JP2014203129A - 車両用装置の操作性評価方法および操作性評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザが感じる車両用装置の操作性を客観的に評価し得る車両用装置の操作性評価方法および操作性評価装置を提供する。
【解決手段】操作性評価方法は、計測処理(ステップS100)と、算出処理(ステップS200)と、出力処理(ステップS300)とを備える。計測処理(ステップS100)では、ユーザが車両用装置を操作する際に、操作性に影響度のある第1〜第4の主観値に相関性を有する第1〜第4の客観値を計測部が計測する。算出処理(ステップS200)では、計測部が計測した第1〜第4客観値に基づいて、算出部が操作性の評価値を算出する。出力処理(ステップS300)では、算出部が算出した評価値を出力部が出力する。
【選択図】 図11
【解決手段】操作性評価方法は、計測処理(ステップS100)と、算出処理(ステップS200)と、出力処理(ステップS300)とを備える。計測処理(ステップS100)では、ユーザが車両用装置を操作する際に、操作性に影響度のある第1〜第4の主観値に相関性を有する第1〜第4の客観値を計測部が計測する。算出処理(ステップS200)では、計測部が計測した第1〜第4客観値に基づいて、算出部が操作性の評価値を算出する。出力処理(ステップS300)では、算出部が算出した評価値を出力部が出力する。
【選択図】 図11
Description
本発明は、車両またはドライビングシミュレータに搭載された車両用装置の操作性を評価する操作性制御方法および操作性制御装置に関する。
例えば自動車の運転室には、エアコンの温度や風量を設定する設定画面を表示したり、映像・音楽の選択や音量調節を行う操作画面を表示したりする画像表示装置が設けられている。ドライバ(ユーザ)は、画像表示装置に表示された操作画面を手指で直接触れて操作したり、運転室に設けた車両用入力装置を介して操作画面を操作したりするようになっている。
ところで、近年では、自動車に搭載される情報システムが高度化しており、これに伴い画像表示装置や車両用入力装置(以下、車両用装置)に対する操作も高度化、複雑化する傾向にある。そのため、車両用装置の操作性(操作のし易さ、ユーザビリティ(Usability))は、ドライバへの身体的負担を左右し、ひいては自動車の運転にも影響を及ぼし得る。そこで、車両用装置の操作性を評価する評価装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
ところが、特許文献1の評価装置では、操作時間に基づいて実行された操作が目的とする操作と一致するか否かを判定するに止まる。そのため、特許文献1の評価装置では、ドライバが感じる主観的な「操作性」を定量的に評価することができない難点があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ユーザが感じる車両用装置の操作性を客観的に評価し得る車両用装置の操作性評価方法および操作性評価装置を提供することにある。
請求項1の発明では、
車両またはドライビングシミュレータに搭載された車両用装置の操作性を定量的に評価する車両用装置の操作性評価方法であって、
ユーザが前記車両用装置を操作する際に、前記操作性に影響度のある主観要因に相関性を有する客観要因を計測手段が計測するステップと、
前記計測手段が計測した前記客観要因に基づいて、算出手段が前記操作性の評価値を算出するステップと、
前記算出手段が算出した前記評価値を出力手段が出力するステップとを備えたことを特徴とする。
車両またはドライビングシミュレータに搭載された車両用装置の操作性を定量的に評価する車両用装置の操作性評価方法であって、
ユーザが前記車両用装置を操作する際に、前記操作性に影響度のある主観要因に相関性を有する客観要因を計測手段が計測するステップと、
前記計測手段が計測した前記客観要因に基づいて、算出手段が前記操作性の評価値を算出するステップと、
前記算出手段が算出した前記評価値を出力手段が出力するステップとを備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、操作性に影響度のある主観要因に相関性を有する客観要因を計測手段が計測し、計測された客観要因に基づいて算出手段が評価値を算出する。従って、算出された評価値は、客観要因を介して主観要因が間接的に反映されたものとなる。すなわち、計測手段で計測可能な客観要因に基づいて、ユーザが感じる主観要因を適確に反映した操作性の評価値を得ることができる。
しかも、請求項1の発明によれば、操作性の評価値が自動的に算出されるから、新しい車両用装置を開発した際に評価値を容易に得ることができる。従って、多くの被験者を集めて操作性のアンケート調査を行う必要がなく、評価に必要な費用や時間を抑制することができる。
請求項2の発明では、
前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第1の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、車両またはドライビングシミュレータの走行軌跡が基準となる走行線に対してズレる量である第1の客観値を含むことを特徴とする。
前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第1の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、車両またはドライビングシミュレータの走行軌跡が基準となる走行線に対してズレる量である第1の客観値を含むことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、車両またはドライビングシミュレータの走行軌跡が基準となる走行線に対してズレる量である第1の客観値に基づいて評価値が算出される。この第1の客観値は、ユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値に相関性を有している。従って、第1の客観値を用いることでユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値を評価値に反映させることができる。
請求項7の発明では、
車両またはドライビングシミュレータに搭載された車両用装置の操作性を定量的に評価する車両用装置の操作性評価装置であって、
ユーザが前記車両用装置を操作する際に、前記操作性に影響度のある主観要因に相関性を有する客観要因を計測する計測手段と、
前記計測手段が計測した前記客観要因に基づいて、前記操作性の評価値を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記評価値を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
車両またはドライビングシミュレータに搭載された車両用装置の操作性を定量的に評価する車両用装置の操作性評価装置であって、
ユーザが前記車両用装置を操作する際に、前記操作性に影響度のある主観要因に相関性を有する客観要因を計測する計測手段と、
前記計測手段が計測した前記客観要因に基づいて、前記操作性の評価値を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記評価値を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
請求項7の発明によれば、操作性に影響度のある主観要因に相関性を有する客観要因を計測手段が計測し、計測された客観要因に基づいて算出手段が評価値を算出する。従って、算出された評価値には、客観要因を介して主観要因が反映されることになる。すなわち、計測手段で計測可能な客観要因に基づいて、ユーザが感じる主観要因を適確に反映した操作性の評価値を得ることができる。
しかも、請求項7の発明によれば、操作性の評価値が自動的に算出されるから、新しい車両用装置を開発した際に評価値を容易に得ることができる。従って、多くの被験者を集めて操作性のアンケート調査を行う必要がなく、評価に必要な手間やコストを抑制することができる。
請求項8の発明では、
前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第1の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、車両またはドライビングシミュレータの走行軌跡が基準となる走行線に対してズレる量である第1の客観値を含み、
前記計測手段は、前記第1の客観値を計測する第1の計測部を備えていることを特徴とする。
前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第1の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、車両またはドライビングシミュレータの走行軌跡が基準となる走行線に対してズレる量である第1の客観値を含み、
前記計測手段は、前記第1の客観値を計測する第1の計測部を備えていることを特徴とする。
請求項8の発明によれば、車両またはドライビングシミュレータの走行軌跡が基準となる走行線に対してズレる量である第1の客観値に基づいて評価値が算出される。この第1の客観値は、ユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値に相関性を有している。従って、第1の客観値を用いることでユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値を評価値に反映することができる。
次に、本発明の実施形態について以下説明する。なお、以下に示す実施形態では、操作性の評価対象である車両用装置として、画像表示装置および車両用入力装置を採用した場合を例示する。また、以下の説明では、画像表示装置および車両用入力装置をまとめて車両用装置と指称する場合がある。実施形態では、車両用装置を自動車(車両)に搭載した場合で例示する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態では、車両用装置10の操作性を評価する操作性評価方法および操作性評価装置38について説明する。図1は、操作性の評価対象である画像表示装置12および車両用入力装置14が設けられた自動車を概略的に示す断面図である。図2は、画像表示装置12および車両用入力装置14の制御構成を示すブロック図である。画像表示装置12は、運転室内に設けられたインストルメントパネル16に設置されている。車両用入力装置14は、運手席に隣接して設けられたコンソールボックス18に設けられている。
第1実施形態では、車両用装置10の操作性を評価する操作性評価方法および操作性評価装置38について説明する。図1は、操作性の評価対象である画像表示装置12および車両用入力装置14が設けられた自動車を概略的に示す断面図である。図2は、画像表示装置12および車両用入力装置14の制御構成を示すブロック図である。画像表示装置12は、運転室内に設けられたインストルメントパネル16に設置されている。車両用入力装置14は、運手席に隣接して設けられたコンソールボックス18に設けられている。
(画像表示装置について)
画像表示装置12は、例えばLCDや有機EL等のディスプレイ装置で構成されている。画像表示装置12は、運転室に臨む表示部12aを備えており、画像制御部20により該表示部12aに表示される操作画像が制御される。例えば、表示部12aには、エアコンの設定画面やナビゲーション画面等の操作画像が表示されるようになっている。
画像表示装置12は、例えばLCDや有機EL等のディスプレイ装置で構成されている。画像表示装置12は、運転室に臨む表示部12aを備えており、画像制御部20により該表示部12aに表示される操作画像が制御される。例えば、表示部12aには、エアコンの設定画面やナビゲーション画面等の操作画像が表示されるようになっている。
