JP2014201715A - キサンテン化合物 - Google Patents
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- LQLICSQMYYZYEV-UHFFFAOYSA-N O=S(c1c2cccc1)(OC21c(ccc(Cl)c2)c2Oc2cc(Cl)ccc12)=O Chemical compound O=S(c1c2cccc1)(OC21c(ccc(Cl)c2)c2Oc2cc(Cl)ccc12)=O LQLICSQMYYZYEV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
【課題】高コントラスト比が実現可能な新規のキサンテン化合物並びに該化合物を染料として用いた染料組成物を提供する。
【解決手段】キサンテン環の6位のアミノ基の置換基を、R1とR2、3位のアミノ基の置換基をR3とR4とした場合、R1とR2及び/またはR3とR4は互いに結合して−NR7−、−CR8R9−、−O−及び−S−からなる群より選択される結合基を含む環を形成し、かつ、該形成する環の少なくとも一つは結合基として−NR7−を含む。R1とR2またはR3とR4が環を形成する場合、環を形成しないR1乃至R4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1乃至18のアルキル基を表す。R7乃至R9はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1乃至8のアルキル基を表すことを特徴とするフルオラン環を有するキサンテン化合物
【選択図】なし
【解決手段】キサンテン環の6位のアミノ基の置換基を、R1とR2、3位のアミノ基の置換基をR3とR4とした場合、R1とR2及び/またはR3とR4は互いに結合して−NR7−、−CR8R9−、−O−及び−S−からなる群より選択される結合基を含む環を形成し、かつ、該形成する環の少なくとも一つは結合基として−NR7−を含む。R1とR2またはR3とR4が環を形成する場合、環を形成しないR1乃至R4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1乃至18のアルキル基を表す。R7乃至R9はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1乃至8のアルキル基を表すことを特徴とするフルオラン環を有するキサンテン化合物
【選択図】なし
Description
本発明は新規なキサンテン化合物に関する。
C.I.Acid Red 289は、赤色染料として各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ及びカラーフィルターなど幅広い用途で使用されているが、カラーフィルターに要求される重要な特性の一つとして、コントラスト比が挙げられる。
しかしながら、本発明者らの検討の結果、C.I.Acid Red 289を用いた染料組成物はコントラスト比が不十分であった。
本発明は、高コントラスト比が実現可能な新規のキサンテン化合物並びに該化合物を染料として用いた染料組成物を提供する事を目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するキサンテン化合物を染料着色体に用いることにより、従来公知のキサンテン化合物を用いた場合に比べて飛躍的にコントラスト比が向上する事を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)で表されるキサンテン化合物
(1)下記式(1)で表されるキサンテン化合物
(式(1)中、mは1または2の整数を表す。R1とR2及び/またはR3とR4は互いに結合して−NR7−、−CR8R9−、−O−及び−S−からなる群より選択される結合基を含む環を形成し、かつ、該形成する環の少なくとも一つは結合基として−NR7−を含む。R1とR2またはR3とR4が環を形成する場合、環を形成しないR1乃至R4はそれぞれ独立に水素原子:ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アミド基、アルキル置換アミド基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、アルキルスルホニル基及びハロゲン原子からなる群より選択される置換基を有する炭素数1乃至18のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至18のアルキル基を表す。R7乃至R9はそれぞれ独立に水素原子;ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アミド基、アルキル置換アミド基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、スルホ基およびハロゲン原子からなる群より選択される置換基を有する炭素数1乃至8のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至8のアルキル基を表す。R5はmが1の場合は−SO3 −または−COO−を表し、mが2の場合は一方が−SO3 −または−COO−を表し、他方がスルホ基、カルボキシル基またはカルボン酸エステル基を表す。)、
(2)式(1)におけるR1とR2が互いに結合して環を形成する前記(1)に記載のキサンテン化合物、
(3)下記式(2)で表される前記(2)に記載のキサンテン化合物
(2)式(1)におけるR1とR2が互いに結合して環を形成する前記(1)に記載のキサンテン化合物、
(3)下記式(2)で表される前記(2)に記載のキサンテン化合物
(式(2)中、nは1または2の整数を表す。a乃至jはそれぞれ独立に−NR7−、−CR8R9−、−O−または−S−を表し、かつa乃至jの少なくとも一つは−NR7−である。R7乃至R9はそれぞれ独立に水素原子;ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アミド基、アルキル置換アミド基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、スルホ基およびハロゲン原子からなる群より選択される置換基を有する炭素数1乃至8のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至8のアルキル基を表す。R10はnが1の場合は−SO3 −または−COO−を表し、nが2の場合は一方が−SO3 −または−COO−を表し、他方がスルホ基、カルボキシル基またはカルボン酸エステル基を表す。)、
(4)式(2)におけるa乃至jがそれぞれ独立に−NR7−または−CR8R9−である前記(3)に記載のキサンテン化合物、
(5)下記式(3)で表される前記(4)に記載のキサンテン化合物
(4)式(2)におけるa乃至jがそれぞれ独立に−NR7−または−CR8R9−である前記(3)に記載のキサンテン化合物、
