JP2014205661A - アミノ酸含有顆粒及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微粉の少ないしっかりとした形状を有し、且つ口腔内で容易に崩壊する、アミノ酸含有顆粒及びその製造方法の提供。【解決手段】アミノ酸を含有する顆粒であって、(i)該顆粒の体積基準メジアン径が850μm以上であり、(ii)粒子径が212μm以下である粒子の含有割合が20重量%以下であり、且つ、(iii)崩壊時間が28秒以下である、顆粒。【選択図】なし

Description

本発明は、アミノ酸含有顆粒及びその製造方法に関する。より詳細には、微粉の少ないしっかりとした形状を有し、且つ口腔内で容易に崩壊する、アミノ酸含有顆粒及びその製造方法に関する。
アミノ酸を含有する経口用顆粒製剤は従来より数多くあるが、アミノ酸は溶解性の低いものが多いため、顆粒形成が不十分であると、微粉が多くなって、口内に含んだときにぱさつきやべたつきを顕著に感じ、飲み難いものとなるという問題があった。
当該問題の従来の対策としては、例えば、溶媒(例、エタノール等)又は結着剤の量を増やすことにより、顆粒形成を改善し、微粉を減らす方法等が挙げられる。しかし、溶媒又は結着剤の量が増加すると、得られる顆粒は硬くなり、口腔内に含んだときに、ざらつきや硬さを感じてしまうという問題があった。このような顆粒は、特に嚥下障害のある者にとって、飲み難いものである。
また、顆粒物性を改善する方法として、例えば、下記(1)〜(3)の方法等が挙げられる。
(1)崩壊剤(例、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微粒二酸化珪素等)を配合することによって、口腔内で容易に崩壊する顆粒を得る方法。
(2)押出造粒において押出穴径を小さくし、顆粒の表面積を大きくすることによって、口腔内での溶解性を向上させる方法。
(3)造粒原料の練りの程度を緩和し、結合剤で結着させる方法。
しかし、上記(1)の方法は、崩壊剤を配合することによって口腔内での崩壊性は向上するものの、顆粒形成が不十分となって、微粉が増加すると共に、得られる顆粒の粒度が小さくなるという問題があった。また、崩壊剤を配合することによって異味が付与されてしまうため、顆粒の飲み易さは改善されなかった。
上記(2)の方法は、押出穴径に対し、造粒原料の粒度が大きくなり、押出造粒時に閉塞を起こすという問題あった。
また、上記(3)の方法は、結合剤の効果が強すぎ、僅かな添加量の差違でも、顆粒形成の状況が大きく変化するため、所望の顆粒物性を得るための制御が難しいという問題があった。
一方、特許文献1には、粒度が20〜700μmに調整されたイソロイシン粒子及びロイシン粒子を含む、分岐鎖アミノ酸(イソロイシン、ロイシン及びバリン)のみを主薬とする造粒原料を、水とヒドロキシプロピルセルロースとを用いて造粒する、呈味が改善されたアミノ酸含有顆粒の製造方法が記載されている。
しかし、造粒原料が水溶性のアミノ酸を多量に含有する場合は、溶媒として水を用いて造粒すると、アミノ酸が溶解してしまって造粒ができない。その場合、溶媒としてエタノールを用いることによって造粒可能となるが、エタノールの添加量が多すぎると、得られる顆粒は硬くなり、口どけが悪くなるという問題があった。
特許第3211824号公報
本発明の目的は、造粒原料が水溶性のアミノ酸を多量に含有する場合であっても、崩壊剤及び結合剤を用いずに、微粉の少ないしっかりとした形状を有し、且つ口腔内で容易に崩壊する、アミノ酸含有顆粒及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定量のエタノールを造粒原料に添加することによって、得られる顆粒の口どけが改善することを見出した。しかし、単に特定量のエタノールを添加するだけでは、造粒後に微粉が生じ易く、得られる顆粒は、飲みにくい、生産効率が低い等の問題が発生した。
そこで、本発明者らは更に研究を重ね、特定量のエタノールを造粒原料に添加し、更に、造粒原料に含まれるアミノ酸粒子の平均粒子径を特定の範囲に調整することによって、微粉の少ないしっかりとした形状を有し、且つ口腔内で容易に崩壊するアミノ酸含有顆粒が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
更に本発明者らは、水溶性のアミノ酸粒子の平均粒子径を特定の範囲に調整することによって、嵩張りが抑制された、より摂取し易いアミノ酸含有顆粒が得られることを見出した。
その後、本発明者らは研究を継続し、プロリン粒子以外の水溶性のアミノ酸粒子の平均粒子径を特定の範囲に調整し、プロリン粒子のみを未粉砕にすること(すなわち、水溶性のアミノ酸粒子のうちプロリン粒子は、平均粒子径を特定の範囲に調整しないこと)によって、嵩張りがさらに抑制され、且つ、保存安定性がさらに良く、固結しにくいアミノ酸含有顆粒が得られることを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1] アミノ酸を含有する顆粒であって、
(i)該顆粒の体積基準メジアン径が850μm以上であり、
(ii)粒子径が212μm以下である粒子の含有割合が20重量%以下であり、且つ、
(iii)崩壊時間が28秒以下である、顆粒。
[2] アミノ酸が、20℃の水に対する溶解度が5g/dl以上のアミノ酸(以下、水溶性アミノ酸という)を35重量%以上含む、[1]記載の顆粒。
[3] アミノ酸の含有量が、60〜95重量%である、[1]又は[2]記載の顆粒。
[4] 比容積が、2.6mL/g以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の顆粒。
[5] 体積基準メジアン径が60〜90μmであるアミノ酸粒子を含有する造粒原料100重量部に、エタノールを10〜17重量部添加し、造粒する工程を含むことを特徴とする、アミノ酸を含有する顆粒の製造方法。
