JP2015168700A - アゾ化合物 - Google Patents
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- UZOBGSXSYLTDIG-VXPUYCOJSA-N COCc(c(/N=N\c(cccc1)c1C(O)=O)c1O)n[n]1-c1ccccc1 Chemical compound COCc(c(/N=N\c(cccc1)c1C(O)=O)c1O)n[n]1-c1ccccc1 UZOBGSXSYLTDIG-VXPUYCOJSA-N 0.000 description 1
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Abstract
Description
本発明は新規なアゾ化合物に関する。
C.I.Acid Yellow 59は、黄色染料として各種塗料、繊維材料、水性インキ、油性インキ及びインクジェット用インキなど幅広い用途で使用されている。
特許文献1には、C.I.Acid Yellow 59等のアゾ化合物の記載があるが、本発明者らの検討の結果、C.I.Acid Yellow 59等のアゾ化合物は、単独での溶解性が不十分であった。
本発明は、溶解性に優れる新規なアゾ化合物並びに該化合物を染料として用いた染料組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するアゾ化合物は、従来公知のアゾ化合物に比べて油溶性有機溶媒や水性媒体に対する高い溶解性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)で表されるアゾ化合物
(1)下記式(1)で表されるアゾ化合物
(式(1)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アリール基、スルホンアミド基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、−SO2NHR2または−COOR2を表す。R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R3は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アリール基、炭素数1〜4のアルキル基、−SO2NHR6または−COOR6を表す。R6は水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基、アルキル部分の炭素数1〜4のアルキルシクロヘキシル基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基、−R7−CO−O−R8、−R7−O−CO−R8または炭素数7〜10のアラルキル基を表す。R7は炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基を表す。R8は炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表す。MはCrまたはCoを表す。X+はテトラ(炭素数1〜4アルキル)アンモニウムイオンを表す。)、
(2)式(1)におけるR1が水素原子である前記(1)に記載のアゾ化合物、
(3)式(1)におけるR3がメトキシ基である前記(1)に記載のアゾ化合物、
(4)式(1)におけるR4及びR5が水素原子である前記(1)に記載のアゾ化合物、
(5)式(1)におけるMがCrである前記(1)に記載のアゾ化合物、
(6)式(1)におけるX+がテトラエチルアンモニウムイオンである前記(1)に記載のアゾ化合物、
(7)前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の化合物及び油溶性有機溶媒を含有する油性染料組成物、
(8)前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の化合物及び水性媒体を含有する水性染料組成物、
に関する。
(2)式(1)におけるR1が水素原子である前記(1)に記載のアゾ化合物、
(3)式(1)におけるR3がメトキシ基である前記(1)に記載のアゾ化合物、
(4)式(1)におけるR4及びR5が水素原子である前記(1)に記載のアゾ化合物、
(5)式(1)におけるMがCrである前記(1)に記載のアゾ化合物、
(6)式(1)におけるX+がテトラエチルアンモニウムイオンである前記(1)に記載のアゾ化合物、
(7)前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の化合物及び油溶性有機溶媒を含有する油性染料組成物、
(8)前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の化合物及び水性媒体を含有する水性染料組成物、
に関する。
本発明のアゾ化合物は、従来公知のアゾ化合物よりも油溶性有機溶媒及び水性媒体への溶解性に優れた特性を示すと共に、耐熱性に優れた特性を有するものである。すなわち、本発明のアゾ化合物を用いることにより、より染料濃度の高い油性染料組成物及び水性染料組成物を調製可能であり、インクジェット用インキ等の幅広い用途に使用できる。
本発明のアゾ化合物は、前記式(1)で表される。
式(1)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アリール基、スルホンアミド基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、−SO2NHR2または−COOR2を表す。R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
式(1)のR1が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(1)のR1が表すアリール基としては、フェニル基及びナフチル基等が挙げられ、該アリール基は置換基を有していてもよい。該有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基)、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。
