JP2014202642A - 光学素子の面間隔測定装置および面間隔測定方法 - Google Patents

光学素子の面間隔測定装置および面間隔測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学素子の面間隔測定装置において、光学素子の面間隔を簡素な構成によって迅速かつ正確に非接触測定することができるようにする。
【解決手段】面間隔測定装置100は、連続的な波長分布を有する光源21と、色収差を有し、光源21からの光束を収束光として被検レンズ50の第1面50aおよび第2面50bにこの順に照射するとともに、第1面50aおよび第2面50bからの反射光をファイバ端面11aに集光する測定光学系3と、集光された反射光の分光スペクトルを取得する分光器23および撮像素子24と、分光スペクトルのピーク波長を求めることにより、第1面50aの反射光の波長と、第2面50bの反射光の波長とを測定し、被検レンズ50の屈折率の情報と第1面50aの面形状の情報とに基づいて、第1面50aと第2面50bとの間の面間隔を算出する面間隔算出部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子の面間隔測定装置および面間隔測定方法に関する。
従来、光学素子の面間隔を非接触で測定する面間隔測定装置としては、例えば、低コヒーレンス干渉を用いた面間隔測定装置が知られている。
一方、光学素子の面間隔測定装置とは異なるが、共焦点光学系を用いることにより、光反射性の被計測物の変位を非接触で測定する測定装置が知られている。
例えば、特許文献1には、複数の波長の光を出射する光源(たとえば白色光源)から出射する光に、光軸に沿って色収差を生じさせる色収差レンズを備えている共焦点光学系を用いた参照面に対する相対位置計測装置および方法が記載されている。
特許文献1に開示されている装置は、計測対象物の変位に応じて、合焦する色収差レンズからの光の波長が異なるため、ピンホールを通過する光の波長が変化する。このため、ピンホールを通過した光の波長を測定することによって、計測対象物の変位を計測することができる。
また、特許文献2には、同様な測定原理による距離計測を行う共焦点マイクロスコープが記載されている。この装置は、特許文献1のような色収差レンズに代えて、回折レンズを用いて色収差を生じさせている点や、光源からコリメートレンズまでの光路、およびコリメートレンズから分光器までの光路に光ファイバを用いている点が、特許文献1の装置と異なっている。
米国特許第4585349号明細書 米国特許第5785651号明細書
しかしながら、上記のような従来の光学素子の面間隔測定装置には、以下のような問題があった。
低コヒーレンス干渉を用いた従来の面間隔測定装置では、干渉位置を見つけるために参照面を面間隔以上の範囲で高精度に移動させる必要があるため、装置の設定や測定に時間がかかるという問題がある。
また、干渉光学系を用いるため、装置構成が複雑になるという問題がある。
これに対して、より容易に非接触位置測定を行うことができ、構成も簡素となる特許文献1、2に記載された共焦点光学系を用いた計測装置を用いることも考えられる。
しかし、特許文献1、2に記載の計測装置を用いて、光学素子の面間隔を測定するには、被検光学素子の第1面の相対位置と第2面の相対位置とを求める必要があるが、第2面の反射光は、第1面による屈折の影響を受けるため、第2面の正確な相対位置を計測することができないという問題がある。
例えば、特許文献1、2に記載の計測装置を用いて、被検光学素子として、平凸レンズの面間隔を測定することを考える。
この場合、平面を第1面として装置側に配置した場合と、凸面を第1面として装置側に配置した場合とでは、異なる測定値が得られる。これは、光線が入射する被検光学素子の第1面の曲率半径の違いにより第1面からの射出角度が異なることで、第2面で面頂反射する光線の波長が異なるためである。
また、板ガラスのような平板を測定する場合でも、第2面で反射する光線は第1面で屈折した光線であるため、面間隔の測定値が見かけ上大きくなってしまい、絶対値は分からないという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、光学素子の面間隔を簡素な構成によって迅速かつ正確に非接触測定することができる光学素子の面間隔測定装置および面間測定方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の光学素子の面間隔測定装置は、連続的な波長分布を有する光源と、色収差を有し、前記光源からの光束を収束光として被検光学素子の第1面および第2面にこの順に照射するとともに、前記収束光による前記第1面および第2面からの反射光を一定の集光位置に集光する測定光学系と、前記集光位置に集光された前記反射光の分光スペクトルを取得する分光測定部と、前記分光スペクトルのピーク波長を求めることにより、前記第1面の反射光の波長と、前記第2面の反射光の波長とを測定し、前記被検光学素子の屈折率の情報と前記第1面の面形状の情報とに基づいて、前記第1面と前記第2面との間の面間隔を算出する面間隔算出部と、を備える構成とする。
上記光学素子の面間隔測定装置では、前記被検光学素子を前記測定光学系の光軸に沿って移動する移動部と、前記移動部によって前記被検光学素子を移動させて、2位置以上で、前記分光測定部から前記分光スペクトルを取得し、前記面間隔算出部によって前記分光スペクトルのそれぞれから複数の面間隔を算出させる測定制御部と、前記複数の面間隔の算出値を用いて、面間隔の測定値を算定する面間隔算定部と、を備えることが可能である。
上記光学素子の面間隔測定装置では、前記面間隔算定部は、前記複数の面間隔の算出値が一致しない場合に、前記第1面の面形状データを修正して、前記面間隔算出部に、前記複数の面間隔の再計算を行わせ、この再計算による複数の面間隔の算出値が一致した場合に、該複数の面間隔の収束値を、面間隔の測定値として算定することが可能である。
