JP2014205457A - 車両の接触防止システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ハンドルの操作性が低下することを抑制しつつ、障害物との接触につながるハンドル操作を抑制可能な車両の接触防止システムを提供する。【解決手段】運転者によりハンドル50が操作される車両における障害物との接触を防止する車両の接触防止システムであって、車両の周辺に存在する障害物の状況を検出する検出手段13〜19と、検出手段13〜19により検出された障害物の状況に基づいて、車両を中心とした方向別の障害物との接触危険度を判定する危険度判定手段31と、ハンドル50の操作に対して反力を付与するモータ40と、危険度判定手段31によりハンドル50の操作量に対応する方向において判定された接触危険度に応じた周期で、モータ40によりパルス状の反力を繰り返し付与させる反力制御手段32と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、運転者によりハンドルが操作される車両における障害物との接触を防止する車両の接触防止システムに関する。
車両周辺の人や物体に接触するような車両のハンドル操作がなされないように、車両のハンドル操作を規制する接触防止システムが提案されている。
特許文献1では、ハンドルが危険側に回転操作されると、パワーステアリング装置のモータに危険側とは反対方向の回転トルクを発生させ、ハンドルを危険側に回転操作し難くしている。また、特許文献1では、モータの発生トルクを更に大きくすることによって、ハンドルを危険側に回転操作できないようにしている。
特開2004−220422号公報
しかしながら、特許文献1のように、ハンドルの操作に対して回転操作し難い程の抵抗力を与え続けると、ハンドルの操作性が低下するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑み、ハンドルの操作性が低下することを抑制しつつ、障害物との接触につながるハンドル操作を抑制可能な車両の接触防止システムを提供することを主たる目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、運転者によりハンドルが操作される車両における障害物との接触を防止する車両の接触防止システムであって、前記車両の周辺に存在する障害物の状況を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記障害物の状況に基づいて、前記車両を中心とした方向別の前記障害物との接触危険度を判定する危険度判定手段と、前記ハンドルの操作に対して反力を付与する反力付与手段と、前記危険度判定手段により前記ハンドルの操作量に対応する前記方向において判定された前記危険度に応じた周期で、前記反力付与手段によりパルス状の前記反力を繰り返し付与させる反力制御手段と、を備える。
請求項1に記載の発明によれば、車両周辺に存在する障害物の状況が検出され、検出された障害物の状況に基づいて、車両を中心とした方向別の障害物との接触危険度が判定される。さらに、ハンドルの操作量に対応する方向において判定された接触危険度に応じた周期で、ハンドル操作にパルス状の反力が繰り返し付与される。すなわち、運転者は、障害物との接触危険度に応じた周期でハンドルから特定の反力を感じるが、パルス状の反力が付与されている期間以外では通常のハンドル操作性となる。それゆえ、ハンドルの操作性が低下することを抑制しつつ、運転者に接触危険度に応じた違和感を与えることができる。その結果、運転者は、違和感を解消するようにハンドル操作を行い、接触を回避することができる。したがって、ハンドルの操作性が低下することを抑制しつつ、車両周辺の障害物との接触につながるハンドル操作を抑制することができる。
車両の接触防止システムの構成を示すブロック図。 各種検出器の配設位置を示す斜視図。 車両周辺に存在する障害物の状況を検出する様子を示す図。 接触危険度と障害物の状況との対応を示す表。 ハンドル操作に付与する反力及び警報音を示す図。 ハンドル操作に付与する反力及び警報音を示す図。 ハンドル操作に付与するアシスト力を示す図。 接触危険度と後方他車との距離との対応を示す図。
以下、本実施形態に係る車両の接触防止システムについて図面を参照して説明する。まず、図1を参照して本実施形態に係る車両の接触防止システムの構成について説明する。本接触防止システムは、検出装置13〜19(検出手段)、車速センサ21、ハンドル回転角速度センサ22、処理装置30、モータ40(反力付与手段、アシスト手段)、ハンドル50、警報装置60(警報出力手段)、表示装置70、解除スイッチ80を備える。
