JP2014205660A - 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド - Google Patents

13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド Download PDF

Info

Publication number
JP2014205660A
JP2014205660A JP2014046533A JP2014046533A JP2014205660A JP 2014205660 A JP2014205660 A JP 2014205660A JP 2014046533 A JP2014046533 A JP 2014046533A JP 2014046533 A JP2014046533 A JP 2014046533A JP 2014205660 A JP2014205660 A JP 2014205660A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyl
cyclopentadecene
fragrance
olide
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014046533A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6189773B2 (ja
Inventor
有紀 中澤
Yuki Nakazawa
有紀 中澤
青木 崇
Takashi Aoki
崇 青木
剛 鳥谷部
Takeshi Toyabe
剛 鳥谷部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2014046533A priority Critical patent/JP6189773B2/ja
Publication of JP2014205660A publication Critical patent/JP2014205660A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6189773B2 publication Critical patent/JP6189773B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B9/00Essential oils; Perfumes
    • C11B9/0069Heterocyclic compounds
    • C11B9/0073Heterocyclic compounds containing only O or S as heteroatoms
    • C11B9/0084Heterocyclic compounds containing only O or S as heteroatoms the hetero rings containing more than six atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D315/00Heterocyclic compounds containing rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom according to more than one of groups C07D303/00 - C07D313/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D3/00Other compounding ingredients of detergent compositions covered in group C11D1/00
    • C11D3/50Perfumes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)

Abstract

【課題】香料として有用なムスク調の香気とウッディ調のサイドノートを有し、残香性に優れ、かつ、他の香料と調合することでトップノートを強調し、清潔感や爽やかさを増強することが可能である化合物及びその化合物を含有する香料組成物を提供すること。【解決手段】13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド及び13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを含有する香料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド、およびそれを含有する香料組成物に関する。
香りは製品等の嗜好性や高級感、安心感、効果への期待感などを演出する重要な要素である。さらに特徴ある香りは製品識別効果、顧客吸引力を与える。一方、製品への賦香は、香りのバランスや持続性などを制御するために、複数の香料素材を混合した香料組成物を用いて行われるのが一般的である。香料組成物を構成する香料素材は他の香料素材との調和性がよいことが求められる。
なかでも天然品のじゃ香(ムスク)は高価な香料として古くから用いられているが、そのうち、大環状ムスクとしていくつかのラクトン化合物が合成されている。
たとえば、シクロペンタデカノリドは、優雅で甘いじゃ香様香気を有し、アンブレットリドは、優雅なじゃ香様香気を有し、ハバノライドは、非常にエレガントなムスク様香気を示し、シクロヘキサデカノリドは、ムスク香を有する(非特許文献1)。
Figure 2014205660
その他に、特許文献1には、11−メチル−13−シクロトリデカノリド、12−メチル−14−シクロテトラデカノリドおよび13−メチル−15−シクロペンタデカノリドが、強く且つ持続性に優れたムスク香を有することが記載されている。
Figure 2014205660
特許文献2には、香質に優れ、パウダリー感を有し、ムスク様香気を有する大環状ラクトン化合物を得ることを目的として、特定のエステル化合物をメタセシス反応により閉環することを特徴とする二重結合を有する大環状ラクトン化合物の製造方法が開示されている。
特許文献3には、特定のアルキル基を有する大環状ラクトン化合物が、優れたムスク様香気を有し、簡易に製造可能であることが記載されている。
特許文献4には、強いジャコウ臭を有する、オキサシクロヘプタデカ−12−エン−2−オン等の特定の化合物又は混合物を含み、かつ、化合物として、Z−オキサシクロペンタデカ−6−エン−2−オン等の特定の化合物を除く付臭性組成物が開示されている。
香料素材は、極めて大雑把には、構造が類似していれば類似の香調を有するが、例外も多く、特に複数の置換基を組み合わせて変化させた場合、その香調がどのように変化していくかは予測しがたく、また、他の香料素材との調和性も予測しがたいものである。
印藤元一著 合成香料 化学と商品知識 増補改訂版 2005年、391〜403ページ
WO2005/105773号パンフレット 特開2000−53675号公報 特開2010−163366号公報 特開平11−193395号公報
本発明の課題は、香料として有用なムスク調の香気とウッディ調のサイドノートを有し、残香性に優れ、かつ、他の香料と調合することでトップノートを強調し、清潔感や爽やかさを増強することが可能である化合物及びその化合物を含有する香料組成物を提供することにある。
本発明者らは、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドが、ムスク調の香気とウッディ調のサイドノートを有し、残香性に優れ、かつ、他の香料と調合することでトップノートを強調し、清潔感や爽やかさを増強することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドである。
また、本発明は、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを含有する香料組成物である。
本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドは、香料として有用なムスク調の香気とウッディ調のサイドノートを有し、残香性に優れ、かつ、他の香料と調合することでトップノートを強調し、清潔感や爽やかさを増強することが可能である。
本発明は、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドである。本願明細書中において、式中の波線の結合は、シス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の混合物を示す。
Figure 2014205660
[13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド]
本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドは、ラセミ体であっても良く、光学活性なR体とS体の存在割合が異なる混合物であっても良く、R体のみまたはS体のみであっても良く、光学活性なS体のみが好ましい。具体的には、R体は、(R)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドであり、S体は、(S)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドである。なかでも、ウッディ調の香気を強化し清涼感を向上させる観点から、好ましくはS体過剰率が0%以上であり、より好ましくは50%以上であり、更に好ましくは95%以上であり、更に好ましくは100%である。
Figure 2014205660
[13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法]
