JP2014201125A - 車両用制動制御装置 - Google Patents

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直衛 岩田
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Abstract

【課題】操作者に対する非エコ状態である旨の報知を精度よく実行できる車両用制動制御装置を提供する。
【解決手段】ブレーキペダルの踏込量に応じた要求制動力に基づいて実際の制動力の判断対象値を算出する算出手段と、制動操作を含む車両の運転操作がエコ状態であるか否かを判断する制動力の判断閾値を設定する閾値設定手段と、前記判断対象値が前記判断閾値より大きいか否かを判断し、前記判断対象値が前記判断閾値より大きい場合には、制動操作を含む車両の運転操作がエコ状態ではない旨の報知を行う報知手段と、変速機のシフトアップを検出する検出手段と、前記変速機がシフトアップ状態にある場合に、前記閾値設定手段の前記判断閾値を大きくするか、前記算出手段の前記判断対象値を小さくするか、又は前記報知手段の報知量を小さくする切換手段と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用制動制御装置に関するものである。
排気ガスによる大気汚染問題や石化燃料の価格問題を解消するために、電動機を走行駆動源とする電気自動車や、電動機と内燃機関を走行駆動源とするハイブリッド自動車などの、いわゆるエコカーの普及が高まっている。以下、本明細書における「エコ」なる用語は、こうしたエコロジー(環境性)及びエコノミー(価格性)の両者の意味を含む用語として使用し、「エコ状態」というときは環境的又は価格的に有利な状態を意味し、これに対して環境的又は価格的に不利な状態を「非エコ状態」と言うものとする。
この種のエコカーにおいて、運転者の運転技能を高めて燃費を向上させるための適切な操作を教示する装置として、特許文献1に記載のハイブリッド車両用報知システムが知られている。このシステムでは、ブレーキセンサが検出した現在のブレーキ踏込量、すなわちブレーキ指令値に応じた車両の制動力を、モータによる回生制動分と機械ブレーキによる摩擦制動分に区分して算出し、これら回生制動分と摩擦制動分とに区分して算出された車両の制動力をそのまま表示装置に表示する。これにより、機械ブレーキによる摩擦制動分が「損失」、すなわち現在の自分の運転状態が「非エコ」であることを運転者に体感させる。
特開2010−285091号公報
しかしながら、上記従来技術では回生制動分と摩擦制動分とに区分して算出した制動力をそのまま表示する構成であるが、自動変速機がシフトアップしている間はバッテリへの回生が禁止されその代わりに摩擦制動比率が増加するので、ブレーキ操作量が変わらないのに非エコ状態である旨の表示が行われてしまうという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、操作者に対する非エコ状態である旨の報知を精度よく実行できる車両用制動制御装置を提供することである。
本発明は、変速機がシフトアップ状態にある場合には、判断閾値を大きくするか、判断対象値を小さくするか、又は非エコ状態である旨の報知量を小さくすることによって、上記課題を解決する。
本発明によれば、変速機がシフトアップ状態にある場合には判断閾値を大きくするか又は判断対象値を小さくするので、シフトアップによって実際の摩擦制動力が増加しても非エコ状態である旨の誤報知はされない。または、変速機がシフトアップ状態にある場合には非エコ状態である旨の報知量を小さくするので、通常の非エコ状態と識別することができ、ドライバに与える違和感を抑制又は緩和することができる。
本発明の一実施の形態に係る車両用制動制御装置を適用した車両を示すブロック図である。 電気自動車における車速に対する回生制動力と摩擦制動力の関係の一例を示すグラフである。 車両が制動するときのエネルギ損失を説明するためのグラフである。 図6AのステップS7で用いられる、車速に対する電動機の回生制動トルク制限値の関係を示す制御マップである。 ドライバの要求制動力に対する回生制動力と摩擦制動力との第1の制御例を示すグラフである。 ドライバの要求制動力に対する回生制動力と摩擦制動力との第2の制御例を示すグラフである。 ドライバの要求制動力に対する回生制動力と摩擦制動力との第3の制御例を示すグラフである。 本発明の一実施の形態に係る車両用制動制御装置の制御手順を示すフローチャート(その1)である。 本発明の一実施の形態に係る車両用制動制御装置の制御手順を示すフローチャート(その2)である。 本発明の一実施の形態に係る車両用制動制御装置の制御手順を示すフローチャート(その3)である。 本発明の一実施の形態に係る車両用制動制御装置の制御手順を示すフローチャート(その4)である。 本発明の一実施の形態に係る車両用制動制御装置の制御手順を示すフローチャート(その5)である。 本発明の一実施の形態に係る車両用制動制御装置の制御手順を示すフローチャート(その6)である。 本発明の一実施の形態に係る車両用制動制御装置の制御例を示す制御ブロック図である。 本発明の他の実施の形態に係る車両用制動制御装置の制御例を示す制御ブロック図である。 図7の制御例による作用効果を説明するためのグラフである。 図8の制御例による作用効果を説明するためのグラフである。 報知手段としてのブレーキペダルを振動させる振動トルクの一例を示す図である。 摩擦制動トルクの基本値に上乗せ振動トルクを加算した結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、最初に本実施形態における、制動操作を含む運転操作がエコ状態である(以下、エコ運転ともいう)か、非エコ状態であるかの考え方について説明する。
重量Mの車両が車速Vで走行中にブレーキペダルを踏んで停車する場合、エネルギ保存則によれば、車両の減速度に拘らず、運動エネルギMV/2=制動エネルギ∫Fdrが成立する。本例のように電動機を走行駆動源とする車両の場合に、上記制動エネルギのうち、電動機の回生制動による回生エネルギはバッテリ(二次電池)に回収されるが、摩擦ブレーキによる制動エネルギは摩擦熱となって散逸し、回収することができない。したがって、可能な限り電動機の回生制動を使用し、不足する制動力を摩擦ブレーキで補うといった状態がエコ状態といえる。このため、電動機の回生制御が可能であるにも拘らず摩擦ブレーキを使用するブレーキ操作を実行した場合に、エコ状態ではない、すなわち非エコ状態であると評価し、その旨の報知を行う。
図2は、回生制動機能を有する電動機を搭載した車両において、制動直前の車速と、それに対する回生制動力及び摩擦制動力の関係の一例を示すグラフであり、電動機の回生制動力の最大値を太い実線で示す。ドライバの制動操作による要求制動力(縦軸)が、この回生制動力の最大値以下の制動力であれば、回生制動力のみによって減速することができ摩擦ブレーキによるエネルギ損失はないのでエコ状態といえる。これに対して、ドライバの制動操作による要求制動力が太い実線の上側の領域である場合には、回生制動力のみでは要求制動力を満足することができないので摩擦ブレーキを作動させる必要がある。このため、摩擦制動によるエネルギ損失が発生するので非エコ状態と評価する。
ただし、本発明の「非エコ状態」であるか否かの評価は、厳密な意味で摩擦制動によるエネルギ損失が発生する全ての場合をいうものではない。すなわち、同図に示す回生制動力の最大値曲線を境界線としてエコ状態と非エコ状態の評価を行うこと以外にも、同図に示す回生制動力の最大値に対してたとえば+10%までをエコ状態と評価したり、逆に回生制動力の最大値に対してたとえば−10%までを非エコ状態と評価したりしてもよく、このような境界領域の数値は適宜設定することができる。
こうした非エコ状態である旨の報知によって、ドライバはエコ運転を学習することができる。たとえば図3の左図に示すように、停車目標位置が比較的遠くの距離L1にある状況において、左図のように停車目標位置のかなり手前からブレーキをかけ始め、長い制動距離L1で低減速度の制動操作をした場合と、右図のように停車目標位置の近くでブレーキをかけ始め、短い制動距離L2(<L1)で高減速度の制動操作をした場合を比較すると、図2に示したとおり電動機による回生制動力の最大値を超える要求制動力があった場合には摩擦ブレーキによるエネルギ損失が発生する。
したがって、急ブレーキなどのような非常時は別として、左図のように長い制動距離L1で低減速度の制動操作ができる状況であっても、右図のように高減速度の制動操作をした場合は、ドライバに非エコ状態であると知らせる。こうすることで、ドライバはブレーキをかけるタイミングが遅いことやブレーキペダルを必要以上に踏んでしまったことなど、自分の制動操作がエコ運転ではないことを認識及び学習することができ、次回からは左図のような制動操作に心がけようとする結果、電力回収量の増加によって航続距離を延ばすことができる。
しかしながら、運転者の運転技能を高めてエコ運転を教示するといっても、実際はエコ状態であるのに非エコ状態であると報知したり、逆に実際は非エコ状態であるのにエコ状態であると報知したりすると、ドライバが誤った認識及び学習をするので却って好ましくない。そのため、本実施形態ではエコ状態及び非エコ状態であることを報知する精度を高めるために、以下に述べる各種の構成を採用する。
図1は、本発明に係る車両用制動制御装置を適用した一実施の形態に係る電気自動車の主要部を示すブロック図である。なお、本発明の車両用制動制御装置は、電動機を走行駆動源とし、当該電動機の回生電力を蓄電する二次電池を備える全ての車両に適用することができるので、以下に述べる電気自動車以外にも、内燃機関と電動機を走行駆動源とし、電動機の回生電力を蓄電する二次電池を備えるハイブリッド車両などにも適用することができる。その意味で、制御の一部においてハイブリッド車両に適用した他例も併せて説明する。