検出装置13〜19は、車両の周辺に存在する人や車両、道路の中央分離帯、ガードレール等の障害物の状況を検出する装置であり、カメラ、超音波センサ、ミリ波レーダなどから構成されている。本実施形態では、検出装置13〜17はカメラであり、検出装置18及び19は超音波センサである。
検出装置13〜19は、図2に示すように配設されている。検出装置13は、車両前部の中央、例えばルームミラーの裏側に設けられており、車両が走行する走路及び前方の障害物を検出する。検出装置14及び15は、車両の左右のドアミラーにそれぞれ設けられており、車両の左側後方及び右側後方に存在する障害物の位置を検出する。検出装置16及び17は、車両の左右のリアピラーにそれぞれ設けられており、車両の左側前方及び右側前方に存在する障害物の位置を検出する。検出装置18及び19は、車両後部の左側と右側にそれぞれ設けられており、車両の後方に存在する障害物の位置、及び障害物の移動速度を検出する。車速センサ21は、自車両の速度を検出する。また、ハンドル回転角速度センサ22は、ハンドル50の回転角速度を検出する。
図3に、検出装置13〜19を用いて、車両周辺の障害物の状況を検出する様子を示す。図3では、車両後部の右側に設けられた検出装置19(超音波センサ)により、自車両が走行する車線の右隣の車線において、自車両よりも後方を走行している他車両の位置、及び自車両に対する相対速度(V2−V1)km/hを検出している。すなわち、後方車両が、自車両に対してどの方向からどのぐらいの速度で近づいているか又は遠ざかっているかわかる。なお、自車両後方の障害物の位置及び速度は検出装置18及び19(超音波センサ)により検出し、自車両側方の障害物の位置は検出装置13〜17(カメラ)により検出する。
図4に、接触危険度と、検出装置13〜19により検出された障害物の状況との対応関係を示す。本実施形態では、接触危険度を3段階に分けている。最も接触危険度が高いレベル3は、レベル3と判定された方向への運転操作が直接事故につながる可能性が極めて高い状態である。具体的な障害物の状況は、自車両の左右側方3m以内、且つ自車両の後方20m以内に障害物が存在する状況である。又は、自車両の左右側方3m以内を後方の障害物が自車両に対して相対速度30km/h以上で近づいている状況である。このような障害物の状況において、障害物が存在する位置から障害物の前方までの領域に車両を移動させるように運転者がハンドル50を操作するときに、接触危険度をレベル3と判定する。すなわち、自車両を中心として、障害物が存在する位置から障害物の前方までの領域に向かう方向を接触危険度レベル3と判定する。なお、自車両の後方は、自車両の真後ろだけでなく、自車両に対して左後方、右後方を含む。また、自車両の左右側方は、自車両に対して左前方、左後方、右前方、及び右後方も含む。
例えば、図3において、他車両は自車両の隣車線を走行しているので、他車両は自車両の左右側方3m以内に存在する。よって、自車両と他車両との車間距離Lmが20m以内である場合、又は、自車両に対する他車両の相対速度(V2−V1)km/hが30km/h以上である場合、自車両を中心として、他車両の位置から他車両の前方までの領域に向かう方向を接触危険度レベル3と判定する。接触危険度がレベル3と判定された場合は、後述するモータ40によりハンドル50の操作に対して周期的な反力が付与されるとともに、警報装置60から周期的な警報音が出力される。付与される反力及び出力される警報音の詳細は後述する。
ここで、車両周辺の障害物の状況にかかわらず、自車両の運転者が荒い運転操作をしている場合は、接触危険度をレベル3とし、ハンドル50の操作に対して反力を付与したり、警報音を出力したりして、運転者に危険を伝達するようにしてもよい。例えば、ハンドル回転角速度センサ22により検出されたハンドル50の回転角速度が大(βrad/sec以上)の場合や、自車両が検出装置13(カメラ)により検出したレーンを逸脱している場合は、ハンドル50の操作量に対応する方向において接触危険度をレベル3と判定してもよい。
次に、接触危険度が中間のレベル2は、レベル2と判定された方向への運転操作が直ちに事故には至らないが、事故を誘発する可能性がある状態である。具体的な障害物の状況は、自車両の左右側方3〜4mの範囲、且つ自車両の後方20〜40mの範囲に障害物が存在する状況である。又は、自車両の左右側方3〜4m以内を後方の障害物が自車両に対して10km/hよりも速くかつ30km/hよりも遅い相対速度で近づいている状況である。このような障害物の状況において、障害物が存在する位置から障害物の前方までの領域に車両を移動させるように運転者がハンドル50を操作するときに、接触危険度をレベル2と判定する。すなわち、自車両を中心として、障害物が存在する位置から障害物の前方までの領域に向かう方向を接触危険度レベル2と判定する。
