合物を得た。
得られたアミノ酸混合物を用い、上記の実施例1等の顆粒と同様に調製して、実施例5の顆粒を得た。これらの調製における、エタノールの添加量、及び押出造粒機の押出穴の直径は下記表7に示す通りである。
実施例5の顆粒の物性(体積基準メジアン径、微粉率、崩壊時間、比容積)を測定し、また、専門パネラー(6名)によって、上記と同様に官能評価を行った。
さらに、下記のとおりに保存安定性試験を行い、下記の基準に従って保存安定性を評価した。
恒温恒湿器(EYELA社製 KCL−2000)によって水分活性が同程度に調整された各評価サンプル(30g)を、それぞれアルミ包材に入れて密封し保存試験室(温度:55℃)で4日間静置する。4日間の静置後に専門の品質評価者(3名)が各評価サンプルの外観変化を確認し、保存安定性(固結性)を評価する。
[評価基準]
◎:全ての顆粒において、顆粒同士が結着していない
○:一部の顆粒が小さな塊になっていたものの、大部分の顆粒は結着していない
×:大部分の顆粒が塊となっている
さらに、実施例5の顆粒は、実施例3の顆粒に比べて、比容積の増大(嵩張り)が更に抑制されていた。また実施例5の顆粒は、実施例3の顆粒に比べて、保存安定性に優れ、固結しにくいものであった。
Claims (11)
- アミノ酸を含有する顆粒であって、
(i)該顆粒の体積基準メジアン径が850μm以上であり、
(ii)粒子径が212μm以下である粒子の含有割合が20重量%以下であり、且つ、
(iii)崩壊時間が28秒以下である、顆粒。 - アミノ酸が、20℃の水に対する溶解度が5g/dl以上のアミノ酸(以下、水溶性アミノ酸という)を35重量%以上含む、請求項1記載の顆粒。
- アミノ酸の含有量が、60〜95重量%である、請求項1又は2記載の顆粒。
- 比容積が、2.6mL/g以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の顆粒。
- 体積基準メジアン径が60〜90μmであるアミノ酸粒子を含有する造粒原料100重量部に、エタノールを10〜17重量部添加し、造粒する工程を含むことを特徴とする、アミノ酸を含有する顆粒の製造方法。
- アミノ酸粒子が、水溶性アミノ酸粒子を35重量%以上含む、請求項5記載の方法。
- アミノ酸粒子が水溶性アミノ酸粒子を含み、該水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が、20〜50μmであり、
エタノールの添加量が、造粒原料100重量部に対して10.5〜13重量部である、請求項5又は6記載の方法。 - アミノ酸粒子が水溶性アミノ酸粒子を含み、
該水溶性アミノ酸粒子が、プロリン粒子とそれ以外の水溶性アミノ酸粒子とからなり、
プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が、35〜65μmであり、
エタノールの添加量が、造粒原料100重量部に対して14〜16重量部である、請求項5又は6記載の方法。 - アミノ酸粒子が、20℃の水に対する溶解度が5g/dl未満のアミノ酸(以下、難溶性アミノ酸という)粒子を含み、
難溶性アミノ酸粒子とプロリン粒子との混合物の体積基準メジアン径が、90〜130μmである、請求項8記載の方法。 - アミノ酸粒子の、造粒原料における含有量が、60〜95重量%である、請求項5〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 造粒が、押出造粒である、請求項5〜10のいずれか1項に記載の方法。
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