JP2014200541A - 医療用混合容器およびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞を損傷することなく細胞と作用成分とを均一に混合することができる医療用混合容器を提供する。【解決手段】第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3を締めていたクリップ4を開いて接続部分3内部の流入口31を開放すると、第2のバッグ2の作用成分収容室21が第1のバッグ1の作用成分流入室13に連通し、流入口31を介して作用成分収容室21内に収容されていた作用液L1が作用成分流入室13に流入する。作用液L1は、第1のバッグ1内を細胞収容室12と作用成分流入室13とに仕切る多孔質膜11の全面上に広がった後、多孔質膜11を通して細胞収容室12内に浸透し、細胞懸濁液C1に均一に混合される。【選択図】図7
Description
この発明は、医療用混合容器およびその使用方法に係り、特に、細胞とこの細胞に作用する作用成分とを混合するための医療用混合容器に関する。
マクロファージは、血液中の白血球の一部を占める単球から分化し、生体内に侵入した細菌、ウイルス、異物を貪食し消化する免疫細胞であるが、例えば、容器内でマクロファージを活性化させ、活性化したマクロファージを単離して創傷治療等に用いることが知られている。
マクロファージの活性化は、例えば、全血またはバフィーコートが収容されている容器内に分化誘導薬剤等の活性化成分を投入して混合することにより行うことができる。
マクロファージの活性化は、例えば、全血またはバフィーコートが収容されている容器内に分化誘導薬剤等の活性化成分を投入して混合することにより行うことができる。
従来、このような混合操作を行い得る容器として、特許文献1には、第1室と第2室の2つの収容室を有し、これら2つの収容室を弱シール部により連通可能に隔離する復室容器が開示されている。例えば、第1室に薬剤を封入すると共に第2室に溶解液を封入し、第1室または第2室の外壁を押圧して弱シール部に圧力を加えることにより、弱シール部を形成しているシート部材が剥離されて第1室と第2室が互いに連通し、第2室に収容されていた溶解液が第1室に移送されて、薬剤が溶解液に溶解する。
しかしながら、弱シール部による隔離が解除されて第1室と第2室が互いに連通したときに、第2室に収容されていた溶解液が急激に第1室に流入するので、溶解液に淀みが生じると共に、短時間で薬剤と溶解液を均一に混合するためには、激しく混合する必要がある。
また、第1室または第2室の外壁に外力を加えて押圧するときに、その外力が圧力となって第1室内の薬剤または第2室内の溶解液に直接的に加えられる。従って、第1室の外壁を押圧した場合には、第1室と第2室との連通時に、第1室に収容されていた薬剤が勢いよく第2室に噴出され、一方、第2室の外壁を押圧した場合には、第1室と第2室との連通時に、第2室に収容されていた溶解液が勢いよく第1室に噴出されることとなる。
また、第1室または第2室の外壁に外力を加えて押圧するときに、その外力が圧力となって第1室内の薬剤または第2室内の溶解液に直接的に加えられる。従って、第1室の外壁を押圧した場合には、第1室と第2室との連通時に、第1室に収容されていた薬剤が勢いよく第2室に噴出され、一方、第2室の外壁を押圧した場合には、第1室と第2室との連通時に、第2室に収容されていた溶解液が勢いよく第1室に噴出されることとなる。
一方、細胞を含む懸濁液に、活性化成分のような細胞に作用する作用成分を含む液体を混合する場合、細胞への衝撃を抑えながら均一に混合する必要がある。しかしながら、特許文献1に開示された復室容器を用いて、混合しようとすると、細胞への衝撃が大きく、好ましい形態とはいえない。また、第1室と第2室が連通した際、激しく混合すると、細胞への負担が大きくなるため好ましくなく、細胞への衝撃を抑えながら活性成分をすばやく細胞全体に行渡らせるように混合することは困難である。このため、均一な混合がなされずに細胞への作用が不十分になり、また、混合の際の衝撃により細胞を損傷するおそれがある、という問題を来してしまう。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、細胞を損傷することなく細胞と作用成分とを均一に混合することができる医療用混合容器を提供することを目的とする。
また、この発明は、このような医療用混合容器の使用方法を提供することも目的としている。
また、この発明は、このような医療用混合容器の使用方法を提供することも目的としている。
