JP2014199732A - ニッケル水素蓄電池 - Google Patents

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尾崎 哲也
Tetsuya Ozaki
哲也 尾崎
学 金本
Manabu Kanemoto
金本  学
佳照 川部
Yoshiteru Kawabe
佳照 川部
綿田 正治
Masaharu Watada
正治 綿田
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Abstract

【課題】 希土類−Ca−Mg−Ni系合金を負極の活物質として用いたニッケル水素蓄電池において、初期から10サイクル程度のサイクル充放電をおこなう間における顕著な放電容量の低下が発生しないニッケル水素蓄電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明にかかる電池は、Y、Pr、NdおよびSmからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含有する希土類−Ca−Mg−Ni系の水素吸蔵合金を含む負極と、ナトリウムイオンを2.0mol/l以上含むアルカリ電解液とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ニッケル水素蓄電池に関する。
ニッケル水素蓄電池は、一次電池の代替として広く利用されており、その需要は飛躍的に拡大している。
このようなニッケル水素蓄電池の負極材料としては、放電容量の向上とサイクル特性のさらなる向上とを目指して、複数の結晶相が結晶構造のc軸方向に積層された結晶構造を有する希土類−Ca−Mg−Ni合金(特許文献1)が検討されている。
国際公開WO2009/060666
しかしながら、上記の希土類−Ca−Mg−Ni合金を負極の活物質として用いた電池においては、初期から10サイクル程度のサイクル充放電をおこなう間に、放電容量が顕著に低下するという問題が生じる。
上記課題を解決するべく、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、特定の元素を含有した希土類−Ca−Mg−Ni合金を負極として用いるとともに、ナトリウムイオン濃度を所定の濃度範囲に調整してなるアルカリ電解液を用いてニッケル水素蓄電池を構成することにより、初期から10サイクル程度のサイクル充放電をおこなう間における顕著な放電容量の低下が発生しないニッケル水素蓄電池を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本出願の第一の発明にかかる電池は、Y、Pr、NdおよびSmからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含有する希土類−Ca−Mg−Ni系の水素吸蔵合金を含む負極と、ナトリウムイオンを2.0mol/l以上含むアルカリ電解液とを備えることを特徴とする。
また、本出願の第二の発明にかかる電池は、第一の発明にかかる電池のアルカリ電解液のナトリウムイオン濃度が、5.0mol/l以上7.0mol/l以下であることを特徴とする。
上記構成によれば、初期から10サイクル程度のサイクル充放電をおこなう間の放電容量の低下を大幅に抑制することが可能となるため、好ましい。
本発明によれば、希土類−Ca−Mg−Ni合金を負極として用いるニッケル水素蓄電池において、初期から10サイクル程度のサイクル充放電をおこなう間の放電容量の低下を抑制することができる。
水素吸蔵合金の一実施形態を示した模式図。
本発明電池に用いる水素吸蔵合金は、互いに異なる結晶構造を有する2以上の結晶相が、該結晶構造のc軸方向に積層されてなる希土類−Ca−Mg−Ni系の水素吸蔵合金である。
前記結晶相としては、菱面体晶LaMgNi24型結晶構造からなる結晶相(以下、単にLaMgNi24相ともいう)、六方晶PrCo19型結晶構造からなる結晶相(以下、単にPrCo19相ともいう)、菱面体晶CeCo19型結晶構造からなる結晶相(以下、単にCeCo19相ともいう)、六方晶CeNi型の結晶構造からなる結晶相(以下、単にCeNi相ともいう)、菱面体晶GdCo型の結晶構造からなる結晶相(以下、単にGdCo相ともいう)、六方晶CaCu型結晶構造からなる結晶相(以下、単にCaCu相ともいう)、立方晶AuBe型結晶構造からなる結晶相(以下、単にAuBe相ともいう)、菱面体晶PuNi型結晶構造からなる結晶相(以下、単にPuNi相ともいう)等を挙げることができる。