式(1)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アリール基、スルホンアミド基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、−SO2NHR2または−COOR2を表す。R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
式(1)のR1が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(1)のR1が表すアリール基としては、フェニル基及びナフチル基等が挙げられ、該アリール基は置換基を有していてもよい。該有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基)、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。
式(1)のR1が表す炭素数1〜4のアルキル基は、炭素数が1〜4であれば直鎖または分岐鎖の何れにも限定されない。また、該アルキル基は置換基を有していてもよい。
式(1)のR1が表す炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基が挙げられる。
式(1)のR1が表す炭素数1〜4のアルキル基が有していてもよい置換基としては、式(1)のR1が表すアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)のR1が表す炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基が挙げられる。
式(1)のR1が表す炭素数1〜4のアルキル基が有していてもよい置換基としては、式(1)のR1が表すアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)のR2が表す炭素数1〜4のアルキル基としては、式(1)のR1が表す炭素数1〜4のアルキル基と同様のものが挙げられる。また、該アルキル基は置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基としては、式(1)のR1が表すアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)におけるR2としては、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基またはn−ブチル基であることが更に好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
式(1)におけるR1としては、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または−SO2NHR2であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基または−SO2NHR2であって、R2がメチル基、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−ブチル基または−SO2NHR2であって、R2がメチル基、エチル基またはn−ブチル基であることが更に好ましく、水素原子、メチル基、エチル基または−SO2NHR2であって、R2がメチル基またはエチル基であることが特に好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
式(1)におけるR2としては、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基またはn−ブチル基であることが更に好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
式(1)におけるR1としては、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または−SO2NHR2であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基または−SO2NHR2であって、R2がメチル基、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−ブチル基または−SO2NHR2であって、R2がメチル基、エチル基またはn−ブチル基であることが更に好ましく、水素原子、メチル基、エチル基または−SO2NHR2であって、R2がメチル基またはエチル基であることが特に好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
式(1)中、R3は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
式(1)のR3が表す炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基及びtert−ブトキシ基が挙げられる。
式(1)におけるR3としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基またはn−ブトキシ基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基またはn−ブトキシ基であることがより好ましく、メトキシ基またはエトキシ基であることが更に好ましく、メトキシ基であることが特に好ましい。
式(1)のR3が表す炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基及びtert−ブトキシ基が挙げられる。
式(1)におけるR3としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基またはn−ブトキシ基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基またはn−ブトキシ基であることがより好ましく、メトキシ基またはエトキシ基であることが更に好ましく、メトキシ基であることが特に好ましい。
