JP2014201640A - アスファルトの製造方法 - Google Patents

アスファルトの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014201640A
JP2014201640A JP2013077811A JP2013077811A JP2014201640A JP 2014201640 A JP2014201640 A JP 2014201640A JP 2013077811 A JP2013077811 A JP 2013077811A JP 2013077811 A JP2013077811 A JP 2013077811A JP 2014201640 A JP2014201640 A JP 2014201640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
asphalt
mass
less
vacuum distillation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013077811A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6088325B2 (ja
Inventor
尚吾 福本
Shogo Fukumoto
尚吾 福本
祐二 西村
Yuji Nishimura
祐二 西村
将之 鈴木
Masayuki Suzuki
将之 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2013077811A priority Critical patent/JP6088325B2/ja
Publication of JP2014201640A publication Critical patent/JP2014201640A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6088325B2 publication Critical patent/JP6088325B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Working-Up Tar And Pitch (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】常圧蒸留残渣油を減圧蒸留装置に通油してアスファルトを製造する方法において、得られるアスファルトの針入度の値を低下することができ、また、それにより減圧蒸留装置における加熱温度の低下及び/または減圧度の低下を可能とし、省エネルギー及びコスト低減の要求を満足しうるアスファルトの製造方法を提供する。【解決手段】常圧蒸留残渣油に対し、重質油を、得られる混合油全体基準で5容量%以上50容量%以下の割合で混合した後、得られた混合油を減圧蒸留設備に通油する工程を有する、アスファルトの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、アスファルトの製造方法に関し、特に、製造時における投入エネルギー量を低減しうるアスファルトの製造方法に関する。
従来、アスファルトは防水性、耐薬品性に優れ、また安価であるため使いやすい材料として、道路舗装、ルーフィング材、シーリング材、接着剤、水路ライニング等の分野で広く利用されている。このようなアスファルトは、通常、原油から得られる常圧蒸留残渣油を減圧蒸留装置に通油することで得られており、その性能についてはこれまで多くの検討がなされてきた。
例えば、アスファルト舗装の耐流動性や耐ひび割れ性などの長期供用性に優れた舗装用アスファルトとして、特許文献1には、特定の性状を有するストレートアスファルトと、常圧蒸留残油や減圧蒸留残油をライトリフォーメートを溶剤として抽出処理して得られる溶剤脱れきピッチと、特定の性状を有するクラリファイドオイル(CLO)とからなる舗装用アスファルト及びその製造方法が開示されている。
特開2012−007063号公報
しかし、常圧蒸留残渣油のみを減圧蒸留装置に通油してアスファルトを製造する従来の方法では、減圧蒸留装置での処理の際、所望の性能を得るため高い加熱温度や高い真空度を必要としており、省エネルギー、コスト低減の観点からは満足のいくものではなかった。また、前記特許文献1に記載された方法についても、同様の観点からは未だ十分ではなかった。
本発明は、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留装置に通油してアスファルトを製造する方法において、得られるアスファルトの針入度の値を低下させることができ、また、それにより減圧蒸留装置における加熱温度の低下及び/または減圧度の低下を可能とし、省エネルギー及びコスト低減の要求を満足しうるアスファルトの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留装置に通油する際に、常圧蒸留残渣油に重質油を所定量配合して通油することで、針入度を低下することができ、それにより、減圧蒸留装置における加熱温度の低下及び減圧度の低下を可能にするすることができることを見出し、上記知見から本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔12〕に関する。
〔1〕常圧蒸留残渣油に対し、重質油を、得られる混合油全体基準で5容量%以上50容量%以下の割合で混合した後、得られた混合油を減圧蒸留設備に通油する工程を有する、アスファルトの製造方法。
〔2〕前記重質油が、流動接触分解残油(CLO)、重質サイクル油(HCO)、エキストラクト、エチレンボトム油(HAR)、熱分解残油(CBO)及びスロップ油から選ばれる少なくとも1種である、上記〔1〕記載のアスファルトの製造方法。
