JP2014199412A - 照明光源装置、およびそれを備える投射装置 - Google Patents

照明光源装置、およびそれを備える投射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】各出射部から出射された光が進行する位置を個別に調整することのできる照明光源装置を提供する。
【解決手段】照明光源装置10は、第1出射部E1と、第2出射部E2と、第3出射部E3と、第1出射部E1から出射された光と第2出射部E2から出射された光と第3出射部E3から出射された光とを単一の照明光軸Oi上で出射させ、第3出射部E3から出射された光を照明光軸Oi上における光の進行方向で見て最も後側で合流させる照明光路Piと、照明光路Piにおいて第3出射部E3からの光の進行方向に光学的な作用を及ぼすとともに第1出射部E1からの光および第2出射部E2からの光の進行方向に光学的な作用を及ぼさない調整光学部材(22)と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、照明光源装置、およびその照明光源装置を備える投射装置に関する。
従来、例えば、会議等においてパーソナルコンピュータ等の画面情報を投射する投射装置(プロジェクタ)の照明光源装置では、出射部の光源として高輝度の放電ランプ(例えば、超高圧水銀ランプ)を用いるものが知られている。その放電ランプは、コストの増加を抑制しつつ高輝度を得ることができるが、点灯を開始してから安定して発光するまでに所定の時間を要する。また、照明光源装置では、放電ランプの代替光源として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光ダイオード(LED)や有機EL素子等の固体発光素子を用いることが提案されて実用化されている。投射装置(プロジェクタ)では、この固体発光素子を出射部の光源に用いた照明光源装置を備えることにより、高速起動が可能となるとともに環境に対する配慮も実現可能となる。
そのような照明光源装置としては、第1出射部の第1光源として緑の波長帯域光を発する蛍光体と、第2出射部の第2光源として赤の波長帯域光を発するLEDと、第3出射部の第3光源として青の波長帯域光を発するLEDと、を用いるものがある(特許文献1参照)。その第1出射部では、励起光照射装置(励起光源)として青色レーザダイオードを用い、そこから射出された励起光としてのレーザ光を蛍光体に照射し、蛍光体を励起させることで蛍光体からの蛍光(励起光)で緑の波長帯域光を生成する。この照明光源装置の3つの出射部では、それぞれ光源としての蛍光体もしくはLEDから発せられた光を、光学部材としての集光レンズ群で集光(カップリング)して出射する。照明光源装置では、3つの出射部(光源)から出射された各色の光を単一の照明光軸上に合成し、当該照明光軸上で赤、緑、青の各色の光を出射させる。この照明光源装置を用いた投射装置では、照明光源装置(その照明光軸上)から出射された赤、緑、青の各色の光をDMD等の光変調素子へと向かわせて、その光変調素子により各色の光を画素毎に諧調制御することでカラー投影画像を形成することができる。
しかしながら、上記した照明光源装置では、照明光軸上に設けられた光学部材が複数の色の光の進行方向に光学的な作用を及ぼす(影響を与える)ものとされており、3つの出射部から出射された各色の光が進行する位置を個別に調整することができない。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、各出射部から出射された光が進行する位置を個別に調整することのできる照明光源装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の照明光源装置は、特定の波長帯域の光を出射する第1出射部と、前記第1出射部とは異なる波長帯域の光を出射する第2出射部と、前記第1出射部および前記第2出射部とは異なる波長帯域の光を出射する第3出射部と、前記第1出射部から出射された光と前記第2出射部から出射された光と前記第3出射部から出射された光とを単一の照明光軸上で出射させ、前記第3出射部から出射された光を前記照明光軸上における光の進行方向で見て最も後側で合流させる照明光路と、前記照明光路において、前記第3出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼすとともに、前記第1出射部から出射された光および前記第2出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼさない調整光学部材と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る照明光源装置では、各出射部から出射された光が進行する位置の調整を個別に行うことができる。
照明光源装置の一実施例としての照明光源装置10を備える投射装置の一実施例としての投射装置1の全体構成を機能ブロックで示す説明図である。 照明光源装置の一実施例としての照明光源装置10を示す光学図である。 反射・透過ホイール14を波長λAの光(光束)が入射される側から正面視した説明図である。 角度調整機構15Aにおいて、ミラー受け部材50に取り付けられた全反射ミラー15を、その反射面側(z軸方向正側)から見た様子を示す説明図である。 角度調整機構15Aにおいて、全反射ミラー15が取り付けられたミラー受け部材50を、その裏面50b側(z軸方向負側)から見た様子を示す説明図である。 角度調整機構15Aにおいて、全反射ミラー15がミラー受け部材50を介して設置部材60に取り付けられた状態を、図5のI−I線に沿って得られた断面で示す説明図である。 角度調整機構15Aの各構成を分解して示す斜視図である。 蛍光ホイール17の円板状基板17aを蛍光体17bが形成されている側から正面視した説明図である。 角度調整機構19Aにおいて、ミラー受け部材50Aに取り付けられた第2ダイクロイックミラー19を、その反射面側(z軸方向正側)から見た様子を示す説明図である。 角度調整機構19Aにおいて、第2ダイクロイックミラー19が取り付けられたミラー受け部材50Aを、その裏面50b側(z軸方向負側)から見た様子を示す説明図である。 角度調整機構19Aにおいて、第2ダイクロイックミラー19がミラー受け部材50Aを介して設置部材60Aに取り付けられた状態を、図10のII−II線に沿って得られた断面で示す説明図である。 角度調整機構19Aの各構成を分解して示す斜視図である。 照明光源装置10における第2照明系10Bの具体的な構成例を示す説明図である。 実施例2の照明光源装置102における第2照明系102Bの具体的な構成例を示す図13と同様の説明図である。 実施例3の照明光源装置103における第2照明系103Bの具体的な構成例を示す図13および図14と同様の説明図である。 波長λBの光(光束)と波長λCの光(光束)とのそれぞれにおける波長に対する強度の比を示すグラフであり、縦軸を強度比で示し、横軸を波長(nm)で示している。 第3ダイクロイックミラー22の光学特性(分光特性)の一例を示すグラフであり、縦軸を透過率(%)で示し、横軸を波長(nm)で示している。 第3ダイクロイックミラー22に定義したXYZ軸を説明するための説明図である。 実施例1の第2照明系10B(照明光源装置10)において、第3ダイクロイックミラー22における第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の入射角に対する放射強度の分布を示すグラフであり、縦軸を放射強度(W/sr)で示し、横軸を角度(°)で示している。 実施例2の第2照明系102B(照明光源装置102)において、第3ダイクロイックミラー22における第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の入射角に対する放射強度の分布を示すグラフであり、縦軸を放射強度(W/sr)で示し、横軸を角度(°)で示している。 実施例3の第2照明系103B(照明光源装置103)において、第3ダイクロイックミラー22における第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の入射角に対する放射強度の分布を示すグラフであり、縦軸を放射強度(W/sr)で示し、横軸を角度(°)で示している。
以下に、本発明に係る照明光源装置および投射装置の各実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
本発明に係る照明光源装置の一実施例としての照明光源装置10と、それを備える投射装置(プロジェクタ)1と、の構成を説明する。投射装置1は、図1に示すように、例えば、会議等において、パーソナルコンピュータ等の画面情報をスクリーンScに投射するものである。その投射装置1は、実施例1では、照明光源装置10と、導光光学系2と、画像形成部3と、投影光学系4と、制御部5と、を備える。
照明光源装置10は、同一の照明光軸Oi上で、青(B)の波長帯域(後述する波長λA)の光と、緑(G)の波長帯域(後述する波長λB)の光と、赤(R)の波長帯域(後述する波長λC)の光と、を順次もしくはそれらを組み合わせて出射することが可能とされている。この照明光源装置10の構成については、後に詳細に説明する。照明光源装置10は、導光光学系2(その後述するライトトンネル6)へ向けて光(光束)を出射する。
その導光光学系2は、照明光源装置10から出射された光(光束)を、画像形成部3(その後述する反射ミラー7)へと導くものである。導光光学系2は、照明光源装置10から出射された光(光束)が入射されるライトトンネル6を有する。そのライトトンネル6は、内部を中空とする筒状を呈し、その内側面にミラーが設けられて構成されている。ライトトンネル6は、内部で反射を繰り返すことにより、入射された光(光束)の輝度分布を均一化する、すなわち入射された光(光束)の光量むらをなくす。この導光光学系2は、図示は略すが、ライトトンネル6に加えてレンズ等の光学素子を有し、ライトトンネル6を経て輝度分布を均一化した光(光束)を適宜集光して、画像形成部3(その後述する反射ミラー7)へと導く。
その画像形成部3は、導光光学系2により導かれた光(光束)を用いて、画像生成データに基づくフルカラーの画像を形成する。画像形成部3は、反射ミラー7と光変調素子8とを有し、その光変調素子8に制御部5が接続されている。その反射ミラー7は、導光光学系2により導かれた光(光束)を光変調素子8へと進行させるべく、その光(光束)を当該光変調素子8へ向けて反射する。
その光変調素子8は、照明光源装置10から出射されて導光光学系2により導かれた各色の光(光束)を、画素毎に諧調制御することでカラー投影画像を形成する。光変調素子8(画像形成部3)は、上述したように制御部5に接続されており、当該制御部5により駆動制御される。この光変調素子8は、実施例1では、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス;Digital Micromirror Device)で構成されている。このDMDからなる光変調素子8は、画素単位のマイクロミラーを有し、制御部5の制御下で、各マイクロミラーが異なる2つの角度のいずれかとされた状態を維持することが可能とされている(所謂2値制御)。すなわち、光変調素子8の各マイクロミラーは、導光光学系2により導かれた各色の光(光束)を投影光学系4へ向けて反射する角度(ON状態)と、当該各色の光(光束)を内部の吸収体へ向けて反射して外部に出射させない角度(OFF状態)と、のいずれかとされる。このため、光変調素子8では、各マイクロミラーが個別に駆動(2値制御)されることにより、表示する画素毎に投影する光を制御することができる。また、光変調素子8では、例えば、パルス幅変調方式(PWM方式)により各マイクロミラーのON状態の時間比率を調整することで、表示する画素毎における階調表現を行うことができる。なお、実施例1では、光変調素子8としてDMDを用いているが、照明光源装置10から出射されて導光光学系2により導かれた各色の光(光束)を利用してカラー投影画像を形成するものであれば、例えば液晶を用いてもよく、実施例1の構成に限定されるものではない。
投影光学系4は、画像形成部3(光変調素子8)により生成された投影画像をスクリーンScに投影する。この投影光学系4は、図示は略すが、固定鏡筒に設けられた固定レンズ群や可動鏡筒に設けられた可動レンズ群を備え、その可動レンズ群を移動させることによりフォーカス調整やズーム調整を行うことが可能とされている。
制御部5は、記憶部5aやマイクロコンピュータを有して構成されて、投射装置1の全体の動作を統括制御すべく当該投射装置1に設けられている。この制御部5は、照明光源装置10(その後述する光源11、光源12、反射・透過ホイール14(その駆動部14a)および蛍光ホイール17(その駆動部17c))、画像形成部3(その光変調素子8)および投影光学系4(その可動レンズ群の駆動機構)に接続されている。制御部5は、照明光源装置10における各色の光の出射制御処理、画像形成部3(光変調素子8)における投影画像の生成制御処理、投影光学系4におけるフォーカス調整やズーム調整の調整制御処理を、記憶部5aに格納したプログラムにより統括的に行う。
また、制御部5は、外部情報機器に対するインターフェィス(図示を略す)を有し、例えば、パーソナルコンピュータ等の外部情報機器から画像データを取り込むことが可能とされている。その制御部5は、取り込んだ画像データに対して画像処理を施し、画像形成部3で投影画像を生成するのに適合する画像生成データを生成する。そして、制御部5は、生成した画像生成データに基づいて画像形成部3を駆動する駆動信号を生成し、当該駆動信号を画像形成部3に向けて出力する。このとき、制御部5は、生成した画像形成部3の駆動信号に同期させた照明光源装置10の出射制御信号を生成し、当該出射制御信号を照明光源装置10に向けて出力する。
制御部5は、以下のように、出射制御信号により照明光源装置10を駆動制御するとともに、駆動信号により画像形成部3を駆動制御する。すなわち、制御部5は、画像の一フレーム期間内に、照明光源装置10から、青(B)の波長帯域(後述する波長λA)の光と緑(G)の波長帯域(後述する波長λB)の光と赤(R)の波長帯域(後述する波長λC)の光とを順次切り替えて出射(照明)させる。また、制御部5は、照明光源装置10から出射される各色の光の出射のタイミングに同期して、画像形成部3の各マイクロミラーを個別に駆動する。すると、投射装置1では、投影光学系4により画像生成データに基づく各色の投影画像を順次スクリーンScに投影させ、目の残像現象を利用することにより画像生成データに基づくフルカラーの画像をスクリーンScに生成する。
次に、本発明に係る照明光源装置の一実施例としての照明光源装置10について、図2から図13を用いて説明する。なお、図2では、理解容易のために、照明光路Piの照明光軸Oi上に、出射位置となる導光光学系2のライトトンネル6を合わせて示している。また、図2では、理解容易のために、照明光路Piにおける全反射ミラー15から第2ダイクロイックミラー19および第3ダイクロイックミラー22を経てライトトンネル6に至る間において、互いに異なる波長帯域(λA、λB、λC)の3つの光が通る位置を互いにずらして示している。このことは、図2における、蛍光ホイール17(その蛍光体17b)から集光素子16を経て第1ダイクロイックミラー18に至る間でも同様である。
照明光源装置10は、青(B)の波長帯域(後述する波長λA)の光と、緑(G)の波長帯域(後述する波長λB)の光と、赤(R)の波長帯域(後述する波長λC)の光と、を照明光として照明光路Piから単一の照明光軸Oi上で出射する。この照明光源装置10は、実施例1では、図2に示すように、2つの照明光源(以下、単に光源ともいう)11、12を備える。このため、照明光源装置10は、各色の光を照明光として出射する照明光路Piにおいて、光源11を利用して照明光を出射する第1照明系10Aと、光源12を利用して照明光を出射する第2照明系10Bと、を有する。
その光源11は、照明光(励起光)を射出する固体発光素子である。光源11は、実施例1では、可視光としての青色レーザ光を発生する青色レーザダイオードが用いられており、波長λA(400nm<λA<450nm)の光(光束)を射出する。この光源11は、図2では説明の便宜のために唯一個のみを模式的に示しているが、実施例1では、複数個の青色レーザダイオードからなる発光アレイにより構成されている。光源11は、後述するように、蛍光体17bで蛍光(波長λBの光(光束))を発生させる励起光源としても機能する。なお、光源11として、青色レーザダイオードの代わりに、青色光を発生する発光ダイオード(LED)を用いることもできる。また、光源11は、単一の青色レーザダイオードにより構成されていてもよく、複数の青色レーザダイオードにより構成されていてもよい。
光源12は、波長λAおよび波長λBよりも長波長の波長λCの照明光を射出する固体発光素子である。その光源12には、実施例1では、可視光としての赤色の光を放出する赤色の発光ダイオード(LED)が用いられており、波長λC(600nm<λC<700nm)の光(光束)を射出する。なお、光源12は、単一の赤色レーザダイオードにより構成されていてもよく、複数の赤色レーザダイオード(発光アレイ)により構成されていてもよい。
光源11を利用する第1照明系10Aは、第1カップリングレンズ13、反射・透過ホイール14、全反射ミラー15、集光素子16、蛍光ホイール17、第1ダイクロイックミラー18、および第2ダイクロイックミラー19を有する。