本例の車両は、車両の走行駆動源として機能するとともに走行エネルギを電気エネルギに回生する機能を有する電動機(モータ・ジェネレータ)11と、電動機11に電力を供給するとともに電動機11により回生された電力を蓄電する二次電池からなる強電バッテリ12と、強電バッテリ12の電力を変換制御して電動機11へ供給するとともに電動機11の回生電力を変換制御して強電バッテリ12へ供給するインバータ13と、インバータ13の動作を制御するモータコントロールユニット14(以下、MCU14ともいう)と、強電バッテリ12の温度を検出してMCU14へ出力するバッテリ温度センサ15と、強電バッテリ12の充電状態SOC(State Of Charge)を検出するための電流センサ及び電圧センサ(不図示)と、を備える。
MCU14は、強電バッテリ12の充放電状態や劣化状態を監視し、電流センサにより検出される充放電の電気量を積算するか、電圧センサにより検出された電圧値に基づいて充電状態SOCを演算し、要求に応じてVCU50へ出力する。また、リチウムイオン電池からなる強電バッテリ12である場合は、過充電及び過放電を防止するために充電可能なSOC値の上限と放電可能なSOC値の下限が定められ、MCU14は、充電状態SOCがSOC値の上限を超えようとする場合は充電を制限し、下限を下回ろうとする場合は放電を制限する制御を実行する。特に本例において、VCU50は、MCU14から強電バッテリ12の充電状態SOCを読み込み、SOC値が上限にある(すなわち満充電状態)場合には、制動制御において、電動機11による回生制動を制限し、ドライバの要求制動は主として摩擦制動によって行う。このときの非エコ報知については後述する。
またMCU14は、バッテリ温度センサ15により検出されたバッテリ温度が所定値より低温である場合は、バッテリの内部抵抗が高くなって電池劣化の原因となるため、充電を制限する。特に本例において、VCU50は、MCU14から強電バッテリ12のバッテリ温度を読み込み、このバッテリ温度が所定値より低温であって充電が制限されている場合には、制動制御において、電動機11による回生制動を制限し、ドライバの要求制動は主として摩擦制動によって行う。このときの非エコ報知については後述する。
なお、強電バッテリ12のバッテリ温度は、強電バッテリ12に設けられた温度センサからの検出温度を流用するほか、空気調和装置に設けられた内外気温度センサや強電バッテリ12の入出力電流値から、温度の伝達係数や変換効率を勘案して強電バッテリ12の温度を推定してもよい。
また本例の車両は、油圧などによる液圧式摩擦ブレーキとして、ドライバが操作するブレーキペダル21と、所定の車輪41(本例では前後左右の4輪全てに設けられているが図1には一つの車輪のみを示す)に設けられたブレーキロータ22及びブレーキパッドを含むブレーキキャリパ23と、ブレーキペダル21の踏込量に応じて液圧を制御し、ブレーキパッドのブレーキロータ22への押圧力を印加する液圧系(細部の構成は後述する)と、ドライバが減速時に踏み込んだブレーキペダル21の踏込量を検出してこれを後述する車両コントロールユニット50(以下、VCU50ともいう)へ出力するブレーキセンサ24と、を備える。
液圧系は、ブレーキペダル21の踏込量に応じて動作するブレーキマスタシリンダ25と、ブレーキマスタシリンダ25とブレーキキャリパ23との間に設けられ、ブレーキオイルなどのブレーキ液が注入されたブレーキ液配管26と、ブレーキ液を貯蔵するリザーバタンク27と、ブレーキペダル21とブレーキマスタシリンダ25との間に設けられ、ブレーキペダル21の踏力を軽減するための電動ブレーキブースタ28と、電動ブレーキブースタ28の動作を制御するブレーキコントロールユニット31(以下、BCU31とのいう)と、ブレーキマスタシリンダ25とブレーキキャリパ23との間のブレーキ液配管26に設けられ、車両挙動の安定性を制御するために各ブレーキキャリパ23への液圧を制御するVDC(Vehicle Dynamics Control)アクチュエータ29と、車速や運転操作に応じてVDCアクチュエータ29を制御するVDCコントロールユニット30(以下VDCCU30ともいう)と、を備える。
VDCCU30は、車両挙動を安定化するためにドライバの運転操作や車速などを検出し、ブレーキ圧や電動機出力を制御する。そのため、車両のアンダーステア傾向又はオーバステア傾向を検出したり、操舵輪の舵角及び車両の横加速度(いわゆる横G)を検出したり、急ブレーキや凍結路面などでのブレーキ操作による滑走を検出したりすることで各車輪のブレーキ圧を制御する。なお、アンダーステア傾向とは、カーブ路において一定舵角のまま加速した場合に、車両の遠心力が前輪の接地摩擦力を越えることで車両がカーブ路の外側へコースアウトするシャーシ特性をいい、前輪駆動車などに見られる旋回傾向である。これに対してオーバステア傾向とは、カーブ路において一定舵角のまま加速した場合に、車両の遠心力が後輪の接地摩擦力を越えることで車両がカーブ路の内側へコースインするシャーシ特性をいい、後輪駆動車などに見られる旋回傾向である。
このような車両の挙動を検出するために、車輪の回転速度を検出する車輪速センサ31と、車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ32と、操舵輪(本例の車両では前輪)の舵角を検出する舵角センサ33と、車両の横加速度を検出する横Gセンサ34とが設けられ、これら車輪速センサ31、ヨーレイトセンサ32、舵角センサ33及び横Gセンサ34によって検出された検出信号はVCU50に送信され、ここで車両のアンダーステア傾向又はオーバステア傾向を検出する。また、VDCCU30は、急ブレーキや凍結路面などでのブレーキ操作による滑走を検出し、車両挙動を安定化させるアンチロックブレーキシステムABSやこれに付加される電子制御制動力分配システムEBDの作動信号をVCU50に送信する。
また本例の車両において、電動機11の出力軸は自動変速機42に接続され、左右の駆動車輪41に生じる回転差を吸収するデフレンシャルギヤ43を介して、各駆動車輪41の駆動軸44に回転出力が伝達される。自動変速機42は変速機コントロールユニット45(以下、TACU45ともいう)により変速動作が制御され、車両コントロールユニット50は、変速機コントロールユニット45を介して、シフトレバーの設定位置や、アップシフト状態か否かなどの変速状態その他の各種制御状態をモニタする。なお、本例の車両に適用される変速機は、自動変速機42以外にも手動変速機を用いることもできるが、手動変速機を適用した場合にも、車両コントロールユニット50は、変速機コントロールユニット45を介して、少なくともシフトレバーの設定位置やアップシフト状態か否かなどの変速状態をモニタする。
また本例の車両において、アクセルペダルの踏込量を検出してVCU50へ出力するアクセルペダルセンサ16と、電動機11の回転速度及び自動変速機45の変速段に基づいて車速を検出する車速センサ17と、を備える。アクセルペダルの踏込量はドライバの駆動要求値としてVCU50に入力される。
車両全体の制御を司る車両コントロールユニット50(以下、VCU50ともいう)は、アクセルペダルセンサ16によりドライバの要求駆動力を読み込むとともに、車速センサ17により現在の車速を検出し、さらに強電バッテリの充電状態(SOC)、バッテリ温度、劣化状態を含む様々な状態を、MCU14を介してモニタし、これらの状態に応じて入出力可能な電力量を算出する。そして、算出した電力量をもとにインバータ13を制御することにより電動機11を制御する。
また、VCU50は、ブレーキペダル21によりドライバの要求制動力を読み込み、電動機11による回生制動力を考慮し、摩擦ブレーキ22,23により発生すべき制動力指令値をBCU31へ送信する。そして、VDCアクチュエータ29は、BCU31により演算された摩擦ブレーキ22,23で発生させるべき制動力演算指令値を受信し、それに応じて摩擦ブレーキ22,23に対し必要な油圧を印加する。
本例の車両において、ブレーキペダル21の踏込量に応じた制動力は、図5A〜図5Cに示す3つの制御例のいずれかに基づいて制御することができる。図5A〜図5Cは、ブレーキペダル21を踏み込んでからの経過時間に対する、車両にかかる制動力の分配例を示すグラフである。
図5Aに示す第1の制御例は、ブレーキペダル21によるドライバの要求制動力Treqに対して、電動機11により回生可能な場合にはこれを優先して分配し、要求制動力Treqが、そのときの電動機11による最大回生制動力Trb_maxを超えた場合にはじめて摩擦ブレーキ22,23の摩擦制動力によるアシスト制動を行うものである。この場合の摩擦制動力Tfbは、要求制動力Treqから電動機11による最大回生制動力Trb_maxを減算した値となり、VCU50にてこの制動力指令値を演算し、BCU31へ出力する。この第1の制御例によれば、電動機11による回生制動力を優先的に適用するので強電バッテリ12への電力回収率が最も高くなる。
図5Bに示す第2の制御例は、ブレーキペダル21によるドライバの要求制動力Treqに対して、電動機11により回生可能な場合にはこれを優先して分配する点で図5Aに示す第1の制御例と共通するが、そのときの電動機11による最大回生制動力Trb_maxに達する前の時点から摩擦ブレーキ22,23の摩擦制動力Tfbも併用してアシストするものである。
図5Cに示す第3の制御例は、ブレーキペダル21によるドライバの要求制動力Treqに対して、摩擦ブレーキ22,23による摩擦制動力Tfbを優先的に作用させるが、当該摩擦制動力Tfbの所定割合、たとえばn%の制動力を電動機11による回生制動力Trbに分配し、摩擦制動力Tfbに上乗せすることで要求制動力Treqを達成するものである。この第3の制御例によれば、電動機11による電力回収量は第1の制御例に比べて少なくなるものの、摩擦ブレーキ22,23による摩擦制動力を主として使用することから、車両の制動挙動がドライバの制動操作感覚により近くなるという利点がある。