図3は、表示部12aに表示された操作画像22の一例を示す図であって、操作画像22中には、複数(図3では3つ)の選択肢画像A〜Cが表示されている。また、操作画像22には、選択肢画像A〜Cを指示するためのカーソル24(指示画像)が表示されている。更に、ドライバ(ユーザ)が操作をキャンセルしたい場合に選択される戻りボタン26が操作画像22中に表示されている。ドライバが操作をキャンセルしたい場合とは、例えばドライバが意図する選択肢画像A〜Cとは異なる選択肢画像A〜Cを選択した場合が挙げられる。
本実施形態の自動車には、自動車の走行方向の前方を撮影する車載カメラ28(図4参照)が設けられている。車載カメラ28には、図示しない記憶装置が設けられ、車載カメラ28で撮影した画像を記憶装置に記憶するようになっている。
(車両用入力装置について)
図1に示すように、車両用入力装置14は、いわゆるハプティックデバイスであって、コンソールボックス18に設置されたベース部材30と、該ベース部材30に対し移動自在に設けられた操作ノブ32(操作部)とを備えている。また、車両用入力装置14は、操作ノブ32の位置情報を把握する操作制御部34を備えている。操作制御部34は、画像入力装置の画像制御部20と電気的に接続されており、ドライバの操作によって変位する操作ノブ32の位置情報を画像制御部20に出力する。画像制御部20は、操作ノブ32の変位に合わせて操作画像22中のカーソル24が移動するように表示させる。
図1に示すように、車両用入力装置14は、いわゆるハプティックデバイスであって、コンソールボックス18に設置されたベース部材30と、該ベース部材30に対し移動自在に設けられた操作ノブ32(操作部)とを備えている。また、車両用入力装置14は、操作ノブ32の位置情報を把握する操作制御部34を備えている。操作制御部34は、画像入力装置の画像制御部20と電気的に接続されており、ドライバの操作によって変位する操作ノブ32の位置情報を画像制御部20に出力する。画像制御部20は、操作ノブ32の変位に合わせて操作画像22中のカーソル24が移動するように表示させる。
車両用入力装置14には、カーソル24による選択を行うための決定ボタン36が設けられている。選択肢画像A〜Cにカーソル24を重ねた状態でドライバが決定ボタン36を押下すると、当該選択肢画像A〜Cが選択されるようになっている。
(操作性評価装置について)
図4は、本実施形態に係る操作性評価装置38の全体構成を示すブロック図である。操作性評価装置38は、計測部40(計測手段)、算出部42(算出手段)および出力部44(出力手段)から基本的に構成されている。この操作性評価装置38は、例えばPCやノートパソコン等のコンピュータで構成され、自動車の後部座席(図示せず)に搭載される。
図4は、本実施形態に係る操作性評価装置38の全体構成を示すブロック図である。操作性評価装置38は、計測部40(計測手段)、算出部42(算出手段)および出力部44(出力手段)から基本的に構成されている。この操作性評価装置38は、例えばPCやノートパソコン等のコンピュータで構成され、自動車の後部座席(図示せず)に搭載される。
(計測部について)
計測部40は、車線ズレ量計測部46(第1の計測部)、操作時間計測部48(第2の計測部)、操作距離計測部50(第3の計測部)およびエラー率算出部52(第4の計測部)を備えている。
計測部40は、車線ズレ量計測部46(第1の計測部)、操作時間計測部48(第2の計測部)、操作距離計測部50(第3の計測部)およびエラー率算出部52(第4の計測部)を備えている。
ドライバが車両用装置10を操作する間に、計測部40は、客観要因を計測する。この客観要因とは、車両用装置10の操作性(操作し易さ)に影響度のある主観要因に相関性を有する客観的な因子であって、物理的に計測可能なものをいう。主観要因とは、ドライバが車両用装置10を操作した際に感じる主観的な因子であって、物理的に計測不能なものをいう。
(主観要因について)
本実施形態では、主観要因として、車両用装置10の操作性に高い影響度を有する第1〜第4の主観値が採用されている。
本実施形態では、主観要因として、車両用装置10の操作性に高い影響度を有する第1〜第4の主観値が採用されている。
第1の主観値は、ドライバが車両用装置10を操作する際に、ドライバが運転に集中できると感じる主観要因である。第2の主観値は、ドライバが操作に労力がいらないと感じる主観要因である。第3の主観値は、ドライバがおおざっぱに操作できると感じる主観要因である。第4の主観値は、ドライバが操作ミスが起こりにくいと感じる主観要因である。
(第1〜第4の主観値を採用した理由)
主観要因として、前記第1〜第4の主観値を採用した理由を以下に説明する。第1〜第4の主観値は、本願発明者らが自動車技術会春季学術講演会において2012年5月23日付けで発表した「車室内表示操作機器の操作性因子に関する研究(自動車技術会論文集Vol.43,No.6)」(以下、本研究という)の結果に基づいて決定したものである。
主観要因として、前記第1〜第4の主観値を採用した理由を以下に説明する。第1〜第4の主観値は、本願発明者らが自動車技術会春季学術講演会において2012年5月23日付けで発表した「車室内表示操作機器の操作性因子に関する研究(自動車技術会論文集Vol.43,No.6)」(以下、本研究という)の結果に基づいて決定したものである。
本研究においては、被験者に様々な操作デバイス(車両用入力装置)を操作させ、操作性に関するアンケート調査を行った。このアンケート調査から、操作性に関わる主観要因(操作性因子)を抽出した。
その結果、操作性に関わる主観要因として、以下の9因子が決定された。
(1)「おおざっぱに操作できる」、(2)操作ミスが起こりにくい、(3)操作に労力(回数、時間、力)がいらない」、(4)「操作したことが分かる」、(5)「表示やボタンの意味が分かる」、(6)「運転に集中できる」、(7)「腕や身体が安定する」、(8)「画面を注視する」、(9)「手元を注視する」。
(1)「おおざっぱに操作できる」、(2)操作ミスが起こりにくい、(3)操作に労力(回数、時間、力)がいらない」、(4)「操作したことが分かる」、(5)「表示やボタンの意味が分かる」、(6)「運転に集中できる」、(7)「腕や身体が安定する」、(8)「画面を注視する」、(9)「手元を注視する」。
次に、本研究において、抽出された9つの主観要因それぞれの「操作のし易さ(操作性)」に対する影響度を分析するため、「総合的な操作し易さ(操作性)」という共通の原因が、観測できない潜在要因を経て各主観要因へ影響を与えるという仮説モデルを構築した。
ここで、「おおざっぱに操作できる」、「操作ミスが起こりにくい」、「操作に労力(回数、時間、力)がいらない」は、「操作成績がよい」という潜在変数で説明される。また、「操作したことが分かる」、「表示やボタンの意味が分かる」は、「操作が分かり易い」という潜在変数で説明される。「運転に集中できる」は、「安全に運転できる」という潜在変数で説明される。「腕や身体が安定する」は、「身体負担がない」という潜在変数で説明される。「画面を注視しない」、「手元を注視しない」は、「視線負担がない」という潜在変数で説明される。
そして、これら「操作成績がよい」、「操作が分かり易い」、「安全に運転できる」、「身体負担がない」、「視線負担がない」の5つの因子は、「総合的な操作し易さ(操作性)」で説明される。
この仮説モデルの妥当性を検証するため、共分散構造分析を用いて検証を行ったところ、図5に示す結果が得られた。図5から分かるように、「総合的な操作のし易さ(操作性)」からの影響度が大きい主観要因は、「運転に集中できる」、「操作に労力(回数、時間、力)がいらない」、「おおざっぱに操作できる」、「操作ミスが起こりにくい」の順であるといえる。
そこで、本実施形態では、操作性への影響度の大きい「運転に集中できる」(第1の主観値)、「操作に労力がいらない」(第2の主観値)、「おおざっぱに操作できる」(第3の主観値)、「操作ミスが起こりにくい」(第4の主観値)の4つを主観要因として採用した。
(客観要因について)
客観要因としては、前記第1〜第4の主観値にそれぞれ対応する第1〜第4の客観値が採用されている。
客観要因としては、前記第1〜第4の主観値にそれぞれ対応する第1〜第4の客観値が採用されている。
第1の客観値は、第1の主観値に相関性を有する客観要因である。すなわち、第1の客観値は、ドライバが運転に集中できると感じることに関連性の高い客観的な物理因子が採用される。
本実施形態では、第1の客観値として、図6に示すように、自動車の走行軌跡L2が基準となる走行線(以下、基準走行線L1という)に対してズレた量(以下、車線ズレ量という)が採用されている。この車線ズレ量は、車線ズレ量計測部46で計測される。車線ズレ量計測部46は、車載カメラ28で撮影された自動車の進行方向の前方の映像(以下、走行映像という)から自動車の走行軌跡L2を導出する。また、車線ズレ量計測部46は、走行映像に基準走行線L1を設定し、走行軌跡L2と基準走行線L1とのズレから車線ズレ量の標準偏差[m]を算出する。
本実施形態では、自動車の車幅の中央部分が移動した軌跡を走行軌跡L2として定義した。また、自動車が走行する車線の幅方向の中央を通る線を基準走行線L1として定義した。車線ズレ量計測部46は、計測した車線ズレ量を算出部42に出力する。
第2の客観値は、第2の主観値に相関性を有する客観要因である。すなわち、第2の客観値は、ドライバが操作に労力がいらないと感じることに関連性が高い客観的な物理因子が採用される。
本実施形態では、第2の客観値として、ドライバが車両用装置10を操作する時間(以下、操作時間という)が採用されている。この操作時間は、操作時間計測部48で計測される。操作時間計測部48は、ドライバが操作ノブ32の操作を開始してから操作が終了するまでの時間を操作時間[s]として計測する。具体的には、操作時間計測部48は、カーソル24が移動を開始されると操作が開始されたと判断し、選択肢画像A〜Cの何れかが選択された際に操作が終了したと判断する。操作時間計測部48は、計測した操作時間を算出部42に出力する。
第3の客観値は、第3の主観値に相関性を有する客観要因である。すなわち、第3の客観値は、ドライバがおおざっぱに操作できる(心理負担が少ない)と感じることに関連性が高い客観的な物理因子が採用される。
本実施形態では、第3の客観値として、ドライバが車両用装置10を操作する際に当該車両用装置10に対して行った操作量が採用されている。すなわち、操作に必要な操作量が少なければ、ドライバへの心理的負担が少なく、ドライバはおおざっぱに操作できると感じることになる。この操作量は、操作距離計測部50で計測される。操作距離計測部50は、操作量として、ドライバが操作を開始してから終了するまでのカーソル24の移動量をピクセル量(以下、操作距離[pix]という)として計測する。具体的には、操作距離計測部50は、カーソル24が移動を開始してから選択肢画像A〜Cの何れかが選択されるまでの間、カーソル24が操作画像22中を移動した操作距離を計測する(図3の一点鎖線参照)。操作距離計測部50は、計測した操作距離を算出部42に出力する。
第4の客観値は、第4の主観値に相関性を有する客観要因である。すなわち、第4の客観値は、ドライバが操作ミスが起こりにくいと感じることに関連性が高い客観的な物理因子である。
本実施形態では、第4の客観値として、ドライバが車両用装置10を操作する際に発生した操作ミスの発生率(以下、エラー率[%]という)が採用されている。このエラー率は、エラー率算出部52で算出される。エラー率算出部52は、ドライバが所定の操作を行う場合の過去の操作履歴を記憶している。そして、ドライバが所定の操作を行おうとした際に操作ミスが発生すると、エラー率算出部52は、当該操作に対応する過去の操作履歴を参照してエラー率を算出する。
例えば、操作画像22中に複数の選択肢画像A〜Cが表示されている場合において、ある選択肢画像Aが選択された後に戻りボタン26が選択され、続いて他の選択肢画像Bが選択されると、エラー率算出部52は、操作ミスが発生したと判断する。エラー率算出部52は、算出したエラー率を算出部42に出力する。
(算出部について)
算出部42は、計測部40で計測した客観要因に基づいて、車両用入力装置14の操作性の評価値を算出する。すなわち、計測部40で計測した車線ズレ量(第1の客観値)、操作時間(第2の客観値)、操作距離(第3の客観値)およびエラー率(第4の客観値)を用いて、算出部42は、車両用入力装置14の操作性を定量的に評価する。
