JP2014196392A - キサンテン化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い色相の鮮明性及び発色性の特徴を有し、耐熱性及び耐光性などの堅牢性に優れた赤色化合物及びその油性または水性染料組成物を提供する。【解決手段】下記式(1)で表されるキサンテン化合物。(式(1)中、R1乃至R8はそれぞれ独立に炭素数1乃至10のアルキル基を表し、R9及びR10はそれぞれ独立に水素原子等を表し、基Aはフェニレン基を表す。)。【選択図】なし

Description

本発明は新規なキサンテン化合物に関する。
C.I.Acid Red 52は、赤色染料として各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ及びカラーフィルターなど幅広い用途で使用されている。一般に染料に要求される特性は用途によって異なるものの、色相が鮮明で、高発色性を有し、着色物が光や熱等に対し堅牢である事が求められている。
非特許文献1には、C.I.Acid Red 52がナトリウム塩のキサンテン化合物であることが記載されているが、本発明者らの検討の結果、C.I.Acid Red 52を用いた染料組成物は熱に対する堅牢性が不十分であった。
新版 染料便覧
本発明は、耐熱性等の堅牢性に優れる新規なキサンテン化合物並びに該化合物を染料として用いた染料組成物を提供する事を目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するキサンテン化合物を染料着色体に用いることにより、従来公知のキサンテン化合物を用いた場合に比べて飛躍的に耐熱性等の堅牢性が向上する事を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)で表されるキサンテン化合物
Figure 2014196392
(式(1)中、R乃至Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至10のアルキル基を表し、R及びR10はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1乃至10のアルキル基を表し、基Aは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1乃至4のアルキル基及び炭素数1乃至4のアルコキシ基からなる群より選択される置換基を有するフェニレン基若しくは無置換のフェニレン基を表す。)、
(2)式(1)におけるR乃至Rがそれぞれ独立に炭素数1乃至4のアルキル基であって、かつR乃至Rの少なくとも1つがエチル基又はn−ブチル基であり、R及びR10がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1乃至4の直鎖アルキル基であり、基Aが炭素数1乃至4のアルキル基を有するフェニレン基または無置換のフェニレン基である前記(1)に記載のキサンテン化合物、
(3)式(1)におけるR乃至Rがそれぞれ独立にエチル基またはn−ブチル基であり、R及びR10がそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、基Aがメチル基を有するフェニレン基または無置換のフェニレン基である前記(2)に記載のキサンテン化合物、
(4)前記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のキサンテン化合物及び油溶性有機溶媒を含有する油性染料組成物、
(5)前記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のキサンテン化合物及び水性媒体を含有する水性染料組成物、
(6)前記(4)に記載の油性染料組成物または前記(5)に記載の水性染料組成物を用いて得られる印刷物、
(7)前記(4)に記載の油性染料組成物または前記(5)に記載の水性染料組成物を用いて得られるカラーフィルター、
に関する。
本発明のキサンテン化合物は鮮明性および発色性に優れ、該キサンテン化合物を用いて調整した油性または水性染料組成物によって加工した染料着色体は、従来公知のキサンテン化合物を用いて調整した染料着色体よりも堅牢性に優れた特性を示すものである。すなわち、本発明のキサンテン化合物は染料着色体に利用可能であり、カラーフィルター用インキやインクジェット用インキ等の幅広い用途に使用できる。
本発明のキサンテン化合物は、前記式(1)で表される。
式(1)中、R乃至Rが表す炭素数1乃至10のアルキル基としては、直鎖または分岐鎖の炭素数1乃至10のアルキル基が挙げられる。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
乃至Rが表すアルキル基としては、それぞれ独立に炭素数1乃至6のアルキル基であることが好ましく、それぞれ独立に炭素数1乃至4のアルキル基であることがより好ましい。また、R乃至Rが表す炭素数1乃至10のアルキル基としては直鎖のものが好ましい。
式(1)中のR乃至Rとしては、それぞれ独立にメチル基、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチル基であって、かつR乃至Rの少なくとも1つがエチル基またはn−ブチル基であることが好ましく、それぞれ独立にエチル基またはn−ブチル基であることがより好ましく、エチル基であることが更に好ましい。
式(1)中、R及びR10が表す炭素数1乃至10のアルキル基としては、上記したR乃至Rが表すアルキル基と同様のものが挙げられる。
及びR10が表すアルキル基としては、それぞれ独立に炭素数1乃至6のアルキル基であることが好ましく、それぞれ独立に炭素数1乃至4のアルキル基であることがより好ましい。また、R及びR10が表す炭素数1乃至10のアルキル基としては直鎖のものが好ましい。
式(1)中のR乃至R10としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチル基であることが好ましく、水素原子、メチル基またはエチル基であることがより好ましく、水素原子またはメチル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