本発明の第2の態様の光学素子の面間隔測定方法は、色収差を有する測定光学系から出射される、連続的な波長分布を有する収束光を、被検光学素子の第1面および第2面にこの順に照射する光照射工程と、前記収束光による前記第1面および第2面からの反射光を前記測定光学系によって一定の集光位置に集光する集光工程と、前記集光位置に集光された前記反射光の分光スペクトルを取得する分光工程と、前記分光スペクトルのピーク波長を求めることにより、前記第1面の反射光の波長と、前記第2面の反射光の波長とを測定し、前記被検光学素子の屈折率の情報と前記第1面の面形状の情報とに基づいて、前記第1面と前記第2面との間の面間隔を算出する面間隔算出工程と、を備える方法とする。
上記光学素子の面間隔測定方法では、前記被検光学素子を前記測定光学系の光軸に沿って移動することにより、2位置以上で、前記分光工程、および前記面間隔算出工程を行った後に、前記面間隔算出工程で算出された複数の面間隔の算出値を用いて、面間隔の測定値を算定する面間隔算定工程を備えることが可能である。
上記光学素子の面間隔測定装置では、前記面間隔算定工程は、前記複数の面間隔の算出値が一致しない場合に、前記第1面の面形状データを補正して前記分光工程および前記面間隔算出工程を繰り返し、この繰り返しによる複数の面間隔の算出値が一致した場合に、該複数の面間隔の収束値を、面間隔の測定値として算定することが可能である。
本発明の光学素子の面間隔測定装置および面間隔測定方法によれば、色収差を有する測定光学系によって集光位置に集光された被検光学素子の第1面および第2面からの反射光の分光スペクトルに基づいて反射光の波長を算出し、被検光学素子の屈折率の情報と第1面の面形状の情報とに基づいて、第1面と第2面との間の面間隔を算出するため、光学素子の面間隔を簡素な構成によって迅速かつ正確に非接触測定することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態の光学素子の面間隔測定装置の概略構成を示す模式的な構成図である。 本発明の第1の実施形態の光学素子の面間隔測定装置の制御ユニットの機能構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態の光学素子の面間隔測定方法の測定フローを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の光学素子の面間隔測定装置による分光スペクトルの一例を示す模式的なグラフである。 本発明の第1の実施形態の光学素子の面間隔測定装置による面間隔の測定原理について説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態の光学素子の面間隔測定装置の制御ユニットの機能構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第2の実施形態の光学素子の面間隔測定方法の測定フローを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の光学素子の面間隔測定方法における面間隔算出の処理フローを示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の光学素子の面間隔測定装置および面間隔測定方法について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の光学素子の面間隔測定装置の概略構成を示す模式的な構成図である。図2は、本発明の第1の実施形態の光学素子の面間隔測定装置の制御ユニットの機能構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の面間隔測定装置100(光学素子の面間隔測定装置)は、共焦点光学系を用いて光学素子の面間隔を測定する装置である。
面間隔測定装置100によって測定可能な被検光学素子としては、測定光を反射する光学面を有する光学素子であれば、特に限定されず、例えば、レンズ、平行平板、プリズム等の光学素子などを挙げることができる。
被検光学素子が曲率を有する場合、曲面は、凸面でもよいし、凹面でもよい。また、曲面の形状も特に限定されず、例えば、球面、非球面、シリンドリカル面、自由曲面等の面形状を採用することができる。
以下では、一例として、被検光学素子が被検レンズ50の場合の例で説明する。
被検レンズ50は、凸面からなる第1面50aと、凸面からなる第2面50bとを備える両凸レンズである。
このため、特に断らない限り、第1面50aと第2面50bとの間の面間隔を、被検レンズ50の面間隔と称する。
なお、第1面、第2面の区別は、面間隔測定装置100に対する配置位置の区別であり、後述する測定光学系3から出射される光束の照射順序に対応している。すなわち、後述するヘッド部10に対向する光学面を第1面と称し、その裏面を第2面と称する。
したがって、被検レンズ50の使用上の配置における光束の入射順序、あるいはレンズ設計における光線入射順序に基づく第1面、第2面の名称とは相違していてもよい。
面間隔測定装置100の概略構成は、保持台12、移動ステージ13、ヘッド部10、装置本体部20、表示部25、および操作部26を備える。
保持台12は、被検レンズ50を保持する装置部分であり、本実施形態では、被検レンズ50のレンズ光軸が鉛直軸に沿う姿勢で被検レンズ50を保持できるようになっている。
保持台12には、被検レンズ50の第1面50aを上側に向けて保持する。ここで、曲率半径の異なるレンズのどちらを第1面として上側に向けて保持するかは、特に限定されない。例えば、凸球面と平面とで構成される平凸レンズの面間隔を面間隔測定装置100で測定する場合、凸球面を第1面として上側に向けて保持してもよいし、平面を第1面として上側に向けて保持してもよい。ただし、どちらを第1面とするかは、測定開始前に予め決定しておく。
なお、被検レンズ50の保持姿勢は、レンズ光軸をヘッド部10の光軸と整列させることができれば、レンズ光軸が鉛直軸と交差する姿勢であってもよい。