式(1)中、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アリール基、炭素数1〜4のアルキル基、−SO2NHR6または−COOR6を表す。R6は水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基、アルキル部分の炭素数1〜4のアルキルシクロヘキシル基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基、−R7−CO−O−R8、−R7−O−CO−R8または炭素数7〜10のアラルキル基を表す。R7は炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基を表す。R8は炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表す。
式(1)のR4及びR5が表すハロゲン原子としては、R1が表すハロゲン原子と同様のものが挙げられる。
式(1)のR4及びR5が表すアリール基としては、R1が表すアリール基と同様のものが挙げられる。該アリール基は置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基としては、式(1)のR1が表すアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)のR4及びR5が表す炭素数1〜4のアルキル基としては、R1が表すアルキル基と同様のものが挙げられる。また、該アルキル基は置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基としては、式(1)のR1が表すアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)のR4及びR5が表すハロゲン原子としては、R1が表すハロゲン原子と同様のものが挙げられる。
式(1)のR4及びR5が表すアリール基としては、R1が表すアリール基と同様のものが挙げられる。該アリール基は置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基としては、式(1)のR1が表すアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)のR4及びR5が表す炭素数1〜4のアルキル基としては、R1が表すアルキル基と同様のものが挙げられる。また、該アルキル基は置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基としては、式(1)のR1が表すアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)のR6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜8であれば、直鎖または分岐鎖の何れにも限定されない。また、該脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
式(1)のR6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基等が挙げられる。
式(1)のR6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、式(1)のR1が表すアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)のR6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。また、R6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては直鎖のものが好ましい。即ち、R6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチルであることが特に好ましい。
式(1)のR6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基等が挙げられる。
式(1)のR6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、式(1)のR1が表すアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)のR6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。また、R6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては直鎖のものが好ましい。即ち、R6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチルであることが特に好ましい。
式(1)のR6が表すアルキル部分の炭素数1〜4のアルキルシクロヘキシル基の具体例としては、2−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、2−n−プロピルシクロヘキシル基、2−イソプロピルシクロヘキシル基、2−n−ブチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−n−プロピルシクロヘキシル基、4−イソプロピルシクロヘキシル基及び4−n−ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
式(1)のR6が表す炭素数2〜15のアルコキシアルキル基の具体例としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシ−n−プロピル基、メトキシ−n−ブチル基、メトキシ−n−ペンチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、2−エトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−イソプロピル基、2−エトキシ−イソプロピル基、1−イソプロポキシ−n−プロピル基、2−イソプロポキシ−n−プロピル基、1−イソプロポキシ−イソプロピル基、2−イソプロポキシ−イソプロピル基、オクチルオキシ−n−プロピル基、3−エトキシ−n−プロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等が挙げられ、1−エトキシ−n−プロピル基、オクチルオキシ−n−プロピル基、3−エトキシ−n−プロピル基または3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等であることが好ましい。