算出部42は、計測部40で計測した客観要因に基づいて、車両用入力装置14の操作性の評価値を算出する。すなわち、計測部40で計測した車線ズレ量(第1の客観値)、操作時間(第2の客観値)、操作距離(第3の客観値)およびエラー率(第4の客観値)を用いて、算出部42は、車両用入力装置14の操作性を定量的に評価する。
ここで、算出部42は、操作性(評価値)と客観要因との関係を規定する以下の関係式(第1の関係式)(以下、定量化式という)を用いて評価値を算出する。
評価値=a1+a2(第1の客観値)+a3(第2の客観値)+a4(第3の客観値)+a5(第4の客観値)・・・式(1)
a0〜a4:係数
a0〜a4:係数
(定量化式の導出について)
次に、式(1)の定量化式の導出方法について説明する。評価値(操作性)と主観要因(第1〜第4の主観値)との関係は、重回帰分析により以下の重回帰式(第2の関係式)で表すことができる。
次に、式(1)の定量化式の導出方法について説明する。評価値(操作性)と主観要因(第1〜第4の主観値)との関係は、重回帰分析により以下の重回帰式(第2の関係式)で表すことができる。
評価値=f1(主観要因)=b0+b1(第1の主観値)+b2(第2の主観値)+b3(第3の主観値)+b4(第4の主観値)・・・式(2)
b0〜b4:偏回帰係数
b0〜b4:偏回帰係数
また、主観要因と客観要因との関係は、回帰分析により以下の回帰式(第3の関係式)で表すことができる。
主観要因=f2(客観要因)
第1の主観値=c0+c1(第1の客観値)・・・式(3)(第1の回帰式)
第2の主観値=c2+c3(第2の客観値)・・・式(4)(第2の回帰式)
第3の主観値=c4+c5(第3の客観値)・・・式(5)(第3の回帰式)
第4の主観値=c6+c7(第4の客観値)・・・式(6)(第4の回帰式)
c0〜c7:回帰係数
主観要因=f2(客観要因)
第1の主観値=c0+c1(第1の客観値)・・・式(3)(第1の回帰式)
第2の主観値=c2+c3(第2の客観値)・・・式(4)(第2の回帰式)
第3の主観値=c4+c5(第3の客観値)・・・式(5)(第3の回帰式)
第4の主観値=c6+c7(第4の客観値)・・・式(6)(第4の回帰式)
c0〜c7:回帰係数
そして、式(3)〜式(6)の回帰式を式(2)の重回帰式に代入することで、式(1)の定量化式を導出することができる。
そこで、本願発明者は、先ず始めに、式(3)〜式(6)の回帰式の回帰係数を決定するため、以下の実験(評価実験)を行った。
1.運転条件
・S字カーブ(約4.3km)が連続するコースにおいて被験者がドライビングシミュレータを運転
2.操作条件
ドライビングシミュレータを運転しながら、被験者が画像表示装置に表示された3種類の操作画像(図7の画面1〜3)においてタスク1〜3を操作
・タスク1:被験者が画面1中の選択肢画像V、W、X、Y、Zのうち、実験者によって指定された選択肢画像を選択
・タスク2:被験者が画面2の風量調整アイコンを操作して、実験者によって指定された風量に設定
・タスク3:被験者が画面3の文字入力アイコンを操作して、実験者によって指定された文字を入力
3.操作デバイス(図8参照)
・タッチパネルディスプレイ:タッチパネルディスプレイに操作画像が表示され、被験者がタッチパネルディスプレイに直接触れて操作
・ハプティックデバイス:被験者が操作ノブを操作して操作画像中のカーソルを移動させ、決定ボタンを押すことで選択
・タッチパッドデバイスA(振動機能あり):被験者がタッチパッド面を指でスライドさせることで操作画像のカーソルを移動させ、タッチパッド面を押し込み操作することで選択
(押し込み時やカーソルが選択肢画像に重なったときにタッチパッド面が振動)
・タッチパッドデバイスB(振動機能なし):被験者がタッチパッド面を指でスライドさせて操作画像中のカーソルを移動させ、タッチパッド面を押し込み操作することで選択
(タッチパッド面が振動する機能なし)
上記4種の操作デバイスのそれぞれについて、被験者12名(男性6名,女性6名)にタスク1〜3を実行させた。そして、各タスクを実行したときの車線ズレ量[m]、操作時間[s]、操作距離[pix]およびエラー率[%]を測定した。車線ズレ量については、ドライビングシミュレータの走行履歴から車線ズレ量を計測し、その標準偏差を車線ズレ量とした。
1.運転条件
・S字カーブ(約4.3km)が連続するコースにおいて被験者がドライビングシミュレータを運転
2.操作条件
ドライビングシミュレータを運転しながら、被験者が画像表示装置に表示された3種類の操作画像(図7の画面1〜3)においてタスク1〜3を操作
・タスク1:被験者が画面1中の選択肢画像V、W、X、Y、Zのうち、実験者によって指定された選択肢画像を選択
・タスク2:被験者が画面2の風量調整アイコンを操作して、実験者によって指定された風量に設定
・タスク3:被験者が画面3の文字入力アイコンを操作して、実験者によって指定された文字を入力
3.操作デバイス(図8参照)
・タッチパネルディスプレイ:タッチパネルディスプレイに操作画像が表示され、被験者がタッチパネルディスプレイに直接触れて操作
・ハプティックデバイス:被験者が操作ノブを操作して操作画像中のカーソルを移動させ、決定ボタンを押すことで選択
・タッチパッドデバイスA(振動機能あり):被験者がタッチパッド面を指でスライドさせることで操作画像のカーソルを移動させ、タッチパッド面を押し込み操作することで選択
(押し込み時やカーソルが選択肢画像に重なったときにタッチパッド面が振動)
・タッチパッドデバイスB(振動機能なし):被験者がタッチパッド面を指でスライドさせて操作画像中のカーソルを移動させ、タッチパッド面を押し込み操作することで選択
(タッチパッド面が振動する機能なし)
上記4種の操作デバイスのそれぞれについて、被験者12名(男性6名,女性6名)にタスク1〜3を実行させた。そして、各タスクを実行したときの車線ズレ量[m]、操作時間[s]、操作距離[pix]およびエラー率[%]を測定した。車線ズレ量については、ドライビングシミュレータの走行履歴から車線ズレ量を計測し、その標準偏差を車線ズレ量とした。
また、ドライビングシミュレータの運転室内に車内カメラを設置し、被験者が操作する様子を車内カメラで録画した。そして、操作時間およびエラー率は、録画された映像に基づいて実験者が計測または算出した。また、操作距離については、カーソルの移動軌跡を分析して、各タスクが終了するまでのカーソルの累積移動量を計測した。なお、操作距離については、カーソルの移動軌跡が記録されるハプティックデバイスおよびタッチパッドデバイスA,Bについてのみ計測し、タッチパネルディスプレイの操作距離は計測しなかった。
次に、被験者に対し、各操作デバイスでタスク1〜3を操作したときの操作性に関するアンケート(図9)を実施した。アンケート項目は、「運転に集中できましたか?」(第1の主観値)、「操作に労力(回数、時間、力)がいらないと感じましたか?」(第2の主観値)、「おおざっぱにやっても操作できましたか?」(第3の主観値)、「操作ミスが起こりにくいと感じましたか?」(第4の主観値)および「総合的に操作し易かったですか?」(操作性)の5つであり、それぞれ1〜7の7段階(数字が大きくなるにつれて評価が高い)で被験者の主観的な評価を集計した。
そして、アンケートの結果から、(a)第1の主観値と第1の客観値との関係、(b)第2の主観値と第2の客観値との関係、(c)第3の主観値と第3の客観値との関係、および(d)第4の主観値と第4の客観値との関係をプロットし、式(3)〜式(6)の回帰式の回帰係数を求めた。その結果を図10、回帰式を以下に示す。
第1の主観値=−9.32(第1の客観値)+8.07 ・・・式(7)
相関係数:−0.88
第2の主観値=−0.0883(第2の客観値)+5.27 ・・・式(8)
相関係数:−0.87
第3の主観値=−0.000517(第3の客観値)+5.07・・・式(9)
相関係数:−0.87
第4の主観値=−9.44(第4の客観値)+4.52 ・・・式(10)
相関係数:−0.62
相関係数:−0.88
第2の主観値=−0.0883(第2の客観値)+5.27 ・・・式(8)
相関係数:−0.87
第3の主観値=−0.000517(第3の客観値)+5.07・・・式(9)
相関係数:−0.87
第4の主観値=−9.44(第4の客観値)+4.52 ・・・式(10)
相関係数:−0.62
このように、第1〜第4の主観値と第1〜第4の客観値とは、それぞれ高い相関を有していることが確認された。
次に、本願発明者は、式(2)の重回帰式の偏回帰係数を以下のように決定した。図9のアンケートの結果から、被験者の操作性についての総合的な評価(操作性)と、第1〜第4の主観値との関係を重回帰分析により分析した。その結果を次式に示す。
評価値=1.008+0.316(第1の主観値)+0.174(第2の主観値)+0.213(第3の主観値)+0.140(第4の主観値)・・・式(11)
寄与率:63%
寄与率:63%
そして、得られた式(11)に式(7)〜式(10)を代入することで、式(1)の定量化式が以下の如く決定された。
評価値=6.188−2.95(第1の客観値)―0.0154(第2の客観値)−0.00011(第3の客観値)−1.32(第4の客観値)・・式(12)
本実施形態の算出部42には、このようにして得られた評価値の定量化式(12)が記憶されている。そして、算出部42は、計測部40で計測された第1〜第4の客観値から評価値を算出するようになっている。すなわち、車線ズレ量計測部46が計測した車線ズレ量、操作時間計測部48で計測した操作時間、操作距離計測部50が計測した移動量およびエラー率算出部52が算出したエラー率を定量化式(12)に代入することで、算出部42は、評価値を自動的に求めるようになっている。
なお、定量化式(12)を導出するにあたっては、前述のように、被験者へのアンケートの評価を最大7として実施した。そのため、定量化式(12)を用いて得られる評価値は、7よりも小さな値となる。
算出部42は、評価値を算出すると、当該評価値を出力部44に出力する。
(出力部について)
出力部44は、算出部42が算出した評価値を表示するディスプレイであって、例えば液晶表示装置で構成される。出力部44で評価値を表示することで、実験者やドライバが車両用入力装置14の操作性の評価値を認識することができる。
出力部44は、算出部42が算出した評価値を表示するディスプレイであって、例えば液晶表示装置で構成される。出力部44で評価値を表示することで、実験者やドライバが車両用入力装置14の操作性の評価値を認識することができる。
(操作性評価方法について)
次に、操作性評価装置38を用いて操作性の評価値を算出する具体的方法について説明する。なお、以下の説明では、ドライバが自動車を運転している状態で、画像表示装置12に図3に示す操作画像22が表示されているとする。そして、当該操作画像22において、ドライバが運転をしながら操作ノブ32を操作して、選択肢画像Aを選択する操作を行う場合を例示する。
次に、操作性評価装置38を用いて操作性の評価値を算出する具体的方法について説明する。なお、以下の説明では、ドライバが自動車を運転している状態で、画像表示装置12に図3に示す操作画像22が表示されているとする。そして、当該操作画像22において、ドライバが運転をしながら操作ノブ32を操作して、選択肢画像Aを選択する操作を行う場合を例示する。
ドライバが自動車を運転しながら操作ノブ32を操作して、操作画像22中のカーソル24を移動させる。カーソル24が移動することで、操作性評価装置38は作動を開始する。図11のフローチャートに示すように、操作性評価装置38は、操作性の評価値を算出するステップとして、計測部40が客観要因を計測する計測処理(ステップS100)と、計測部40が計測した客観要因に基づいて算出部42が評価値を算出する算出処理(ステップS200)と、算出部42が算出した評価値を出力部44が出力する出力処理(ステップS300)とを備える。
計測処理では、車線ズレ量計測部46による車線ズレ量計測処理と、操作時間計測部48による操作時間計測処理と、操作距離計測部50による操作距離計測処理と、エラー率算出部52によるエラー率算出処理とが同時に実行される。