この発明に係る医療用混合容器は、細胞とこの細胞に作用する作用成分とを混合させるための医療用混合容器であって、細胞が収容される細胞収容室と、細胞収容室の上側に隣接して配置された作用成分流入室と、それぞれ開閉可能な流入口を介して作用成分流入室に連通すると共に作用成分が収容される少なくとも1つの作用成分収容室と、細胞収容室と作用成分流入室との間を仕切ると共に作用成分を透過させる多孔質膜と、それぞれ対応する作用成分収容室の流入口を開閉する少なくとも1つの開閉部材とを備え、それぞれの開閉部材により開放された流入口を介して対応する作用成分収容室内の作用成分を作用成分流入室に流入させたときに、作用成分が作用成分流入室から多孔質膜を通って細胞収容室内に浸透するものである。
内部が多孔質膜により二分されて多孔質膜の下側に細胞収容室が形成されると共に多孔質膜の上側に作用成分流入室が形成された可撓性の第1のバッグと、それぞれ作用成分流入室が形成されている部分の第1のバッグに接続されると共に内部に対応する作用成分収容室が形成された少なくとも1つの可撓性の第2のバッグとを備え、第1のバッグと少なくとも1つの第2のバッグの接続部分の内部にそれぞれ流入口が形成されるように構成することができる。
好ましくは、開閉部材は、第1のバッグと第2のバッグの接続部分を外側から挟むことにより流入口を閉鎖するクリップからなっている。
細胞収容室に接続されると共に細胞収容室内で作用成分と混合された細胞を細胞収容室から取り出すための取り出しポートをさらに備えることが好ましい。
また、多孔質膜は、多数の3μm以下の透過孔を有することが好ましい。
好ましくは、開閉部材は、第1のバッグと第2のバッグの接続部分を外側から挟むことにより流入口を閉鎖するクリップからなっている。
細胞収容室に接続されると共に細胞収容室内で作用成分と混合された細胞を細胞収容室から取り出すための取り出しポートをさらに備えることが好ましい。
また、多孔質膜は、多数の3μm以下の透過孔を有することが好ましい。
この発明に係る医療用混合容器の使用方法は、上記の医療用混合容器の細胞収容室に細胞を収容すると共に少なくとも1つの作用成分収容室にそれぞれ作用成分を収容し。少なくとも1つの開閉部材により対応する流入口を開放し、開放された流入口を介して作用成分収容室内の作用成分を作用成分流入室に流入させることにより、作用成分が作用成分流入室から多孔質膜を通って細胞収容室内に浸透し、細胞と混合される方法である。
なお、複数の作用成分収容室に互いに異なる作用成分を収容すると共に複数の開閉部材によりそれぞれ対応する作用成分収容室に接続された流入口を閉鎖し、1つの開閉部材により対応する流入口を開放して対応する作用成分収容室に収容されていた作用成分を細胞収容室内に浸透させた後、他の開閉部材により他の流入口を開放して他の作用成分収容室に収容されていた作用成分を細胞収容室内に浸透させることもできる。
この発明によれば、作用成分収容室内から作用成分流入室に流入した作用成分が多孔質膜を通って細胞収容室内に浸透するので、作用成分が細胞収容室内に急激に流入することが阻止され、細胞収容室内に収容された細胞を損傷することなく細胞と作用成分とを均一に混合することが可能となる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に実施の形態1に係る医療用混合容器の構成を示す。医療用混合容器は、第1のバッグ1と、第1のバッグ1に接続された第2のバッグ2を有し、第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3の外側にクリップ4が配置されている。
図2に示されるように、第1のバッグ1内には、多孔質膜11が形成されており、この多孔質膜11により、第1のバッグ1の内部が上下に二分され、多孔質膜11の下側に細胞収容室12が形成されると共に、多孔質膜11の上側に作用成分流入室13が形成されている。
実施の形態1
図1に実施の形態1に係る医療用混合容器の構成を示す。医療用混合容器は、第1のバッグ1と、第1のバッグ1に接続された第2のバッグ2を有し、第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3の外側にクリップ4が配置されている。
図2に示されるように、第1のバッグ1内には、多孔質膜11が形成されており、この多孔質膜11により、第1のバッグ1の内部が上下に二分され、多孔質膜11の下側に細胞収容室12が形成されると共に、多孔質膜11の上側に作用成分流入室13が形成されている。