式(1)中、基Aはフェニレン基を表し、該フェニレン基の具体例としては、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基及び1,4−フェニレン基が挙げられ、1,4フェニレン基であることが好ましい。
基Aが表すフェニレン基は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1乃至4のアルキル基及び炭素数1乃至4のアルコキシ基からなる群より選択される一つ以上の置換基を有していてもよい。置換基の数は、1〜4つのいずれでもよく、また、複数の置換基を有する場合は、同一の置換基を複数個有していてもよいし、異なる置換基を複数個有していてもよい。
基Aが表すフェニレン基が有していてもよい置換基としての炭素数1乃至4のアルキル基の具体例としては、R乃至Rが表す炭素数1乃至10のアルキル基の具体例における炭素数1乃至4のアルキル基と同様のものが挙げられ、また、有していてもよい置換基としての炭素数1乃至4のアルコキシ基の具体例としては、前記炭素数1乃至4のアルキル基の具体例に酸素原子が結合したアルコキシ基が挙げられる。
式(1)中の基Aとしては、無置換のフェニレン基(ベンゼン環から2個の水素原子を除いた残基)若しくは塩素原子、炭素数1乃至4のアルキル基及び炭素数1乃至4のアルコキシ基からなる群より選択される置換基を有するフェニレン基であることが好ましく、無置換のフェニレン基または炭素数1乃至4のアルキル基を有するフェニレン基であることがより好ましく、無置換のフェニレン基またはメチル基を有するフェニレン基であることが更に好ましい。
フェニレン基が置換基を有する場合の置換基の数は、1つ、2つ又は4つであることが好ましく、2つまたは4つであることがより好ましく、2つであることが更に好ましい。
また、基Aが1,4−フェニレン基であって、どちらかの窒素原子との結合部位を1位とした場合の置換基の置換位置は、置換基が1つの場合は2位であることが、置換基が2つの場合は2位及び5位であることが好ましい。
式(1)における基Aとしては、無置換の1,4−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン基、2−クロロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジクロロ−1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,4−フェニレン基または2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン基等であることが好ましく、無置換の1,4−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン基、2−クロロ−1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,4−フェニレン基または2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン基であることがより好ましく、無置換の1,4−フェニレン基、2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン基または2,5−ジメチル−1,4−フェニレン基であることが更に好ましく、無置換の1,4−フェニレン基または2,5−ジメチル−1,4−フェニレン基であることが特に好ましい。
本発明のキサンテン化合物は、相当するスルホニルクロライド化合物と対応するアミン化合物の縮合反応で合成することができる。具体的には、市販のC.I.Acid Red 52のスルホン酸基を、クロロスルホン酸、五塩化燐、三塩化燐、塩化チオニル等のクロル化剤を用いてクロロスルホニル基とし、続いて対応するアミン化合物と縮合することにより合成できる。
上記式(1)で表されるキサンテン化合物の具体例を、以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2014196392

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Figure 2014196392

Figure 2014196392

Figure 2014196392
本発明の油性または水性染料組成物は、本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物及び、油性染料組成物の場合は油溶性有機溶媒を、水性染料の場合は水性媒体を含有する。本発明の油性または水性染料組成物における式(1)で表されるキサンテン化合物の含有量は、通常0.1〜50質量%、好ましくは0.2〜40質量%、より好ましくは0.5〜20質量%である。
本発明の油性染料組成物は、少なくとも1種類の油溶性有機溶媒に本発明の式(1)で表される化合物を溶解または分散させて調製する事ができる。用いられる油溶性有機溶媒としては、例えば、エタノール、ペンタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、テトラフルオロプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のグリコール誘導体;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ブチルフェニルエーテル、ベンジルエーテル、ヘキシルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の極性有機溶媒等が挙げられ、これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の水性染料組成物は、水性媒体に本発明の式(1)で表される化合物を分散させて調製する事ができる。水性媒体としては、水または水溶性有機溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン等のアミン類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の油性または水性染料組成物には、色相の調整などの目的で必要に応じて前記式(1)以外の色材を併用してもよい。併用し得る色材としては、例えば酸性染料、反応性染料、直接性染料、カチオン染料、塩基性染料等の水溶性染料、分散染料、ソルベント染料等の油溶性染料、有機顔料、カーボンブラック等が挙げられるがこれらに限定されず、溶媒に溶解した状態あるいは分散した状態で添加される。本発明の油性または水性染料組成物における併用し得る色材の使用量は、染料着色体の耐熱性等の堅牢性が向上するという本発明の目的を損なわない限り特に限定されず、式(1)で表される化合物に対して、通常15質量%以下、好ましくは5〜10質量%が用いられる。