なかでも、前記結晶相の積層中にGdCo相およびCeNi相を含有する水素吸蔵合金が好適に使用される。GdCo相およびCeNi相が積層されてなる水素吸蔵合金は、各結晶相間の膨張収縮率の差が小さいために歪みが生じ難く、水素の吸蔵放出を繰り返した際の劣化が起こりにくいという優れた特性を有する。
ここで、GdCo型結晶構造とは、Aユニット間に、ABユニットが2ユニット挿入された結晶構造であり、菱面体晶の結晶系に属し、空間群がR−3mに帰属可能な結晶構造である。
また、LaMgNi24型結晶構造とは、Aユニット間に、ABユニットが4ユニット分、挿入された結晶構造であり、PrCo19型結晶構造とは、Aユニット間に、ABユニットが3ユニット分、挿入された結晶構造であり、CeCo19型結晶構造とは、Aユニット間に、ABユニットが3ユニット分、挿入された結晶構造であり、CeNi型の結晶構造とは、Aユニット間に、ABユニットが2ユニット分、挿入された結晶構造であり、AuBe型結晶構造とは、Aユニットのみで構成された結晶構造である。
なお、Aユニットとは、六方晶MgZn型結晶構造(C14構造)又は六方晶MgCu型結晶構造(C15構造)を持つ構造ユニットであり、ABユニットとは、六方晶CaCu型結晶構造を持つ構造ユニットである。
また、Aは、希土類元素とMgからなる群より選択される何れかの元素を表し、Bは、遷移金属元素とAlからなる群より選択される何れかの元素を表すものである。
前記各結晶相の積層順については特に限定されず、特定の結晶相の組み合わせが繰返し周期性をもって積層されたようなものであってもよく、各結晶相が無秩序に周期性なく積層されたものであってもよい。
また、前記各結晶相の含有量については特に限定されるものではないが、前記GdCo相の含有量は、前記水素吸蔵合金において3質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。また、前記LaMgNi24相の含有率は50質量%以下、前記PrCo19相の含有率は80質量%以下、前記CeCo19型結晶構造を有する結晶相の含有率は80質量%以下、前記CeNi相の含有率は65質量%以下であることが好ましい。
なお、前記結晶構造は、例えば、粉砕した合金粉末についてX線回折測定を行い、得られたX線回折パターンをリートベルト法により解析することによって、特定することができる。
前記水素吸蔵合金の一実施形態の模式図を図1に示す。図1に示したように、一実施形態としての水素吸蔵合金は、PuNi相と、当該PuNi相に隣接するCeCo19相と、当該CeCo19相に隣接するPrCo19相と、当該PrCo19相に隣接するCeNi相とが、当該結晶構造のc軸方向に積層されたものである。
互いに異なる結晶構造を有する2以上の結晶相が、該結晶構造のc軸方向に積層されていることは、TEMを用いて合金の格子像を観察することによって確認することができる。
このように、本発明において負極を構成する水素吸蔵合金は、互いに異なる結晶構造を有する2以上の結晶相が、該結晶構造のc軸方向に積層されてなるものであるため、充電によって水素を吸蔵した際の結晶相の歪みが、隣接する他の結晶相によって緩和されることとなる。従って、該水素吸蔵合金を含んでなる負極は、充放電によって水素の吸蔵及び放出を繰り返しても合金の微粉化が生じにくく、劣化が進行しにくい。また、該水素吸蔵合金は希土類−Ca−Mg−Ni系の水素吸蔵合金であるため、初期の放電容量が大きい。
本発明にかかる水素吸蔵合金は、Y、Pr、NdおよびSmからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含む。前記元素の含有量は2.2原子%以上7.7原子%以下が好ましい。前記元素の含有量をこのような範囲とすることにより、これを用いた電池は、初期から10サイクル程度のサイクル充放電をおこなう間の放電容量の低下を抑制する効果が顕著に高くなる。