以上のとおり、本例の車両では、ドライバのブレーキペダル21の踏込量に応じて電動機11による回生制動力Trbと摩擦ブレーキ22,23による摩擦制動力Tfbとを作用させるが、本例のVCU50は、ドライバのブレーキペダル21の踏込操作がエコ運転か非エコ運転かを評価する機能を備える。そして、非エコ運転である場合にはその旨をドライバに報知する。この報知手段としては、後述するブレーキペダル21の振動によるドライバへの報知の他、ハンドルや座席の振動によるドライバへの報知、音や音声によるドライバへの報知、車室内に設置されたディスプレイ(たとえばナビゲーション装置やインストルメントパネルの表示装置)への表示によるドライバへの報知など、ドライバの視覚、聴覚、触覚などを利用した各種手段を含む。
本例では非エコ運転であることのドライバへの報知をブレーキペダル21の振動により行うこととしている。すなわち、VCU50は、後述する手順でドライバの制動操作を非エコ状態であると評価した場合に、BCU31に対してブレーキペダル21を振動させる信号を出力し、電動ブレーキブースタ28によりブレーキマスタシリンダ25の液圧を制御する。この操作の詳細は後述する。なお、電動ブレーキブースタ28によりブレーキマスタシリンダ25の液圧を制御してブレーキペダル21を振動するほか、ブレーキペダル21に専用のバイブレーションモータを装着し、このバイブレーションモータを用いてブレーキペダル21を振動させてもよい。
次に図6A〜図6Fのフローチャート及び図7、図8の制御ブロック図を参照して本例の動作を説明する。以下において制動力を制動トルクともいう。
《判断対象値Ts及び判断閾値Tlim》
図6AのステップS1では、ドライバが要求する制動トルクTreqを演算する。本例では、ドライバのブレーキペダル踏込量をブレーキペダル21のペダルブラケットに設けられたブレーキセンサ24で検出し、そのストロークで発生し得る液圧制動トルクを演算し、ドライバの要求制動トルクTreqとする。なお、本例のようにブレーキペダル21の振動によって非エコ状態であることをドライバに報知する場合には、この信号が振動する場合がある。この場合には、カットオフ周波数が振動周波数よりも低いローパスフィルタを追加するか、振動成分を除去するサイン振動波形を付与してもよい(図6FのステップS44参照)。
ステップS2では、力行・回生する電動機11(モータ・ジェネレータ)において実際に実現されている回生トルクのうち、ドライバの制動要求によって発生させている実行回生制動トルクTrbをMCU14から受信する。なお、電動機11による回生制動トルクには、電動機11に所望の回生電力が生じるようにインバータ13を制御することにより強電バッテリ12へ電力を回収すると同時に車両を制動する回生制動トルクの他に、コースト回生制動トルクなどがある。
コースト回生制動トルクとは、アクセルを放した後の車両の走行慣性力が電動機11の回転トルクとして伝達され、このとき電動機11の回転抵抗となる制動トルクであり、内燃機関搭載車両のエンジンブレーキに相当する制動トルクである。コースト回生制動トルクは、車両の運動エネルギを吸収し、電動機11自体の発熱やタイヤと路面との摩擦熱となって散逸する。したがって、ステップS2の実行回生制動トルクTrbは、電動機11による実際の回生制動トルクから、コースト回生制動トルクを差し引いたものに等しい。図1のブロック図においては、MCU14にて、インバータ13から強電バッテリ12に供給される実際の回生電力を電流センサや電圧センサを用いて算出し、この実際の回生電力に基づいて実行回生制動トルクTrbを演算し、VCU50の要求に応じて送信する。
ステップS3では、ステップS1及びS2で入力された要求制動トルクTreqと実行回生トルクTrbとの差分制動トルクTdif=Treq−Trbを演算する。通常この値がプラスの場合は摩擦ブレーキ22,23の摩擦制動トルクの指令値となり、マイナスの場合は電動機11の回生制動トルクのみによる制動が実行される。
ステップS1〜S3に続いて又は並行して、ステップS4では、摩擦ブレーキ22,23に作用している実際の制動液圧Pを入力する。実際の制動液圧Pは、マスターシリンダ25又はVDCアクチュエータ29などに設けられた液圧センサにより検出できるので、当該液圧センサの検出信号を共用することで演算される。この値は適宜ローパスフィルタなどのフィルタを介して用いられる。なお、本例のようにブレーキペダル21の振動によって非エコ状態であることをドライバに報知する場合には、この信号が振動する場合がある。この場合には、摩擦制動トルクの指令値から液圧を推定するか、振動作動時には振動成分を除去するサイン振動波形を付与してもよい(図6FのステップS44参照)。
ステップS5では、ステップS4で演算した制動液圧Pから、各駆動車輪41で発生する摩擦制動トルクの総和の実際値Tfb_pを演算する。これは、4輪同時制御の場合も、2輪(1軸)ごとの制御の場合も同様であり、総和のトルクとして算出する。
ステップS1〜S3及びステップS4〜S5に続いて又は並行して、ステップS6では、ステップS1の処理と同様に、ドライバが要求する制動トルクTreqを演算する。すなわち、本例では、ドライバのブレーキペダル動作をブレーキペダル21のペダルブラケットに設けられたブレーキセンサ24で検出し、そのストロークで発生し得る液圧制動トルクを演算し、ドライバの要求制動トルクTreqとする。ステップS1〜S3とステップS6〜S7をシリーズで演算処理するルーチンの場合は、ステップS1の演算結果を流用してもよい。なお、本例のようにブレーキペダル21の振動によって非エコ状態であることをドライバに報知する場合には、この信号が振動する場合がある。この場合には、カットオフ周波数が振動周波数よりも低いローパスフィルタを追加するか、振動成分を除去するサイン振動波形を付与してもよい(図6FのステップS44参照)。
ステップS7では、ステップS6で演算した要求制動トルクTreqと、車速センサ17により検出された車速Vと、予め実験やシミュレーション演算により得られた制御マップとから、各駆動車輪41で発生する摩擦制動トルクの総和の推定値Tfb_mapを演算する。図4に制御マップの一例を示す。この制御マップは、後述するステップS10〜S38に示す各種回生トルク制限が作動しない状態における最大回生トルクを車速に応じてマップ化したものであり、車速がVであり、ステップS7で演算した要求制動トルクがTreqである場合には、図示するように要求制動トルクTreqから実線の回生トルク制限値を減算した値が摩擦制動トルクの推定値Tfb_mapとして求められる。
ステップS8では、ステップS3で求めた差分制動トルクTdifと、ステップS5で求めた摩擦制動トルクの総和の実際値Tfb_pと、ステップS7で求めた摩擦制動トルクの総和の推定値Tfb_mapのうち最小値を算出し、この値をセレクトローTsとして設定する。これが現在の運転操作が非エコ状態か否かを判断する判断対象値Tsとなる。
なお、ステップS8では、差分制動トルクTdifと、摩擦制動トルクの総和の実際値Tfb_pと、摩擦制動トルクの総和の推定値Tfb_mapとの最小値を求めたが、ステップS6及びS7を省略し、ステップS8にて差分制動トルクTdifと摩擦制動トルクの総和の実際値Tfb_pとの最小値を求め、これをセレクトローTsとしてもよい。またこれに代えて、ステップS4及びS5を省略し、ステップS8にて差分制動トルクTdifと摩擦制動トルクの推定値Tfb_mapとの最小値を求め、これをセレクトローTsとしてもよい。
ステップS8において、差分制動トルクTdifと、摩擦制動トルクの総和の実際値Tfb_pと、摩擦制動トルクの総和の推定値Tfb_mapとの最小値を現在の運転操作が非エコ状態か否かを判断する判断対象値Tsとして選択し、これを後述するステップS43にて判断閾値Tlimより大きいかどうかを判断し、大きい場合には非エコ状態であると判断する。つまり、3つの対象値Tdif,Tfb_p,Tfb_mapのうちの最小値Tsが判断閾値Tlimより大きければ、他の2つの対象値も判断閾値Tlimより大きいので、非エコ状態であるとの判断の精度がより高くなる。
ステップS9では、セレクトローTsが非エコ状態かどうかを判定する判断閾値Tlimを演算する。本例における非エコ状態であるとの評価基準は、その車速Vにおける電動機11による回生制動トルクが最大となる状態での摩擦制動トルクとする。たとえば、図5Aに示す第1の制御例及び図5Bに示す第2の制御例においては、電動機11による回生制動力が最大となる時間tにおける摩擦制動トルクを判断閾値Tlimに設定する。また、図5Cに示す第3の制御例においては、電動機11による回生制動トルクが最大となる時間tの摩擦制動トルクを判断閾値Tlimに設定する。
なお、摩擦ブレーキ22,23は、必要に応じて、ブレーキロータ22とブレーキキャリパ23のブレーキパッドとを引き離した状態に設定する場合や、逆に低い引き摺り状態に設定する場合がある。いずれの場合であっても、実際に摩擦制動力を発生させるポイントでの摩擦制動トルクを判断閾値Tlimとして設定する。
上記判断対象値Tsと判断閾値Tlimは、図7及び図8に示すように大小関係が判定され(図6FのステップS43も参照)、原則としてTs>Tlimである場合に非エコ状態である旨の報知が実行される。なお、図7において、ドライバ要求制動トルクTreqと実行回生制動トルクTrbは加減算器に入力されて差分制動トルクTdifが演算器で演算され、この差分制動トルクTdifと摩擦制動トルクの実際値Tfb_pが最小値演算器に入力され、最小値が判断対象値Tsとして出力される。一方、判断閾値Tlimと疑似摩擦制動トルクTfb_mapが切換器に入力され、回生制動の制限フラグによって出力が切り換えられる。そして、最小値演算器の出力である判断対象値Tsと切換器の出力である判断閾値(又は判断閾値に上書き設定された疑似摩擦制動トルク)とが比較器に入力され、非エコ状態である旨の報知が出力される。