[6] アミノ酸粒子が、水溶性アミノ酸粒子を35重量%以上含む、[5]記載の方法。
[7] アミノ酸粒子が水溶性アミノ酸粒子を含み、該水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が、20〜50μmであり、
エタノールの添加量が、造粒原料100重量部に対して10.5〜13重量部である、[5]又は[6]記載の方法。
[8] アミノ酸粒子が水溶性アミノ酸粒子を含み、
該水溶性アミノ酸粒子が、プロリン粒子とそれ以外の水溶性アミノ酸粒子とからなり、
プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が、35〜65μmであり、
エタノールの添加量が、造粒原料100重量部に対して14〜16重量部である、[5]又は[6]記載の方法。
[9] アミノ酸粒子が、20℃の水に対する溶解度が5g/dl未満のアミノ酸(以下、難溶性アミノ酸という)粒子を含み、
難溶性アミノ酸粒子とプロリン粒子との混合物の体積基準メジアン径が、90〜130μmである、[8]記載の方法。
[10] アミノ酸粒子の、造粒原料における含有量が、60〜95重量%である、[5]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11] 造粒が、押出造粒である、[5]〜[10]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、微粉の少ないしっかりとした形状を有し、且つ口腔内で容易に崩壊するアミノ酸含有顆粒及びその製造方法を提供できる。また、本発明によれば、嵩張りが抑制された、より摂取し易いアミノ酸含有顆粒及びその製造方法を提供できる。また、本発明によれば、嵩張りがさらに抑制され、且つ、保存安定性がさらに良く、固結しにくいアミノ酸含有顆粒を提供できる。
本発明のアミノ酸含有顆粒(以下、単に「本発明の顆粒」とも称する)は、(i)顆粒の体積基準メジアン径、(ii)粒子径が212μm以下である粒子の含有割合(以下、「微粉率」とも称する)、及び(iii)崩壊時間の全てにおいて、特定の基準を満たしていることを特徴とする。
[本発明の顆粒の体積基準メジアン径]
本発明において、顆粒の体積基準メジアン径は、下記(1)〜(5)の手順で測定される。
(1)試料(約100g)の重量を計測した後、タップ式ふるい振盪機(As200tap、Restch社製)を使用して、該試料を、目開き850、710、500、355、212μmのふるいにて、3分間ふるい分けを行う。
(2)目開き850μmのふるい上の試料を、上記タップ式ふるい振盪機を使用して、目開き2000、1700、1400、1180、1000μmのふるいにて、3分間ふるい分けを行う。
(3)各ふるい上の試料、及びふるいの下に設置された受け皿上の試料の重量をそれぞれ測定し、試料の総重量に対する各粒度区分の重量割合を算出する。
(4)粒度の低い区分から順に重量割合を積算することにより各粒度区分における積算値を算出した後、各粒度区分における積算値を縦軸に、各粒度区分における最大粒径を横軸にプロットして、積算分布図を作成する。
(5)積算分布図から、積算値が50重量%となる粒度を求め、当該粒度を、体積基準メジアン径として用いる。
本発明の顆粒の体積基準メジアン径は、通常850μm以上であり、好ましくは900μm以上であり、より好ましくは950μm以上である。当該体積基準メジアン径が850μm未満であるとは、形成不良であることを意味しており、そのような顆粒は、輸送時等に壊れ易く飲みにくい、生産効率が低い等の問題がある。
本発明の顆粒の体積基準メジアン径の上限値は特に制限されないが、比容増大、外観の観点から、好ましくは1250μmであり、より好ましくは1200μmであり、特に好ましくは1150μmである。
[本発明の顆粒の微粉率]
本発明において、顆粒の微粉率は、上述の顆粒の体積基準メジアン径の測定において算出した、試料の総重量に対する0〜212μmの粒度区分の重量割合である。
具体的には、本発明の顆粒の微粉率は、通常20重量%以下であり、好ましくは15重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下である。当該微粉率が20重量%を超える顆粒は、摂取直後にむせ易く、その後口内でべたつきを発現し易い。また、そのような顆粒は、生産効率がよくない傾向にある。
[本発明の顆粒の崩壊時間]
本発明において、顆粒の崩壊時間は、口腔内崩壊錠試験装置「トリコープテスタ」(製品名、岡田精工社製)を用いて測定される。具体的な測定の手順は、下記(1)〜(5)の通りである。
(1)試料台の中心部に直径2.0mm、深さ35mmの円柱形の窪みをつけ、錘(重量:40g)の中心部に直径1.9mm、深さ35mmの円柱形の窪みをつける。
(2)当該試料台及び錘の窪みの底面部に、それぞれ直径0.7mmの穴(開口率:31.6%)をあけた後、試料台に1.5gのサンプルを入れて上から錘を乗せる。
(3)試料台の左右に配置された近接センサーの高さを、試料台から6mmの高さに調整する。
(4)崩壊試験液(KCl濃度:1.49g/dl、NaCl濃度:1.44g/dl、Tween80濃度:0.3%、蒸留水を用いて調製)を6.0ml/分の流量で、試料台に入れたサンプルに滴下する。
(5)滴下を開始してから、近接センサーと錘とが2点で接するまでの時間を測定し、当該時間を崩壊時間として用いる。
具体的には、本発明の顆粒の崩壊時間は、通常28秒以下であり、好ましくは25秒以下であり、より好ましくは20秒以下である。当該崩壊時間が28秒を超える顆粒は硬く、口腔内に含んだときに、ざらつきを感じてしまう為に飲み難く感じる。また、本発明の顆粒の崩壊時間の下限は特に制限されないが、本発明の顆粒の崩壊時間は、通常3秒以上であり、好ましくは5秒以上である。
[アミノ酸]
