JP2014203872A - スクラップ磁石の再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の磁気特性を備える再生磁粉を簡易に得ることができ、再生磁粉の利用率を大幅に上昇させることが可能なスクラップ磁石の再生方法を提供する。
【解決手段】異方性のスクラップ磁石の再生方法であって、スクラップ磁石を、回転数が変更できる回転式粉砕機によって機械粉砕し、前記回転数を調整することによって所望の磁気特性を有する再生磁粉を得る。上記回転式粉砕機としては自由ミル、ラボミル、遊星ボールミル等のスクラップ磁石を機械粉砕するものが使用できる。
【選択図】図2
【解決手段】異方性のスクラップ磁石の再生方法であって、スクラップ磁石を、回転数が変更できる回転式粉砕機によって機械粉砕し、前記回転数を調整することによって所望の磁気特性を有する再生磁粉を得る。上記回転式粉砕機としては自由ミル、ラボミル、遊星ボールミル等のスクラップ磁石を機械粉砕するものが使用できる。
【選択図】図2
Description
本発明はスクラップ磁石の再生方法に関し、特に、所望の磁気特性を備える再生磁粉を簡易に得ることが可能なスクラップ磁石の再生方法に関する。
小型で磁気特性の優れた異方性磁石を得る方法として熱間塑性加工法があり、特に希土類磁石の製造法として注目されている。この場合、有底状に成形される塑性加工成形体の端部を切断してリング状の磁石とするが、切断された端部はスクラップとなる。しかし、近年の希土類磁石の高騰化を背景に、スクラップ磁石の再生による希土類金属の有効利用が望まれている。
なお、特許文献1には、希土類焼結磁石のスクラップから得た再生磁粉とNdFeB系バージン磁粉とを混合して製造される希土類ボンド磁石が提案されている。
ところで、磁石は用途に応じてその磁気特性を変更する必要があり、例えば自動車関係等の耐熱性を要する用途では温度上昇による磁性低下が少ない保磁力の大きなものが求められ、一方、電動工具等の出力トルクを要する用途では残留磁束密度の大きいものが求められる。一般に磁石の磁気特性は組成を調整することによって行われるが、スクラップ磁石では組成の調整はできない。このため、用途によって予め組成が調整されたバージン磁粉に混合できる再生磁粉が限られて、再生磁粉の有効利用が図れないという問題があった。
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、所望の磁気特性を備える再生磁粉を簡易に得ることができ、再生磁粉の利用度を大幅に上昇させることが可能なスクラップ磁石の再生方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、異方性のスクラップ磁石の再生方法であって、スクラップ磁石を、回転数が変更できる回転式粉砕機によって機械粉砕し、前記回転数を調整することによって所望の磁気特性を有する再生磁粉を得ることを特徴とするものである。
上記回転式粉砕機としては自由ミル、ラボミル、遊星ボールミル等の被粉砕物たるスクラップ磁石を機械粉砕するものが使用できる。一方、ジェットミル等の、被粉砕物自体を回転させてその運動エネルギーを利用して粉砕を行うものは使用できない。すなわち、本発明における回転式粉砕機とは、被粉砕物たるスクラップ磁石を静止状態において、そこに衝撃を加えることによって機械粉砕するものをいう。
磁気特性は例えば保磁力(iHc)と残留磁束密度(Br)で示され、これらが機械粉砕の回転数によって変化する理由はおよそ以下のようなものと推定される。
すなわち、機械粉砕時には摩擦力や圧縮力によってスクラップ磁石の破砕粒内にクラックが生じる。これを以下、図6、図7の破砕粒の概念的断面図を参照しつつ説明する。回転数が低い場合には破砕粒6に与える衝撃が小さいためその歪は小さく、粒内に生じるクラックが少ないため、図6の太実線で示す保磁力に有効な非磁性層61(希土類元素リッチの層、Nd−Fe−B系磁石の場合にはNdリッチ層)が有効に機能する。すなわち、もともと組織中に存在する非磁性層61の構成が維持され易い。この結果、単磁区構造を取り易くなって保磁力の大きい再生磁粉が得られる。一方、粒内に発生するクラックが少ないために磁区62が少なく、再生磁粉の磁束密度は小さくなる。なお、図6中の符号63(図7も同様)は磁壁である。また太矢印は磁化方向を示す。
回転数が高くなると、破砕粒に加わる大きな衝撃によってその歪が大きくなり、粒内のクラックが増加する。このため、図7の破線で示すように保磁力に有効な非磁性層61が部分的に破壊されて多磁区構造となって、粒内の磁区62同士が互に干渉し易くなり、磁化反転が容易となって保磁力が小さくなる。一方、破砕粒の粒内に発生するクラックが多いことによって磁区62が増え、磁束密度は大きくなる。