式(1)のR6が表す炭素数2〜15のアルコキシアルキル基の具体例としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシ−n−プロピル基、メトキシ−n−ブチル基、メトキシ−n−ペンチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、2−エトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−イソプロピル基、2−エトキシ−イソプロピル基、1−イソプロポキシ−n−プロピル基、2−イソプロポキシ−n−プロピル基、1−イソプロポキシ−イソプロピル基、2−イソプロポキシ−イソプロピル基、オクチルオキシ−n−プロピル基、3−エトキシ−n−プロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等が挙げられ、1−エトキシ−n−プロピル基、オクチルオキシ−n−プロピル基、3−エトキシ−n−プロピル基または3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等であることが好ましい。
式(1)のR7が表す炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜8であれば、直鎖または分岐鎖の何れにも限定されない。また、該脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
式(1)のR7が表す炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、iso−プロピレン基、iso−ブチレン基、sec−ブチレン基及びtert−ブチレン基等が挙げられる。
式(1)のR7が表す炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、式(1)のR1が表すアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)のR7が表す炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基であることがより好ましい。また、R7が表す炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基としては直鎖のものが好ましい。即ち、R7が表す炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基またはn−ブチレンであることが特に好ましく、メチレン基またはエチレン基であることが最も好ましい。
式(1)のR7が表す炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、iso−プロピレン基、iso−ブチレン基、sec−ブチレン基及びtert−ブチレン基等が挙げられる。
式(1)のR7が表す炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、式(1)のR1が表すアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(1)のR7が表す炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基であることがより好ましい。また、R7が表す炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基としては直鎖のものが好ましい。即ち、R7が表す炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基またはn−ブチレンであることが特に好ましく、メチレン基またはエチレン基であることが最も好ましい。
式(1)のR8が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、R6が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
R8が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。また、R8が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては直鎖のものが好ましい。
R8が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。また、R8が表す炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては直鎖のものが好ましい。
R6が表す炭素数7〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基および1−メチル−3−フェニルプロピル基等が挙げられる。
式(1)におけるR6としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基であることがより好ましい。
式(1)におけるR4及びR5としては、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチル基であることがより好ましく、両者が水素原子であることが更に好ましい。
式(1)中、MはCr(クロム)またはCo(コバルト)を表し、Crであることが好ましい。
式(1)中、X+はテトラ(炭素数1〜4アルキル)アンモニウムイオンを表す。該テトラ(炭素数1〜4アルキル)アンモニウムイオンとしては、炭素数1〜4のアルキル基のみを有するアンモニウムイオンであれば、同じ炭素数のアルキル基のみを有するもの(例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン及びテトラブチルアンモニウムイオン等)であっても、異なる炭素数のアルキル基を有するもの(例えば、トリエチルプロピルアンモニウムイオン及びブチルトリメチルアンモニウムイオン等)であっても構わない。
式(1)におけるX+としては、テトラエチルアンモニウムイオンまたはテトラブチルアンモニウムイオンであることが好ましく、テトラエチルアンモニウムイオンであることがより好ましい。