移動ステージ13は、後述するヘッド部10に対して保持台12を移動させるための装置部分であり、少なくとも、保持台12を鉛直軸に沿う方向に移動するZ軸ステージを備えている。また、移動ステージ13として装備可能なその他の移動機構としては、例えば、水平方向に移動するXY軸ステージや、2軸方向の傾動を行うゴニオステージなどの例を挙げることができる。これらの移動機構を併せて備えることにより、保持台12に保持された被検レンズ50の位置および姿勢の調整の自由度を増大させることができる。
移動ステージ13は、後述する装置本体部20の制御ユニット30と電気的に接続され、制御ユニット30からの制御信号によって動作制御が行われるようになっている。
ヘッド部10は、面間隔測定に用いる共焦点光学系を収容する装置部分であり、筒状部材10aの一端部(図示の上側)に、光ファイバ11が接続され、筒状部材10aの内部に光ファイバ11のファイバ端面11aが露出されている。筒状部材10aの他端部(図示の下側)は開口されている。
光ファイバ11のファイバ端面11aにおける光軸は、筒状部材10aの中心軸線Cに整列されている。なお、光ファイバ11のファイバ端面11aと反対側のファイバ端面11bは、後述する装置本体部20に接続されている。
筒状部材10aの内部には、中心軸線Cにそれぞれのレンズ光軸を整列させてコリメータレンズ2と、回折レンズ1とが配置されている。このため、中心軸線Cは、コリメータレンズ2および回折レンズ1で構成される測定光学系3の光軸Oを構成している。
コリメータレンズ2は、光ファイバ11のファイバ端面11aから出射される光を集光して平行光束にする集光光学素子であり、ファイバ端面11aの中心に焦点が一致する位置に配置されている。
なお、図1は模式図のため、コリメータレンズ2を単レンズとして描いているが、コリメータレンズ2は単レンズには限定されず、複数枚のレンズで構成することが可能である。
回折レンズ1は、コリメータレンズ2によって集光された平行光束を集光するとともに、光軸Oに沿う色収差を発生させる集光光学素子である。
回折レンズ1は、後述する光源21の波長範囲において、被検光学素子の面間隔が測定可能な色収差量を発生できればよい。
回折レンズ1は比較的安価に色収差を発生できる光学部材であるが、必要な色収差を発生させることができれば、回折レンズ1に代えて、屈折レンズを採用することも可能である。また、回折レンズ1に代えて屈折レンズを採用する場合、単レンズで構成してもよいし、複数枚のレンズで構成してもよい。
このような構成のヘッド部10は、保持台12に保持された被検レンズ50の上方において、光軸Oおよび中心軸線Cを鉛直軸に整列させた状態で、図示略の支持部材によって支持されている。
装置本体部20は、光源21、分岐光ファイバ22、分光器23(分光測定部)、撮像素子24(分光測定部)、および制御ユニット30を備える。
光源21は、一定の波長範囲において連続的な波長分布を有する光源であれば、特に限定されず、例えば、白色LED(Light Emitting Diode)、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の光源を採用することができる。
本実施形態では、このような光源21の一例として、少なくとも可視波長域で連続的な波長分布を有する白色LEDを採用している。
分岐光ファイバ22は、光源21から出射された光を、光ファイバ11のファイバ端面11bを通して、光ファイバ11内に導光するとともに、ファイバ端面11bから出射された光を分岐して分光器23に導く装置部分である。
このため、分岐光ファイバ22は、接続ポートとして、光ファイバ22a、22b、22cを有しており、これにより、光ファイバ22bに入射した光を光ファイバ22aに導光するとともに、光ファイバ22aに入射した光を光ファイバ22cに導光できるようになっている。
光ファイバ22aの端部は、光ファイバ11のファイバ端面11b側の端部と図示略の光コネクタを介して光学的に接続されている。
光ファイバ22bの端部は、光源21と図示略の光コネクタを介して光学的に接続されている。
光ファイバ22cの端部は、後述する分光器23と図示略の光コネクタを介して光学的に接続されている。
分光器23は、凹面ミラー23a、回折格子23b、および集光レンズ23cを備える。分光器23において、凹面ミラー23aに対向する位置には、分岐光ファイバ22の光ファイバ22cの端部が配置されている。
凹面ミラー23aは、ファイバ端面11aに入射して光ファイバ11および分岐光ファイバ22に導光され、光ファイバ22cから出射される発散光を集光して、回折格子23bに照射する光学素子である。
回折格子23bは、凹面ミラー23aで反射された光束を回折して分光する光学素子である。
集光レンズ23cは、回折格子23bによって分光された光を像面に集光するレンズまたはレンズ群である。
撮像素子24は、分光器23から出射する光を光電変換して光の強度を測定することにより、分光スペクトルを取得する装置部分であり、例えば、ラインCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やラインCCD(Charge Coupled Device)、あるいは2次元のCMOSや2次元のCCDを採用することができる。
撮像素子24は、後述する制御ユニット30と電気的に接続されており、このため、撮像素子24によって光電変換された画像信号は制御ユニット30に送出される。
このような構成の分光器23と撮像素子24とは、ファイバ端面11aに集光された光の分光スペクトルを取得する分光測定部を構成している。
なお、分光測定部において、分光器23の構成は一例であって、光ファイバ22aから出射される光を分光できる装置構成であれば、分光器23の装置構成以外の構成を採用することもできる。例えば、分光器23に代えて、回折格子を用い、これを回転させて撮像素子24に到達する光の波長を変化させるモノクロメーターを採用することも可能である。
制御ユニット30は、面間隔測定装置100の動作制御を行うとともに、撮像素子24が取得した分光スペクトルに基づいて、面間隔の算出を行う装置部分である。
制御ユニット30には、制御ユニット30に送出された分光スペクトルの情報や制御ユニット30によって算出された面間隔などの情報をグラフや数値情報として表示する表示部25と、制御ユニット30に操作入力を行うため、例えばキーボード、マウス、操作ボタンなどからなる操作部26とが接続されている。
