JP6118987B2 - 光源装置およびこれを用いた投写型表示装置 - Google Patents

光源装置およびこれを用いた投写型表示装置 Download PDF

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Description

本開示は、映像を投写する投写型表示装置に関する。
特許文献1は、投写型表示装置を開示する。この投写型表示装置は、カラーホイールと、半導体レーザと、LEDと、光源制御手段とを有している。カラーホイールは、青色用拡散板と、緑色蛍光体反射板とを有している。半導体レーザおよびLEDは、光源制御手段により、カラーホイールの回転に同期して発光するように制御される。
1フレーム期間中の青、赤、緑の各フィールド期間の時間長は、光源制御手段が、半導体レーザおよびLEDの発光タイミングを制御することにより調整される。
これにより、この投写型表示装置は、各色成分に割り当てる時間長を任意に調整することができる。このため、色バランスや、投写画像の明るさを調整することができる。これにより、画像の質を向上させることができる。
特開2012−128438号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている投写型表示装置における蛍光体は、照射される励起光の光密度が大きくなると、波長変換効率が低下してしまう。その結果、画像の質が低下してしまう。
本開示は、蛍光体に照射される励起光の光密度を、蛍光体毎に調整することにより、高画質の映像を投写できる投写型表示装置を提供する。
本開示における投写型表示装置は、励起光を出射する光源と、励起光により励起されて蛍光を発する蛍光体と、蛍光体を含む蛍光体層が設けられた蛍光体ホイールと、蛍光体層に照射される光源からの励起光のスポットサイズを調整する励起光密度変更部と、を備える。蛍光体層は、第1蛍光体層と、第2蛍光体層とを有する。光源からの出射光は、第1蛍光体層に第1スポットサイズで照射される。光源からの出射光は、第2蛍光体層に第2スポットサイズで照射される。励起光密度変更部は、第1スポットサイズと、第2スポットサイズと、が異なるように光源から出射した光を調整する。
本開示における投写型表示装置は、蛍光体に照射される励起光のスポットサイズを、蛍光体毎に調整することにより、高画質の映像を投写できる投写型表示装置を提供する。
実施の形態1におけるプロジェクタの外観斜視図 実施の形態1におけるプロジェクタの構成を示す模式図 実施の形態1における蛍光体ホイール構成図 実施の形態1における蛍光体の効率について説明するための図 実施の形態3におけるプロジェクタの構成を示す模式図 実施の形態2における蛍光体ホイール構成図 実施の形態3における蛍光体ホイール構成図 実施の形態4における蛍光体ホイール構成図 実施の形態5における蛍光体ホイール構成図
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、出願人は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
以下、図1〜8を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1]概要
プロジェクタ100の概要について図1を用いて説明する。
図1は、プロジェクタ100の外観斜視図である。プロジェクタ100は、光源装置と、デジタルミラーデバイス(以下、DMDと称する)、投写光学系とを備える。プロジェクタ100は、光源装置で発光した光をDMDで反射することで映像を生成する。プロジェクタ100は、生成した映像を、投写光学系を介してスクリーン105に投写する。
[1−2]全体構成
プロジェクタ100の全体構成について図2を用いて説明する。
プロジェクタ100は、透過型のプロジェクタであり、照明装置110と、映像生成部140と、投写レンズ170とを有する。
照明装置110は、光源部120と、各種レンズと、蛍光体ホイール200とを備える。
光源部120は、半導体レーザ121と、レンズ122とを有する光源である。半導体レーザ121は、波長約450nmの青色の励起光を出射する。半導体レーザ121は、5×5のマトリクス状に、25個配置されている。レンズ122は、半導体レーザ121から出力された光を、平行な光束に集光する。レンズ122は、半導体レーザ121から出射された光を受光するように設けられている。
レンズ123およびレンズ124は、レンズ122を出射した光を集光させる。レンズ123およびレンズ124は、半導体レーザ121から出力された光を透過させる位置に設けられる。