本発明の顆粒が含有するアミノ酸は、タンパク質を構成するアミノ酸及びタンパク質を構成しないアミノ酸のいずれか1種又は2種以上を含む。タンパク質を構成するアミノ酸としては、脂肪族アミノ酸(グリシン、アラニン)、分岐鎖アミノ酸(イソロイシン、ロイシン、バリン)、ヒドロキシアミノ酸(セリン、トレオニン)、酸性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)、アミド型アミノ酸(アスパラギン、グルタミン)、塩基性アミノ酸(リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、ヒスチジン)、含硫アミノ酸(システイン、シスチン、メチオニン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン)、複素環式アミノ酸(トリプトファン、ヒスチジン)、イミノ酸(プロリン、4−ヒドロキシプロリン)が挙げられる。タンパク質を構成しないアミノ酸としては、例えば、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、ホモシステイン、オルニチン、5−ヒドロキシトリプトファン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、トリヨードチロニン、チロキシン等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の顆粒が含有するアミノ酸は、タンパク質を構成するアミノ酸が好ましい。
アミノ酸は、L−体、D−体及びDL−体のいずれも使用可能であるが、好ましくはL−体又はDL−体であり、より好ましくは、L−体である。
アミノ酸は、遊離体、塩及びこれらの溶媒和物のいずれの形態であってもよく、また、これらの混合物であってもよい。本発明における「アミノ酸」とは、遊離体、塩及びこれらの溶媒和物、並びにこれらの混合物を包含する概念である。
塩の例としては、酸付加塩や塩基との塩等を挙げることができ、生理学的に許容し得る塩が好ましい。
アミノ酸の生理学的に許容し得る塩を形成する酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、モノメチル硫酸等の有機酸が挙げられる。
アミノ酸の生理学的に許容し得る塩を形成する塩基としては、例えば、金属(例、ナトリウム、カリウム、カルシウム等)の水酸化物又は炭酸化物、アンモニア等の無機塩基;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、エタノールアミン、モノアルキルエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基が挙げられる。
これらの塩は、1種単独の塩又は2種以上の塩の組み合わせのいずれでもよい。
本発明のアミノ酸は、20℃の水に対する溶解度が5g/dl以上のアミノ酸(以下、「水溶性アミノ酸」とも称する)を、35重量%以上(より好ましくは40重量%以上、特に好ましくは45重量%以上)含むことが好ましい。水溶性アミノ酸の含有量が35重量%以上であることにより、本発明の顆粒は、口内で崩壊した後にアミノ酸が容易に溶解する為、べたつきを感じ難くなる。
また、本発明のアミノ酸における水溶性アミノ酸の含有量は、80重量%以下(より好ましくは70重量%以下、特に好ましくは55重量%以下)であることが好ましい。水溶性アミノ酸の含有量が80重量%以下であることにより、本発明の顆粒は、苦味を持つ水溶性アミノ酸を多く含有する場合であっても、摂取直後のアミノ酸の溶解に伴う苦味を強く感じ難くなる。
一方、20℃の水に対する溶解度が5g/dl未満のアミノ酸は、本明細書において「難溶性アミノ酸」と称する。
以下において、水溶性アミノ酸及び難溶性アミノ酸の具体例を示すが、両者ともこれらに限定されるものでない。括弧内の数値は、20℃の水に対する溶解度(g/dl)である。
(水溶性アミノ酸)
L−バリン (6g/dl)
L−スレオニン (9g/dl)
L−プロリン (155g/dl)
L−アルギニン (15g/dl)
L−メチオニン (5g/dl)
L−ヒスチジン塩酸塩 (17g/dl)
L−リジン塩酸塩 (54g/dl)
(難溶性アミノ酸)
L−グルタミン (4g/dl)
L−ロイシン (2g/dl)
L−イソロイシン (4g/dl)
L−トリプトファン (1g/dl)
L−フェニルアラニン (3g/dl)
一実施態様において、本発明のアミノ酸は、下記のモル組成比のアミノ酸組成物であってよい。
L−アルギニン 6.0〜21.0モル%、L−イソロイシン 6.0〜20.0モル%、L−ロイシン 8.0〜25.0モル%、L−バリン6.0〜19.0モル%、L−リジン塩酸塩 1.0〜6.0モル%、メチオニン 2.0〜8.0モル%、L−スレオニン 4.0〜13.0モル%、L−ヒスチジン塩酸塩 1.0〜6.0モル%、L−プロリン 3.0〜9.0モル%、L−フェニルアラニン 0.2〜1.0モル%、L−トリプトファン 0.1〜1.0モル%及びL−グルタミン 8.0〜27.0モル%。
本発明の顆粒におけるアミノ酸の含有量は、通常60〜95重量%であり、好ましくは65〜95重量%である。当該アミノ酸の含有量が上記範囲内であると、甘味、酸味でアミノ酸の苦味を抑制でき、且つ1回あたりの摂取量も適量となる。
本発明の顆粒は、本発明の目的を損なわない限り、医薬又は食品分野において慣用の担体を、必要に応じて含有してもよい。当該担体としては、例えば、賦形剤、希釈剤、添加剤、被覆剤、潤滑剤、滑走剤、滑沢剤、風味剤、可溶化剤、溶剤、甘味料、酸味料、香料、着色料等が挙げられる。これらの担体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の顆粒は、崩壊剤を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「崩壊剤を実質的に含有しない」とは、(1)崩壊剤を全く含有しないこと、又は(2)崩壊剤を含有していても、その含有量が、顆粒の呈味、飲み易さ、口どけを有意に変化させる量に満たないこと(通常1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満)を意味する。崩壊剤の具体例としては、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微粒二酸化珪素、湿熱処理澱粉等が挙げられる。