また、本発明にかかる水素吸蔵合金のCaの含有量は、0.7原子%以上9.5原子%以下であることが好ましく、1.1原子%以上4.4原子%以下であることが特に好ましい。かかる含有量の範囲の組成をもつ水素吸蔵合金を使用した電池は、高い初期放電容量を達成しつつ、長期のサイクル特性が顕著に良好となる。
すなわち、該合金の組成は、下記一般式
R1R2CawMgxNiyR3z
で表される合金が好適である。
なお、前記一般式中、R1は、Yおよび希土類元素からなる群より選択される1種又は2種以上の元素であり、好ましくは、La、およびCeからなる群より選択される1種又は2種の元素であり、R2は、Y、Pr、NdおよびSmからなる群より選択される1種又は2種以上の元素である。
また、R3は、Co、Cu、Mn、Al、Cr、Fe、Zn、V、Nb、Ta、Ti、ZrおよびHfからなる群より選択される1種又は2種以上の元素であり、好ましくは、CoおよびAlからなる群より選択される1種又は2種以上の元素である。
また、前記u、v、w、x、yおよびzは、u+v+w+x+y+z=100を満たす数であり、uは6.7≦u≦17.9が好ましく、11.3≦u≦16.7がより好ましい。vは、2.2≦u≦9.3が好ましく、2.2≦u≦7.7がより好ましい。wは、0.7≦w≦9.5が好ましく、1.1≦w≦4.4がより好ましい。xは、3.3≦x≦5.6が好ましい。yは、73.3≦y≦78.7が好ましく、74.4≦y≦78.3がより好ましい。zは、0≦z≦4.4が好ましく、0≦z≦3.3がより好ましい。
かかる添加量の範囲の組成をもつ水素吸蔵合金を使用した電池は、高い初期放電容量を達成しつつ、充放電を繰り返しても劣化が進行しにくい効果が顕著であるだけでなく、初期から10サイクル程度のサイクル充放電をおこなう間の放電容量の低下を抑制する効果も顕著となるため、好ましい。
特に、本発明においては、前記組成において3.3≦(y+z)/(u+v+w+x)≦3.7を満たす合金をより好適に用いることができる。かかる組成の合金を用いることにより、高い水素吸蔵容量を示すため好ましい。
負極を構成する水素吸蔵合金は、以下のような製造方法によって得ることができる。
即ち、一実施形態としての水素吸蔵合金の製造方法は、所定の組成比となるように配合された合金原料を溶融する溶融工程と、溶融した合金原料を1000K/秒以上の冷却速度で急冷凝固する冷却工程と、冷却された合金を加圧状態の不活性ガス雰囲気下で860〜1000℃の温度範囲で焼鈍する焼鈍工程とを備えたものである。
より具体的に説明すると、まず、目的とする水素吸蔵合金の化学組成に基づき、原料インゴッド(合金原料)を所定量秤量する。溶融工程においては、前記合金原料をルツボに入れ、不活性ガス雰囲気中又は真空中で高周波溶融炉を用い、例えば、1200〜1600℃に加熱して合金原料を溶融させる。
冷却工程においては、溶融した合金原料を冷却して固化させる。冷却速度は、1000K/秒以上(急冷ともいう)が好ましい。1000K/秒以上で急冷することにより、合金組成が微細化し、均質化するという効果がある。また、当該冷却工程においては、冷却速度が速くなるにつれて固化した合金中に生成するCaCu相の生成量が低減し、ある速度を超えると一定となる傾向を示す。当該CaCu相の生成量を低減することによって、放電容量が向上するため、冷却速度としては、上記のようにCaCu相の生成量を低減しうる速度とすることが好ましく、特に、生成量が一定となる傾向を示す速度とすることが好ましい。
かかる観点から、該冷却方法としては急冷と称されるもの、具体的には、冷却速度が100000K/秒以上であるメルトスピニング法、冷却速度が10000K/秒程度であるガスアトマイズ法等を好適に用いることができる。
焼鈍工程においては、不活性ガス雰囲気下の加圧状態において、例えば、電気炉等を用いて860〜1000℃に加熱する。加圧条件としては、0.2〜1.0MPa(ゲージ圧)が好ましい。また、該焼鈍工程における処理時間は、3〜50時間とすることが好ましい。
かかる焼鈍工程により、結晶格子の歪みが取り除かれ、該焼鈍工程を経た水素吸蔵合金は、最終的に、互いに異なる結晶構造を有する結晶相が2以上積層されてなる水素吸蔵合金となる。
本発明のニッケル水素蓄電池を構成する負極は、上述のようにして得た水素吸蔵合金を水素吸蔵媒体として備えたものである。水素吸蔵合金を水素吸蔵媒体として電極に使用する際には、該水素吸蔵合金を粉砕して使用することが好ましい。