第1カップリングレンズ13は、少なくとも1つ以上のレンズからなり、光源11から出射された波長λAの光(光束)を第1照明系10Aの各光学素子に適切に入射させるべく当該光(光束)を集める。その適切に入射させるとは、他の光学素子でも同様であるが、対象とする光(光束)を有効に利用する観点から各光学素子に入射させることをいう。この第1カップリングレンズ13は、光源11と協働して、波長λAの光(光束)を射出する第1出射部E1を構成する。すなわち、第1カップリングレンズ13は、光源11からの波長λAの光(光束)を成形(カップリング)して第1出射部E1として利用可能とする。このため、光源11は、第1出射部E1における第1光源として機能する。この第1出射部E1は、第1照明系10Aの第1出射光軸O1上に波長λAの光(光束)を出射する。すなわち、光源11から出射されて第1カップリングレンズ13により集められた波長λAの光(光束)は、第1出射光軸O1上を進行する。その第1出射光軸O1上に反射・透過ホイール14が設けられている。
その反射・透過ホイール14は、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)の進行方向の切り替えのために設けられている。反射・透過ホイール14は、図3に示すように、全体に円板形状を呈し、少なくとも第1出射部E1すなわち光源11から出射された波長λAの光(光束)を全反射する光学特性の反射部材で構成されている。この反射・透過ホイール14は、半径方向の2本の境界領域線r1、r2と円弧線分r3とによって囲まれた扇形状の透過領域14qを有する。その透過領域14qは、少なくとも第1出射部E1(光源11)から出射された波長λAの光(光束)の透過を許すものとされている。透過領域14qは、実施例1では、中心軸線(後述する回転軸14b)を中心とする回転方向で見た角度範囲が90度とされている。この反射・透過ホイール14では、上述したような反射部材で構成されていることから、透過領域14q以外の領域が、第1出射部E1(光源11)から出射された波長λAの光(光束)を全反射する反射領域14pとなる。その反射領域14pは、実施例1では、透過領域14q以外の領域であることから、透過領域14qの中心軸線(後述する回転軸14b)を中心とする回転方向で見た角度範囲が270度とされている。
なお、反射・透過ホイール14では、当該反射・透過ホイール14を切り欠くことにより透過領域14qを形成すれば、材料の節約を図ることができる。また、反射・透過ホイール14では、透過領域14qに拡散板を用いる構成とすれば、そこを透過させることで光源11(第1出射部E1)としての青色レーザダイオードから出射されるレーザ光(波長λAの光)のスペックルパターンを抑制する効果を得ることができる。
反射・透過ホイール14は、図2に示すように、駆動部14aの回転軸14bに取り付けられて設けられている。その駆動部14aは、駆動されると回転軸14bを介して回転駆動力を出力するものであり、制御部5(図1参照)に接続されてその制御部5の制御下で駆動される。その回転軸14bは、反射・透過ホイール14の中心軸線に沿いつつ当該反射・透過ホイール14に固定されている。このため、反射・透過ホイール14は、制御部5の制御下で駆動部14aが駆動されることにより、その回転軸14bを回転中心として回転駆動される。この反射・透過ホイール14は、回転軸14bを回転中心とする回転により、第1出射光軸O1上に透過領域14qもしくは反射領域14p(図3参照)を存在させるように、当該進行方向に対して傾斜を為して設けられている。反射・透過ホイール14は、実施例1では、当該進行方向に対する傾斜角度が45度とされている。
これにより、反射・透過ホイール14は、第1出射光軸O1上に透過領域14qを存在させることにより、第1出射部E1(光源11)から出射された波長λAの光(光束)をそのまま進行させる。以下では、これを第1照明系10Aにおける透過光路ともいう。また、反射・透過ホイール14は、第1出射光軸O1上に反射領域14pを存在させることにより、第1出射部E1(光源11)から出射された光(光束)を反射領域14pで反射して、自らが傾斜された角度(実施例1では45度)に応じた方向へと進行させる。以下では、これを第1照明系10Aにおける反射光路ともいう。このため、反射・透過ホイール14は、制御部5の制御下で回転軸14bを回転中心として回転駆動されることにより、第1出射部E1(光源11)から出射された光(光束)の進行方向を切り替えることができる。このことから、反射・透過ホイール14は、第1出射部E1(光源11)から出射された光(光束)の進行方向を切り替える光路切替部として機能する。
なお、反射・透過ホイール14は、実施例1では、中心軸線(後述する回転軸14b)を中心とする反射領域14pの角度範囲を270度としていたが、その反射領域14pの角度範囲は適宜設定すればよく、実施例1の例に限定されるものではない。また、実施例1では、光路切替部として反射・透過ホイール14を用いているが、第1出射部E1(光源11)から出射された光(光束)の進行方向を切り替えるものであれば、他の構成であってもよく、実施例1の例に限定されるものではない。その構成としては、例えば、反射・透過ホイール14を板形状として反射領域14pと透過領域14qとに区画するとともに、その区画した方向に板状部材を往復移動させて第1出射光軸O1上で反射領域14pと透過領域14qとを切り替えるものとすることができる。
第1照明系10Aでは、反射・透過ホイール14(その透過領域14q)を透過した波長λAの光(光束)が進行する透過光路に、全反射ミラー15が設けられている。すなわち、全反射ミラー15は、第1出射光軸O1上であって、反射・透過ホイール14から見て第1出射部E1とは反対側に配置されている。その全反射ミラー15は、少なくとも第1出射部E1(光源11)から出射された波長λAの光(光束)を全反射する光学特性の反射部材で構成されており、第1出射光軸O1上を進行してきた波長λAの光(光束)を照明光軸Oi上へと反射すべく設けられている。すなわち、全反射ミラー15は、第1出射光軸O1と照明光軸Oiとが交わる位置に設けられている。このことから、全反射ミラー15は、第1出射部E1から出射された光を反射する第1反射部材として機能する。このため、第1出射部E1(光源11)から出射されて反射・透過ホイール14の透過領域14qを透過した光(光束)は、全反射ミラー15へと進行し、当該全反射ミラー15により反射されて、照明光軸Oi上を進行する。すなわち、第1照明系10Aにおける透過光路では、第1出射部E1(光源11)から出射されて反射・透過ホイール14を経た波長λAの光(光束)を、全反射ミラー15により照明光軸Oi上に導く。このため、全反射ミラー15は、第1出射部E1(光源11)から出射されて反射・透過ホイール14を経た波長λAの光(光束)を、後述するように各色の光を出射させる照明光軸Oi上に合流させる合流光学素子として機能する。換言すると、全反射ミラー15は、後述する第1出射光路P1を、照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に合流させる合流光学素子として機能する。
この全反射ミラー15は、実施例1では、図4から図7に示すように、反射面となる表面が矩形を呈する板状とされており、角度調整機構15Aにより角度の調整が可能とされる(図6および図7参照)。その角度調整機構15Aは、ミラー受け部材50と設置部材60とを備える。角度調整機構15Aでは、全反射ミラー15がミラー受け部材50を介して設置部材60に取り付けられる。
そのミラー受け部材50は、矩形の板状を呈する全反射ミラー15と等しい大きさ寸法の矩形の板状とされている。ここで、ミラー受け部材50において、xyz軸を次のように定義する(図4および図5参照)。実施例1では、図4および図5を正面視して、ミラー受け部材50すなわち取り付けられる全反射ミラー15(その反射面)の左右方向に伸びる一対の辺縁部に平行な方向をx軸とし、上下方向に伸びる一対の辺縁部に平行な方向をy軸とする。そのx軸とy軸とは、ミラー受け部材50の中心位置で交わるものとされている。そして、実施例1では、x軸およびy軸に直交する方向をz軸とする。このz軸は、ミラー受け部材50すなわち取り付けられる全反射ミラー15(その反射面)に直交する方向となり、全反射ミラー15の反射面が位置する側をz軸方向の正側とする。
ミラー受け部材50では、図4から図7に示すように、x軸方向で対を為す辺縁部に一対の位置決め突起51が設けられるとともに、y軸方向で対を為す辺縁部にそれぞれ位置決め突起52が設けられている。各位置決め突起(51、52)は、矩形を規定する各辺縁部の外方において対応する辺縁部に沿って設けられており、全反射ミラー15(その裏面)が宛がわれる表面50aからz軸方向正側へと突出されている。その位置決め突起51は、y軸方向で見た中心位置で、x軸方向で対を為して設けられている。また、2つの位置決め突起52は、x軸方向で見て互いに異なる側の端部に、すなわち略対角方向で対を為して設けられている。このため、ミラー受け部材50では、全反射ミラー15(その裏面)が表面50aに宛がわれると、その全反射ミラー15の4つの辺縁部のそれぞれに、一対の位置決め突起51と2つの位置決め突起52とのいずれか1つを当てることとなる。これにより、その全反射ミラー15は、ミラー受け部材50に対するx−y平面に沿う方向で見た位置が規定(位置決め)されて、当該ミラー受け部材50に重ねられる。このため、一対の位置決め突起51と2つの位置決め突起52とは、ミラー受け部材50において、全反射ミラー15のx−y平面に沿う方向で見た位置を決める位置決め枠として機能する。
そのミラー受け部材50では、上記したように位置決めされた全反射ミラー15が、一対の押さえバネ71を用いて固定される。この両押さえバネ71は、一方の片部71aと他方の片部71bとを対向させるU字形状を呈し、片部71aと片部71bとの間隔を広げる動作に抗する弾性力を発揮する弾性部材とされている。両押さえバネ71は、片部71aをミラー受け部材50の裏面50bに宛がい、かつ片部71bを全反射ミラー15の反射面に宛がうことで、重ねられた全反射ミラー15とミラー受け部材50とを挟み込んでその状態で固定する。この両押さえバネ71は、片部71bの先端が、片部71aから離れる方向へと湾曲されており、重ねられた状態の全反射ミラー15とミラー受け部材50と挟み込むことを容易としつつ、全反射ミラー15の反射面に傷付けることが防止されている。
このミラー受け部材50では、全反射ミラー15(その裏面)が宛がわれる表面50aとは反対側の裏面50bに、調整支点部53と2つのネジ受けボス部54とが設けられている。その調整支点部53は、半球状を呈し、ミラー受け部材50の裏面50bからz軸方向負側へと突出されている。調整支点部53では、半球状を呈するその球面の中心位置が、xyz軸の座標中心とされたミラー受け部材50の中心位置に一致するものとされている。その調整支点部53には、z軸と一致する軸線を有するネジ穴53aが設けられている。このネジ穴53aは、内周面にネジ溝が設けられており、後述する調整支点ネジ72のネジ山を噛み合わせることで当該調整支点ネジ72を固定することが可能とされている。
ネジ受けボス部54は、一方がx軸上においてミラー受け部材50(その裏面50b)の縁辺部の近傍(図5では左端部)に設けられ、他方がy軸上においてミラー受け部材50(その裏面50b)の縁辺部の近傍(図5では上端部)に設けられている。その各ネジ受けボス部54は、円柱状を呈し、ミラー受け部材50の裏面50bからz軸方向負側へと突出されている。各ネジ受けボス部54には、z軸方向と平行な方向に伸びる軸線を有するネジ穴54aが設けられている。このネジ穴54aは、内周面にネジ溝が設けられており、後述する調整ネジ73のネジ山を噛み合わせることで当該調整ネジ73を固定することが可能とされている。このミラー受け部材50は、x軸を中心として回転可能としかつy軸を中心として回転可能とすべく、設置部材60に支持される。
その設置部材60は、図6および図7に示すように、設置片部61と、そこと直交しつつ連続する取付片部62と、を有する。設置片部61は、設置部材60すなわちそこにミラー受け部材50を介して取り付けられた全反射ミラー15を、照明光源装置10内に設置するための箇所である。この設置片部61は、全反射ミラー15を上述した位置関係とするように、照明光源装置10内の所定の位置に固定される。なお、この設置片部61は、実施例1では、取付片部62と直交しつつ連続するものとされているが、照明光源装置10内での設置箇所に応じて適宜設定すればよく、実施例1の構成に限定されるものではない。
取付片部62は、ミラー受け部材50よりも大きな板状を呈し、支点突起63(図6参照)が設けられている。その支点突起63は、ミラー受け部材50の中央箇所を部分的にz軸方向正側へと突出させて形成されている。このため、取付片部62では、支点突起63の裏側(z軸方向負側)に、受入凹所64が形成されている。支点突起63は、実施例1では、z軸方向で見て矩形状を呈するものとされており、その中心に調整支点ネジ挿通孔65が設けられている。
この調整支点ネジ挿通孔65は、受入凹所64(支点突起63)をz軸方向に貫通して形成されており、後述する調整支点ネジ72の軸部72bを通すことを可能とし、かつ同じく調整支点ネジ72の頭部72aを通すことを阻む内径寸法とされている。調整支点ネジ挿通孔65は、その調整支点ネジ72の軸部72bを通した状態において、当該軸部72bとの間に隙間を置く(遊びを持って受け入れる)ものとされている。これは、後述するように全反射ミラー15の角度調整を行う際に、調整支点ネジ挿通孔65に通された調整支点ネジ72が傾くことを許容する必要があることによる。
この調整支点ネジ挿通孔65では、z軸方向正側の端部に調整座面66(図6参照)が設けられている。その調整座面66は、調整支点ネジ挿通孔65の端部を切り欠いて形成されており、ミラー受け部材50の半球状を呈する調整支点部53の外形形状に沿う球面状とされている。このため、調整座面66は、その球面の中心すなわち調整支点部53の中心位置を回転中心として調整支点部53を回転可能に受けることができる。
また、取付片部62には、図7に示すように、2つの調整ネジ挿通孔67が設けられている。この両調整ネジ挿通孔67は、取付片部62をz軸方向に貫通して形成されており、後述する調整ネジ73の軸部73bを通すことを可能とし、かつ同じく調整ネジ73の頭部73aを通すことを阻む内径寸法とされている(図6参照)。両調整ネジ挿通孔67は、その調整ネジ73の軸部73bを通した状態において、当該軸部73bとの間に隙間を置く(遊びを持って受け入れる)ものとされている。これは、後述するように全反射ミラー15の角度調整を行う際に、各調整ネジ挿通孔67に通された調整ネジ73が傾くことを許容する必要があることによる。この両調整ネジ挿通孔67は、調整支点ネジ挿通孔65(その中心軸線)をz軸に一致させた状態において、一方がx軸上における取付片部62の縁辺部の近傍(図7では左端部)に設けられている。また、調整ネジ挿通孔67は、同じ状態において、他方がy軸上における取付片部62の縁辺部の近傍(図7では上端部)に設けられている。この両調整ネジ挿通孔67(その中心軸線)は、調整支点ネジ挿通孔65(その中心軸線)を調整支点部53のネジ穴53a(その中心軸線)と一致させた状態において、対応するネジ受けボス部54のネジ穴54a(その中心軸線)と一致する位置関係とされている。
この角度調整機構15Aでは、1つの調整支点ネジ72と2つの調整ネジ73と1つの支点用コイルバネ74と2つの調整用コイルバネ75とを用いて、ミラー受け部材50を取付片部62に取り付ける。その調整支点ネジ72は、図6および図7に示すように、頭部72aと軸部72bとを有する。その頭部72aは、全体に円柱形状を呈し、取付片部62の受入凹所64(支点突起63)に設けられた調整支点ネジ挿通孔65の内径寸法、および支点用コイルバネ74の内径寸法よりも大きな外径寸法とされている。軸部72bは、頭部72aの外径寸法および調整支点ネジ挿通孔65の内径寸法よりも小さな外径寸法であって、ミラー受け部材50の調整支点部53のネジ穴53aの内径寸法に略等しい外径寸法の長尺な円柱形状を呈する。この軸部72bには、外周面にネジ山が形成されており、ネジ穴53aのネジ溝に噛み合わせることで当該ネジ穴53aに固定することが可能とされている。
2つの調整ネジ73は、頭部73aと軸部73bとを有する。その頭部73aは、全体に円柱形状を呈し、取付片部62に設けられた両調整ネジ挿通孔67の内径寸法よりも大きな外径寸法とされている。軸部73bは、頭部73aの外径寸法および両調整ネジ挿通孔67の内径寸法よりも小さな外径寸法であって、ミラー受け部材50の各ネジ受けボス部54のネジ穴54aの内径寸法に略等しい外径寸法の長尺な円柱形状を呈する。この軸部73bには、外周面にネジ山が形成されており、ネジ穴54aのネジ溝に噛み合わせることで当該ネジ穴54aに固定することが可能とされている。このため、軸部73bは、ネジ穴54a(そのネジ溝)への噛み合わせの量を調節することにより、z軸方向(ネジ穴54aの軸線方向)で見た固定位置の調整が可能とされている。
支点用コイルバネ74は、螺旋状とされた線材により構成されており、無負荷状態において最も伸びて、一端と他端とを接近させる動作に抗する弾性力を発揮する。この支点用コイルバネ74は、調整支点ネジ72の頭部72aの外径寸法よりも小さな内径寸法であって、取付片部62の受入凹所64(支点突起63)に設けられた調整支点ネジ挿通孔65の内径寸法よりも大きな内径寸法とされている。また、支点用コイルバネ74は、取付片部62の受入凹所64に収容可能な外径寸法とされている。
2つの調整用コイルバネ75は、螺旋状とされた線材により構成されており、無負荷状態において最も伸びて、一端と他端とを接近させる動作に抗する弾性力を発揮する。この両調整用コイルバネ75は、取付片部62に設けられた両調整ネジ挿通孔67の内径寸法、およびミラー受け部材50の各ネジ受けボス部54の外径寸法よりも大きな内径寸法とされている。
