JP2014202304A - グランドパッキン - Google Patents

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Abstract

【課題】取り扱いが容易でシール性を高めることができ、編組パッキンの脱落等を防止することが可能なグランドパッキンを提供する。
【解決手段】膨張黒鉛によって形成された第1パッキン11と、第1パッキン11の軸方向端部に設けられ、繊維材の編組により形成された環状の第2パッキン12とを備え、第1パッキン11の軸方向端部の内周縁には凹部13が形成され、第2パッキン12は、その外径が第1パッキン11の外径よりも小さく形成され、その外周面12aが凹部13の内周面13bに嵌合されることによって第1パッキン11に一体的に固定され、凹部13に嵌合された第2パッキン12は、グランドパッキン10を軸方向に圧縮していない不使用状態で第1パッキン11よりも内径が大きく、グランドパッキン10を軸方向に圧縮した使用状態で、第1パッキン11とともに内側被シール面33aに接触するように内径が縮小する。
【選択図】図1

Description

本発明は、バルブやポンプの軸封部に使用されるグランドパッキンに関する。
下記特許文献1及び2には、バルブやポンプの軸封部に使用されるグランドパッキンが開示されている。このグランドパッキンは、例えば図7に示されるように、軸方向に並べて配置される複数のパッキンリング111,112からなり、ステム(軸)133に外嵌された状態でスタフィングボックス131内に装填され、スタフィングボックス131の大気側に嵌合したパッキン押さえ138により軸方向に圧縮されることによって、ステム133の外周面とスタフィンボックス131の内周面とに密着し、両者の間をシールしている。
複数のパッキンリング111,112のうち軸方向両端部を除くパッキンリング(以下、第1のパッキンリングという)111は、主たるシールとして機能する膨張黒鉛製の圧縮成形体からなり、軸方向両端のパッキンリング(以下、第2のパッキンリングという)112は、炭素繊維や膨張黒鉛製の編み糸等を編組することによって構成され、第1のパッキンリングよりも機械的強度が高い編組パッキンからなっている。
そして、軸方向両端に編組パッキンからなる第2のパッキンリング112が配置されることで、スタフィングボックス131とステム133との隙間や、スタフィングボックス131及びステム133とパッキン押さえ138との隙間にグランドパッキンがはみ出して噛み込まれることを防止している。
また、特許文献1のグランドパッキンは、複数のパッキンリング111,112が個々に独立しているのに対して、特許文献2のグランドパッキンは、図7に示されるように、各パッキンリング111,112の外周部に、環状突部141及び環状段部142の少なくとも一方が形成され、環状突部141と環状段部142とを嵌合させることによって複数のパッキンリング111,112が一体化されている。
特開平7−217745号公報 実公平7−3088号公報
特許文献1記載のグランドパッキンは、複数のパッキンリング111,112がそれぞれ独立しているので、スタフィングボックス131に対して一つずつパッキンリング111,112を装填する必要があり、組み付け作業に手間と時間がかかる欠点があった。また、第2のパッキンリング112は、専らスタフィングボックス131とステム133との隙間等へのグランドパッキンの噛み込みを防止するために機能し、シールとしての機能は第1のパッキンリングに比べて低くなっているが、特許文献1のグランドパッキンでは、その軸方向長さ全体に占める第2のパッキンリング112の軸方向長さ(厚さ)が大きいため、グランドパッキン全体のシール性を高めることが困難となっていた。
これに対して、特許文献2記載のグランドパッキンは、複数のパッキンリング111,112が一体化されるため、特許文献1のグランドパッキンに比べて装填作業等の取り扱いは容易となる。しかし、特許文献1のグランドパッキンと同様に、軸方向の長さ全体に占める第2のパッキンリング112の軸方向長さが大きいため、グランドパッキン全体のシール性を高めるのが困難であった。さらに、複数のパッキンリング111,112は、環状突部141と環状段部142との嵌合のみによって一体化されているので、グランドパッキンをスタフィングボックス131へ装填する際やステム133へ外嵌する際等に、軸方向端部の第2のパッキンリング112が周囲のものに接触すると、当該接触によって第1のパッキンリング111との嵌合が外れ、脱落してしまう可能性があった。