電極製作時の水素吸蔵合金の粉砕は、焼鈍の前後のどちらで行ってもよいが、粉砕により表面積が大きくなるため、合金の表面酸化を防止する観点から、焼鈍後に粉砕するのが望ましい。粉砕は、合金表面の酸化防止のために不活性雰囲気中で行うことが好ましい。
前記粉砕には、例えば、機械粉砕、水素化粉砕等が用いられる。
次に、本発明にかかるニッケル水素蓄電池を構成するアルカリ電解液について説明する。
本発明にかかるアルカリ電解液は、ナトリウムイオン濃度が2.0mol/リットル以上である。また、ナトリウムイオン濃度が5.0〜7.0mol/リットルである場合、初期から10サイクル程度のサイクル充放電をおこなう間の放電容量の低下を抑制する効果が顕著に高くなり、好ましい。
また、該アルカリ電解液は、ナトリウムイオン以外のイオン種およびイオン濃度は、特に限定されるものではないが、一般的にはカリウムイオンおよびリチウムイオン等が含まれる。特に、前記ナトリウムイオン、前記カリウムイオン及び前記リチウムイオンのイオン濃度の合計が、8.0mol/リットル以下であることが好ましく、5.0〜7.0mol/リットルであることがより好ましい。さらに、合金腐食を抑制する観点から、ナトリウムイオン単独系であってもよい。
また、該電解液には、合金への防食性向上、正極での過電圧向上、負極の耐食性の向上、自己放電向上のため、種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、イットリウム、イッテルビウム、エルビウム、カルシウム、亜鉛等の酸化物、水酸化物等を1種又は2種以上混合して用いることができる。
一方、該ニッケル水素蓄電池の正極としては、特に限定されるものではないが、一般には、水酸化ニッケルを主成分とし且つ水酸化亜鉛や水酸化コバルトが混合されてなる水酸化ニッケル複合酸化物を正極活物質として含む正極を好適に使用することができ、共沈法によって均一分散した該水酸化ニッケル複合酸化物を含む正極をより好適に使用することができる。
水酸化ニッケル複合酸化物以外の添加物としては、導電改質剤としての水酸化コバルト、酸化コバルト等を用いることができ、また、前記水酸化ニッケル複合酸化物に水酸化コバルトをコートしたものや、これらの水酸化ニッケル複合酸化物の一部を酸素又は酸素含有気体、又は、K228、次亜塩素酸等の薬剤を用いて酸化したものを用いることができる。
また、添加剤としては、酸素過電圧を向上させる物質として、Y、Yb等の希土類元素の化合物や、Ca化合物を用いることができる。Y、Yb等の希土類元素は、その一部が溶解して、負極表面に配置されるため、負極活物質の腐食を抑制する効果も期待できる。
なお、前記正極及び負極には、上述したような主要構成成分の他に、導電剤、結着剤、増粘剤等が、他の構成成分として含有されていてもよい。
導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカー、炭素繊維、気相成長炭素、金属(ニッケル、金等)粉、金属繊維等の導電性材料を1種又は2種以上の混合物として含ませることができる。
これらのなかでも、導電剤としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、アセチレンブラックが好ましい。導電剤の添加量は、正極又は負極の総重量に対して0.1質量%〜10質量%が好ましい。特に、アセチレンブラックを0.1〜0.5μmの超微粒子に粉砕して用いると、必要炭素量を削減できるため望ましい。
これらを混合する方法としては、できる限り均一な状態とし得るものが好ましく、例えば、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミルといった粉体混合機を、乾式、あるいは湿式で用いる方法を採用しうる。
前記結着剤としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマーを、1種又は2種以上の混合物として用いることができる。該結着剤の添加量は、正極又は負極の総量に対して、0.1〜3質量%が好ましい。
前記増粘剤としては、通常、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、キサンタンガム等の多糖類等を1種又は2種以上の混合物として用いることができる。増粘剤の添加量は、正極又は負極の総量に対して、0.1〜0.3質量%が好ましい。