本発明の油性染料組成物及び水性染料組成物には、式(1)で表される化合物の分散性を改善する目的で、必要により分散剤を併用することが出来る。
油性染料組成物に用いられる分散剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシアルキルエーテル燐酸エステル塩等公知のアニオン界面活性剤、ビニルナフタレン誘導体、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、無水マレイン酸、無水マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、またはこれらの塩等の高分子分散剤等が挙げられ、これらの1種以上が、式(1)で表される化合物及び必要により併用される色材に対して通常500質量%以下、好ましくは10〜450質量%、より好ましくは100〜400用いられる。
水性染料組成物に用いられる分散剤としては、界面活性剤の他、顔料分散液を調整するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を好適に使用することができる。高分子分散剤の具体例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸塩−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。式(1)で表される化合物及び必要により併用される色材に対して通常500質量%以下、好ましくは10〜450質量%、より好ましくは100〜400用いられる。
式(1)で表されるキサンテン化合物を微粒状に分散させる方法としては、サンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いる方法が挙げられるが、これらの中でもサンドミル(ビーズミル)が好ましい。またサンドミル(ビーズミル)を用いて分散を行う場合は、径の小さいビーズを使用したり、ビーズの充填率を大きくすること等、粉砕効率を高め得る条件で処理することが好ましく、更に粉砕処理後に濾過、遠心分離などで素粒子を除去することも好ましい。
本発明の染料組成物にはその他の添加剤として表面調整剤、消泡剤、防腐・防黴剤、pH調整剤等を含んでも良い。表面調整剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物等の公知のノニオン系、ポリシロキサン系あるいはポリジメチルシロキサン系の界面活性剤、消泡剤としては、シリコーン系、アセチレン系の公知の消泡剤、防腐・防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等の公知の防腐・防黴剤、pH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類等の公知のpH調整剤が挙げられ、これらはそれぞれ必要に応じて添加する事ができる。
また本発明の油性または水性染料組成物には被着色体への染料の定着性を向上させる目的で、組成中の媒体と相溶性のあるポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系又はポリアクリル系樹脂並びにエチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマー等のバインダー樹脂を含有させることが好ましく、また、バインダー樹脂が重合性を有する場合には、更に重合開始剤や硬化剤等を併用することがより好ましい。バインダー樹脂は染料組成物中の式(1)で表される化合物及び必要により併用される色材に対して通常10000質量%以下が用いられる。尚、重合開始剤や硬化剤等は、バインダー樹脂の使用量に応じて適当量を用いればよい。本発明の油性または水性染料組成物は上記各成分を溶媒に溶解あるいは分散及び混合することによって調製することができる。
本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物は、油性染料組成物または水性染料組成物として各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用着色組成物に用いられる。油性染料組成物および水性染料組成物は、例えば普通紙、コート紙、プラスチックフィルム、プラスチック基板などの被着色材料に用いられる。また、本発明の染料組成物を被着色材料に付与する方法としては、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの各種印刷方法あるいはスピンコーター、ロールコーターなどによる塗工方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは無い。実施例中、合成によって得られた化合物の極大吸収波長及び耐湿熱性等は、染料着色体の色度(L値、a値、b値)を分光光度計「株式会社島津製作所製UV−3150」により測定した。
実施例1(化合物No.1のキサンテン化合物の合成)
500mlの4つ口フラスコに、クロロホルム216部、ジメチルホルムアミド14.8部を仕込み、氷浴中でよく攪拌した。これに液温が12℃を超えないように塩化チオニル19部を滴下し、氷浴のまま30分間攪拌した。氷浴をはずし、16分間かけて26.1部のC.I.Acid Red 52(下記式(100))を添加し、35℃で3時間攪拌した。更に塩化チオニル2.2部を追加し、35℃で1.5時間攪拌した。その後、この反応溶液を冷却し、12℃を超えないように1,4−フェニレンジアミン2.4部を加え、続けてトリエチルアミン46.6部を滴下し、室温で14時間攪拌した。不溶物を濾過により除去後、反応溶媒を減圧下で除去し、水1000部を加え、15%炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpHを7.0〜7.5に保持しながら1時間懸濁攪拌後、濾過分取し上記化合物No.1で表される化合物50部をウェットケーキとして得た。得られたウェットケーキ全量を再度水1000部に懸濁し1時間攪拌後、濾過分取乾燥することにより上記化合物No.1のキサンテン化合物を12部得た。該化合物の極大吸収波長は561nm(メタノール)であった。