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、取り扱いが容易でシール性を高めることができ、編組パッキンの脱落等を防止することが可能なグランドパッキンを提供することを目的とする。
本発明は、軸方向に圧縮された状態で使用され、径方向に対向する内側被シール面と外側被シール面との間をシールするグランドパッキンであって、
膨張黒鉛の圧縮成形によって円筒形状に形成された第1パッキンと、
前記第1パッキンの軸方向端部に設けられ、繊維材の編組により形成された環状の第2パッキンと、を備え、
前記第1パッキンの軸方向端部における内周縁には、径方向内方及び軸方向外方に開放する環状の凹部が形成され、
前記第2パッキンは、その外径が前記第1パッキンの外径よりも小さく形成されるとともに、その外周面が前記凹部の内周面に嵌合されることによって前記第1パッキンに一体的に固定され、
前記凹部に嵌合された前記第2パッキンは、当該グランドパッキンを軸方向に圧縮していない不使用状態で前記第1パッキンよりも内径が大きく、当該グランドパッキンを軸方向に圧縮した使用状態で、前記第1パッキンとともに前記内側被シール面に接触するように内径が縮小することを特徴とする。
本発明のグランドパッキンは、第1パッキンと第2パッキンとが一体的に固定されているので、これらが別体とされている場合に比べて取り扱いが容易になる。さらに、第2パッキンは、グランドパッキンの不使用状態で、その外径が第1パッキンの外径よりも小さく、その内径が第1パッキンの内径よりも大きいため、グランドパッキンをスタフィングボックスに装填する際やステムに外嵌する際などに、第2パッキンの外周縁や内周縁が周囲のものに接触し難くなり、第2パッキンが1パッキンから脱落してしまうのを防止することができる。また、第2パッキンは、軸方向に圧縮されることによって内径が縮小し、第1パッキンと同一の内径となるので、第2パッキンとステムとの隙間等に第1パッキンがはみ出して噛み込むことはなく、また、第2パッキンは第1パッキンと比較して機械的強度が高いため、スタフィングボックスとステムとの隙間等へのはみ出して噛み込むこともない。また、第2パッキンは、その外周面が第1パッキンの凹部の内周面に嵌合されているので、軸方向に圧縮されたときに径方向外方への変形が抑制され、その分、径方向内方へ大きく変形する。そのため、第2パッキンの内径を第1パッキンの内径と同一寸法まで確実に縮小することができる。また、グランドパッキンの外周面は、その軸方向全体が第1パッキンの外周面により構成されるので、第1パッキンの軸方向長さを可及的に大きくしてシール性を高めることができる。
前記第2パッキンは、当該グランドパッキンの不使用状態で前記第1パッキンの軸方向端面から軸方向外方に突出していることが好ましい。
この構成によれば、第2パッキンが軸方向に圧縮されたときの径方向内方への変形量をより大きくすることができ、第1パッキンの噛み込み防止効果を高めることができる。
本発明のグランドパッキンは、第1パッキンの軸方向一端部に第2パッキンを設けたものとしてもよいし、第1パッキンの軸方向両端部に第2パッキンを設けたものとしてもよい。前者の場合、2個のグランドパッキンを逆向きに使用することによって軸封部のシールを行うことができ、後者の場合、単一のグランドパッキンを用いて軸封部のシールを行うことができる。
本発明のグランドパッキンによれば、取り扱いが容易でシール性を高めることができ、編組パッキンである第2パッキンの第1パッキンからの脱落を防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係るグランドパッキンの使用状態を示す断面説明図である。 不使用状態のグランドパッキンを示す断面図である。 不使用状態のグランドパッキンを示す側面図である。 図2におけるA部を拡大して示す断面図である。 グランドパッキンの製造工程を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るグランドパッキンの要部を拡大して示す断面図である。 