第2のバッグ2は、作用成分流入室13が形成されている部分の第1のバッグ1に接続されている。すなわち、多孔質膜11よりも上側部分の第1のバッグ1に第2のバッグ2が接続され、第2のバッグ2の内部に作用成分収容室21が形成されている。図2のように、第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3がクリップ4により締められているときには、第1のバッグ1内の作用成分流入室13と第2のバッグ2内の作用成分収容室21は、互いに隔離されているが、図3に示されるように、接続部分3からクリップ4を取り外すと、第2のバッグ2内の作用成分収容室21は、接続部分3の内部に形成された流入口31を介して第1のバッグ1内の作用成分流入室13に連通するように構成されている。
また、図1に示されるように、第1のバッグ1には、細胞収容室12に細胞を供給するための供給ポート14と、細胞収容室12から細胞を取り出すための取り出しポート15が取り付けられ、一方、第2のバッグ2には、作用成分収容室21に作用成分を供給するための供給ポート22が取り付けられている。
クリップ4は、図4Aに示されるように、それぞれ第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3の長さよりも長く、それぞれ直線状に延びる一対のロッド部材41および42を有している。これらのロッド部材41および42は、それぞれの端部に取り付けられた回動ピン43により互いにヒンジ結合され、一方のロッド部材41の他端部には、U字状のロック部材44が回転可能に取り付けられている。一方のロッド部材41には、図4Bに示されるように、長さ方向に沿って延びる凸部41aが形成され、他方のロッド部材42には、図4Cに示されるように、長さ方向に沿って延びる凹部42aが形成され、ロッド部材41および42は、凸部41aと凹部42aが互いに対向するように連結されている。
ロッド部材41および42の間に第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3を挟んだ状態で、図5Aに示されるように、これらロッド部材41および42を互いに閉じると、図5Bに示されるように、接続部分3がロッド部材41の凸部41aとロッド部材42の凹部42aによって両側から押圧され、これにより、接続部分3の内部に形成された流入口31が閉鎖し、第1のバッグ1内の作用成分流入室13と第2のバッグ2内の作用成分収容室21が互いに隔離されることとなる。図5Aに示されるように、一方のロッド部材41の端部に取り付けられたロック部材44を他方のロッド部材42に引っ掛けることで、流入口31の閉鎖状態が保持される。
なお、第1のバッグ1および第2のバッグ2は、薬剤耐性および可撓性を有する軟質の樹脂材料、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいは、これら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料あるいはこれらの混合物、あるいは上記2種以上の高分子材料から形成することができる。
多孔質膜11は、作用成分収容室21内に収容される作用成分を透過させ得る大きさの多数の透過孔を有するもので、薬剤耐性および物理的強度を有する材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の各種の樹脂材料から形成することができる。多孔質膜11の透過孔は、細胞収容室12に収容される細胞が透過しないように、細胞よりも小さな大きさを有することが好ましく、例えば、マクロファージを対象とする場合には、3μm以下の径を有する透過孔であることが好ましい。
クリップ4のロッド部材41および42は、容易に変形しないような剛性を有する硬質の樹脂材料あるいは金属材料から形成することができる。
クリップ4のロッド部材41および42は、容易に変形しないような剛性を有する硬質の樹脂材料あるいは金属材料から形成することができる。
次に、このような医療用混合容器を用いて、細胞に作用成分を混合させる方法を説明する。
まず、図6に示されるように、第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3をクリップ4で締めることにより、作用成分流入室13と作用成分収容室21との間の流入口31を閉鎖した状態で、第1のバッグ1に取り付けられた供給ポート14を介して細胞収容室12内に細胞が含まれる細胞懸濁液C1を収容すると共に、第2のバッグ2に取り付けられた供給ポート22を介して作用成分収容室21内に細胞を活性化させるための作用成分が含まれる作用液L1を収容する。このとき、流入口31が閉鎖されているので、作用成分収容室21内の作用液L1が第1のバッグ1内に入り込むことはない。