図12に示すように、車線ズレ量計測処理では、先ず始めにカーソル24が移動したか否かを車線ズレ量計測部46が判断する(ステップS101)。ドライバが操作ノブ32を操作して、カーソル24が移動すると(ステップS101のYes)、車線ズレ量計測部46は、車線ズレ量の計測を開始する(ステップS102)。すなわち、車線ズレ量計測部46は、車載カメラ28で撮影された走行映像から自動車の走行軌跡L2を導出する。また、車線ズレ量計測部46は、走行映像に基づいて自動車が走行する車線の基準走行線L1を設定する。そして、車線ズレ量計測部46は、自動車の走行軌跡L2と基準走行線L1とのズレ量の計測を開始する。
図3の実線で示すように、選択肢画像Aにカーソル24を重ねた状態でドライバが決定ボタン36を押すと、選択肢画像Aが選択される(ステップS103のYes)。選択肢画像Aが選択されると、車線ズレ量計測部46は、自動車の走行軌跡L2と基準走行線L1とのズレ量の計測を終了する(ステップS104)。そして、車線ズレ量計測部46は、計測されたズレ量から車線ズレ量(標準偏差)を算出する(ステップS105)。車線ズレ量計測部46は、算出した車線ズレ量を算出部42に出力し(ステップS106)、車線ズレ量算出処理が終了する。
ここで、例えば、操作ノブ32が操作し難い場合や、選択肢画像A〜Cが小さく表示されて当該画像A〜Cを選択する操作が困難な場合、ドライバは車両用装置10の操作に意識が集中する傾向にある。その結果、ドライバの運転への集中力が相対的に低くなり、計測部40で計測される車線ズレ量は大きくなり易い。すなわち、車両用装置10の操作性が低くなるにつれて、車線ズレ量計測部46で計測される車線ズレ量は大きくなる傾向にある。
反対に車両用装置10の操作性が高ければ、ドライバは、車両用装置10に気を取られ難くなり、自動車の運転に集中することができる。その結果、車線ズレ量計測部46で計測される車線ズレ量は小さくなる傾向にある。
図13に示すように、操作時間計測処理では、先ず始めに、カーソル24が移動したか否かを操作時間計測部48が判断する(ステップS110)。ドライバが操作ノブ32を操作して、カーソル24が移動すると(ステップS110のYes)、操作時間計測部48は、操作時間のカウントを開始する(ステップS111)。ドライバが選択肢画像Aを選択すると(ステップS112のYes)、操作時間計測部48は、操作時間のカウントを終了する(ステップS113)。次に、操作時間計測部48は、カーソル24が移動してから選択肢画像Aが選択されるまでの操作時間を計測する(ステップS114)。そして、操作時間計測部48は、計測した操作時間を算出部42に出力し(ステップS115)、操作時間計測処理が終了する。
ここで、車両用装置10の操作性が低い場合、ドライバが望む操作(選択肢画像Aを選択する操作)を正確に実行するまでに要する時間が長くなる。例えば、操作ノブ32の操作性が低いと、選択肢画像Aにカーソル24を重ねるまでに時間が掛かったり、操作ミスが発生したりして時間が掛かったりする。すなわち、車両用装置10の操作性が低くなるにつれて、操作時間計測部48で計測される操作時間が長くなる傾向にある。
反対に、車両用装置10の操作性が高い場合、ドライバが望む操作を効率よく行うことができる。その結果、カーソル24が移動してから選択肢画像Aを選択するまでの操作時間は、短くなる傾向にある。
図14に示すように、操作距離計測処理では、先ず始めに、カーソル24が移動したか否かを操作距離計測部50が判断する(ステップS120)。ドライバが操作ノブ32を操作して、カーソル24が移動すると(ステップS120のYes)、操作距離計測部50は、カーソル24の移動距離(操作距離)の計測を開始する(ステップS121)。そして、ドライバが選択肢画像Aを選択すると(ステップS122のYes)、操作距離計測部50は、操作距離の計測を終了し(ステップS123)、カーソル24の累積移動距離(操作距離)を算出する(ステップS124)。操作距離計測部50は、算出した操作距離を算出部42に出力し(ステップS125)、操作距離計測処理を終了させる。
ここで、車両用装置10の操作性が低い場合、ドライバが望む操作を正確に実行するまでに要する操作距離(カーソル24の累積移動距離)が長くなる。例えば、操作ノブ32の操作性が低いと、選択肢画像Aにカーソル24を効率よく重ねることができず、選択肢画像Aの周囲をカーソル24が徘徊するように移動することがある。この場合、選択肢画像Aを選択するまでに、カーソル24が移動する距離は長くなる。また、操作ミスによって操作のやり直しが生じた場合も、カーソル24が移動する距離が大きくなる。すなわち、車両用装置10の操作性が低くなるにつれて、操作距離計測部50で計測される操作距離は大きくなる傾向にある。
反対に、車両用装置10の操作性が高い場合、選択肢画像Aをカーソル24に効率よく重ねることができる。その結果、カーソル24が移動する距離が短くなって、操作距離計測部50で計測される操作距離は小さくなる傾向にある。
図15に示すように、エラー率算出処理では、先ず始めに、カーソル24が移動したか否かをエラー率算出部52が判断する(ステップS130)。ドライバが操作ノブ32を操作して、カーソル24が移動すると(ステップS130のYes)、エラー率算出部52は、過去の操作履歴を取得する(ステップS131)。次に、エラー率算出部52は、選択肢画像A〜Cが選択された否か判断する(ステップS132)。
ここで、ドライバが選択肢画像Aを選択するところ、誤って選択肢画像Bを選択したとする(ステップS132のYes)。この場合、ドライバは、選択肢画像Bを選択した操作を取り消すため、戻りボタン26を選択する(ステップS133のYes)。その後、ドライバは、改めて選択肢画像Aにカーソル24を重ねた状態で決定ボタン36を押下することになる(ステップS134のYes)。
このように、エラー率算出部52は、何れかの選択肢画像A〜Cの選択→戻りボタン26の選択→他の選択肢画像A〜Cの選択の一連の操作がされると、操作ミスが発生したと認定する(ステップS135)。エラー率算出部52は、操作ミスの発生を認定すると、ステップS131で取得した過去の操作履歴に今回の操作ミスを反映させ、操作履歴を更新する(ステップS136)。そして、更新した操作履歴に基づいて、選択肢画像Aを選択する際のエラー率を算出する(ステップS137)。次に、エラー率算出部52は、算出したエラー率を算出部42に出力して(ステップS138)、エラー率算出処理を終了する。
一方、ステップS132において、ドライバが選択肢画像Aを正しく選択した場合、戻り操作は実行されない(ステップS133のNo)。従って、操作ミスが認定されることなく、操作履歴が更新される(ステップS136)。その結果、前述した操作ミスが発生した場合よりも小さなエラー率が算出される(ステップS137)。そして、エラー率算出部52は、算出したエラー率を算出部42に出力して(ステップS138)、エラー率算出処理を終了する。
ここで、車両用装置10の操作性が低い場合、ドライバが望む操作が終了するまでに操作ミスが発生する頻度は大きくなる。例えば、操作ノブ32の操作性が低いと、選択肢画像Aを選択するつもりが他の選択肢画像B,Cを選択してしまう操作ミスが起こり易くなる。また、選択肢画像Aが小さく表示されていると、選択肢画像Aを選択するつもりが選択肢画像B,Cを選択してしまう操作ミスが起こり易くなる。すなわち、車両用装置10の操作性が低くなるにつれて、エラー率算出部52で算出されるエラー率は大きくなる傾向にある。
反対に、車両用装置10の操作性が高い場合、ドライバが操作ミスを発生する頻度は小さくなる。その結果、エラー率算出部52で算出されるエラー率は小さくなる傾向にある。
計測部40で計測した車線ズレ量、操作時間、操作距離およびエラー率が計測されると、算出部42が算出処理(ステップS200)を実行する。図16に示すように、算出処理では、先ず始めに、第1〜第4の客観値が算出部42に入力される(ステップS201)。次に、算出部42は、式(12)の定量化式を用いて評価値を算出する(ステップS202)。そして、算出部42は、算出した評価値を出力部44に出力し(ステップS203)、算出処理が終了する。
ここで、前述したように、車両用装置10の操作性が低い場合、計測部40で計測される車線ズレ量、操作時間、操作距離およびエラー率の値はそれぞれ大きくなる傾向にある。従って、車両用装置10の操作性が低い場合、算出部42がステップS202で算出する評価値の値は小さくなる(例えば、3.23)。
一方、車両用装置10の操作性が高い場合、計測部40で計測される車線ズレ量、操作時間、操作距離およびエラー率の値はそれぞれ小さくなる傾向にある。従って、車両用装置10の操作性が高い場合、算出部42がステップS202で算出する評価値の値は大きくなる(例えば、6.05)。
算出部42で評価値が算出されると、出力部44は、出力処理(ステップS300)を実行する。図17に示すように、出力処理では、先ず始めに、算出部42から評価値が出力部44に入力される(ステップS301)。評価値が入力されると、出力部44は評価値を表示する(ステップS302)。これにより、実験者やドライバは、車両用装置10の操作性を評価値として客観的に認識することができる。
また、出力部44で出力された評価値が低い場合、実験者やドライバは、車両用装置10の設定(操作パラメータ)を変更するといった措置を採ることができる。例えば、実験者は、評価値が低い場合、選択肢画像A〜Cを大きく表示するように変更して、選択肢画像A〜Cを選択する操作を行い易くするといった対応を採ることができる。また、実験者は、評価値が向上するように操作ノブ32の感度やカーソル24の移動速度等を変更する対応を採ることが可能となる。
以上に説明したように、本実施形態に係る車両用装置10の操作性評価方法および操作性評価装置38によれば、以下の効果を奏する。
ドライバの主観的な感覚である車両用装置10の操作性を客観要因(第1〜第4の客観値)から定量的に評価することができる。従って、従来のように、多くの被験者を集めてアンケートにより操作性の評価を得る場合に比べ、費用や時間を大幅に抑制することができる。
車両用装置10の評価値は、主観要因に相関性のある客観要因(車線ズレ量、操作時間、操作距離およびエラー率)に基づいて算出される。また、主観要因は、操作性に影響度を有している。すなわち、客観要因を介して主観要因を反映した操作性の評価値を得ることができる。従って、算出される評価値は、ドライバの主観的な感覚を適確に反映した信頼性の高いものとなる。
しかも、客観要因の計測および評価値の算出が自動で行われるから、評価値を簡単に得ることができ、車両用装置10の操作性の評価を効率よく行うことができる。
共分散構造分析の結果、操作性に対する影響度が最も大きい「ドライバが運転に集中できる」と感じる第1の主観値を主観要因として採用した。そして、この第1の主観値に相関性が高い第1の客観値(車線ズレ量)を用いて、算出部42が評価値を算出する。すなわち、操作性に最も影響度のある第1の主観値を第1の客観値を介して評価値に反映させることができ、操作性を正確に評価することができる。
しかも、本実施形態では、共分散構造分析の結果、操作性に影響度が高い上位4つの主観値(第1〜第4の主観値)を主観要因として採用している。そして、この4つの主観値にそれぞれ相関性を有する第1〜第4の客観値を用いて評価値を算出することで、より精度の高い操作性の評価値を算出することができる。
ここで、客観要因として第1の客観値である車線ズレ量を採用することで、車両用装置10の操作性が運転に与える影響を捉えることができる。すなわち、車線ズレ量を計測することで、ドライバの運転への意識の程度を間接的に測ることができ、ひいては車両用装置10の操作性を評価することができる。
客観要因として第2の客観値である操作時間を採用することで、車両用装置10の操作性がドライバの労力に与える影響を間接的に測ることができる。すなわち、操作時間を計測することで、ドライバの操作時の労力を測り、ひいては車両用装置10の操作性を評価することができる。
客観要因として第3の客観値である操作距離を採用することで、車両用装置10の操作性がドライバの心理的負担に与える影響を間接的に測ることができる。すなわち、操作距離を計測することで、ドライバが感じる心理的負担を測り、ひいては車両用装置10の操作性を評価することができる。
