JP2014200855A - リーマ工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 狭隘な場所においても、特別な駆動装置を要することなくリーマ穴を加工できるリーマ工具を提供すること。
【解決手段】 被削材70の加工穴71に挿通して一端が加工穴71から突出する長さを有する軸部11と、軸部11の他端に一体的に形成されたリーマ部12とを有するリーマ部材10と、軸部11の加工穴71から突出する部分を加工穴71の一端側で支持する送り部材20とを備えている。軸部11は、加工穴71から突出する部分に回転伝達部14を有し、送り部材20は、軸部11との間に、軸部11が回転することで軸部11を送り部材20に対して加工方向に送る送り機構30を有し、リーマ部12は、軸部11との連結部に切刃13を有している。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、金属品にリーマ穴を加工するためのリーマ工具に関する。
従来、金属品の穴加工においてリーマが広く利用されている。リーマによる穴加工は、ドリル加工によって形成された穴を正確な直径の穴に仕上げたり、仕上げ面粗さの良い穴に仕上げたりする場合等に利用されている。
このようなリーマ加工を行う金属品(以下、「被削材」ともいう)として、各種機器の部品やフランジなどがある。例えば、リーマ加工を行う被削材の例として、大型タービンロータに関する部品であるタービン翼があり、以下、このタービン翼を例に説明する。
タービンロータの製作時には、回転軸のディスク外周に複数のタービン翼が配設されている。このタービン翼は、ディスクの外周に設けられた係合部にタービン翼の植翼部を係合させることで配設されている。そのため、ディスクの外周の一部にはタービン翼の植翼部分を挿入する挿入部が設けられており、この挿入口から タービン翼の植翼部分を挿入し、係合部に係合させてディスクの周方向に配設している。そして、最後は挿入口に止め翼を入れ、その抜け止めをしている。
この止め翼の抜け止めは、一般的に、周方向に配置した止め翼と隣接するタービン翼との植翼部の間に抜け止め用のピースを入れ、このピースをカシメることでコーキングを施すことにより図っている。しかし、コーキング施工は手作業であり、作業者の技能によって施工差が生じ、施工後の確認も目視になり、時間を要する。また、コーキングはタービン翼の間に施工するため、タービン翼の外周にシュラウドが設けられた一体翼の場合にはシュラウドの内方へのコーキングができない。そのため、シュラウド一体型のタービン翼の止め翼に対しては、コーキングによる抜け止めは適用できない。
そこで、図8,9に示すように、止め翼106の抜け止めを、止め翼106とそれに隣接するタービン翼104の植翼部107,105との境界部共リーマ穴108(止め翼106及びタービン翼104共に半円形のリーマ穴)を加工する。そして、その共リーマ穴108に止めピン109を嵌入することで、止め翼106に作用する半径方向外方への力を隣接するタービン翼104で支持しようとする考えがある。
この方法の場合、タービンロータ100のディスク101の外周の一部に設けられた挿入部102からタービン翼104を挿入し、係合部103に係合させるように周方向に移動させ、最終的に挿入部102に止め翼106を挿入する。そして、この止め翼106の植翼部107と隣接するタービン翼104の植翼部105との境界部に、ロータ軸方向に共リーマ穴108を加工する。図示する例では、さらに隣接するタービン翼104との間にも共リーマ穴108を加工し、それらの共リーマ穴108に止めピン109を嵌入し、複数のタービン翼104によって止め翼106に作用する半径方向外方の力を支持するようにしている。
この種のリーマ加工に用いるリーマの先行技術として、例えば、特に段付きのリーマにおいて、仕上刃部のリーマ回転方向の後方側におけるリーマ本体外周を、回転径よりも径方向内側に後退して形成するようにしたリーマがある(例えば、特許文献1参照)。