拡散板125は、半導体レーザ121から出力される光の照度を、均一化させる。拡散板125は、レンズ124を透過した光を透過させる位置に設けられる。
蛍光体ホイール200は、拡散板125を透過した光の光路上に設けられる。蛍光体ホイール200は、複数の蛍光体領域を有している。蛍光体ホイール200は、モータ230(図3)により、回転駆動する。蛍光体は、励起光により励起されて蛍光を発する。
半導体レーザ121から出力された光は、蛍光体ホイール200の蛍光体領域を透過することにより、励起される。これにより、複数の色光を発する。半導体レーザ121および蛍光体ホイール200は、B光、R光、G光を時分割で生成する。図3を用いて蛍光体ホイール200の構成について説明を後述する。
レンズ126は、入射光を拡散させるレンズである。レンズ126は、蛍光体ホイール200を透過した光を透過させる位置に設けられる。レンズ127は、入射した光を、平行な光束になるように揃える。レンズ127は、レンズ126を透過した光の光路上に設けられる。レンズ128は、入射した光を、再び集光させる。レンズ128は、レンズ127を透過した光の光路上に設けられる。
ロッドインテグレータ129は、四角柱状のレンズである。ロッドインテグレータ129に入射した光は、ロッドインテグレータ129の内部を全反射する。ロッドインテグレータ129は、入射光の照度を均一化させる。
ロッドインテグレータ129を透過した光は、レンズ130およびレンズ131を透過して、映像生成部140に入射する。
映像生成部140は、レンズ133と、DMD160と、プリズム150とを有する。
レンズ133は、ロッドインテグレータ129の出射面の光をDMD160に結像させる。
DMD160は、映像を生成する素子である。DMD160は、1920×1080個のマイクロミラーを有する。DMD160は、映像信号に応じて、各マイクロミラーを偏向させる。これにより、DMD160は、投写レンズ170に入射させる光と、投写レンズ170の有効範囲外へ反射する光とに分ける。DMD160は、光変調素子である。投写レンズ170は、投写光学系の一例である。
プリズム150は、プリズム151と、プリズム152とを有する。プリズム151と、プリズム152との近接面には、空気層153が存在する。空気層153は、薄い空気層である。空気層153は、臨界角以上の角度で入射する光束を全反射する。
レンズ133を介してプリズム151に入射した光は、空気層153により反射される。空気層153により反射された光は、DMD160へ導かれる。DMD160により変調された光は、プリズム151およびプリズム152を透過して投写レンズ170へ導かれる。投写レンズ170は、時間的に合成された映像光をスクリーン105へ投写する。
[1−3]光源周辺の構成
図3は、実施の形態1における蛍光体ホイール構成図である。図3(A)は蛍光体ホイール200の表面図、図3(B)は蛍光体ホイール200の側面図、図3(C)は蛍光体ホイール200の裏面図である。
図3(B)に示すように、蛍光体ホイール200は、モータ230と、基板240とを有している。モータ230は、基板240を回転駆動させる。基板240は、光の入射側に拡散面210、出射側に蛍光体層220を有している。基板240は、ガラス製の円盤状の基板である。
図3(A)に示すように、拡散面210は、青色用の拡散領域211と、赤色用の拡散領域212と、緑色用の拡散領域213とを有する。拡散面210は、励起光密度変更部である。励起光密度変更部は、蛍光体に照射される光源である半導体レーザ121からの励起光のスポットサイズを調整する。
図3(C)に示すように、蛍光体層220は、赤色蛍光体層222と、緑色蛍光体層223とを有する。
赤色蛍光体層222は、第1蛍光体層であり、照射された光を赤色光に変換する。赤色蛍光体層222は、拡散領域212に対応するように設けられている。つまり、光軸との垂直な面に対して、赤色蛍光体層222と、拡散領域212とは、重なるように設けられており、赤色蛍光体層222と、拡散領域212とは、実質的に同一の中心角を持つ円弧状になるように構成されている。このため、赤色用拡散領域212に照射された光は、赤色蛍光体層222に照射される。赤色用拡散板212でのレーザ光が照射されるスポットサイズは、拡散領域212により、第1スポットサイズS1に調整される。