まず、図6に示されるように、第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3をクリップ4で締めることにより、作用成分流入室13と作用成分収容室21との間の流入口31を閉鎖した状態で、第1のバッグ1に取り付けられた供給ポート14を介して細胞収容室12内に細胞が含まれる細胞懸濁液C1を収容すると共に、第2のバッグ2に取り付けられた供給ポート22を介して作用成分収容室21内に細胞を活性化させるための作用成分が含まれる作用液L1を収容する。このとき、流入口31が閉鎖されているので、作用成分収容室21内の作用液L1が第1のバッグ1内に入り込むことはない。
創傷治療等に際し、細胞収容室12内に収容されている細胞を活性化させる必要が生じた場合には、図7に示されるように、クリップ4を開いて接続部分3の内部に形成されている流入口31を開放して作用成分収容室21を作用成分流入室13に連通させた上、第2のバッグ2を接続部分3よりも上方へ傾斜させることにより、流入口31を介して作用成分収容室21内に収容されている作用液L1を作用成分流入室13に流入させる。このとき、第1のバッグ1内の作用成分流入室13と細胞収容室12は多孔質膜11により互いに仕切られているので、作用成分収容室21から作用成分流入室13に流入した作用液L1は、即座に細胞収容室12内に流れ込むことはなく、図8に示されるように、多孔質膜11の全面上に広がった後、多孔質膜11を通して細胞収容室12内に浸透する。
このため、作用液L1が細胞収容室12内に急激に流入することが阻止され、細胞収容室12内の細胞懸濁液C1に含まれる細胞を損傷することなく、細胞と作用液L1中の作用成分とを均一に混合することが可能となる。作用液L1を作用成分流入室13に流入させてから所定時間が経過すると、すべての作用液L1が細胞収容室12内に浸透し、図9に示されるように、細胞懸濁液C1と作用液L1とが混合した混合液C2が細胞収容室12内に生成され、細胞懸濁液C1に含まれていた細胞が作用液L1内の作用成分により活性化される。
その後、第1のバッグ1に取り付けられている取り出しポート15を介して、細胞収容室12から混合液C2を取り出し、さらに、混合液C2から活性化された細胞を単離して創傷治療等に使用される。
なお、活性化された細胞を細胞収容室12内で単離した後に、取り出しポート15から取り出すこともできる。
なお、活性化された細胞を細胞収容室12内で単離した後に、取り出しポート15から取り出すこともできる。
また、作用成分収容室21内の作用液L1が作用成分流入室13に流入し、細胞収容室12内に浸透した後、図10に示されるように、空になった第2のバッグ2を折り畳み、クリップ4で第2のバッグ2の先端部2aを第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3に挟み込むこともできる。このようにすれば、取り出しポート15を介して細胞収容室12内から混合液C2または活性化された細胞を取り出す際に、空になった第2のバッグ2が取り出し作業を妨げることを防止し、作業性が向上する。
なお、上記の実施の形態1では、第1のバッグ1に供給ポート14と取り出しポート15の双方が取り付けられていたが、1つのポートを取り付け、これを供給用のポートと取り出し用のポートに兼用させることもできる。
また、第2のバッグ2に取り付けられた供給ポート22を介して作用成分収容室21内に作用液L1を供給したが、これに限るものではなく、作用液L1が第2のバッグ2の作用成分収容室21に予め収容されているプレフィルドタイプの医療用混合容器を構成することもできる。
また、第2のバッグ2に取り付けられた供給ポート22を介して作用成分収容室21内に作用液L1を供給したが、これに限るものではなく、作用液L1が第2のバッグ2の作用成分収容室21に予め収容されているプレフィルドタイプの医療用混合容器を構成することもできる。
実施の形態2
図11に実施の形態2に係る医療用混合容器の構成を示す。この医療用混合容器は、図1に示した実施の形態1の医療用混合容器において、第1のバッグ1にさらに第3のバッグ5を接続し、第1のバッグ1と第3のバッグ5の接続部分6の外側にクリップ7を配置したものである。
図11に実施の形態2に係る医療用混合容器の構成を示す。この医療用混合容器は、図1に示した実施の形態1の医療用混合容器において、第1のバッグ1にさらに第3のバッグ5を接続し、第1のバッグ1と第3のバッグ5の接続部分6の外側にクリップ7を配置したものである。
第3のバッグ5は、第2のバッグ2と同様に、作用成分流入室13が形成されている部分の第1のバッグ1に接続され、内部に作用成分収容室51が形成されている。接続部分6からクリップ7を取り外すと、第3のバッグ5内の作用成分収容室51は、接続部分6の内部に形成された流入口を介して第1のバッグ1内の作用成分流入室13に連通するように構成されている。