また、図8は図7に示す制御例の他例であり、ドライバ要求制動トルクTreqと実行回生制動トルクTrbは加減算器に入力されて差分制動トルクTdifが演算器で演算され、この差分制動トルクTdifと摩擦制動トルクの実際値Tfb_pが最小値演算器に入力され、最小値が判断対象値Tsとして出力される。また、この判断対象値Tsと疑似摩擦制動トルクTfb_mapが切換器に入力され、回生制動の制限フラグによって出力が切り換えられる。そして、判断閾値Tlimと切換器の出力である判断対象値(又は判断対象値に上書き設定された疑似摩擦制動トルク)とが比較器に入力され、非エコ状態である旨の報知が出力される。
そして、次のステップS10〜S38が非エコ状態の検出方法を変更するステップである。
《車速》
図6Bに示すステップS10では、車速センサ17などを用いて車速Vを入力する。ステップS11では、車速Vが回生制動トルクを摩擦制動トルクに代替を開始する車速Valt未満であるか否かを判定する。現在の車速Vが摩擦制動トルク代替開始車速Valtを下回った場合にはS12へ進み、ステップS12〜S14の低速回生減少時の処理を実行する。現在の車速Vが摩擦制動トルク代替開始車速Valtを下回っていない場合は、これらの処理S12〜S14をスキップしてS15へ進む。
ステップS12では、車速Vが摩擦制動トルク代替開始車速Valtを下回った時点の回生制動トルクの最大値Trb_maxを演算し、保存する。なお、この値は図4などに基づいて予め設定しておいてもよい。ステップS13では、ドライバ要求制動力TreqからステップS12で演算した回生制動トルクの最大値Trb_maxを減算した値を、第2差分制動トルクTdif2として演算する。ステップS14では、セレクトロー値Tsの値をTdif2に置き換える。
ステップS12〜S14での処理は、S1〜S3において実行回生制動トルクTrbの代わりにTrb_max値を代入したことに相当する。すなわち、車速VがValtよりも低速である場合には、電動機11による回生制動力も回生電力も小さくなり、また停車までの時間が短いことから、非エコ状態である旨の報知の必要性は少ない。このため、非エコ状態であるとの判断対象値Tsを最小値に置き換えることで、ステップS38においてこの判断対象値Ts(=Tdif2≦Tdif)が判断閾値Tlimを超えないようにする。
《EBD/ABS》
図6Cに示すステップS15では、VDCCU30からアンチロックブレーキシステムABSや電子制御式制動力分配装置EBDが作動しているか否かを示すABS作動フラグF_absを入力する。ABS作動フラグF_absは、システムが作動している場合は1、作動していない場合は0に設定される。ステップS16では、ステップS15で入力したABS作動フラグF_absが0か1かを判定し、1である(作動している)場合は、ブレーキペダル21の振動を停止すべくステップS49へ進む。ABS作動フラグF_absが0である(作動していない)場合は、引き続き次のステップS17へ進む。
《アンダーステア/オーバステア》
ステップS17では、VDCCU30からアンダーステア傾向又はオーバステア傾向の際の抑制制御介入フラグF_usを入力する。前輪駆動車である場合にはアンダーステア抑制制御介入フラグ、後輪駆動車である場合はオーバステア抑制制御介入フラグを入力してもよい。US/OS抑制制御介入フラグF_usは、US/OSの抑制制御が実行された場合に、F_usに1がセットされる。また、US/OS抑制制御フラグが1の状態から実行が終了した場合には、一制動中はF_usに1がセットされ続け、一制動が終了した場合に、F_usに0がセットされる。
一制動が終了したことは、ブレーキランプスイッチなどのスイッチを用いてもよいし、ブレーキペダル21のストロークの値を用いてもよい。また、図5A及び図5Bに示す第1及び第2の制御例のような回生協調システムにおいては、回生制動分がドライバ要求減速度まで復帰した時点で制動終了と判定して、F_usを0にセットしなおしてもよい。
ステップS18では、US/OS抑制制御フラグF_usが1か0かを判定する。US/OS抑制制御介入フラグF_usが1(介入中)である場合はステップS19へ進む。US/OS抑制制御フラグF_usが0(非介入)である場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0として、ステップS20へ進む。
ステップS19では、US/OS抑制制御介入時の処理を行う。この処理は、まずドライバ要求制動トルクTreqと車速Vから、US/OS抑制制御が介入しない場合の疑似摩擦制動トルクTfb_mapを演算する。これはUS/OS抑制制御によって回生制動力が絞られていない状態を疑似したもので、図4に示す制御マップから演算する。この疑似摩擦制動トルクTfb_mapは、US/OS抑制制御時においては、Tlim<Tfb_mapの関係にある。
そして、非エコ状態の判断対象値Tsが判断閾値Tlimを超えているとき、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5)に設定する。また、判断対象値Tsと疑似摩擦制動トルクTfb_mapを比較し、判断対象値Tsが疑似摩擦制動トルクTfb_mapを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、ステップS9で設定した判断閾値Tlimに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き設定する。
このようにすることで、判断対象値Tsが疑似摩擦制動トルクTfb_map以下の場合は、ペダル振動による非エコ状態である旨の報知をせず、判断対象値Tsが判断閾値Tlim〜疑似摩擦制動トルクTfb_mapの間はペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを小さくすることで非エコ状態である旨を弱く報知し、判断対象値Tsが疑似摩擦制動トルクTfb_mapを超える場合は、通常通りの振動強さのペダル振動で報知するようになる。
この様子を図9に示す。図9の左図はUS/OS抑制制御の介入がない状態、同図の中央図はUS/OS抑制制御の介入がされた状態、同図の右図は本例のステップS19の処理を実行した状態をそれぞれ示す時間に対する制動トルクのグラフである。同図の左図に示すように、US/OS抑制制御の介入がない場合の判断閾値Tlimに比べ、同図の中央図に示すようにUS/OS抑制制御の介入がなされると回生制動トルクが制限されるため、そのぶん摩擦制動トルクTfbが増加し、判断閾値Tlimを超えてしまい、ドライバの制動操作が同じであるにも拘らず非エコ状態である旨の誤報知を行ってしまう。しかしながら、本例のようにステップS19の処理を実行することで判断閾値Tlimが疑似判断閾値Tfb_mapに置き換わる結果、US/OS抑制制御の介入がない場合と同様の報知となる。
なお、ステップS19において、US/OS抑制制御が介入した場合の非エコ状態である旨の判断処理として、非エコ状態の判断対象値Tsが判断閾値Tlimを超えているとき、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5)に設定することと、判断対象値Tsが疑似摩擦制動トルクTfb_mapを超えている場合に、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断閾値Tlimに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き設定することとしたが、前者の処理のみ又は後者の処理のみを実施してもよい。この場合に後者の処理のみを実施する際にはペダル振動振幅Aに乗算するゲインを0(振動させない)にすればよい。
また、ステップS19において、判断対象値Tsが疑似摩擦制動トルクTfb_mapを超えている場合に、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断閾値Tlimに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き設定することに代えて、判断閾値Tlimの値はそのままとし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き設定してもよい。
《車両の旋回挙動》
次のステップS20では、車速センサ17、舵角センサ32及び横Gセンサ33からの検出信号に基づいて車両の旋回加速度Gを演算する。電動機11による回生制動が可能な車両においても、VCU50及びVDCCU30により、常用領域を超える強い旋回状態(舵角、横G、ヨーレートが大きい)であるほど、回生制動力のみによる制動力の偏りを、摩擦制動力を併用することにより是正する制御を実行する。本例では車両の旋回加速度Gの絶対値が予め設定された旋回閾値YGlimよりも大きい場合に、回生トルクを制限する制御がVCU50及びVDCCU30により実行されるため、非エコ状態である旨の判断精度を高めるために以下の処理を実行する。
ステップS21では、車両の旋回加速度Gが予め設定された旋回閾値YGlimを超えているか否かを判定し、車両の旋回加速度Gが旋回閾値YGlimを超えている場合はステップS22へ進む。車両の旋回加速度Gが旋回閾値YGlim未満である場合には、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0として、図6Dに示すステップS23へ進む。