従来のグランドパッキンの使用状態を示す断面説明図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明のグランドパッキンの実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るグランドパッキンの使用状態を示す断面説明図である。本実施形態のグランドパッキン(筒状パッキン)10は、スタフィングボックス31に装填され、このスタフィングボックス31とこれを貫通するステム(軸部材)33との間をシールするために用いられる。スタフィングボックス31には、大気側(図1における右側)が開放し、装置内部側(図1における左側)に底面35aを有する円筒形状のパッキン収納凹部(円筒孔)35が形成されている。パッキン収納凹部35の底面35aの中央には、ステム33が貫通する孔36が形成されている。
グランドパッキン10は、パッキン収納凹部35の大気側の開口からスタフィングボックス31に装填される。スタフィングボックス31の外面には、取付ボルト37によってパッキン押さえ38が取り付けられている。このパッキン押さえ38は、パッキン収納凹部35内に嵌合される円筒形状の押さえ部38aと、押さえ部38aの端部から径方向に延びるフランジ部38bとを備え、このフランジ部38bが取付ボルト37によってスタフィングボックス31に取り付けられている。
押さえ部38aの先端は、パッキン収納凹部35内のグランドパッキン10の軸方向端面に当接している。そして、取付ボルト37を締め付けると、パッキン収納凹部35の底面35aと押さえ部38aの先端面との間でグランドパッキン10が軸方向に圧縮され、グランドパッキン10の内周面11b,12bがステム33の外周面(内側被シール面)33aに密着し、グランドパッキン10の外周面11aがスタフィングボックス31の内周面(外側被シール面)35bに密着する。これによって、スタフィングボックス31とステム33との間がシールされる。
図2は、軸方向に圧縮されていない状態(不使用状態)のグランドパッキンを示す断面図である。図3は、同グランドパッキンを示す側面図である。図4は、図2におけるA部を拡大して示す断面図である。
グランドパッキン10は、第1パッキン11と第2パッキン12とから構成されている。第1パッキン11は、膨張黒鉛を圧縮成形(ダイモールド成形)することによって筒形状に形成されている。具体的には、第1パッキン11は、膨張黒鉛シートを適当幅のテープ状に形成し、この膨張黒鉛のテープを径方向に渦巻き状に巻き重ねた状態で金型に装填し、圧縮することによって成形されている。
これに対して、第2パッキン12は、炭素繊維やアラミド繊維等の繊維材を編組し、環状に成形したものである。この第2パッキン12は、第1パッキン11よりも機械的強度が高く、主としてグランドパッキン10の補強として機能している。特に、第2パッキン12は、スタフィングボックス31とステム33との隙間や、パッキン押さえ38とステム33との隙間にグランドパッキン10がはみ出して噛み込まないように設けられている。すなわち、仮にグランドパッキン10が膨張黒鉛製の第1パッキン11のみによって構成されていたとすると、当該第1パッキン11が軸方向に圧縮されることによってスタフィングボックス31とステム33との隙間等にはみ出して噛み込み、シール性能に悪影響を及ぼす可能性があるが、グランドパッキン10の軸方向の端部に編組パッキンからなる第2パッキン12を設けることで、前記隙間への噛み込みを防止することができる。
第1パッキン11の軸方向の両端部には、環状の凹部13が形成されている。この凹部13は、第1パッキン11の径方向内側及び軸方向外側に開放している。また、凹部13は、軸方向に対して直交する側面13aと、軸方向に対して平行な内周面13bとを有しており、第1パッキン11の軸方向の両端部は、断面L字状に形成されている。
第2パッキン12は、断面形状が四角形に形成されている。そして、第2パッキン12は、外周面12aが凹部13の内周面13bに嵌合されることによって、第1パッキン11に固定されている。また、第2パッキン12は、第1パッキン11に強固に固定するために、第1パッキン11に締め代をもって嵌合されている。具体的には、第2パッキン12の外径は、第1パッキン11の凹部13の内周面13bにおける内径よりもやや大きく、例えば1mm程度大きく形成されている。