また、本発明の顆粒は、結合剤を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「結合剤を実質的に含有しない」とは、(1)結合剤を全く含有しないこと、又は(2)結合剤を含有していても、その含有量が、顆粒の呈味、飲み易さ、口どけを有意に変化させる量に満たないこと(通常1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満)を意味する。結合剤の具体例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化トウモロコシ澱粉、熱可塑性セルロースエーテル等が挙げられる。
本発明の顆粒が、医薬又は食品分野において慣用の担体を含有し、該担体が崩壊剤又は結合剤としての作用も有する場合、該担体の含有量は、顆粒の呈味、飲み易さ、口どけを有意に変化させる量に満たないことが好ましい。
本発明の顆粒は、潤滑作用を有する添加剤を含有することが好ましい。当該添加剤を含有することにより、疎水性原料の配合による撥水性を抑制し、溶媒が原料により行きわたり易くなる。このことにより溶媒に対して可溶性原料が溶解し易くなり、粒子同士の結合を促す為、顆粒を形成し易くなる。当該添加剤の具体例としては、潤滑剤(例、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム等)等が挙げられる。中でも、HLB値が12〜16(より好ましくは14〜16)であるものが好適に用いられる。ここでHLB値とは、親水親油バランス(hydrophile−lipophile balance)を表し、W.C.Griffinによって提唱された計算式(W.C.Griffin,J.Soc.Cosmetic Chemists,1,311(1949)参照)に従って求められるものをいう。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の顆粒における、潤滑作用を有する添加剤の含有量は、通常0.1〜10重量%であり、好ましくは1〜5重量%である。
本発明の顆粒の比容積は、2.6mL/g以下が好ましく、2.5mL/g以下がより好ましく、2.4mL/g以下が特に好ましく、2.3mL/g以下が最も好ましい。当該比容積が2.6mL/g以下であると、顆粒を水なしで摂取した場合でも嵩張りを感じにくく、嚥下障害のある使用者であっても飲み易い。
本発明の顆粒の比容積の下限値は、特に制限はないが通常1.5mL/gである。
本発明の顆粒の比容積は、カサ比重測定器(蔵持科学器械製作所製、JIS規格K6721)を用いて測定される。
本発明の顆粒は、医薬又は食品等として提供することができる。医薬として提供する場合、投与対象としては、例えば、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル等)等が挙げられ、好ましくはヒトである。
本発明の顆粒は、厚生労働省の規定する保健機能食品等の食品として提供することも可能である。当該保健機能食品には、特定の用途に用いるものであるという表示を付した食品(例、特定保健用食品、栄養機能食品等)も含まれる。また、本発明の顆粒を食品補助剤として利用することも可能である。ここで食品補助剤とは、食品として摂取されるもの以外に栄養を補助する目的で摂取されるものをいい、例えば、栄養補助剤、サプリメント(例、ダイエタリーサプリメント等)等が挙げられる。
本発明の顆粒の一実施態様は、1回摂取量(通常1〜10g、好ましくは3〜5g)を包装した医薬又は食品である。当該包装には、医薬又は食品の包装に通常使用される包材及び包装方法(例、分包包装、スティック包装等)が使用できる。
[本発明の顆粒の製造方法]
本発明の顆粒の製造方法は、体積基準メジアン径が特定の範囲であるアミノ酸粒子を含有する造粒原料に、特定量のエタノールを添加し、造粒する工程を含むことを特徴とする。
本発明において、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径は、下記の方法によって測定される。
すなわち、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA、日機装社製)を用い、99.5%エタノールを循環槽に入れて、撹拌及び超音波照射を行いながら循環させた後、ブランク測定を行い、次いで、循環槽に試料を投入し、撹拌及び超音波照射を行いながら循環した後、粒径測定を行う。
本発明の顆粒の製造に用いられる全アミノ酸粒子の体積基準メジアン径は、通常60〜90μmであり、好ましくは65〜85μmであり、より好ましくは70〜80μmであり、特に好ましくは70〜75μmである。当該アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が60μm未満であると、溶媒量を調整して、顆粒が所望の体積基準メジアン径及び微粉率を実現できた場合であっても、硬い顆粒となってしまい、所望の崩壊時間を達成できなくなる。逆に所望の崩壊時間を達成し得る溶媒量では顆粒を形成し難くなる為、所望の体積基準メジアン径及び微粉率を実現できなくなる。一方、当該アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が90μmを超えると、比容積が増大する為、摂取時に嵩張りを感じる事が懸念される。