この角度調整機構15Aは、次のように組み付けられる。先ず、図7に示すように、全反射ミラー15(その裏面)をミラー受け部材50の表面50a(図6参照)に宛がい、その全反射ミラー15の各辺縁部に、対応する一対の位置決め突起51または2つの位置決め突起52を当てる(矢印A1参照)。その状態において、y軸方向で対を為す辺縁部における位置決め突起52が設けられていない位置に、2つの両押さえバネ71を装着する(矢印A2参照)。これにより、全反射ミラー15とミラー受け部材50とは、x−y平面に沿う方向で見て位置決めされて重ねられた状態で固定される(図6等参照)。
その後、全反射ミラー15が固定されたミラー受け部材50の裏面50bを、設置部材60の取付片部62に対向させる。その対向状態において、調整支点ネジ72の軸部72bを、支点用コイルバネ74に通し、設置部材60の受入凹所64の調整支点ネジ挿通孔65に通して、ミラー受け部材50の調整支点部53のネジ穴53aに固定する(矢印A3参照)。このとき、支点用コイルバネ74は、一端が受入凹所64内に収容されて、その受入凹所64と調整支点ネジ72の頭部72aとの間で圧縮される(図6参照)。このため、支点用コイルバネ74の弾性力により、調整支点ネジ72が固定されたミラー受け部材50の調整支点部53が、調整支点ネジ挿通孔65の端部に設けられた調整座面66に嵌り込みつつ押し当てられる(図6参照)。
また、上記した対向状態において、各調整ネジ73の軸部73bを、対応する取付片部62の調整ネジ挿通孔67に通し、対応する調整用コイルバネ75に通して、ミラー受け部材50の対応するネジ受けボス部54のネジ穴54aに固定する(矢印A4参照)。このとき、各調整用コイルバネ75は、図6に示すように、一端がネジ受けボス部54を取り囲むように位置されて、そのネジ受けボス部54が設けられたミラー受け部材50と取付片部62(設置部材60)との間で圧縮される。このため、調整用コイルバネ75の弾性力により、軸部73bがネジ受けボス部54に固定された各調整ネジ73の頭部73aが、取付片部62(その調整ネジ挿通孔67の周辺)に押し当てられる。
これにより、全反射ミラー15がミラー受け部材50を介して設置部材60に取り付けられて、角度調整機構15Aが組み付けられる。この角度調整機構15Aは、第1出射部E1(光源11)から出射された波長λAの光(光束)を反射して照明光軸Oi上に導くべく第1出射光軸O1と照明光軸Oiとが交わる位置に全反射ミラー15を位置させるように設置される。その角度調整機構15Aは、設置部材60の設置片部61が照明光源装置10内の所定の位置に固定されることにより設置される。
この角度調整機構15Aでは、各調整ネジ73を回転させてネジ穴54aへの噛み合わせの量を調節することにより、ミラー受け部材50に対する各調整ネジ73のz軸方向(ネジ穴54aの軸線方向)で見た固定位置の調整が可能とされている。このため、角度調整機構15Aでは、回転により各調整ネジ73をz軸方向正側へと変位させると、その頭部73aが取付片部62の調整ネジ挿通孔67の周辺をz軸方向正側へと押すことで、当該調整ネジ挿通孔67の周辺をミラー受け部材50に近付ける。また、角度調整機構15Aでは、回転により各調整ネジ73をz軸方向負側へと変位させると、その頭部73aがz軸方向負側へと変位する。すると、調整用コイルバネ75の弾性力により頭部73aに押し当てられた取付片部62の調整ネジ挿通孔67の周辺がz軸方向負側へと移動し、当該調整ネジ挿通孔67の周辺がミラー受け部材50から離れる。
また、角度調整機構15Aでは、調整支点ネジ挿通孔65の調整座面66に押し当てられたミラー受け部材50の調整支点部53が、その押し当てられた状態を維持しつつ調整支点部53(調整座面66)の球面に沿って回転することが可能とされている。この調整支点部53すなわちミラー受け部材50の、調整座面66すなわち取付片部62(設置部材60)に対する回転は、調整支点部53(調整座面66)の球面の中心位置を回転中心とするものとなる。そして、角度調整機構15Aでは、その中心位置を、ミラー受け部材50の中心位置であってxyz軸の座標中心に一致させている。加えて、角度調整機構15Aでは、一方のネジ受けボス部54がx軸上に位置され、他方のネジ受けボス部54がy軸上に位置されている。
このため、角度調整機構15Aでは、一方のネジ受けボス部54に固定された調整ネジ73を回転させることで、ミラー受け部材50すなわちそこに固定された全反射ミラー15を、y軸を回転中心として回転させることができる。そして、角度調整機構15Aでは、調整ネジ73のネジ受けボス部54(そのネジ穴54a)への噛み合わせの量を調節することにより、そのy軸を回転中心とする全反射ミラー15(ミラー受け部材50)の回転量を調節することができる。同様に、角度調整機構15Aでは、他方のネジ受けボス部54に固定された調整ネジ73を回転させることで、ミラー受け部材50すなわち全反射ミラー15を、x軸を回転中心として回転させることができ、その回転量を調節することができる。よって、角度調整機構15Aでは、支持した全反射ミラー15の角度の調整を可能とする。
この角度調整機構15Aでは、調整支点ネジ72と各調整ネジ73とによりミラー受け部材50を設置部材60(その取付片部62)に取り付ける際、各ネジにコイルバネ(支点用コイルバネ74および2つの調整用コイルバネ75)を設けている。このため、角度調整機構15Aでは、各ネジでの取り付けに起因してガタつきが生じることが防止されている。また、角度調整機構15Aでは、ミラー受け部材50の調整支点部53を半球状とするとともに、設置部材60の取付片部62の調整座面66を半球状としている。このため、角度調整機構15Aでは、調整支点部53すなわちミラー受け部材50の、調整座面66すなわち取付片部62(設置部材60)に対する回転を円滑なものとすることができ、ミラー受け部材50と設置部材60とが干渉することを防止することができる。さらに、角度調整機構15Aでは、調整支点ネジ挿通孔65が遊びを持って調整支点ネジ72の軸部72bを受け入れるものとしているとともに、両調整ネジ挿通孔67が遊びを持って調整ネジ73の軸部73bを受け入れるものとしている。このため、角度調整機構15Aでは、調整支点ネジ挿通孔65内で調整支点ネジ72が傾くことと各調整ネジ挿通孔67内で調整ネジ73が傾くこととを許容することができる。これにより、角度調整機構15Aでは、調整支点部53(ミラー受け部材50)が取付片部62(設置部材60)に対して回転することが、取り付けのための調整支点ネジ72および各調整ネジ73により阻害されることを防止することができる。
なお、実施例1の角度調整機構15Aでは、半球状とされた調整支点部53の中心位置を、xyz軸の座標中心とされたミラー受け部材50の中心位置としていたが、全反射ミラー15の反射面の中心位置としてもよい。このようにすると、角度調整機構15Aにおける2つの回転軸(x軸およびy軸)を全反射ミラー15の反射面上に位置させることができる。このため、x軸を後述する実施例3のX軸およびY軸(図18参照)のいずれか一方に一致するものとすることができ、y軸をそのいずれか他方に一致するものとすることができる。このような構成とすると、当該中心位置を第1出射光軸O1と照明光軸Oiとが交わる位置とすることで、後述するように、全反射ミラー15の角度の調整による第1出射部E1からの波長λAの光(光束)の出射位置の調整をより容易なものとすることができる。
また、第1照明系10Aでは、反射・透過ホイール14(その反射領域14p)により反射された波長λAの光(光束)が進行する反射光路に、集光素子16、蛍光ホイール17、第1ダイクロイックミラー18、および第2ダイクロイックミラー19が設けられている。その集光素子16は、少なくとも1つ以上のレンズからなり、蛍光ホイール17(その後述する蛍光体17b)の前面に設けられている。集光素子16は、第1照明系10Aの反射光路を進行する波長λAの光(光束)を蛍光体17bの微小領域17e(図8参照)に集光する。また、集光素子16は、後述するように蛍光ホイール17の蛍光体17b(その微小領域17e)から発生する波長λBの光(光束)を、第1照明系10Aの反射光路の各光学素子に適切に入射させるべく当該光(光束)を集める機能も有する。
その蛍光ホイール17は、図8に示すように、円板状基板17aに蛍光体17bが設けられて構成されている。その円板状基板17aは、全体に円板形状を呈し、少なくとも後述するように蛍光体17b(その微小領域17e)から発生する波長λBの光(光束)を全反射する光学特性の反射部材で構成されている。蛍光体17bは、円板状基板17aの中心軸線(後述する回転軸17d)を中心とする環状(リング状)とされて当該円板状基板17aに設けられている。その蛍光体17bは、第1出射部E1(光源11)から出射された波長λAの光(光束)を受けると、当該光を励起光として用いて励起されて波長λBの光を発生する材料で構成されている。その発生する蛍光は、実施例1では、波長λB(450nm<λB<700nm)の光である。このため、蛍光体17bは、第1出射部E1(光源11)から出射された波長λAの光(光束)を励起光として、照明光として緑色の光(蛍光)を発生する。
蛍光ホイール17では、図2に示すように、円板状基板17aが、駆動部17cの回転軸17dに取り付けられて設けられている。その駆動部17cは、駆動されると回転軸17dを介して回転駆動力を出力するものであり、制御部5(図1参照)に接続されてその制御部5の制御下で駆動される。その回転軸17dは、円板状基板17aの中心軸線に沿いつつ当該円板状基板17aに固定されている。このため、円板状基板17aは、制御部5の制御下で駆動部17cが駆動されることにより、その回転軸17dを回転中心として回転駆動される。この円板状基板17aは、第1照明系10Aの反射光路において、回転軸17dを回転中心とする回転駆動に関わらず、進行する波長λAの光(光束)が集光素子16で集光される位置(微小領域17e(図8参照))に蛍光体17bを存在させるように設けられている。
この第1照明系10Aの反射光路において、集光素子16と反射・透過ホイール14との間に第1ダイクロイックミラー18が設けられている。その第1ダイクロイックミラー18は、波長λAの光(光束)の透過を許すとともに、波長λBの光(光束)を反射する光学特性とされている。第1ダイクロイックミラー18は、蛍光体17bで発生されて集光素子16により集められた波長λBの光(光束)を、第2ダイクロイックミラー19へ向けて反射する位置関係とされている。
その第2ダイクロイックミラー19は、照明光軸Oi上において全反射ミラー15と後述する第2照明系10Bの第3ダイクロイックミラー22との間に設けられている。第2ダイクロイックミラー19は、波長λAの光(光束)の透過を許すとともに、波長λBの光(光束)を反射する光学特性とされている。この第2ダイクロイックミラー19は、第1ダイクロイックミラー18で反射された波長λBの光(光束)を、照明光軸Oi上へと反射すべく設けられている。このことから、第2ダイクロイックミラー19は、第2出射部E2から出射された光を反射する第2反射部材として機能する。
この第1照明系10Aの反射光路では、第1出射部E1(光源11)から出射されて反射・透過ホイール14の反射領域14pで反射された波長λAの光(光束)を、第1ダイクロイックミラー18を透過させて集光素子16へと進行させる。その波長λAの光(光束)は、集光素子16により集光されて、蛍光ホイール17の蛍光体17bの微小領域17e(図8参照)を照射する。すると、蛍光体17b(その微小領域17e)では、波長λAの光(光束)が励起光として作用することから、その照射された微小領域17eが励起されて、当該微小領域17eから波長λBの光(蛍光(光束))を発生させる。その波長λBの光(光束)は、直接もしくは円板状基板17aにより反射されて、集光素子16へと向かう。このとき、波長λAの光(光束)では、一部が蛍光体17b(その微小領域17e)に吸収されずに、集光素子16へと向かう。それらの光(波長λBの光、波長λAの光)は、集光素子16により集められて、第1ダイクロイックミラー18へと向かう。
その第1ダイクロイックミラー18は、上述した光学特性により、集光素子16を経た波長λBの光(光束)を第2ダイクロイックミラー19へ向けて反射し、集光素子16を経た波長λAの光(光束)を透過させる。その第2ダイクロイックミラー19は、上述した光学特性により、第1ダイクロイックミラー18で反射された波長λBの光(光束)を、照明光軸Oi上へと反射する。このため、第1照明系10Aの反射光路では、波長λBの光(光束)を照明光軸Oi上へと導くとともに、励起光としての波長λAの光(光束)を照明光軸Oi上へと導くことが防止されている。
このことから、蛍光体17bは、発生する波長λBの光(光束)を第1照明系10Aの反射光路の各光学素子に適切に入射させるべく当該光(光束)を集める機能を有する集光素子16と協働して、波長λBの光(光束)を射出する第2出射部E2を構成する。すなわち、集光素子16は、蛍光体17bからの波長λBの光(光束)を成形(カップリング)して第2出射部E2として利用可能とする。このため、蛍光体17bは、第2出射部E2における第2光源としての蛍光体として機能し、集光素子16は、第2出射部E2における第2カップリングレンズとして機能する。この第2出射部E2は、第2出射光軸O2上に光(光束)を出射する。すなわち、第2光源としての蛍光体17bから発生されて、第2カップリングレンズとしての集光素子16により集められた光(光束)は、第2出射光軸O2上を進行する。その第2出射光軸O2は、第1ダイクロイックミラー18により折り返されて第2ダイクロイックミラー19に至る。このため、第2ダイクロイックミラー19は、第2出射部E2(蛍光体17b)から発生されて第1ダイクロイックミラー18を経た波長λBの光(光束)を、後述するように各色の光を出射させる照明光軸Oi上に合流させる合流光学素子として機能する。換言すると、第2ダイクロイックミラー19は、後述する第2出射光路P2を、照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に合流させる合流光学素子として機能する。
この第2ダイクロイックミラー19は、実施例1では、図9から図12に示すように、反射面となる表面が矩形を呈する板状とされており、角度調整機構19Aにより角度の調整が可能とされる(図11および図12参照)。その角度調整機構19Aは、基本的な構成は上記した全反射ミラー15の角度調整を可能とする角度調整機構15Aと同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明および全体構成の図示は省略する。角度調整機構19Aでは、第2ダイクロイックミラー19がミラー受け部材50Aを介して設置部材60Aに取り付けられる。
そのミラー受け部材50Aは、基本的に角度調整機構15Aのミラー受け部材50と同様である。ミラー受け部材50Aでは、ミラー受け部材50とは異なり、光線透過窓55が設けられている。その光線透過窓55は、第1照明系10Aの透過光路により照明光軸Oi上に導かれた第1出射部E1(光源11)から出射された波長λAの光(光束)を、第2ダイクロイックミラー19が透過させることを可能とする。すなわち、光線透過窓55は、第2ダイクロイックミラー19における1つの機能である波長λAの光(光束)の透過を許すことを可能とする。この光線透過窓55は、ミラー受け部材50Aを部分的に切り欠いて形成されている。この光線透過窓55は、ミラー受け部材50Aにおいてx軸方向で偏って(図10では左側)設けられている。なお、光線透過窓55は、波長λAの光(光束)を透過させる材料からなるガラス等の部材で形成されていてもよい。また、ミラー受け部材50Aを、波長λAの光(光束)を透過させる材料で形成するものとすれば、光線透過窓55を設けなくても良い。但し、このような構成とする場合には、入射角度に応じた屈折により波長λAの光(光束)の進行方向が変化する可能性を考慮して、適宜部材を選択したり設置位置を調整したりすることが望ましい。
ミラー受け部材50Aでは、光線透過窓55が設けられることに伴って、調整支点部53Aと他方のネジ受けボス部54Aとの位置が、上記したミラー受け部材50とは異なるものとされている。その調整支点部53Aは、x軸方向で光線透過窓55とは反対側に偏って(図10では右側)設けられている。すなわち、調整支点部53Aは、x軸上において、光線透過窓55を避ける位置に設けられている。他方のネジ受けボス部54Aは、x軸方向で見て調整支点部53Aと等しい位置とされて、ミラー受け部材50A(その裏面50b)の縁辺部の近傍(図10では上端部)に設けられている。すなわち、他方のネジ受けボス部54Aは、上記したミラー受け部材50と比較して、調整支点部53Aがx軸方向で変位された量(大きさ)と等しい量(大きさ)だけx軸方向で変位されて設けられている。
このため、ミラー受け部材50Aすなわち角度調整機構19Aでは、x軸方向で見て調整支点部53A(そのネジ穴53aの中心軸線)と他方のネジ受けボス部54A(そのネジ穴54aの中心軸線)とが設けられた位置をy軸とする。これにより、ミラー受け部材50A(角度調整機構19A)では、x軸とy軸とが交わる位置が、調整支点部53Aのネジ穴53aの中心軸線上に位置することとなる。このことから、ミラー受け部材50A(角度調整機構19A)では、上記したミラー受け部材50と比較して、y軸がx軸方向に変位されている。