図4に示されるように、第1パッキン11に取り付けられた第2パッキン12の内径D22は、第1パッキン11の内径D12よりも大きい寸法に形成されている。したがって、第2パッキン12の内周面12bは、第1パッキン11の内周面11bよりも径方向外側に後退して配置されている。例えば、第2パッキン12の内径D22は、第1パッキンの内径D12よりも1mm程度大きい寸法に形成することができる。第2パッキン12の径方向幅Tは、第1パッキン11の径方向幅Tに対して、0.2〜0.5倍の寸法に形成されている。例えば、第1パッキン11の径方向幅Tが4〜15mmであれば、第2パッキン12の径方向幅Tは2〜3mmに設定される。
また、第2パッキン12の軸方向の厚さWは、第1パッキン11の凹部13の軸方向の深さWよりも大きい寸法に形成されることが好ましい。したがって、凹部13に嵌合された第2パッキン12は、第1パッキン11よりも軸方向外方に突出していることが好ましい。この突出量tは、例えば0.1〜0.5mm程度とすることができる。
図1に示されるように、スタフィングボックス31のパッキン収納凹部35に収納されたグランドパッキン10が、パッキン押さえ38によって軸方向に圧縮されると、グランドパッキン10全体は、軸方向厚さが縮小し、径方向幅が拡大する。第2パッキン12にあっては、軸方向厚さW(図4参照)が縮小し、第1パッキン11の軸方向端面11cと、第2パッキン12の軸方向端面12cとが面一となる。また、第2パッキン12が軸方向に圧縮されることに伴って、第2パッキン12が径方向内方へ膨張し、その内周面12bがステム33の外周面33aに密着する。同時に第1パッキン11の内周面11bもステム33の外周面33aに密着する。そのため、第1パッキン11の内径D12と,第2パッキン12の内径D22とは同一寸法となり、第1パッキン11の内周面11bと第2パッキン12の内周面12bとが面一となる。ここで、第2パッキン12は、不使用状態で第1パッキン11の軸方向端面から軸方向外方に突出している方が(図4におけるW>W)、突出していない場合よりも軸方向に圧縮されたときの径方向内方への変形量を大きくすることができるので、より好ましい。ただし、第2パッキン12は、第1パッキン11の軸方向端面から軸方向外方に突出していなくても、第1パッキン11に比べて圧縮変形性に富むので、軸方向に圧縮されたときにステム33の外周面33aに密着することができ、第1パッキン11の内周面11bと第2パッキン12の内周面12bとを面一にすることができる。また、第1パッキン11の外周面は、スタフィングボックス31の内周面35bに密着する。以上により、スタフィングボックス31の内周面35bとステム33の外周面33aとの間が好適にシールされる。
次に、本実施形態のグランドパッキンの製造手順について説明する。
図5は、本実施形態のグランドパッキンの製造手順を示すフローチャートである。
第1パッキン11を製造するには、まず、膨張黒鉛シートをテープ状に裁断し(ステップS11)、この膨張黒鉛テープの両面又は片面に、樹脂粒子を含むディスパージョンを含浸する(ステップS12)。その後、膨張黒鉛テープを乾燥させることによって樹脂含浸処理テープを作製する(ステップS13)。本実施形態では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ディスパージョンを膨張黒鉛テープの片面(次ステップS14において巻回される際の内周面)のみに含浸するようになっている。
次いで、膨張黒鉛テープを渦巻き状に巻回する(ステップS14)。この工程では、樹脂含浸処理テープだけでなく、ステップS12及びS13を経ていない未処理のテープも用いて渦巻き状に巻回してもよい。すなわち、渦巻き状の内周側に樹脂含浸処理テープを巻き、外周側に未処理テープを巻くようにしてもよい。このように樹脂含浸テープを巻回することによってステム33との間のシール性をより高めることができる。
次いで、膨張黒鉛テープを巻回したものを金型に装填し、圧縮成形する(ステップS15)。以上により、第1パッキン11が製造される。
一方、第2パッキン12を製造するには、まず、複数本の繊維材を用いて編組することによって紐状体を作製する(ステップS21)。例えば、メタ系のアラミド繊維によって覆われた複数本のヤーンを8打角編等により編組する。
その後、紐状体に、樹脂粒子を含むディスパージョンを含浸する(ステップS22)。本実施形態では、PTFEディスパージョンを紐状体に含浸する。その後、紐状体を乾燥させる(ステップS23)。