なお、一制動中に一度でも車両の旋回加速度Gが旋回閾値YGlimを超えた場合にはこの判定結果を維持し続ける。また制動が終了した場合に、判定結果をクリアするが、制動の終了については、ブレーキランプスイッチなどのスイッチを用いてもよいし、ブレーキペダル21のストロークの値を用いてもよい。また、図5A及び図5Bに示す第1及び第2の制御例のような回生協調システムにおいては、回生制動分がドライバ要求減速度まで復帰した時点で制動終了と判定し、車両の旋回加速度Gと旋回閾値YGlimの大小判定結果をクリアしなおしてもよい。
ステップS22では、車両が大きく旋回した場合の旋回抑制制御介入時の処理を行う。この処理は、まずドライバ要求制動力Treqと車速Vから、旋回抑制制御が介入しない場合の疑似摩擦制動トルクTfb_mapを演算する。これは旋回抑制制御によって回生制動力が絞られていない状態を疑似したもので、図4に示す制御マップから演算する。この疑似摩擦制動トルクTfb_mapは、旋回抑制制御時においては、Ts>Tfb_mapの関係にある。
そして、非エコ状態の判断対象値Tsが判断閾値Tlimを超えているとき、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5)に設定する。またはこれに代えて、車両の旋回加速度Gが大きいほどゲインgを小さく設定してもよい。さらに、判断対象値Tsと疑似摩擦制動トルクTfb_mapを比較し、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き代入する。
このようにすることで、判断対象値Tsが疑似摩擦制動トルクTfb_map以下の場合は、ペダル振動による非エコ状態である旨の報知をせず、判断対象値Tsが判断閾値Tlimを超える場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを小さくすることで非エコ状態である旨を弱く報知し、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超える場合は、通常通りの振動強さのペダル振動で報知するようになる。
なお、ステップS22において、旋回抑制制御が介入した場合の非エコ状態である旨の判断処理として、非エコ状態の判断対象値Tsが判断閾値Tlimを超えているとき、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5といった固定値又は旋回加速度Gに応じたゲインg)に設定し、さらに、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き代入することとしたが、前者の処理のみ又は後者の処理のみを実施してもよい。この場合に後者の処理のみを実施する際にはペダル振動振幅Aに乗算するゲインを0(振動させない)にするとよい。
また、ステップS22において、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き代入することに代えて、判断対象値Tsの値はそのままとし、判断閾値Tlimに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き設定してもよい。
《急ブレーキ》
図6Dに示すステップS23では、ブレーキセンサ24の検出信号に基づく急制動判定フラグF_sbを入力する。急制動か否かは、単位時間当たりのブレーキペダル21の踏込量が所定値を超えた場合又は単にブレーキペダル21の踏込量が所定値を超えた場合に急制動であると判定し、急制動判定フラグF_sb=1をセットする。一制動中に一度でも急制動であることを判定した場合はその判定結果を維持し続け、一制動が終了した場合に判定結果をクリア、すなわち急制動判定フラグF_sb=0をセットする。一制動が終了したことは、ブレーキランプスイッチなどのスイッチを用いてもよいし、ブレーキペダル21のストロークの値を用いてもよい。また、図5A及び図5Bに示す第1及び第2の制御例のような回生協調システムにおいては、回生制動分がドライバ要求減速度まで復帰した時点で制動終了と判定し、急制動判定フラグF_sbを0にセットしなおしてもよい。
ステップS24では、急制動判定フラグF_sbが1か0かを判定する。急制動判定フラグF_sbが1である場合は、ステップS25へ進む。急制動判定フラグF_sbが0である場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0として、ステップS26へ進む。
ステップS25では、急制動判定時の処理を行う。この処理は、非エコ状態の判断対象値Tsが判断閾値Tlimを超えているとき、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5)に設定する。このようにすることで、判断対象値Tsが判断閾値Tlim以下の場合はペダル振動による非エコ状態である旨の報知をせず、判断対象値Tsが判断閾値Tlimを超えた場合にペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを小さくすることで非エコ状態である旨を弱く報知するようになる。なお、ステップ25による処理に代えて、急制動判定フラグF_sbが1である場合は、ステップS49へ進み、非エコ状態である旨の報知を禁止してもよい。
《変速機のシフトポジション》
次のステップS26では、TACU45から自動変速機42のシフトポジションを入力する。本例の車両では、自動変速機45のシフトポジションがドライブレンジ(前進走行,Dレンジ)に設定されている場合にのみ電動機11による回生制動制御を実行し、その他のシフトポジション、すなわちニュートラルポジション、リバースレンジ(後退走行)、ローレンジ又はセカンドレンジに設定されている場合は電動機11による回生制動制御が禁止されている。このため、ステップS26にて入力される情報は、現在のシフトポジションが少なくともドライブレンジか否かを判定できる情報であればよい。なお、この場合のドライブレンジは、車両の変速機に、スノーモード、スポーツモード、ブレーキモードなどの設定がある場合はそれらも含むものとする。
ステップS27では、現在の自動変速機45のシフトポジションが電動機11による回生制動制御ができるレンジ、すなわちドライブレンジか否かを判定する。現在のシフトポジションが、ドライブレンジである場合は、次のステップS28へ進み、ドライブレンジでない場合は、ブレーキペダル21の振動による非エコ状態である旨の報知を停止すべく、ステップS49へ進む。なお、上述した変速機のブレーキモードなどでは、ブレーキペダル21の踏込量が少量であっても摩擦ブレーキ22,23を作動させる設定が行われることがあるが、こうしたモードではブレーキペダル21を踏んだ途端に非エコであることを判断し、その結果ブレーキペダル21が振動して煩わしいと感じられることもある。このような設定がされている場合は、そのモードをステップS26において入力し、ステップS27において外すように設定してもよい。
《バッテリ温度》
次のステップS28では、バッテリ温度センサ15から強電バッテリ12のバッテリ温度TBを入力する。本例では、強電バッテリ12にバッテリ温度センサ15を設けているのでこの検出信号を用いるが、エアコンの内外気温センサや強電バッテリ12への入出力電流などから、温度の伝達係数・変換効率などを鑑みて強電バッテリ12のバッテリ温度を推定してもよい。
ステップS29では、ステップS28で検出したバッテリ温度TBが低温制限温度TBlimを超えているか否かを判定する。実際のバッテリ温度TBが低温制限温度TBlimを超えている場合は、次のステップS31に進む。これに対して、実際のバッテリ温度TBが低温制限温度TBlim以下である場合は、微小量のブレーキ操作で非エコである旨を判断してしまい煩わしく感じることがあるため、ステップS30に進んで非エコ判断条件を変更する。すなわち、既述したとおりバッテリ温度センサ15により検出されたバッテリ温度TBが低温制限温度TBlimより低温である場合は、強電バッテリ12の内部抵抗が高くなって電池劣化の原因となるため、強電バッテリ12への充電が制限される。そのため、ドライバの要求制動トルクに対しても、電動機11の回生制動トルクを制限し、その代わりに摩擦ブレーキ22,23による摩擦制動トルクを増加させる。したがって、同じブレーキペダル21の制動操作をしても、強電バッテリ12の温度が低温の場合は非エコ状態である旨の報知がされてしまうことがある。
なお、バッテリ温度センサ15により検出されたバッテリ温度が低温制限温度以下である場合には、一制動中はこれを維持し、一制動が終了した場合にこれをリセットする。一制動が終了したことは、ブレーキランプスイッチなどのスイッチを用いてもよいし、ブレーキペダル21のストロークの値を用いてもよい。また、図5A及び図5Bに示す第1及び第2の制御例のような回生協調システムにおいては、回生制動分がドライバ要求減速度まで復帰した時点で制動終了と判定してもよい。
ステップS30では、強電バッテリ12に低温制限がされている場合の処理を実行する。この処理は、まずドライバ要求制動力Treqと車速Vから、低温制限が介入しない場合の疑似摩擦制動トルクTfb_mapを演算する。これは低温制限によって回生制動力が絞られていない状態を疑似したものであり、図4に示す制御マップから演算する。この疑似摩擦制動トルクTfb_mapは、低温制限時においては、Tfb_map<Tsの関係にある。
そして、非エコ状態の判断対象値Tsが判断閾値Tlimを超えているとき、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5)に設定する。さらに、判断閾値Tlimと疑似摩擦制動トルクTfb_mapを比較し、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き代入する。