〔3〕前記重質油が、1質量%以上35質量%以下のレジン分、0.1質量%以上10質量%以下のアスファルテン分、及び40質量%以上95質量%以下の芳香族分を含有する、上記〔1〕または〔2〕に記載のアスファルトの製造方法。
〔4〕前記重質油が流動接触分解残油(CLO)である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
〔5〕前記流動接触分解残油(CLO)が、重油流動接触分解装置(RFCC装置)から得られたものである、上記〔4〕記載のアスファルトの製造方法。
〔6〕前記重質油が70質量%以上80質量%以下の芳香族分を含有する、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
〔7〕前記減圧蒸留設備における処理圧力が3kPa以上15kPa以下である、上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
〔8〕前記減圧蒸留設備における処理温度が350℃以上440℃以下である、上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
〔9〕得られるアスファルトの25℃における針入度が300(1/10mm)以下である、上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
〔10〕得られるアスファルトの25℃における針入度が250(1/10mm)以下である、上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
〔11〕前記減圧蒸留設備における処理圧力が3kPa以上15kPa以下、及び/又は処理温度が350℃以上440℃以下であって、得られるアスファルトの25℃における針入度が250(1/10mm)以下である、上記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
〔12〕得られるアスファルトの軟化点が30℃以上である、上記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
本発明によれば、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留装置に通油してアスファルトを製造する方法において、得られるアスファルトの針入度の値を低下することができ、また、それにより、減圧蒸留装置における加熱温度の低下及び/または減圧度の低下を可能にし、省エネルギー及びコスト低減の要求を満足しうるアスファルトの製造方法を提供することができる。
本発明のアスファルトの製造方法は、常圧蒸留残渣油に対し、重質油を、得られる混合油全体基準で5容量%以上50容量%以下の割合で混合した後、得られた混合油を減圧蒸留設備に通油する工程を有してなる。
[常圧蒸留残渣油]
本発明の製造方法において、原料油として使用される常圧蒸留残渣油は、通常の原油を常圧蒸留装置で処理して得られる残渣油であり、その性状に特に制限はないが、15℃における密度が好ましくは0.95g/cm3以上0.99cm3以下、より好ましくは0.96g/cm3以上0.99cm3以下であり、また、50℃における動粘度が好ましくは100mm2/s以上2000mm2/s以下、より好ましくは300mm2/s以上1500mm2/s以下のものが用いられる。上記範囲の密度及び動粘度を有する常圧蒸留残渣油を使用することにより、重質油と混合して減圧蒸留処理することで、得られるアスファルトの針入度の数値を低下させることができ、また減圧蒸留設備において減圧残渣分を効率的に得ることができる。
なお、ここで、動粘度は、JIS K2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に基づき求められる値であり、密度は、JIS K2249「原油及び石油製品−密度試験方法」に基づき得られる値である。以下も同様である。
[重質油]
上記常圧蒸留残渣油に混合する重質油としては、その種類については特に制限はなく、その製造方法等によらず、通常、15℃における密度が1.00g/cm3以上1.10cm3以下程度、好ましくは1.01g/cm3以上1.08cm3以下であって、50℃における動粘度が25mm2/s以上400mm2/s以下程度、好ましくは50mm2/s以上350mm2/s以下のものが使用できる。
本発明において好ましく使用しうる重質油としては、上記密度、動粘度の値を満足するものであれば特に制限はなく、流動接触分解残油(CLO)、重質サイクル油(HCO)、エキストラクト、エチレンボトム油(HAR)、熱分解残油(CBO)及びスロップ油から選ばれるものがいずれも例示でき、これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、後述する理由により、本発明における重質油としては流動接触分解残油(CLO)が好ましく用いられる。
本発明においては、重質油として、密度が常圧蒸留残渣より高いものの、全般に軽質であり、それ自体はアスファルトの範疇に入らない流動接触分解残油(CLO)なども包含する。本発明においては、これらの重質油を原料油の一部として減圧蒸留装置に通油することにより、重質油中の重質留分を残渣分として抽出することが可能となり、結果として、減圧残渣の針入度の値を低下させることができる。これにより、減圧蒸留装置において、減圧蒸留に必要な熱を供給する加熱炉における加熱温度の低減、もしくは、減圧蒸留塔に必要な減圧度の低下(より正圧側での蒸留)が可能となり、アスファルトを製造する際の製造エネルギーコストを低減することが可能となる。