本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドは、一般的な有機化学反応を用いて合成することができ、その製造方法に制限はない。本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを製造する好適な方法としては、例えば、3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートをメタセシス反応により閉環する工程を含む。
<メタセシス反応により閉環する工程>
本工程は、3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートをメタセシス反応により閉環する工程である。
Figure 2014205660
本工程においては、触媒を用いるが、用いる触媒としては、レニウム触媒、タングステン触媒、モリブデン触媒、ルテニウム触媒が挙げられ、収率を向上させる観点から、ルテニウム触媒が好ましく、なかでもカルベン配位子を有するルテニウム触媒がより好ましい。前記のように、式中の波線の結合は、シス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の混合物を示す。シス型の3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートのみ、またはトランス型の3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートのみは、それぞれに適した触媒を用いることにより、製造することができる。
触媒の使用量は、ルテニウム触媒の場合、反応を効率的に完結させる観点から、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは1モル%以上であり、また、経済的観点と反応後の除去を容易にする観点から、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下、更に好ましくは5モル%以下である。
カルベン配位子を有するルテニウム触媒としては、メタセシス反応を効率よく進行させる観点から、式(X)で示されるGrubbs触媒が好ましい。
Figure 2014205660
式(X)において、MはRuである。X1およびX2はアニオン性の配位子である。X1およびX2は同一でも異なっても良い。R1およびR2はHまたは置換基を有しても良い炭素数1〜20の炭化水素基であり、R1およびR2は同一でも異なっても良い。または、R1とR2は一緒になって環構造を形成しても良い。L1およびL2は中性の配位子である。L1およびL2は同一でも異なっても良い。または、L1およびL2のいずれか一つと、R1およびR2のいずれか一つとMは一緒になって環構造を形成してもよい。
1およびX2のアニオン性の配位子は、収率を向上させる観点からハロゲンが好ましく、Cl(塩素)がより好ましい。
1およびL2のいずれか一つの配位子は、収率を向上させる観点からホスフィンやN−ヘテロ環状カルベンが好ましい。ホスフィンとしては、トリアルキルホスフィンが好ましく、トリシクロヘキシルホスフィンがより好ましい。N−ヘテロ環状カルベンとしては、ピリジニウム基や式(Y)で示される基が好ましく、式(Y)で示される基がより好ましい。
Figure 2014205660
1およびR2は一緒になって環を形成する場合と、環を形成しない場合がある。収率を向上させる観点から、R1およびR2は一緒になって環を形成することが好ましい。
1およびR2が一緒になって環構造を形成する場合の環構造は、収率を向上させる観点から3−フェニル−1H−インデン−1−イリデンが好ましい。
具体的な(X)で表される触媒としては、Chem. Rev. 2009,109,3783に記載の構造のものが挙げられる。
収率を向上させる観点、および経済性の観点から、好ましい(X)としては、下記式(X1)〜(X9)で示されるGrubbs触媒が好ましい。式中、PCy3は、トリシクロヘキシルホスフィンを意味し、Mesは、2,4,6−トリメチルフェニル基を意味し、iPrはイソプロピル基を意味する。
Figure 2014205660
これらの中で、経済性の観点から、式(X1)〜(X5)及び(X9)で示されるGrubbs触媒が好ましく、式(X9)で示されるGrubbs触媒がより好ましい。
また、本工程の際に使用される溶媒としては、反応に関与しない不活性な溶媒が好ましく、塩素系溶媒、芳香族系溶媒がより好ましい。塩素系溶媒としては、ジクロロメタンが好ましく、芳香族系溶媒としては、トルエンが好ましい。溶媒を用いた場合の本工程の反応溶液の3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートの濃度は、生産性の観点から、好ましくは0.001モル/L以上であり、また、分子間反応による収率低下を抑制する観点から、好ましくは0.01モル/L以下である。
反応温度は、5〜50℃が好ましく、反応を効率的に完結させる観点から、40〜50℃がより好ましい。また、この範囲の沸点を有する溶媒を用いた場合、還流下で反応させることが好ましい。反応時間は4〜10時間が好ましい。
反応終了後には、カラムクロマトグラフィー等の方法を用いて触媒の除去等の精製を行うことが好ましく、なかでも香料としてより好ましい品質に改善する観点から、蒸留による精製を行うことがより好ましい。
3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートは、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールと9−デセン酸を脱水縮合して得るのが好ましい。すなわち、本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを製造する好適な方法は、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールと9−デセン酸を脱水縮合して、3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートを得る工程をさらに含むのが好ましい。
<脱水縮合工程>
本工程は、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールと9−デセン酸を脱水縮合して、3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートを得る工程である。
Figure 2014205660
なお、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールは、公知文献に基づき製造することができ、例えばシトロネラ油等から分留、精製による方法やα−ピネン等を原料とした合成による方法で得ることができる。
市販品としては、和光純薬工業株式会社製の商品名(±)−シトロネロール等を入手することができる。なお、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの光学活性体を得るために、たとえば、(R)−(+)−3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール、(S)−(−)−3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール等の3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールの光学活性体を用いることができ、ウッディ調のサイドノートを強化し清涼感を向上させる観点から、(S)−(−)−3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールを用いることが好ましい。
3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールの光学活性体の市販品としては、シグマ−アルドリッチ(SIGMA−ALDRICH)社製、商品名(R)−(+)−シトロネロールおよび(S)−(−)−シトロネロールが挙げられる。
9−デセン酸は、公知文献に基づき製造することができ、例えば1,10−デカンジオール等を原料とした合成による方法で得ることができる。市販品としては、SIGMA−ALDRICH社製、商品名9−Decenoic acid等が挙げられる。
本工程は、酸触媒存在下、トルエン等の溶媒を用いて共沸脱水する方法や、脱水剤存在下で攪拌する方法が好ましく、二重結合異性化等の副反応を抑制する観点から、脱水剤存在下で攪拌する方法がより好ましい。
脱水剤としては、カルボジイミド類が好ましく、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩がより好ましく、反応後の除去が容易であるという観点から、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩が更に好ましい。
脱水剤の使用量は、高収率化の観点から、9−デセン酸に対して、100モル%以上が好ましく、経済的観点から、150モル%以下が好ましい。また、脱水剤の使用量は、高収率化の観点から、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールに対して、100モル%以上が好ましく、経済的観点から、150モル%以下が好ましい。
本工程は、反応速度を向上させる観点から、反応促進剤存在下で実施することが好ましい。反応促進剤としては、三級アミン類が好ましく、反応を効率的に進行させる観点から、ピリジン類がより好ましく、N,N’−ジメチルアミノピリジンが更に好ましい。反応促進剤の使用量は、反応を効率的に進行させる観点から、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールに対して1モル%以上が好ましく、経済的観点から3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールに対して20モル%以下が好ましい。