こうすることで、判断対象値Tsが判断閾値Tlim以下の場合には、ペダル振動による非エコ状態である旨の報知を行わず、疑似摩擦制動トルクTfb_map<判断閾値Tlim<判断対象値Tsである場合は、ゲインgを小さくすることで非エコ状態である旨を弱く報知し、さらに疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超えた場合は、通常通りの強さのペダル振動の報知を行うことになる。
なお、ステップS30において、非エコ状態の判断対象値Tsが判断閾値Tlimを超えているとき、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5)に設定し、さらに、判断閾値Tlimと疑似摩擦制動トルクTfb_mapを比較し、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き代入することとしたが、いずれか一方のみを実行してもよい。
また、ステップS30において、判断閾値Tlimと疑似摩擦制動トルクTfb_mapを比較し、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが所定の閾値Tmを超えている場合はゲインgを0とし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き代入する処理を追加してもよい。この所定の閾値Tmとは、走行路面が凍結する程度の低温時において回生制動を制限した結果、増加することになった摩擦制動トルクである。こうすることで、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが所定の閾値Tmを超えると、路面が凍結している可能性が高いと判断して、非エコ状態である旨の報知を行わない。その結果、ドライバは運転操作に集中することができる。
また、ステップS30において、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き代入することに代えて、判断対象値Tsの値はそのままとし、判断閾値Tlimに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き設定してもよい。
《バッテリのSOC》
図6Eに示すステップS31では、MCU14から強電バッテリ12のSOC値を入力する。本例の車両においては、強電バッテリ12の充電状態(充電量)が所定の上限値Slimを超える場合は、過充電を防止するために回生量を制限する。このため、回生制動トルクも制限される結果、摩擦制動トルクによりこれを補填する。
ステップS32では、現在の強電バッテリ12のSOC値が限界値Slimを超えているか否かを判定する。SOC値の限界値Slimとは、強電バッテリ12への回生電力を制限するために電動機11による回生制動を制限するSOC領域の閾値(下限値)である。たとえば、SOCが65%〜100%の領域で電動機11による回生制動の制限をかける場合には、SOC=65%がこの限界値となる。そして、SOC値が限界値Slimを超えていない場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0に設定して、次のステップS34に進む。SOC値が限界値Slimを超えることで回生制動力が制限されている場合は、微小量のブレーキ操作で非エコ判断をしてしまい、適切なエコ操作量での制動ができているのに非エコ状態である旨の誤報知を行うため、S33へ進み、非エコ状態の判断条件を更新する。
ステップS33では、強電バッテリ12のSOC値が限界値Slimを超えることで電動機11による回生制動力が制限されている場合の処理を実行する。この処理は、まずドライバの要求制動トルクTreqと車速Vから、高SOC時における回生制動力の制限がない場合の疑似摩擦制動トルクTfb_mapを演算する。これは高SOCであることによって回生制動力が絞られていない状態を疑似したもので、図4に示す制御マップから演算する。このとき、ステップS7で算出した摩擦制動トルクの推定値Tfb_mapをそのまま用いてもよい。この疑似摩擦制動トルクTfb_mapは、高SOC時における回生制動力が制限されているときにおいては、Tfb_map<Tsの関係にある。
そして、非エコ状態の判断対象値Tsと判断閾値Tlimの関係がTs≦Tlimである場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを0に設定し、次のステップS34に進む。また、非エコ状態の判断対象値Ts、疑似摩擦制動トルクTfb_map、判断閾値Tlimの関係が、Ts>Tlim≧Tfb_mapの場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5)に設定する。この場合に、SOC値の大きさに応じてゲインgを変えてもよい。例えば、SOC=80%の場合にはゲインg=0.5とし、SOC≧90%の場合にはゲインg=0としてもよい。さらに、疑似摩擦制動トルクTfb_mapとTlimの関係がTfb_map>Tlimの場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0に上書き設定する。
こうすることで、判断対象値Tsが判断閾値Tlim以下の場合には、ペダル振動による非エコ状態である旨の報知をせず、判断対象値Tsが判断閾値Tlim以上であっても疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlim以下である場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを小さくすることで非エコ状態である旨を弱く報知し、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超える場合には、通常通りの強さでペダル振動の報知を行うことになる。
なお、ステップS33において、非エコ状態の判断対象値Ts、疑似摩擦制動トルクTfb_map、判断閾値Tlimの関係が、Ts>Tlim≧Tfb_mapの場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5)に設定し、さらに、疑似摩擦制動トルクTfb_mapとTlimの関係がTfb_map>Tlimの場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0に上書き設定することとしたが、いずれか一方のみを実行してもよい。後者のみを実行する場合は、ステップS8で選択した判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き設定することに等しい。
この後者のみを実行した様子を図10に示す。図10の左図は高SOCによる回生制動の制限がない状態、同図の中央図は高SOCによる回生制動の制限がされた状態、同図の右図は本例のステップS33の処理を実行した状態をそれぞれ示す時間に対する制動トルクのグラフである。同図の左図に示すように、高SOCによる回生制動の制限がない場合の判断閾値Tlimに比べ、同図の中央図に示すように高SOCによる回生制動の制限がなされると回生制動トルクが制限されるため、そのぶん摩擦制動トルクTfbが増加し、判断閾値Tlimを超えてしまい、ドライバの制動操作が同じであるにも拘らず非エコ状態である旨の誤報知を行ってしまう。しかしながら、本例のようにステップS33の処理を実行することで摩擦制動トルクの判断対象値Tsが疑似判断対象値Tfb_mapに置き換わる結果、高SOCによる回生制動の制限がない場合と同様の報知となる。
なお、ステップS33において、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き代入することに代えて、判断対象値Tsの値はそのままとし、判断閾値Tlimに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き設定してもよい。
《HEVモード(ハイブリッド車のみ)》
次のステップS34及びS35は、本例の制動制御装置をハイブリッド車に適用した場合の他例に係る処理ステップであり、電気自動車である場合にはこれらのステップS34及びS35はスキップする。車両がハイブリッド車である場合には、ステップS34にて、HEVモード切換時フラグF_hevを入力する。このHEVモード切換時フラグF_hevとは、ハイブリッド車が、内燃機関の走行駆動力のみで走行するエンジン走行モード、内燃機関の走行駆動力とモータの走行駆動力の両者で走行するエンジン・モータ走行モード、内燃機関を始動するためにモータを駆動するエンジン始動モード、モータの走行駆動力のみで走行するモータEV走行モードといった各モード間の状態遷移を示すフラグ変数である。各モードの切換中及びその前後には、ブレーキペダル21の踏込による要求制動トルクTreqを回生制動トルクで実現できない場合がある。ハイブリッド車が各モードの切換中又はその前後である場合には、HEVモード切換時フラグF_hev=1に設定され、それ以外の場合にはF_hev=0に設定される。
このため、ステップS35では、上記遷移状態を示すHEVモード切換時フラグF_hevが0であるか否かを判定し、モード切換中又はその前後ではない(F_hev=0)と判定された場合は、次のステップS36へ進む。これに対して、モード切換中又はその前後である(F_hev=1)と判定された場合には、ブレーキペダル21の振動による非エコ状態である旨の報知を停止すべく、ステップS49へ進む。
《変速機のシフトアップ》