以上要するに、回転式粉砕機の回転数を低くすると、再生磁粉の保磁力は大きくなり磁束密度は小さくなる。反対に、回転数を高くすると、再生磁粉の保磁力は小さくなり磁束密度は大きくなる。
なお、スクラップ磁石は熱間塑性加工磁石から得られるものに限られず、例えば焼結磁石から得られるものであっても良い。
以上のように、本発明のスクラップ磁石の再生方法によれば、回転式粉砕機の回転数を調整するだけで所望の磁気特性を備える再生磁粉を簡易に得ることができ、再生磁粉の利用率を大幅に上昇させることができる。
なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が行う種々の設計的改良も本発明の範囲に含まれる。
本実施形態においてはNdFeB系の熱間塑性加工磁石を製造する過程で生じたスクラップ磁石に本発明方法を適用してその再生を行った。熱間塑性加工磁石の製造は、NdFeB系合金インゴットを溶融させた溶湯1(図1(1))を、冷却されて回転しているロール2上に注いで急冷する公知のメルトスピニング法で薄帯3を得(図1(1))、これを粉砕して微細な原料磁粉とする。この原料磁粉4を室温で冷間プレスし(図1(2))、その後800℃程度で熱間プレス(図1(3))することにより等方性磁石を得、これをさらに熱間塑性加工することによって有底の異方性磁石体5を成形する(図1(4))。この異方性磁石体5の端部52を切断して最終製品としてのリング状磁石51を得る。切断された端部52がスクラップ磁石となる。
(第1実施例)
自由ミル(株式会社奈良機械製作所:M−3型)に上記スクラップ磁石を20Kg装入し、Ar雰囲気中で機械粉砕した。自由ミルの回転数を4200rpm、4700rpm、5700rpmの三種に変更して、表1に示すように、実験1〜4、5〜9、10〜14を行った。各実験において得られた再生磁粉の粒度は50%径(D50)で130〜140μmであった。また、各実験において得られた再生磁粉の磁束密度(Br)と保磁力(iHc)はそれぞれ表1に示すとおりであり、これをグラフに示したものが図2である。なお、図2および以下の各図中、黒四角印が磁束密度、白四角印が保磁力である。
自由ミル(株式会社奈良機械製作所:M−3型)に上記スクラップ磁石を20Kg装入し、Ar雰囲気中で機械粉砕した。自由ミルの回転数を4200rpm、4700rpm、5700rpmの三種に変更して、表1に示すように、実験1〜4、5〜9、10〜14を行った。各実験において得られた再生磁粉の粒度は50%径(D50)で130〜140μmであった。また、各実験において得られた再生磁粉の磁束密度(Br)と保磁力(iHc)はそれぞれ表1に示すとおりであり、これをグラフに示したものが図2である。なお、図2および以下の各図中、黒四角印が磁束密度、白四角印が保磁力である。
自由ミルの回転数が4200rpmでは磁束密度(Br)は9kG程度、保磁力(iHc)は17〜18kOe程度である。回転数を上げると磁束密度は大きくなり、保磁力は小さくなる。すなわち、回転数が5700rpmでは磁束密度(Br)は12〜13kG程度と大きくなり、保磁力(iHc)は13〜14kOe程度と小さくなる。
(第2実施例)
ラボミル(株式会社ダルトン:卓上型ハンマ式微粉砕機)に上記スクラップ磁石を100g装入し、Ar雰囲気中で機械粉砕した。ラボミルの回転数を1500rpm、2500rpm、3500rpm、4500、5500の五種に変更して、表2に示すように、実験1〜5を行った。各実験において得られた再生磁粉の粒度は50%径(D50)で 198μm〜232μmであった。また、各実験において得られた再生磁粉の磁束密度(Br)と保磁力(iHc)はそれぞれ表2に示すとおりであり、これをグラフに示したものが図3である。
ラボミル(株式会社ダルトン:卓上型ハンマ式微粉砕機)に上記スクラップ磁石を100g装入し、Ar雰囲気中で機械粉砕した。ラボミルの回転数を1500rpm、2500rpm、3500rpm、4500、5500の五種に変更して、表2に示すように、実験1〜5を行った。各実験において得られた再生磁粉の粒度は50%径(D50)で 198μm〜232μmであった。また、各実験において得られた再生磁粉の磁束密度(Br)と保磁力(iHc)はそれぞれ表2に示すとおりであり、これをグラフに示したものが図3である。
図3より明らかなように、ラボミルの回転数を高くしていくと、再生磁粉の保磁力(iHc)は比例的に次第に小さくなり、一方、磁束密度(Br)は比例的に次第に大きくなる。すなわち、回転数が1500rpmでは磁束密度(Br)は11.90kG、保磁力(iHc)は14.30kOeであるが、回転数が5500rpmでは磁束密度(Br)は13.20と大きくなり、保磁力(iHc)は13.50kOeと小さくなる。