本工程に用いられる溶媒としては、反応に関与しない不活性な溶媒が好ましく、なかでも塩素系溶媒がより好ましく、ジクロロメタン、クロロホルムが更に好ましい。
反応温度は、5〜50℃が好ましく、反応時間は、2〜5時間が好ましい。
本工程で得られた3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートは、そのまま次の反応に用いることができるが、原料由来の不純物等を分液やカラムクロマトグラフィー等で除去してから用いるのが好ましい。
[香料組成物]
本発明の香料組成物は、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを含有する。13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの含有量は、香料組成物中、好ましくは0.01〜99質量%、より好ましくは0.1〜15質量%、更に好ましくは0.3〜3質量%である。13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを0.01〜99質量%含むことにより、香料組成物へトップノートを強調し、清潔感や爽やかさを増強することができる。
本発明の香料組成物は、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを含むため、ムスク調の香気とウッディ調のサイドノートを有し、残香性に優れ、かつ、他の香料と調合することでトップノートを強調し、清潔感や爽やかさを増強することが可能である。また、本発明の香料組成物は、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド以外に、その他の香料として、通常用いられる他の香料成分や、所望組成の調合香料を含有させ、例えば、シトラス調、フローラル調、フルーティ調、ハーバル調、スパイシー調、グリーン調、ウッディ調、バルサム香気等の香気を付与することができる。
本発明の香料組成物において、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドと組み合わせて用いることができるその他の香料としては、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、エーテル類、エステル類、カーボネート類、ラクトン類、オキシム類、ニトリル類、シッフ塩基類、天然精油や天然抽出物のうち1種以上が好ましく、中でも、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、カーボネート類、および天然精油や天然抽出物のうち1種以上がより好ましい。
以下、各香料の「類」には単一の化合物、あるいは2つ以上の化合物の混合物を意味する。
炭化水素類としては、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、テルピネン、p−サイメン、セドレン、ロンギフォレン、バレンセン、カンフェン、ミルセン等が挙げられる。
アルコール類としては、脂肪族アルコール、テルペン系アルコール、芳香族アルコール等が挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、プレノール、trans−2−ヘキセノール、cis−3−ヘキセノール、2,6−ジメチルヘプタノール、1−オクテン−3−オール、3,6−ノナジエン−1−オール、ウンデカベルトール(ジボダン社商品名、4−メチル−3−デセン−5−オール)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、イソシクロゲラニオール、2−tert−ブチルシクロヘキサノール、4−tert−ブチルシクロヘキサノール、マイヨール(フィルメニッヒ社商品名、4−(1−メチルエチル)−シクロヘキサンメタノール)、アンバーコア(花王株式会社商品名)、チンベロール(シムライズ社商品名、1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン−3−オール)、サンダルマイソールコア(花王株式会社商品名、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール)、バクダノール(IFF社商品名、2−エチル‐4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール)、フロローサ(ジボダン社商品名、4−メチル−2−(2−メチルプロピル)テトラヒドロ−2H−4−ピラノール)等が挙げられる。なかでも他の香料と調合することで清潔感や爽やかさを増強する観点から、アンバーコアが好ましい。
テルペン系アルコールとしては、シトロネロール、ヒドロキシシトロネロール、リナロール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロリナロール、エチルリナロール、リナロールオキサイド、ゲラニオール、ネロール、テトラヒドロゲラニオール、ミルセノール、ジヒドロミルセノール、テトラヒドロミルセノール、オシメノール、メントール、ボルネオール、フェンキルアルコール、ファルネソール、ネロリドール、セドロール、ターピネオール、テルピネオール等が挙げられる。他の香料と調合することで清潔感や爽やかさを増強する観点から、エチルリナロールが好ましい。
芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、スチラリルアルコール、フェネチルアルコール、ジメチルフェニルエチルカルビノール、シンナミックアルコール、フェニルヘキサノール(花王株式会社商品名)、パンプルフルール(IFF社商品名、4−フェニルペンタノール)、マジャントール(シムライズ社商品名、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)プロパノール)等が挙げられる。
フェノール類としては、アネトール、グアヤコール、オイゲノール、イソオイゲノール等が挙げられる。
アルデヒド類としては、上記アルコール類と同様に脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、芳香族アルデヒド等が挙げられ、アルコール類香料成分のアルコール基のみをアルデヒド基へ変換したアルデヒド類はいずれも香料成分として挙げられる。
その他のアルデヒド類としては、アルデヒド C−6(花王株式会社商品名、1−ヘキサナール)、アルデヒド C−8(花王株式会社商品名、1−オクタナール)、アルデヒド C−9(花王株式会社商品名、1−ノナナール)、アルデヒドC−10(花王株式会社商品名、1−デカナール)、アルデヒドC−11 UNDECYL(花王株式会社商品名、ウンデカナール)、アルデヒドC−11 MOA(シムライズ社商品名、2−メチルデカナール)、アルデヒド C−111 LEN(花王株式会社商品名、10−ウンデセナール)、アルデヒド C−12 LAURYL(花王株式会社商品名、1−ドデカナール)、アルデヒドC−12MNA(花王株式会社商品名、2−メチルウンデカナール)、フローラルスーパー(IFF社商品名、4,8−ジメチルデカ−4,9−ジエナール)、ポレナールII(花王株式会社商品名、2−シクロヘキシルプロパナール)、マイラックアルデヒド(IFF社商品名、4(3)−(4−メチル−3−ペンテン−1−イル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、リラール(IFF社商品名、4(3)−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、セトナール(ジボダン社商品名、トリメチルシクロヘキセンメチルブタナール)、ベルンアルデヒド(ジボダン社商品名、1−メチル−4−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド)、メロゾン(IFF社商品名、オクタヒドロ−4,7−メタノインデンカルボキシアルデヒド)、センテナール(フィルメニッヒ社商品名、メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド)、デュピカール(ジボダン社商品名、4−トリシクロデシリデンブタナール)、ベルガマール(IFF社商品名、3,7−ジメチル−2−メチレン−6−オクテナール)、カンホレンアルデヒド、ブルゲオナール(ジボダン社商品名、3−(4−tert−ブチルフェニル)プロパナール)、シクラメンアルデヒド(ジボダン社商品名、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロピオンアルデヒド)、フロラロゾン(IFF社商品名、3−(4−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロピオンアルデヒド)、スザラール(高砂香料工業株式会社)商品名、3−(4−イソブチルフェニル)−2−メチルプロピオンアルデヒド)、リリアール(ジボダン社商品名、3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロピオンアルデヒド)、アミルシンナミックアルデヒド(花王株式会社商品名)、ヘキシルシンナミックアルデヒド(花王株式会社商品名)、カントキサール(IFF社商品名、2−メチル−3−(4−メトキシフェニル)プロパナール)、バニリン、エチルバニリン、ヘリオトロピン(高砂香料工業社商品名、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド)、ヘリオナール(IFF社商品名、α−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−プロパナール)、トリプラール(IFF社商品名、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)等が挙げられる。他の香料と調合することで清潔感や爽やかさを増強する観点から、ブルゲオナール、リリアール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘリオナールが好ましい。