(5)下記式(3)で表される前記(4)に記載のキサンテン化合物
(式(3)中、lは1または2の整数を表す。R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子;ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アミド基、アルキル置換アミド基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、アルキルスルホニル基およびハロゲン原子からなる群より選択される置換基を有する炭素数1乃至8のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至8のアルキル基を表す。R13はlが1の場合は−SO3 −または−COO−を表し、lが2の場合は一方が−SO3 −または−COO−を表し、他方がスルホ基、カルボキシル基またはカルボン酸エステル基を表す。)、
(6)式(3)におけるR11及びR12がそれぞれ独立に水素原子又は無置換の炭素数1乃至8のアルキル基である前記(5)に記載のキサンテン化合物、
(7)前記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の化合物及び油溶性有機溶媒を含有する油性染料組成物、
(8)前記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の化合物及び水性媒体を含有する水性染料組成物、
(9)前記(7)に記載の油性染料組成物または前記(8)に記載の水性染料組成物を用いて得られるカラーフィルター、
に関する。
(6)式(3)におけるR11及びR12がそれぞれ独立に水素原子又は無置換の炭素数1乃至8のアルキル基である前記(5)に記載のキサンテン化合物、
(7)前記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の化合物及び油溶性有機溶媒を含有する油性染料組成物、
(8)前記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の化合物及び水性媒体を含有する水性染料組成物、
(9)前記(7)に記載の油性染料組成物または前記(8)に記載の水性染料組成物を用いて得られるカラーフィルター、
に関する。
本発明のキサンテン化合物は鮮明性および発色性に優れ、該キサンテン化合物を用いて調整した油性または水性染料組成物によって加工した染料着色体は、従来公知のキサンテン化合物を用いて調整した染料着色体よりも高コントラスト比を有する特性を示すものである。すなわち、本発明のキサンテン化合物は染料着色体に利用可能であり、カラーフィルター用インキやインクジェット用インキ等の幅広い用途に使用できる。
本発明のキサンテン化合物は、前記式(1)で表される。
式(1)中、R1とR2及び/またはR3とR4は互いに結合して−NR7−、−CR8R9−、−O−及び−S−からなる群より選択される結合基を含む環を形成し、かつ、該形成する環の少なくとも一つは結合基として−NR7−を含む。
R1とR2及び/またはR3とR4とが結合して形成する環とは、式(1)中に明記されている窒素原子と、結合基−NR7−及び/または結合基−CR8R9−及び/または結合基−O−及び/または結合基−S−を含む環であって、通常は式(1)中に明記されている窒素原子を含む5員環または6員環である。R1とR2及びR3とR4がそれぞれ結合して2つの環を形成する場合は、少なくともいずれかの環が結合基−NR7−を含んでなり、また、R1とR2またはR3とR4のいずれかが環を形成する場合は、該形成する環が結合基−NR7−を含んでなる。
R1とR2及び/またはR3とR4とが結合して形成する環としては、式(1)中に明記された窒素原子、結合基−CR8R9−及び結合基−NR7−からなるピペラジン環や、式(1)中に明記された窒素原子、結合基−CR8R9−及び結合基−O−からなるモルホリン環等であることが好ましく、R1とR2及びR3とR4の両者がピペラジン環を形成することがより好ましい。
式(1)中、R1とR2及び/またはR3とR4は互いに結合して−NR7−、−CR8R9−、−O−及び−S−からなる群より選択される結合基を含む環を形成し、かつ、該形成する環の少なくとも一つは結合基として−NR7−を含む。
R1とR2及び/またはR3とR4とが結合して形成する環とは、式(1)中に明記されている窒素原子と、結合基−NR7−及び/または結合基−CR8R9−及び/または結合基−O−及び/または結合基−S−を含む環であって、通常は式(1)中に明記されている窒素原子を含む5員環または6員環である。R1とR2及びR3とR4がそれぞれ結合して2つの環を形成する場合は、少なくともいずれかの環が結合基−NR7−を含んでなり、また、R1とR2またはR3とR4のいずれかが環を形成する場合は、該形成する環が結合基−NR7−を含んでなる。
R1とR2及び/またはR3とR4とが結合して形成する環としては、式(1)中に明記された窒素原子、結合基−CR8R9−及び結合基−NR7−からなるピペラジン環や、式(1)中に明記された窒素原子、結合基−CR8R9−及び結合基−O−からなるモルホリン環等であることが好ましく、R1とR2及びR3とR4の両者がピペラジン環を形成することがより好ましい。
R1とR2またはR3とR4が環を形成する場合、環を形成しないR1乃至R4はそれぞれ独立に水素原子:ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アミド基、アルキル置換アミド基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、アルキルスルホニル基及びハロゲン原子からなる群より選択される置換基を有する炭素数1乃至18のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至18のアルキル基を表す。
尚、本発明において「無置換のアルキル基」とは、炭素原子と水素原子のみからなるアルキル基を意味する。
式(1)中、R1乃至R4が表す炭素数1乃至18のアルキル基としては、直鎖または分岐鎖の炭素数1乃至18のアルキル基が挙げられる。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。R1乃至R4が表すアルキル基としては、炭素数が1乃至10であることが好ましく、炭素数が1乃至6であることがより好ましく、炭素数が1乃至4であることが更に好ましい。
尚、本発明において「無置換のアルキル基」とは、炭素原子と水素原子のみからなるアルキル基を意味する。
式(1)中、R1乃至R4が表す炭素数1乃至18のアルキル基としては、直鎖または分岐鎖の炭素数1乃至18のアルキル基が挙げられる。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。R1乃至R4が表すアルキル基としては、炭素数が1乃至10であることが好ましく、炭素数が1乃至6であることがより好ましく、炭素数が1乃至4であることが更に好ましい。
