JP2014200876A - 板材の雌ねじ形成方法およびねじ孔付き板材 - Google Patents

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啓光 石原
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Abstract

【課題】ねじ有効径にならないアール形状部が形成されることも強度低下を招くこともなく板厚以上の有効ねじ長のねじ孔を形成すること。
【解決手段】まず、横断面形状が円形のパンチ工具30、40の先端部32、42を雌ねじ形成対象の板材Wの表面に押し付け、塑性変形によって窪みAと当該窪みAの周囲に初期板厚よりも厚い円環畝状の肉盛り部Bとを板材Wの表面に形成する。つぎに、肉盛り部Bにねじ下穴に相当する貫通孔Cを形成し、貫通孔Cに雌ねじ24を形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、板材の雌ねじ形成方法およびねじ孔付き板材に関する。
板厚が1〜2mm程度の薄手の鋼板に、板厚以上の有効ねじ長のねじ孔(雌ねじ)を形成する方法として、バーリング加工によって鋼板に円筒部をプレス成形し、円筒部の内周面に雌ねじを形成するものや、鋼板に形成された下穴の外周縁に円環状の折返し部をプレス成形し、その内周面に雌ねじを形成するものや、前方押し出しによる塑性加工によって鋼板のねじ孔形成部分を厚肉化し、厚肉化部分に下穴を形成してその内周面に雌ねじを形成したものが知られている(例えば、特許文献1)。
物置の壁面を形成する壁パネル等のパネル同士を結合することに用いられるねじ部品として、中間部分をクランク状に曲折され、曲折の一方の側の片部にねじ孔を有する連結板(ねじ板)が知られている(例えば、特許文献2)。この連結板のねじ孔を上述の方法で形成することにより、板厚以上の有効ねじ長を有して十分なねじ山数によるねじ係合が行われるねじ孔付きの連結板を作成することが考えられている。
連結板によるパネル同士の結合は、結合すべきパネルの2枚重ね合わせ部分に形成されたスリット状の挿入孔に連結板の一方の片部を挿入して当該片部をパネルの裏面側に位置させ、2枚重ね合わせ部分に形成された貫通孔にパネルの表面側からボルトを挿入し、ボルトを連結板のねじ孔にねじ係合させることにより行われる。
特開平9−70638号公報 実開昭51−125137号公報
バーリング加工によるものは、円筒部の立ち上り根元部分の内周に最小でも板厚分のアール形状部ができ、必要なねじかかり代を有するねじ有効径(内径)による円筒部の有効軸長が短くなるので、その分、円筒部の軸長を長くする必要が生じる。円筒部の軸長が長く、円筒部の外周面が切り立っている連結板では、結合すべきパネルに設けられる貫通孔を大きくとる必要が生じると共に、連結板の一方の片部を貫通孔に挿入する際に円筒部が貫通孔の開口縁に引っかかり易くなり、パネル結合の作業性が悪くなる。
また、バーリング加工によるものは、材料が伸びることにより立ち上り先端部分が先細形状になる傾向があり、円筒部がねじ有効径による内径であっても強度を十分に取れないことがある。
折返しプレス加工によるものは、板厚の2倍の軸長の下穴を得ることできるが、下穴の開口端にアール形状部ができるので、ねじ有効径を有する部分の軸長(有効軸長)を十分に取ることが難しい。
前方押し出しによる塑性加工によって厚肉化したものは、厚肉化部に移動した材料分だけ厚肉化部の周囲の板厚が痩せ、厚肉化するほど厚肉化部周辺の強度が低下する。
本発明が解決しようとする課題は、ねじ有効径にならないアール形状部が形成されることも強度低下を招くこともなく板厚以上の有効ねじ長のねじ孔を形成することである。