ケトン類としては、メチルヘプテノン、ジメチルオクテノン、3−オクタノン、ヘキシルシクロペンタノン、ジヒドロジャスモン、ベルートン(フィルメニッヒ社商品名、2,2,5−トリメチル−5−ペンチルシクロペンタノン)、ネクタリル(ジボダン社商品名、2−(2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピル)シクロペンタノン)、イオノン、メチルイオノン、γ−メチルイオノン、ダマスコン、α−ダマスコン、δ−ダマスコン、ダマセノン、ダイナスコン(フィルメニッヒ社商品名、1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン)、イロン、カシュメラン(IFF社商品名、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4H−インデン−4−オン)、イソ・イー・スーパー(IFF社商品名、1−(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−エタン−1−オン)、カロン(フィルメニッヒ社商品名、7−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾジオキセピン−3−オン)、カルボン、メントン、アセチルセドレン、イソロンギフォラノン、ヌートカトン、ベンジルアセトン、ラズベリーケトン、ベンゾフェノン、トナリド(PFW社商品名、6−アセチル−1,1,2,4,4,7−ヘキサメチルテトラヒドロナフタレン)、β−メチルナフチルケトン、ムスコン、ムセノン(フィルメニッヒ社商品、3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン)、シベトン、グロバノン(シムライズ社商品名、8−シクロヘキサデセノン)、エチルマルトール、カンファー、イソダマスコン(シムライズ社商品名、1−(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキシル)−trans−2−ブタノン)等が挙げられる。他の香料と調合することで清潔感や爽やかさを増強する観点から、α−ダマスコン、δ−ダマスコン、イソ・イー・スーパー、カンファーが好ましい。
アセタール類としては、アントキサン(花王株式会社商品名)、ボアザンブレンフォルテ(花王株式会社商品名)、トロエナン(花王株式会社商品名)、メチルパンプルムース(ジボダン社商品名、1,1−ジメトキシ−2,2,5−トリメチル−4−ヘキセン)、シトラールジメチルアセタール、ヒドラトロプアルデヒドジメチルアセタール、ベルドキサン(花王株式会社商品名)、アセトアルデヒドエチルリナリルアセタール、フロロパール(シムライズ社商品名、2,4,6−トリメチル−4−フェニル−1,3−ジオキサン等が挙げられる。
エーテル類としては、ハーバベール(花王株式会社商品名、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルエチルエーテル)、セドリルメチルエーテル、アンブロキサン(花王株式会社商品名、[3aR−(3aα,5aβ,9aα,9bβ)]ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト[2,1−b]フラン)、アンブロテック(花王株式会社商品名、ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト[2,1−b]フラン)、メチルイソオイゲノール、シトロネリルエチルエーテル、ゲラニルエチルエーテル、1,8−シネオール、ローズオキサイド、エストラゴール、アネトール、ヒノキチオール、ジフェニルオキサイド、β−ナフトールメチルエーテル、β−ナフトールエチルエーテル、ガラクソリド(IFF社商品名、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン)等が挙げられる。他の香料と調合することで清潔感や爽やかさを増強する観点から、アンブロキサンが好ましい。
香料素材として用いられるエステル類としては、脂肪族カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、その他のカルボン酸エステルが挙げられる。
脂肪族カルボン酸エステルを形成する脂肪族カルボン酸としては、炭素数1〜18の直鎖及び分岐鎖カルボン酸が挙げられるが、中でもギ酸、酢酸、プロピオン酸等の炭素数1〜6のカルボン酸、特に酢酸が重要である。芳香族カルボン酸エステルを形成する芳香族カルボン酸としては、安息香酸、アニス酸、フェニル酢酸、桂皮酸、サリチル酸、アントラニル酸等が挙げられる。脂肪族及び芳香族エステルを形成するアルコールとしては、炭素数1〜5の直鎖及び分岐鎖脂肪族アルコール及び上記の香料成分アルコール類が挙げられる。
その他のカルボン酸エステルとしては、エチルサフラネート(ジボダン社商品名、ジヒドロシクロゲラン酸エチル)、ポワレネート(花王株式会社商品名、エチル2−シクロヘキシルプロピオネート)、フルテート(花王株式会社商品名、エチルトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−2−カルボキシレート)、ジャスモン酸メチル、MDJ(花王株式会社商品名、ジヒドロジャスモン酸メチル、メチル (2−ペンチル−3−オキソシクロペンチル)アセテート)、プロピオン酸トリシクロデセニル、3−メチル−3−フェニルグリシド酸エチル(慣用名;アルデヒド C−16)等が挙げられる。他の香料と調合することで清潔感や爽やかさを増強する観点から、MDJが好ましい。
カーボネート類としては、リファローム(IFF社商品名、cis−3−ヘキセニルメチルカーボネート)、ジャスマシクラット(花王株式会社商品名)、フロラマット(花王株式会社商品名)等が挙げられる。他の香料と調合することで清潔感や爽やかさを増強する観点から、リファロームが好ましい。
ラクトン類としては、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、δ−デカラクトン、ジャスモラクトン(フィルメニッヒ社商品名、テトラヒドロ−6−(3−ペンテニル)−2H−ピラン−2−オン)、γ−ウンデカラクトン、クマリン、オクタヒドロクマリン、フロレックス(フィルメニッヒ社商品名、6−エチリデンオクタヒドロ−5,8−メタノ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン)、シクロペンタデカノリド、ハバノライド(フィルメニッヒ社商品名、12(11)−オキサシクロヘキサデセン−2−オン)、アンブレットライド(IFF社商品名、10−オクタシクロヘプタデセン−2−オン)、エチレンブラシレート等が挙げられる。
オキシム類としては、ブッコキシム(シムライズ社商品名、1,5−ジメチル−ビシクロ[3,2,1]オクタン−8−オンオキシム)、ラビエノキシム(ジボダン社商品名、2,4,4,7−テトラメチル−6,8−ノナジエン−3−オンオキシム)、5−メチル−3−ヘプタノンオキシム、等が挙げられる。
ニトリル類としては、ドデカンニトリル、シトロネリルニトリル、クミニルニトリル、シンナミルニトリル、ピオニル(ジボダン社商品名、2−シクロヘキシリデン−2−フェニルアセトニトリル)等が挙げられる。
シッフ塩基類としては、オーランチオール(ジボダン社商品名、N−(3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクチリデン)−アントラニル酸メチル)、リガントラール(ジボダン社商品名、3,5−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−イル−メチレンアントラニル酸メチル)、2−[(2−メチルウンデシリデン)アミノ]安息香酸メチル等が挙げられる。
天然精油や天然抽出物としては、オレンジ、レモン、ライム、ベルガモット、バニラ、マンダリン、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミル、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ロックローズ、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、アニス、クローブ、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、セダー、ヒノキ、ベチバー、パチュリ、レモングラス、ラブダナム、ガルバナム、ペチグレン、オリバナム等が挙げられる。他の香料と調合することで清潔感や爽やかさを増強する観点から、ライム、ベルガモット、マンダリン、スペアミントが好ましい。
これらのその他の香料の含有量は、調合香料の種類、目的とする香気の種類及び香気の強さ等により適宜選択することができるが、香料組成物中、それぞれ好ましくは0.0001〜99.99質量%、より好ましくは0.001〜80質量%であり、香料組成物中、合計で好ましくは5〜99.99質量%、より好ましくは50〜99.9質量%である。