客観要因として第4の客観値であるエラー率を採用することで、車両用装置10の操作性がドライバの操作の正確性に与える影響を間接的に測ることができる。すなわち、エラー率を計測することで、ドライバの操作の正確性を測り、ひいては車両用装置10の操作性を評価することができる。
評価値を算出する定量化式は、評価値と主観要因(第1〜第4の主観値)との関係を規定する重回帰式、および主観要因(第1〜第4の主観値)と客観要因(第1〜第4の客観値)との関係を規定する回帰式を用いて導出される。すなわち、定量化式は、客観的に計測可能な第1〜第4の客観値と評価値(操作性)との関係を正確に規定するものであり、精度の高い評価値を算出することができる。
なお、前述した第1実施形態の操作性評価方法および操作性評価装置38は、以下のように変更することができる。
1.第1実施形態では、車両用入力装置14として、いわゆるハプティックデバイスを採用したが、評価対象の車両用入力装置としては、タッチパネルディスプレイや、タッチパッドデバイス等、各種の操作デバイスを採用し得る。また、第1実施形態のような操作ノブ32を備えたハプティックデバイスに限定されず、例えば十字キーを備えたものや、操作レバーを備えたものを採用してもよい。
また、画像表示装置12としては、第1実施形態の如く、LCDや有機ELディスプレイ等に限定されず、他のディスプレイ装置であってもよい。なお、タッチパネルディスプレイを採用した場合、1つのタッチパネルディスプレイで車両用装置10を構成し、画像表示装置および車両用入力装置の双方の機能をタッチパネルディスプレイが有することになる。
2.第1実施形態では、自動車に操作性評価装置38を搭載して、ドライバが実際に自動車を運転する間に車両用装置10の操作性を評価するようにした。しかしながら、操作性評価装置38をドライビングシミュレータに搭載し、ドライバがドライビングシミュレータを模擬的に運転する間に車両用装置10の操作性を評価してもよい。この場合、車線ズレ量は、ドライビングシミュレータが再現する仮想道路に設定した基準走行線に対する走行軌跡のズレ量を測ることで計測される。
3.第1実施形態では、ドライバが操作画像22において選択肢画像Aを選択する場合での操作性を評価した。しかしながら、操作性を評価する操作画像としては、本実施形態に限定されるものではない。例えば、エアコンを設定する操作画像(図7の画面2参照)において、エアコンの設定温度を設定する場合の操作性を評価してもよい。また、目的地等の文字入力を行う操作画像(図7の画面3参照)において、文字を入力する場合の操作性を評価してもよい。
また、実施形態では、1組の画像表示装置12および車両用入力装置14を用いて操作性を評価した。しかしながら、例えば、画像表示装置に表示する操作画像を共通にして、異なる種類の車両用入力装置(ハプティックデバイス、タッチパッドデバイス等)の操作性を評価してもよい。これにより、同じ操作画像において、どのタイプの車両用入力装置が使い易いかについての比較を行うことができる。
同様に、車両用入力装置を共通とし、異なる種類の操作画像の操作性を評価してもよい。この場合、異なる種類の操作画像の操作性を比較して、当該車両用入力装置で最も操作し易い操作画像の構成(例えば選択肢画像の大きさや配置)を決定することができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、車両用装置60の操作性の評価に加え、その評価結果に基づいて車両用装置60の操作パラメータを制御する操作性制御方法および操作性制御装置62についての説明を行う。なお、第2実施形態では、第1実施形態と相違する部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ部分については同一の符号を付して説明を省略する。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、車両用装置60の操作性の評価に加え、その評価結果に基づいて車両用装置60の操作パラメータを制御する操作性制御方法および操作性制御装置62についての説明を行う。なお、第2実施形態では、第1実施形態と相違する部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図18は、第2実施形態に係る車両用装置60としての画像表示装置64および車両用入力装置66の制御構成を示すブロック図である。
(画像表示装置について)
第2実施形態の画像表示装置64は、第1実施形態と同様に、選択肢画像A〜Cが表示された操作画像68を表示する。但し、第2実施形態の画像表示装置64は、各選択肢画像A〜Cの周囲に引込領域Sが設定される点で、第1実施形態の画像表示装置64と相違している。図19の破線で示すように、この引込領域Sは、その外形が選択肢画像A〜Cの外形(図19では楕円形)と相似形であって、選択肢画像A〜Cを囲うように設定される環状の領域である。
第2実施形態の画像表示装置64は、第1実施形態と同様に、選択肢画像A〜Cが表示された操作画像68を表示する。但し、第2実施形態の画像表示装置64は、各選択肢画像A〜Cの周囲に引込領域Sが設定される点で、第1実施形態の画像表示装置64と相違している。図19の破線で示すように、この引込領域Sは、その外形が選択肢画像A〜Cの外形(図19では楕円形)と相似形であって、選択肢画像A〜Cを囲うように設定される環状の領域である。
引込領域Sは、操作画像68中のカーソル24が引込領域Sに進入すると、画像表示装置64の画像制御部70(引込領域設定手段)は、当該引込領域Sが囲う選択肢画像A〜Cの中心に向けてカーソル24が移動するように表示させる。例えば、図19に示すように、選択肢画像Aを囲う引込領域Sにカーソル24が重なると、カーソル24が自動的に選択肢画像Aに向けて移動する。図19では、引き込まれるカーソル24が破線で示してある。これにより、ドライバがカーソル24を選択肢画像A〜Cまで正確に合わせる必要がなく、選択肢画像A〜Cを選択するドライバの操作が支援される。
ここで、引込領域Sの面積(大きさ)は、面積パラメータ(操作パラメータ)により規定される。すなわち、画像制御部70は、面積パラメータに従って、表示する引込領域Sの大きさを決定している。そして、引込領域Sは、ドライバの操作を支援するものであるため、引込領域Sの面積は、画像表示装置64の操作性に影響を与えることになる。従って、引込領域Sの面積を規定する面積パラメータを制御することで、画像表示装置64の操作性を制御することが可能となる。
(車両用入力装置について)
図20は、第2実施形態の車両用入力装置66を示す縦断面図であって、車両用入力装置66は、第1実施形態と同様に、いわゆるハプティックデバイスで構成されている。車両用入力装置66は、コンソールボックス18(図1参照)に設置された箱状のベース部材30と、該ベース部材30に対し移動自在に設けられた操作ノブ32とを備えている。ベース部材30には、操作画像68において選択肢画像A〜Cを選択する決定ボタン36が設けられている。車両用入力装置66の作動は、操作制御部72により制御される。
図20は、第2実施形態の車両用入力装置66を示す縦断面図であって、車両用入力装置66は、第1実施形態と同様に、いわゆるハプティックデバイスで構成されている。車両用入力装置66は、コンソールボックス18(図1参照)に設置された箱状のベース部材30と、該ベース部材30に対し移動自在に設けられた操作ノブ32とを備えている。ベース部材30には、操作画像68において選択肢画像A〜Cを選択する決定ボタン36が設けられている。車両用入力装置66の作動は、操作制御部72により制御される。
操作ノブ32の下面には、操作軸74が接続されており、該操作軸74は、ベース部材30に設けた貫通孔30aを介してベース部材30の内部に挿通されている。操作軸74の下端部は、ベース部材30の底面に設けた軸受け部76に支持されている。軸受け部76は、操作軸74が軸受け部76を中心として傾くことを許容しつつ、操作軸74の下端部がベース部材30の底面に対して位置ズレしないよう構成されている。
ベース部材30の貫通孔30aには、環状に形成されたゴム部材78が、貫通孔30aの内側に同心状に設けられている。操作軸74は、ゴム部材78の孔を挿通されている。操作軸74には、ゴム部材78の孔に嵌まり込んだ状態で係合する円盤状部80が設けられている。
操作ノブ32がドライバによって操作されていない状態では、ゴム部材78の弾性力によって操作軸74がベース部材30の底面に対して略垂直な姿勢に保持される。そして、ドライバがゴム部材78の弾性力に抗して操作ノブ32を操作すると、図20の一点鎖線で示す揺動中心αを中心として、操作軸74が前後左右(自動車の走行方向の前方を基準)に傾くようになっている。その結果、操作ノブ32を前後左右に移動させることが可能となる。
ベース部材30の内部には、X方向反力モータ82(反力生成部)およびY方向反力モータ84(反力生成部)が設けられている。また、ベース部材30の内部には、操作軸74の傾斜角を検出することで、操作ノブ32の位置を計測する位置センサ(図示せず)が設けられている。
X方向反力モータ82およびY方向反力モータ84は、操作制御部72からの制御信号に従って駆動する。X方向反力モータ82およびY方向反力モータ84は、操作軸74に対してX方向およびY方向の反力をそれぞれ加えて操作軸74を傾けるようになっている。操作制御部72は、操作軸74(操作ノブ32)に対する反力の大きさを規定する反力パラメータ(操作パラメータ)に基づいて、X方向反力モータ82およびY方向反力モータ84に制御信号を出力する。
このように、本実施形態の車両用入力装置66は、操作制御部72がX方向反力モータ82およびY方向反力モータ84を制御することにより、操作ノブ32に対して前後左右に反力を加えることができる。また、操作制御部72は、位置センサの検出結果に基づき操作ノブ32の位置を把握する。すなわち、車両用入力装置66は、操作ノブ32の位置を把握しつつ、操作ノブ32を前後左右に自在に移動させることが可能となっている。このように、操作軸74に反力を付与することで、ドライバによる操作ノブ32が引き込まれる。
本実施形態では、カーソル24が引込領域Sに引き込まれる際に操作ノブ32の引き込みが実施されるようになっている。操作制御部72は、引込領域Sでカーソル24が選択肢画像A〜Cへ向けて引き込まれる際に、当該カーソル24の移動軌跡に対応して操作ノブ32が移動するようX方向反力モータ82およびY方向反力モータ84を制御する。このとき操作制御部72は、反力パラメータで規定された大きさの反力が操作ノブ32に作用するようX方向反力モータ82およびY方向反力モータ84を制御する。
このように操作ノブ32の引き込みは、ドライバが選択肢画像A〜Cを選択する操作を支援するものであるため、操作ノブ32に作用する反力の大きさは、車両用入力装置66の操作性に影響を与える。従って、操作性制御装置62が反力の大きさを規定する反力パラメータを制御することで、車両用入力装置66の操作性を制御することが可能となる。
(操作性制御装置について)
図21は、操作性制御装置62の全体構成を示すブロック図である。操作性制御装置62は、計測部40(計測手段)と、算出部42(算出手段)と、制御部86(制御手段)とから基本的に構成されている。すなわち、操作性制御装置62は、第1実施形態で示した操作性評価装置38において、出力部44に代えて制御部86を備えた構成となっている。なお、操作性制御装置62の計測部40および算出部42は、操作性評価装置38と同じ構成であるため詳細な説明は省略する。
図21は、操作性制御装置62の全体構成を示すブロック図である。操作性制御装置62は、計測部40(計測手段)と、算出部42(算出手段)と、制御部86(制御手段)とから基本的に構成されている。すなわち、操作性制御装置62は、第1実施形態で示した操作性評価装置38において、出力部44に代えて制御部86を備えた構成となっている。なお、操作性制御装置62の計測部40および算出部42は、操作性評価装置38と同じ構成であるため詳細な説明は省略する。
操作性制御装置62は、算出部42において算出した車両用装置60の評価値に基づいて、制御部86が車両用装置60の操作パラメータ(面積パラメータ,反力パラメータ)を制御する。制御部86には、評価値の目標値が予め記憶されている。そして、算出部42から算出される評価値が目標値に近づくように、制御部86は、車両用装置60の操作パラメータをフィードバック制御する。