また、他の先行技術として、2段以上の切刃部を有する段付き構成で、1つの切刃部においては、切屑排出溝のうち1つの溝の先端外周側に切刃チップが1つ設けられ、その切刃チップは、他の切刃部に設けられる切刃チップと異なる切屑排出溝に設けられるようにしたリーマもある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、工具を使って孔部の裏側のバリを除去する方法として、工具の自転と孔部の内周面に沿った遊星運動とで加工するものがある(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−195572号公報 特開平10−94917号公報 特開平5−111815号公報
しかしながら、上記したように止め翼106の植翼部107と隣接するタービン翼104の植翼部105との境界部に、ロータ軸方向に共リーマ穴108を加工しようとしても、タービンロータ100の場合には各段のデイスク101の間の空間が狭く、上記特許文献1,2に記載されたようなリーマを回転させて軸方向に送る送り機構を備えた駆動装置を設置することができず、リーマ加工を行うことができない。
また、上記特許文献3に記載の加工方法の場合には、工具及び加工方法が異なり、上記した止め翼の植翼部にリーマ加工を行えるものではない。
さらに、上記タービンロータの止め翼以外でも、複数の金属品を高精度で連結したい部分に径の小さいリーマボルトによる連結構造を採用したい場合が多くあるが、各金属品を重ねるとリーマ穴を加工したい部位近傍が狭隘となって駆動装置を設置できない場合が多く、リーマボルト以外の連結構造を考えなければならない場合がある。
そのため、被削材のリーマ加工部位近傍に駆動装置を設置するスペースがない狭隘な場合でも、リーマ穴を加工できるリーマ工具が切望されている。
そこで、本願発明は、狭隘な場所においても、特別な駆動装置を要することなくリーマ穴を加工できるリーマ工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明は、被削材の加工穴に挿通して端部が加工穴の反対側から突出する長さを有する軸部と、該軸部の他端に一体形成されたリーマ部と、を有するリーマ部材と、前記軸部の加工穴から突出する部分を加工穴の一端側で支持する送り部材と、を備え、前記軸部は、前記加工穴から突出する部分に回転伝達部を有し、前記送り部材は、前記軸部との間に、軸部が回転することで該軸部を送り部材に対して加工方向に送る送り機構を有し、前記リーマ部は、前記軸部との連結部分に切刃を有している。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「加工方向」は、軸部を挿入する方向と同じ方向をいう。
この構成により、リーマ部材の軸部を加工穴に挿通し、リーマ部の切刃を加工穴の一方に当接させた状態で加工穴の他方から突出する軸部を送り部材によって支持する。この状態で軸部の回転伝達部を回転させれば、その軸部が送り部材によって加工方向に送られ、軸部と一体的に回転するリーマ部で加工穴の内面にリーマ加工を行うことができる。従って、狭隘な場所においても、リーマ部材の軸部を被削材の加工穴に挿通して回転させる空間があればリーマ穴を加工することが可能となる。その上、リーマ部の回転と送りが同期するため、面粗度を一定にしたリーマ加工ができる。
また、前記送り機構は、前記軸部と前記送り部材との間に形成されたねじ機構で構成されていてもよい。
このように構成すれば、軸部を回転させることに同期してリーマ部を加工方向に送ることができる送り機構を、簡単なねじ機構で構成することができる。
また、前記送り部材は、前記加工穴の前部で被削材に接する座金部と、前記座金部の前部に位置するナット部とを有し、前記座金部は、前記リーマ部を加工穴から突出させることができる空間部を有していてもよい。この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、リーマ加工方向前方を「前側」といい、加工方向後方を「後側」という。