本発明の香料組成物は、本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド及びその他の香料素材を含有させるベースとして、それ自身は匂いを持たない油剤を含有させることができる。このような油剤は、香料成分を均一に混合させ、製品に配合しやすく、適度な強度の香りを賦香しやすくすることができる。前記油剤の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル等のエステル、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤等が挙げられる。また、本発明の香料組成物は、本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド及びその他の香料素材を含有させるベースとして、それ自身は匂いを有するベースを含んでもよい。このようなベースとしては、例えば、アップルベース、カシスベース、メロンベース、バナナベース等が挙げられる。前記アップルベースには、パーライド、アルデハイドC−14ピーチ、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、プレニルアセテート等を含むことができ、前記カシスベースには、リラール、メチルジヒドロジャスモネート、トリプラール、ベータピネン等を含むことができる。
これらのなかでも、全ての香料成分の溶解性の観点から、前記油剤としては多価アルコールおよびエステルが好ましく、ジプロピレングリコールおよびミリスチン酸イソプロピルがより好ましい。かかる油剤の含有量は、香料組成物中、好ましくは0.01〜95質量%、より好ましくは1〜90質量%、さらに好ましくは4〜70質量%である。
本発明の香料組成物は、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの香気に加え、さらにトップノートを強調し、清潔感や爽やかさを増強するという効果も奏する。このような香料組成物は、例えば、洗浄剤組成物、繊維処理組成物、化粧料等の賦香に好適に使用することができる。
〔賦香成分としての使用〕
本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを含有する香料組成物は、ムスク調の香気とウッディ調のサイドノートを有し、残香性に優れ、かつ、他の香料と調合することでトップノートを強調し、清潔感や爽やかさが増強された好ましい香調を有する調合香料として、各種製品の賦香成分として使用することができる。従って、本発明は、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを賦香成分として使用する方法、好ましくは、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを香料組成物、洗浄剤組成物、繊維処理組成物、または化粧料の賦香成分として使用する方法である。当該化合物の使用方法としては、単独で又は他の成分と組み合わせて、石鹸、化粧品、毛髪化粧料、洗剤、柔軟剤、スプレー製品、芳香剤、香水、入浴剤等のトイレタリー製品のベースに含有させることができる。
なかでも、本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドは、残香性と、トップノートを強調し、清潔感や爽やかさが増強された香調が好ましく用いられる用途に用いることが好ましいことから、洗浄剤組成物及び繊維処理組成物に用いることが好ましく、洗浄剤組成物に用いることがより好ましい。
したがって、本発明は、本発明の香料組成物を含有する洗浄剤組成物、繊維処理組成物、化粧料も提供する。
本発明の洗浄剤組成物としては、硬質表面用洗浄剤組成物、衣料用洗浄剤組成物、身体用洗浄剤組成物が好ましく、硬質表面用洗浄剤組成物がより好ましい。
硬質表面用洗浄剤組成物の例としては、多用途洗浄剤(All purpose Cleaner)、食器用洗浄剤組成物が挙げられる。
身体用洗浄剤組成物の例としては、皮膚用洗浄剤組成物、毛髪用洗浄剤組成物が挙げられ、毛髪用洗浄剤組成物が好ましい。
繊維処理組成物としては、柔軟剤組成物が好ましい。
本発明の化粧料としては、香水が好ましい。
本発明の洗浄剤組成物には、本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド以外に、陰イオン界面活性剤を含有することが好ましく、更に非イオン界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、溶媒、油剤、防腐剤、水等を配合することができる。
本発明の柔軟剤組成物には、本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド以外に、陽イオン界面活性剤を含有することが好ましく、更にpH調整剤、溶媒、油剤、防腐剤、水等を配合することができる。
本発明の香水には、本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド以外に、溶媒、水等を配合することができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドおよび13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法を開示する。
<1> 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド。
<2> (S)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドである、<1>に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド。
<3> (R)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドである、<1>に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド。
<4> (S)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドと(R)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドとの混合物である<1>に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド。
<5> (S)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの過剰率が、好ましくは0%以上であり、より好ましくは50%以上であり、更に好ましくは95%以上であり、更に好ましくは100%である<4>に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド。
<6> <1>〜<5>のいずれかに記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを含有する香料組成物。
<7> 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの含有量が、香料組成物中、好ましくは0.01〜99質量%、より好ましくは0.1〜15質量%、更に好ましくは0.3〜3質量%である<6>に記載の香料組成物。
<8> 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド以外の香料を更に含有する<7>に記載の香料組成物。
<9> 前記13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド以外の香料が、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、エーテル類、エステル類、カーボネート類、ラクトン類、オキシム類、ニトリル類、シッフ塩基類、アミド類、天然精油および天然抽出物のうち1種以上を含有する、<8>に記載の香料組成物。
<10> <6>〜<9>のいずれかに記載の香料組成物を含有する洗浄剤組成物。
<11> <6>〜<9>のいずれかに記載の香料組成物を含有する繊維処理組成物。
<12> <6>〜<9>のいずれかに記載の香料組成物を含有する化粧料。
<13> <1>〜<5>のいずれかに記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを香料組成物、洗浄剤組成物、柔軟剤組成物、または化粧料の賦香成分として使用する方法。
<14> 3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートをメタセシス反応により閉環する工程を有する、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法。
<15> 前記メタセシス反応が、好ましくはレニウム触媒、タングステン触媒、モリブデン触媒、またはルテニウム触媒、より好ましくはルテニウム触媒、さらに好ましくはカルベン配位子を有するルテニウム触媒、さらに好ましくは式(X)で示されるGrubbs触媒を用いて行われる<14>に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法。
Figure 2014205660
式(X)において、MはRuである。X1およびX2はアニオン性の配位子、好ましくはハロゲン、より好ましくはCl(塩素)である。X1およびX2は同一でも異なっても良い。R1およびR2はHまたは置換基を有しても良い炭素数1〜20の炭化水素基であり、R1およびR2は同一でも異なっても良い。または、R1とR2は一緒になって環構造を形成しても良い。L1およびL2は中性の配位子である。L1およびL2は同一でも異なっても良い。または、L1およびL2のいずれか一つと、R1およびR2のいずれか一つとMは一緒になって環構造を形成してもよい。