式(1)中、R1乃至R4が表す炭素数1乃至10のアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アミド基、アルキル置換アミド基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、アルキルスルホニル基およびハロゲン原子からなる群より選択される置換基で置換されていてもよい。これら置換基の置換数は好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。また、これら置換基の置換位置は特に制限されないが、アルキル基に含まれる末端の水素原子に置換することが好ましい。
式(1)中、R1乃至R4が表すヒドロキシ基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
式(1)中、R1乃至R4が表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、上記したR1乃至R4が表す炭素数1乃至18のアルキル基に酸素原子が結合したアルコキシ基が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポロポキシ基またはn−ブトキシ基であることが好ましい。R1乃至R4が表すアルコキシ基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、メトキシメチル基、iso−プロポキシメチル基及びiso−ブトキシメチル基等が挙げられる。
式(1)中、R1乃至R4が表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されてもよいアルコキシアルコキシ基におけるアルコキシ基としては、いずれも上記したR1乃至R4が表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。R1乃至R4が表すアルコキシアルコキシ基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、メトキシメトキシメチル基、iso−プロポキシメトキシメチル基及びiso−ブトキシメトキシメチル基等が挙げられる。
式(1)中、R1乃至R4が表すアミノ基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、アミノメチル基、アミノエチル基及びアミノプロピル基等が挙げられる。
式(1)中、R1乃至R4が表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルキル置換アミノ基におけるアルキル基としては、上記したR1乃至R4が表す炭素数1乃至18のアルキル基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。また、該アルキル置換アミノ基におけるアルキル基の置換数は、1又は2のいずれでもよい。R1乃至R4が表すアルキル置換アミノ基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、エチルメチルアミノメチル基及びジiso−プロピルアミノメチル基等が挙げられる。
式(1)中、R1乃至R4が表すアミド基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、アミドメチル基、アミドエチル基及びアミドプロピル基等が挙げられる。
式(1)中、R1乃至R4が表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルキル置換アミド基におけるアルキル基としては、上記したR1乃至R4が表す炭素数1乃至18のアルキル基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。また、該アルキル置換アミド基におけるアルキル基の置換数は、1又は2のいずれでもよい。R1乃至R4が表すアルキル置換アミド基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、ジメチルアミドメチル基、ジエチルアミドメチル基、エチルメチルアミドメチル基及びジiso−プロピルアミドメチル基等が挙げられる。
式(1)中、R1乃至R4が表すカルボキシル基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基及びカルボキシプロピル基等が挙げられる。
式(1)中、R1乃至R4が表すシアノ基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、シアノメチル基、シアノエチル基及びシアノプロピル基等が挙げられる。
式(1)中、R1乃至R4が表すニトロ基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、ニトロメチル基、ニトロエチル基及びニトロプロピル基等が挙げられる
式(1)中、R1乃至R4が表すスルホ基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、スルホメチル基スルホエチル基及びスルホプロピル基等が挙げられる。
式(1)中、R1乃至R4が表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されてもよいアルキルスルホニル基におけるアルキル基としては、R1乃至R4が表す炭素数1乃至18のアルキル基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。R1乃至R4が表すアルキルスルホニル基で置換された炭素数1乃至18のアルキル基の具体例としては、メチルスルホニルメチル基、エチルスルホニルメチル基及びメチルスルホニルエチル基等が挙げられる。
式(1)中、R1乃至R4が表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(1)におけるR1乃至R4としては、それぞれ独立に炭素数1乃至6のアルキル基であることが好ましく、それぞれ独立に無置換の炭素数1乃至6のアルキル基であることがより好ましく、それぞれ独立に炭素数1乃至4のアルキル基であることが更に好ましく、それぞれ独立に無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが特に好ましい。
また、R1とR2またはR3とR4が同一のアルキル基であることも好ましい。
また、R1とR2またはR3とR4が同一のアルキル基であることも好ましい。
式(1)中、R5が表すカルボン酸エステル基の具体例としては、カルボン酸メチル基及びカルボン酸エチル基等が挙げられる。
式(1)中、mは1または2の整数を表す。式(1)におけるmは、1であることが好ましい。また、mが1の場合、R5の置換位置はR5が結合しているフェニル基の2または4位であることが好ましく、2位であることがより好ましい。
式(1)におけるm及びR5としては、mが1であってR5が−SO3 −であり、かつ−SO3 −の置換位置が2位であることが特に好ましい。