緑色蛍光体層223は、第2蛍光体層であり、照射された光を緑色光に変換する。緑色蛍光体層223は、拡散領域212に対応するように設けられている。つまり、光軸との垂直な面に対して、緑色蛍光体層223と、拡散領域213とは、重なるように設けられており、緑色蛍光体層223と、拡散領域213とは、実質的に同一の中心角を持つ円弧状になるように構成されている。このため、緑色用拡散領域213に照射された光は、緑色蛍光体層223に照射される。緑色蛍光体層223でのレーザ光が照射されるスポットサイズは、拡散領域213により、第2スポットサイズS2に調整される。
切欠部221は、蛍光体が設けられていない部分であり、ガラス板等により構成される。切欠部221は、拡散領域211に対応するように設けられている。このため、拡散領域211に照射された青色光は、拡散領域211を通過する。
このように構成された蛍光体ホイール200は、2つの蛍光体領域である赤色蛍光体層222と、緑色蛍光体層223と、1つの切欠き領域である切欠部221とで、1フレーム(例えば、1/60秒)となるように構成される。すなわち、蛍光体ホイール200に照射された光は、1フレームの中で、赤色蛍光体層222に照射される第1セグメント、緑色蛍光体層223に照射される第2セグメント、切欠部221に照射される第3セグメントに、時間的に分割される。これにより、蛍光体ホイール200を透過した光は、複数の色光を出射する。
ここで、拡散領域212および拡散領域213が、レーザ光により照射されるスポットサイズを調整する構成について説明する。光が拡散板に入射すると、その拡散板の拡散角に依存して光の光路が変化する。拡散角は、入射した光を、何度拡散させるかを示す角度である。赤色用拡散板212の拡散角をθ1、緑色用拡散領域213の拡散角をθ2とする。この場合、θ1>θ2とすることで、スポットサイズS1>スポットサイズS2となる。拡散板の拡散角が大きいと、スポットサイズが大きくなる。拡散板の拡散角が小さいと、スポットサイズが小さくなるためである。これにより、赤色蛍光体層222に照射されるスポットサイズは、緑色蛍光体層223の照射されるスポットサイズより大きくすることができる。
[1−4]効果
図4は、実施の形態1における蛍光体の効率について説明するための図である。
図4(A)は、蛍光体に照射される励起光のスポットサイズとロッドインテグレータにおける光利用効率との関係を示す図である。
図4(A)に示すように、蛍光体に照射される励起光のスポットサイズを大きくしていくと、所定の励起光スポットサイズ以降では、ロッドインテグレータ129における光利用効率が低下する。これは、励起光スポットサイズを所定のサイズ以上とした場合、投写レンズ170への入射光束の断面積が、投写レンズ170の断面積より大きくなるためである。
図4(B)は、蛍光体の励起光のスポットサイズと、蛍光体の変換効率との関係を示す図である。一般的に蛍光体は、温度が上がると蛍光発光量が低下する温度消光特性、励起光密度の増加に対し輝度の出力が飽和する輝度飽和特性を有している。このため、蛍光体に照射する励起光のスポットサイズを小さくすると、蛍光体における蛍光変換効率が低下する。
図4(C)は、異なる組成を有する蛍光体の励起光のスポットサイズと光量(明るさ)との関係を示す図である。図4(C)に示す蛍光体aは、励起光のスポットサイズAの場合に、光量のピーク強度がLとなる。蛍光体bは、励起光のスポットサイズBの場合に、光量のピーク強度がLとなる。このように、組成の異なる蛍光体によって、蛍光体に照射される照射光のスポットサイズの最適値が異なる。これは、各蛍光体により、前記温度消光特性、および前記輝度飽和特性が異なるためである。
このため、2色以上の蛍光体を用いる形態のプロジェクタにおいては、蛍光体に照射される照射光のスポットサイズを、各色蛍光体における最大の明るさを実現するように最適化する必要がある。
本実施の形態のプロジェクタにおいては、蛍光体に照射される照射光のスポットサイズを、赤色用拡散板212および緑色用拡散領域213を用いることで、各色蛍光体における最大の明るさを実現するように構成する。つまり、照射光のスポットサイズは、蛍光体ホイールに設けられた各色セグメント領域に同期して、調整することができる。
一般的に蛍光スペクトルの主波長を長波長側に有する蛍光体ほど、励起光スポットサイズの最適値が大きくなる。このため、本実施の形態のプロジェクタにおいては、赤色用拡散板212の拡散角θ1、緑色用拡散領域213の拡散角θ2を、θ1>θ2とする。これにより、スポットサイズS1>スポットサイズS2とし、各色蛍光体に対し、励起光スポットサイズの最適を図ることができる。
なお、このように構成された蛍光体ホイール200は、重量バランスを考慮して構成される。
(実施の形態2)
[2−1]概要