図2に示すように、制御ユニット30の機能構成は、測定制御部31、面間隔算出部32、および記憶部33を備える。
測定制御部31は、操作部26が接続されるともに、光源21、移動ステージ13、撮像素子24、面間隔算出部32、記憶部33、および表示部25と通信可能に接続され、操作部26からの操作入力に基づいて、これらの動作を制御したり、これらから必要に応じてデータを取得したり、取得したデータを適宜演算処理するものである。
測定制御部31が行う動作の例としては、例えば、光源21の点灯および消灯の制御、移動ステージ13の移動制御、撮像素子24による撮像動作制御、撮像素子24から画像信号の取得、取得した分光スペクトルのA/D変換処理、面間隔算出開始制御、操作部26から入力された情報を記憶部33に記憶させる動作、表示部25に種々のデータ、操作画面、操作ガイダンスなどを表示させる動作等を挙げることができる。A/D変換された分光スペクトルは、測定制御部31により必要に応じてノイズ除去処理などが行われた後、記憶部33に記憶される。
測定制御部31が行う演算処理の例としては、例えば、分光スペクトルのノイズ除去処理や、分光スペクトルのピーク検出処理などを挙げることができる。
面間隔算出部32は、記憶部33に記憶された分光スペクトルに基づいて、被検レンズ50の面間隔を算出するもので、本実施形態では、光線追跡ソフトに相当する演算機能を有している。面間隔の算出方法については後述の動作説明の中で説明する。
面間隔算出部32は、表示部25と通信可能に接続され、面間隔算出部32が算出に用いた分光スペクトル、面間隔算出部32が算出した面間隔等の情報、測定制御部31から送出された情報などを、必要に応じて表示部25に表示できるようになっている。
記憶部33は、測定制御部31および面間隔算出部32と通信可能に接続され、測定制御部31および面間隔算出部32から送出される各種データを読み出し可能に記憶するものである。
測定制御部31の装置構成は、CPU、メモリ、入出力インターフェース、外部記憶装置などからなるコンピュータからなり、これにより上記の各制御機能、演算機能に実現する制御プログラム、演算プログラムが実行されるようになっている。
次に、本実施形態の面間隔測定装置100の動作について、本実施形態の光学素子の面間隔測定方法を中心に説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態の光学素子の面間隔測定方法の測定フローを示すフローチャートである。図4は、本発明の第1の実施形態の光学素子の面間隔測定装置による分光スペクトルの一例を示す模式的なグラフである。グラフの横軸は波長λを表し、縦軸は強度Iを示す。図5は、本発明の第1の実施形態の光学素子の面間隔測定装置による面間隔の測定原理について説明する模式図である。
面間隔測定装置100によって、被検レンズ50の面間隔を測定するには、図3に示す測定フローに従って、ステップS1〜S7を実行する。
ステップS1は、測定制御部31が測定光学系3の情報を取得するステップである。
記憶部33には、装置本体部20に接続されたヘッド部10における測定光学系3の光学パラメータが予め記憶されている。
測定者によって、面間隔測定装置100に電源が投入されると、測定制御部31は、記憶部33に記憶されている光学パラメータをメモリに読み込む。これにより、測定光学系3の光学パラメータが、測定制御部31および面間隔算出部32によって利用可能になる。
ここで、光学パラメータは、光線追跡に必要なすべての設計データであり、例えば、測定光学系3のレンズ面の位置座標、曲率半径等の面形状データ、屈折率等の硝材データを含んでいる。
面形状データは、球面であれば、曲率半径のみでよいが、球面以外の場合には面形状を表す数式のパラメータも予め記憶されている。
屈折率は波長の関数となるため、例えば、セルマイヤーの分散式等の近似式として記憶しておき、各波長の値が求まるようにしている。
以上でステップS1が終了する。
なお、被検レンズ50の種類によってヘッド部10を交換する必要がある場合には、交換時に光学パラメータも更新しておく。
あるいは、交換可能なヘッド部10ごとの光学パラメータをデータベース化して、記憶部33に記憶しておき、測定者が、交換時に必要な光学パラメータを選択できるようにすることも可能である。
さらに、ヘッド部10に識別情報を記憶させておき、交換時に測定制御部31がヘッド部10の識別情報を読み取ることができるようにしておけば、ヘッド部10の交換とともに、測定制御部31が必要な光学パラメータを自動設定することも可能である。
次に、ステップS2を行う。本ステップは、測定制御部31が被検光学素子である被検レンズ50の設計データを取得するステップである。
ここで、被検レンズ50の設計データとしては、少なくとも、ヘッド部10に対向する位置に配置された光学面(本実施形態の例では第1面50a)の曲率半径等の面形状データと、被検レンズ50の屈折率等の硝材データとを含んでいる。硝材データは、測定光学系3の硝材データの場合と同様の近似式で与えられる。
また、面間隔の計算には必要ないが、第2面50bの面形状データや、面間隔の設計データも併せて取得できるようにしてもよい。
これらの設計データは、測定者が、対話入力等によって、測定の都度、操作部26から入力して測定制御部31に取得させることができる。ただし、予め、測定を行う予定の複数の光学素子の設計データをデータベース化して記憶部33に記憶しておき、測定者の選択した設計データを、測定制御部31に取得させるようにすればより好ましい。
以上で、ステップS2が終了する。
次に、ステップS3を行う。本ステップは、被検レンズ50を保持台12に保持するステップである。
測定者は、第1面50aを上方に向けた状態で被検レンズ50を保持台12に保持させ、必要に応じて、移動ステージ13による位置調整を行って、被検レンズ50のレンズ光軸が測定光学系3の光軸Oと同軸となるように位置合わせを行う。