本発明においては、得られるアスファルトの針入度の値を低下させることができ、減圧蒸留装置における加熱温度の低下及び/または減圧度の低下を可能にする観点、及びスラッジの発生を低減させる観点から、重質油として、1質量%以上35質量%以下のレジン分、0.1質量%以上10質量%以下のアスファルテン分、及び40質量%以上95質量%以下の芳香族分のいずれかの性状、あるいはこれらのうち2つ以上の性状を有するものが好ましく用いられる。
同様の観点から、重質油のレジン分は、より好ましくは1質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上10質量%以下であり、アスファルテン分は、より好ましくは0.1質量%以上5質量%以下であり、芳香族分は、より好ましくは45質量%以上95質量%以下、さらに好ましくは50質量%以上95質量%以下、特に好ましくは70質量%以上95質量%以下である。
上記観点から、本発明における重質油としては流動接触分解残油(CLO)が特に好ましい。
なお、ここで、レジン分、芳香族分及びアスファルテン分含有量は、JIP−5S−70−2010(石油学会)TLC/FID法によるアスファルト組成分析試験方法にて測定した。ただし、クロマトグラム中に現れる5本のピークの帰属については、ピーク1(飽和分)、ピーク2+ピーク3(芳香族分)、ピーク4(レジン分)、ピーク5(アスファルテン分)とした。
本発明において重質油として使用される流動接触分解残油(CLO)または重質サイクル油(HCO)は、重油流動接触分解装置(以下、「RFCC装置」と称することがある)もしくは流動接触分解装置(以下、「FCC装置」と称することがある)から得られたエフルエント、好ましくはRFCC装置から得られたエフルエントを蒸留にて分離して得られたものであり、効率的に分解を行う観点から、常圧蒸留残渣油単独由来の脱硫重油を、RFCC装置もしくはFCC装置の原料油の少なくとも一部として用いて、後述のRFCC装置もしくはFCC装置と同様の条件で得られた流動接触分解残油(CLO)または重質サイクル油(HCO)を用いることが好ましい。また、流動接触分解残油(CLO)または重質サイクル油(HCO)は、沸点330℃以上の流動接触分解処理後の残油であることが好ましく、沸点350℃以上の留分が50容量%以上であるものがより好ましい。
FCC装置もしくはRFCC装置の処理条件は、本発明の効果を奏する範囲で特に限定されないが、例えば、反応出口温度480〜650℃の範囲が好ましく、480〜550℃の範囲がより好ましい。また、反応圧力は0.02〜5MPaの範囲が好ましく、0.2〜2MPaの範囲がより好ましい。反応温度および反応圧力が上記範囲内であると、流動接触分解触媒の分解活性が高く好ましい。
本発明に用いられる流動接触分解残油(CLO)または重質サイクル油(HCO)は、高温ガスクロマトグラフィーにより得られる蒸留曲線において10%〜90%留分が200〜700℃であり、250〜650℃であればより好ましい。
本発明においては、流動接触分解残油(CLO)または重質サイクル油(HCO)中に含まれる水泥分は、5000ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましい。
上記流動接触分解残油(CLO)または重質サイクル油(HCO)は、その芳香族分含有量が、前記のとおり、40質量%以上95質量%以下であることが好ましい。芳香族分含有量が上記範囲内にあれば、得られるアスファルトの針入度の値を低下することができるとともに、減圧蒸留装置における加熱温度の低下及び/または減圧度の低下を可能にすることができる。上記観点から、本発明においては、芳香族分含有量は、より好ましくは50質量%以上95質量%以下、さらに好ましくは70質量%以上95質量%以下、特に好ましくは70質量%以上80質量%以下である。また、硫黄分含有量は、一般に0.3質量%以上1.1質量%以下である。
また、本発明において重質油として使用されるエキストラクトは、潤滑油原料用の減圧蒸留装置から得られる留分を、溶剤抽出法により抽出分離したもののうち潤滑油に適さない芳香族成分を多く含む油のことである。
エチレンボトム油(HAR)はHeavy Aromatic Residue油のことであり、ナフサ留分等の原料油を熱分解してエチレン、プロピレン等の化学品原料を製造するスチームクラッカーのボトム油である。エチレンボトム油(HAR)はボトム油そのものであっても、ボトム油を水素化処理して得られる水素化油であってもよい。
本発明においては、さらに、重質油として、原油をエチレンクラッカーで処理して得られる熱分解残油(CBO)、及び石油精製工程において発生する廃油であるスロップ油等も使用可能である。
[常圧蒸留残渣油と重質油との混合割合]
本発明においては、前記常圧蒸留残渣油に、前記重質油を混合した後、減圧蒸留設備に通油する。重質油の混合割合は、得られるアスファルトの針入度の値を低下させるとともに、減圧蒸留装置における加熱温度の低下及び/または減圧度の低下を可能にする観点から、得られる混合油全体に対し5容量%以上50容量%以下の割合である。上記割合が5容量%未満であれば、上記本発明の効果が十分でなく、また、50容量%を超える場合は、アスファルトの得率が低下するため好ましくない。上記観点から、上記割合は、5容量%以上30容量%以下であることが好ましく、5容量%以上20容量%以下であることがさらに好ましい。なお、常圧蒸留残渣油と重質油との混合方法、混合順序等については、特に制限はない。
[減圧蒸留設備]
本発明においては、前記常圧蒸留残渣油に、前記重質油を上記割合で混合した後、減圧蒸留設備に通油する。
減圧蒸留設備における減圧蒸留処理条件(温度、圧力、時間等)としては通常の条件を適宜採用することができ、蒸留設備の塔頂圧力3kPa以上15kPa以下の減圧下、加熱炉温度350℃以上440℃以下の条件下で混合油を減圧蒸留処理することもできるが、本発明の製造方法を用いることにより、従来の製造方法で得られるアスファルトの針入度と同等の針入度を得る場合、その処理条件をさらに緩和することができ、省エネルギー及びコスト低減の要請に資することができる。具体的には、本発明の製造方法により、減圧蒸留処理条件は、塔頂圧力として、好ましくは4kPa以上12kPa以下の減圧下で、さらに好ましくは6kPa以上10kPa以下の減圧下で行うことが可能であり、及び/または、加熱炉温度として、好ましくは370℃以上420℃以下、さらに好ましくは390℃以上410℃以下の温度で行うことも可能である。