アミノ酸粒子の体積基準メジアン径の調整方法は特に制限されず、例えば、一般的な粉砕法等により行うことができる。粉砕に使用できる粉砕機としては、アルピネ粉砕機、ハンマーミル等の衝撃式(高速回転式)粉砕機;ボールミル等のタンブラー式(媒体式)粉砕機;ジェットミル等の流体式(気流式)粉砕機等が挙げられる。
アミノ酸粒子は、水溶性アミノ酸粒子及び/又は難溶性アミノ酸粒子を含むものであってよく、水溶性アミノ酸粒子を35重量%以上(より好ましくは40重量%以上、特に好ましくは45重量%以上)含むことが好ましい。また、当該水溶性アミノ酸粒子の量は、アミノ酸粒子に対して80重量%以下(より好ましくは70重量%以下、特に好ましくは55重量%以下)であることが好ましい。
本発明の一実施態様として、全ての水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を特定の範囲に調整してよく、この場合、水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径は、好ましくは20〜50μmであり、より好ましくは25〜45μmであり、特に好ましくは30〜40μmである。全ての水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が上記範囲内であると、顆粒の比容積の増大が抑制され、水なしでも飲み易い顆粒が得られる。
また、本発明の他の一実施態様として、水溶性アミノ酸粒子がプロリン粒子とそれ以外の水溶性アミノ酸(例、バリン、スレオニン、アルギニン、メチオニン、ヒスチジン、リジン等)粒子とからなるとき、プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を特定の範囲に調整してよく、この場合、プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径は、好ましくは35〜65μmであり、より好ましくは40〜60μmであり、特に好ましくは45〜55μmである。プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子が上記範囲内であると、顆粒の比容積の増大及び嵩張りが抑制され、より一層水なしでも飲み易く、且つ保存安定性の高い顆粒が得られる。
難溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径は、好ましくは100〜130μmであり、より好ましくは105〜125μmであり、特に好ましくは110〜120μmである。難溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が上記範囲内であると、安定的に造粒でき、且つ摂取時の顆粒の崩壊時間が短くなるため、口どけ性も向上する。
本発明の他の一実施態様として、水溶性アミノ酸粒子がプロリン粒子とそれ以外の水溶性アミノ酸粒子とからなり、プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が上記の特定の範囲に調整される場合、難溶性アミノ酸粒子とプロリン粒子との混合物の体積基準メジアン径は、好ましくは90〜130μmであり、より好ましくは100〜125μmであり、特に好ましくは110〜120μmである。
本発明の顆粒の製造に用いられるアミノ酸粒子の、造粒原料における含有量は、通常60〜95重量%であり、好ましくは65〜95重量%である。当該アミノ酸粒子の含有量が上記範囲内であると、得られる顆粒について甘味、酸味でアミノ酸の苦味を抑制でき、且つ1回あたりの摂取量も適量となる。
本発明の顆粒の製造に用いられる造粒原料は、アミノ酸粒子、医薬又は食品分野において慣用の担体、並びに、潤滑作用を有する添加剤等を混合することによって調製できる。当該混合は、顆粒の製造において用いられる一般的な混合方法によって行うことができ、使用できる混合機としては、例えば、水平円筒型混合機、V型混合機、二重円錐型混合機、揺動回転型混合機、単軸リボン型混合機、複軸パドル型混合機、回転働型混合機、円錐スクリュー型混合機等が挙げられる。
造粒原料に添加されるエタノールの量は、アミノ酸粒子の組成及び粒度等に応じて適宜設定し得るが、造粒原料100重量部に対し、通常10〜17重量部である。当該エタノールの量が、10重量部未満であると、得られる顆粒は摂取した直後にむせ易く、その後口内でべたつきを発現し易くなる。また生産効率低下にもつながる。また、当該エタノールの量が17重量部を超えると、得られる顆粒は硬くなり、口腔内に含んだときに、ざらつきを感じてしまう為に飲み難く感じる。全ての水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を特定の範囲に調整した場合、エタノールの添加量は、造粒原料100重量部に対し、10.5〜13重量部が好ましく、10.5〜12重量部がより好ましく、11〜12重量部が特に好ましい。またプロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を特定の範囲に調整した場合、エタノールの添加量は、造粒原料100重量部に対し、14〜16重量部が好ましく、14.5〜16重量部がより好ましく、15〜16重量部が特に好ましい。
本発明の顆粒の製造方法における造粒は、公知の造粒法(例、撹拌造粒法、押出造粒法、流動層造粒法、転動造粒法、コーティング造粒法、圧扁造粒法等)により行うことができ、好ましくは押出造粒である。ここで「押出造粒」とは、可塑性を付与された粉末を、多数の穴が空いたスクリーンから押し出すことによって造粒する方法である。使用する造粒機は、造粒法に応じて適宜選択すればよく、例えば、高速撹拌造粒機、流動層造粒機、プラネタリーミキサー、乾式圧扁造粒機、転動造粒機、コーティング造粒機、押出造粒機等が挙げられ、好ましくは押出造粒機である。