被検レンズ50の光軸Oに沿う方向の位置は、光源21の波長範囲において、第1面50aおよび第2面50bにそれぞれ合焦する波長光が存在する位置であれば、特に限定されない。一例として、光源21の波長範囲の中心波長光が、被検レンズ50の面間隔の中心に集光されるような位置とすることができる。
以上で、ステップS3が終了する。
なお、上記ステップS1〜S3の実行順序は、この順序には限定されず、互いに入れ替えたり、並行して実行したりすることが可能である。
次に、ステップS4を行う。本ステップは、被検レンズ50に測定光を照射して、その反射光の分光スペクトルを取得するステップである。
本ステップは、測定者が操作部26から測定開始の操作入力を行うと、測定制御部31の測定動作制御が始まり、以下に説明する動作が自動的に実行される。
まず、測定制御部31により、光源21が点灯されて、測定光が被検レンズ50に照射される(光照射工程)。
すなわち、光源21から出射された光は、図1に示すように、光ファイバ22bに光結合され、分岐光ファイバ22、光ファイバ11を導光されて、ファイバ端面11aから発散光である光束Lとして出射される。
光束Lは、コリメータレンズ2によって集光されて、光軸Oに沿って進む平行光束となり、回折レンズ1に入射する。
回折レンズ1に入射した光束Lは、回折レンズ1によって集光され、収束光として被検レンズ50に向かう。このとき、回折レンズ1は色収差を有するため、波長によって集光位置がずれる。
したがって、第1面50a、第2面50bには、波長によって異なるスポット径の光束が照射され、それぞれの反射光のうち、回折レンズ1の開口角の範囲に入射した反射光のみが、回折レンズ1およびコリメータレンズ2によって集光される。
このとき、ファイバ端面11aの開口角の範囲に入射した反射光のみが、光ファイバ11に入射する。
このように、測定光学系3および光ファイバ11からなる光学系は、共焦点光学系を構成しているため、光ファイバ11に戻る反射光の光強度が大きくなるのは、測定光学系3によって、ファイバ端面11aと共役な位置関係とされた反射面での反射光である。すなわち、第1面50a、第2面50bのそれぞれの面頂に集光される光束である。
回折レンズ1は、光軸Oに沿う方向の色収差を有するため、例えば、波長λaの光束Laが第1面50aの面頂に集光され、波長λb(ただし、λa>λb)の光束Lbが第2面50bの面頂に集光される。
これらの面頂で反射された光束La、Lbは、その略すべてが回折レンズ1の開口角の範囲に入射し、回折レンズ1およびコリメータレンズ2によって集光され、一定の集光位置であるファイバ端面11aに集光される(集光工程)。
これにより、光束La、Lbが、光ファイバ11に光結合される。
波長λa、λb以外の波長光は、回折レンズ1の開口角の範囲外に入射したり、測定光学系3に入射しても光軸O上にはほとんど集光されなかったりするため、ファイバ端面11aにほとんど入射せず、光量損失となる。
このようにして、光ファイバ11に入射した光は、光ファイバ22aに入射し、分岐光ファイバ22で分岐されて、光束La、Lbが混在した発散光である光束Lrとして、光ファイバ22bの端部から出射される。
光束Lrは、凹面ミラー23aによって、反射されるとともに集光されて、回折格子23bに入射する。
回折格子23bでは、光束Lrは、波長に応じて、異なる方向に回折され、集光レンズ23cによって、撮像素子24の撮像面上においてそれぞれ異なる位置の画素上に集光される。
測定制御部31は、撮像素子24から画像信号を取得し、A/D変換を行って、必要に応じてノイズ除去処理などを行うことにより、波長λと強度Iとの関係を示す分光スペクトルのデータ(図4参照)に変換する。このようにして分光スペクトルのデータが取得される(分光工程)。この分光スペクトルのデータは、対応する波長データとともに記憶部33に記憶させる。
ここで、分光スペクトルにおける波長は、分光器23の設計仕様と撮像素子24の画素ピッチとの関係から容易に換算することができる。
また、分光スペクトルのデータは、必要に応じて、例えば、図4に示すようなグラフとして、表示部25に表示することが可能である。
分光スペクトルは、図4に曲線200によって一例を示すように、波長λb、λaに対応する2位置で、強度Iが鋭いピークを有し、その他の波長に対応する位置では強度Iが略0(0の場合も含む)になる分布を示す。
以上で、ステップS4が終了する。
次に、ステップS5を行う。本ステップは、分光スペクトルのピーク波長λa、λbを測定するステップである。
測定制御部31は、分光スペクトルのデータを相互に比較して、図4に示すピーク値200b、200aを検出するとともに、ピーク値200b、200aを与える波長λb、λaを求める。これにより、ピーク波長λb、λaが測定される。
λa>λbであるため、λaが第1面50aでの反射光の波長、λbが第2面50bでの反射光の波長であることが分かる。
測定制御部31は、このピーク波長λa、λbを記憶部33に記憶させる。
以上で、ステップS5が終了する。
ステップS5では、撮像素子24の分解能が十分高ければ、画素単位の強度を比較してピーク波長を求めてもよいが、例えば、スプライン補間等の技術を用いてピーク波長を求めることも可能である。この場合、撮像素子24の画素ピッチで決まる分解能以上の分解能でピーク波長を求めることができるため、より高精度の測定値が可能である。
測定制御部31は、ステップS5が終了すると、面間隔算出部32に面間隔の算出を開始する制御信号を送出し、面間隔算出部32によってステップS6、S7を実行させる。
ステップS6は、ピーク波長λbに対応する被検レンズ50の屈折率を算出するステップである。
面間隔算出部32は、ステップS2で取得された屈折率の近似式等の情報に基づいて、ピーク波長λbにおける被検レンズ50の硝材の屈折率nλbを算出し、メモリに記憶する。
以上で、ステップS6が終了する。
ステップS7は、面間隔算出部32が被検レンズ50の面間隔を算出するステップである。
上記ステップS5において、分光スペクトルのピーク波長λa、λbが測定されたことにより、図5に示すように、波長λaの光束Laが回折レンズ1を出射後、第1面50aの面頂に集光され、波長λbの光束Lbが回折レンズ1を出射後、集光されて第1面50aで屈折され、第2面50bの面頂に集光されていることが分かる。