本発明による板材の雌ねじ形成方法は、横断面形状が円形のパンチ工具(30、40)の先端部(32、42)を雌ねじ形成対象の板材(W)の表面に押し付け、塑性変形によって窪み(A)と当該窪み(A)の周囲に初期板厚よりも厚い円環畝状の肉盛り部(B)とを前記板材(W)の表面に形成する第1の工程と、前記肉盛り部(B)にねじ下穴に相当する貫通孔(C)を形成する第2の工程と、前記貫通孔(C)に雌ねじ(24)を形成する第3の工程とを有する。
この雌ねじ形成方法によれば、窪み(A)の塑性加工によって窪み(A)の周囲に厚肉化部として円環畝状の肉盛り部(B)ができ、肉盛り部(B)への肉移動によって板厚が薄くなっている窪み(A)にねじ下穴である貫通孔(C)を穿設することになるから、ねじ下穴形成による材料損失が少なく、肉盛り部(B)に移動した材料によって肉盛り部(B)の外周囲の板厚が痩せて肉盛り部(B)周辺の強度が低下する現象を生じることがない。そして、貫通孔(C)に雌ねじが形成されるので、ねじ有効径にならないアール形状部が形成されることや強度低下を招くことなく、肉盛り部(B)の高さ分、板厚以上の有効ねじ長のねじ孔(24)が形成される。
本発明による板材の雌ねじ形成方法は、好ましくは、前記パンチ工具(30、40)が貫通する工具貫通孔(52、62)を有し、前記工具貫通孔(52、62)の前記板材(W)の側の開口縁部(54、64)にアール面あるいは面取り面を形成されたストリップ部材(50、60)を前記板材(W)の表面に当接させた状態で前記第1の工程を行い、前記肉盛り部(B)の外周側に前記アール面あるいは前記面取り面を転写させる。
この雌ねじ形成方法によれば、肉盛り部(B)の外周側がアール面あるいは面取り面になり、パネル結合用の連結板としての使用において、肉盛り部(20、22)を、パネル(100、110)の挿入孔(102、112)に通す際に肉盛り部(20、22)が挿入孔(102、112)の周縁に引っかかり難くなる。
本発明による板材の雌ねじ形成方法は、好ましくは、前記第1の工程は、前記板材(W)の表裏両面に対して行う。
この雌ねじ形成方法によれば、板材(W)の表裏に肉盛り部(B)が形成されるので、肉盛り部(B)が片面だけである場合よりも有効ねじ長が長いねじ孔(24)が形成される。
本発明による板材の雌ねじ形成方法は、好ましくは、パンチ工具(30、40)の先端部(32、42)が球体の一部がなす形状あるいは切頭円錐形状である。
この雌ねじ形成方法によれば、球体の一部がなす形状あるいは切頭円錐形状の窪み(A)ができ、肉盛り部(B)への肉(材料)の移動が良好に行われる。
本発明によるねじ孔付き板材は、表裏両面に塑性加工による円環畝状の肉盛り部(20、22)が形成され、前記肉盛り部(20、22)にねじ孔(24)が貫通形成されている。
このねじ孔付き板材によれば、板材(10)の板厚以上の有効ねじ長のねじ孔(24)が形成される。
本発明によるねじ孔付き板材は、好ましくは、前記肉盛り部(20、22)の外周面(20A、22A)がアール面あるいは面取り面である。
このねじ孔付き板材によれば、パネル結合用の連結板としての使用において、肉盛り部(20、22)を、パネル(100、110)の挿入孔(102、112)に通す際に肉盛り部(20、22)が挿入孔(102、112)の周縁に引っかかり難くなる。
本発明による板材の雌ねじ形成方法によれば、ねじ有効径にならないアール形状部が形成されることも強度低下を招くこともなく、肉盛り部の高さ分、板厚以上の有効ねじ長のねじ孔が形成される。
本発明によるねじ孔付き板材をパネル結合用の連結板に適用した一つの実施形態を示す平面図。 図1の線II−IIに沿った断面図。 本実施形態による連結板の使用例を示す断面図。 本発明による雌ねじ形成方法を含むねじ孔付き板材の製造方法の一つの実施形態を示す説明図。 本発明による雌ねじ形成方法に用いられるパンチの他の実施形態を示す図。 本発明による雌ねじ形成方法に用いられるストリップ板の実施形態を示す図。 肉盛り部の他の形状例を拡大断面図。 本発明による雌ねじ形成方法を含むねじ孔付き板材の製造方法の他の実施形態を示す説明図。