ここで、算出部42が算出する評価値は、式(12)の定量化式から算出されるため、算出部42が算出する評価値は、最大で7となる。そこで、本実施形態では、式(12)で算出される評価値の最大値である7を目標値として設定してある。
制御部86は、算出部42が算出した評価値が目標値よりも低い場合に、面積パラメータを制御して、操作画像68に表示される引込領域Sの面積を変化させる。例えば、評価値が目標値よりも低い場合、制御部86は、引込領域Sの面積が大きくなるよう面積パラメータを制御する。引込領域Sの面積が大きくなると、カーソル24が引込領域Sに重なり易くなるため、選択肢画像A〜Cを選択する操作が支援される。その結果、計測部40で計測される操作時間や操作距離等の客観要因が小さくなり、車両用装置60の操作性(評価値)が向上することになる。
一方、引込領域Sの面積が過度に大きくなると、カーソル24が引込領域Sに補足され易くなる。従って、ドライバが目的とする選択肢画像A〜Cにカーソル24を移動させるまでに、他の選択肢画像A〜Cの引込領域Sにカーソル24が重なってしまい操作性が低下することがある。このような場合、制御部86は、引込領域Sの面積が小さくなるよう面積パラメータを制御する。その結果、引込領域Sの面積が適当な大きさとなって、操作性が再び向上することになる。
このようにして、制御部86は、目標値と評価値との差が小さくなるように面積パラメータを制御する。そして、目標値と評価値との差が所定値βよりも小さくなった際に、制御部86は、当該面積パラメータの値を決定する。この所定値βとしては、例えば1.0とされる。
また制御部86は、算出部42で算出された評価値に基づいて、反力パラメータを制御するよう設定されている。すなわち、評価値が目標値よりも低い場合、制御部86は、操作ノブ32に作用する反力が大きくなるよう反力パラメータを変更する。その結果、変更された反力パラメータに基づき操作制御部72がX方向反力モータ82およびY方向反力モータ84を制御し、操作ノブ32に作用する反力が大きくなる。これにより、カーソル24が引込領域Sで引き込まれる際に、操作ノブ32が引き込まれる力が大きくなり、カーソル24を選択肢画像A〜Cに誘導する効果が大きくなる。従って、カーソル24が選択肢画像A〜Cへ向けて引き込まれている際に、ドライバが操作ノブ32を誤操作しても、操作ノブ32が当該誤操作に反応し難くなり、操作性が向上することになる。
一方、操作ノブ32に作用する反力が過度に大きくなると、ドライバが意図しない選択肢画像A〜Cの引込領域Sにカーソル24が引き込まれてしまった場合に、操作ノブ32の軌道を修正することが困難となる。その結果、ドライバが望む選択肢画像A〜Cを選択するまでに要する操作時間や操作距離が大きくなって、算出部42で算出される評価値が低くなる。
このような場合、制御部86は、操作ノブ32に作用する反力が小さくなるよう反力パラメータを制御する。これにより、操作ノブ32に作用する反力が小さくなって、操作ノブ32が適当な力で引き込まれる。この結果、車両用装置60の操作性が向上し、算出部42が算出する評価値が大きくなる。
このようにして、制御部86は、目標値と評価値との差が小さくなるように反力パラメータを制御する。そして、目標値と評価値との差が所定値γよりも小さくなった際に、制御部86は、当該反力パラメータの値を決定する。本実施形態では、この所定値γは、面積パラメータを決定する際の所定値βよりも小さい値に設定され、例えば、所定値γは0.5とされる。
(操作性制御方法について)
次に、前述のように構成された操作性制御装置62を用いて車両用装置60の操作パラメータを制御する具体的な方法について説明する。以下では、図19の如く選択肢画像A〜Cが表示された操作画像68において、ドライバが選択肢画像Aを選択する場合について説明する。また、操作画像68に、選択肢画像A〜Cに対し所定面積の引込領域Sが予め設定されているものとする。
次に、前述のように構成された操作性制御装置62を用いて車両用装置60の操作パラメータを制御する具体的な方法について説明する。以下では、図19の如く選択肢画像A〜Cが表示された操作画像68において、ドライバが選択肢画像Aを選択する場合について説明する。また、操作画像68に、選択肢画像A〜Cに対し所定面積の引込領域Sが予め設定されているものとする。
先ず始めに、選択肢画像Aをカーソル24で選択するまでの車両用装置60の制御について説明する。ドライバが自動車を運転しながら操作ノブ32を操作すると、操作制御部72が操作ノブ32の位置情報を画像制御部70に出力する。画像制御部70は、操作ノブ32の位置情報に合わせて、操作画像68中のカーソル24が移動するよう表示させる。そして、選択肢画像Aの引込領域Sにカーソル24が重なると、画像制御部70は、カーソル24が選択肢画像Aに向けて移動するよう表示させる(図19参照)。
これと同時に操作制御部72は、X方向反力モータ82およびY方向反力モータ84を制御して、操作軸74に反力を作用させる。その結果、操作ノブ32が所定の反力で引き込まれる。このとき、操作制御部72は、カーソル24が選択肢画像Aに引き込まれる移動軌跡に合わせて操作ノブ32が引き込まれるようX方向反力モータ82およびY方向反力モータ84を制御する。
このように、引込領域Sにカーソル24が重なると、該カーソル24が選択肢画像A〜Cに向けて引き込まれるように表示される。従って、ドライバは、カーソル24を選択肢画像A〜Cの引込領域Sに重ねるだけで、カーソル24が当該選択肢画像A〜Cまで自動的に移動するので、選択肢画像A〜Cを容易に選択することができる。しかも、選択肢画像Aで引き込まれるカーソル24に合わせて、操作ノブ32も引き込まれる。従って、ドライバは、操作画像68を視認しなくとも操作ノブ32に触れた感覚からカーソル24が移動していることを認識することができる。従って、ドライバは、運転に集中することができ安全である。
そして、引込領域Sで引き込まれてカーソル24が選択肢画像Aに重なった状態で、ドライバが決定ボタン36を押下すると、選択肢画像Aが選択される。
前述した選択肢画像Aを選択する一連の操作が実行される間に、操作性制御装置62は、車両用装置60の操作性を制御する。図22に示すように、操作性制御装置62は、計測部40が客観要因を計測する計測処理(ステップS100)と、計測部40が計測した客観要因に基づいて算出部42が評価値を算出する算出処理(ステップS200)と、算出部42が算出する評価値に基づいて制御部86が面積パラメータを制御する面積パラメータ決定処理(ステップS400)と、算出部42が算出する評価値に基づいて制御部86が反力パラメータを制御する反力パラメータ決定処理(ステップS500)とを備える。
計測処理では、カーソル24が移動を開始してから選択肢画像Aが選択されるまでの間に、客観要因を計測する。すなわち、計測部40は、車線ズレ量(第1の客観値)、操作時間(第2の客観値)、操作距離(第3の客観値)およびエラー率(第4の客観値)を計測する。算出処理では、計測処理で計測された客観要因に基づいて評価値を算出する。なお、計測処理および算出処理は、第1実施形態で説明した計測処理および算出処理と同一であるため説明は省略する(図12〜図16参照)。
図23に示すように、面積パラメータ決定処理では、先ず始めに、算出処理で算出された評価値が制御部86に入力される(ステップS401)。次に、制御部86は、目標値と入力された評価値との差が所定値βよりも大きいか否か判断する(ステップS402)。ここで、目標値と評価値との差が所定値βよりも大きい場合(ステップS402のYes)、ドライバが前回の操作で選択肢画像Aを選択した際の操作性(評価値)が低かったことを意味する。そこで、制御部86は、操作画像68に表示された引込領域Sの面積が大きくなるよう面積パラメータを変更する(ステップS403)。
面積パラメータが変更されると、画像制御部70は、当該面積パラメータが規定する面積で引込領域Sを表示させる。その結果、図24に示すように、選択肢画像A〜Cの引込領域Sが大きく表示される(図24の一点鎖線は大きく表示される前の引込領域Sを示す)。
引込領域Sが大きく表示された状態で、ドライバが再び選択肢画像Aを選択する場合を想定する。この場合、引込領域Sの面積が大きくなっていることから、ドライバは、当該引込領域Sにカーソル24を重ねる操作が前回の操作に比べて簡単となる。その結果、選択肢画像Aにカーソル24を効率よく重ねることができ、選択肢画像Aを選択する操作が行い易くなる。そのため、計測部40で計測される操作時間や操作距離等の客観要因の値が小さくなり、算出部42で算出される評価値が向上する(高くなる)。
引込領域Sの面積を大きくした結果、算出部42での評価値が大きくなると(ステップS404のNo)、制御部86は、目標値と評価値との差がβより大きいか否か再び判断する(ステップS402)。目標値と評価値との差がβよりも依然として大きい場合(ステップS402のYes)、制御部86は、再び引込領域Sの面積が大きくなるよう面積パラメータを変更する(ステップS403)。その結果、変更された面積パラメータに基づいて、画像制御部70は、引込領域Sを更に大きく表示させる。
引込領域Sの面積が更に大きくなることで、より効率的にカーソル24を選択肢画像Aに重ねることができるようになれば、算出部42で算出される評価値は更に向上する(ステップS404のNo)。そして、制御部86は、ステップS402に戻り、目標値と評価値との差が所定値βより大きいか否か再び判断する。
目標値と評価値との差が所定値βよりも小さくなると(ステップS402のNo)、そのときの引込領域Sの面積は選択肢画像Aを効率よく選択し得る大きさであるといえる。従って、制御部86は、そのときの値を面積パラメータに決定し(ステップS407)、面積パラメータ決定処理を終了させる。
ここで、引込領域Sの面積が大きくなると、選択肢画像A以外の選択肢画像B,Cの引込領域Sにカーソル24が重なる可能性も大きくなる。従って、例えば、ドライバの意図に反して、選択肢画像Bの引込領域Sにカーソル24が重なってしまうと、ドライバは、カーソル24を選択肢画像Bから引き離す操作が余分に必要となる。その結果、選択肢画像Aを選択するまでに、計測部40で計測される操作時間や操作距離等の客観要因の値が大きくなり、車両用装置60の操作性が却って低下してしまう。
すなわち、ステップS403の結果、引込領域Sの面積が過度に大きくなると、算出部42で算出される評価値が小さくなる(ステップS404のYes)。この場合、制御部86は、引込領域Sの面積が小さくなるよう面積パラメータを変更する(ステップS405)。その結果、過度に大きくなった引込領域Sの面積が是正され、操作性(評価値)が再び向上する。
そして、制御部86は、目標値と評価値との差が所定値βよりも小さいか否か判断し(ステップS406)、当該差が所定値βよりも小さければ(ステップS406のYes)、そのときの値を面積パラメータに決定する(ステップS407)。一方、ステップS406が否定された場合、制御部86は、目標値と評価値との差が所定値βよりも小さくなるまで、面積パラメータを変更する(引込領域Sの面積を小さくする)(ステップS405,S406)。このように、制御部86は、算出部42で算出される評価値が目標値に近づくように面積パラメータをフィードバック制御する。従って、決定された面積パラメータにより実現される車両用装置60の評価値は、目標値に近い値となる。
面積パラメータ決定処理で面積パラメータが決定されると、以後、画像制御部70は、当該面積パラメータが規定する面積の引込領域Sを表示させる。従って、面積パラメータが決定された後は、最適な大きさの引込領域Sが表示されるようになり、ドライバは、選択肢画像A〜Cを選択する操作を快適に行うことができる。
面積パラメータ決定処理で面積パラメータが決定されると、次に、制御部86は、反力パラメータ決定処理を実行する。図25に示すように、反力パラメータ決定処理では、先ず始めに、算出部42で算出された評価値が制御部86に入力される(ステップS501)。次いで、制御部86は、目標値と評価値との差が所定値γよりも大きいか否か判断する(ステップS502)。目標値と評価値との差が所定値γよりも大きい場合(ステップS502のYes)、操作ノブ32を引き込む反力が不足していると考えられる。そこで、制御部86は、操作ノブ32に作用する反力が大きくなるよう反力パラメータを変更する(ステップS503)。