式(1)中、mは1または2の整数を表す。式(1)におけるmは、1であることが好ましい。また、mが1の場合、R5の置換位置はR5が結合しているフェニル基の2または4位であることが好ましく、2位であることがより好ましい。
式(1)におけるm及びR5としては、mが1であってR5が−SO3 −であり、かつ−SO3 −の置換位置が2位であることが特に好ましい。
式(1)中、R7乃至R9はそれぞれ独立に水素原子;ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アミド基、アルキル置換アミド基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、スルホ基およびハロゲン原子からなる群より選択される置換基を有する炭素数1乃至8のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至8のアルキル基を表す。
R7乃至R9が表す炭素数1乃至8のアルキル基としては、直鎖または分岐鎖の炭素数1乃至8のアルキル基が挙げられる。その具体例は、R1乃至R4が表す炭素数1乃至18のアルキル基の項に記載した具体例のうち、炭素数1乃至8のアルキル基と同様である。
また、R7乃至R9が表す置換基を有する炭素数1乃至8のアルキル基としては、R1乃至R4が表す置換基を有する炭素数1乃至18のアルキル基の項に記載した具体例のうち、炭素数1乃至8のアルキル基と同様である。
式(1)におけるR7としては、水素原子;ジ炭素数1乃至4アルキル置換アミノ基またはヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1乃至4のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが好ましく、無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることがより好ましい。
式(1)におけるR8及びR9としては、水素原子または無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
R7乃至R9が表す炭素数1乃至8のアルキル基としては、直鎖または分岐鎖の炭素数1乃至8のアルキル基が挙げられる。その具体例は、R1乃至R4が表す炭素数1乃至18のアルキル基の項に記載した具体例のうち、炭素数1乃至8のアルキル基と同様である。
また、R7乃至R9が表す置換基を有する炭素数1乃至8のアルキル基としては、R1乃至R4が表す置換基を有する炭素数1乃至18のアルキル基の項に記載した具体例のうち、炭素数1乃至8のアルキル基と同様である。
式(1)におけるR7としては、水素原子;ジ炭素数1乃至4アルキル置換アミノ基またはヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1乃至4のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが好ましく、無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることがより好ましい。
式(1)におけるR8及びR9としては、水素原子または無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(1)で表されるキサンテン化合物としては、前記式(2)で表される化合物がより好ましい。
式(2)中、a乃至jはそれぞれ独立に−NR7−、−CR8R9−、−O−または−S−を表し、それぞれ独立に−NR7−または−CR8R9−であることが好ましい。R7乃至R9が表す炭素数1乃至8のアルキル基としては、直鎖または分岐鎖の炭素数1乃至8のアルキル基が挙げられる。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。R7乃至R9が表すアルキル基としては、炭素数が1乃至6であることが好ましく、炭素数が1乃至4であることがより好ましい。
式(2)中、a乃至jはそれぞれ独立に−NR7−、−CR8R9−、−O−または−S−を表し、それぞれ独立に−NR7−または−CR8R9−であることが好ましい。R7乃至R9が表す炭素数1乃至8のアルキル基としては、直鎖または分岐鎖の炭素数1乃至8のアルキル基が挙げられる。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。R7乃至R9が表すアルキル基としては、炭素数が1乃至6であることが好ましく、炭素数が1乃至4であることがより好ましい。
式(2)中、a乃至jが表す炭素数1乃至8のアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アミド基、アルキル置換アミド基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、アルキルスルホニル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。これら置換基の置換数は好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。また、これら置換基の置換位置は特に制限されないが、アルキル基に含まれる末端の水素原子に置換することが好ましい。
式(2)中、a乃至jが表すヒドロキシ基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
式(2)中、a乃至jが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、上記したa乃至jが表す炭素数1乃至8のアルキル基に酸素原子が結合したアルコキシ基が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポロポキシ基またはn−ブトキシ基であることが好ましい。a乃至jが表すアルコキシ基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、メトキシメチル基、iso−プロポキシメチル基及びiso−ブトキシメチル基等が挙げられる。
式(2)中、a乃至jが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されてもよいアルコキシアルコキシ基におけるアルコキシ基としては、いずれも上記したa乃至jが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。a乃至jが表すアルコキシアルコキシ基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、メトキシメトキシメチル基、iso−プロポキシメトキシメチル基及びiso−ブトキシメトキシメチル基等が挙げられる。
式(2)中、a乃至jが表すアミノ基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、アミノメチル基、アミノエチル基及びアミノプロピル基等が挙げられる。