図1、図2は、本発明によるねじ孔付き板材をパネル結合用の連結板に適用した一つの実施形態を示している。
連結板10は、鋼板等の金属板により構成され、平面視形状が略矩形で、長手方向の中間部にクランク状に曲折されたクランク部12をプレス加工によって形成されている。クランク部12の一方の側には第1片部14があり、他方の側には第2片部16がある。
連結板10のクランク部12による第1片部14と第2片部16とは互いに略平行であり、第1片部14と第2片部16との段違い寸法は、結合すべき2枚のパネル100と110(図3参照)との合計の板厚に等しいか、あるいは合計の板厚より少し大きい。第1片部14は、パネル100、110に形成されたスリット状の挿入孔102、112に挿入されてパネル100、110の裏面側(図3で見て下側)に位置する片部である。第1片部14の先端部18は、第1片部14が挿入孔102、112に挿入され易いように、略半円形状になっている。第2片部16は、作業者の手によって握られる片部であり、平面視形状が矩形になっている。
第1片部14には、表裏両面に塑性加工による円環畝状の肉盛り部20と22とが同一軸線上に形成されている。肉盛り部20、22の部分には、当該肉盛り部20、22の中心をねじ中心として第1片部14を板厚方向に貫通したねじ孔24が形成されている。ねじ孔24のねじ径(谷径)は肉盛り部20、22の最大高さ位置がなす稜線による円形の直径に略等しいことが好ましい。より好ましくは、ねじ孔24のねじ径は肉盛り部20、22の最大高さ位置がなす稜線による円形の直径に等しい。このことにより、ねじ孔24の有効軸長Lは、第1片部14の板厚Tと2個の肉盛り部20、22の肉盛り最大高さH1、H2との合計値になり、肉盛り部20と22との合計の肉盛り最大高さ(H1+H2)分、第1片部14の板厚Tより長くなる。
このように、ねじ孔24の有効軸長Lが第1片部14の表裏両面に形成された肉盛り部20と22との双方によって長くなることにより、第1片部14に有効ねじ長が第1片部14の板厚Tより十分に長いねじ孔24が形成されることになる。
本実施形態による連結板10のもう一つの特徴は、肉盛り部20と22との双方の外周面の形状、換言すると、断面形状が略1/4円弧によるアール形状になっていることである。つまり、肉盛り部20、22の外周面がアール面20A、22Aになっている。
パネル100、110は、鋼板製の壁パネル等であり、図3に示されているように、結合状態の配置で互いの重り合う部分に、互いに配置位置が合致する挿入孔102、112と、ボルト通し孔104、114とを形成されている。
連結板10を用いてパネル100と110とを結合する作業は、まず、図3に仮想線によって示されているように、第1片部14の先端部18を前側にして連結板10をパネル100、110の板面に対して傾斜させた姿勢で、第1片部14を挿入孔102、112に挿入する。第1片部14がパネル110の裏面(図3で見て下面)側に位置し、クランク部12が挿入孔102、112に位置するまで挿入されれば、第1片部14がパネル100、110と略平行になる。この状態では、ねじ孔24がボルト通し孔104、114と略同心の位置に位置する。
パネル100の表面の側から平座金122を付けた六角頭付きのボルト120を、ボルト通し孔104、114に順に挿入し、ねじ孔24にねじ係合させる。このボルト120の締結により、パネル100と110が、平座金122を介してボルト120の頭部と第1片部14とによって挟まれて結合される。連結板10は、ねじ孔24の有効ねじ長が長いことにより、ねじ孔24とボルト120とのねじ係合山数が多くなり、ボルト120の締結が、電動工具等によって過剰気味の締付トルクによって行われても、ねじ山が破損することがなく、締結不良を生じることがない。
なお、パネル100のボルト通し孔104の大きさはボルト120のねじ軸部が通過できる大きさであるが、パネル110のボルト通し孔114の大きさは肉盛り部20が入り込む大きさになっている。