実施の形態2においては、透過型のプロジェクタに設けられる蛍光体ホイールが、2枚のホイール(ダブルホイール)で構成されている例について説明を行う。実施の形態2におけるプロジェクタは、実施の形態1で説明した透過型のプロジェクタ100に、蛍光体ホイール400を用いた構成である。
[2−2]光源周辺の構成
図5は、実施の形態2における蛍光体ホイール構成図である。図5(A)は蛍光体ホイール400の表面図、図5(B)は蛍光体ホイール400の側面図、図5(C)は蛍光体ホイール400の裏面図である。
蛍光体ホイール400は、ホイール450およびホイール460の2枚のホイールと、モータ430とを有している。蛍光体ホイール400は、ダブルホイール方式である。
ホイール450は、拡散面210と、基板445とを有する。
拡散面210は、ガラス製の基板445の片面に設けられている。拡散面210と、基板445とは、一体に構成されている。拡散面210は、励起光密度変更部である。励起光密度変更部は、蛍光体に照射される光源である半導体レーザ121からの励起光のスポットサイズを調整する。
ホイール460は、蛍光体層220と、基板446とを有する。蛍光体層220は、ガラス製の基板446の片面に設けられている。蛍光体層220と、基板446とは、一体に構成されている。
モータ430は、ホイール450と、ホイール460とを接続するように設けられる。
実施の形態1における基板240は、本実施の形態において、基板445と、基板446との2枚のホイールにより構成されている。実施の形態1と同様の構成は、説明を省略する。
[2−3]効果
蛍光体ホイール400をダブルホイール構成とすることにより、ホイール450、ホイール460のどちらか一方を交換することができる。これにより、蛍光体ホイールの高寿命化を図ることができる。
なお、励起光スポットサイズと明るさの関係は実施の形態1で示したものと同様である。
(実施の形態3)
[3−1]概要
実施の形態3において、2枚のホイール(ダブルホイール)により蛍光体ホイールが構成されている例について説明を行う。また、実施の形態3は、実施の形態1で説明した透過型の蛍光体ホイールを有するプロジェクタ100とは異なり、反射型の蛍光体ホイールを有するプロジェクタ501を用いた構成である。
[3−2]全体構成
図6は、実施の形態3におけるプロジェクタの構成を示す模式図である。以下、実施の形態1で説明した、透過型の蛍光体ホイールを有するプロジェクタ100との相違点を中心に説明する。
図6において、プロジェクタ501は、光源部120、蛍光体ホイール300、フィルターホイール580を含む照明装置502と、映像生成部140と、映像生成部140によって生成された映像光を、スクリーン105(図1)へ投写する投写レンズ170とを有する。
光源部120より出射された光は、レンズ123によって集光されながら、重畳される。レンズ123によって集光された光は、ダイクロイックミラー552に入射する前に、拡散板550とレンズ532とを透過する。拡散板550は、半導体レーザ121からの光の干渉性を低減させる機能を有している。レンズ532は、レンズ123によって集光された光を、再び平行な光束に戻す機能を有している。
ダイクロイックミラー552は、カットオフ波長を約490nmに設定した色合成素子である。従って、レンズ123によって平行光化された光は、ダイクロイックミラー552によって反射され、蛍光体ホイール300へ照射される。
レンズ534、536は、蛍光体ホイール300に照射する光を集光する。蛍光体ホイール300へ集光する光のスポットサイズを小さくして、光利用効率を向上させるためである。本実施形態において、蛍光体ホイール300に照射される光の直径は、約2.0mmである。
蛍光体ホイール300に照射される光は、蛍光体ホイール300の蛍光体領域を透過することにより、励起される。半導体レーザ121および蛍光体ホイール300は、B光、R光、G光を時分割で生成する。これにより、蛍光体ホイール300は、複数の色光を発する。図7を用いて蛍光体ホイール300の構成について説明を後述する。
蛍光体ホイール300により生成された色光は、2つの光路を通ってダイクロイックミラー552に到達する。
一方の光路は、蛍光体ホイール300を透過する光路である。蛍光体ホイール300を透過して、光路をリレーされた後に、ダイクロイックミラー552に到達する。ダイクロイックミラー552に到達した光は、ダイクロイックミラー552を透過する。
他方の光路は、蛍光体ホイール300により反射される光路である。蛍光体ホイール300により反射されて、ダイクロイックミラー552に到達する。ダイクロイックミラー552に到達した光は、ダイクロイックミラー552を透過する。