式(2)中、a乃至jが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルキル置換アミノ基におけるアルキル基としては、上記したa乃至jが表す炭素数1乃至8のアルキル基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。また、該アルキル置換アミノ基におけるアルキル基の置換数は、1又は2のいずれでもよい。a乃至jが表すアルキル置換アミノ基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、エチルメチルアミノメチル基及びジiso−プロピルアミノメチル基等が挙げられる。
式(2)中、a乃至jが表すアミド基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、アミドメチル基、アミドエチル基及びアミドプロピル基等が挙げられる。
式(2)中、a乃至jが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルキル置換アミド基におけるアルキル基としては、上記したa乃至jが表す炭素数1乃至8のアルキル基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。また、該アルキル置換アミド基におけるアルキル基の置換数は、1又は2のいずれでもよい。a乃至jが表すアルキル置換アミド基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、ジメチルアミドメチル基、ジエチルアミドメチル基、エチルメチルアミドメチル基及びジiso−プロピルアミドメチル基等が挙げられる。
式(2)中、a乃至jが表すカルボキシル基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基及びカルボキシプロピル基等が挙げられる。
式(2)中、a乃至jが表すシアノ基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、シアノメチル基、シアノエチル基及びシアノプロピル基等が挙げられる。
式(2)中、a乃至jが表すニトロ基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、ニトロメチル基、ニトロエチル基及びニトロプロピル基等が挙げられる
式(2)中、a乃至jが表すスルホ基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、スルホメチル基スルホエチル基及びスルホプロピル基等が挙げられる。
式(2)中、a乃至jが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されてもよいアルキルスルホニル基におけるアルキル基としては、a乃至jが表す炭素数1乃至8のアルキル基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。a乃至jが表すアルキルスルホニル基で置換された炭素数1乃至8のアルキル基の具体例としては、メチルスルホニルメチル基、エチルスルホニルメチル基及びメチルスルホニルエチル基等が挙げられる。
式(2)中、a乃至jが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(2)中、a、b、d、e、f、g、i、jとしては、−CH2−、−C(CH3)−、−C(CH3)2−であることが好ましく、−CH2−が特に好ましい。
式(2)中、c、hとしては、−NH−、−N(CH3)−、−N(C2H5)−、−N(CH(CH3)2)−、−N(C2H2N(CH3)2)−、−N(CH2OH)−が好ましく、−NH−、−N(CH3)−、−N(CH(CH3)2)−が特に好ましい。
式(2)中、R10表すカルボン酸エステル基の具体例としては、カルボン酸メチル基及びカルボン酸エチル基等が挙げられる。
式(2)中、nは1または2の整数を表す。式(2)におけるnは、1であることが好ましい。また、nが1の場合、R10の置換位置はR10が結合しているフェニル基の2または4位であることが好ましく、2位であることがより好ましい。
式(2)におけるn及びR10としては、nが1であってR10が−SO3 −であり、かつ−SO3 −の置換位置が2位であることが特に好ましい。
式(2)中、nは1または2の整数を表す。式(2)におけるnは、1であることが好ましい。また、nが1の場合、R10の置換位置はR10が結合しているフェニル基の2または4位であることが好ましく、2位であることがより好ましい。
式(2)におけるn及びR10としては、nが1であってR10が−SO3 −であり、かつ−SO3 −の置換位置が2位であることが特に好ましい。
式(2)で表されるキサンテン化合物としては、前記式(3)で表される化合物が更に好ましい。
式(3)中、R11及びR12が表す炭素数1乃至8のアルキル基、該アルキル基が有していてもよい置換基、並びに置換基を有す炭素数1乃至8のアルキル基としては、式(2)におけるR7乃至R9が表す炭素数1乃至8のアルキル基、該アルキル基が有していてもよい置換基、並びに置換基を有す炭素数1乃至8のアルキル基と同様である。
式(3)におけるR11及びR12としては、それぞれ独立にジ炭素数1乃至4アルキル基またはヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1乃至6のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基であることが好ましく、両者が同一のジ炭素数1乃至4アルキル基またはヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1乃至6のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基であることがより好ましく、それぞれ独立にジ炭素数1乃至4アルキル基またはヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1乃至4のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが更に好ましく、両者が同一のジ炭素数1乃至4アルキル基またはヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1乃至4のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが特に好ましく、両者が同一の無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが最も好ましい。
式(3)中、R11及びR12が表す炭素数1乃至8のアルキル基、該アルキル基が有していてもよい置換基、並びに置換基を有す炭素数1乃至8のアルキル基としては、式(2)におけるR7乃至R9が表す炭素数1乃至8のアルキル基、該アルキル基が有していてもよい置換基、並びに置換基を有す炭素数1乃至8のアルキル基と同様である。