クリップ7は、第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3の外側に配置されたクリップ4と同一の構造を有しており、接続部分6の内部に形成された流入口を開閉することができる。
クリップ7は、第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3の外側に配置されたクリップ4と同一の構造を有しており、接続部分6の内部に形成された流入口を開閉することができる。
この実施の形態2に係る医療用混合容器の使用時には、第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3をクリップ4で締めると共に第1のバッグ1と第3のバッグ5の接続部分6をクリップ7で締めることにより、作用成分流入室13と双方の作用成分収容室21および51とをそれぞれ隔離した状態で、第1のバッグ1の細胞収容室12内に細胞懸濁液C1を収容し、第2のバッグ2の作用成分収容室21内に作用液L1を収容し、第3のバッグ5の作用成分収容室51内に第2のバッグ2の作用液L1とは異なる作用液L2を収容する。作用液L2は、作用液L1と同様に、細胞を活性化させるための作用成分であるが、作用液L1内の作用成分とは異なる作用成分を含んでいる。
そして、細胞収容室12内に収容されている細胞を活性化させる必要が生じた場合には、まず、クリップ4を外して、図12に示されるように、第1のバッグ1と第2のバッグ2の接続部分3の流入口31を開放し、作用成分収容室21内に収容されていた作用液L1を作用成分流入室13に流入させる。これにより、作用液L1は、多孔質膜11を通して細胞収容室12内に浸透し、細胞懸濁液C1と作用液L1とが混合した混合液C2が細胞収容室12内に生成される。
次に、クリップ7を外して、図13に示されるように、第1のバッグ1と第3のバッグ5の接続部分6の流入口61を開放し、作用成分収容室51内に収容されていた作用液L2を作用成分流入室13に流入させる。これにより、作用液L2は、多孔質膜11を通して細胞収容室12内に浸透し、混合液C2にさらに作用液L2が混合した混合液C3が細胞収容室12内に生成される。
細胞懸濁液C1内に含まれていた細胞は、作用液L1内の作用成分と作用液L2内の作用成分の作用により活性化される。
その後、細胞収容室12から混合液C3を取り出し、混合液C3から活性化された細胞を単離して創傷治療等に使用することができる。あるいは、活性化された細胞を細胞収容室12内で単離した後に、細胞収容室12から取り出して使用してもよい。
細胞懸濁液C1内に含まれていた細胞は、作用液L1内の作用成分と作用液L2内の作用成分の作用により活性化される。
その後、細胞収容室12から混合液C3を取り出し、混合液C3から活性化された細胞を単離して創傷治療等に使用することができる。あるいは、活性化された細胞を細胞収容室12内で単離した後に、細胞収容室12から取り出して使用してもよい。
なお、上記の実施の形態2においては、第2のバッグ2の作用成分収容室21と第3のバッグ5の作用成分収容室51に互いに異なる作用液L1およびL2を収容したが、同一の作用液を収容することもできる。
また、同様にして、3つ以上の作用成分収容室がそれぞれ第1のバッグ1の作用成分流入室13に連通するように、3つ以上のバッグを第1のバッグ1に接続することもできる。それぞれの作用成分収容室と作用成分流入室13との間に形成された流入口を対応するクリップで開閉すればよい。
また、同様にして、3つ以上の作用成分収容室がそれぞれ第1のバッグ1の作用成分流入室13に連通するように、3つ以上のバッグを第1のバッグ1に接続することもできる。それぞれの作用成分収容室と作用成分流入室13との間に形成された流入口を対応するクリップで開閉すればよい。
この発明は、多孔質膜を通して作用成分を細胞収容室内に浸透させるので、特に、外力等の刺激により損傷しやすい細胞に作用成分を均一に混合する際に有用なものである。
例えば、マクロファージを活性化させる場合には、細胞懸濁液C1として、全血、バフィーコート、分画された白血球等を使用し、作用液L1およびL2として、分化誘導薬剤、蒸留水、生理食塩水等を使用することができる。
また、作用成分としては、細胞を活性化させるものに限らず、逆に、細胞の活性化を抑制する作用成分等、細胞への作用効果を有する各種の作用成分を用いることができる。
例えば、マクロファージを活性化させる場合には、細胞懸濁液C1として、全血、バフィーコート、分画された白血球等を使用し、作用液L1およびL2として、分化誘導薬剤、蒸留水、生理食塩水等を使用することができる。
また、作用成分としては、細胞を活性化させるものに限らず、逆に、細胞の活性化を抑制する作用成分等、細胞への作用効果を有する各種の作用成分を用いることができる。