次のステップS36では、自動変速機45のギヤ位置情報から変速機がアップシフト中であるか否かを示すアップシフト中フラグF_upを入力する。変速機がアップシフト中である場合は、電動機11による回生制動トルクTrbを制限して変速を行うため、その制限が実行されているかどうかでフラグF_upを設定する。アップシフト中である場合にはF_up=1に設定し、アップシフトが完了した場合でも一制動中はアップシフト中フラグに1をセットし続け、制動が終了した場合にアップシフト中フラグに0をセットしなおす。なお、制動の終了については、ブレーキランプスイッチなどのスイッチを用いてもよいし、ブレーキペダル21のストロークの値を用いてもよい。また、図5A及び図5Bに示すような回生協調システムにおいては、回生制動分がドライバ要求減速度まで復帰した時点で制動終了と判定してもよい。
ステップS37では、アップシフト中フラグF_upが0か否かを判定する。アップシフト中フラグF_upが1である場合は、ステップS38へ進む。アップシフト中フラグF_upが0である場合には、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0として、ステップS39に進む。
ステップS38では、アップシフト中の処理を行う。この処理は、まずドライバ要求制動力Treqと車速Vから、アップシフトが行われていない場合の疑似摩擦制動トルクTfb_mapを演算する。これはアップシフトによって回生制動力が絞られていない状態を疑似しており、図4に示す制御マップから演算する。この疑似摩擦制動トルクTfb_mapは、アップシフト中においては、Ts>Tfb_mapの関係にある。
そして、ドライバ要求制動トルクTsが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5)に設定する。また、アップシフトの状態からギヤ位置保持の状態又はダウンシフトの状態に移行した場合は、アップシフト中よりも大きいゲインgに設定する。さらに、判断対象値Tsと疑似摩擦制動トルクTfb_mapを比較し、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き設定する。
このようにすることで、判断対象値Tsが判断閾値Tlim以下の場合には、ペダル振動による非エコ状態である旨の報知を行わず、判断対象値Tsが判断閾値Tlimを超える場合には、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを小さくすることで非エコ状態である旨を弱く報知し、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超える場合には、通常通りの強さでペダル振動の報知を行うことになる。
なお、ステップS38において、ドライバ要求制動トルクTsが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5)に設定し、さらに、判断対象値Tsと疑似摩擦制動トルクTfb_mapを比較し、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き設定したが、いずれか一方のみを実行してもよい。
また、ステップS38において、疑似摩擦制動トルクTfb_mapが判断閾値Tlimを超えている場合は、ペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0とし、判断対象値Tsに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き代入することに代えて、判断対象値Tsの値はそのままとし、判断閾値Tlimに疑似摩擦制動トルクTfb_mapを上書き設定してもよい。
《非エコ状態の報知》
図6Fに示すステップS39〜S49において、ブレーキペダル21を振動させることで非エコ状態である旨の報知を行う。そのため、ステップS39では、ブレーキペダル21の振動振幅Aを設定する。ここで、上述したステップS10〜S38で設定された振動振幅Aに対するゲインgを乗算する。この処理により、ステップS10〜S38に示す各種の回生制動に対する抑制制御の介入に応じた振動レベルに変更される。
次のステップS40では、ブレーキペダル21を振動させるための振動周波数fを設定する。本例においては、ドライバに非エコ領域までブレーキペダル21を踏み込んでいることを報知することを目的とするため、ドライバが認知できるレベルの設定を行う。その際に、ドライバがこれ以上はあまり踏み増したくないなと感じさせる強さとしながらも、必要な場合には十分に円滑かつ制御可能に踏み増せる弱さに設定する。
ステップS41では、ブレーキペダル21の振動により発生するブレーキ液の液圧変動によって、車体振動が発生しないように振動振幅Aと振動周波数fを補正する。具体的には、図1に示すマスターシリンダ25の液圧振動がAsin2πfで振動していたとすると、この液圧は、ブレーキ液配管26及びVDCアクチュエータ29の管路抵抗やオリフィス効果により減衰され、駆動車輪41の部分での液圧変動は|Asin2πf×VDC減衰|となる。この大きさが車両変動として許容となるレベル、例えば車両Gで0.02G以下になるように振動振幅Aと振動周波数fの大きさを調整する。本例では、振動振幅Aを主に小さく調整していく。
ステップS42では、車両のダッシュパネルがブレーキペダル21の振動と共振をしないように、振動周波数fをダッシュパネルの共振周波数Fdから外れるように設定する。具体的には、振動周波数fがダッシュパネルの共振周波数Fdの定数倍になっている場合は、たとえばその1.1倍の周波数に設定することによってダッシュパネル周りとの共振を防止することができる。
ステップS43では、ステップS8で演算した非エコ状態か否かの判断対象値Tsと、ステップS9で演算し、場合によりステップS10〜S38の処理で更新された判断閾値Tlimとの比較を行う。そして、判断対象値Tsが判断閾値Tlim以上である場合は非エコ状態であると判断し、ステップS44へ進む。これに対して、判断対象値Tsが判断閾値Tlim未満である場合は、非エコ状態ではない(すなわちエコ状態)と判断し、ステップS49へ進む。
ステップS49では、振動が一周期中であるかどうかを振動フラグF_vibeの値に基づいて判断する。振動フラグF_vibeがONである(振動が一周期の途中である)場合は、振動を一周期分完了させてから振動を終了するために、ステップS44へ進む。これに対して、振動フラグF_vibeがOFFである(振動が一周期分終わっている)場合は、ブレーキペダル21を振動させないように、ステップS44〜S48をスキップし、ステップ1へリターンする。
ステップS44では、既述したフィルタ処理を行い、次のステップS45では、摩擦制動トルクの基本値に加算する上乗せ振動トルクTvを演算する。上乗せする振動トルクTvは、サインカーブで設定しても良いし、三角波で設定してもよい。本例では、図11に示すような三角波で上乗せ振動を設定する。
ステップS46では、振動周期が終了しているか否かを判断する。これは、振動の周期の途中でステップS43の条件(Ts≧Tlim)を満たさなくなった場合に、振動が不連続な形になることを防止するための処理である。振動周期が途中の場合は、ステップS48に進んで振動フラグF_vibeにONをセットする。振動周期が終了していた場合は、ステップS47に進んで振動フラグF_vibeにOFFをセットする。
ステップS50では、摩擦制動トルクTfbを設定する。振動フラグF_vibeがOFFの場合、摩擦制動トルクTfbはステップS3で演算した差分制動トルクTdifに一致させる。これは、ドライバの要求する制動力のうち、回生協調トルクで実現できる回生制動トルクTrbを差し引いた分を摩擦ブレーキで補償するという回生協調の考え方に基づく。もし、振動フラグF_vibeがONの場合、本来実現するべき差分制動トルクTdifに、ステップS45で演算されたTvを加算された値として、Tfb=Tdif+Tvのように演算する。そして、演算された摩擦制動力を実現するように電動型制御ブレーキ(電動ブレーキブースタ28)を駆動する。すなわち、目標とするブレーキマスタシリンダ25の液圧を演算するが、これは、演算された摩擦制動トルクTfbから、ブレーキマスタシリンダ径、ブレーキホイールシリンダ径、パッドμ、ブレーキロータ有効半径などの定数を用いて換算される。この目標ブレーキマスタシリンダ液圧に基づいて電動型制御ブレーキ(電動ブレーキブースター28)を駆動することにより、ブレーキマスタシリンダ圧を制御する。振動フラグF_vibeがONの場合は、振動成分Tvが加算されており、ある周期でブレーキマスタシリンダ液圧が振動する。電動型制御ブレーキ(電動ブレーキブースター28)では、ブレーキマスタシリンダ圧がインプットロッドを介してブレーキペダル21に反力として伝達されるため、結果としてブレーキマスタシリンダ液圧の変動分が、ブレーキペダル21の反力の変動分としてブレーキペダル21を振動させることとなる。図12の右図は、左図に示す摩擦制動トルクの基本値に、中央図に示す上乗せ振動トルクTvを加算した結果を示す。
《実施形態の作用効果》
以上のとおり、本例の車両用制動制御装置によれば以下の作用効果を奏する。