押出造粒を行う場合、スクリーンの押出穴の直径は、通常1.0〜2.0mmであり、好ましくは1.2〜1.5mmである。当該押出穴が小さすぎると、押出穴の閉塞が発生する傾向がある。また、当該押出穴が大きすぎると、顆粒形成が不十分となる傾向がある。
本発明の顆粒の製造方法は、造粒後に、整粒を行ってもよく、また、矯味、着香、着色等の目的でコーティングを行ってもよい。整粒及びコーティングは、自体公知の方法で行うことができる。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[物性の測定方法]
以下の実施例において、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径及び顆粒の物性(体積基準メジアン径、微粉率、崩壊時間、比容積)は、下記のとおりに測定した。
<アミノ酸粒子の体積基準メジアン径>
アミノ酸粒子の体積基準メジアン径は、下記の方法によって測定した。
すなわち、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA、日機装社製)を用い、99.5%エタノールを循環槽に入れて、撹拌及び超音波照射を行いながら循環させた後、ブランク測定を行い、次いで、循環槽に試料を投入し、撹拌及び超音波照射を行いながら循環した後、粒径測定を行った。
<顆粒の体積基準メジアン径>
顆粒の体積基準メジアン径は、下記(1)〜(5)の手順で測定した。
(1)試料(約100g)の重量を計測した後、タップ式ふるい振盪機(As200tap、Restch社製)を使用して、該試料を、目開き850、710、500、355、212μmのふるいにて、3分間ふるい分けを行う。
(2)目開き850μmのふるい上の試料を、上記タップ式ふるい振盪機を使用して、目開き2000、1700、1400、1180、1000μmのふるいにて、3分間ふるい分けを行う。
(3)各ふるい上の試料、及びふるいの下に設置された受け皿上の試料の重量をそれぞれ測定し、試料の総重量に対する各粒度区分の重量割合を算出する。
(4)粒度の低い区分から順に重量割合を積算することにより各粒度区分における積算値を算出した後、各粒度区分における積算値を縦軸に、各粒度区分における最大粒径を横軸にプロットして、積算分布図を作成する。
(5)積算分布図から、積算値が50重量%となる粒度を求め、当該粒度を、体積基準メジアン径として用いる。
<顆粒の微粉率>
顆粒の微粉率は、上述の顆粒の体積基準メジアン径の測定において算出した、試料の総重量に対する0〜212μmの粒度区分の重量割合を用いた。
<顆粒の崩壊時間>
顆粒の崩壊時間は、口腔内崩壊錠試験装置「トリコープテスタ」(製品名、岡田精工社製)を用いて、下記(1)〜(5)の手順で測定した。
(1)試料台の中心部に直径2.0mm、深さ35mmの円柱形の窪みをつけ、錘(重量:40g)の中心部に直径1.9mm、深さ35mmの円柱形の窪みをつける。
(2)当該試料台及び錘の窪みの底面部に、それぞれ直径0.7mmの穴(開口率:31.6%)をあけた後、試料台に1.5gのサンプルを入れて上から錘を乗せる。
(3)試料台の左右に配置された近接センサーの高さを、試料台から6mmの高さに調整する。
(4)崩壊試験液(KCl濃度:1.49g/dl、NaCl濃度:1.44g/dl、Tween80濃度:0.3%、蒸留水を用いて調製)を6.0ml/分の流量で、試料台に入れたサンプルに滴下する。
(5)滴下を開始してから、近接センサーと錘とが2点で接するまでの時間を測定し、当該時間を崩壊時間として用いる。
<顆粒の比容積>
顆粒の比容積は、カサ比重測定器(蔵持科学器械製作所製、JIS規格K6721)を用いて測定した。
[実施例1、2、比較例1〜3及びコントロールの顆粒の調製]
下表1の組成のアミノ酸粒子を、ナウターミキサー(NS−X、ホソカワミクロン社製)を用いて30分間予備混合した後、アルピネ粉砕機(コロプレックス160−Z、槇野産業社製)を用いて、体積基準メジアン径を、48μm、74μm又は102μmに調整し、再度ナウターミキサーにて15分間混合することにより、アミノ酸混合物を得た。
Figure 2014205661
下表2の原料を、香料及び酸味料を除いて、ニュースピードニーダー(NSK−250S、岡田精工社製)を用いて3分間混合し、99.5%エタノールを表3に示す量にて添加した後、4分間混練した。得られた混練物を、押出造粒機(HG−100、畑鐵工所社製)を用いて造粒した。得られた造粒物を、棚段式の真空乾燥機(DP−63、ヤマト科学社製)を用いて2.5時間乾燥させた後、目開き2.36mmのふるいにてふるい分けし、得られたふるい下に、下表2の香料及び酸味料を添加して袋内で手混合することにより、実施例1、2、比較例1〜3及びコントロール(control)の顆粒を得た。
但し、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を102μmに調整したものは、造粒できなかったか、又は造粒できても顆粒を形成しなかった。
Figure 2014205661
[評価]
実施例1、2、比較例1〜3及びコントロールの顆粒の物性(体積基準メジアン径、微粉率、崩壊時間、比容積)を測定し、また、専門パネラー(6名)によって官能評価を行った。官能評価は、「総合評価」、「飲み易さ」、「口どけ」、及び「口腔内でのべとつき」の各項目について、下記の基準に従って行った。ここで「飲み易さ」は、物性のみの観点から、飲み易さを評価し、「総合評価」は、呈味及び物性の観点から、飲み易さを評価した。
(総合評価)
○:controlに比べて好ましい。
△:controlと差異なし。
×:controlに比べて好ましくない。
(飲み易さ)
○:controlに比べて飲み易い。
△:controlと同等の飲み易さ。
×:controlに比べて飲み難い。
(口どけ)
○:controlに比べて口どけ良好。
△:controlと同等の口どけ感。