<16> 以下の条件を満たす<15>に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法。
前記式(X)において、L1およびL2のいずれか一つの配位子は、収率を向上させる観点からホスフィンやN−ヘテロ環状カルベンが好ましい。ホスフィンとしては、トリアルキルホスフィンが好ましく、トリシクロヘキシルホスフィンがより好ましい。N−ヘテロ環状カルベンとしては、ピリジニウム基や式(Y)で示される基が好ましく、式(Y)で示される基がより好ましい。
Figure 2014205660
1およびR2は一緒になって環を形成する場合と、環を形成しない場合がある。収率を向上させる観点から、R1およびR2は一緒になって環を形成することが好ましい。
1およびR2が一緒になって環構造を形成する場合の環構造は、収率を向上させる観点から3−フェニル−1H−インデン−1−イリデンが好ましい。
<17> 前記式(X)で示されるGrubbs触媒が、好ましくは下記式(X1)〜(X9)で示されるGrubbs触媒、より好ましくは式(X1)〜(X5)及び(X9)で示されるGrubbs触媒、さらに好ましくは式(X9)で示されるGrubbs触媒である<15>に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法。式中、PCy3は、トリシクロヘキシルホスフィンを意味し、Mesは、2,4,6−トリメチルフェニル基を意味し、iPrはイソプロピル基を意味する。
Figure 2014205660
<18> 3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールと9−デセン酸を脱水縮合して、3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートを得る工程を有する、<14>〜<17>のいずれかに記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法。
<19> 前記脱水縮合が、好ましくは、酸触媒存在下、トルエン等の溶媒を用いて共沸脱水する方法、または脱水剤存在下で攪拌する方法、より好ましくは脱水剤存在下で攪拌する方法により行われる<18>に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法。
<20> 前記脱水剤が、好ましくはカルボジイミド類、より好ましくは、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、または1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、さらに好ましくは、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩である<19>に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法。
<21> 前記脱水縮合が、好ましくは反応促進剤、より好ましくは三級アミン類、さらに好ましくはピリジン類、さらに好ましくはN,N’−ジメチルアミノピリジンの存在下で実施される<18>〜<20>のいずれかに記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法。
以下の実施例及び比較例等において行った測定法の詳細を以下にまとめて示す。
以下の製造例において行った測定法の詳細を以下にまとめて示す。
〔反応収率〕
以下の製造例に示した反応収率は、内部標準法ガスクロマトグラフィー(GC)定量分析によって求めた。
<ガスクロマトグラフィーの装置及び分析条件>
GC装置:HEWLETT PACKARD社製、型式:HP6850
カラム:J&W社製、DB−1(内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm)
キャリアガス:He、1.5mL/min
注入条件:300℃、スプリット比1/100
検出条件:FID方式、300℃
カラム温度条件:80℃→10℃/分昇温→300℃10分間保持
内部標準化合物:n‐トリデカン
〔化合物の同定〕
以下の製造例で得られた各化合物は、核磁気共鳴スペクトル(Varian社製、型式:Mercury 400)(1H−NMR、13C−NMR)、およびガスクロマトグラフ質量(GC−MS)分析計(島津製作所社製、型式:GC−2010)のスペクトル分析により同定した。
<GC−MSの装置及び分析条件>
GC−MS装置:島津製作所社製、型式:GC2010
カラム:島津製作所社製、GLC RESTEK(内径0.25mm、長さ25m、膜厚0.25μm)
キャリアガス:He、1.82mL/min
注入条件:280℃、スプリット比1/50
検出条件:GCMS‐QP2010 Plus、280℃
カラム温度条件:80℃→5℃/分昇温→280℃10分間保持
マスレンジ:Low70 High450
〔香気評価〕
調香・香料評価業務経験者2名により、におい紙法により香調と強度を判定した。におい紙(幅6mm長さ150mmの香料試験紙)の先端約5mmを、試料に浸漬し、評価した。
香気は、主として感じられる香り(主香気)を、より強く感じられるものから順に列挙し、さらに、副次的に感じられる香り(副香気)を付記した。
におい強度は、無臭を0、とても強く匂うものを5とする評価(6段階臭気強度表示法)の結果を示した。
〔残香性評価〕
上記におい紙法と同様にして、試料に浸漬してから、25℃、無風、5m3の室内に放置し、7日毎に評価して、主香気のにおい強度が0となった週数を示した。週数が大きいものほど、残香性に優れる。なお、ハバノライド(フィルメニッヒ社製)を本法にて評価したところ、2週間であった。
Figure 2014205660
[製造例1]
3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートの製造
100mLフラスコに、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール((±)−シトロネロール、和光純薬工業株式会社製、純度90%、2.1g、12.1ミリモル)および9−デセン酸(2.4g、14.0ミリモル)を仕込み、ジクロロメタン(25mL)に溶解させた。続いて前記フラスコ中に、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(3.2g、16.5ミリモル、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールに対して136モル%、9−デセン酸に対して118モル%)とN,N’−ジメチルアミノピリジン(146mg、1.2ミリモル、シトロネロールに対して10モル%)を添加し、窒素気流下、室温で5時間反応させた。反応終了液に塩化アンモニウム水溶液を加えて攪拌後、静置分層して水層を抜き出し、油層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムを加えて脱水乾燥した。濾過した後に前記油層からジクロロメタンを留去し、3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアート(3.7g、12.0ミリモル、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールに基づく収率は100%)を得た。
3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートの各スペクトル分析の測定結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(CDCl3,400MHz);δ(ppm):0.91(d,3H,J=6.4Hz),1.18(m,1H),1.30−1.47(m,10H),1.50−1.70(m,4H),1.60(s,3H),1.68(s,3H),1.92−2.05(m,4H),2.28(t,2H,J=7.6Hz),4.09(m,2H),4.92(d,1H,J=10.0Hz),4.98(d,1H,J=17.2Hz),5.08(t,1H,J=7.0Hz),5.79(m,1H)。
(2)13C−NMR(CDCl3,100MHz);δ(ppm):174.1,139.3,131.5,124.8,114.4,63.1,37.4,35.9,34.8,34.2,29.9,29.5,29.5,29.4,29.3,26.2,25.8,25.4,19.9,18.1。
(3)MS(CI)m/Z:309(M+),171,139,83,71
[実施例1]
13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造
2Lの三口フラスコに、製造例1で得られた3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアート(0.85g、2.8ミリモル)、ジクロロメタン(650mL)、および下記式に示すメタセシス触媒(商品名「Umicore M2」、ユミコアジャパン株式会社製、74mg、0.078ミリモル、基質に対して3モル%)を仕込み、窒素気流下6時間加熱還流(50℃)を行った。反応終了液のガスクロマトグラフィー定量分析を行ったところ、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドが(0.6g、2.4ミリモル、収率86%)含まれていた。
Figure 2014205660