このようにして、蛍光体ホイール300を透過した光の光路(一方の光路)と、反射した光の光路(他方の光路)とは、ダイクロイックミラー552によって合成される。
ダイクロイックミラー552によって合成された光は、レンズ544によって集光され、フィルターホイール580を通過した後、ロッドインテグレータ560に入射する。
ロッドインテグレータ560に入射した光は、各種光学系を通じて、投写レンズ170からスクリーン105へ投写される。
[3−3]光源周辺の構成
図7は、実施の形態3における蛍光体ホイール300の構成図である。図7(A)は蛍光体ホイール300の側面図、図7(B)は基板310を表した図、図7(C)は蛍光体層220を表した図、図7(D)は基板325を表した図である。
蛍光体ホイール300は、基板310と、蛍光体層220と、基板325と、モータ330とを有している。
基板310は、蛍光体ホイール300の光の出射側に設けられる。基板310は、一部に透過領域360を有する、アルミ製の基板である。
蛍光体層220は、赤色蛍光体層222と、緑色蛍光体層223と、切欠部221とを有する。蛍光体層220は、円盤状の基板である。切欠部221は、基板310の円盤状の基板の一部を切り欠いて設けられる。切欠部221は、入射光をそのまま透過する。
基板325は、蛍光体ホイール300の光の入射側に設けられる。基板325は、赤色用の光学ガラス板(R光学ガラス板)322と、緑色用の光学ガラス板(G光学ガラス板)323と、切欠部321とを有する。基板325は、円盤状の基板である。切欠部321は、円盤状の基板の一部を切り欠いて設けられ、入射光をそのまま透過する。基板325は、励起光密度変更部である。励起光密度変更部は、蛍光体に照射される光源である半導体レーザ121からの励起光のスポットサイズを調整する。
基板310と、蛍光体層220と、基板325とは、一体に構成される。モータ330は、一体に構成された基板310と、蛍光体層220と、基板325とを回転駆動させる。
このように構成された蛍光体ホイール300は、重量バランスを考慮して構成される。モータ330は、図示しない制御部によって制御される。
赤色蛍光体層222は、第1蛍光体層であり、照射された光を赤色光に変換する。赤色蛍光体層222は、光学ガラス板322に対応するように設けられている。つまり、光軸との垂直な面に対して、赤色蛍光体層222と、光学ガラス板322とは、重なるように設けられており、赤色蛍光体層222と、光学ガラス板322とは、実質的に同一の中心角を持つ円弧状になるように構成されている。このため、光学ガラス板322に照射された光は、赤色蛍光体層222に照射される。赤色蛍光体層222でのレーザ光が照射されるスポットサイズは、光学ガラス板322により、第1スポットサイズS1に調整される。
緑色蛍光体層223は、第2蛍光体層であり、照射された光を緑色光に変換する。緑色蛍光体層223は、光学ガラス板323に対応するように設けられている。つまり、光軸との垂直な面に対して、緑色蛍光体層223と、光学ガラス板323とは、重なるように設けられており、緑色蛍光体層223と、光学ガラス板323とは、実質的に同一の中心角を持つ円弧状になるように構成されている。このため、緑色用光学ガラス板323に照射された光は、緑色蛍光体層223に照射される。緑色蛍光体層223でのレーザ光の照射されるスポットサイズは、光学ガラス板323により、第1スポットサイズS2に調整される。
図7において、R光学ガラス板322に照射された光は、赤色蛍光体層222をスポットサイズS1にて照射する。さらに、G光学ガラス板323に照射された光は、緑色蛍光体層223をスポットサイズS2にて照射する。
図6に戻り、蛍光体ホイール300に照射された光の光路について詳細に説明する。蛍光体ホイール300を透過した光の光路(一方の光路)について説明する。レンズ534、536によって集光された光のうち、蛍光体ホイール300の切欠部221に照射された光は、蛍光体ホイール300を透過する。蛍光体ホイール300を透過した光は、レンズ538、540によって平行光化される。基板310の透過領域360に照射された光は、蛍光体ホイール300を透過する。ミラー554、556、558は、蛍光体ホイール300を透過した光の光路上に設けられる。ミラー554、556、558は、蛍光体ホイール300を透過した光を、再びダイクロイックミラー552に戻すように配置される。レンズ542は、蛍光体ホイール300と、ダイクロイックミラー552との間に設けられる。レンズ542は、延長された光路分をリレーする。蛍光体ホイール300を透過し、光路をリレーされてダイクロイックミラー552に戻った光は、ダイクロイックミラー552によって反射される。