[アスファルト]
上記本発明の製造方法により得られるアスファルトにおいては、従来の製造方法に比べ、比較的温和な減圧蒸留処理条件下で、25℃における針入度(1/10mm)が好ましくは300以下、より好ましくは280以下、より好ましくは260以下、さらに好ましくは250以下、特に好ましくは240以下とすることが可能である。その下限値については、特に制限はないが、一般に50程度である。また、得られるアスファルトの軟化点は好ましくは30℃以上であり、より好ましくは34℃以上48℃以下である。
なお、ここでいう25℃における針入度(1/10mm)、軟化点は、JIS K2207「石油アスファルト」に基づき求められる値である。
本発明においては、前述の通り、比較的温和な減圧蒸留処理条件下で、上記の著しく低い値の針入度を得ることができる。具体的には、減圧蒸留設備における処理圧力が3kPa以上15kPa以下、及び/又は処理温度が350℃以上440℃以下であっても、25℃における針入度が250(1/10mm)以下のアスファルトを得ることができる。
本発明の製造方法により得られるアスファルトは、道路舗装、ルーフィング材、シーリング材、接着剤、水路ライニング等の分野に広く利用できるが、針入度の値を低くでき、軟化点が高い等の観点から、道路舗装等に好適に使用できる。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。なお、原料油、重質油、アスファルトの各性状は以下の方法で測定した。
[芳香族分含有量]
JPI−5S−70−2010(石油学会法)TLC/FID法によるアスファルト組成分析試験方法にて測定した。
[レジン分含有量]
JPI−5S−70−2010(石油学会法)TLC/FID法によるアスファルト組成分析試験方法にて測定した。
[アスファルテン含有量]
JPI−5S−70−2010(石油学会法)TLC/FID法によるアスファルト組成分析試験方法にて測定した。
[針入度、軟化点]
JIS K2207「石油アスファルト」に準拠して測定した。
[動粘度]
JIS K2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に基づき求められる値である。
[密度]
JIS K2249「原油及び石油製品−密度試験方法」に準拠して測定した。
<比較例1>
中東原油を通常の方法で常圧蒸留処理して得られた常圧蒸留残渣(密度:0.9742g/cm3、動粘度(50℃):1050mm2/s)を、減圧蒸留装置に通油して、圧力−93.5kPaG、電気炉温度400℃の条件にて減圧蒸留して減圧残渣分としてアスファルトを得た。
得られたアスファルトの針入度は25℃で269(1/10mm)であり、軟化点は38℃であった。
<実施例1>
比較例1で用いたとの同様の常圧蒸留残渣に、混合後の量が全体の15容量%となるように、流動接触分解残渣(CLO)(レジン分:4.9質量%、アスファルテン分:1.0質量%、芳香族分:74.6質量%、密度:1.0351g/cm3、動粘度(50℃):120mm2/s)を混合して得られた混合油を、比較例1と同じ条件で減圧蒸留装置にて減圧蒸留して減圧残渣分としてアスファルトを得た。
得られたアスファルトの針入度は、25℃で238(1/10mm)であり、軟化点は39℃であった。
実施例1及び比較例1の結果から明らかなように、実施例1においては、比較例1と同一の減圧蒸留処理条件で著しく低い値の針入度を有するアスファルトが得られた。このことから、本発明の製造方法によれば、所定の針入度を有するアスファルトを得るためには、従来の製造方法における減圧処理条件より、減圧蒸留装置の圧力を相当量正圧側へ、もしくは、加熱炉温度を相当量低温側に移行させる、すなわち、投入エネルギーを低減させることが可能となることがわかる。
本発明によれば、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留装置に通油する際に、常圧蒸留残渣油に重質油を所定量配合して通油することで、針入度の値を低下することができ、その結果、減圧蒸留装置における加熱温度の低下及び/または減圧度の低下を可能にするすることができるので、省エネルギー及びコスト低減の要請に資することができる。本発明の製造方法により得られるアスファルトは、ストレートアスファルトとして、道路舗装、ルーフィング材、シーリング材、接着剤、水路ライニング等の分野に好適に用いることができる。

Claims (12)

  1. 常圧蒸留残渣油に対し、重質油を、得られる混合油全体基準で5容量%以上50容量%以下の割合で混合した後、得られた混合油を減圧蒸留設備に通油する工程を有する、アスファルトの製造方法。
  2. 前記重質油が、流動接触分解残油(CLO)、重質サイクル油(HCO)、エキストラクト、エチレンボトム油(HAR)、熱分解残油(CBO)及びスロップ油から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のアスファルトの製造方法。
  3. 前記重質油が、1質量%以上35質量%以下のレジン分、0.1質量%以上10質量%以下のアスファルテン分、及び40質量%以上95質量%以下の芳香族分を含有する、請求項1または2に記載のアスファルトの製造方法。
  4. 前記重質油が流動接触分解残油(CLO)である、請求項1〜3のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