この反応溶液からジクロロメタンを留去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、n−ヘキサン:酢酸エチル=99:1)で精製し、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを0.4g(1.6ミリモル)得た。13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの純度は95.7%であった。S体過剰率は0%であった。
13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの各スペクトル分析の測定結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(CDCl3,400MHz);δ(ppm):0.84(d,3H,J=6.4Hz),1.12−1.41(m,10H),1.47(m,1H),1.58−1.73(m,4H),1.96−2.16(m,4H),2.31(m,2H),4.09(m,1H),4.19(s,1H),5.30(m,2H)。
(2)13C−NMR(CDCl3,100MHz);δ(ppm):173.9,131.1,130.6,62.0,36.7,36.7,34.9,31.5,29.8,29.0,27.8,27.4,27.1,26.7,25.0,17.5。
(3)MS(CI)m/Z:253(M+),235
(4)香気:(主香気)清涼感のあるムスク (副香気)ウッディ。
(5)匂い強度:3。
(6)残香性:4週間。
[製造例2]
(S)−3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートの製造
(±)−シトロネロールに代えて、(S)−(−)−シトロネロール(SIGMA−ALDRICH社製、(S)−(−)−3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール)を用いた以外は、製造例1と同様に行い、(S)−3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートを得た。
[実施例2]
(S)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造
Figure 2014205660
製造例2において得られた(S)−3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートを用いた以外は、実施例1と同様に行って、(S)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを得た。得られた(S)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの純度は95.7%であった。S体過剰率は、100%であった。
(S)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの各スペクトル分析の測定結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(CDCl3,400MHz);δ(ppm):0.84(d,3H,J=6.4Hz),1.12−1.41(m,10H),1.47(m,1H),1.58−1.73(m,4H),1.96−2.16(m,4H),2.31(m,2H),4.09(m,1H),4.19(s,1H),5.30(m,2H)。
(2)13C−NMR(CDCl3,100MHz);δ(ppm):173.9,131.1,130.6,62.0,36.7,36.7,34.9,31.5,29.8,29.0,27.8,27.4,27.1,26.7,25.0,17.5。
(3)MS(CI)m/Z:253(M+),235
(4)香気:(主香気)拡散性と奥行きを有する清涼感のあるムスク (副香気)ウッディ。
(5)匂い強度:4。
[製造例3]
(R)−3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートの製造
(±)−シトロネロールに代えて、(R)−(+)−シトロネロール(SIGMA−ALDRICH社製、(R)−(+)−3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール)を用いた以外は、製造例1と同様に行い、(R)−3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートを得た。
[実施例3]
(R)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造
Figure 2014205660
製造例3において得られた(R)−3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートを用いた以外は、実施例1と同様に行って、(R)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを得た。得られた(R)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの純度は98.1%であった。R体過剰率は、100%であった。
(R)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの各スペクトル分析の測定結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(CDCl3,400MHz);δ(ppm):0.84(d,3H,J=6.4Hz),1.12−1.41(m,10H),1.47(m,1H),1.58−1.73(m,4H),1.96−2.16(m,4H),2.31(m,2H),4.09(m,1H),4.19(s,1H),5.30(m,2H)。
(2)13C−NMR(CDCl3,100MHz);δ(ppm):173.9,131.1,130.6,62.0,36.7,36.7,34.9,31.5,29.8,29.0,27.8,27.4,27.1,26.7,25.0,17.5。
(3)MS(CI)m/Z:253(M+),235
[比較例1]
13−メチル-15−シクロペンタデカノリドの製造
Figure 2014205660
50mLの2口フラスコに、実施例1で得られた13-メチル−9−シクロペンタデセン-15-オリド(純度95.7%、465mg、1.7ミリモル)を仕込み、メタノール10mlに溶解させた。得られた溶液に5%活性炭担持パラジウム触媒(23mg)を加え、室温、0.1MPaの水素圧で1時間水素添加を行った。触媒を濾過して除去した後、得られた反応溶液から溶媒を減圧除去した。得られた濃縮液を蒸留精製し、13−メチル-15−シクロペンタデカノリドを416mg(純度95.5%)得た。
13−メチル−15−シクロペンタデカノリドの各スペクトル分析の測定結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(CDCl3,400MHz);δ(ppm):0.90(d,3H,J=6.4Hz),1.13(m,1H),1.24−1.45(m,18H),1.59−1.71(m,4H),2.32(m,2H),4.08(m,1H),4.23(m,1H)。
(2)13C−NMR(CDCl3,100MHz);δ(ppm):174.0,61.9,35.4,34.6,34.3,27.8,27.3,26.7,26.5,26.4,26.2,26.0,25.0,24.6,19.6,19.5。
(3)MS(CI)m/Z:255(M+
(4)香気:(主香気)ニトロムスク様のムスク (副香気)なし
(5)匂い強度:3
(6)残香性:2週間。
実施例4及び比較例2〜3(洗浄剤用調合香料(香料組成物))
実施例1で得られた13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド、ハバノライド、およびペンタライド(シクロペンタデカノリド)を用いて、表1に記載の配合組成になるように、実施例4、比較例2および比較例3の香料をそれぞれ調合し、調合香料(香料組成物)を調製した。
Figure 2014205660
Figure 2014205660
評価は前記香気評価と同様にして行った。実施例4の香料組成物は、比較例2および3の香料組成物に比べ、トップノート(シトラス、グリーン、フルーティ感)をリフトアップし、清潔感や爽やかさが向上した。
実施例5および比較例4〜5(衣料用洗浄剤組成物)
表2に示す組成の未賦香の衣料用液体洗浄剤に対し、実施例4及び比較例2、3で得られた香料組成物をそれぞれ0.6質量%となるように加え、実施例5および比較例4、5の洗浄剤組成物をそれぞれ調製した。これらの洗浄剤組成物について、以下の香気評価を行った。
〔香気評価〕
調香・香料評価業務を7年経験した熟練者1名により、容量100ミリリットルのガラス製ビンに実施例及び比較例の洗浄剤組成物を50ミリリットル入れ、密閉して25℃で24時間放置後、開封した際のビン口での香気を評価した。
Figure 2014205660
1)花王商品名:Emal 270J
2)花王商品名:Emulgen 110L
3)花王商品名:Lunac L−55
比較例4は清潔なムスク香、比較例5は穏やかな甘さが付与されたのに対し、実施例5の洗浄剤組成物は、グリーンフルーティ感が強調され、比較例の洗浄剤組成物に比べ、よりフレッシュで清潔感や爽やかさが増強された。
本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドは、香料として有用なムスク調の香気とウッディ調のサイドノートを有し、残香性に優れるため、香料素材として用いることができる。さらに本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドは、他の香料と調合することでトップノートを強調し、清潔感や爽やかさを増強することもできる。