例えば、図3において、自車両と他車両との車間距離Lmが20〜40mの範囲である場合、又は、自車両に対する他車両の相対速度(V2−V1)km/hが、10km/hよりも速く30km/hよりも遅い場合、自車両を中心として、他車両の位置から他車両の前方までの領域に向かう方向を接触危険度レベル2と判定する。接触危険度がレベル2と判定された場合は、レベル3の場合よりも長い周期で、ハンドル50の操作に対して周期的な反力が付与されるとともに、警報装置60から周期的な警報音が出力される。付与される反力及び出力される警報音の詳細は後述する。
ここで、車両周辺の障害物の状況にかかわらず、自車両の運転者がレベル3ほどではなくても荒い運転操作をしている場合は、接触危険度をレベル2とし、ハンドル50の操作に対して反力を付与したり、警報音を出力したりして、運転者に危険を伝達してもよい。例えば、ハンドル回転角速度センサ22により検出されたハンドル50の回転角速度が中(αrad/secよりも大きくβrad/secよりも小さい)の場合や、自車両が検出装置13(カメラ)により検出したレーン逸脱気味の場合は、ハンドル50の操作量に対応する方向において接触危険度をレベル2と判定してもよい。
次に、最も接触危険度が低いレベル1は、レベル1と判定された方向への運転操作によって事故に至る可能性が非常に低い安全な状態である。具体的な障害物の状況は、自車両の左右側方4m以内、且つ自車両の後方40m以内に障害物が存在しない状況である。又は、自車両の左右側方4m以内を後方の障害物が自車両に対して相対速度10km/h以下で近づいている状況である。このような障害物の状況において、障害物が存在しない領域、又は、自車両の左右側方4m以内を自車両に対して相対速度10km/h以下で近づいている障害物が存在する位置から前方の領域に、自車両を移動させるようにハンドル50を操作するときに、接触危険度をレベル1と判定する。
さらに、自車両の運転者が荒い運転操作をしていない場合に限ってレベル1と判定してもよい。自車両の運転者が荒い運転操作をしていない場合とは、例えば、ハンドル回転角速度センサ22により検出されたハンドル50の回転速度が小(αrad/sec以下)の場合や、自車両がレーン内を走行している場合である。すなわち、自車両を中心として、レベル2又はレベル3に該当しない方向を接触危険度レベル1と判定する。接触危険度がレベル1と判定された場合は、ハンドル50の操作に対して反力が付与されないとともに、警報装置60から警報音が出力されない。
処理装置30は、CPU、ROM、RAM、I/O、及びこれらを接続するバスライン等からなるコンピュータであり、ROMに記憶されている各種プログラムを実行することにより、危険度判定手段31、反力制御手段32、アシスト制御手段33の機能を実現する。
危険度判定手段31は、車両周辺の領域を、車両を中心として、前方、左前方、右前方、左方、右方、後方、左後方、右後方の8個の領域に分割し、検出装置13〜19により検出された車両の周辺に存在する障害物の状況に基づいて、車両から各領域へ向かう方向別の障害物との接触危険度を判定する。具体的には、危険度判定手段31は、図4に示す障害物の状況と接触危険度の対応表と、検出装置13〜19により検出された車両周辺の障害物の状況とから、車両を中心とした各方向における接触危険度を判定する。そして、危険度判定手段31は、判定した方向別の接触危険度のレベルを、反力制御手段32、アシスト制御手段33、警報装置60へ出力する。
アシスト制御手段33は、運転者のハンドル50の操作により、ハンドル50が取り付けられているハンドルシャフトに作用するトルクの大きさに応じて、モータ40によりハンドル50の操作に対してアシスト力を付与する。このアシスト力は、ハンドル50の操作方向と同じ向きのトルクである。なお、ハンドルシャフトに作用するトルクの大きさは、ハンドルシャフトに設けられたトルクセンサ(図示なし)により検出される。
また、アシスト制御手段33は、ハンドル50の操作量に対応する方向において判定された接触危険度が最高レベルの場合に、運転者のハンドル50の操作によりハンドルシャフトに作用するトルクの大きさに対応したアシスト力よりも、アシスト力を減少させる(図7の破線参照)。接触危険度が最高レベルと判定された場合に限って、ハンドル50の操作性よりも走行安全性を優先させる。