式(3)におけるR11及びR12としては、それぞれ独立にジ炭素数1乃至4アルキル基またはヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1乃至6のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基であることが好ましく、両者が同一のジ炭素数1乃至4アルキル基またはヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1乃至6のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基であることがより好ましく、それぞれ独立にジ炭素数1乃至4アルキル基またはヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1乃至4のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが更に好ましく、両者が同一のジ炭素数1乃至4アルキル基またはヒドロキシ基を置換基として有する炭素数1乃至4のアルキル基;若しくは無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが特に好ましく、両者が同一の無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが最も好ましい。
式(3)中、R13表すカルボン酸エステル基の具体例としては、カルボン酸メチル基及びカルボン酸エチル基等が挙げられる。
式(3)中、lは1または2の整数を表す。式(3)におけるlは、1であることが好ましい。また、lが1の場合、R13の置換位置はR13が結合しているフェニル基の2または4位であることが好ましく、2位であることがより好ましい。
式(3)におけるl及びR13としては、lが1であってR13が−SO3 −であり、かつ−SO3 −の置換位置が2位であることが特に好ましい。
式(3)中、lは1または2の整数を表す。式(3)におけるlは、1であることが好ましい。また、lが1の場合、R13の置換位置はR13が結合しているフェニル基の2または4位であることが好ましく、2位であることがより好ましい。
式(3)におけるl及びR13としては、lが1であってR13が−SO3 −であり、かつ−SO3 −の置換位置が2位であることが特に好ましい。
本発明のキサンテン化合物としては、下記No.1〜No.8で表される化合物が好ましく、下記No.1で表される化合物がより好ましい。
上記式(1)で表される化合物の具体例を、以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物は、例えば特開2011−148973号公報に記載の公知技術で製造することができる。その合成スキームの一例を以下に示す。尚、以下の合成スキームは式(1)におけるmが1、R5がSO3 −、R5の置換位置が2位である式(1−1)で表されるキサンテン化合物に関するものである。
上記に例示した合成スキームでは、1ステップ目に示した一次縮合工程、2ステップ目に示した2次縮合工程によって、化合物(1−1)を合成する方法である。
1ステップ目に示した1次縮合工程では化合物(4)と化合物(5)とを有機溶剤や縮合剤の存在下で加熱し、縮合させる。次に2ステップ目に示した2次縮合工程では、1次縮合で得た化合物(6)と化合物(7)とを再び加熱し、縮合させることによって化合物(1−1)を得ることができる。
1ステップ目に示した1次縮合工程では化合物(4)と化合物(5)とを有機溶剤や縮合剤の存在下で加熱し、縮合させる。次に2ステップ目に示した2次縮合工程では、1次縮合で得た化合物(6)と化合物(7)とを再び加熱し、縮合させることによって化合物(1−1)を得ることができる。
上記に例示した合成スキームの縮合反応において用いる有機溶媒は、1ステップ目に示した1次縮合工程では、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール及びn−ブタノール等を単独で、もしくは混合して使用することが好ましい。2ステップ目に示した2次縮合工程では、例えば、エチレングリコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン及びニトロベンゼン等を単独で、もしくは混合して使用することが好ましい。
上記一次縮合工程における反応温度は、通常50〜100℃、好ましくは90℃以下である。上記2次縮合工程における反応温度は、通常60〜180℃、好ましくは70〜140℃である。
上記合成スキーム中の化合物(5)と(7)が同一の場合には、化合物(4)より一段階の縮合工程で化合物(1−1)を得ることができる。その際の反応温度は、70〜140℃であることが好ましい。
縮合剤としては、例えば、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等を用いることが好ましい。
本発明の油性または水性染料組成物は、本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物及び、油性染料組成物の場合は油溶性有機溶媒を、水性染料の場合は水性媒体を含有する。本発明の油性または水性染料組成物における式(1)で表されるキサンテン化合物の含有量は、通常0.1〜50質量%、好ましくは0.2〜40質量%、より好ましくは0.5〜20質量%である。
本発明の油性染料組成物は、少なくとも1種類の油溶性有機溶媒に本発明の式(1)で表される化合物を溶解または分散させて調製する事ができる。用いられる油溶性有機溶媒としては、例えば、エタノール、ペンタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、テトラフルオロプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のグリコール誘導体;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ブチルフェニルエーテル、ベンジルエーテル、ヘキシルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の極性有機溶媒等が挙げられ、これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の水性染料組成物は、水性媒体に本発明の式(1)で表される化合物を分散させて調製する事ができる。水性媒体としては、水または水溶性有機溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン等のアミン類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の油性または水性染料組成物には、色相の調整などの目的で必要に応じて前記式(1)以外の色材を併用してもよい。併用し得る色材としては、例えば酸性染料、反応性染料、直接性染料、カチオン染料、塩基性染料等の水溶性染料、分散染料、ソルベント染料等の油溶性染料、有機顔料、カーボンブラック等が挙げられるがこれらに限定されず、溶媒に溶解した状態あるいは分散した状態で添加される。本発明の油性または水性染料組成物における併用し得る色材の使用量は、染料着色体の耐熱性等の堅牢性が向上するという本発明の目的を損なわない限り特に限定されず、式(1)で表される化合物に対して、通常1〜15質量%以下、好ましくは5〜10質量%以下が用いられる。