このように構成すれば、座金部の空間部を後側に向ければリーマ部が加工穴から突出するまで加工して「貫通穴」のリーマ穴を形成することができる。座金部とナット部を別体で構成し、座金部の空間部を前側に向ければリーマ部が座金部に接する位置で加工を止めて「止まり穴」のリーマ穴を加工することができる。このように、座金部の構成によって「貫通穴」又は「止まり穴」のリーマ穴を容易に形成することがきる。
また、前記リーマ部は、切刃の前端部から後端部に向けてバックテーパを有していてもよい。
このように構成すれば、加工後の加工穴に生じるスプリングバック(弾性変形)により、加工中のリーマ部が締め付けられないようにできる。
また、前記リーマ部は、前記加工穴に沿うガイド部と、前記ガイド部の後方で加工穴にリーマ加工を行う切刃部とを有していてもよい。
このように構成すれば、軸部を加工穴に挿通してガイド部を加工穴に沿わせ、その状態から軸部を回転させればガイド部が加工穴に沿って進むので、リーマ部の軸心位置を加工穴の軸心位置に機械的に保ってリーマ加工を行うことができる。
また、前記ねじ機構は、軸部を右回転させることで加工方向に送られる左ねじで構成され、前記切刃は、右ねじれの切刃で構成されていてもよい。
このように構成すれば、左ねじのねじ機構により、軸部を右回転(一般的なねじの締め付け方向の回転)させれば軸部が加工方向に送られ、同時に右ねじれの切刃を加工面に鈍角で接触させてリーマ加工を行うことができ、加工穴のリーマ加工面をより高い面粗度で仕上げることができる。
本願発明によれば、リーマ部材の軸部を回転させてリーマ部を回転させれば、それに同期してリーマ部が送り部材によって加工方向に送られるため、狭隘な場所においても、特別な駆動装置を要することなくリーマ穴を加工することが可能となる。
図1は本願発明の第1実施形態に係るリーマ工具のリーマ部材を示す図面であり、(a)は側面図、(b)はリーマ部側の正面図、(c)は回転伝達部側の正面図である。 図2は本願発明のリーマ工具に係る送り部材の図面であり、(a)は座金の縦断面図、(b)は座金の正面図、(c)はナットの正面図である。 図3は本願発明の第2実施形態に係るリーマ工具のリーマ部材を示す側面図である。 図4は図1に示すリーマ工具の加工開始状態を示す断面図である。 図5は図4に続くリーマ工具の加工状態を示す断面図である。 図6は図5に続くリーマ工具の加工終了状態を示す断面図である。 図7は図6に示すリーマ工具の加工終了状態とは異なる加工終了状態を示す断面図である。 図8はリーマ工具を用いてリーマ穴を加工する一例としてタービン翼を配設したタービンロータの一部を示す正面図である。 図9は図8に示すIX−IX矢視の拡大断面図である。
以下、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、被削材70に形成された加工穴71(図4)にリーマ加工を行う例を説明する。被削材70は、複数枚が重ねられた構成であっても、同様にリーマ加工を行うことができる。また、以下の実施形態では、加工穴71に対して、図示する左方向から右方向(以下に説明する軸部11を挿入する方向であり、加工方向Fである)にリーマ加工を行う例を説明する。さらに、リーマ工具1は、右回転させてリーマ加工を行う例を説明する。
図1(a)〜(c)と図2(a)〜(c)に示すように、第1実施形態に係るリーマ工具1は、被削材70の加工穴71に挿通して一端が加工穴71から突出する長さを有する軸部11と、この軸部11の他端部に一体的に形成されたリーマ部12とを有するリーマ部材10と、上記軸部11の加工穴71から突出する部分を加工穴71の端部位置で支持する送り部材20とを備えている。この実施形態の送り部材20は、加工穴71の前側で被削材70に接する座金21と、この座金21の前側に接するナット22とを有している。このように、この実施形態のリーマ工具1は、図1に示すリーマ部材10と、図2に示す座金21及びナット22を有する送り部材20とを含むものである。