本実施形態の連結板10は、肉盛り部20、22の横断面形状が略1/4円弧によるアール形状になっていて肉盛り部20、22の外周面が第1片部14の板面に対して垂直に切り立った面でなく、アール面20A、22Aになっているので、図3に仮想線によって示されているように、肉盛り部20、22はアール面20A、22Aに案内されて挿入孔102、112の縁部に乗り上がるようにして円滑に通過する。
これにより、肉盛り部20、22の根元部分が挿入孔102、112の縁部に引っかかることなく、肉盛り部20、22を、容易に挿入孔102、112を通過させることができ、連結板10を用いたパネル100と110との結合作業が作業性よく迅速に行われ得るようになる。
この効果は、肉盛り部20、22の外周面が凸形のアール面20A、22Aに代えて、凹形のアール面であっても、肉盛り部20、22の断面形状が直角三角形状で、肉盛り部20、22の外周面が直線的な傾斜面であっても同様に得られるから、肉盛り部20、22の外周面は、凹形のアール面であっても、直線的な傾斜面であってもよい。
つぎに、図4(A)〜(F)を参照して本発明による雌ねじ形成方法を含むねじ孔(24)付き板材(連結板10)の製造方法について説明する。
まず、図4(A)に示されているように、鉛直な同一軸線X上に上下に配置された上部パンチ30と下部パンチ40との間、およびこれらパンチ30、40が貫通可能に嵌合した工具貫通孔52、62を有する水平配置の平板状の上部ストリップ板50と下部ストリップ板60との間に、所定長さを有する矩形の鋼板よりなる雌ねじ形成対象の平板素材(板材)Wを水平に配置する。
上部パンチ30、下部パンチ40は、平板素材Wに形成するねじ孔(24)の谷径より少し大きい外径による円柱形状(中心軸線に直交する横断面形状が円形)で、平板素材Wを挟んで上下に互いに対向する先端部32、42が、凸球面の一部をなす互いに同一の凸形状をしている。上部ストリップ板50、下部ストリップ板60の工具貫通孔52、62の内径は、上部パンチ30、下部パンチ40の外径に等しいか、或いはこれにより僅かに大きい内径で、工具貫通孔52、62を挟んで上下に対向する側、つまり、平板素材Wの側の開口縁部54、64は、横断面形状が略1/4円弧による凹形のアール形状に拡径され、凹形のアール面になっている。
つぎに、第1工程として、図4(B)に示されているように、上部ストリップ板50を降下させて上部ストリップ板50を平板素材Wの上面に当接させ、下部ストリップ板60を上昇させて下部ストリップ板60を平板素材Wの下面に当接させ、両ストリップ板50、60によって平板素材Wを上下より挟み込む。その後、上部パンチ30を降下させ、下部パンチ40を上昇させ、上下同一のプレス圧をもって上部パンチ30の先端部32を平板素材Wの上面に押し付けると同時に下部パンチ40の先端部42を平板素材Wの下面に押し付ける。
この上部パンチ30、下部パンチ40の押し付けによって平板素材Wに、潰しによる塑性変形、つまり肉(材料)の移動が生じ、上部パンチ30、下部パンチ40の先端部32、42の形状を転写するように平板素材Wの上面と下面とに各々平面形状が円形の互いに同心の球面状の窪みAが形成されると同時に、平板素材Wの上面の窪みAおよび下面の窪みAの各々の周囲に窪みAと同心で平板素材Wの初期板厚よりも厚い円環畝状の肉盛り部Bが形成される。本実施形態では、上部パンチ30、下部パンチ40の先端部32、42が球面状であるので、先端部32、42の全体が軸線方向に直交する平面によるものである場合よりも上部パンチ30、下部パンチ40の外周側にできる肉盛り部Bへの肉の移動が低いプレス圧でも良好に行われる。
窪みAと肉盛り部Bとは塑性変形によって同時に形成されるものであるから、肉盛り部Bの体積は窪みAによる平板素材Wの肉減少分の体積に等しい。肉盛り部Bの最大高さ位置がなす稜線による円形の直径は、ここに形成すべきねじ孔24の谷径に略等しいことが、有効ねじ長が長いねじ孔24を形成する上で最適である。