本発明の油性染料組成物及び水性染料組成物には、式(1)で表される化合物の分散性を改善する目的で、必要により分散剤を併用することが出来る。
油性染料組成物に用いられる分散剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシアルキルエーテル燐酸エステル塩等公知のアニオン界面活性剤、ビニルナフタレン誘導体、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、無水マレイン酸、無水マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、またはこれらの塩等の高分子分散剤等が挙げられ、これらの1種以上が、式(1)で表される化合物及び必要により併用される色材に対して通常500質量%以下、好ましくは10〜450質量%、より好ましくは100〜400質量%用いられる。
水性染料組成物に用いられる分散剤としては、界面活性剤の他、顔料分散液を調整するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を好適に使用することができる。高分子分散剤の具体例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸塩−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。式(1)で表される化合物及び必要により併用される色材に対して通常100質量%以下、好ましくは10〜70質量%用いられる。
式(1)で表されるキサンテン化合物を微粒状に分散させる方法としては、サンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いる方法が挙げられるが、これらの中でもサンドミル(ビーズミル)が好ましい。またサンドミル(ビーズミル)を用いて分散を行う場合は、径の小さいビーズを使用したり、ビーズの充填率を大きくすること等、粉砕効率を高め得る条件で処理することが好ましく、更に粉砕処理後に濾過、遠心分離などで素粒子を除去することも好ましい。
本発明の染料組成物にはその他の添加剤として表面調整剤、消泡剤、防腐・防黴剤、pH調整剤等を含んでも良い。表面調整剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物等の公知のノニオン系、ポリシロキサン系あるいはポリジメチルシロキサン系の界面活性剤、消泡剤としては、シリコーン系、アセチレン系の公知の消泡剤、防腐・防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等の公知の防腐・防黴剤、pH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類等の公知のpH調整剤が挙げられ、これらはそれぞれ必要に応じて添加する事ができる。
また本発明の油性または水性染料組成物には被着色体への染料の定着性を向上させる目的で、組成中の媒体と相溶性のあるポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系又はポリアクリル系樹脂並びにエチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマー等のバインダー樹脂を含有させることが好ましく、また、バインダー樹脂が重合性を有する場合には、更に重合開始剤や硬化剤等を併用することがより好ましい。バインダー樹脂は染料組成物中の式(1)で表される化合物及び必要により併用される色材に対して通常10000質量%以下が用いられる。尚、重合開始剤や硬化剤等は、バインダー樹脂の使用量に応じて適当量を用いればよい。本発明の油性または水性染料組成物は上記各成分を溶媒に溶解あるいは分散及び混合することによって調製することができる。
本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物は、油性染料組成物または水性染料組成物として各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用着色組成物に用いられる。油性染料組成物および水性染料組成物は、例えば普通紙、コート紙、プラスチックフィルム、プラスチック基板などの被着色材料に用いられる。また、本発明の染料組成物を被着色材料に付与する方法としては、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの各種印刷方法あるいはスピンコーター、ロールコーターなどによる塗工方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは無い。
実施例1(上記具体例化合物No.1のキサンテン化合物の合成)
100mlの四つ口フラスコに、下記式(8)で表されるフルオラン化合物3部、メタノール5部、1−メチルピペラジン(東京化成工業社製)3部を仕込み、60℃で6時間反応させた。この反応液をろ過し、ろ液を減圧乾燥させた。得られた固体をアセトン50ml中で撹拌、ろ過、乾燥させることにより、化合物No.1のキサンテン化合物を2.0部得た。該化合物の極大吸収波長は550nm(メタノール)であった。
100mlの四つ口フラスコに、下記式(8)で表されるフルオラン化合物3部、メタノール5部、1−メチルピペラジン(東京化成工業社製)3部を仕込み、60℃で6時間反応させた。この反応液をろ過し、ろ液を減圧乾燥させた。得られた固体をアセトン50ml中で撹拌、ろ過、乾燥させることにより、化合物No.1のキサンテン化合物を2.0部得た。該化合物の極大吸収波長は550nm(メタノール)であった。
合成例1(バインダー樹脂(共重合体)の調整)
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80〜85℃で4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをiso−プロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥させ、共重合体(A)を得た。得られた共重合体(A)のポリスチレン換算重量平均分子量は18000であり、酸価は152であった。