反力制御手段32は、危険度判定手段31によりハンドル50の操作量(回転角)に対応する方向において判定された接触危険度に応じた周期で、モータ40により、ハンドル50の操作に対して、図5に示すようなパルス状の反力を繰り返し付与させる。すなわち、反力制御手段32は、車両を移動させる方向において判定された接触危険度に応じた周期で、ハンドル50の操作に対して反力を繰り返し付与させる。この反力は、ハンドル50が取り付けられているハンドルシャフトに作用するトルクであり、操作方向及びアシスト力と反対向きのトルクである。この反力は、アシスト力と比べると十分に小さいトルクであるため、ハンドル50の操作に対する反力の付与によりハンドル50の操作性を損なうおそれがない。
また、反力制御手段32は、ハンドル50の操作量に対応する方向において判定された接触危険度が高いほど短い周期で、モータ40により反力を付与させる。図6に、図5よりも判定された接触危険度が高い場合に付与させる反力を示す。図6に示す反力の周期Tb(例えば0.1s)は、図5に示す反力の周期Ta(例えば1s)よりも短い。また、反力制御手段32は、ハンドル50の操作量に対応する方向において判定された接触危険度が所定値(例えばレベル2)よりも高い場合は、図6において破線で示すように、接触危険度が所定値よりも低い場合よりも、モータ40により付与させる反力の振幅を大きくする。すなわち、接触危険度が特に高い場合は、運転者に接触危険度が特に高いことを明確に伝達するために、運転者に与える違和感を大きくする。
さらに、反力制御手段32は、ハンドル50の操作量に対応する方向が接触危険度の高い方向から低い方向へ変化する場合に、モータ40により反力を付与させる周期を延ばす。すなわち、運転者が接触危険度の高い方向から低い方向へハンドル50を操作する場合に、運転者が接触を回避する方向へハンドル50の操作していることを認識できるように、モータ40により反力を付与させる周期を延ばす。例えば、図3において、自車両を中心として、自車両から右前方、右方、右後方に向かう方向において、接触危険度がレベル3と判定され、自車両の前方、左前方、左方、後方、左後方に向かう方向において接触危険度がレベル1と判定されるとする。反力制御手段32は、運転者が右前方に向かうようにハンドル50を操作した場合に、モータ40により周期Tbでハンドル50の操作に反力を付与させる。そして、反力制御手段32は、運転者がその状態から元の位置の前方に向かうようにハンドルを操作した場合に、周期をTbからTaに延ばしてハンドル50の操作に対して反力を付与させる。反力制御手段32は、ハンドル50の操作量に対応する方向がレベル1と判定されるまで、周期Taで反力を付与する。
また、反力制御手段32は、ハンドル50の操作量に対応する方向が所定値よりも高い方向から低い方向へ変化する場合に、モータ40に付与させる反力の振幅を縮小する。なお、反力制御手段32は、ハンドル50の操作量に対応する方向において判定された接触危険度が最低レベルの場合には、モータ40により反力を付与させない。
モータ40は、ハンドル50が取り付けられているハンドルシャフトにトルクを付与して、ハンドル操作をアシストする。詳しくは、図7に示すように、反力制御手段32により算出された反力と、アシスト制御手段33により算出されたアシスト力と、を足し合わせて算出したトルクをハンドルシャフトに付与する。よって、反力の周期に対応してハンドル50の操作に対して付与されるアシスト力が低下するので、運転者は、障害物との接触危険度に応じた周期でハンドル50から特定の反力を感じるが、パルス状の反力が付与されている期間以外では通常のハンドル操作性となる。
警報装置60は、図5及び図6に示すように、危険度判定手段31によりハンドル50の操作量に対応する方向において判定された危険度が高いほど短い周期で、パルス状の警報音を繰り返し出力する。さらに、警報装置60は、ハンドル50の操作量に対応する方向が接触危険度の高い方向から低い方向へ変化する場合に、警報音を出力する周期を延ばす。すなわち、運転者が接触危険度の高い方向から低い方向へハンドル50を操作する場合に、警報音の周期を延ばす。
あるいは、警報装置60は、パルス状の警報音の周期を一定にして、危険度判定手段31によりハンドル50の操作量に対応する方向において判定された危険度が高いほど、パルス幅を長くして出力してもよい。すなわち、警報装置60は、危険度が高いほどパルス状の警報音のデューティ比を増加させて出力してもよい。さらに、警報装置60は、ハンドル50の操作量に対応する方向が接触危険度の高い方向から低い方向へ変化する場合に、警報音のデューティ比を減少させて出力してもよい。