以下、回折レンズ1の出射面と第1面50aとの間の面間隔をd、被検レンズ50の面間隔をd50、回折レンズ1の出射面と第2面50bとの間の面間隔をDと表す。
面間隔dは、ファイバ端面11aから出射された波長λaの光束Laの測定光学系3による像面と、回折レンズ1の出射面との間の間隔になっている。このため、ステップS1で取得された測定光学系3の光学パラメータの情報と、ステップS5で取得された波長λaの情報とを用いて計算することができる。計算手段としては、例えば、スネルの法則を用いた光線追跡を挙げることができる。本実施形態では、面間隔算出部32における光線追跡ソフトを用いている。
面間隔Dは、ファイバ端面11aから出射された波長λbの光束Lbの測定光学系3および第1面50aによる像面と、回折レンズ1の出射面との間の間隔になっている。
光束Lbは、被検レンズ50が配置されていないと、回折レンズ1の色収差によって、光束Laよりも光路長が長くなり、図5に二点鎖線で示す光束Lb’のように、被検レンズ50よりも像側の位置に集光される。しかし、被検レンズ50が配置されるため、第1面50aの屈折作用によって第2面50bの面頂位置に集光されている。
したがって、面間隔Dは、ステップS1で取得された測定光学系3の光学パラメータの情報と、ステップS2、S5、S6でそれぞれ取得された、第1面50aの曲率形状データ、波長λb、屈折率nλbの情報とを用いて、面間隔dと同様の光線追跡によって計算することができる。
面間隔d50は、面間隔算出部32によって、上記のように、d、Dを算出した後、d50=D−dとして算出される。
算出された面間隔d50は、表示部25に送出され、例えば、数値情報として表示部25に表示される。
以上で、ステップS7が終了し、被検レンズ50の面間隔の測定が終了する。
これにより、本実施形態の光学素子の面間隔測定方法が終了する。
上記ステップS5〜S7は、分光スペクトルのピーク波長λa、λbを求めることにより、第1面50aの反射光の波長λaと、第2面50bの反射光の波長λbとを測定し、被検レンズ50の屈折率nλbの情報と第1面50aの面形状の情報とに基づいて、第1面50aと第2面50bとの間の面間隔d50を算出する面間隔算出工程を構成している。
このように、面間隔測定装置100を用いた本実施形態の光学素子の面間隔測定方法によれば、色収差を有する測定光学系3によってファイバ端面11aに集光された被検レンズ50の第1面50aおよび第2面50bからの反射光の分光スペクトルに基づいて反射光の波長λa、λbを算出し、被検レンズ50の屈折率nλbの情報と第1面50aの面形状の情報とに基づいて、面間隔d50を算出する。
このため、例えば、干渉装置を用いた面間隔測定装置に比べると、簡素な構成によって、光学素子の面間隔を非接触測定することができる。
また、測定光を被検レンズ50に照射するのみで測定を行うことができるため、例えば、干渉測定を用いた面間隔測定装置や、参照面を移動して面間隔を測定する面間隔測定装置に比べると、きわめて1迅速に測定することができる。
また、第1面50aによる屈折作用を考慮して、面間隔を算出するため、被検光学素子が曲率を有している場合でも、正確な測定を行うことができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の光学素子の面間隔測定装置および面間隔測定方法について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態の光学素子の面間隔測定装置の制御ユニットの機能構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の面間隔測定装置110(光学素子の面間隔測定装置)は、上記第1の実施形態の面間隔測定装置100の制御ユニット30に代えて、制御ユニット40を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
制御ユニット40は、図6に示すように、上記第1の実施形態の制御ユニット30の測定制御部31に代えて、測定制御部41を備え、面間隔算定部44を追加したものである。
測定制御部41は、移動ステージ13によって被検レンズ50を光軸Oに沿って移動させて、2位置以上で、分光測定部から分光スペクトルを取得し、面間隔算出部32によって分光スペクトルのそれぞれから複数の面間隔を算出させる点が、測定制御部31と異なる。
このため、本実施形態において、移動ステージ13は、被検光学素子を測定光学系の光軸に沿って移動する移動部を構成している。
面間隔算定部44は、面間隔算出部32によって算出された複数の面間隔の算出値を用いて、面間隔の測定値を算定するものであり、面間隔算出部32と通信可能に接続されている。
本実施形態では、面間隔算定部44の一例として、複数の面間隔の算出値が一致しない場合に、第1面50aの面形状データを補正して面間隔算出部32による複数の面間隔の算出を繰り返させ、この繰り返しによる複数の面間隔の算出値が一致した場合に、複数の面間隔の収束値を、面間隔の測定値として算定する構成を採用している。
面間隔の算出値の個数は、特に限定されないが、本実施形態では、2個の場合の例で説明する。
次に、本実施形態の面間隔測定装置110の動作について、本実施形態の光学素子の面間隔測定方法を中心に説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態の光学素子の面間隔測定方法の測定フローを示すフローチャートである。図8は、本発明の第2の実施形態の光学素子の面間隔測定方法における面間隔算出の処理フローを示すフローチャートである。
面間隔測定装置110によって、被検レンズ50の面間隔を測定するには、図7に示す測定フローに従って、ステップS11〜S19を実行する。
ステップS11〜S13は、上記第1の実施形態におけるステップS1〜S3と同様のステップである。
ステップS14は、上記第1の実施形態における面間隔算出工程に相当するステップであり、図8に示す処理フローに従ってステップS21〜S24を行う。
ステップS21〜S24は、上記第1の実施形態におけるステップS4〜S7と同様なステップである。