(1)本例では、非エコ状態である旨の報知を行うか否かの判断対象値Tsとして、図6AのステップS1〜S8に示すとおり、少なくとも、ドライバの要求制動トルクTreqと回生制動トルクTrbとの差分制動トルクTdif、すなわち摩擦制動トルクの指令値Tfbと、ブレーキ液圧から算出した摩擦制動トルクの実際値Tfp_pとのいずれか小さい値を選択し、この小さい値が判断閾値Tlimより大きい場合に非エコ状態である旨の報知をする。したがって、Tdif≧Tfbである場合に(Ts=Tfb)、Ts(=Tfb)が判断閾値Tlimを超えた場合には、Tdif≧Tfb>Tlimとなって、Tdifも判断閾値Tlimを超える関係となる。逆にTfb≧Tdifである場合に(Ts=Tdif)、Ts(=Tdif)が判断閾値Tlimを超えた場合には、Tfb≧Tdif>Tlimとなって、Tfbも判断閾値Tlimを超える関係となる。この結果、一つの判断対象値Tsを判断閾値Tlimと比較するだけで、摩擦制動トルクの指令値Tfbのみに基づく不必要な表示や、摩擦制動トルクの実際値Tfb_pのみに基づく表示の継続といった誤報が抑制され、操作者に対する非エコ状態である旨の報知を精度よく実行することができる。なお、このような作用効果は、同図のステップS6〜S7のドライバの要求制動トルクTreqと制御マップから推定した推定摩擦制動トルクTfb_mapを付加した場合も同様である。
(2)また本例では、図6CのステップS17〜S19に示すとおり、アンダーステア傾向又はオーバステア傾向を抑制する制動制御の作動を検出した場合には、判断閾値を大きくすべくステップS9で設定した判断閾値Tlim又は判断対象値を小さくすべくステップS8で設定した判断対象値Tsを、ドライバ要求制動トルクTreqと車速Vから求めた、US/OS抑制制御が介入しない場合の疑似摩擦制動トルクTfb_mapに置き換える。これにより、実際の摩擦制動トルクが増加しても、それまでエコ状態であった場合はエコ状態と評価され、非エコ状態である旨の誤報知はされない。またこれに加えて又はこれに代えて、アンダーステア傾向又はオーバステア傾向を抑制する制動制御の作動を検出した場合には、ブレーキペダル21の振動振幅Aに乗算するゲインgを小さくして、非エコ状態である旨の報知量を小さくする。これにより、ドライバは通常の非エコ状態である旨の報知と識別することができる結果、ドライバに与える違和感を抑制又は緩和することができる。
(3)また本例では、図6CのステップS20〜S22に示すとおり、車両の旋回状態を抑制する制動制御の作動を検出した場合には、判断閾値を大きくすべくステップS9で設定した判断閾値Tlim又は判断対象値を小さくすべくステップS8で設定した判断対象値Tsを、ドライバ要求制動トルクTreqと車速Vから求めた、旋回状態の抑制制御が介入しない場合の疑似摩擦制動トルクTfb_mapに置き換える。これにより、実際の摩擦制動トルクが増加しても、それまでエコ状態であった場合はエコ状態と評価され、非エコ状態である旨の誤報知はされない。またこれに加えて又はこれに代えて、車両の旋回状態を抑制する制動制御の作動を検出した場合には、ブレーキペダル21の振動振幅Aに乗算するゲインgを小さくして、非エコ状態である旨の報知量を小さくする。これにより、ドライバは通常の非エコ状態である旨の報知と識別することができる結果、ドライバに与える違和感を抑制又は緩和することができる。
(4)また本例では、図6DのステップS23〜S25に示すとおり、急制動操作が検出された場合には、非エコ状態である旨の報知を禁止するか、またはペダル振動振幅Aに乗算するゲインgを1.0未満の値(例えば0.5)に設定して非エコ状態である旨の報知量を小さくするので、ドライバは運転操作に集中することができる。
(5)また本例では、図6DのステップS28〜S30に示すとおり、強電バッテリ12のバッテリ温度が低温制限温度TBlim以下である場合には、判断閾値を大きくすべくステップS9で設定した判断閾値Tlim又は判断対象値を小さくすべくステップS8で設定した判断対象値Tsを、ドライバ要求制動トルクTreqと車速Vから求めた、旋回状態の抑制制御が介入しない場合の疑似摩擦制動トルクTfb_mapに置き換える。これにより、実際の摩擦制動トルクが増加しても、それまでエコ状態であった場合はエコ状態と評価され、非エコ状態である旨の誤報知はされない。またこれに加えて又はこれに代えて、強電バッテリ12のバッテリ温度が低温制限温度TBlim以下である場合には、ブレーキペダル21の振動振幅Aに乗算するゲインgを小さくして、非エコ状態である旨の報知量を小さくする。これにより、ドライバは通常の非エコ状態である旨の報知と識別することができる結果、ドライバに与える違和感を抑制又は緩和することができる。
(6)また本例では、図6DのステップS31〜S33に示すとおり、強電バッテリ12のSOC値が限界値Slimを超えている場合には、判断閾値を大きくすべくステップS9で設定した判断閾値Tlim又は判断対象値を小さくすべくステップS8で設定した判断対象値Tsを、ドライバ要求制動トルクTreqと車速Vから求めた、旋回状態の抑制制御が介入しない場合の疑似摩擦制動トルクTfb_mapに置き換える。これにより、実際の摩擦制動トルクが増加しても、それまでエコ状態であった場合はエコ状態と評価され、非エコ状態である旨の誤報知はされない。またこれに加えて又はこれに代えて、強電バッテリ12のSOC値が限界値Slimを超えている場合には、ブレーキペダル21の振動振幅Aに乗算するゲインgを小さくして、非エコ状態である旨の報知量を小さくする。これにより、ドライバは通常の非エコ状態である旨の報知と識別することができる結果、ドライバに与える違和感を抑制又は緩和することができる。
(7)また本例では、図6DのステップS36〜S38に示すとおり、変速機42のシフトアップ状態を検出した場合には、判断閾値を大きくすべくステップS9で設定した判断閾値Tlim又は判断対象値を小さくすべくステップS8で設定した判断対象値Tsを、ドライバ要求制動トルクTreqと車速Vから求めた、旋回状態の抑制制御が介入しない場合の疑似摩擦制動トルクTfb_mapに置き換える。これにより、実際の摩擦制動トルクが増加しても、それまでエコ状態であった場合はエコ状態と評価され、非エコ状態である旨の誤報知はされない。またこれに加えて又はこれに代えて、変速機42のシフトアップ状態を検出した場合には、ブレーキペダル21の振動振幅Aに乗算するゲインgを小さくして、非エコ状態である旨の報知量を小さくする。これにより、ドライバは通常の非エコ状態である旨の報知と識別することができる結果、ドライバに与える違和感を抑制又は緩和することができる。
上記VCU50は本発明に係る摩擦制動力指令値算出手段、摩擦制動力算出手段、選択手段、閾値設定手段、報知手段、検出手段及び切換手段に相当する。
11…電動機(モータ・ジェネレータ)
12…強電バッテリ
13…インバータ
14…モータコントロールユニット(MCU)
15…バッテリ温度センサ
16…アクセルペダルセンサ
17…車速センサ
21…ブレーキペダル
22…ブレーキロータ
23…ブレーキキャリパ
24…ブレーキセンサ
25…ブレーキマスタシリンダ
26…ブレーキ液配管
27…リザーバタンク
28…電動ブレーキブースタ
29…VDCアクチュエータ
30…VDCコントロールユニット(VDCCU)
31…車輪速センサ
32…ヨーレイトセンサ
33…舵角センサ
34…横Gセンサ
41…駆動車輪
42…自動変速機
43…ディファレンシャルギヤ
44…駆動軸
45…変速機コントロールユニット(TACU)
50…車両コントロールユニット(VCU)

Claims (5)

  1. 走行駆動源としての電動機と、前記電動機に電力を供給するとともに前記電動機からの回生電力を蓄電するバッテリと、液圧式摩擦ブレーキと、変速機とを備え、ブレーキペダルの踏込量に応じた制動力を前記電動機の回生制動力と前記液圧式摩擦ブレーキとで発生させるとともに前記電動機による回生電力を前記バッテリに蓄電する車両に対し、前記制動力を制御する車両用制動制御装置において、
    前記ブレーキペダルの踏込量に応じた要求制動力に基づいて実際の制動力の判断対象値を算出する算出手段と、
    制動操作を含む車両の運転操作がエコ状態であるか否かを判断する制動力の判断閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記判断対象値が前記判断閾値より大きいか否かを判断し、前記判断対象値が前記判断閾値より大きい場合には、制動操作を含む車両の運転操作がエコ状態ではない旨の報知を行う報知手段と、
    前記変速機のシフトアップを検出する検出手段と、
    前記変速機がシフトアップ状態にある場合に、前記閾値設定手段の前記判断閾値を大きくするか、前記算出手段の前記判断対象値を小さくするか、又は前記報知手段の報知量を小さくする切換手段と、を備える車両用制動制御装置。
  2. 前記切換手段は、前記変速機がシフトアップ状態にある場合に、前記閾値設定手段の前記判断閾値又は前記算出手段の前記判断対象値を、前記要求性動力及び車両の速度に基づく、前記変速機がシフトアップ状態にない場合の疑似摩擦制動力に設定する請求項1に記載の車両用制動制御装置。
  3. 前記切換手段は、前記変速機のシフトアップ状態が終了した場合の報知量を、前記シフトアップ状態の報知量より大きい値に設定する請求項1又は2に記載の車両用制動制御装置。
  4. 前記切換手段は、前記変速機のシフトアップ状態を検出したのち当該シフトアップ状態が終了したことを検出した場合に、前記制動操作が終了するまで切換状態を維持したのち、元の切換状態に復帰させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用制動制御装置。
  5. 前記算出手段は、
    前記ブレーキペダルの踏込量に基づく要求制動力と、前記車両の走行状態に応じた前記電動機の実際の回生制動力との差分制動力を算出する差分制動力算出部と、
    前記液圧式摩擦ブレーキの液圧に基づいて前記摩擦ブレーキの摩擦制動力を算出する摩擦制動力算出部と、
    前記差分制動力と前記摩擦制動力のいずれか小さい値を選択して判断対象値とする選択部と、を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用制動制御装置。
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