設置部材60Aは、基本的に角度調整機構15Aの設置部材60と同様である。設置部材60Aでは、設置部材60とは異なり、取付片部62Aに光線透過窓68(図12参照)が設けられている。その光線透過窓68は、光線透過窓55と同様の作用を為すものであり、第1照明系10Aの透過光路により照明光軸Oi上に導かれた第1出射部E1(光源11)から出射された波長λAの光(光束)を、第2ダイクロイックミラー19が透過させることを可能とする。すなわち、光線透過窓68は、第2ダイクロイックミラー19における1つの機能である波長λAの光(光束)の透過を許すことを可能とする。この光線透過窓68は、取付片部62Aにおいてx軸方向で偏って(図12では左側)設けられてており、ミラー受け部材50Aが設置部材60Aに取り付けられる状態において光線透過窓55とz軸方向で対向するものとされている(図12参照)。光線透過窓68は、ミラー受け部材50Aを部分的に切り欠いて形成されている。なお、光線透過窓68は、波長λAの光(光束)を透過させる材料からなるガラス等の部材で形成されていてもよい。また、取付片部62A(設置部材60A)を、波長λAの光(光束)を透過させる材料で形成するものとすれば、光線透過窓68を設けなくても良い。但し、このような構成とする場合には、入射角度に起因する屈折により波長λAの光(光束)の進行方向が変化する可能性を考慮して、適宜部材を選択したり設置位置を調整したりすることが望ましい。
取付片部62A(設置部材60A)では、光線透過窓68が設けられることに伴って、支点突起63A(受入凹所64A)と他方の調整ネジ挿通孔67Aとの位置が、上記した取付片部62(設置部材60)とは異なるものとされている。その支点突起63A(受入凹所64A)は、x軸方向で光線透過窓68とは反対側に偏って(図12では右側)設けられている。すなわち、支点突起63A(受入凹所64A)は、x軸上において、光線透過窓68を避ける位置に設けられている。他方の調整ネジ挿通孔67Aは、x軸方向で見て支点突起63A(受入凹所64A)と等しい位置とされて、取付片部62の縁辺部の近傍(図12では上端部)に設けられている。すなわち、他方の調整ネジ挿通孔67Aは、上記した設置部材60と比較して、支点突起63A(受入凹所64A)がx軸方向で変位された量(大きさ)と等しい量(大きさ)だけx軸方向で変位されて設けられている。
この角度調整機構19Aは、次のように組み付けられる。先ず、図12に示すように、第2ダイクロイックミラー19(その裏面)をミラー受け部材50Aの表面50a(図11参照)に宛がう。そして、その第2ダイクロイックミラー19の各辺縁部に、対応する一対の位置決め突起51または2つの位置決め突起52を当てる(矢印A11参照)。その状態において、y軸方向で対を為す辺縁部における位置決め突起52が設けられていない位置に、2つの両押さえバネ71を装着する(矢印A12参照)。これにより、第2ダイクロイックミラー19とミラー受け部材50Aとは、x−y平面に沿う方向で見て位置決めされて重ねられた状態で固定される(図11等参照)。このとき、第2ダイクロイックミラー19では、裏面がミラー受け部材50Aの表面50a(図11参照)に宛がわれているが、そのミラー受け部材50Aには光線透過窓55が設けられている。このため、第2ダイクロイックミラー19では、光線透過窓55を経ることで、ミラー受け部材50Aの裏面側から進行して来た波長λAの光(光束)を受けることができ、当該波長λAの光(光束)を透過させることができる。
その後、第2ダイクロイックミラー19が固定されたミラー受け部材50Aの裏面50bを、設置部材60Aの取付片部62Aに対向させる。その対向状態において、調整支点ネジ72の軸部72bを、支点用コイルバネ74に通し、設置部材60Aの受入凹所64Aの調整支点ネジ挿通孔65に通して、ミラー受け部材50Aの調整支点部53Aのネジ穴53aに固定する(矢印A13参照)。このとき、支点用コイルバネ74は、一端が受入凹所64A内に収容されて、その受入凹所64Aと調整支点ネジ72の頭部72aとの間で圧縮される(図11参照)。このため、支点用コイルバネ74の弾性力により、調整支点ネジ72が固定されたミラー受け部材50Aの調整支点部53Aが、調整支点ネジ挿通孔65の端部に設けられた調整座面66に嵌り込みつつ押し当てられる(図11参照)。
また、上記した対向状態において、各調整ネジ73の軸部73bを、対応する取付片部62Aの調整ネジ挿通孔67に通し、対応する調整用コイルバネ75に通して、ミラー受け部材50Aの対応するネジ受けボス部54のネジ穴54aに固定する(矢印A14参照)。このとき、調整用コイルバネ75は、図11に示すように、一端がネジ受けボス部54を取り囲むように位置されて、そのネジ受けボス部54が設けられたミラー受け部材50Aと取付片部62A(設置部材60A)との間で圧縮される。このため、調整用コイルバネ75の弾性力により、軸部73bがネジ受けボス部54に固定された各調整ネジ73の頭部73aが、取付片部62A(その調整ネジ挿通孔67の周辺)に押し当てられる。
これにより、第2ダイクロイックミラー19がミラー受け部材50Aを介して設置部材60Aに取り付けられて、角度調整機構19Aが組み付けられる。この角度調整機構19Aは、第2出射部E2(蛍光体17b)から出射された波長λBの光(光束)を反射して照明光軸Oi上に導くべく、第2出射光軸O2と照明光軸Oiとが交わる位置に第2ダイクロイックミラー19を位置させるように設置される。このとき、角度調整機構19Aは、z軸方向で対向する、ミラー受け部材50Aに設けられた光線透過窓55と、取付片部62A(設置部材60A)に設けられた光線透過窓68と、の内方に照明光軸Oiを位置させるものとする。その角度調整機構19Aは、設置部材60Aの設置片部61が照明光源装置10内の所定の位置に固定されることにより設置される。このため、角度調整機構19Aでは、第1照明系10Aの透過光路により照明光軸Oi上に導かれた第1出射部E1(光源11)からの波長λAの光(光束)を、光線透過窓68および光線透過窓55を経て第2ダイクロイックミラー19に到達させることができる。
この角度調整機構19Aでは、角度調整機構15Aと同様に、一方のネジ受けボス部54に固定された調整ネジ73を回転させることで、ミラー受け部材50Aすなわち第2ダイクロイックミラー19をy軸を回転中心として回転させることができる。そして、角度調整機構19Aでは、調整ネジ73のネジ受けボス部54(そのネジ穴54a)への噛み合わせの量を調節することにより、そのy軸を回転中心とする第2ダイクロイックミラー19(ミラー受け部材50A)の回転量を調節することができる。同様に、角度調整機構19Aでは、他方のネジ受けボス部54Aに固定された調整ネジ73を回転させることで、ミラー受け部材50Aすなわち第2ダイクロイックミラー19を、y軸を回転中心として回転させることができ、その回転量を調節することができる。よって、角度調整機構19Aでは、支持した第2ダイクロイックミラー19の角度の調整を可能とする。
この角度調整機構19Aでは、基本的に上記した角度調整機構15Aと等しい構成であることから、同様の効果を得ることができる。それに加えて、角度調整機構19Aでは、ミラー受け部材50Aに設けられた光線透過窓55と、取付片部62A(設置部材60A)に設けられた光線透過窓68と、がz軸方向で対向されている。このため、角度調整機構19Aでは、取付片部62A(設置部材60A)の裏面側から進行して来た波長λAの光(光束)を、光線透過窓68および光線透過窓55を経て第2ダイクロイックミラー19に到達させることができる。角度調整機構19Aでは、その光線透過窓68および光線透過窓55を、照明光軸Oiを内方に位置させる位置関係とされている。これにより、角度調整機構19Aでは、第2ダイクロイックミラー19が、第2出射部E2(蛍光体17b)から発生されて第1ダイクロイックミラー18を経た第2出射光軸O2上の波長λBの光(光束)を、照明光軸Oi上へと反射することを可能とする。また、角度調整機構19Aでは、第2ダイクロイックミラー19が、第1照明系10Aの透過光路により照明光軸Oi上に導かれた第1出射部E1(光源11)からの波長λAの光(光束)を、透過させて照明光軸Oi上を進行させることを可能とする。
なお、この角度調整機構19Aは、第2ダイクロイックミラー19に用いていたが、第1ダイクロイックミラー18に用いるものであってもよく、双方のダイクロイックミラー(19、18)に用いるものであってもよく、実施例1の構成に限定されるものではない。
ここで、第1照明系10Aでは、光の進行方向で見て、第1出射光軸O1上で第1出射部E1(その出射箇所となる第1カップリングレンズ13)の後から反射・透過ホイール14に至る間に、波長λAの光(光束)を照明光とする場合と励起光とする場合とが混在する。また、第1照明系10Aでは、反射・透過ホイール14から全反射ミラー15を経て第2ダイクロイックミラー19に至る間に、波長λAの光(光束)のみが通り波長λBの光(光束)は通らない。さらに、第1照明系10Aでは、蛍光体17bから集光素子16を経て第1ダイクロイックミラー18へと至る間が、蛍光体17bからの波長λBの光(光束)を通すとともに、第1出射部E1からの励起光(波長λAの光(光束))を通す。ついで、第1照明系10Aでは、第1ダイクロイックミラー18から第2ダイクロイックミラー19に至る間に、波長λBの光(光束)のみが通り波長λAの光(光束)は通らない。
このため、第1照明系10Aでは、反射・透過ホイール14から全反射ミラー15を経て第2ダイクロイックミラー19に至る間が、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)を照明光軸Oi上に導く第1出射光路P1として機能する。その第1出射光路P1には、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)を、照明光軸Oi上において導光光学系2のライトトンネル6へと適切に入射させるために、当該波長λAの光(光束)を集める光学素子31が設けられている。この光学素子31は、レンズ等で構成されている。また、第1照明系10Aでは、第1ダイクロイックミラー18から第2ダイクロイックミラー19に至る間が、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)を照明光軸Oi上に導く第2出射光路P2として機能する。その第2出射光路P2には、第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)を、照明光軸Oi上において導光光学系2のライトトンネル6へと適切に入射させるために、当該波長λBの光(光束)を集める光学素子32が設けられている。この光学素子32は、レンズ等で構成されている。そして、第1照明系10Aでは、反射・透過ホイール14(光路切替部)が、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)を、蛍光体17bの励起に使用する光路(反射光路)と、スクリーンScへの照射に使用する光路(透過光路)と、に分岐する。
ここで、蛍光ホイール17の蛍光体17bでは、図8に示すように、集光素子16を経た波長λAの光(光束)が微小領域17eに小さな点状(スポット状)に照射される。このため、蛍光体17bでは、照射される位置である微小領域17eが同一の箇所に形成され続けると、すなわち波長λAの光(光束)による小さな点状の照射位置が同一箇所であると、蛍光の生成効率が低下したり、発光特性が劣化したりする虞がある。これに対し、実施例1の蛍光ホイール17では、円板状基板17aが回転軸17dを中心とする回転駆動が可能とされていることから、その円板状基板17aを常時回転駆動させることにより、微小領域17eが形成される箇所を時間的に変化させることができる。すなわち、蛍光体17bでは、波長λAの光(光束)による小さな点状の照射位置を時間的に変化させることができ、波長λAの光(光束)のエネルギーが同一箇所(微小領域17e)に集中され続けることを防止することができる。このため、蛍光ホイール17(照明光源装置10)では、蛍光体17bにおける蛍光の生成効率の低下や、蛍光体17bの発光特性の劣化を防止することができる。加えて、照明光源装置10では、反射・透過ホイール14を設けることにより、第1出射部E1(光源11)から出射された波長λAの光(光束)が進行する方向を、第1照明系10Aにおける透過光路と反射光路との間で単位時間(1秒)内に交互に切り替えている。このため、照明光源装置10では、単位時間あたりに蛍光体17bに励起光としての波長λAの光(光束)が照射される時間を短くすることができるので、蛍光体17bにおける蛍光の生成効率が低下や、蛍光体17bの発光特性の劣化をより効果的に防止することができる。
なお、実施例1では、蛍光ホイール17を用いているが、微小領域17eが形成される箇所すなわち波長λAの光(光束)による小さな点状の照射位置を、時間的に変化させることができるものであれば、他の構成であってもよく、実施例1の例に限定されるものではない。そのような構成としては、例えば、円板状基板17aに替えて長尺な板形状として、その長尺方向に伸びて蛍光体17bを設けるとともに、その長尺方向に板状部材を往復移動させることにより、実現することができる。
光源12を利用する第2照明系10Bは、図2に示すように、第3カップリングレンズ21と、第3ダイクロイックミラー22と、を有する。第3カップリングレンズ21は、少なくとも1つ以上のレンズからなり、光源12から出射された波長λCの光(光束)を第2照明系10Bの各光学素子に適切に入射させるべく当該光(光束)を集める。この第3カップリングレンズ21は、光源12と協働して、波長λCの光(光束)を射出する第3出射部E3を構成する。すなわち、第3カップリングレンズ21は、光源12からの波長λCの光(光束)を成形(カップリング)して第3出射部E3として利用可能とする。このため、光源12は、第3出射部E3における第3光源として機能する。この第3出射部E3は、第2照明系10Bの第3出射光軸O3上に波長λCの光(光束)を出射する。すなわち、光源12から出射されて第3カップリングレンズ21により集められた波長λCの光(光束)は、第3出射光軸O3上を進行する。その第3出射光軸O3上に第3ダイクロイックミラー22が設けられている。
その第3ダイクロイックミラー22は、波長λAの光(光束)および波長λBの光(光束)の透過を許すとともに、波長λCの光(光束)を反射する光学特性とされている。第3ダイクロイックミラー22は、照明光軸Oi上であって、第2ダイクロイックミラー19から見て全反射ミラー15とは反対側に設けられている。すなわち、第3ダイクロイックミラー22は、照明光軸Oi上における光の進行方向で見て、全反射ミラー15(第1出射光路P1)および第2ダイクロイックミラー19(第2出射光路P2)よりも後側に設けられている。この第3ダイクロイックミラー22は、第3出射部E3から出射された波長λCの光(光束)、すなわち光源12から出射されて第3カップリングレンズ21により集められた波長λCの光(光束)を、照明光軸Oi上へと反射する位置関係とされている。換言すると、第3ダイクロイックミラー22は、第3出射光軸O3と照明光軸Oiとが交わる位置に設けられている。このことから、第3ダイクロイックミラー22は、第3出射部E3から出射された光を反射する第3反射部材として機能する。このため、第3出射部E3(光源12)から出射された波長λCの光(光束)は、第3ダイクロイックミラー22へと進行し、当該第3ダイクロイックミラー22により反射されて、照明光軸Oi上を進行する。すなわち、第2照明系10Bでは、第3出射部E3(光源12)から出射された波長λCの光(光束)を、第3ダイクロイックミラー22により照明光軸Oi上に導く。
このため、第2照明系10Bは、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)を照明光軸Oi上に導く第3出射光路P3として機能する。そして、第3ダイクロイックミラー22は、第3出射部E3(光源12)から出射された波長λCの光(光束)を、後述するように各色の光を出射させる照明光軸Oi上に合流させる合流光学素子として機能する。換言すると、第3ダイクロイックミラー22は、第3出射光路P3を、照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に合流させる合流光学素子として機能する。
この第3ダイクロイックミラー22は、実施例1では、反射面となる表面が矩形を呈する板状とされており、第2ダイクロイックミラー19に用いたものと同様の角度調整機構(19A(図9から図12参照))により角度の調整が可能とされる。すなわち、当該角度調整機構(19A)では、第2ダイクロイックミラー19に変えて第3ダイクロイックミラー22を設けることにより、支持した第3ダイクロイックミラー22の角度の調整を可能とすることができる。その角度調整機構(19A)では、支持する第3ダイクロイックミラー22を上記した位置関係とするように、設置部材60Aの設置片部61を照明光源装置10内の所定の位置に固定されることにより設置される。
この照明光源装置10は、上述したように、第1照明系10Aの透過光路により、第1出射部E1(光源11)から出射された波長λAの光(光束)を照明光軸Oi上に導くことができる。その照明光源装置10では、照明光軸Oi上に第2ダイクロイックミラー19および第3ダイクロイックミラー22が設けられているが、各ダイクロイックミラー(19、22)は上述した光学特性とされていることから波長λAの光(光束)を透過させる。換言すると、第2ダイクロイックミラー19および第3ダイクロイックミラー22は、照明光軸Oi上において、第1照明系10Aの透過光路からの波長λAの光(光束)の進行方向に対しては光学的な作用を及ぼさない(何らの影響を与えない)ものとされている。このため、照明光軸Oi上に導かれた波長λAの光(光束)は、各ダイクロイックミラー(19、22)を透過する。