このため、ステップS11〜S14を実行すると、上記第1の実施形態と同様にして、面間隔d50が算出される。
面間隔d50は、上記第1の実施形態と同様にして、記憶部33に記憶され、表示部25に表示される。また、面間隔算出部32は、面間隔d50を面間隔算定部44に送出する。
次に、図7に示すステップS15を行う。本ステップは、被検レンズ50を光軸Oに沿う方向に移動するステップである。
本ステップでは、測定制御部31は、移動ステージ13に制御信号を送出して、保持台12を光軸Oに沿う方向に移動させることにより、保持台12に保持された被検レンズ50を同方向に移動する。
被検レンズ50の移動位置は、光源21の波長範囲において、第1面50aおよび第2面50bにそれぞれ合焦する波長光が存在する位置であれば、特に限定されない。
以上でステップS15が終了する。
次に、ステップS16を行う。本ステップは、面間隔算出工程を繰り返すステップであり、上記ステップS14と同様なステップである。本ステップによって算出された面間隔の算出値をd50’と表す。
面間隔d50’は、上記第1の実施形態と同様にして、記憶部33に記憶され、表示部25に表示される。また、面間隔算出部32は、面間隔d50’を面間隔算定部44に送出する。
以上で、ステップS16が終了する。
次に、ステップS17を行う。本ステップは、面間隔算定部44によって、面間隔の算出値d50、d50’が一致するかどうか判定するステップである。
ここで「一致する」とは、面間隔の算出値d50、d50’の差が、予め設定された許容限度以下に収束することを意味する。
面間隔の算出値d50、d50’が一致すると判定された場合には、面間隔の算出値d50、d50’の収束値を、面間隔の測定値dとして算定する。
すなわち、面間隔の算出値d50、d50’が完全に一致した場合には、一致した値が収束値であり、許容限度以下の差をもって一致した場合には、残った差を丸めた数値が収束値である。
この面間隔の測定値dは、後述する第1面50aの修正済みの面形状データと設計データに基づく面形状データとの差である面形状誤差とともに、記憶部33に記憶させ、表示部25に表示する。これにより、ステップS17が終了し、本実施形態の光学素子の面間隔測定方法が終了する。
面間隔の算出値d50、d50’が一致しないと判定された場合には、ステップS18に移行する。
ステップS18は、ステップS17において、面間隔の算出値d50、d50’が一致しないと判定された場合に実行されるステップであって、第1面50aの面形状データを修正するステップである。
すなわち、面間隔算定部44は、ステップS12で取得された第1面50aの面形状データを予め設定された単位修正量だけ修正して、面間隔算出部32に送出する。
修正を施した面形状データは、上記ステップS17における面形状誤差の算出に用いるため、面間隔算定部44に保持する。
以上で、ステップS18が終了する。
本ステップにおける単位修正量の修正方向(正負の符号)については、被検レンズ50の設計データと、面間隔の算出値d50、d50’の大小関係とから面間隔算定部44が判定する。
例えば、簡単のため、第1面50aが凸球面であるとき、上記ステップS15では被検レンズ50を物体側(測定光学系3に近づく方向)に移動した場合を考える。
この場合、面間隔dは、第1面50aの曲率半径とは無関係に測定されるが、面間隔Dは、第1面50aの製造誤差の影響を受ける。
つまり、例えば、第1面50aの曲率半径が設計データより小さければ、第1面50aの屈折力は設計値よりも大きくなっている。このため、d50’の測定(上記ステップS16の測定)では、設計値よりも屈折力の大きなレンズ面が、物体側に移動している。
この場合、光束Lbの像面は、d50、d50’のいずれの測定時(ステップS14、S16)でも、設計値よりも物体側にシフトしているが、第1面50aがより物体側に移動しているd50’の測定時の方がシフト量は大きくなる。これは、設計データに基づく面間隔の算出(ステップS16)においては、d50’を過大に算出してしまうことを意味しており、算出値は、d50’>d50になっているはずである。
したがって、ステップS17において、d50’>d50であれば、単位修正量は第1面50aの曲率半径がより小さくなるように修正すれば、収束に近づくことになる。
なお、第1面50aが非球面等の場合には、光束Lbの光束径が適宜の大きさに設定することで近軸領域の測定になるため、近軸曲率半径を修正すればよい。
次に、ステップS19を行う。本ステップは、修正された面形状データに基づいて、上記に説明したステップS24(図8参照)と同様の面間隔算出工程を行って、面間隔の算出値d50、d50’を再計算するステップである。
面間隔算定部44は、面間隔算出部32に再計算を実行させる。
面間隔算出部32は、修正された面形状データに基づいて面間隔の算出値d50、d50’を再計算し、再計算結果を、面間隔算定部44に送出する。
以上で、ステップS19が終了する。ステップS19が終了したら、ステップS17に移行し、上記と同様にして、ステップS17〜S19を繰り返す。
このように、面間隔測定装置110を用いた本実施形態の光学素子の面間隔測定方法によれば、上記第1の実施形態と同様に、光学素子の面間隔を簡素な構成によって非接触測定することができる。
その際、複数の面間隔の算出値に基づいて面間隔を算定するため、被検レンズ50の製造誤差や測定誤差の影響をより低減することができ、より正確な測定が可能である。
本実施形態では、被検レンズ50の位置を移動して、分光スペクトルの測定を2回行うため、上記第1の実施形態に比べると測定時間は長くなるが、移動量は色収差の範囲に過ぎず、分光スペクトルの測定も、例えば、干渉計を用いた面間隔測定に比べると格段に短時間であるため、従来技術に比べると迅速な測定が行える。
また、追加された面間隔算定部は、その動作を行う制御プログラム、演算プログラムの追加のみで済むため、装置構成も簡素である。
なお、上記各実施形態の説明では、面間隔測定装置において、測定光学系3と分光器23とが、光ファイバ11、分岐光ファイバ22によって接続された場合の例で説明したが、これは一例であって、他の構成も可能である。