式(1)中、X+はテトラ(炭素数1〜4アルキル)アンモニウムイオンを表す。該テトラ(炭素数1〜4アルキル)アンモニウムイオンとしては、炭素数1〜4のアルキル基のみを有するアンモニウムイオンであれば、同じ炭素数のアルキル基のみを有するもの(例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン及びテトラブチルアンモニウムイオン等)であっても、異なる炭素数のアルキル基を有するもの(例えば、トリエチルプロピルアンモニウムイオン及びブチルトリメチルアンモニウムイオン等)であっても構わない。
式(1)におけるX+としては、テトラエチルアンモニウムイオンまたはテトラブチルアンモニウムイオンであることが好ましく、テトラエチルアンモニウムイオンであることがより好ましい。
本発明のアゾ化合物は、例えば次のような方法で合成することができる。尚、下記式(2)〜(5)において、R1〜R5は上記式(1)におけるのと同じ意味を表す。
先ず、下記式(2)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、得られたジアゾ化合物と下記式(3)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記式(4)で表される化合物を得る。次いで、得られた下記式(4)の化合物を対応するクロム化合物と縮合反応させることにより、下記式(5)で表される化合物を合成することができる。最後に、下記式(5)の化合物をテトラ(炭素数1〜4アルキル)アンモニウムイオンを有する化合物と反応させることにより、上記式(1)で表される本発明のアゾ化合物を得ることができる。
先ず、下記式(2)で表される化合物を常法によりジアゾ化し、得られたジアゾ化合物と下記式(3)で表される化合物とを常法によりカップリング反応させ、下記式(4)で表される化合物を得る。次いで、得られた下記式(4)の化合物を対応するクロム化合物と縮合反応させることにより、下記式(5)で表される化合物を合成することができる。最後に、下記式(5)の化合物をテトラ(炭素数1〜4アルキル)アンモニウムイオンを有する化合物と反応させることにより、上記式(1)で表される本発明のアゾ化合物を得ることができる。
上記式(1)で表されるアゾ化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の油性または水性染料組成物は、本発明の式(1)で表されるアゾ化合物、並びに油性染料組成物の場合は油溶性有機溶媒を、水性染料の場合は水性媒体を含有する。本発明の油性または水性染料組成物における式(1)で表されるアゾ化合物の含有量は、通常0.1〜50質量%、好ましくは0.2〜40質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、更に好ましくは3.0〜20質量%である。
本発明の油性染料組成物は、少なくとも1種類の油溶性有機溶媒に本発明の式(1)で表されるアゾ化合物を溶解または分散させて調製することができる。用いられる油溶性有機溶媒としては、例えば、エタノール、ペンタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール及びテトラフルオロプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールジアセテート等のグリコール誘導体;メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類;ブチルフェニルエーテル、ベンジルエーテル及びヘキシルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸エチル及びラウリン酸ブチル等のエステル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン及び2−ピロリドン等の極性有機溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の水性染料組成物は、水性媒体に本発明の式(1)で表されるアゾ化合物を溶解または分散させて調製することができる。用いられる水性媒体としては、水または水溶性有機溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール及びベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ペンタンジオール及び1,5−ペンタンジオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモルホリン等のアミン類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン並びに1,3−ジメチル−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の油性または水性染料組成物には、色相の調整などの目的で必要に応じて前記式(1)で表されるアゾ化合物以外の色材を併用してもよい。併用し得る色材としては、例えば酸性染料、反応性染料、直接性染料、カチオン染料及び塩基性染料等の水溶性染料、分散染料及びソルベント染料等の油溶性染料、有機顔料並びにカーボンブラック等が挙げられるがこれらに限定されず、溶媒に溶解した状態あるいは分散した状態で添加される。本発明の油性または水性染料組成物における併用し得る色材の使用量は、油溶性有機溶媒及び水性媒体への溶解性若しくは分散性を損なわない限り特に限定されず、式(1)で表されるアゾ化合物に対して、通常15質量%以下、好ましくは5〜10質量%が用いられる。
本発明の油性染料組成物及び水性染料組成物には、式(1)で表される化合物の分散性を改善する目的で、必要により分散剤を併用することが出来る。
油性染料組成物に用いられる分散剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩及びポリオキシアルキルエーテル燐酸エステル塩等の公知のアニオン界面活性剤、ビニルナフタレン誘導体、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、無水マレイン酸、無水マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸及びフマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、またはこれらの塩等の高分子分散剤等が挙げられ、これらの1種以上が、式(1)で表される化合物及び必要により併用される色材に対して通常500質量%以下、好ましくは10〜450質量%、より好ましくは100〜400質量%用いられる。