蛍光体ホイール300を反射した光の光路(他方の光路)について説明する。レンズ534、536によって集光された光のうち、蛍光体ホイール300の赤色蛍光体層222、緑色蛍光体層223に照射された光は、それぞれ緑色光および赤色光に変換される。蛍光体ホイール300により反射される。蛍光体ホイール300により反射された緑色光および赤色光は、レンズ534、536によって平行光化される。レンズ534、536によって平行光化された光は、ダイクロイックミラー552に戻り、ダイクロイックミラー552を透過する。
このようにして、蛍光体ホイール300を透過した光の光路(一方の光路)と、蛍光体ホイール300を反射した光の光路(他方の光路)とは、ダイクロイックミラー552によって合成される。ダイクロイックミラー552によって合成された光は、レンズ544によって集光され、ロッドインテグレータ560に入射する。
ロッドインテグレータ560を出射した光は、レンズ546、548にリレーされ、映像生成部140に入射する。
映像生成部140に入射した光は、各種光学系を通じて、投写レンズ170から照明装置110へ投写される。
[3−4]効果
本実施の形態における効果について説明する。R光学ガラス板322の厚みをt1、G光学ガラス板323の厚みをt2とする。光路長は、ガラス板の厚みがt1の場合、T1と表すことができる。光路長は、ガラス板の厚みがt2の場合、T2と表すことができる。光路長は、ガラス板の厚みに対応した長さとなる。ガラス板の厚みが厚いと、光路長は長くなり、蛍光体層に照射される励起光のスポットサイズは小さくなる。ガラス板の厚みが薄いと、光路長は短くなり、蛍光体層に照射される励起光のスポットサイズは大きくなる。
ガラス板の厚みをt1<t2とすることで、赤色蛍光体層222に照射される励起光のスポットサイズS1>緑色蛍光体層223に照射される励起光のスポットサイズS2となる。これにより、緑色、赤色蛍光体それぞれに対して照射スポットサイズの最適化を可能とする。これにより、プロジェクタ100の明るさが向上する。
なお、励起光スポットサイズと明るさの関係は実施例1で示したものと同様である。
(実施の形態4)
[4−1]概要
実施の形態4において、蛍光体ホイール500は、光の入射側にトロイダルレンズ510、出射側に蛍光体層220を設けた構成について説明する。
[4−2]光源周辺の構成
図8は、実施の形態4における蛍光体ホイール構成図である。
トロイダルレンズ510は、赤色用のトロイダルレンズ(Rトロイダルレンズ)511、緑色用のトロイダルレンズ(Gトロイダルレンズ)512を有する。トロイダルレンズは、円環状のレンズであり、レンズ表面の縦横における曲率が異なるように構成されている。トロイダルレンズ510は、励起光密度変更部である。励起光密度変更部は、蛍光体に照射される光源である半導体レーザ121からの励起光のスポットサイズを調整する。
蛍光体ホイール500以外の構成は、実施の形態1と同様である。
[4−3]効果
本実施の形態における効果について説明する。Rトロイダルレンズ511の曲率半径をr1、Gトロイダルレンズの曲率半径をr2とする。トロイダルレンズの曲率半径が大きいと、蛍光体層に照射される照射スポットサイズは大きくなる。トロイダルレンズの曲率半径が小さいと、蛍光体層に照射される照射スポットサイズは小さくなる。
トロイダルレンズの曲率半径をr1>r2とすることで、赤色蛍光体層222の照射スポットサイズS1>緑色蛍光体層223の照射スポットサイズS2となる。これにより、緑色、赤色蛍光体それぞれに対して照射スポットサイズの最適化を可能とする。
これにより、プロジェクタの明るさが向上する。
なお、励起光スポットサイズと明るさの関係は実施の形態1で示したものと同様である。
(実施の形態5)
[5−1]概要
実施の形態5において、蛍光体ホイール600に用いる基板を変形させた構成について説明する。
[5−2]光源周辺の構成
図9は、実施の形態5における蛍光体ホイールの構成図である。
本実施形態では、蛍光体ホイール600に部分的に変形したアルミ製の基板(変形基板)605を用い、この基板上に蛍光体層620を設ける。
蛍光体ホイール600は、基板605と、モータ630とを有する。基板605は、モータ630により回転駆動される。