表示装置70は、車両を中心として、車両の周辺に存在する障害物を表示する。また、表示装置70は、画像を、車両を中心とした前方、左前方、右前方、左方、右方、後方、左後方、右後方の8個の領域に分割し、各領域へ車両を移動させるときの接触危険度のレベルに応じて色分け表示する。本実施形態では、レベル1から3までに対応して3色に色分け表示する。例えば、図3において、車両周辺の障害物が他車両だけであり、他車両が存在する位置から他車両の前方に自車両を移動させるときに、接触危険度がレベル3と判定される場合は、車両を中心として、右前方、右方、右後方をレベル3の色にし、その他の領域をレベル1の色にする。
解除スイッチ80は、ハンドル操作に対する反力の付与を解除するために操作するスイッチである。解除スイッチ80が操作されると、反力制御手段32は、モータ40によりハンドル50の操作に対して反力を付与させない。よって、例えば車両のフットブレーキシステムが故障し、車両を道路の側壁に接触させて停止させたい場合でも、解除スイッチ80を操作して反力付与を解除することにより、速やかに車両を側壁に接触させることができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
・ハンドル50の操作量に対応する方向において判定された接触危険度に応じた周期で、ハンドル操作にパルス状の反力が繰り返し付与される。すなわち、運転者は、障害物との接触危険度に応じた周期でハンドル50から特定の反力を感じるが、パルス状の反力が付与されている期間以外では通常のハンドル操作性となる。それゆえ、ハンドル50の操作性が低下することを抑制しつつ、運転者に接触危険度に応じた違和感を与えることができる。その結果、運転者は、違和感を解消するようにハンドル操作を行い、接触を回避することができる。したがって、ハンドル50の操作性が低下することを抑制しつつ、車両周辺の障害物との接触につながるハンドル操作を抑制することができる。
・ハンドル50の操作量に対応する方向において接触危険度が高いほど短い周期で、ハンドル操作に対して反力が繰り返し付与されるため、運転者はハンドル操作の方向における危険度を判別することができる。
・ハンドル50の操作量に対応する方向において接触危険度が高いほど短い周期で、警報音が繰り返し出力されるため、運転者はハンドル操作の方向における危険度を判別することができる。
・ハンドル50の操作量に対応する方向において接触危険度が所定値よりも高い場合は低い場合よりも、大きい反力が付与されるため、運転者は接触危険度が特に高いことを明確に判別することができる。
・ハンドル50の操作量に対応する方向が接触危険度の高い方向から低い方向へ変化する場合に、付与される反力と反力との間隔が長くなるため、運転者は接触危険度の高い方向から低い方向へハンドル50を操作していることを認識できる。よって、運転者のハンドル操作を接触回避の方向に誘導することができる。
・ハンドル50の操作量に対応する方向が接触危険度の高い方向から低い方向へ変化する場合に、出力される警報音と警報音との間隔が長くなるため、運転者は接触危険度の高い方向から低い方向へハンドル50を操作していることを認識できる。よって、運転者のハンドル操作を接触回避の方向に誘導することができる。
・ハンドル50の操作量に対応する方向が、接触危険度の所定値よりも高い方向から低い方向へ変化する場合に、付与される反力の振幅が小さくなるため、運転者は特に接触危険度の高い方向から低い方向へハンドル50を操作していることを認識できる。よって、運転者のハンドル操作を特に接触危険度の高い方向から低い方向へ誘導することができる。
・ハンドル50の操作量に対応する前記方向で接触危険度が最高レベルの場合には、ハンドル操作をアシストするアシスト力を小さくするため、障害物と接触する可能性の高い方向へのハンドル操作を確実に抑制し、接触を回避させることができる。
・ハンドル50の操作量に対応する前記方向における接触危険度が最低レベルの場合には、反力が付与されないとともに、警告音が出力されない。したがって、ハンドル操作の方向における接触危険度が最低レベルの場合には、運転者は通常のハンドル操作を行うことができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。
・接触危険度は2段階に区分してもよいし、4段階以上に区分してもよい。
・接触危険度判定手段31は、自車両を中心とした領域を複数個の領域に分け、それぞれの領域へ向かう方向別に接触危険度を判定すればよい。
・また、接触危険度を、図8に示すように、自車両と後方障害物との距離に応じて連続的に変化させてもよい。具体的には、所定範囲の距離において、自車両と後方障害物との車間距離が短いほど、接触危険度を高くする。そして、反力を付与する周期及び警報音を出力する周期を、自車両と後方障害物との距離に応じて、連続的に変化させてもよい。