正極及び負極は、前記活物質、導電剤および結着剤を、水やアルコール、トルエン等の有機溶媒に混合した後、得られた混合液を集電体の上に塗布し、乾燥することによって好適に作製される。前記塗布方法としては、例えば、アプリケーターロール等のローラーコーティング、スクリーンコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、バーコーティング等の手段を用い、任意の厚み及び任意の形状に塗布する方法が好適であるが、これらに限定されるものではない。
前記集電体としては、構成された電池において前記活物質との電子の授受に悪影響を及ぼさない電子伝導体を特に制限されることなく使用し得る。該集電体としては、例えば、耐還元性及び耐酸化性の観点から、材料としてはニッケルやニッケルメッキした鋼板を好適に用いることができ、形状としては、発泡体、繊維群の成形体、凹凸加工を施した3次元基材、或いは、パンチング板等の2次元基材を好適に用いることができる。また、該集電体の厚みについても特に限定はなく、5〜700μmのものが好適に用いられる。
これらの集電体のうち、正極用としては、アルカリに対する耐食性と耐酸化性に優れたニッケルを材料とし、集電性に優れた構造である多孔体構造の発泡体としたものを用いることが好ましい。また、負極用としては、安価で、且つ導電性に優れる鉄箔に、耐還元性向上のためニッケルメッキを施した、パンチング板を使用することが好ましい。
パンチング径は2.0mm以下、開口率は40%以上であることが好ましく、これにより、少量の結着剤でも負極活物質と集電体との密着性を高めることができる。
ニッケル水素蓄電池のセパレータとしては、優れたレート特性を示す多孔膜や不織布等を、単独で、あるいは2以上併用して構成することが好ましい。該セパレータを構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を挙げることができる。
該セパレータの目付は、40g/m2から100g/m2が好ましい。40g/m2未満であると、短絡や自己放電性能が低下する虞があり、100g/m2を超えると単位体積当たりに占めるセパレータの割合が増加するため、電池容量が下がる傾向にある。該セパレータの通気度は、1cm/secから50cm/secが好ましい。1cm/sec未満であると、電池内圧が上昇する虞があり、50cm/secを超えると、短絡や自己放電性能が低下する虞がある。該セパレータの平均繊維径は、1μmから20μmが好ましい。1μm未満であるとセパレータの強度が低下し、電池組み立て工程での不良率が増加する虞があり、20μmを超えると、短絡や自己放電性能が低下する虞がある。
また、該セパレータは、親水化処理を施すことが好ましい。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂繊維の表面にスルフォン化処理、コロナ処理、フッ素ガス処理、プラズマ処理を施したり、これらの処理を既に施されたものを混合したものを用いても良い。特に、スルフォン化処理を施されたセパレータは、シャトル現象を引き起こすNO3-、NO2-、NH3-等の不純物や負極からの溶出元素を吸着する能力が高いため、自己放電抑制効果が高く、好ましい。
本発明の一実施形態としての密閉型ニッケル水素蓄電池は、前記電解液を、前記正極、セパレータ及び負極を積層する前又は積層した後に注液し、外装材で封止することにより、好適に作製される。また、正極と負極とが前記セパレータを介して積層された発電要素を巻回してなる密閉型ニッケル水素蓄電池においては、前記電解液は、巻回の前又は後に発電要素に注液されるのが好ましい。注液法としては、常圧で注液することも可能であるが、真空含浸法、加圧含浸法、遠心含浸法も使用可能である。また、該密閉型ニッケル水素蓄電池の外装体の材料としては、ニッケルメッキした鉄やステンレススチール、ポリオレフィン系樹脂等が一例として挙げられる。
該密閉型ニッケル水素蓄電池の構成については特に限定されるものではなく、正極、負極および単層又は複層のセパレータを備えた電池、例えば、コイン電池、ボタン電池、角型電池、扁平型電池、あるいは、ロール状の正極、負極及びセパレータを有する円筒型電池等を挙げることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(負極の作製)