また、照明光源装置10は、上述したように、第1照明系10Aの反射光路により、第2出射部E2(蛍光体17b)から出射された波長λBの光(光束)を照明光軸Oi上に導くことができる。その照明光源装置10では、照明光軸Oi上に第3ダイクロイックミラー22が設けられているが、第3ダイクロイックミラー22は上述した光学特性とされていることから波長λBの光(光束)を透過させる。換言すると、第3ダイクロイックミラー22は、照明光軸Oi上において、第1照明系10Aの反射光路からの波長λBの光(光束)の進行方向に対しては光学的な作用を及ぼさない(何らの影響を与えない)ものとされている。このため、照明光軸Oi上に導かれた波長λBの光(光束)は、第3ダイクロイックミラー22を透過する。
さらに、照明光源装置10は、上述したように、第2照明系10Bにより、第3出射部E3(光源12)から出射された波長λCの光(光束)を照明光軸Oi上に導くことができる。
これにより、照明光源装置10は、波長λAの光(光束)と、波長λBの光(光束)と、波長λCの光(光束)と、を単一の照明光軸Oi上に導くことができる。この照明光軸Oiは、照明光源装置10における波長λAの光(光束)と波長λBの光(光束)と波長λCの光(光束)とを照明光路Pi(その共通光路)から出射する光軸とされている。このため、照明光源装置10は、波長λAの光(光束)と波長λBの光(光束)と波長λCの光(光束)とを、照明光軸Oi上で出射することができる。そして、照明光源装置10は、実施例1では、照明光路Piの照明光軸Oiを導光光学系2(図1参照)のライトトンネル6の中心軸線に一致させて配置されている。このため、照明光源装置10は、波長λAの光(光束)と波長λBの光(光束)と波長λCの光(光束)とをライトトンネル6へと入射させることができる。
この照明光源装置10では、制御部5により、反射・透過ホイール14が回転駆動されつつ、その反射・透過ホイール14の回転姿勢(第1出射光軸O1上に反射領域14pもしくは透過領域14qが存在するタイミング)に応じて光源11が点灯制御される。すると、照明光源装置10では、画像データにより構築されるべき色に応じて適宜第1照明系10Aの透過光路と反射光路とに波長λAの光(光束)を進行させる。その反射・透過ホイール14は、実施例1では、1秒間に120回転するものとし、1フレーム(例えば、1/120秒)の間に例えば1回転されるものとされている。そして、照明光源装置10では、制御部5により、上述した第1照明系10Aでの制御とともに画像データにより構築されるべき色に応じて光源12の点灯制御が為される。これにより、照明光源装置10は、制御部5の制御下で、画像データすなわち画像形成部3の駆動に同期させて、波長λA、波長λB、波長λCの光(光束)を照明光として順次照明光軸Oi上で出射する。
なお、照明光源装置10では、第1照明系10A(その透過光路)からの波長λAの光(光束)と、第2照明系10Bからの波長λCの光(光束)と、を一緒に照明光軸Oi上で出射すると、加色法の原理によりマゼンタ(M)の照明光を出射することができる。また、照明光源装置10では、第1照明系10A(その反射光路)からの波長λBの光(光束)と、第2照明系10Bからの波長λCの光(光束)と、を一緒に照明光軸Oi上で出射すると、加色法の原理によりイエロー(Y)の照明光を出射することができる。このため、波長λA、波長λB、波長λCの光(光束)に合わせて、それらを適宜使用する構成としてもよい。
そして、投射装置1では、図1に示すように、照明光源装置10から出射された波長λA、波長λB、波長λCの照明光が、導光光学系2のライトトンネル6に導かれてそれぞれ均一照度となる。投射装置1では、上述したように、順次切り替えて照射されて均一照度とされた波長λA、波長λB、波長λCの光が、導光光学系2を経て画像形成部3を照射する。そして、投射装置1では、上述したように、画像形成部3で生成された各色の投影画像を投影光学系4により順次スクリーンScに投影させて、画像生成データに基づくフルカラーの画像をスクリーンScに生成する。
次に、実施例1の照明光源装置10における第2照明系10Bの具体的な構成例について、図13を用いて説明する。なお、図13では、理解容易のために、第2照明系10Bおよびその光線図のみを示しており、第1照明系10Aおよびその光線図は省略している。また、図13では、理解容易のために、図2と同様に、照明光路Piの照明光軸Oi上に、出射位置となる導光光学系2のライトトンネル6を合わせて示している。
第2照明系10Bは、上述したように、光源12と、第3カップリングレンズ21と、第3ダイクロイックミラー22と、を有する。その光源12は、上述したように赤色のLED(発光ダイオード)であることから、波長λCの光を略ランバート分布で発光(出射)する。第2照明系10Bでは、その光源12から出射される波長λCの光(光束)の分布を考慮して、第3カップリングレンズ21を設計している。
その第3カップリングレンズ21は、実施例1では、第2照明系10Bにおいて、第3出射光軸O3上で、光源12側から4枚の平凸レンズである4枚のレンズ21a、21b、21c、21dが並べられて構成されている。このレンズ21a、21b、21cは、凸面が第3ダイクロイックミラー22側(光源12とは反対側)とされており、レンズ21dは、凸面が光源12側(レンズ21cと対向する側)とされている。その第3カップリングレンズ21は、光源12から出射された波長λCの光(光束)を、第3ダイクロイックミラー22に適切に入射させるとともに、そこを経て導光光学系2のライトトンネル6に適切に入射させるべく集光する。この4つのレンズ21a、21b、21c、21dは、第3カップリングレンズ21を構成することから、光源12と協働して、波長λCの光を射出する第3出射部E3を構成する。
その第3ダイクロイックミラー22は、上述したように第3出射光軸O3と照明光軸Oiとが交わる位置に設けられて、第3出射部E3(光源12)から出射された波長λCの光(光束)を反射して、照明光軸Oi上に導く。この照明光源装置10(第2照明系10B)は、上述したように、その照明光軸Oi上にライトトンネル6の中心軸線が一致されて配置されている。このため、第2照明系10Bは、第3出射部E3(光源12)から出射した波長λCの光(光束)を、ライトトンネル6すなわち導光光学系2へ向けて出射することができる。
次に、各色の光を照明光として出射させる照明光源装置の従来の技術の課題について説明する。従来の照明光源装置では、第1出射部の第1光源として緑の波長帯域光を発する蛍光体と、第2出射部の第2光源として赤の波長帯域光を発するLEDと、第3出射部の第3光源として青の波長帯域光を発するLEDと、を用いるものがある(特許文献1参照)。その第1出射部では、励起光照射装置(励起光源)として青色レーザダイオードを用い、そこから射出された励起光としてのレーザ光を蛍光体に照射し、その蛍光体を励起させることで当該蛍光体からの蛍光(励起光)で緑の波長帯域光を生成する。この照明光源装置の各出射部は、それぞれ光源としての蛍光体もしくはLEDから発せられた光を、光学部材としての集光レンズ群で集光(カップリング)して出射する。そして、照明光源装置では、3つの出射部(光源)から出射された各色の光を単一の照明光軸上に合成して、当該照明光軸上で赤、緑、青の各色の光を出射させる。
しかしながら、上記した照明光源装置では、照明光軸上に設けられた光学部材が複数の色の光の進行方向に光学的な作用を及ぼす(影響を与える)ものとされており、3つの出射部(光源)から出射された各色の光が進行する位置を個別に調整することができない。これは、例えば、第2出射部から出射された赤の波長帯域の光を、導光光学系の集光レンズに適切に入射させようとして、第2ダイクロイックミラーの角度もしくは位置を変更すると、第1出射部から出射された緑の波長帯域の光の入射位置も変化させてしまう。このように、光源(蛍光体もしくはLED)と集光レンズ群とにより構成された各出射部から出射される光が進行する位置を、個別に調整することができない。このことは、照明光源装置の各部材(光源としての蛍光体もしくはLEDや、各光学素子等)に公差が存在することから、適切な位置を照明することができなくなり、照明効率の設計値からの低下を招いてしまう虞がある。
ここで、上記した照明光源装置では、各出射部が、光源(蛍光体もしくはLED)と集光レンズ群とを有するものとされている。このため、上記した照明光源装置では、各出射部において光源(蛍光体もしくはLED)に対する集光レンズ群の位置を調整することにより、各光源から出射された各色の光が進行する位置を個別に調整することができる。しかしながら、そのような構成を可能とするためには、各集光レンズ群を対応する光源に対して該当する出射部の光軸に直交する方向へと移動させる必要がある。すると、上記した照明光源装置では、各出射部において、各集光レンズ群を対応する光源に対して光軸に直交する方向へと移動させた状態であっても、当該光源から発せられた光を集光(カップリング)して出射することのできる大きさ寸法とする必要がある。このため、上記した照明光源装置では、上記したような構成を可能とするためには、各集光レンズ群の光軸に直交する方向での大きさ寸法の増大を招いてしまい、延いては照明光源装置(それを用いる投射装置)の大きさ寸法の増大を招いてしまう。
また、上記した照明光源装置では、第2光源および第3光源にLED(発光ダイオード)を用いていることから、第2光源から出射される赤(R)の波長帯域光が、複数の光学素子(光学部材)を通ることとなり、十分な光量を得るのが困難となってしまう。これは、光源としてレーザダイオードを用いる場合、当該レーザダイオードをアレイ状に並べることで、大きさ寸法の増大を抑制しつつ容易に光量を上げることができる。ところが、LEDでは、発光面積が大きいことから、複数並べると効率の悪化を招いてしまうとともに、それぞれから出射された光を合成するための光学系の大きさ寸法の増大を招いてしまうことによる。
これに対し、本発明に係る照明光源装置の一実施例としての照明光源装置10では、全反射ミラー15の角度もしくは位置を変化させることにより、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)の出射位置を変化させることができる。その全反射ミラー15は、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)を反射するものであって、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)および第3出射部E3からの波長λCの光(光束)は入射しない。このため、全反射ミラー15は、角度もしくは位置が変化されても、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)および第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の出射位置を変化させることはない。よって、照明光源装置10では、全反射ミラー15の角度もしくは位置を変化させることにより、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)の出射位置を個別に調整することができる。このため、全反射ミラー15は、第1調整光学部材として機能する。
また、照明光源装置10では、光学素子31の位置を変化させることにより、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)の出射位置を変化させることができる。その光学素子31は、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)を通すものであって、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)および第3出射部E3からの波長λCの光(光束)は入射しない。このため、光学素子31は、位置が変化されても、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)および第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の出射位置を変化させることはない。よって、照明光源装置10では、光学素子31の位置を変化させることにより、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)の出射位置を個別に調整することができる。このため、光学素子31は、第1調整光学部材として機能する。
さらに、照明光源装置10では、第1ダイクロイックミラー18または第2ダイクロイックミラー19の角度もしくは位置を変化させることにより、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)の出射位置を変化させることができる。その第1ダイクロイックミラー18および第2ダイクロイックミラー19は、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)を反射するものであって、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)を透過させて、その進行方向に光学的な作用を及ぼさない。また、第1ダイクロイックミラー18および第2ダイクロイックミラー19には、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)は入射しない。このため、第1ダイクロイックミラー18または第2ダイクロイックミラー19は、角度もしくは位置が変化されても、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)および第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の出射位置を変化させることはない。よって、照明光源装置10では、第1ダイクロイックミラー18または第2ダイクロイックミラー19の角度もしくは位置を変化させることにより、第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)の出射位置を個別に調整することができる。このため、第1ダイクロイックミラー18および第2ダイクロイックミラー19は、第2調整光学部材として機能する。
照明光源装置10では、光学素子32の位置を変化させることにより、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)の出射位置を変化させることができる。その光学素子32は、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)を通すものであって、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)および第3出射部E3からの波長λCの光(光束)は入射しない。このため、光学素子32は、位置が変化されても、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)および第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の出射位置を変化させることはない。よって、照明光源装置10では、光学素子32の位置を変化させることにより、第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)の出射位置を個別に調整することができる。このため、光学素子32は、第2調整光学部材として機能する。
照明光源装置10では、第3ダイクロイックミラー22の角度もしくは位置を変化させることにより、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の出射位置を変化させることができる。その第3ダイクロイックミラー22は、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)を反射するものであって、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)および第2出射部E2からの波長λBの光(光束)を透過させて、その進行方向に光学的な作用を及ぼさない。このため、第3ダイクロイックミラー22は、角度もしくは位置が変化されても、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)および第2出射部E2からの波長λBの光(光束)の出射位置を変化させることはない。よって、照明光源装置10では、第3ダイクロイックミラー22の角度もしくは位置を変化させることにより、第3出射部E3から出射された波長λCの光(光束)の出射位置を個別に調整することができる。このため、第3ダイクロイックミラー22は、第3調整光学部材(調整光学部材)として機能する。
照明光源装置10では、第1調整光学部材(全反射ミラー15もしくは光学素子31)を、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)を照明光軸Oi上に導く第1出射光路P1に設けている。その第1出射光路P1は、基本的に、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)を照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に合流させるために、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)のみを通す箇所である。このため、照明光源装置10では、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)および第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の進行方向に光学的な作用を及ぼさないように、第1調整光学部材を設けることを容易なものとすることができる。