×:controlに比べて口どけ不良。
(口腔内でのべとつき)
○:controlに比べてべたつかない。
△:controlと同等のべたつき。
×:controlに比べてよりべたつく。
結果を表3に示す。表中の「エタノール添加量」は、造粒原料100重量部に添加した、エタノールの量(単位:重量部)を示し、「押出穴目開き」は、押出造粒機の押出穴の直径(単位:mm)を示す。
Figure 2014205661
表3の結果から明らかなように、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を48μmに調整した顆粒(比較例1、2)は、エタノールの量を、造粒原料100重量部に対し14.0重量部以下としたことによって、崩壊時間はコントロールの顆粒の30秒に対して短縮傾向であったが、顆粒形成が不十分となり、顆粒の体積基準メジアン径は850μmより小さくなった。これに伴い、これらの顆粒は、コントロールの顆粒に比べて、口腔内でのべたつきが顕著となり、飲み難いものとなった。そのため、これらの顆粒の総合評価も、コントロールの顆粒に比べて劣るものとなった。
また、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を74μmに調整し、エタノールの量を、造粒原料100重量部に対し9.0重量部とした顆粒(比較例3)は、顆粒形成が不十分で、官能評価の結果も、コントロールの顆粒に比べて劣るものであった。
一方、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を74μmに調整し、エタノールの量を、造粒原料100重量部に対し10.5〜12.0重量部とした顆粒(実施例1、2)は、顆粒の体積基準メジアン径が850μmより大きく、微粉率が20重量%未満であり、顆粒形成が良好であった。また、これらの顆粒は、官能評価の結果もコントロールの顆粒に比べて優れていて、飲み易いものであった。特に崩壊時間がいずれも19秒とコントロールの顆粒に対して大きく短縮すると共に口どけの評価が顕著に上昇し、そのため総合評価も、コントロールの顆粒に比べて顕著に優れていた。
[実施例3、4及び比較例4の顆粒の調製]
表1のアミノ酸粒子のうち、全ての水溶性アミノ酸粒子を、ナウターミキサー(NS−X、ホソカワミクロン社製)を用いて30分間予備混合した後、アルピネ粉砕機(コロプレックス160−Z、槇野産業社製)を用いて体積基準メジアン径を調整し、次いで、残りのアミノ酸粒子(難溶性アミノ酸粒子)を加えて再度ナウターミキサーにて15分間混合することにより、アミノ酸混合物を得た。
得られたアミノ酸混合物を用い、上記の実施例1等の顆粒と同様に調製して、実施例3、4及び比較例4の顆粒を得た。これらの調製における、エタノールの添加量、及び押出造粒機の押出穴の直径は下記表5に示す通りである。
[比較例5の顆粒の調製]
表1のアミノ酸粒子のうち、L−バリン粒子及びL−プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子を、ナウターミキサー(NS−X、ホソカワミクロン社製)を用いて30分間予備混合した後、アルピネ粉砕機(コロプレックス160−Z、槇野産業社製)を用いて体積基準メジアン径を調整し、次いで、残りのアミノ酸粒子(難溶性アミノ酸粒子、L−バリン粒子及びL−プロリン粒子)を加えて再度ナウターミキサーにて15分間混合することにより、アミノ酸混合物を得た。
得られたアミノ酸混合物を用い、上記の実施例1等の顆粒と同様に調製して、比較例5の顆粒を得た。
実施例3、4及び比較例4のアミノ酸混合物に含まれる水溶性アミノ酸粒子及び難溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径、並びに、これら全てのアミノ酸粒子(全アミノ酸粒子)の体積基準メジアン径を、表4に示す。また、比較例5のアミノ酸混合物に含まれるL−バリン粒子及びL−プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子、難溶性アミノ酸粒子、L−バリン粒子及びL−プロリン粒子の混合物の体積基準メジアン径、並びに、これら全てのアミノ酸粒子(全アミノ酸粒子)の体積基準メジアン径を、表4に示す。
Figure 2014205661
[評価]
実施例3、4及び比較例4、5の顆粒の物性(体積基準メジアン径、微粉率、崩壊時間、比容積)を測定し、また、専門パネラー(6名)によって、上記と同様に官能評価を行った。
結果を表5に示す。表中の「エタノール添加量」及び「押出穴目開き」は、上記と同様の意味を示す。
Figure 2014205661
表5の結果から明らかなように、エタノールの量を、造粒原料100重量部に対し10.0重量部とした顆粒(比較例4)は、顆粒の体積基準メジアン径が850μmより小さく、微粉率が20重量%を超え、顆粒形成が不十分であった。
また、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を107μmに調整した顆粒(比較例5)は、崩壊時間が23秒であり、コントロールの顆粒に比べてやや短縮した。しかしながら口どけの改善の程度は僅かなものであり、苦味、酸味、甘味のバランスも大きく崩れていた。そのため総合的に判断すると、当該顆粒は、コントロールの顆粒に比べて品質の改善は殆ど認められなかった。
一方、アミノ酸粒子の体積基準メジアン径を70μmに調整し、エタノールの量を、造粒原料100重量部に対し12.0〜13.0重量部とした顆粒(実施例3、4)は、顆粒の体積基準メジアン径が850μmより大きく、微粉率が20重量%未満であり、顆粒形成が良好であった。また、これらの顆粒の崩壊時間はそれぞれ15秒、16秒であり、コントロールの顆粒に比べて大幅に短縮しており、また口どけの評価は、コントロールの顆粒に比べて優れていて、実施例1及び2の顆粒と同等以上であった。