以上から、本発明の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを含有する香料組成物は、洗浄剤組成物及び柔軟剤組成物等の賦香成分として使用できる。

Claims (10)

  1. 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド。
  2. (S)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドである、請求項1に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド。
  3. (R)−13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドである、請求項1に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを含有する香料組成物。
  5. 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド以外の香料を更に含有する請求項4に記載の香料組成物。
  6. 前記13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド以外の香料が、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、エーテル類、エステル類、カーボネート類、ラクトン類、オキシム類、ニトリル類、シッフ塩基類、アミド類、天然精油および天然抽出物のうち1種以上を含有する、請求項5に記載の香料組成物。
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載の香料組成物を含有する洗浄剤組成物。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドを香料組成物、洗浄剤組成物、柔軟剤組成物、または化粧料の賦香成分として使用する方法。
  9. 3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートをメタセシス反応により閉環する工程を有する、13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法。
  10. 3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オールと9−デセン酸を脱水縮合して、3,7−ジメチル−6−オクテニル−9−デセノアートを得る工程を有する、請求項9に記載の13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリドの製造方法。
JP2014046533A 2013-03-19 2014-03-10 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド Active JP6189773B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014046533A JP6189773B2 (ja) 2013-03-19 2014-03-10 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013056934 2013-03-19
JP2013056934 2013-03-19
JP2014046533A JP6189773B2 (ja) 2013-03-19 2014-03-10 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014205660A true JP2014205660A (ja) 2014-10-30
JP6189773B2 JP6189773B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=50287977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014046533A Active JP6189773B2 (ja) 2013-03-19 2014-03-10 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9217123B2 (ja)
EP (1) EP2781515B1 (ja)
JP (1) JP6189773B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6189773B2 (ja) * 2013-03-19 2017-08-30 花王株式会社 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド
CN111303101B (zh) * 2020-04-09 2022-06-10 东莞波顿香料有限公司 香茅酯类化合物及其制备方法、香料

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11193395A (ja) * 1997-10-09 1999-07-21 Givaudan Roure Internatl Sa 付臭性組成物
JP2000053675A (ja) * 1998-08-11 2000-02-22 Takasago Internatl Corp 大環状ラクトン化合物、その製造法及び該化合物を含有する香料組成物
WO2005105773A1 (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Soda Aromatic Co., Ltd. 11-メチル-13-トリデカノリド、12-メチル-14-テトラデカノリドおよび13-メチル-15-ペンタデカノリド、およびそれらを含む香料組成物、およびそれらを含む化合物の製造方法
JP2010163366A (ja) * 2009-01-13 2010-07-29 Kao Corp 新規大環状ラクトン

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0841333A1 (en) * 1996-11-08 1998-05-13 Quest International B.V. 14-Methyl-hexadecenolide and 14-methyl-hexadecanolide
JP2005179601A (ja) 2003-12-22 2005-07-07 Kao Corp 高再認率香料組成物
CN103343049B (zh) 2009-01-13 2014-05-07 花王株式会社 香料组合物
JP6189773B2 (ja) * 2013-03-19 2017-08-30 花王株式会社 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11193395A (ja) * 1997-10-09 1999-07-21 Givaudan Roure Internatl Sa 付臭性組成物
JP2000053675A (ja) * 1998-08-11 2000-02-22 Takasago Internatl Corp 大環状ラクトン化合物、その製造法及び該化合物を含有する香料組成物
WO2005105773A1 (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Soda Aromatic Co., Ltd. 11-メチル-13-トリデカノリド、12-メチル-14-テトラデカノリドおよび13-メチル-15-ペンタデカノリド、およびそれらを含む香料組成物、およびそれらを含む化合物の製造方法
JP2010163366A (ja) * 2009-01-13 2010-07-29 Kao Corp 新規大環状ラクトン

Also Published As

Publication number Publication date
US9217123B2 (en) 2015-12-22
JP6189773B2 (ja) 2017-08-30
US20140287971A1 (en) 2014-09-25
EP2781515A1 (en) 2014-09-24
EP2781515B1 (en) 2016-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5395981B2 (ja) 香料組成物
JP6189773B2 (ja) 13−メチル−9−シクロペンタデセン−15−オリド
JP7319967B2 (ja) ムスク様組成物
JP5501524B1 (ja) ニトリル化合物
JP6202679B2 (ja) 4,8−ジメチル−4,9−デカジエンニトリル
JP6054157B2 (ja) 香料組成物
JP5681751B2 (ja) 香料組成物
JP5808704B2 (ja) ジメチルシクロヘキセニルアルケノン
JP5912943B2 (ja) 3,7−ジメチル−2−メチレン−6−オクテンニトリル
JP5930467B2 (ja) ニトリル化合物
WO2022249897A1 (ja) 香料組成物
JP2022090614A (ja) 香料組成物
JP6137681B2 (ja) ニトリル化合物
JP6091028B1 (ja) シクロプロパン化合物
JP5639884B2 (ja) 香料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170803

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6189773

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250