制御部86によって反力パラメータが変更されると、操作制御部72は、当該反力パラメータが規定する大きさの反力が操作ノブ32に作用するようX方向反力モータ82およびY方向反力モータ84を制御する。ここで、反力パラメータが変更された後に、ドライバが選択肢画像Aを再び選択する場合を想定する。ドライバが操作ノブ32を操作して、カーソル24が選択肢画像Aの引込領域Sに重なると、カーソル24が選択肢画像Aに向けて引き込まれるように表示される。
このとき、操作制御部72は、X方向反力モータ82およびY方向反力モータ84を制御して、前回よりも大きな反力を操作ノブ32に作用させる。このため、操作ノブ32が引き込まれている際にドライバが操作ノブ32を誤操作したとしても、当該誤操作の影響を操作ノブ32が受け難くなる。そのため、カーソル24が確実に選択肢画像Aに引き込まれるようになり、選択肢画像Aを選択する際の操作性が向上することになる。
操作ノブ32に作用する反力を大きくすることで操作性が向上すると、算出部42で算出される評価値が向上する(ステップS504のNo)。そして、制御部86は、再び目標値と評価値との差が所定値γよりも大きいか否かを判断する(ステップS502)。操作性が向上した結果、目標値と評価値との差が所定値γよりも小さくなれば(ステップS502のNo)、このときの操作ノブ32に作用する反力が最適であるといえる。従って、制御部86は、このときの値を反力パラメータに決定し(ステップS507)、反力パラメータ決定処理を終了する。
一方、ステップS502において、目標値と評価値との差が依然として所定値γよりも小さい場合(ステップS502のYes)、制御部86は、操作ノブ32に作用する反力が更に大きくなるよう反力パラメータを制御する(ステップS503)。その結果、ドライバがより効率的にカーソル24を選択肢画像Aに重ねることが可能となれば、算出部42で算出される評価値が更に向上する(ステップS504のNo)。そして、制御部86は、再び目標値と評価値との差が所定値γよりも大きいか否か判断する(ステップS502)。
ステップS502において、目標値と評価値との差が所定値γよりも小さくなると(ステップS502のNo)、制御部86は、このときの値を反力パラメータに決定し(ステップS507)、反力パラメータ決定処理を終了する。
ここで、操作ノブ32を引き込む反力が過度に大きくなった状態で、例えばドライバが誤ってカーソル24を選択肢画像Bの引込領域Sに重ねてしまうと、操作ノブ32が強い力で引き込まれることになる。そして、カーソル24が選択肢画像Bに引き込まれるのを阻止するため、ドライバが操作ノブ32の軌道を反力に抗して修正するのが困難となる。その結果、選択肢画像Aを選択するまでに、計測部40で計測される操作時間や操作距離等の客観要因の値が大きくなり、車両用装置60の操作性が低下することになる。
すなわち、ステップS503の結果、操作ノブ32に作用する反力が過度に大きくなると、算出部42で算出される評価値は小さくなってしまう(ステップS504のYes)。この場合、制御部86は、操作ノブ32に作用する反力が小さくなるよう反力パラメータを変更する(ステップS505)。その結果、過度に大きくなった反力が是正されて、操作性(評価値)が改善することになる。
そして、制御部86は、ステップS506において、目標値と評価値との差が所定値γよりも小さいか否か判断し、当該差が所定値γよりも小さければ(ステップS506のYes)、このときの値を反力パラメータに決定する(ステップS507)。一方、ステップS506が否定された場合、制御部86は、目標値と評価値との差が所定値γよりも小さくなるまで、反力パラメータを変更する(ステップS505,S506)。このように、反力パラメータ決定処理においても、評価値が目標値に近づくように反力パラメータをフィードバック制御する。従って、決定された反力パラメータで実現される車両用装置60の評価値は、目標値に更に近づいたものとなる。
このようにして反力パラメータが決定されると、以後、操作制御部72は、当該反力パラメータが規定する大きさの反力が操作ノブ32に作用するようX方向反力モータ82およびY方向反力モータ84を制御する。従って、以後、操作ノブ32は最適な反力で引き込まれ、ドライバは、選択肢画像A〜Cを選択する操作を快適に行うことができる。
以上に説明したように、本実施形態に係る車両用装置60の操作性制御方法および操作性制御装置62によれば、以下の効果を奏する。
計測部40が計測した客観要因(車線ズレ量、操作時間、操作距離およびエラー率)から算出部42が操作性の正確な評価値を算出する。そして、制御部86は、評価値が目標値に近づくように車両用装置60の操作パラメータ(面積パラメータおよび反力パラメータ)を制御する。すなわち、車両用装置60の操作性の評価が低い場合に、制御部86が操作性パラメータを自動的に調整して、車両用装置60の操作性が改善される。従って、操作性パラメータが決定されると、車両用装置60の操作性が向上して、ドライバは車両用装置60を快適に操作することができる。
ここで、算出部42は、計測部40が計測した車線ズレ量や操作時間等の客観要因に基づいて評価値を算出する。そして、計測される客観要因には、ドライバが車両用装置60を操作する際の特性や癖が反映されることになる。例えば、選択肢画像Aを選択するような操作を不得手とするドライバは、当該操作に意識が奪われがちとなる。そのため、運転への集中力が相対的に低くなり、計測部40で計測される車線ズレ量や操作時間等が大きくなる。その結果、算出部42で算出される評価値が低くなり、制御部86は、評価値が目標値に近づくように操作パラメータを制御することになる。
一方、選択肢画像Aを選択するような操作を得意とするドライバは、運転に集中することができるため、計測部40で計測される客観要因は小さくなる。この場合、算出部42が算出する評価値は高いものとなるから、制御部86は、操作パラメータを大きく変更することはない。
このように、本実施形態の操作性制御方法および操作性制御装置62によれば、個々のドライバの特性や癖に合わせて、車両用装置60の操作パラメータが適宜設定されることになる。従って、個々のドライバに合わせて車両用装置60が最適にカスタマイズされるから、多くのドライバが快適な操作感を味わうことができる。
選択肢画像A〜Cを選択する際の車両用装置60の評価値が低い場合、制御部86は、面積パラメータを変更して、引込領域Sの面積を大きくさせる。これにより、カーソル24を引込領域Sに重ね易くなり、選択肢画像A〜Cを効率よく選択することができる。その結果、選択肢画像A〜Cを選択する際の操作性を向上することができる。
一方、引込領域Sを大きくした結果、評価値が低くなった場合には、引込領域Sの面積が過度に大きくなったと考えられる。このような場合、制御部86は、引込領域Sの面積が小さくなるよう面積パラメータを変更するから、引込領域Sが適当な大きさに是正される。
更に制御部86は、選択肢画像A〜Cを選択する際の車両用装置60の評価値が低い場合に、制御部86は、反力パラメータを変更して、操作ノブ32に作用する反力を大きくさせる。これにより、操作ノブ32が引き込まれている状態でドライバが誤操作をしても、操作ノブ32が当該誤操作の影響を受け難くなる。その結果、選択肢画像A〜Cを効率よく選択することができ、操作性が向上される。
一方、操作ノブ32に作用する反力が大きくなった結果、評価値が低くなった場合には、操作ノブ32に作用する反力が過度に大きくなったと考えられる。この場合、制御部86は、操作ノブ32に作用する反力が小さくなるよう反力パラメータを変更することで、反力を適当な大きさに修正することができる。
このように、本実施形態の操作性制御方法および操作性制御装置62では、2つの操作パラメータ(面積パラメータおよび反力パラメータ)を制御することで、評価値を目標値により近づけることができる。その結果、車両用装置60の操作性を最大限まで向上させることが可能となる。
更に、本実施形態に係る操作性制御方法および操作性制御装置62は、第1実施形態で説明した効果と同様な効果を奏することができる。
なお、前述した第2実施形態の操作性制御方法および操作性制御装置62は、以下のように変更することができる。
1.第2実施形態では、制御部86が制御する操作パラメータとして、引込領域Sの面積を規定する面積パラメータおよび反力の大きさを規定する反力パラメータを例示した。しかしながら、操作パラメータとしては、これらに限定されるものではない。例えば、操作ノブ32に反力が線形的に(徐々に)作用する構成としたものにおいて、反力の傾きを規定するパラメータを制御対象としてもよい。また、操作ノブ32に作用する反力の分解能を規定するパラメータを制御対象としてもよい。
更には、カーソル24の移動速度を規定するパラメータを制御対象としたり、選択肢画像A〜Cの面積を規定するパラメータを制御対象としたりすることも可能である。なお、第2実施形態のように、面積パラメータおよび反力パラメータの双方を必ずしも制御する必要はなく、何れか一方のみを制御するようにしてもよい。
2.第2実施形態では、いわゆるハプティックデバイスを車両用入力装置66として採用した。しかしながら、タッチパネルディスプレイやタッチパッドデバイス等を車両用入力装置66として採用することができる。なお、タッチパネルディスプレイやタッチパッドデバイスを車両用入力装置66として採用した場合には、操作ノブ32のような反力を作用させる対象がない。この場合、制御部86は、面積パラメータのみを制御対象とすることになる。
3.第2実施形態では、面積パラメータを決定した後、反力パラメータを決定したが、逆の順序で決定してもよい。また、面積パラメータおよび反力パラメータを同時に決定してもよい。
また、制御部86が面積パラメータや反力パラメータを制御する際、両パラメータの変化量を目標値と評価値との乖離度に比例させてもよい。例えば、算出された評価値が目標値から大きく乖離している場合、制御部86は、引込領域Sの面積を乖離度合いに応じて大きく(または小さく)なるよう面積パラメータを制御してもよい。同様に、目標値と評価値との乖離度合いに比例して、操作ノブ32に作用する反力が大きく(または小さく)なるよう反力パラメータを制御してもよい。
4.第2実施形態では、操作性制御装置62を自動車に搭載して、ドライバが自動車を実際に運転しながら車両用装置60の操作性を制御する場合を例示した。しかしながら、操作性制御装置62をドライビングシミュレータに搭載して、ドライバがドライビングシミュレータを模擬的に運転する間に車両用装置60の操作性を制御するようにしてもよい。
5.第2実施形態では、ドライバが選択肢画像Aを選択する際に、車両用装置60の操性を制御する場合を例示した。しかしながら、操作性を制御する態様については、第2実施形態に限定されるものではない。例えば、エアコンを設定する操作画像(図7の画面2参照)において、エアコンの設定温度を設定する場合の操作性を制御してもよい。また、目的地等の文字入力を行う操作画像(図7の画面3参照)において、所定の文字を入力する場合の操作性を制御してもよい。
更に、第1実施形態および第2実施形態は、以下のように共通して変更することができる。
1.第1および第2実施形態では、主観要因として第1の主観値(運転に集中できる)、第2の主観値(操作に労力がいらない)、第3の主観値(おおざっぱに操作できる)、第4の主観値(操作ミスが起こりにくい)の4つを採用した。しかしながら、主観要因として必ずしもこれら4つ主観値を採用する必要はない。例えば、影響度の最も大きい第1の主観値のみを主観要因として採用してもよい。また、第1の主観値と、第2〜第4の主観値における何れか1つまたは2つとを組み合わせたものを主観要因として採用してもよい。
更に、第1〜第4の主観値に加えて、図5に示す他の主観値を主観要因として採用することも可能である。例えば、追加する主観値として、影響度の大きい「表示やボタンの意味が分かる」や「腕や身体が安定する」が挙げられる。
2.客観要因についても、必ずしも4つの客観値(車線ズレ量、操作時間、操作距離、エラー率)を採用する必要はなく、採用された主観要因に対応して客観要因を決定すればよい。例えば、主観要因として第1の主観値のみが採用された場合には、客観要因として第1の客観値のみが採用される。また、主観要因として、「腕や身体が安定する」が追加された場合、対応する客観要因として、ドライバの筋負担や操作ノブ32に対する接触圧を採用することができる。