さらに、これらの顆粒は、実施例1及び2の顆粒に比べて、比容積の増大が抑制されていた。これは、実施例3及び4の顆粒は、粉砕された水溶性アミノ酸粒子が、未粉砕の難溶性アミノ酸粒子の間に挟まった構造を有しているためであると考えられる。
[実施例5の顆粒の調製]
表1のアミノ酸粒子のうち、L−プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子を、ナウターミキサー(NS−X、ホソカワミクロン社製)を用いて30分間予備混合した後、アルピネ粉砕機(コロプレックス160−Z、槇野産業社製)を用いて体積基準メジアン径を調整し、次いで、残りのアミノ酸粒子(難溶性アミノ酸粒子及びL−プロリン粒子)を加えて再度ナウターミキサーにて15分間混合することにより、アミノ酸混合物を得た。
得られたアミノ酸混合物を用い、上記の実施例1等の顆粒と同様に調製して、実施例5の顆粒を得た。これらの調製における、エタノールの添加量、及び押出造粒機の押出穴の直径は下記表7に示す通りである。
実施例5のアミノ酸混合物に含まれるL−プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子、及び難溶性アミノ酸粒子とL−プロリン粒子の混合物の体積基準メジアン径、並びに、これら全てのアミノ酸粒子(全アミノ酸粒子)の体積基準メジアン径を、表6に示す。
Figure 2014205661
[評価]
実施例5の顆粒の物性(体積基準メジアン径、微粉率、崩壊時間、比容積)を測定し、また、専門パネラー(6名)によって、上記と同様に官能評価を行った。
さらに、下記のとおりに保存安定性試験を行い、下記の基準に従って保存安定性を評価した。
[保存安定性試験の方法]
恒温恒湿器(EYELA社製 KCL−2000)によって水分活性が同程度に調整された各評価サンプル(30g)を、それぞれアルミ包材に入れて密封し保存試験室(温度:55℃)で4日間静置する。4日間の静置後に専門の品質評価者(3名)が各評価サンプルの外観変化を確認し、保存安定性(固結性)を評価する。
[評価基準]
◎:全ての顆粒において、顆粒同士が結着していない
○:一部の顆粒が小さな塊になっていたものの、大部分の顆粒は結着していない
×:大部分の顆粒が塊となっている
結果を表7に示す。表中の「エタノール添加量」及び「押出穴目開き」は、上記と同様の意味を示す。また、上記実施例3の顆粒の結果を併記した。
Figure 2014205661
表7の結果から明らかなように、L−プロリン粒子以外のアミノ酸粒子の体積基準メジアン径を52μmに調整し、エタノールの量を、造粒原料100重量部に対し16.0重量部とした実施例5の顆粒は、顆粒の体積基準メジアン径が850μmより大きく、微粉率が20重量%未満であり、顆粒形成が良好であった。また、当該顆粒の崩壊時間は17秒で、実施例3の顆粒と同等であり、また口どけの評価も、実施例3の顆粒と同等であった。
さらに、実施例5の顆粒は、実施例3の顆粒に比べて、比容積の増大(嵩張り)が更に抑制されていた。また実施例5の顆粒は、実施例3の顆粒に比べて、保存安定性に優れ、固結しにくいものであった。
本発明によれば、微粉の少ないしっかりとした形状を有し、且つ口腔内で容易に崩壊する、アミノ酸含有顆粒及びその製造方法を提供できる。また、本発明によれば、嵩張りが抑制された、より摂取し易いアミノ酸含有顆粒及びその製造方法を提供できる。

Claims (11)

  1. アミノ酸を含有する顆粒であって、
    (i)該顆粒の体積基準メジアン径が850μm以上であり、
    (ii)粒子径が212μm以下である粒子の含有割合が20重量%以下であり、且つ、
    (iii)崩壊時間が28秒以下である、顆粒。
  2. アミノ酸が、20℃の水に対する溶解度が5g/dl以上のアミノ酸(以下、水溶性アミノ酸という)を35重量%以上含む、請求項1記載の顆粒。
  3. アミノ酸の含有量が、60〜95重量%である、請求項1又は2記載の顆粒。
  4. 比容積が、2.6mL/g以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の顆粒。
  5. 体積基準メジアン径が60〜90μmであるアミノ酸粒子を含有する造粒原料100重量部に、エタノールを10〜17重量部添加し、造粒する工程を含むことを特徴とする、アミノ酸を含有する顆粒の製造方法。
  6. アミノ酸粒子が、水溶性アミノ酸粒子を35重量%以上含む、請求項5記載の方法。
  7. アミノ酸粒子が水溶性アミノ酸粒子を含み、該水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が、20〜50μmであり、
    エタノールの添加量が、造粒原料100重量部に対して10.5〜13重量部である、請求項5又は6記載の方法。
  8. アミノ酸粒子が水溶性アミノ酸粒子を含み、
    該水溶性アミノ酸粒子が、プロリン粒子とそれ以外の水溶性アミノ酸粒子とからなり、
    プロリン粒子以外の水溶性アミノ酸粒子の体積基準メジアン径が、35〜65μmであり、
    エタノールの添加量が、造粒原料100重量部に対して14〜16重量部である、請求項5又は6記載の方法。
  9. アミノ酸粒子が、20℃の水に対する溶解度が5g/dl未満のアミノ酸(以下、難溶性アミノ酸という)粒子を含み、
    難溶性アミノ酸粒子とプロリン粒子との混合物の体積基準メジアン径が、90〜130μmである、請求項8記載の方法。
  10. アミノ酸粒子の、造粒原料における含有量が、60〜95重量%である、請求項5〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 造粒が、押出造粒である、請求項5〜10のいずれか1項に記載の方法。
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