  5. 前記流動接触分解残油(CLO)が、重油流動接触分解装置(RFCC装置)から得られたものである、請求項4に記載のアスファルトの製造方法。
  6. 前記重質油が70質量%以上80質量%以下の芳香族分を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
  7. 前記減圧蒸留設備における処理圧力が3kPa以上15kPa以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
  8. 前記減圧蒸留設備における処理温度が350℃以上440℃以下である、請求項1〜7のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
  9. 得られるアスファルトの25℃における針入度が300(1/10mm)以下である、請求項1〜8のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
  10. 得られるアスファルトの25℃における針入度が250(1/10mm)以下である、請求項1〜8のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
  11. 前記減圧蒸留設備における処理圧力が3kPa以上15kPa以下、及び/又は処理温度が350℃以上440℃以下であって、得られるアスファルトの25℃における針入度が250(1/10mm)以下である、請求項1〜10のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
  12. 得られるアスファルトの軟化点が30℃以上である、請求項1〜11のいずれかに記載のアスファルトの製造方法。
JP2013077811A 2013-04-03 2013-04-03 アスファルトの製造方法 Active JP6088325B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013077811A JP6088325B2 (ja) 2013-04-03 2013-04-03 アスファルトの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013077811A JP6088325B2 (ja) 2013-04-03 2013-04-03 アスファルトの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014201640A true JP2014201640A (ja) 2014-10-27
JP6088325B2 JP6088325B2 (ja) 2017-03-01

Family

ID=52352389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013077811A Active JP6088325B2 (ja) 2013-04-03 2013-04-03 アスファルトの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6088325B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016124895A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 Jxエネルギー株式会社 アスファルト組成物
CN108732940A (zh) * 2017-04-24 2018-11-02 西门子(中国)有限公司 优化汽油柴油切割过程的催化裂化分馏塔的顶循环油流量的方法和系统
CN109651830A (zh) * 2018-12-27 2019-04-19 北京紫瑞天成科技有限公司 一种沥青混合料改性剂及其制备方法
CN110437871A (zh) * 2018-05-04 2019-11-12 中国石油化工股份有限公司 一种处理催化油浆的方法
CN110437870A (zh) * 2018-05-04 2019-11-12 中国石油化工股份有限公司 一种催化油浆的利用方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59179559A (ja) * 1983-03-30 1984-10-12 Chiyoda Chem Eng & Constr Co Ltd 安定化されたピツチ組成物
JP2001240749A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Nippon Hodo Co Ltd アスファルト混合物
JP2003514055A (ja) * 1999-10-29 2003-04-15 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー アスファルト特性の向上方法
JP2004346156A (ja) * 2003-05-21 2004-12-09 Idemitsu Kosan Co Ltd プロパン脱れきアスファルト及びこれを用いて製造したストレートアスファルト
JP2012007063A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Jx Nippon Oil & Energy Corp 舗装用アスファルトおよびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59179559A (ja) * 1983-03-30 1984-10-12 Chiyoda Chem Eng & Constr Co Ltd 安定化されたピツチ組成物
JP2003514055A (ja) * 1999-10-29 2003-04-15 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー アスファルト特性の向上方法