(第3実施例)
容量1LのSUS304製ポットを備える遊星ボールミルに、13φの超硬ボール1kgと上記スクラップ磁石0.3kgを装入し、Ar雰囲気中で機械粉砕した。遊星ボールミルの回転数を100rpm、200rpm、300rpmの三種に変更して、表3に示すように、実験1〜3を行った。各実験において得られた再生磁粉の粒度は50%径(50D)で180μm〜210μmであった。また、各実験において得られた再生磁粉の磁束密度(Br)と保磁力(iHc)はそれぞれ表3に示すとおりであり、これをグラフに示したものが図4である。
容量1LのSUS304製ポットを備える遊星ボールミルに、13φの超硬ボール1kgと上記スクラップ磁石0.3kgを装入し、Ar雰囲気中で機械粉砕した。遊星ボールミルの回転数を100rpm、200rpm、300rpmの三種に変更して、表3に示すように、実験1〜3を行った。各実験において得られた再生磁粉の粒度は50%径(50D)で180μm〜210μmであった。また、各実験において得られた再生磁粉の磁束密度(Br)と保磁力(iHc)はそれぞれ表3に示すとおりであり、これをグラフに示したものが図4である。
遊星ボールミルの回転数が100rpmでは磁束密度(Br)は8.60kG、保磁力(iHc)は18.00kOeである。回転数を上げると磁束密度(Br)は大きくなり、保磁力(iHc)は小さくなる。すなわち、回転数が300rpmでは磁束密度(Br)は12.00kGと大きくなり、保磁力(iHc)は15.00kOeと小さくなる。
(比較例)
ジェットミルに上記スクラップ磁石を100kg装入し、Ar雰囲気中にてジェット流でスクラップ磁石同士を衝突させて粉砕した。当該ジェットミルの分級ロータの回転数を4500rpm、5000rpm、6000rpm、6500rpmの四種に変更して、表4に示すように、実験1〜4を行った。各実験において得られた再生磁粉の粒度は50%径(D50)で16.11μm〜22.85μmであった。また、各実験において得られた再生磁粉の磁束密度(Br)と保磁力(iHc)はそれぞれ表4に示すとおりであり、これをグラフに示したものが図5である。表4および図5より明らかなように、分級ロータの回転数を変更しても再生磁粉の磁束密度(Br)および保磁力(iHc)は殆ど変化しない。
ジェットミルに上記スクラップ磁石を100kg装入し、Ar雰囲気中にてジェット流でスクラップ磁石同士を衝突させて粉砕した。当該ジェットミルの分級ロータの回転数を4500rpm、5000rpm、6000rpm、6500rpmの四種に変更して、表4に示すように、実験1〜4を行った。各実験において得られた再生磁粉の粒度は50%径(D50)で16.11μm〜22.85μmであった。また、各実験において得られた再生磁粉の磁束密度(Br)と保磁力(iHc)はそれぞれ表4に示すとおりであり、これをグラフに示したものが図5である。表4および図5より明らかなように、分級ロータの回転数を変更しても再生磁粉の磁束密度(Br)および保磁力(iHc)は殆ど変化しない。
1…溶湯、2…ロール、3…薄帯、4…原料磁粉、5…異方性磁石体、51…リング状磁石、52…端部(スクラップ磁石)。
Claims (2)
- 異方性のスクラップ磁石の再生方法であって、スクラップ磁石を、回転数が変更できる回転式粉砕機によって機械粉砕し、前記回転数を調整することによって所望の磁気特性を有する再生磁粉を得ることを特徴とするスクラップ磁石の再生方法。
- 前記磁気特性は、保磁力および残留磁束密度である請求項1に記載のスクラップ磁石の再生方法。
Priority Applications (1)
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JP2013076684A JP2014203872A (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | スクラップ磁石の再生方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105988093A (zh) * | 2015-03-23 | 2016-10-05 | 株式会社大同电子 | 磁特性评价方法和磁特性评价设备 |
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2013
- 2013-04-02 JP JP2013076684A patent/JP2014203872A/ja active Pending
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