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80〜85℃で4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをiso−プロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥させ、共重合体(A)を得た。得られた共重合体(A)のポリスチレン換算重量平均分子量は18000であり、酸価は152であった。
実施例2
合成例1で得られた共重合体(A)1.9部、実施例1で得られたキサンテン化合物0.1部をN−メチルピロリドン8部に混合させて本発明の水性染料組成物1を得た。
合成例1で得られた共重合体(A)1.9部、実施例1で得られたキサンテン化合物0.1部をN−メチルピロリドン8部に混合させて本発明の水性染料組成物1を得た。
比較例1
実施例1のキサンテン化合物を公知の染料であるAcid Red289に変更した以外は実施例2に準じて比較用の水性染料組成物1を得た。
実施例1のキサンテン化合物を公知の染料であるAcid Red289に変更した以外は実施例2に準じて比較用の水性染料組成物1を得た。
コントラストの評価
上記で得られた水性染料組成物を塗布したガラス基板を、プレベーク(80℃×100秒間)した後、ポストベーク(200℃×20分間)を行い、染料着色体1及び比較用染料着色体1を作成した。コントラスト計(壷坂電機製CT−1)を用いて、2枚の偏光板の平行時の輝度値(cd/cm2)と直交時の輝度値(cd/cm2)の比(平行時の輝度値/直交時の輝度値)から、染料着色体1及び比較用染料着色体1のコントラストを算出し、結果を表1に示した。
上記で得られた水性染料組成物を塗布したガラス基板を、プレベーク(80℃×100秒間)した後、ポストベーク(200℃×20分間)を行い、染料着色体1及び比較用染料着色体1を作成した。コントラスト計(壷坂電機製CT−1)を用いて、2枚の偏光板の平行時の輝度値(cd/cm2)と直交時の輝度値(cd/cm2)の比(平行時の輝度値/直交時の輝度値)から、染料着色体1及び比較用染料着色体1のコントラストを算出し、結果を表1に示した。
表2 コントラストの評価結果
表1 コントラストの評価結果
コントラスト比
染料着色体1 4500
比較用染料着色体1 600
表1 コントラストの評価結果
コントラスト比
染料着色体1 4500
比較用染料着色体1 600
上記の結果から、本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物を含有する水性染料組成物を用いた染料着色体1は、公知の酸性染料を含有する比較用の染料組成物を用いた比較用染料着色体1に比べてコントラスト比が高く、コントラスト比にきわめて優れていることは明らかである。
以上のように本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物を含有する染料組成物を用いて得られた染料着色体はコントラスト比に優れるものであり、カラーフィルター用インキ等、高コントラスト比が要求される幅広い用途で使用可能であり、産業的な価値が高いことが明らかとなった。
以上のように本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物を含有する染料組成物を用いて得られた染料着色体はコントラスト比に優れるものであり、カラーフィルター用インキ等、高コントラスト比が要求される幅広い用途で使用可能であり、産業的な価値が高いことが明らかとなった。
本発明のキサンテン化合物は鮮明性および発色性に優れ、該キサンテン化合物を用いて調整した油性または水性染料組成物によって加工した染料着色体は、従来公知のキサンテン化合物を用いて調整した染料着色体よりもコントラスト比に優れた特性を示すものである。よって、本発明のキサンテン化合物は染料着色体に利用可能であり、カラーフィルター用インキ等の幅広い用途に使用できる。
Claims (9)
- 下記式(1)で表されるキサンテン化合物
- 式(1)におけるR1とR2が互いに結合して環を形成する請求項1に記載のキサンテン化合物。
- 下記式(2)で表される請求項2に記載のキサンテン化合物
- 式(2)におけるa乃至jがそれぞれ独立に−NR7−または−CR8R9−である請求項3に記載のキサンテン化合物。
- 下記式(3)で表される請求項4に記載のキサンテン化合物
- 式(3)におけるR11及びR12がそれぞれ独立に水素原子又は無置換の炭素数1乃至8のアルキル基である請求項5に記載のキサンテン化合物。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の化合物及び油溶性有機溶媒を含有する油性染料組成物。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の化合物及び水性媒体を含有する水性染料組成物。
- 請求項7に記載の油性染料組成物または請求項8に記載の水性染料組成物を用いて得られるカラーフィルター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013081210A JP2014201715A (ja) | 2013-04-09 | 2013-04-09 | キサンテン化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013081210A JP2014201715A (ja) | 2013-04-09 | 2013-04-09 | キサンテン化合物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014201715A true JP2014201715A (ja) | 2014-10-27 |
Family
ID=52352455
Family Applications (1)
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JP2013081210A Pending JP2014201715A (ja) | 2013-04-09 | 2013-04-09 | キサンテン化合物 |
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JP (1) | JP2014201715A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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USRE49362E1 (en) | 2006-05-18 | 2023-01-10 | Illumina Cambridge Limited | Dye compounds and the use of their labelled conjugates |
-
2013
- 2013-04-09 JP JP2013081210A patent/JP2014201715A/ja active Pending
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