上記リーマ部材10は、軸部11の一端(図示する左端)に上記リーマ部12が設けられ、他端(図示する右端)には軸部11を回転させる回転伝達部14が設けられている。図1(b)にも示すように、リーマ部12には、複数枚(この例では4枚であるが、その他、加工が可能な複数枚であればよい)の切刃13が設けられている。また、図1(c)にも示すように、回転伝達部14は、後述するように、スパナ80(図4)などの工具で回転させるように四角形に形成されている。この回転伝達部14は、スパナ80を掛けて手で容易に回転させることができる。回転伝達部14は、スパナ80などで回転させることができる形状であればよく、例えば、ボルトの六角頭部のように形成されていてもよい。また、回転伝達部14は、スパナ80などの工具以外に、アクチュエータなどの回転動力機器で回転できるようにしてもよい。この回転伝達部14を回転させることで、軸部11とリーマ部12とを一体的に回転させることができる。
また、軸部11の外面には雄ねじ部31が形成されており、この雄ねじ部31は上記ナット22の内面に形成された雌ねじ部32と螺合するようになっている。これら雄ねじ部31と雌ねじ部32とによって、後述するように、回転伝達部14を回転させることで、軸部11を送り部材20のナット22に対して加工方向Fに送るねじ機構が構成されている。この実施形態では、このねじ機構によって送り機構30(図4)が構成されている。
送り機構30をねじ機構とすることで、軸部11が1回転(リーマ部12も1回転)して軸方向に送られる送り量をねじピッチで容易に設定することができる。また、この送り機構30により、軸部11を回転させることで、送り部材20に対して軸部11と一体的にリーマ部12を加工方向Fに所定量送ることが同期して行える。しかも、リーマ部12を加工方向Fに送る機構を簡単な構成にすることができる。
また、この実施形態では、上記送り機構30を構成しているねじ機構が、加工穴71の前側で軸部11を右回転させることで加工方向Fに送られる左ねじで構成されている。このように送り機構30を左ねじのねじ機構で構成することにより、回転伝達部14を右回転(一般的なねじの締め付け方向の回転)させれば軸部11が加工方向Fに送れるため、右利きの作業者が一般的な工具で容易に回転させることができる。
なお、上記軸部11の雄ねじ部31は、被削材70の加工穴71の長さ(加工長)と、送り部材20を取付けることができる長さを有していればよい。
上記リーマ部材10は、軸部11がリーマ部12よりも小径で形成され、軸部11とリーマ部12とは同一軸心上に設けられている。リーマ部12には、軸部11との連結部である、いわゆるシャンク側から切刃13が設けられている。このリーマ部12は、切刃13の前端部15から後端部16に向けてバックテーパ(縮径するテーパ)を有している。リーマ部12にバックテーパを持たせることにより、加工後の加工穴71に生じるスプリングバック(弾性変形)によってリーマ部12が締め付けられないようにしている。
また、この実施形態の切刃13は、リーマ部12の先端面に対してストレートの切刃13になっているが、二点鎖線で示すように切刃13を右ねじれ(切刃13を図の右側から見て)としてもよい。切刃13を右ねじれとすれば、右回転で加工する切刃13の前端における加工穴71と接触する切刃ねじれ角θが、先端面に対して鈍角となる。そのため、リーマ部12で加工穴71をリーマ加工する切削角が鈍角になって緩やかになり、手作業によるリーマ加工の場合でも加工面(加工穴71の仕上り面)のより滑らかな仕上がりを図ることができる。しかも、切刃13は先端面に対して鈍角で加工穴71に接してリーマ加工を行うため、作業者の熟練度に関係なく、加工穴71のリーマ加工面を高い面粗度で仕上げることができる。切刃13は、ストレート、右ねじれ以外に左ねじれとしてもよく、使用条件に応じて決定すればよい。この実施形態では、送り機構30を構成しているねじ機構として回転伝達部14を右回転させる例を示したため、軸部11の外面の雄ねじ部31とナット22の内面の雌ねじ部32とを左ねじで構成するとともに右ねじれの切刃13としているが、軸部11の外面の雄ねじ部31とナット22の内面の雌ねじ部32とを右ねじで構成し、切刃13を左ねじれとすれば同様の作用効果を奏する。これらねじ機構の方向と切刃13のねじれ方向は、加工条件などに応じて決定すればよく、切刃13はストレート、右ねじれ及び左ねじれのいずれでもよい。