照明光源装置10では、第2調整光学部材(第1ダイクロイックミラー18、第2ダイクロイックミラー19もしくは光学素子32)を、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)を照明光軸Oi上に導く第2出射光路P2に設けている。その第2出射光路P2は、基本的に、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)を照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に合流させるために、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)のみを通す箇所である。このため、照明光源装置10では、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)および第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の進行方向に光学的な作用を及ぼさないように、第2調整光学部材を設けることを容易なものとすることができる。
照明光源装置10では、第3調整光学部材(第3ダイクロイックミラー22)を、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)を照明光軸Oi上に導く第3出射光路P3に設けている。その第3出射光路P3は、基本的に、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)を照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に合流させるために、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)のみを通す箇所である。このため、照明光源装置10では、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)および第2出射部E2からの波長λBの光(光束)の進行方向に光学的な作用を及ぼさないように、第2調整光学部材を設けることを容易なものとすることができる。
照明光源装置10では、第1調整光学部材として、第1出射光路P1を照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に合流させるべく照明光軸Oi上に設けられた全反射ミラー15を用いている。このため、照明光源装置10では、全反射ミラー15の照明光軸Oiに対する角度もしくは位置を変化させることにより、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)の照明光軸Oiに対する位置を個別に調整することができる。よって、照明光源装置10では、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)の出射位置の調整を容易なものとすることができる。
照明光源装置10では、第1調整光学部材としての全反射ミラー15を、角度調整機構15Aにより、自らが存在する平面(反射する表面に沿うx−y平面)に沿うx軸およびy軸を中心とする回転方向での回転量の調整(角度調整)を可能としている。このため、照明光源装置10では、全反射ミラー15の角度調整を行うことにより、当該全反射ミラー15の位置を変化させることなく、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)の出射位置を変化させることができる。そして、照明光源装置10では、全反射ミラー15が、波長λAの光(光束)を反射することで照明光軸Oi上に導くもの(合流光学素子)とされている。このため、照明光源装置10では、進行する波長λAの光(光束)が照明光軸Oi上に位置するように全反射ミラー15の角度を変化させればよいので、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)の出射位置の調整を容易なものとすることができる。これらのことから、照明光源装置10では、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)および第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の出射位置を変化させることなく、容易にかつ適切に波長λAの光(光束)の出射位置を調整することができる。
照明光源装置10では、角度調整機構15Aにより、第1調整光学部材としての全反射ミラー15の角度調整を可能としている。このため、照明光源装置10では、各出射部の集光レンズ群(第1出射部E1であれば第1カップリングレンズ13)を光軸(第1出射部E1であれば第1出射光軸O1)に直交する方向へと移動可能な構成とすることと比較して、大きさ寸法が増大することを抑制することができる。
照明光源装置10では、第2調整光学部材として、第2出射光路P2を照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に合流させるべく照明光軸Oi上に設けられた第2ダイクロイックミラー19を用いている。このため、照明光源装置10では、第2ダイクロイックミラー19の照明光軸Oiに対する角度もしくは位置を変化させることにより、第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)の照明光軸Oiに対する位置を個別に調整することができる。よって、照明光源装置10では、第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)の出射位置の調整を容易なものとすることができる。
照明光源装置10では、第2調整光学部材としての第2ダイクロイックミラー19を、角度調整機構19Aにより、自らが存在する平面(反射する表面に沿うx−y平面)に沿うx軸およびy軸を中心とする回転方向での回転量の調整(角度調整)を可能としている。このため、照明光源装置10では、第2ダイクロイックミラー19の角度調整を行うことにより、当該第2ダイクロイックミラー19の位置を変化させることなく、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)の出射位置を変化させることができる。そして、照明光源装置10では、第2ダイクロイックミラー19が、波長λBの光(光束)を反射することで照明光軸Oi上に導くもの(合流光学素子)とされている。このため、照明光源装置10では、進行する波長λBの光(光束)が照明光軸Oi上に位置するように第2ダイクロイックミラー19の角度を変化させればよいので、第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)の出射位置の調整を容易なものとすることができる。これらのことから、照明光源装置10では、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)および第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の出射位置を変化させることなく、容易にかつ適切に波長λBの光(光束)の出射位置を調整することができる。なお、このことは、上述したように角度調整機構19Aに第1ダイクロイックミラー18に用いて、その第1ダイクロイックミラー18の角度調整を容易なものとする場合であっても同様である。
照明光源装置10では、角度調整機構19Aにより、第2調整光学部材としての第2ダイクロイックミラー19の角度調整を可能としている。このため、照明光源装置10では、各出射部の集光レンズ群(第2出射部E2であれば集光素子16)を光軸(第2出射部E2であれば第2出射光軸O2)に直交する方向へと移動可能な構成とすることと比較して、大きさ寸法が増大することを抑制することができる。なお、このことは、上述したように角度調整機構19Aに第1ダイクロイックミラー18に用いて、その第1ダイクロイックミラー18の角度調整を容易なものとする場合であっても同様である。
照明光源装置10では、第3調整光学部材として、第3出射光路P3を照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に合流させるべく照明光軸Oi上に設けられた第3ダイクロイックミラー22を用いている。このため、照明光源装置10では、第3ダイクロイックミラー22の照明光軸Oiに対する角度もしくは位置を変化させることにより、第3出射部E3から出射された波長λCの光(光束)の照明光軸Oiに対する位置を個別に調整することができる。よって、照明光源装置10では、第3出射部E3から出射された波長λCの光(光束)の出射位置の調整を容易なものとすることができる。
照明光源装置10では、第3調整光学部材としての第3ダイクロイックミラー22を、角度調整機構(19A)により、自らが存在する平面(反射する表面に沿うx−y平面)に沿うx軸およびy軸を中心とする回転方向での回転量の調整(角度調整)を可能としている。このため、照明光源装置10では、第3ダイクロイックミラー22の角度調整を行うことにより、当該第3ダイクロイックミラー22の位置を変化させることなく、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の出射位置を変化させることができる。そして、照明光源装置10では、第3ダイクロイックミラー22が、波長λCの光(光束)を反射することで照明光軸Oi上に導くもの(合流光学素子)とされている。このため、照明光源装置10では、進行する波長λCの光(光束)が照明光軸Oi上に位置するように第3ダイクロイックミラー22の角度を変化させればよいので、第3出射部E3から出射された波長λCの光(光束)の出射位置の調整を容易なものとすることができる。これらのことから、照明光源装置10では、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)および第2出射部E2からの波長λBの光(光束)の出射位置を変化させることなく、容易にかつ適切に波長λCの光(光束)の出射位置を調整することができる。
照明光源装置10では、角度調整機構(19A)により、第3調整光学部材としての第3ダイクロイックミラー22の角度調整を可能としている。このため、照明光源装置10では、各出射部の集光レンズ群(第3出射部E3であれば第3カップリングレンズ21)を光軸(第3出射部E3であれば第3出射光軸O3)に直交する方向へと移動可能な構成とすることと比較して、大きさ寸法が増大することを抑制することができる。
照明光源装置10では、第1調整光学部材として、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)を照明光軸Oi上に導く第1出射光路P1に設けた光学素子31を用いている。このため、照明光源装置10では、簡易な構成で第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)の出射位置を個別に調整することができる。
照明光源装置10では、第2調整光学部材として、第2出射部E2からの波長λBの光(光束)を照明光軸Oi上に導く第2出射光路P2に設けた光学素子32を用いている。このため、照明光源装置10では、簡易な構成で第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)の出射位置を個別に調整することができる。
照明光源装置10では、第1光源として青色レーザダイオードの光源11を用い、かつ第3光源として赤色の発光ダイオードの光源12を用いるとともに、第2光源として光源11からの波長λAの光(光束)を励起光として波長λBの蛍光(光(光束))を発生する蛍光体17bを用いている。このため、照明光源装置10では、2つの光源11、12で互いに異なる波長帯域(λA、λB、λC)の3つの光を出射することができる。
照明光源装置10では、照明光として出射する波長λAの光(光束)の第1出射部E1の第1光源であるとともに、第2出射部E2の第2光源としての蛍光体17bの励起光源である光源11として青色レーザダイオードを用いている。ここで、レーザダイオードは、アレイ状に並べることで、大きさ寸法の増大を抑制しつつ容易に光量を上げることができる。このため、照明光源装置10では、大きさ寸法の増大を抑制しつつ、照明光として出射する波長λAの光(光束)および照明光として出射する波長λBの光(蛍光(光束))を十分な光量とすることができる。
照明光源装置10では、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)が進行する方向を、反射・透過ホイール14(光路切替部)を用いて、蛍光体17bの励起に使用する反射光路とスクリーンScへの照射に使用する透過光路との間で単位時間(1秒)内に交互に切り替えている。このため、照明光源装置10では、反射・透過ホイール14による切り替えの比率に応じて、波長λAの光(光束)を照明光として利用する場面と励起光として利用する場面との比率を変化させることができる。これにより、照明光源装置10では、光量を上げることが容易な光源11における光量と、反射・透過ホイール14による切り替えの比率と、を適宜調整することで、照明光として出射する波長λAの光(光束)と波長λBの光(蛍光(光束))との光量のバランスを調整しつつそれぞれを十分な光量とすることができる。
照明光源装置10では、第3出射部E3を構成する第3ダイクロイックミラー22が、照明光軸Oi上における光の進行方向で見て、全反射ミラー15(第1出射光路P1)および第2ダイクロイックミラー19(第2出射光路P2)よりも後側に設けられている。換言すると、第3出射光路P3は、照明光路Pi(照明光軸Oi上)において、最も出射側に設けられている。このため、照明光源装置10では、第3出射部E3から出射された波長λCの光(光束)の光路長を短くすることができるとともに当該波長λCの光(光束)が経る光学部材の数を減らすことができる。よって、照明光源装置10では、発光ダイオードの光源12を用いる第3出射部E3から出射された照明光としての波長λCの光(光束)を十分な光量とすることができる。換言すると、照明光源装置10では、第3出射光路P3を照明光路Pi(照明光軸Oi上)で最も出射側に設けていることから、その第3出射光路P3により導かれる第3出射部E3の第3光源として発光ダイオードを用いても、当該第3出射部E3からの照明光を十分な光量とすることができる。
照明光源装置10では、照明光軸Oi上に設けられた第3ダイクロイックミラー22により、第3出射光路P3を、照明光路Piにおいて各色の光(光束)が通る共通光路に合流させている。また、照明光源装置10では、その第3ダイクロイックミラー22が、照明光軸Oi上における光(光束)の進行方向で見て、全反射ミラー15(第1出射光路P1)および第2ダイクロイックミラー19(第2出射光路P2)よりも後側に設けられている。換言すると、照明光源装置10では、照明光路Piが、第3出射部E3から出射された光(光束)を照明光軸Oi上における光(光束)の進行方向で見て最も後側で合流させる構成とされている。さらに、照明光源装置10では、その第3ダイクロイックミラー22を第3調整光学部材として用いている。そして、照明光源装置10では、第3ダイクロイックミラー22を、第3出射部E3から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼし、かつそれ以外の光(第1出射部E1、第2出射部E2から出射された光)の進行方向に光学的な作用を及ぼさないものとしている。このため、照明光源装置10では、最も後側で合流される第3出射部E3から出射された光(光束)の進行方向を、その他の光の進行方向に光学的な作用を及ぼすことなく変化させることができ、その出射位置を調整することができる。これにより、照明光源装置10では、それ以外の光よりも後側で合流される第3出射部E3から出射された光(光束)の出射位置を個別に調整することができる。加えて、照明光源装置10では、第3出射部E3からの光(光束)が合流するよりも前側で、それ以外の光(光束)の出射位置の調整を可能とするものとすれば、この第3出射部E3からの光(光束)の進行方向に光学的な作用を及ぶことを防止することができる。このため、照明光源装置10では、それ以外の光(光束)の出射位置の個別の調整を可能とすることを容易なものとすることができる。よって、照明光源装置10では、各出射部(E1、E2、E3)から出射された光が進行する位置を個別に調整することを可能とすることができる。
照明光源装置10では、最も後側で合流される第3出射部E3からの光(光束)に対する第3調整光学部材としての第3ダイクロイックミラー22を、波長λCの光(光束)を反射しかつ波長λAの光(光束)および波長λBの光(光束)を透過させるものとしている。このため、照明光源装置10では、簡易な構成で第3出射部E3からの光(光束)の出射位置を個別に調整することができ、それよりも前側で合流されるそれ以外の光(光束)の出射位置の個別の調整を可能とすることを容易なものとすることができる。これにより、照明光源装置10では、各出射部(E1、E2、E3)から出射された光が進行する位置を個別に調整することを可能とすることができる。