・パルス状の反力のパルス幅を、接触危険度に応じて変化させてもよい。具体的には、周期を一定にして接触危険度が高いほどパルス幅を長くしてもよい。
・警報出力手段は備えていなくてもよい。すなわち、運転者に対する警告は、ハンドル操作に対して付与する反力だけでもよい。
・ハンドル50の操作に対する反力とアシスト力は、それぞれ異なるモータにより付与してもよい。
・ハンドルシャフトにハンドル50を回転させるアクチュエータを設置して、ハンドル50の操作に対して反力を与える代わりに、アクチュエータによりハンドル50を接触危険度に応じた周期で振動させてもよい。
・ハンドルシャフトを振動する偏心モータ41等のアクチュエータを設置して、ハンドル50の回転操作に対して反力を与える代わりに、ハンドル50を接触危険度に応じた周期で振動させてもよい。
・図4に示した、接触危険度と障害物の状況との対応関係における各閾値は、車速によって可変にしてもよい。
13〜19…検出装置、31…危険度判定手段、32…反力制御手段、40…モータ、50…ハンドル。

Claims (10)

  1. 運転者によりハンドル(50)が操作される車両における障害物との接触を防止する車両の接触防止システムであって、
    前記車両の周辺に存在する障害物の状況を検出する検出手段(13〜19)と、
    前記検出手段により検出された前記障害物の状況に基づいて、前記車両を中心とした方向別の前記障害物との接触危険度を判定する危険度判定手段(31)と、
    前記ハンドルの操作に対して反力を付与する反力付与手段(40)と、
    前記危険度判定手段により前記ハンドルの操作量に対応する前記方向において判定された前記危険度に応じた周期で、前記反力付与手段によりパルス状の前記反力を繰り返し付与させる反力制御手段(32)と、を備えることを特徴とする車両の接触防止システム。
  2. 前記反力制御手段は、前記危険度判定手段により前記ハンドルの操作量に対応する前記方向において判定された前記危険度が高いほど短い周期で、前記反力付与手段により前記反力を付与させる請求項1に記載の車両の接触防止システム。
  3. 前記危険度判定手段により前記ハンドルの操作量に対応する前記方向において判定された前記危険度が高いほど短い周期で、パルス状の警報音を繰り返し出力する警報出力手段(60)を備える請求項1又は2に記載の車両の接触防止システム。
  4. 前記反力制御手段は、前記危険度判定手段により前記ハンドルの操作量に対応する前記方向において判定された前記危険度が所定値よりも高い場合は低い場合よりも、前記反力付与手段により付与させる前記反力の振幅を大きくする請求項1〜3のいずれかに記載の車両の接触防止システム。
  5. 前記反力制御手段は、前記ハンドルの操作量に対応する前記方向が前記危険度の高い方向から低い方向へ変化する場合に、前記反力付与手段により前記反力を付与させる周期を延ばす請求項1〜4のいずれかに記載の車両の接触防止システム。
  6. 前記警報出力手段は、前記ハンドルの操作量に対応する前記方向が前記危険度の高い方向から低い方向へ変化する場合に、前記警報音を出力する周期を延ばす請求項3に記載の車両の接触防止システム。
  7. 前記反力制御手段は、前記ハンドルの操作量に対応する前記方向が前記所定値よりも前記危険度の高い方向から低い方向へ変化する場合に、前記反力の振幅を縮小する請求項4に記載の車両の接触防止システム。
  8. 前記障害物の状況は、前記車両を中心とした障害物の位置を含み、
    前記危険度は、前記車両と前記障害物との距離が短いほど高い請求項1〜7のいずれかに記載の車両の接触防止システム。
  9. 前記危険度は、前記障害物の状況に応じて複数のレベルに区分されており、
    前記ハンドルの操作をアシストするアシスト手段(40)と、
    前記危険度判定手段により前記ハンドルの操作量に対応する前記方向において判定された前記危険度が最高レベルの場合に、前記アシスト手段によるアシスト力を減少させるアシスト制御手段(33)と、を備える請求項1〜7のいずれかに記載の車両の接触防止システム。
  10. 前記危険度判定手段により前記ハンドルの操作量に対応する前記方向において判定された前記危険度が高いほど短い周期で、パルス状の警報音を繰り返し出力する警報出力手段を備え、
    前記ハンドルの操作量に対応する前記方向における前記危険度が最低レベルの場合に、前記反力制御手段は、前記反力付与手段により前記反力を付与させないとともに、前記警報出力手段は前記警報音を出力しない請求項9に記載の車両の接触防止システム。
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