次いで、紐状体に潤滑剤を含浸する(ステップS24)。潤滑剤としては、シリコン系潤滑剤、ワックス系潤滑剤及びパラフィン系潤滑剤等を単独で又は組み合わせて用いる。以上により、第2パッキン12が作製される。
次いで、第1パッキン11の凹部13に第2パッキン12を嵌合させた状態で金型に装填し、両パッキン11,12を一体化させるための圧縮成形を行う(ステップS31)。その後、防食処理等の後処理(ステップS32)を経て、本実施形態のグランドパッキン(複合パッキン)10が製造される。
なお、上述の製造手順では、第2パッキン12の成形を、成形済みの第1パッキン11と複合させた状態で行ったが(ステップS31)、第2パッキン12単体を環状に成形し、成形済みの第1パッキン11と複合させてもよい。
以上の構成を有する本実施形態のグランドパッキン10は、第1パッキン11と第2パッキン12とが嵌合によって一体化されている。そのため、これらが別体とされている場合に比べて取り扱いが容易となり、スタフィングボックス31への装填作業やステム33への取付作業を短時間で容易に行うことができる。
また、図2及び図4に示されるように、第1パッキン11に第2パッキン12を嵌合した状態において、第2パッキン12の外径は、第1パッキン11の外径よりも小さく、第2パッキン12の内径D22は、第1パッキン11の内径D12よりも大きく形成されているので、グランドパッキン10をスタフィングボックス31に装填する際やステム33に外嵌する際等に第2パッキン12の外周縁や内周縁が周囲のものに接触し難くなっている。そのため、第2パッキン12が第1パッキン11から脱落してしまうのを防止することができ、より取り扱いが容易となる。
また、第1パッキン11の軸方向端部の内周縁に形成された凹部13に第2パッキン12が嵌合されるので、第2パッキン12の外周面12aは、直接的にスタフィングボックス31の内周面35bに接触せず、グランドパッキン10の軸方向厚さの全体で第1パッキン11の外周面11aがスタフィングボックス31の内周面35bに接触するようになっている。このように、第2パッキン12よりもシール性の高い第1パッキン11を軸方向に長い範囲でスタフィングボックス31の内周面35bに接触させることによって、好適にシール性を高めることができる。
さらに、第2パッキン12は、編組体構造上、極端な扁平形状に形成することは困難であることに鑑みると、径方向幅がグランドパッキン10全体の径方向幅に対して小さいと、必然的に軸方向厚さもグランドパッキン10全体の軸方向厚さに対して小さくなる。よって、シール性の高い第1パッキン11を軸方向に長い範囲でステム33の外周面33aに接触させることができるという意味でも、好適にシール性を高めることができる。
また、第2パッキン12は、パッキン押さえ38によって軸方向に圧縮されることによって内径D22が縮小し、ステム33の外周面33aに接触することによって第1パッキン11との内径D12と同一の内径となる。そのため、第2パッキン12とステム33と間には隙間が生じず、したがって当該隙間に第1パッキン11がはみ出して噛み込むこともない。また、第2パッキン12は第1パッキン11に比べて機械的強度が高いため、スタフィングボックス31とステム33との隙間やステム33とパッキン押さえ38との隙間等にはみ出して噛み込むことはない。
さらに第2パッキン12は、その外周面12aが第1パッキン11の凹部13の内周面13bに嵌合されているので、軸方向に圧縮されたときに径方向外方への変形が抑制され、径方向内方へ大きく変形する。そのため、第2パッキン12の内周面12bは確実にステム33の外周面33aに密着し、より確実に第1パッキン11の噛み込み防止を図ることができる。また、第2パッキン12の径方向内方への変形量が大きくなることによって、第2パッキン12がより強くステム33の外周面33aに密着し、シール性を高めることができる。
また、図2に示されるように、第2パッキン12は、第1パッキン11の軸方向の端面11cから軸方向外方に突出していれば、軸方向に圧縮されたときの径方向内方への変形量をより大きくすることができる。これによって、第1パッキン11の噛み込み防止効果やシール性をより高めることができる。
なお、本実施形態のグランドパッキン10では、第1パッキン11の軸方向両端部に第2パッキン12が設けられているが、軸方向一端部のみに第2パッキン12が設けられていてもよい。この場合、2つのグランドパッキン10を軸方向に関して逆向きに組み合わせることによって、軸方向両端部に第2パッキンが配置されるようにすればよい。