1 第1のバッグ、11 多孔質膜、12 細胞収容室、13 作用成分流入室、14,22 供給ポート、15 取り出しポート、2 第2のバッグ、2a 第2のバッグの先端部、21,51 作用成分収容室、3,6 接続部分、31,61 流入口、4,7 クリップ、41,42 ロッド部材、41a 凸部、42a 凹部、43 回動ピン、44 ロック部材、5 第3のバッグ、L1,L2 作用液、C1 細胞懸濁液、C2,C3 混合液。
Claims (7)
- 細胞と前記細胞に作用する作用成分とを混合させるための医療用混合容器であって、
前記細胞が収容される細胞収容室と、
前記細胞収容室の上側に隣接して配置された作用成分流入室と、
それぞれ開閉可能な流入口を介して前記作用成分流入室に連通すると共に前記作用成分が収容される少なくとも1つの作用成分収容室と、
前記細胞収容室と前記作用成分流入室との間を仕切ると共に前記作用成分を透過させる多孔質膜と、
それぞれ対応する前記作用成分収容室の前記流入口を開閉する少なくとも1つの開閉部材と
を備え、それぞれの前記開閉部材により開放された前記流入口を介して対応する前記作用成分収容室内の前記作用成分を前記作用成分流入室に流入させたときに、前記作用成分が前記作用成分流入室から前記多孔質膜を通って前記細胞収容室内に浸透することを特徴とする医療用混合容器。 - 内部が前記多孔質膜により二分されて前記多孔質膜の下側に前記細胞収容室が形成されると共に前記多孔質膜の上側に前記作用成分流入室が形成された可撓性の第1のバッグと、
それぞれ前記作用成分流入室が形成されている部分の前記第1のバッグに接続されると共に内部に対応する前記作用成分収容室が形成された少なくとも1つの可撓性の第2のバッグと
を備え、前記第1のバッグと前記少なくとも1つの第2のバッグの接続部分の内部にそれぞれ前記流入口が形成されている請求項1に記載の医療用混合容器。 - 前記開閉部材は、前記第1のバッグと前記第2のバッグの接続部分を外側から挟むことにより前記流入口を閉鎖するクリップからなる請求項2に記載の医療用混合容器。
- 前記細胞収容室に接続されると共に前記細胞収容室内で前記作用成分と混合された前記細胞を前記細胞収容室から取り出すための取り出しポートをさらに備えた請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療用混合容器。
- 前記多孔質膜は、多数の3μm以下の透過孔を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の医療用混合容器。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の医療用混合容器の前記細胞収容室に前記細胞を収容すると共に前記少なくとも1つの作用成分収容室にそれぞれ前記作用成分を収容し。
前記少なくとも1つの開閉部材により対応する前記流入口を開放し、
開放された前記流入口を介して前記作用成分収容室内の前記作用成分を前記作用成分流入室に流入させることにより、前記作用成分が前記作用成分流入室から前記多孔質膜を通って前記細胞収容室内に浸透し、前記細胞と混合されることを特徴とする混合容器の使用方法。 - 複数の前記作用成分収容室に互いに異なる作用成分を収容すると共に複数の前記開閉部材によりそれぞれ対応する前記作用成分収容室に接続された前記流入口を閉鎖し、
1つの前記開閉部材により対応する前記流入口を開放して対応する前記作用成分収容室に収容されていた前記作用成分を前記細胞収容室内に浸透させた後、他の前記開閉部材により他の前記流入口を開放して他の前記作用成分収容室に収容されていた前記作用成分を前記細胞収容室内に浸透させる請求項6に記載の混合容器の使用方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2013
- 2013-04-08 JP JP2013080249A patent/JP2014200541A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111133093A (zh) * | 2017-09-26 | 2020-05-08 | 富士胶片株式会社 | 袋子把持用夹具、容器及搅拌方法 |
US11939096B2 (en) | 2017-09-26 | 2024-03-26 | Fujifilm Corporation | Bag gripping clip, container, and stirring method |
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