JP2001240749A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Nippon Hodo Co Ltd アスファルト混合物
JP2004346156A (ja) * 2003-05-21 2004-12-09 Idemitsu Kosan Co Ltd プロパン脱れきアスファルト及びこれを用いて製造したストレートアスファルト
JP2012007063A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Jx Nippon Oil & Energy Corp 舗装用アスファルトおよびその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016124895A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 Jxエネルギー株式会社 アスファルト組成物
CN108732940A (zh) * 2017-04-24 2018-11-02 西门子(中国)有限公司 优化汽油柴油切割过程的催化裂化分馏塔的顶循环油流量的方法和系统
CN108732940B (zh) * 2017-04-24 2021-05-07 西门子(中国)有限公司 优化汽油柴油切割过程的催化裂化分馏塔的顶循环油流量的方法和系统
CN110437871A (zh) * 2018-05-04 2019-11-12 中国石油化工股份有限公司 一种处理催化油浆的方法
CN110437870A (zh) * 2018-05-04 2019-11-12 中国石油化工股份有限公司 一种催化油浆的利用方法
CN110437871B (zh) * 2018-05-04 2021-01-05 中国石油化工股份有限公司 一种处理催化油浆的方法
CN110437870B (zh) * 2018-05-04 2021-01-05 中国石油化工股份有限公司 一种催化油浆的利用方法
CN109651830A (zh) * 2018-12-27 2019-04-19 北京紫瑞天成科技有限公司 一种沥青混合料改性剂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6088325B2 (ja) 2017-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6088325B2 (ja) アスファルトの製造方法
RU2634721C2 (ru) Объединение в один процесс стадий деасфальтизации и гидрообработки смолы и замедленного коксования
JP6181181B2 (ja) 分解炉における熱水蒸気分解によってオレフィンを製造する方法
WO2008014948A8 (en) Process for the total conversion of heavy feedstocks to distillates
JP6184496B2 (ja) 熱水蒸気分解によるオレフィンの製造方法
JP2017509778A5 (ja)
CA3083648C (en) Preparation of a fuel blend
JP2017509778A (ja) 水素化処理ユニットのための供給原料の調製方法
CN106883871A (zh) 一种针状焦原料的生产方法
CN104611030A (zh) 一种废塑料生产燃料油的焦化方法
US20150136648A1 (en) Method for treating coal tar using reactive distillation
RU2009146027A (ru) Способ гидроочистки углеводородных нефтепродуктов
RU2014108442A (ru) Способ производства олефинов и бензина с низким содержанием бензола
JP5314546B2 (ja) 重質油の熱分解方法
RU2404228C2 (ru) Способ получения дизельного топлива из остаточного нефтяного сырья
JP7466067B2 (ja) 液化廃棄物ポリマーを処理するための方法
CN103173240B (zh) 煤焦油和/或生物质油与重油的共减粘裂化工艺
CN105733666B (zh) 催化裂化油浆的处理方法
CN1152120C (zh) 一种提高液体产品收率的渣油加工方法
JP5676344B2 (ja) 灯油の製造方法
WO2016016748A1 (en) A process for separating valuable petroleum products from clarified slurry oil
Sugimoto et al. Thermal cracking of paraffinic and middle east atmospheric residues and hydrotreatment of distillate products
JP7466066B2 (ja) 液化廃棄物ポリマーを処理するための方法
KR102658017B1 (ko) 바텀 프리 탄화수소를 생성하기 위한 초임계수 공정
KR101676197B1 (ko) 열분해 연료유의 증류 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6088325

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150