例えば、面間隔測定装置100(110)において、ファイバ端面11aに相当する位置にピンホールを配置し、ピンホールを透過した光が分光器23に入射するように、分光器23を配置した構成も可能である。この場合、光ファイバ11を省略し、分岐光ファイバ22に代えて、光源とピンホールとが互いに共役な位置関係となるように、光源からの光束を測定光学系3に入射させるために、例えば、ハーフミラー等の光合成部を、回折レンズ1およびコリメータレンズ2の間、または回折レンズ1とピンホールとの間に設ければよい。
上記第1の実施形態の説明では、移動ステージ13を有するものとして説明したが、第1の実施形態では、1つの分光スペクトルから面間隔を算出することができる。このため、面間隔の測定においては、移動ステージ13は必須ではなく、移動ステージ13を省略した構成も可能である。
上記第2の実施形態の説明では、面間隔を2位置で算出して面間隔を算定する場合の例で説明したが、測定誤差の影響を低減するため、3位置以上で面間隔を算出してもよい。この場合、各算出値が一致するかどうかは、例えば、算出値の平均値との差の平方和が許容限度以下になるかどうかで判定すればよい。
上記第2の実施形態の説明では、面間隔算定工程の一例として、第1面の面形状データを修正して面間隔を再計算して、収束値を求める場合の例で説明したが、面間隔算出工程で算出された複数の面間隔の算出値を用いて、面間隔の測定値を算定する工程であれば、面間隔算定工程はこのような工程には限定されない。
例えば、第1面の面形状誤差の影響を少ない場合には、被検光学素子を移動して、2位置以上で複数の面間隔を算出し、これら複数の面間隔の平均をとることで、面間隔を算定するようにしてもよい。
この場合、分光スペクトルの測定誤差や、色収差の誤差の影響などを平均化処理によって低減することができる。
また、上記の実施形態で説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせたり、削除したりして実施することができる。
1 回折レンズ
2 コリメータレンズ
3 測定光学系
10 ヘッド部
11 光ファイバ
11a ファイバ端面(一定の集光位置)
12 保持台
13 移動ステージ(移動部)
20 装置本体部
21 光源
22 分岐光ファイバ
22a、22b、22c 光ファイバ
23 分光器(分光測定部)
24 撮像素子(分光測定部)
25 表示部
26 操作部
30、40 制御ユニット
31、41 測定制御部
32 面間隔算出部
44 面間隔算定部
50 被検レンズ(被検光学素子)
50a 第1面
50b 第2面
100、110 面間隔測定装置(光学素子の面間隔測定装置)
C 中心軸線
L、La、Lb、Lr 光束

Claims (6)

  1. 連続的な波長分布を有する光源と、
    色収差を有し、前記光源からの光束を収束光として被検光学素子の第1面および第2面にこの順に照射するとともに、前記収束光による前記第1面および第2面からの反射光を一定の集光位置に集光する測定光学系と、
    前記集光位置に集光された前記反射光の分光スペクトルを取得する分光測定部と、
    前記分光スペクトルのピーク波長を求めることにより、前記第1面の反射光の波長と、前記第2面の反射光の波長とを測定し、前記被検光学素子の屈折率の情報と前記第1面の面形状の情報とに基づいて、前記第1面と前記第2面との間の面間隔を算出する面間隔算出部と、
    を備える、光学素子の面間隔測定装置。
  2. 前記被検光学素子を前記測定光学系の光軸に沿って移動する移動部と、
    前記移動部によって前記被検光学素子を移動させて、2位置以上で、前記分光測定部から前記分光スペクトルを取得し、前記面間隔算出部によって前記分光スペクトルのそれぞれから複数の面間隔を算出させる測定制御部と、
    前記複数の面間隔の算出値を用いて、面間隔の測定値を算定する面間隔算定部と、
    を備える
    ことを特徴とする、請求項1に記載の光学素子の面間隔測定装置。
  3. 前記面間隔算定部は、
    前記複数の面間隔の算出値が一致しない場合に、前記第1面の面形状データを修正して、前記面間隔算出部に、前記複数の面間隔の再計算を行わせ、
    この再計算による複数の面間隔の算出値が一致した場合に、該複数の面間隔の収束値を、面間隔の測定値として算定する
    ことを特徴とする、請求項2に記載の光学素子の面間隔測定装置。
  4. 色収差を有する測定光学系から出射される、連続的な波長分布を有する収束光を、被検光学素子の第1面および第2面にこの順に照射する光照射工程と、
    前記収束光による前記第1面および第2面からの反射光を前記測定光学系によって一定の集光位置に集光する集光工程と、
    前記集光位置に集光された前記反射光の分光スペクトルを取得する分光工程と、
    前記分光スペクトルのピーク波長を求めることにより、前記第1面の反射光の波長と、前記第2面の反射光の波長とを測定し、前記被検光学素子の屈折率の情報と前記第1面の面形状の情報とに基づいて、前記第1面と前記第2面との間の面間隔を算出する面間隔算出工程と、
    を備える、光学素子の面間隔測定方法。
  5. 前記被検光学素子を前記測定光学系の光軸に沿って移動することにより、2位置以上で、前記分光工程、および前記面間隔算出工程を行った後に、
    前記面間隔算出工程で算出された複数の面間隔の算出値を用いて、面間隔の測定値を算定する面間隔算定工程を備える
    ことを特徴とする、請求項4に記載の光学素子の面間隔測定方法。
  6. 前記面間隔算定工程は、
    前記複数の面間隔の算出値が一致しない場合に、前記第1面の面形状データを修正してから、前記面間隔算出工程を行って前記複数の面間隔を再計算し、
    この再計算による複数の面間隔の算出値が一致した場合に、該複数の面間隔の収束値を、面間隔の測定値として算定する
    ことを特徴とする、請求項5に記載の光学素子の面間隔測定方法。
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