窪みAおよび肉盛り部Bの塑性加工は、上部パンチ30、下部パンチ40と上部ストリップ板50、下部ストリップ板60とで、型鍛造のように行われる。これにより、上部パンチ30、下部パンチ40の先端部32、42の形状を転写した窪みAが平板素材Wの上面と下面とに形成されると共に、上部ストリップ板50、下部ストリップ板60の工具貫通孔52、62の開口縁部54、64の形状を外周側に転写した肉盛り部Bが平板素材Wの上面と下面とに形成される。つまり、肉盛り部Bの外周側の形状は、工具貫通孔52、62の開口縁部54、64の形状によって設定され、本実施形態では肉盛り部Bの外周面は凸形のアール面になる。
つぎに、第2工程として、図4(C)に示されているように、打ち抜きダイ70上に窪みAおよび肉盛り部Bを形成された平板素材Wを載置し、打ち抜きパンチ72によって肉盛り部Bの径方向内方(中心側)に、つまり窪みAに肉盛り部Bと同心のねじ下穴に相当する横断面形状が円形の貫通孔C(図4(D)参照)を打ち抜きプレスによって形成する。貫通孔Cの内径は、平板素材Wに形成するねじ孔(24)の内径(ねじ径)に等しいか、或いはねじ孔(24)の内径(ねじ径)より少し小さい内径である。
なお、打ち抜きダイ70に形成されているパンチ進入孔70Aの上部開口端周りには、打ち抜きプレスによって下側の肉盛り部Bが壊れないよう、肉盛り部Bを受け入れる肉盛り部Bの補形をなす窪み70Bが形成されている。なお、貫通孔Cは打ち抜きプレスによらずにドリル工具による切削によって形成することもできる。
つぎに、図4(D)に示されているように、曲げプレス加工によって平板素材Wにクランク部12を曲折形成する。これにより、貫通孔Cを有する第1片部14と第2片部16とが形成される。
つぎに、図4(E)に示されているように、タッピング工具(タップ)80を用いて貫通孔Cに雌ねじを切削によって形成し、図4(F)に示されているように、ねじ孔24を形成する。これにより、連結板10が完成する。なお、ねじ孔24のねじ形成は、切削によらずに転造によって行われてもよい。
この実施形態による雌ねじ形成方法によれば、窪みAの塑性加工によって窪みAの周囲に厚肉化部として円環畝状の肉盛り部Bができ、肉盛り部Bへの肉移動によって板厚が薄くなっている窪みAにねじ下穴(貫通孔C)を穿設しているから、ねじ下穴形成による材料損失が少ない。また、この雌ねじ形成方法では、肉盛り部(厚肉化部)Bに移動した材料によって肉盛り部Bの外周囲の板厚が痩せて肉盛り部B周辺の強度が低下する現象を生じることがない。
そして、貫通孔Cの内周面に雌ねじを刻んでいるから、肉盛り部Bの高さ部寸法分、平板素材Wの初期板厚より長い軸長のねじ孔24が形成されることになる。貫通孔Cは、打ち抜きプレスやドリル切削により形成されるものであるから、貫通孔Cの開口端にアール形状部ができることがなく、ねじ孔24を形成する有効軸長(有効ねじ長)を、アール形状部によって短縮されることなく長く設定することができる。
このようにして、ねじ有効径にならないアール形状部が形成されることも強度低下を招くこともなく、肉盛り部Bの高さ分、板厚以上の有効ねじ長のねじ孔24を形成されたねじ孔付き板材(連結板10)を、生産性よく製造することができる。
肉盛り部Bの外周側の形状は、上部ストリップ板50、下部ストリップ板60の工具貫通孔52、62の開口縁部54、64の形状によって設定されるから、本実施形態では、肉盛り部Bの外周面は凸形のアール面になっている。このことは、連結板10としての使用において、肉盛り部20、22をパネル100、110の挿入孔102、112に通す際に、肉盛り部20、22が挿入孔102、112の周縁に引っかかり難くなる効果を生じることになる。