さらに、このリーマ部12の切刃13は、先端部分17が丸ランドとなっている。丸ランドとすることにより、面精度の高いリーマ穴60に仕上げることができる。
一方、上記座金21は、上記リーマ部12が接することなく加工穴71から突出させることができる空間部23を有する高さに形成されている。座金21に空間部23を設ければ、後述するように、座金21の向きを反転させることで、リーマ部12によって形成されるリーマ穴60を「貫通穴」又は「止まり穴」に形成することが選択できる。
図3は、第2実施形態に係るリーマ工具2のリーマ部材40を示す側面図である。第2実施形態のリーマ部材40は、軸部41は第1実施形態と同一であるが、リーマ部42が、切刃43を有する切刃部44と、この切刃部44の前部で加工穴71に沿うガイド部45とを有する段付きリーマ部となっている。リーマ部42を段付きリーマ部とすれば、加工穴71に軸部41を挿通してガイド部45を沿わせれば、軸部41を回転させることでガイド部45が加工穴71に沿って進むので、リーマ部42の軸心位置を加工穴71の軸心位置に機械的に保って、より安定したリーマ加工を行うことができる。
また、第2実施形態における送り部材50は、座金部51とナット部52が一体的に形成されている。座金部51の反ナット部側には、空間部53が設けられている。また、ナット部52の軸心部分には送り穴54が設けられ、この送り穴54に雌ねじ部55が形成されている。この送り部材50によれば、後述する図6に示す加工終了状態と同様に、貫通穴のリーマ穴60を加工することができる。
なお、第2実施形態に係るリーマ工具2の他の構成は上記第1実施形態と同一であるため、同一の構成には同一符号を付して説明は省略する。また、この第2実施形態の各構成と上記第1実施形態の各構成は、異なる組合わせで使用するようにしてもよい。
次に、図4〜図7に基づいて、上記第1実施形態に係るリーマ工具1の使用方法を説明する。以下の説明では、リーマ工具1のリーマ部材10を手工具であるスパナ80で回転させる例を説明する。
図4に示すように、被削材70の加工穴71の後側から加工方向Fにリーマ部材10の軸部11を回転伝達部14の方から挿入する。そして、リーマ部12の切刃13の前端部を加工穴71の後側に当接させる。また、加工穴71から突出した軸部11に座金21を入れ、座金21の前側に突出している軸部11の雄ねじ部31にナット22の雌ねじ部32を螺合する。その後、座金21が被削材70の前側面に接するまでねじ込んで、軸部11を加工穴71の前側で支持する。この状態が、リーマ工具1を加工穴71にセットした状態である。リーマ部材10は、リーマ部12の切刃13が加工穴71の後側に当接し、軸部11が座金21とナット22による送り部材20によって加工穴71の前側に支持されている。この状態で、回転伝達部14にスパナ80を掛ける。
次に、図5に示すように、スパナ80で回転伝達部14を回転させる。これにより、軸部11と一体的にリーマ部12が回転する。この時、軸部11を回転させることで、この軸部11の雄ねじ部31に螺合しているナット22の雌ねじ部32には、リーマ部12によって加工穴71の内面をリーマ加工する力と対向する力が作用する。そのため、リーマ部12の切刃13によって加工穴71をリーマ加工する力と対向してナット22が座金21を被削材70の前側面に押圧し、送り部材20のナット22と螺合している軸部11が、ナット22に対して加工方向Fに送られる。