Figure 2014196392
合成例1(バインダー樹脂(共重合体(A))の合成)
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部及びα,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80〜85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥し、共重合体(A)を得た。得られた共重合体(A)のポリスチレン換算重量平均分子量は18000であり、酸価は152(mgKOH/部)であった。尚、酸価はJIS K−2501に準拠した方法で測定した、また、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)の測定結果に基づいて算出した値である。
実施例2 油性染料組成物及び染料着色体1の作成
実施例1で得られた化合物No.1のキサンテン化合物/Disperbyk−2001(分散剤、ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/エトキシプロパノール/合成例1で得られた共重合体(A)=0.3部/1.0部/16.0部/2.0部/1.0部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ20部を添加し、ペイントシェーカーで60分間処理を行い、ろ過し、得られた溶液に合成例1で得られた共重合体(A)20部を加え攪拌することにより、油性染料組成物を作成した。得られた油性染料組成物をガラス基盤にスピンコートし、200℃で20分間乾燥し、染料着色体1を作成した。
比較例1
実施例2における化合物No.1のキサンテン化合物を、C.I.Acid Red 52に変更したこと以外は実施例2と同様にして、比較用染料着色体1を得た。
耐熱性試験
実施例2で得られた染料着色体1及び比較例1で得られた比較用染料着色体1を、オーブン中に230℃で3時間放置した。試験前後の染料着色体のL値、a値、b値を、分光光度計を用いて標準光としてC光源、2度視野角で測色し、下記式により色差を算出した。結果を下記の表1に示した。尚、色差が小さいほど、色相の変化が少ないため堅牢性に優れていることを示している。
色差=[(試験前L値−試験後L値)+(試験前a値−試験後a値)+(試験前b値−試験後b値)1/2
表1(染料着色体1及び比較用染料着色体1の耐熱性試験前後の色差)
色 差
染料着色体1 8.70
比較用染料着色体1 17.90
上記の結果から、本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物を含有する染料組成物を用いた染料着色体1は、公知の酸性染料を含有する染料組成物を用いた比較用染料着色体1に比べて耐熱性試験前後における色差が低い値を示しており、耐熱性にきわめて優れていることは明らかである。
以上のように本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物を含有する染料組成物を用いて得られた染料着色体は耐熱性に優れ、高い堅牢性を有するものであり、カラーフィルター用インキやインクジェット用インキ等、高い堅牢性が要求される幅広い用途で使用可能であり、産業的な価値が高いことが明らかとなった。
本発明のキサンテン化合物は鮮明性および発色性に優れ、該キサンテン化合物を用いて調整した油性または水性染料組成物によって加工した染料着色体は、従来公知のキサンテン化合物を用いて調整した染料着色体よりも堅牢性に優れた特性を示すものである。よって、本発明のキサンテン化合物は染料着色体に利用可能であり、カラーフィルター用インキやインクジェット用インキ等の幅広い用途に使用できる。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表されるキサンテン化合物
    Figure 2014196392
    (式(1)中、R乃至Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至10のアルキル基を表し、R及びR10はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1乃至10のアルキル基を表し、基Aは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1乃至4のアルキル基及び炭素数1乃至4のアルコキシ基からなる群より選択される置換基を有するフェニレン基若しくは無置換のフェニレン基を表す。)。
  2. 式(1)におけるR乃至Rがそれぞれ独立に炭素数1乃至4のアルキル基であって、かつR乃至Rの少なくとも1つがエチル基又はn−ブチル基であり、R及びR10がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1乃至4の直鎖アルキル基であり、基Aが炭素数1乃至4のアルキル基を有するフェニレン基または無置換のフェニレン基である請求項1に記載のキサンテン化合物。
  3. 式(1)におけるR乃至Rがそれぞれ独立にエチル基またはn−ブチル基であり、R及びR10がそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、基Aがメチル基を有するフェニレン基または無置換のフェニレン基である請求項2に記載のキサンテン化合物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のキサンテン化合物及び油溶性有機溶媒を含有する油性染料組成物。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のキサンテン化合物及び水性媒体を含有する水性染料組成物。
  6. 請求項4に記載の油性染料組成物または請求項5に記載の水性染料組成物を用いて得られる印刷物。
  7. 請求項4に記載の油性染料組成物または請求項5に記載の水性染料組成物を用いて得られるカラーフィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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