水性染料組成物に用いられる分散剤としては、界面活性剤の他、顔料分散液を調整するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を好適に使用することができる。高分子分散剤の具体例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸塩−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体並びにそれらの塩が挙げられる。分散剤は、式(1)で表される化合物及び必要により併用される色材に対して通常500質量%以下、好ましくは10〜450質量%、より好ましくは100〜400質量%用いられる。
式(1)で表されるアゾ化合物を微粒子状に分散させる方法としては、サンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機またはマイクロフルイダイザー等を用いる方法が挙げられるが、これらの中でもサンドミル(ビーズミル)が好ましい。またサンドミル(ビーズミル)を用いて分散を行う場合は、径の小さいビーズを使用したり、ビーズの充填率を大きくすること等、粉砕効率を高め得る条件で処理することが好ましく、更に粉砕処理後に濾過、遠心分離などで素粒子を除去することも好ましい。
本発明の染料組成物には、その他の添加剤として表面調整剤、消泡剤、防腐・防黴剤、pH調整剤等を含んでも良い。表面調整剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物等の公知のノニオン系、ポリシロキサン系あるいはポリジメチルシロキサン系の界面活性剤、消泡剤としては、シリコーン系、アセチレン系の公知の消泡剤、防腐・防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等の公知の防腐・防黴剤、pH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類等の公知のpH調整剤が挙げられ、これらはそれぞれ必要に応じて添加する事ができる。
また本発明の油性または水性染料組成物には被着色体への染料の定着性を向上させる目的で、組成中の媒体と相溶性のあるポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系又はポリアクリル系樹脂並びにエチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマー等のバインダー樹脂を含有させることが好ましい。また、バインダー樹脂が重合性を有する場合には、更に重合開始剤や硬化剤等を併用することがより好ましい。バインダー樹脂は染料組成物中の式(1)で表されるアゾ化合物及び必要により併用される色材に対して通常10000質量%以下が用いられる。尚、重合開始剤や硬化剤等は、バインダー樹脂の使用量に応じて適当量を用いればよい。本発明の油性または水性染料組成物は上記各成分を溶媒に溶解あるいは分散及び混合することによって調製することができる。
本発明の式(1)で表されるアゾ化合物は、油性染料組成物または水性染料組成物として各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ等に用いられる。油性染料組成物および水性染料組成物は、例えば普通紙、コート紙、プラスチックフィルム、プラスチック基板などの被着色材料に用いられる。また、本発明の染料組成物を被着色材料に付与する方法としては、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの各種印刷方法あるいはスピンコーター、ロールコーターなどによる塗工方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは無い。実施例中、合成によって得られた化合物の極大吸収波長は、分光光度計「株式会社島津製作所製UV−3150」により測定した。
実施例1(上記化合物No.1のアゾ化合物の合成)
(工程1)
水400部にアントラニル酸41.8部を添加後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH7.5〜8.0の水溶液を得た。この水溶液に、35%塩酸31部を添加後、氷浴にて5〜10℃とし、40%亜硝酸ナトリウム水溶液49.6部を添加し、同温度で約30分間反応させた後、更にスルファミン酸2.1部を添加して5分間撹拌してジアゾ反応液を得た。
他方、水400部に3−メトキシメチル−1−フェニルピラゾロン60.0部を添加後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8.5〜9.0の水溶液を得た。更に氷浴にて5〜10℃とした。この水溶液に、25%水酸化ナトリウム水溶液を随時添加してpHを8.5〜9.0、温度を5〜10℃に保持しながら、上記で得られたジアゾ反応液を15分間掛けて滴下し、pHを8.5〜9.0、温度を5〜10℃に維持したまま更に3時間反応させ、析出した固体を濾過分取して下記式(6)で表される化合物327部をウェットケーキとして得た。
(工程1)
水400部にアントラニル酸41.8部を添加後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH7.5〜8.0の水溶液を得た。この水溶液に、35%塩酸31部を添加後、氷浴にて5〜10℃とし、40%亜硝酸ナトリウム水溶液49.6部を添加し、同温度で約30分間反応させた後、更にスルファミン酸2.1部を添加して5分間撹拌してジアゾ反応液を得た。
他方、水400部に3−メトキシメチル−1−フェニルピラゾロン60.0部を添加後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8.5〜9.0の水溶液を得た。更に氷浴にて5〜10℃とした。この水溶液に、25%水酸化ナトリウム水溶液を随時添加してpHを8.5〜9.0、温度を5〜10℃に保持しながら、上記で得られたジアゾ反応液を15分間掛けて滴下し、pHを8.5〜9.0、温度を5〜10℃に維持したまま更に3時間反応させ、析出した固体を濾過分取して下記式(6)で表される化合物327部をウェットケーキとして得た。