窪みAの塑性加工するためのパンチ30、40の先端形状は、球面状に限られることなく、先が尖った円錐形や、図5(A)に示されているように、先端外周に1/4円弧のアール面34を有するもの、図5(B)に示されているように、先端外周に45度傾斜の面取り面36を有するもの、図5(C)に示されているように、先端外周に1/4円弧のアール面34を有し、更に先端中央に円錐形等の凹部38を有するもの、図5(D)に示されているように、先端外周に45度傾斜の面取り面36を有し、更に先端中央に円錐形等の凹部38を有するものであってもよい。凹部38を有するものは、塑性変形によって凹部38に肉が入り込むことにより、凹部38の大きさによって肉盛り部Bへの肉移動量を微調整することができる。また、凹部38に肉が入り込むことにより、加圧時のパンチ30、40の心ぶれを回避する効果も得られる。
上部ストリップ板50、下部ストリップ板60の工具貫通孔52、62の開口縁部54、64の形状は、図6(A)に示されているように、凹形のアール形状に限られることなく、図6(B)に示されているように、凸形のアール形状であっても、図6(C)に示されているように、45度傾斜の面取り形状であってもよい。更に、工具貫通孔52、62の開口縁部54、64の形状は、図6(D)に示されているように、凹形のアール形状と直線部との組み合わせであってもよい。この場合には、直線部によって肉盛り部Bの形状は径方向に幅を有する平らな頂部を有するものになり、肉盛り部Bの最大高さ部分にねじ孔24を形成し易くなる。
肉盛り部Bの形状は、平板素材Wの上面と下面とで上下反転の対称形状(同一形状)であることに限られることはなく、肉盛り部Bは、図7に示されているように、平板素材Wの上面と下面とで、異なった大きさ、異なった肉盛り高さであってもよい。
肉盛り部Bは、平板素材Wの上面と下面との片面にのみ形成されてもよい。この場合の形成方法を、図8を参照して説明する。なお、図8において、図4に対応する部分は、図4に付した符号と同一の符号を付けて説明する。
まず、図8(A)に示されているように、定盤90の平らな上面92上に所定長さを有する矩形の鋼板よりなる雌ねじ形成対象の平板素材(板材)Wを水平に配置する。
つぎに、第1工程として、図8(B)に示されているように、上部ストリップ板50を降下させて上部ストリップ板50を平板素材Wの上面に当接させ、上部ストリップ板50によって平板素材Wを定盤90上に固定する。その後、上部パンチ30を降下させ、所定のプレス圧をもって上部パンチ30の先端部32を平板素材Wの上面に押し付ける。
この上部パンチ30の押し付けによって平板素材Wに、潰しによる塑性変形、つまり肉(材料)の移動が生じ、上部パンチ30の先端部32の形状を転写するように平板素材Wの上面に球面状の窪みAが形成されると同時に、平板素材Wの上面の窪みAの周囲に窪みAと同心で平板素材Wの初期板厚よりも厚い円環畝状の肉盛り部Bが形成される。この実施形態でも、窪みAと肉盛り部Bとは塑性変形によって同時に形成されるものであるから、肉盛り部Bの体積は窪みAによる平板素材Wの肉減少分の体積に等しい。
窪みAおよび肉盛り部Bの塑性加工は、上部パンチ30と上部ストリップ板50とで、型鍛造のように行われる。これにより、上部パンチ30の先端部32の形状を転写した窪みAが平板素材Wの上面に形成されると共に、上部ストリップ板50の工具貫通孔52の開口縁部54の形状を外周側に転写した肉盛り部Bが平板素材Wの上面に形成される。つまり、肉盛り部Bの外周側の形状は、工具貫通孔52の開口縁部54の形状によって設定され、本実施形態でも肉盛り部Bの外周面は凸形のアール面になる。
つぎに、第2工程として、図8(C)に示されているように、打ち抜きダイ70上に窪みAおよび肉盛り部Bを形成された平板素材Wを載置し、打ち抜きパンチ72によって肉盛り部Bの径方向内方に、つまり窪みAに肉盛り部Bと同心のねじ下穴に相当する円形横断面形状の貫通孔C(図8(D)参照)を打ち抜きプレスによって形成する。貫通孔Cの内径は、平板素材Wに形成するねじ孔(24)の内径(ねじ径)に等しいか、或いはねじ孔(24)の内径(ねじ径)より少し小さい内径である。なお、この実施形態では、打ち抜きダイ70のパンチ進入孔70Aの上部開口端周りに窪み70Bを形成する必要はない。