表1に示した各化学組成の原料インゴット(合金原料)を所定量秤量してルツボに入れ、減圧アルゴンガス雰囲気下で高周波溶融炉を用いて1200℃〜1600℃に加熱し、材料を溶融した。溶融後、メルトスピニング法を適用して1000K/秒以上の冷却速度で急冷し、合金を固化させた。
次に、得られた合金インゴッドを0.2MPa(ゲージ圧、以下同じ)に加圧されたアルゴンガス雰囲気下、電気炉にて930℃で5時間加熱した。
さらに、各水素吸蔵合金を平均粒径D50=50μmに粉砕し、得られた粉末を、X線回折装置(BrukerAXS社製、品番M06XCE)を用い、40kV、100mA(Cu管球)の条件下でX線回折測定を行った。さらに、リートベルト法(解析ソフト:RIETAN2000)による解析を行い、結晶相の生成割合を算出した。結晶相の生成割合を表1に示す。
(開放形ニッケル水素電池負極の作製)
上記のようにして得られた水素吸蔵合金粉末100質量部に、ニッケル粉末(INCO製#210)3質量部を加えて混合した後、増粘剤(メチルセルロース)を溶解した水溶液を加え、さらに、結着剤(スチレンブタジエンゴム)を1質量部加えてペースト状にしたものを厚さ35μmの穿孔鋼板(開口率50%)の両面に塗布して乾燥させた後、厚さ0.33mmにプレスして、負極板とした。
また、正極板には負極容量の3倍の容量をもつシンター式水酸化ニッケル電極を用いた。
セパレータを介して負極を正極で挟み込み、これらの電極に1kgfの圧力がかかるようにこれらの電極を固定して表2に示すイオン種および濃度に調整したアルカリ水溶液を注入し、開放形セルを組み立てた。
(開放形ニッケル水素電池負極の評価)
20℃で、0.1 ItA(30mA/g)で15時間の充電、休止1時間、0.2ItAでHg/HgO参照電極に対して−0.6Vまで放電をおこなう充放電サイクルを繰り返し、各サイクルにおける放電容量を測定した。この12サイクル中における最大の放電容量を負極に含まれる合金質量で除した値を「最大放電容量(mAh/g)」とし、また12サイクル目の放電容量を負極に含まれる合金質量で除した値を、「12サイクル目放電容量(mAh/g)」とした。そして、下記式に基づいて放電容量維持率を算出した。
放電容量維持率(%)=12サイクル目放電容量/最大放電容量×100
結果を表2に示す。
表2に示した結果によると、Y、Nd、PrまたはSmを含有する希土類−Ca−Mg−Ni系の水素吸蔵合金を含む負極と、ナトリウムイオンを2.0mol/l以上含むアルカリ電解液とを備えた実施例1〜8では、放電容量維持率は99%付近であり、良好な結果を得た。一方、Y、Nd、PrまたはSmを含まない比較例1〜4およびナトリウムイオンを2.0mol/l未満含む比較例5〜8では、放電容量維持率は低くなった。また、Caを含まない水素吸蔵合金をもちいた場合(比較例9〜16)をもちいた場合は、最大放電容量が350mAh/g以下となり、そもそも高容量な電池とすることができなかった。
この結果は、希土類元素の一部を原子半径の小さいY、Nd、PrまたはSmで置換することによって、水素平衡圧の上昇がおこることに加えて、Naイオンを所定量以上含む電解液をもちいることで充電電位が上昇することによって、充電電位と水素発生電位の差が小さくなり、水素吸蔵が適度に制限されたことによるものと推測される。これにより、合金格子の過度な膨張収縮が抑制でき、合金の微粉化が抑制されたため、本願発明の効果を奏したものと考えられる。

Claims (2)

  1. Y、Pr、NdまたはSmからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含有する希土類−Ca−Mg−Ni系の水素吸蔵合金を含む負極と、ナトリウムイオンを2.0mol/l以上含むアルカリ電解液とを備えたことを特徴とするニッケル水素蓄電池。
  2. 前記アルカリ電解液は、ナトリウムイオンを5.0mol/l以上7.0mol/l以下含むことを特徴とする請求項1記載のニッケル水素蓄電池。
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