(工程2)
ジメチルホルムアミド700部に工程1で得られたウェットケーキの218部、硫酸クロムカリウム・12水和物60部及び酢酸ナトリウム19.7部を加え、110〜120℃で約4時間反応させ、20〜30℃まで冷却後、不溶物を濾過により除去して濾液を得た。
他方、水5000部にテトラブチルアンモニウムブロミド112部を添加して水溶液を得た。この水溶液に上記で得られた濾液を約30分間掛けて滴下し、析出した固体を濾過分取してウェットケーキ190部を得た。得られたウェットケーキの全量を再度水1000部に懸濁して1時間攪拌後、濾過分取及び乾燥して上記化合物No.1のアゾ化合物を70部得た。該アゾ化合物の極大吸収波長は436nm(メタノール)であった。
ジメチルホルムアミド700部に工程1で得られたウェットケーキの218部、硫酸クロムカリウム・12水和物60部及び酢酸ナトリウム19.7部を加え、110〜120℃で約4時間反応させ、20〜30℃まで冷却後、不溶物を濾過により除去して濾液を得た。
他方、水5000部にテトラブチルアンモニウムブロミド112部を添加して水溶液を得た。この水溶液に上記で得られた濾液を約30分間掛けて滴下し、析出した固体を濾過分取してウェットケーキ190部を得た。得られたウェットケーキの全量を再度水1000部に懸濁して1時間攪拌後、濾過分取及び乾燥して上記化合物No.1のアゾ化合物を70部得た。該アゾ化合物の極大吸収波長は436nm(メタノール)であった。
実施例2(染料組成物の調製及び化合物の溶解性評価)
実施例1で得られた化合物No.1のアゾ化合物をメタノール及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PEGME)に溶解させて本発明の染料組成物を得た。その際、メタノール及びPEGMEへの溶解性を以下のように評価した。
50mlのサンプル管中、下記の割合で化合物と上記溶媒とを混合し、サンプル管を密栓後、25℃で15分間超音波振動機にて振動させた。次いで、室温で30分間放置後、吸引濾過を行い、不溶物を目視にて観察した。不溶物が確認できなかった場合を○、不溶物が確認できた場合は×とした。結果を表1に示した。
実施例1で得られた化合物No.1のアゾ化合物をメタノール及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PEGME)に溶解させて本発明の染料組成物を得た。その際、メタノール及びPEGMEへの溶解性を以下のように評価した。
50mlのサンプル管中、下記の割合で化合物と上記溶媒とを混合し、サンプル管を密栓後、25℃で15分間超音波振動機にて振動させた。次いで、室温で30分間放置後、吸引濾過を行い、不溶物を目視にて観察した。不溶物が確認できなかった場合を○、不溶物が確認できた場合は×とした。結果を表1に示した。
比較例1
実施例2における化合物No.1のアゾ化合物を、C.I.Acid Yellow 59に変更したこと以外は実施例2と同様にして、メタノール及びPEGMEへの溶解性を評価した。結果を表1に示した。
実施例2における化合物No.1のアゾ化合物を、C.I.Acid Yellow 59に変更したこと以外は実施例2と同様にして、メタノール及びPEGMEへの溶解性を評価した。結果を表1に示した。
上記の結果から、本発明の式(1)で表されるアゾ化合物は、公知の酸性染料であるC.I.Acid Yellow 59に比べて溶解性に優れていることは明らかである。
以上のように本発明の式(1)で表されるアゾ化合物は溶解性に優れるものであり、インクジェット用インキ等の用途で使用可能であることが明らかとなった。
以上のように本発明の式(1)で表されるアゾ化合物は溶解性に優れるものであり、インクジェット用インキ等の用途で使用可能であることが明らかとなった。
本発明のアゾ化合物は、従来公知のアゾ化合物よりも溶解性に優れた特性を示すものである。よって、本発明のアゾ化合物はインクジェット用インキ等の幅広い用途に使用できる。
Claims (8)
- 下記式(1)で表されるアゾ化合物
- 式(1)におけるR1が水素原子である請求項1に記載のアゾ化合物。
- 式(1)におけるR3がメトキシ基である請求項1に記載のアゾ化合物。
- 式(1)におけるR4及びR5が水素原子である請求項1に記載のアゾ化合物。
- 式(1)におけるMがCrである請求項1に記載のアゾ化合物。
- 式(1)におけるX+がテトラエチルアンモニウムイオンである請求項1に記載のアゾ化合物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物及び油溶性有機溶媒を含有する油性染料組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物及び水性媒体を含有する水性染料組成物。
Priority Applications (1)
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JP2014042248A JP2015168700A (ja) | 2014-03-05 | 2014-03-05 | アゾ化合物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111902489A (zh) * | 2018-03-27 | 2020-11-06 | 保土谷化学工业株式会社 | 络盐化合物、染料组合物、阳极氧化铝用着色剂及着色方法以及该化合物的制造方法 |
-
2014
- 2014-03-05 JP JP2014042248A patent/JP2015168700A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111902489A (zh) * | 2018-03-27 | 2020-11-06 | 保土谷化学工业株式会社 | 络盐化合物、染料组合物、阳极氧化铝用着色剂及着色方法以及该化合物的制造方法 |
CN111902489B (zh) * | 2018-03-27 | 2022-11-18 | 保土谷化学工业株式会社 | 络盐化合物、染料组合物、阳极氧化铝用着色剂及着色方法以及该化合物的制造方法 |
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