しかも、被削材70の前側から軸部11を引きながら後側のリーマ部12でリーマ加工を行うため、リーマ部12は自動調心された状態で回転させられ、軸部11を加工穴71の軸心位置で安定して支持してリーマ加工を行うことができる。従って、回転伝達部14を回転させることのみで、リーマ部12を送り部材20によって加工方向Fに同期して送り、加工穴71の内面にリーマ加工を安定して行うことができる。
その後、図6に示すように、リーマ部12の切刃13が座金21の空間部23に位置するまで軸部11を加工方向Fに送る。これにより、加工穴71の全長をリーマ部12によってリーマ加工することができる。このようにして形成されたリーマ穴60は、「貫通穴」となる。そして、加工後にナット22を外し、リーマ部12をリーマ穴60から抜けば作業が終了する。
このように、上記リーマ工具1によれば、回転伝達部14を回転させることによって、リーマ部12によるリーマ加工を加工方向Fに安定して行うことができる。また、座金21がリーマ部12の入り込む空間部23を有しているので、リーマ穴60を貫通穴として加工することができる。
図7は、上記図6に示す加工終了状態とは異なる加工終了状態となるようにした例である。この例は、上記座金21の軸方向前後を逆向きにした使用例である。この例の加工開始時は、上記図4に示す状態で座金21を逆向きに取付け、その後、軸部11の回転伝達部14を回転させて図7に示すような加工終了状態に至る。
この例の場合、加工終了状態でリーマ部12が加工穴71の前側端面に接している座金21に当接した状態で終了する。このようにリーマ部12が加工穴71から完全に抜けない状態で終わることにより、リーマ穴60の前側端部にはリーマ部12の切刃13によってリーマ加工が行われていない未加工部61が残る。通常、切刃13の先端は45°程度の角度に形成されているため、加工穴71の前側端部に切刃13の先端角度で未加工部61が残る。その後、ナット22を取外した後、リーマ部材10を後側に引き戻して抜くことで作業が終了する。
このように、上記座金21を軸方向前後が逆向きとなるように取付ければ、リーマ部12は加工穴71の前側端部で座金21に当接して加工穴71のリーマ加工が終了するので、リーマ穴60を前側に未加工部61が残る「止まり穴」とすることができる。このような止まり穴とすることで、ピン(図8,9に示す止めピン109)を後側から嵌入すれば、未加工部61に当接して止まり、前側に抜けないようにできる。
上記した「貫通穴」のリーマ穴60とするか「止まり穴」のリーマ穴60とするかは、目的に応じて使い分ければよい。
このように、この実施形態のリーマ工具1は、ハンドリーマとして使用する例であるため、狭隘な場所でも、スパナ80で回転伝達部14を回転させることで特別な駆動装置を要することなくリーマ穴60を加工することができる。なお、簡便な回転動力機器で回転伝達部14を回転させるように構成してもよく、軸部11を回転させる構成はスパナ80以外であってもよい。
以上のように、上記リーマ工具1によれば、狭隘な場所における加工困難な箇所のリーマ穴加工であっても、リーマ部材10を被削材70の加工穴71挿通して回転させる空間があればリーマ穴60を加工することが可能となる。その上、リーマ部12の回転と送りが同期して行われるため、加工面粗度が一定になり、作業者の熟練度に依存しない高品質な加工面のリーマ加工ができる。
しかも、リーマ工具1,2は、リーマ部材10,40と、座金21及びナット22を有する送り部材20又は送り部材50とを加工場所に持っていけば1人でリーマ加工ができるため、リーマ工具1,2の持ち運びも容易で、狭隘な場所でも作業効率良くリーマ加工を行うことができる。
また、上記実施形態ではハンドリーマとして用いているため、リーマ部材10を回転させるための電動動力が不要であり、作業用具等の準備時間を要することなく迅速に効率良くリーマ加工を行うことができる。
さらに、上記リーマ工具1によれば、リーマ部材10と座金21、ナット22及びリーマ部材10を回転させるスパナ80を回転させることでリーマ加工が1人でもできるので、1人でも効率良くリーマ穴60を加工することが可能となる。