つぎに、図8(D)に示されているように、平板素材Wに曲げプレス加工によってクランク部12を曲折形成する。これにより、貫通孔Cを有する第1片部14と第2片部16とが形成される。
つぎに、図8(E)に示されているように、タッピング工具(タップ)80を用いて貫通孔Cに雌ねじを切削によって製造し、図8(F)に示されているように、ねじ孔24を形成する。これにより、連結板10が完成する。
この実施形態による雌ねじ形成方法でも、窪みAの塑性加工によって窪みAの周囲に厚肉化部として円環畝状の肉盛り部Bができ、肉盛り部Bへの肉移動によって板厚が薄くなっている窪みAにねじ下穴(貫通孔C)を穿設しているから、ねじ下穴形成による材料損失が少ない。また、この雌ねじ形成方法でも、肉盛り部(厚肉化部)Bに移動した材料によって肉盛り部Bの外周囲の板厚が痩せて肉盛り部B周辺の強度が低下する現象を生じることがない。
そして、貫通孔Cの内周面に雌ねじを刻んでいるから、肉盛り部Bの高さ部寸法分、平板素材Wの初期板厚より長い軸長のねじ孔24が形成されることになる。貫通孔Cは、打ち抜きプレスやドリル切削により形成されるものであるから、貫通孔Cの開口端にアール形状部ができることがなく、ねじ孔24を形成する有効軸長を、アール形状部によって短縮されることなく長く設定することができる。
このようにして、本実施形態でも、ねじ有効径にならないアール形状部が形成されることも強度低下を招くこともなく、板厚以上の有効ねじ長のねじ孔24を形成されたねじ孔付き板材(連結板10)を、生産性よく製造することができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
10 連結板
12 クランク部
14 第1片部
16 第2片部
20 肉盛り部
22 肉盛り部
24 ねじ孔
30 上部パンチ(パンチ工具)
32 先端部
40 下部パンチ(パンチ工具)
42 先端部
50 上部ストリップ板(ストリップ部材)
52 工具貫通孔
54 開口縁部
60 下部ストリップ板(ストリップ部材)
62 工具貫通孔
64 開口縁部
90 定盤
A 窪み部
B 肉盛り部
C 貫通孔

Claims (6)

  1. 横断面形状が円形のパンチ工具の先端部を雌ねじ形成対象の板材の表面に押し付け、塑性変形によって窪みと当該窪みの周囲に初期板厚よりも厚い円環畝状の肉盛り部とを前記板材の表面に形成する第1の工程と、
    前記肉盛り部にねじ下穴に相当する貫通孔を形成する第2の工程と、
    前記貫通孔に雌ねじを形成する第3の工程と、
    を有する板材の雌ねじ形成方法。
  2. 前記パンチ工具が貫通する工具貫通孔を有し、前記工具貫通孔の前記板材の側の開口縁部にアール面あるいは面取り面を形成されたストリップ部材を前記板材の表面に当接させた状態で前記第1の工程を行い、前記肉盛り部の外周側に前記アール面あるいは前記面取り面を転写させる請求項1に記載の板材の雌ねじ形成方法。
  3. 前記第1の工程は、前記板材の表裏両面に対して行う請求項1または2に記載の板材の雌ねじ形成方法。
  4. パンチ工具の先端部が球体の一部がなす形状あるいは切頭円錐形状である請求項1から3の何れか一項に記載の板材の雌ねじ形成方法。
  5. 表裏両面に塑性加工による円環畝状の肉盛り部が形成され、前記肉盛り部にねじ孔が貫通形成されているねじ孔付き板材。
  6. 前記肉盛り部の外周面がアール面あるいは面取り面である請求項5に記載のねじ孔付き板材。
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