基板605は、励起光密度変更部である。励起光密度変更部は、蛍光体に照射される光源である半導体レーザ121からの励起光のスポットサイズを調整する。基板605の表面には、蛍光体層620が塗布されている。基板605は、光が入射するスポットサイズが異なるように変形している。つまり、基板605は、励起光源と、基板605上の蛍光体の塗布領域との距離が、蛍光体の特性に合わせて好適な値になるように構成されている。具体的には、光軸上において、特定領域、例えば赤色蛍光体層622の塗布領域と光源との距離は、緑色蛍光体層623の塗布領域と光源との距離よりも相対的に小さくなるように構成されている。このため、赤色蛍光体層622に照射されるスポット光は、緑色蛍光体層623に照射されるスポット光より大きくなる。
蛍光体層620は、第1蛍光体層である赤色蛍光体層622と、第2蛍光体層である緑色蛍光体層623とを有する。また、基板605は、透過領域621を有する。
蛍光体ホイール600以外の構成は、実施の形態2と同様である。
[5−3]効果
本実施の形態における効果について説明する。上述の構成により、赤色蛍光体層622に照射される励起光のスポットサイズS1>緑色蛍光体層623に照射される励起光のスポットサイズS2となる。これにより、緑色、赤色蛍光体それぞれに対して照射スポットサイズの最適化を図ることができる。
これにより、プロジェクタの明るさが向上する。
なお、励起光スポットサイズと明るさとの関係は実施の形態1で示したものと同様である。
以上のように、添付図面および詳細な説明によって、ベストモードと考える実施の形態と他の実施の形態とを提供した。これらは、特定の実施の形態を参照することにより、当業者に対して、特許請求の範囲に記載の主題を例証するために提供されるものである。したがって、特許請求の範囲またはその均等の範囲において、上述の実施の形態に対して、種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、プロジェクタ等の映像投写装置に適用できる。
100、501 プロジェクタ
105 スクリーン
110、502 照明装置
120 光源部
121 半導体レーザ
122、123、124、126、127、128、130、131、133 レンズ
125、550 拡散板
129、560 ロッドインテグレータ
140 映像生成部
150、151、152 プリズム
153 空気層
160 DMD
170 投写レンズ
200、300、400、500、600 蛍光体ホイール
210 拡散面
211、212、213 拡散領域
220、620 蛍光体層
221、321 切欠部
222、622 赤色蛍光体層
223、623 緑色蛍光体層
230、330、430、530、630 モータ
240、310、325、445、446、505、605 基板
322、323 光学ガラス板
360、621 透過領域
450、460 ホイール
532、534、536、538、540、542、544、546、548 レンズ
510 トロイダルレンズ
511 赤色用のトロイダルレンズ
512 緑色用のトロイダルレンズ

Claims (3)

  1. 励起光を出射する光源と、
    前記励起光により励起されて蛍光を発する蛍光体と、
    前記蛍光体を含む蛍光体層が設けられた蛍光体ホイールと、
    前記蛍光体層に照射される前記光源からの前記励起光のスポットサイズを調整する光学部材からなる励起光密度変更部と、を備え、
    前記蛍光体層は、第1蛍光体層と、第2蛍光体層とを有し、
    前記光源からの出射光は、前記第1蛍光体層に第1スポットサイズで照射され、
    前記光源からの出射光は、前記第2蛍光体層に第2スポットサイズで照射され、
    前記光源からの出射光は、前記第1蛍光体層、及び前記第2蛍光体層に対して時分割で照射され、
    前記第1蛍光体層から出射される蛍光スペクトルの主波長は、前記第2蛍光体層から出射される蛍光スペクトルの主波長よりも長波長であり、
    前記励起光密度変更部は、前記第1スポットサイズ前記第2スポットサイズより大きくなるように前記光源から出射した光を調整する光源装置。
  2. 前記起光密度変更部は、拡散板、光学ガラス板、トロイダルレンズのうち少なくともいずれか一つを有する請求項1に記載の光源装置。
  3. 光源装置と、
    前記光源装置からの出射光を変調する光変調素子と、
    前記光変調素子からの出射光を所定の光路に従って投写する投写光学系と、を備え、
    前記光源装置が、請求項1〜2のいずれか1項に記載の光源装置である投写型表示装置。
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