その上、上記リーマ工具1によれば、上述した図8,9に示すタービン翼104の植翼部105と止め翼106の植翼部107との間に共リーマ穴108を加工する場合でも、狭隘なロータディスクの間でリーマ工具1をセットすれば、リーマ部材10を回転させることで安定して共リーマ穴108を加工することができる。従って、上記リーマ工具1,2によれば、狭隘な場所でも種々の被削材70に対してリーマ加工を効率良く行うことが可能となる。
なお、上記実施形態のリーマ工具1は、スパナ80で回転伝達部14を回転させるハンドリーマとして使用する例を説明したが、簡便な駆動機で軸部11を回転させるように構成してもよく、リーマ部材10を回転させる構成は上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態における送り部材20の構成、及びリーマ部材10の軸部11と送り部材20のナット22におけるねじ部31,32の構成(ねじれ方向)は、軸部11の端部に設けられた回転伝達部14を回転させれば、リーマ部12を回転させながら同期して加工方向Fに送ることができる構成であればよく、上記実施形態に限定されるものではない。
さらに、上記実施形態では、1枚の被削材70にリーマ穴60を形成する例を説明したが、複数枚の被削材70を重ねた状態で貫通するリーマ穴60を形成する場合でも同様に使用することができ、被削材70の構成は上記実施形態に限定されるものではない。
また、上述した実施形態は一例を示しており、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
本願発明に係るリーマ工具は、狭隘な場所などにおいて被削材の加工穴にリーマ加工を行う場合に利用できる。
1 リーマ工具
2 リーマ工具
10 リーマ部材
11 軸部
12 リーマ部
13 切刃
14 回転伝達部
15 前端部
16 後端部
17 先端部分
20 送り部材
21 座金
22 ナット
23 空間部
30 送り機構
31 雄ねじ部
32 雌ねじ部
40 リーマ部材
41 軸部
42 リーマ部
43 切刃
44 切刃部
45 ガイド部
50 送り部材
51 座金部
52 ナット部
53 空間部
54 送り穴
55 雌ねじ部
60 リーマ穴
61 未加工部
70 被削材
71 加工穴
80 スパナ
F 加工方向
θ 切刃ねじれ角

Claims (6)

  1. 被削材の加工穴に挿通して端部が加工穴の反対側から突出する長さを有する軸部と、該軸部の他端に一体形成されたリーマ部と、を有するリーマ部材と、
    前記軸部の加工穴から突出する部分を加工穴の一端側で支持する送り部材と、を備え、
    前記軸部は、前記加工穴から突出する部分に回転伝達部を有し、
    前記送り部材は、前記軸部との間に、軸部が回転することで該軸部を送り部材に対して加工方向に送る送り機構を有し、
    前記リーマ部は、前記軸部との連結部分に切刃を有していることを特徴とするリーマ工具。
  2. 前記送り機構は、前記軸部と前記送り部材との間に形成されたねじ機構で構成されている請求項1に記載のリーマ工具。
  3. 前記送り部材は、前記加工穴の前部で被削材に接する座金部と、前記座金部の前部に位置するナット部とを有し、
    前記座金部は、前記リーマ部を加工穴から突出させることができる空間部を有している請求項2に記載のリーマ工具。
  4. 前記リーマ部は、切刃の前端部から後端部に向けてバックテーパを有している請求項1〜3のいずれか1項に記載のリーマ工具。
  5. 前記リーマ部は、前記加工穴に沿うガイド部と、前記ガイド部の後方で加工穴にリーマ加工を行う切刃部とを有している請求項1〜4のいずれか1項に記載のリーマ工具。
  6. 前記ねじ機構は、軸部を右回転させることで加工方向に送られる左ねじで構成され、
    前記切刃は、右ねじれの切刃で構成されている請求項2又は3に記載のリーマ工具。
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