本願の発明者は、本発明のグランドパッキン10と、従来のグランドパッキン(例えば、図7に示されるもの)とのシール性を比較する実験を行った。以下の表にその結果を示す。
Figure 2014202304
上記の表において、本発明1及び本発明2は、いずれも第2パッキン12としてアラミド繊維を用いたものであるが、本発明1は、潤滑剤の含浸(図5におけるステップS24)を省略し、本発明2は、潤滑剤の含浸を行っている。従来例は、図7に示されるグランドパッキンであり、第2のパッキンリングとして炭素繊維を用いたものであるが、従来例1は、潤滑剤の含浸を省略し、従来例2は、潤滑剤の含浸を行っている。
また、グランドパッキン10が装着される装置内部には、流体として窒素を充填し、1.75MPaの圧力をかけた。グランドパッキン10の締付圧は、19.6N/mmと29.4N/mmの2種類とし、それぞれについて漏洩量を測定した。
表に示す結果より、本発明は、従来例に比べて流体の漏洩量が減少しており、シール性が高まっていることが分かる。また、第2パッキン12に潤滑剤を含浸することによってシール性がより高まっていることがわかる。これは、グランドパッキン10が軸方向に圧縮されたときに第2パッキン12から潤滑剤がにじみ出てステム33の外周面33aになじむことが要因と考えられる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るグランドパッキンの要部の拡大断面図である。
本実施形態のグランドパッキン10は、第2パッキン12の断面形状が略台形状に形成され、第1パッキン11に嵌合する部分に、軸方向外側ほど外径が大きくなるテーパー面12dが形成されている。これに対して、第1パッキン11に形成された凹部13には、テーパー面12dに接するテーパー面13dが形成されている。
本実施形態では、第2パッキン12が軸方向に圧縮されると、径方向内方に膨張するのに加えて、凹部13のテーパー面13dに沿って径方向内方へ移動する。そのため、より確実に第2パッキン12の内周面12bをステム33の外周面33aに接触させることができるとともに、第1パッキン11の噛み込み防止を確実に図ることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更することが可能である。
例えば、第2パッキンを構成する繊維材の種類は、用途や環境等に応じて適宜変更することができる。また、本発明のグランドパッキンが使用される装置の種類や使用箇所についても特に限定されるものではない。
10 :グランドパッキン
11 :第1パッキン
12 :第2パッキン
12a:第2パッキンの外周面
13 :凹部
13b:凹部の内周面
33a:ステムの外周面(内側被シール面)
35b:スタフィングボックスの内周面(外側被シール面)
22 :第2パッキンの内径
12 ;第1パッキンの内径

Claims (3)

  1. 軸方向に圧縮された状態で使用され、径方向に対向する内側被シール面と外側被シール面との間をシールするグランドパッキンであって、
    膨張黒鉛の圧縮成形によって円筒形状に形成された第1パッキンと、
    前記第1パッキンの軸方向端部に設けられ、繊維材の編組により形成された環状の第2パッキンと、を備え、
    前記第1パッキンの軸方向端部における内周縁には、径方向内方及び軸方向外方に開放する環状の凹部が形成され、
    前記第2パッキンは、その外径が前記第1パッキンの外径よりも小さく形成されるとともに、その外周面が前記凹部の内周面に嵌合されることによって前記第1パッキンに一体的に固定され、
    前記凹部に嵌合された前記第2パッキンは、当該グランドパッキンを軸方向に圧縮していない不使用状態で前記第1パッキンよりも内径が大きく、当該グランドパッキンを軸方向に圧縮した使用状態で前記第1パッキンとともに前記内側被シール面に接触するように内径が縮小することを特徴とするグランドパッキン。
  2. 前記第2パッキンは、当該グランドパッキンの不使用状態で前記第1パッキンの軸方向端面から軸方向外方に突出している、請求項1に記載のグランドパッキン。
  3. 前記第2パッキンが、前記第1パッキンの軸方向両端部に設けられている、請求項1又は2に記載のグランドパッキン。
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