また、第1の主観値に対応する第1の客観値として、車線ズレ量を採用したが、第1の客観値としては、「運転に集中できる」と感じることに相関性を有する他の因子を採用し得る。例えば、第1の客観値として、ステアリングの操舵角を採用することができる。また、第1の客観値として、前方の車との車間距離や車間時間を採用したり、アクセルおよびブレーキの操作時間を第1の客観値として採用したりしてもよい。
第2の主観値に対応する第2の客観値としては、操作時間に限定されず、「操作に労力がいらない」と感じることに相関性を有する他の因子を採用し得る。例えば第2の客観値として、操作回数を採用することができる。
第3の主観値に対応する第3の客観値としては、操作距離に限定されず、「おおざっぱに操作できる」と感じることに相関性を有するものであれば他の因子を採用し得る。例えば、第3の客観値として、米国航空宇宙局(NASA)が開発したNASA−TLXの評価結果を採用してもよい。
第4の主観値に対応する第4の客観値としては、エラー率に限定されず、「操作ミスがない」と感じることに相関性を有する他の因子を採用してもよい。例えば、操作ミスの内容を分析して点数化したものを第4の客観値として採用してもよい。
3.第1および第2実施形態では、式(12)に示す定量化式を用いて評価値を算出した。この定量化式は、図9に示すアンケート調査において1〜7の7段階で評価を行った結果が反映されている。このため、定量化式で算出される評価値の最大値(第2実施形態の目標値)は、7となっていた。しかしながら、評価値を算出する定量化式としては、式(12)に限定されるものではない。例えば、1〜10の10段階で評価するアンケートを実施し、その結果から定量化式を導出すれば、式(12)と異なる定量化式が得られる。また、主観要因や客観要因の内容や数を変更して、回帰分析や重回帰分析を行うことで、式(12)と異なる定量化式が導出される。このように、評価値を得る定量化式おしては、式(12)に限定されず、異なる定量化式を用いて評価値を算出してもよい。
10…車両用装置、40…計測部(計測手段)、42…算出部(算出手段)、44…出力部(出力手段)、46…車線ズレ量計測部(第1の計測部)、48…操作時間計測部(第2の計測部)、50…操作距離計測部(第3の計測部)、52…エラー率算出部(第4の計測部)、L1…基準走行線(走行線)、L2…走行軌跡。
Claims (12)
- 車両またはドライビングシミュレータに搭載された車両用装置(10)の操作性を定量的に評価する車両用装置の操作性評価方法であって、
ユーザが前記車両用装置を操作する際に、前記操作性に影響度のある主観要因に相関性を有する客観要因を計測手段(40)が計測するステップ(S100)と、
前記計測手段が計測した前記客観要因に基づいて、算出手段(42)が前記操作性の評価値を算出するステップ(S200)と、
前記算出手段が算出した前記評価値を出力手段(44)が出力するステップ(S300)とを備えた
ことを特徴とする車両用装置の操作性評価方法。 - 前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第1の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、車両またはドライビングシミュレータの走行軌跡(L2)が基準となる走行線(L1)に対してズレる量である第1の客観値を含む請求項1記載の車両用装置の操作性評価方法。 - 前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが操作に労力がいらないと感じる第2の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第2の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する時間である第2の客観値を含む請求項2記載の車両用装置の操作性評価方法。 - 前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザがおおざっぱに操作できると感じる第3の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第3の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に当該車両用装置に対して行った操作量である第3の客観値を含む請求項2または3記載の車両用装置の操作性評価方法。 - 前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが操作ミスが起こりにくいと感じる第4の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第4の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に発生した操作ミスの発生率である第4の客観値を含む請求項2〜4のいずれか一項に記載の車両用装置の操作性評価方法。 - 前記算出手段は、前記評価値と前記客観要因との関係を規定する第1の関係式を用いて前記評価値を算出するよう設定され、
前記第1の関係式は、
前記評価値と主観要因との関係を規定する第2の関係式、および前記主観要因と前記客観要因との関係を規定する第3の関係式から導出され、
前記第2の関係式は、
前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが操作に労力がいらないと感じる第2の主観値、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザがおおざっぱに操作できると感じる第3の主観値、および前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが操作ミスが起こりにくいと感じる第4の主観値と、
前記評価値と、
の関係を重回帰分析することで導出され、
前記第3の関係式は、
前記第1の主観値と、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、車両またはドライビングシミュレータの走行軌跡が基準走行線L1に対してズレる量である第1の客観値との相関関係を表す第1の回帰式、
前記第2の主観値と、前記ユーザが前記車両用装置を操作する時間である第2の客観値との相関関係を表す第2の回帰式、
前記第3の主観値と、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該車両用装置に対して行った操作量である第3の客観値との相関関係を表す第3の回帰式、および
前記第4の主観値と、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に発生した操作ミスの発生率である第4の客観値との相関関係を表す第4の回帰式、を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用装置の操作性評価方法。 - 車両またはドライビングシミュレータに搭載された車両用装置の操作性を定量的に評価する車両用装置の操作性評価装置であって、
ユーザが前記車両用装置を操作する際に、前記操作性に影響度のある主観要因に相関性を有する客観要因を計測する計測手段と、
前記計測手段が計測した前記客観要因に基づいて、前記操作性の評価値を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記評価値を出力する出力手段とを備えた
ことを特徴とする車両用装置の操作性評価装置。 - 前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第1の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、車両またはドライビングシミュレータの走行軌跡が基準となる走行線に対してズレる量である第1の客観値を含み、
前記計測手段は、前記第1の客観値を計測する第1の計測部(46)を備えている請求項7記載の車両用装置の操作性評価装置。 - 前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが操作に労力がいらないと感じる第2の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第2の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する時間である第2の客観値を含み、
前記計測手段は、前記第2の客観値を計測する第2の計測部(48)を備えている請求項8記載の車両用装置の操作性評価装置。 - 前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザがおおざっぱに操作できると感じる第3の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第3の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に当該車両用装置に対して行った操作量である第3の客観値を含み、
前記計測手段は、前記第3の客観値を計測する第3の計測部(50)を備えている請求項8または9記載の車両用装置の操作性評価装置。 - 前記主観要因は、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが操作ミスが起こりにくいと感じる第4の主観値を含み、
前記客観要因は、前記第4の主観値に相関性を有すると共に、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に発生した操作ミスの発生率である第4の客観値を含み、
前記計測手段は、前記第4の客観値を計測する第4の計測部(52)を備えている請求項8〜10のいずれか一項に記載の車両用装置の操作性評価装置。 - 前記算出手段は、前記評価値と前記客観要因との関係を規定する第1の関係式を用いて前記評価値を算出するよう設定され、
前記第1の関係式は、
前記評価値と主観要因との関係を規定する第2の関係式、および前記主観要因と前記客観要因との関係を規定する第3の関係式から導出され、
前記第2の関係式は、
前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが運転に集中できると感じる第1の主観値、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが操作に労力がいらないと感じる第2の主観値、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザがおおざっぱに操作できると感じる第3の主観値、および前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該ユーザが操作ミスが起こりにくいと感じる第4の主観値と、
前記評価値と、
の関係を重回帰分析することで導出され、
前記第3の関係式は、
前記第1の主観値と、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、車両またはドライビングシミュレータの走行軌跡が基準走行線L1に対してズレる量である第1の客観値との相関関係を表す第1の回帰式、
前記第2の主観値と、前記ユーザが前記車両用装置を操作する時間である第2の客観値との相関関係を表す第2の回帰式、
前記第3の主観値と、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に、当該車両用装置に対して行った操作量である第3の客観値との相関関係を表す第3の回帰式、および
前記第4の主観値と、前記ユーザが前記車両用装置を操作する際に発生した操作ミスの発生率である第4の客観値との相関関係を表す第4の回帰式、を含む請求項7〜11のいずれか一項に記載の車両用装置の操作性評価装置。
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