照明光源装置10では、互いに異なる波長帯域(λA、λB、λC)の3つの光の出射位置をそれぞれ個別に調整することができるので、各色の照明光を高い効率で出射させることができる。このため、照明光源装置10では、互いに異なる波長帯域(λA、λB、λC)の3つの光を、それぞれ導光光学系2のライトトンネル6に適切に入射させることができ、各光の照明効率を高めることができる。
本発明に係る投射装置の一実施例としての投射装置1では、上記した効果を得られる照明光源装置10を備えていることから、より綺麗で鮮明なフルカラーの画像をスクリーンScに生成することができる。
したがって、本発明に係る実施例1の照明光源装置としての照明光源装置10では、各出射部(E1、E2、E3)から出射された光が進行する位置を個別に調整することができる。
なお、上記した実施例1では、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)を、スクリーンScへの照射に使用する場合に第1照明系10Aの透過光路とし、蛍光体17bの励起に使用する場合に第1照明系10Aの反射光路としていた。照明光源装置10は、この実施例1の構成に限定されるものではなく、スクリーンScへの照射に使用する場合に第1照明系10Aの反射光路とし、蛍光体17bの励起に使用する場合に第1照明系10Aの透過光路としてもよい。この場合、第1ダイクロイックミラー18および第2ダイクロイックミラー19の光学特性と、蛍光ホイール17の光学配置とを変えればよい。
また、上記した実施例1では、図2において、第1出射光路P1に設けた光学素子31を照明光軸Oi上における全反射ミラー15と第2ダイクロイックミラー19との間に示していたが、全反射ミラー15と反射・透過ホイール14との間に設けるものであってもよい。
次に、本発明の実施例2に係る照明光源装置102およびそれを備える投射装置1(図1参照)について、図14を用いて説明する。図14は、照明光源装置102における第2照明系102Bの具体的な構成例を示す図13と同様の説明図である。
この実施例2は、照明光源装置102における第2照明系102Bの構成が、実施例1の照明光源装置10の第2照明系10Bの構成と異なる例である。この実施例2の照明光源装置102は、基本的な構成は上記した実施例1の照明光源装置10と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明および全体構成の図示は省略する。また、照明光源装置102を備える投射装置1の構成は、照明光源装置10の第2照明系10Bが照明光源装置102の第2照明系102Bに変わったことを除くと、上記した実施例1の投射装置1(図1参照)と同様であることから、その詳細な説明および図示は省略する。
実施例2の照明光源装置102の第2照明系102Bは、光源12と、第3カップリングレンズ212と、第3ダイクロイックミラー22と、集光レンズ41と、を有する。その光源12は、実施例1と同様であり、赤色のLED(発光ダイオード)であって、波長λCの光を略ランバート分布で発光(出射)する。第2照明系102Bでは、その光源12から出射される波長λCの光(光束)の分布を考慮して、第3カップリングレンズ212を設計している。
その第3カップリングレンズ212は、実施例2では、第2照明系102Bにおいて、第3出射光軸O3上で、光源12側から平凸レンズである4枚のレンズ212a、212b、212c、212dが並べられて構成されている。このレンズ212a、212b、212cは、凸面が第3ダイクロイックミラー22側(光源12とは反対側)とされており、レンズ212dは、凸面が光源12側(レンズ212cと対向する側)とされている。その第3カップリングレンズ212は、光源12から出射された波長λCの光(光束)を、第3ダイクロイックミラー22に適切に入射させるとともに、そこを経て集光レンズ41に適切に入射させるべく集光する。この4つのレンズ212a、212b、212c、212dは、第3カップリングレンズ212を構成することから、光源12と協働して、波長λCの光を射出する第3出射部E3を構成する。
その第3ダイクロイックミラー22は、実施例1と同様であり、第3出射光軸O3と照明光軸Oiとが交わる位置に設けられて、第3出射部E3(光源12)から出射された波長λCの光(光束)を反射して、照明光軸Oi上に導く。その照明光軸Oi上に集光レンズ41が設けられている。
その集光レンズ41は、照明光軸Oi上における光の進行方向で見て、第3ダイクロイックミラー22よりも出射側(ライトトンネル6側)に設けられている。換言すると、集光レンズ41は、照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に設けられている。この集光レンズ41は、正のパワーを有し、第3ダイクロイックミラー22で反射された第3出射部E3(光源12)からの波長λCの光(光束)を、導光光学系2のライトトンネル6に適切に入射させるべく集光する。集光レンズ41は、実施例2では、平凸レンズで構成されており、凸面が第3ダイクロイックミラー22側とされている。この集光レンズ41は、共通光路に設けられていることから、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)および第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)も入射する。そして、集光レンズ41は、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)および第2出射部E2からの波長λBの光(光束)も、導光光学系2のライトトンネル6に適切に入射させるべく集光する。これにより、第1出射光路P1では、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)を、照明光軸Oi上のライトトンネル6へと適切に入射させるべく当該波長λAの光(光束)を集めるために設けられた光学素子31(図2参照)をなくす、もしくはそれを構成する光学部材の個数を減らすことができる。同様に、第2出射光路P2では、第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)を、照明光軸Oi上のライトトンネル6へと適切に入射させるべく当該波長λBの光(光束)を集めるために設けられた光学素子32(図2参照)をなくす、もしくはそれを構成する光学部材の個数を減らすことができる。
この照明光源装置102(第2照明系102B)は、実施例1と同様に、照明光軸Oiをライトトンネル6の中心軸線に一致させて配置されている。このため、第2照明系102Bは、第3出射部E3(光源12)から出射した波長λCの光(光束)を、ライトトンネル6すなわち導光光学系2へ向けて出射することができる。
この本発明に係る実施例2の照明光源装置102(投射装置1)は、基本的に照明光源装置10(投射装置1)と等しい構成であることから、同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例2の照明光源装置102では、照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に、正のパワーを有する集光レンズ41を設けている。このため、照明光源装置102では、互いに異なる波長帯域(λA、λB、λC)の3つの光に対して個別に集光レンズ(集光のための光学素子)を用いる必要がないので、簡易な構成としつつ各色の光をライトトンネル6すなわち導光光学系2へと適切に入射させることができる。
したがって、本発明に係る実施例2の照明光源装置102では、各出射部(E1、E2、E3)から出射された光が進行する位置を個別に調整することができる。
次に、本発明の実施例3に係る照明光源装置103およびそれを備える投射装置1(図1参照)について、図15から図17を用いて説明する。図15は、照明光源装置103における第2照明系103Bの具体的な構成例を示す図13および図14と同様の説明図である。図16は、波長λBの光(光束)と波長λCの光(光束)とのそれぞれにおける波長に対する強度の比を示すグラフであり、縦軸を強度比で示し、横軸を波長(nm)で示している。図17は、第3ダイクロイックミラー22の光学特性(分光特性)の一例を示すグラフであり、縦軸を透過率(%)で示し、横軸を波長(nm)で示している。
この実施例3は、照明光源装置103における第2照明系103Bの構成が、実施例1の照明光源装置10の第2照明系10Bおよび実施例2の照明光源装置102の第2照明系102Bの構成と異なる例である。この実施例3の照明光源装置103は、基本的な構成は上記した実施例1の照明光源装置10と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明および全体構成の図示は省略する。また、照明光源装置103を備える投射装置1の構成は、照明光源装置10の第2照明系10Bが照明光源装置103の第2照明系103Bに変わったことを除くと、上記した実施例1の投射装置1(図1参照)と同様であることから、その詳細な説明および図示は省略する。
実施例3の照明光源装置103の第2照明系103Bは、光源12と、第3カップリングレンズ213と、第3ダイクロイックミラー22と、集光レンズ42と、を有する。その光源12は、実施例1と同様であり、赤色のLED(発光ダイオード)であって、波長λCの光を略ランバート分布で発光(出射)する。第2照明系103Bでは、その光源12から出射される波長λCの光(光束)の分布を考慮して、第3カップリングレンズ213を設計している。
その第3カップリングレンズ213は、実施例3では、第2照明系103Bにおいて、第3出射光軸O3上で、光源12側から平凸レンズである4枚のレンズ213a、213b、213c、213dが並べられて構成されている。このレンズ213a、213b、213cは、凸面が第3ダイクロイックミラー22側(光源12とは反対側)とされており、レンズ213dは、凸面が光源12側(レンズ213cと対向する側)とされている。その第3カップリングレンズ213は、光源12から出射された波長λCの光(光束)を、コリメートすなわち平行な光束として、第3ダイクロイックミラー22に適切に入射させるとともに、そこを経て集光レンズ42に適切に入射させる。換言すると、第3カップリングレンズ213(レンズ213a、213b、213c、213d)は、コリメート光学系とされている。この4つのレンズ213a、213b、213c、213dは、第3カップリングレンズ213を構成することから、光源12と協働して、波長λCの光を射出する第3出射部E3を構成する。
その第3ダイクロイックミラー22は、実施例1と同様であり、第3出射光軸O3と照明光軸Oiとが交わる位置に設けられて、第3出射部E3(光源12)から出射された波長λCの光(光束)を反射して、照明光軸Oi上に導く。その照明光軸Oi上に集光レンズ42が設けられている。
その集光レンズ42は、照明光軸Oi上における光の進行方向で見て、第3ダイクロイックミラー22よりも出射側(ライトトンネル6側)に設けられている。換言すると、集光レンズ42は、照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に設けられている。この集光レンズ42は、正のパワーを有し、平行光束とされて第3ダイクロイックミラー22で反射された波長λCの光(光束)を、導光光学系2のライトトンネル6に適切に入射させるべく集光する。集光レンズ42は、実施例3では、平凸レンズで構成されており、凸面が第3ダイクロイックミラー22側とされている。この集光レンズ42は、共通光路に設けられていることから、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)および第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)も入射する。そして、集光レンズ42は、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)および第2出射部E2からの波長λBの光(光束)も、導光光学系2のライトトンネル6に適切に入射させるべく集光する。これにより、第1出射光路P1では、第1出射部E1から出射された波長λAの光(光束)を、照明光軸Oi上のライトトンネル6へと適切に入射させるべく当該波長λAの光(光束)を集めるために設けられた光学素子31(図2参照)をなくす、もしくはそれを構成する光学部材の個数を減らすことができる。同様に、第2出射光路P2では、第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)を、照明光軸Oi上のライトトンネル6へと適切に入射させるべく当該波長λBの光(光束)を集めるために設けられた光学素子32(図2参照)をなくす、もしくはそれを構成する光学部材の個数を減らすことができる。
この照明光源装置103(第2照明系103B)は、実施例1と同様に、照明光軸Oiをライトトンネル6の中心軸線に一致させて配置されている。このため、第2照明系103Bは、第3出射部E3(光源12)から出射した波長λCの光(光束)を、ライトトンネル6すなわち導光光学系2へ向けて出射することができる。
ここで、実施例3の照明光源装置103では、上述したように、第3カップリングレンズ213(レンズ213a、213b、213c、213d)が光源12から出射された波長λCの光(光束)をコリメート(平行光束とする)している。以下では、これについて説明する。
実施例1で述べたように、第2光源としての蛍光体17bは、波長λB(450nm<λB<700nm)の蛍光を発生し、第3光源としての光源12(発光ダイオード)は、波長λC(600nm<λC<700nm)の光(光束)を射出する。この波長λBの光(光束)と波長λCの光(光束)とは、この例では図16に示すような分布とされており、互いに重複する箇所が存在する。ここで、照明光源装置103(照明光源装置10および照明光源装置102も同様である)では、第3ダイクロイックミラー22により、第3出射部E3(光源12)からの波長λCの光(光束)を照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に合流(合成)させている。この共通光路は、第2出射部E2から出射された波長λBの光(光束)も通ることから、その波長λBの光(光束)が第3ダイクロイックミラー22を透過することとなる。その第3ダイクロイックミラー22では、例えば、設定された波長(カットオフ波長)を境として、一方を反射するとともに他方を透過させる。このため、照明光源装置103では、波長λBの光(光束)をより多く透過させるように第3ダイクロイックミラー22の光学特性(分光特性)を設定すると、上述したように一部が重複する波長λCの光(光束)を反射させる量が減ってしまう。同様に、照明光源装置103では、波長λCの光(光束)をより多く反射させるように第3ダイクロイックミラー22の光学特性(分光特性)を設定すると、波長λBの光(光束)を透過させる量が減ってしまう。
このことを鑑みて、照明光源装置103では、第3ダイクロイックミラー22の光学特性(分光特性)を、一例として図17に示すように設定(設計)している。ここで、照明光源装置103では、第3出射光軸O3を照明光軸Oiに直交させるように、第3出射部E3の位置関係を設定している。このため、第3ダイクロイックミラー22(その平面)は、第3出射光軸O3すなわち第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の進行方向に対して、45度の傾斜を為すものとされている。これにより、集光レンズ42の径寸法の増大を防止しつつ、当該集光レンズ42へと波長λCの光(光束)を適切に(効率よく)入射させることができる。これは、第3カップリングレンズ213が、光源12から出射された波長λCの光(光束)をコリメート(平行光束とする)することによる。このため、この図17に示す例では、第3ダイクロイックミラー22の光学特性(分光特性)を、入射角が45度の光(光束)に対して620nmで透過率50%となるように設定(設計)している。なお、この第3ダイクロイックミラー22の光学特性(分光特性)は、あくまで一例であって、この図17に示す例に限定されるものではない。そして、照明光源装置103では、第3ダイクロイックミラー22の光学特性(分光特性)を、短波長側にシフトすることで波長λCの光(光束)の効率を高めることができ、長波長側にシフトすることで波長λBの光(光束)の効率を高めることができる。
ここで、第3ダイクロイックミラー22では、図17に示すように、光(光束)の入射角度に応じて、光学特性(分光特性)がシフト(移動)してしまう(入射角度依存性がある)。詳細には、第3ダイクロイックミラー22では、光(光束)の入射角度が小さくなるほど、光学特性(分光特性)が長波長側に移動する(入射角度45度に対する入射角度30度参照)。また、第3ダイクロイックミラー22では、光(光束)の入射角度が大きくなるほど、光学特性(分光特性)が短波長側に移動する(入射角度45度に対する入射角度60度参照)。このことは、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)で考えると、45度で入射した場合と比較して、30度で入射した場合の第3ダイクロイックミラー22での反射率が低くなることを意味する。このため、第3カップリングレンズ213で光源12からの波長λCの光(光束)をコリメート(平行光束とする)することにより、第3ダイクロイックミラー22における波長λCの光(光束)での反射率を設定した値とすることができる。
ここで、図18に示すように、第3ダイクロイックミラー22にXYZ軸を定義する。そのZ軸は、第3ダイクロイックミラー22(その平面)に直交する方向としている。また、X軸は、第3ダイクロイックミラー22(その平面)に平行な方向であって、第3出射光軸O3と照明光軸OiとをX−Z平面に存在させる方向としている。Y軸は、X軸およびZ軸に直交する方向である。そして、Y−Z平面において、Z軸に対する角度をα方向とする。また、X−Z平面において、Z軸に対する角度をβ方向とする。
このような設定において、第3ダイクロイックミラー22における第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の入射角に対する放射強度の分布を図19から図21に示す。図19は、実施例1の第2照明系10B(照明光源装置10)(図13参照)の例を示している。図20は、実施例2の第2照明系102B(照明光源装置102)(図14参照)の例を示している。図21は、実施例3の第2照明系103B(照明光源装置103)(図15参照)の例を示している。第2照明系103Bでは、図21に示すように、α方向で0度±10度の範囲で、かつβ方向で45度±10度の範囲で、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)が第3ダイクロイックミラー22に入射していることがわかる。すなわち、第2照明系103Bでは、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)を略45度の入射角度で第3ダイクロイックミラー22へと入射させている。これは、第2照明系103Bでは、第3カップリングレンズ213(レンズ213a、213b、213c、213d)が光源12から出射された波長λCの光(光束)をコリメート(平行光束とする)していることによる。そして、第2照明系103Bでは、図19および図20と図21との比較により、他の例と比較して、入射角度の幅を極めて狭い範囲に抑えていることがわかる。
この本発明に係る実施例3の照明光源装置103(投射装置1)は、基本的に照明光源装置10(投射装置1)と等しい構成であることから、同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例3の照明光源装置103では、第2照明系103Bの第3カップリングレンズ213(レンズ213a、213b、213c、213d)が、光源12から出射された波長λCの光(光束)をコリメート(平行光束とする)する。このため、照明光源装置103では、第2照明系103Bにおいて、第3ダイクロイックミラー22に入射する波長λCの光(光束)の入射角の広がりを小さくすることができる。これにより、照明光源装置103では、第2照明系103Bにおいて、第3ダイクロイックミラー22に設定した反射率で、当該第3ダイクロイックミラー22が波長λCの光(光束)を反射することができる。よって、照明光源装置103では、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)を、設定した光量で出射させることができる。
また、照明光源装置103では、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)を設定した光量で出射させることができることから、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)および第2出射部E2からの波長λBの光(光束)に対する光量のバランスをより適切に設定したものとすることができる。
さらに、照明光源装置103では、第3ダイクロイックミラー22(その平面)を、第3出射光軸O3すなわち第3出射部E3からの波長λCの光(光束)の進行方向に対して45度の傾斜を為すものとしている。このため、照明光源装置103では、第3カップリングレンズ213でコリメート(平行光束とする)した光源12からの波長λCの光(光束)を、集光レンズ42の径寸法の増大を防止しつつ当該集光レンズ42へと適切に(効率よく)入射させることができる。これにより、照明光源装置103では、大きさ寸法の増大を招くことなく、光源12から出射した波長λCの光(光束)をライトトンネル6へと適切に入射させることができる。
照明光源装置103では、照明光路Piにおいて各色の光が通る共通光路に、正のパワーを有する集光レンズ42を設けている。このため、照明光源装置103では、互いに異なる波長帯域(λA、λB、λC)の3つの光に対して個別に集光レンズ(集光のための光学素子)を用いる必要がないので、簡易な構成としつつ各色の光をライトトンネル6すなわち導光光学系2へと適切に入射させることができる。
照明光源装置103を備える投射装置1では、照明光源装置10が各色の光量のバランスをより適切に設定したものとして出射させることができることから、より綺麗で鮮明なフルカラーの画像をスクリーンScに生成することができる。
したがって、本発明に係る実施例3の照明光源装置103では、各出射部(E1、E2、E3)から出射された光が進行する位置を個別に調整することができる。
なお、上記した各実施例では、本発明に係る照明光源装置としての照明光源装置10、照明光源装置102、照明光源装置103について説明したが、特定の波長帯域の光を出射する第1出射部と、前記第1出射部とは異なる波長帯域の光を出射する第2出射部と、前記第1出射部および前記第2出射部とは異なる波長帯域の光を出射する第3出射部と、前記第1出射部から出射された光と前記第2出射部から出射された光と前記第3出射部から出射された光とを単一の照明光軸上で出射させ、前記第3出射部から出射された光を前記照明光軸上における光の進行方向で見て最も後側で合流させる照明光路と、前記照明光路において、前記第3出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼすとともに、前記第1出射部から出射された光および前記第2出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼさない調整光学部材と、を備える照明光源装置であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。特に、特定の波長帯域の光を出射する第1出射部と、前記第1出射部とは異なる波長帯域の光を出射する第2出射部と、前記第1出射部および前記第2出射部とは異なる波長帯域の光を出射する第3出射部と、前記第1出射部から出射された光と、前記第2出射部から出射された光と、前記第3出射部から出射された光と、を単一の照明光軸上で出射させる照明光路と、前記照明光路において、前記第1出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼすとともに、前記第2出射部から出射された光および前記第3出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼさない第1調整光学部材と、前記照明光路において、前記第2出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼすとともに、前記第1出射部から出射された光および前記第3出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼさない第2調整光学部材と、前記照明光路において、前記第3出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼすとともに、前記第1出射部から出射された光および前記第2出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼさない第3調整光学部材と、を備える照明光源装置であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
また、上記した各実施例では、第1出射部E1の第1光源(光源11)として青色レーザダイオードを用い、第2出射部E2の第2光源として第1光源により励起される蛍光体17bを用い、第3出射部E3の第3光源(光源12)として発光ダイオード(LED)を用いている。しかしながら、上記したように各出射部から出射された光が進行する位置の調整を個別に行うことを可能とするものであれば、各出射部の各光源にレーザダイオードや発光ダイオード(LED)等の固体発光素子を適宜用いるものとしてもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した各実施例では、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)が青とされ、波長λAによる励起により発生する第2出射部E2からの波長λBの光(光束)が緑とされ、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)が赤とされていた。しかしながら、各出射部から出射する光の色を他の設定としてもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。その他の設定としては、第1出射部E1からの波長λAの光(光束)を緑とし、波長λAによる励起により発生する第2出射部E2からの波長λBの光(光束)を赤とし、第3出射部E3からの波長λCの光(光束)を青とすることがあげられる。このような組み合わせは、光源11、蛍光体17b、光源12および各ダイクロイックミラー(18、19、22)として当該色の設定に合致する光学特性の部材を用いることで、上記した各実施例の構成をそのまま用いて実現することができる。
上記した各実施例では、第2出射部E2の第2光源としての蛍光体17b(蛍光ホイール17)が、励起光としての波長λAの光(光束)が導かれた方向へと反射させる方向に蛍光(波長λBの光(光束))を発するものとされていた。しかしながら、蛍光体17bを透過させる方向に蛍光(波長λBの光(光束))を発するものであってもよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。
以上、本発明の照明光源装置を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。また、前記構成部材の数、位置、形状等は各実施例に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 投射装置
10、102、103 照明光源装置
11 (第1光源の一例としての)光源
12 (第3光源の一例としての)光源
13 第1カップリングレンズ
14 (光路切替部の一例としての)反射・透過ホイール
15 (第1調整光学部材の一例としての)全反射ミラー
16 (第2カップリングレンズの一例としての)集光素子
17b (第2光源の一例としての)蛍光体
18 (第2調整光学部材の一例としての)第1ダイクロイックミラー
19 (第2調整光学部材の一例としての)第2ダイクロイックミラー
21、212、213 第3カップリングレンズ
22 (第3調整光学部材(調整光学部材)の一例としての)第3ダイクロイックミラー
31 (第1調整光学部材の一例としての)光学素子
32 (第2調整光学部材の一例としての)光学素子
41 集光レンズ
42 集光レンズ
E1 第1出射部
E2 第2出射部
E3 第3出射部
Oi 照明光軸
P1 第1出射光路
P2 第2出射光路
P3 第3出射光路
Pi 照明光路
特開2011−95388号公報

Claims (13)

  1. 特定の波長帯域の光を出射する第1出射部と、
    前記第1出射部とは異なる波長帯域の光を出射する第2出射部と、
    前記第1出射部および前記第2出射部とは異なる波長帯域の光を出射する第3出射部と、
    前記第1出射部から出射された光と前記第2出射部から出射された光と前記第3出射部から出射された光とを単一の照明光軸上で出射させ、前記第3出射部から出射された光を前記照明光軸上における光の進行方向で見て最も後側で合流させる照明光路と、
    前記照明光路において、前記第3出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼすとともに、前記第1出射部から出射された光および前記第2出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼさない調整光学部材と、を備えることを特徴とする照明光源装置。
  2. 前記調整光学部材は、前記第1出射部から出射された光および前記第2出射部から出射された光を透過し、前記第3出射部から出射された光を反射させることを特徴とする請求項1に記載の照明光源装置。
  3. 前記照明光路は、前記第1出射部から出射された光を前記照明光軸上に導く第1出射光
    路と、前記第2出射部から出射された光を前記照明光軸上に導く第2出射光路と、前記第
    3出射部から出射された光を前記照明光軸上に導く第3出射光路と、を有し、
    前記調整光学部材は、前記第3出射光路に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明光源装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明光源装置であって、
    前記調整光学部材を第3調整光学部材として、
    さらに、前記照明光路において、前記第1出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼすとともに、前記第2出射部から出射された光および前記第3出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼさない第1調整光学部材と、
    前記照明光路において、前記第2出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼすとともに、前記第1出射部から出射された光および前記第3出射部から出射された光の進行方向に光学的な作用を及ぼさない第2調整光学部材と、を備えることを特徴とする照明光源装置。
  5. 前記照明光路は、前記第1出射部から出射された光を前記照明光軸上に導く第1出射光
    路と、前記第2出射部から出射された光を前記照明光軸上に導く第2出射光路と、前記第
    3出射部から出射された光を前記照明光軸上に導く第3出射光路と、を有し、
    前記第1調整光学部材は、前記第1出射光路に設けられ、
    前記第2調整光学部材は、前記第2出射光路に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の照明光源装置。
  6. 前記第1出射部は、特定の波長帯域の光を出射する第1光源を有し、
    前記第2出射部は、前記第1光源から出射された光を励起光として蛍光を発する第2光源としての蛍光体を有し、
    前記第3出射部は、前記第1光源から出射される光および前記蛍光体からの蛍光とは異なる波長帯域の光を出射する第3光源を有し、
    前記第1出射光路には、前記第1光源から出射された光を前記照明光軸上に導く光路と、前記第1光源から出射された光を前記蛍光体へと導く光路と、に切り替える光路切替部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の照明光源装置。
  7. 前記第3出射光路は、前記照明光軸上における光の進行方向で見て、前記第1出射光路および前記第2出射光路よりも後側で、前記第3出射部の前記第3光源から出射された光を前記照明光軸上に導き、
    前記第3光源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項6に記載の照明光源装置。
  8. 前記第3出射光路は、前記照明光軸上における光の進行方向で見て、前記第1出射光路および前記第2出射光路よりも後側で、前記第3出射部の前記第3光源から出射された光を前記照明光軸上に導き、
    前記第1光源は、レーザダイオードであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の照明光源装置。
  9. 前記第2出射光路は、前記照明光軸上における光の進行方向で見て、前記第1出射光路よりも後側で、前記第2出射部の前記第2光源から出射された光を前記照明光軸上に導き、
    前記第3調整光学部材は、前記第3出射部の前記第3光源から出射された光を前記照明光軸上に合流させるダイクロイックミラーであることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の照明光源装置。
  10. 前記照明光路では、前記照明光軸上における光の進行方向で見て、前記第1出射光路、前記第2出射光路および前記第3出射部よりも後側に、正のパワーを持つ集光レンズが設けられていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の照明光源装置。
  11. 前記第1出射部は、前記第1光源から出射された光を集める第1カップリングレンズを有し、
    前記第2出射部は、前記蛍光体から出射された蛍光を集める第2カップリングレンズを有し、
    前記第3出射部は、前記第3光源から出射された光を集める第3カップリングレンズを有することを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の照明光源装置。
  12. 前記第3カップリングレンズは、前記第3光源から出射された光をコリメートするコリメート光学系であることを特徴とする請求項11に記載の照明光源装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の照明光源装置を備えることを特徴とする投射装置。
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