JP2014199118A - ノックピンおよび金型 - Google Patents
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【課題】引き抜き易く再利用可能なノックピンおよびノックピンを備えた金型を提供する。
【解決手段】ノックピン引き抜き方向Pに拡径したテーパ状の内周面を有した孔部51が設けられるとともに時効変寸が発生する第1金型2と、円筒状の内周面を有した穴部52が設けられる第2金型3と、を、孔部51および穴部52によって構成されるノック穴5に挿通されることで位置決めするノックピン4であって、第1金型2の孔部51に係合するテーパ状の外周面を有したテーパ部42と、テーパ部42に連続するとともに第2金型3の穴部52に係合する外周面を有した第2ストレート部43と、を含み、第2ストレート部43の長さLは、第1金型2に発生した時効変寸によるテーパ部42のノックピン引き抜き方向Pの変位量Xよりも長い。
【選択図】図1
【解決手段】ノックピン引き抜き方向Pに拡径したテーパ状の内周面を有した孔部51が設けられるとともに時効変寸が発生する第1金型2と、円筒状の内周面を有した穴部52が設けられる第2金型3と、を、孔部51および穴部52によって構成されるノック穴5に挿通されることで位置決めするノックピン4であって、第1金型2の孔部51に係合するテーパ状の外周面を有したテーパ部42と、テーパ部42に連続するとともに第2金型3の穴部52に係合する外周面を有した第2ストレート部43と、を含み、第2ストレート部43の長さLは、第1金型2に発生した時効変寸によるテーパ部42のノックピン引き抜き方向Pの変位量Xよりも長い。
【選択図】図1
Description
本発明は、ノックピンおよび金型に関する。詳しくは、第1金型および第2金型を位置決めするノックピンおよびノックピンを備えた金型に関する。
従来、カムベースまたはカムドライバーをリーマボルトによって固定金型または移動金型に位置決めする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された技術では、リーマボルトは、締結用のボルトとこのボルトを遊嵌させる貫通孔を有する位置決め用のノックピンとからなる。
これにより、カムベースまたはカムドライバーの金型への取付部に、リーマ孔と締結用のボルトに対するネジ孔とが1箇所に形成され、金型への取付部の幅寸法もしくは長さ寸法を従来に比して狭く設計することができる。したがって、カムユニット全体がコンパクトになり、小型化・軽量化が達成される。
ところで、金型を、ある程度硬質な材料(例えば、工具鋼(SKD11)など)を用いた第1金型と、上記工具鋼(SKD11)よりも廉価な材料(例えば、鋳鋼(FCD550)など)を用いた第2金型と、を含んで構成し、金型の製造コストの低減を図る場合がある。
この場合に、工具鋼(SKD11)などを用いた第1金型には、時効による変寸(以下、時効変寸という)が発生する。時効変寸は、熱処理後の相当時間を経て引き起こされるため、第1金型と第2金型とを組み付けた後に発生する。
ここで、第1金型に発生する時効変寸とは、金型の熱処理後に完全にマルテンサイトにならず残留したオーステナイトが存在している場合に、その残留オーステナイトが分解されることによって金型の変寸(寸法変化)が発生する現象である。一般的な時効変寸は、金型が膨張する方向の変寸である。
ここで、第1金型に発生する時効変寸とは、金型の熱処理後に完全にマルテンサイトにならず残留したオーステナイトが存在している場合に、その残留オーステナイトが分解されることによって金型の変寸(寸法変化)が発生する現象である。一般的な時効変寸は、金型が膨張する方向の変寸である。
ここで、金型の調整では、第1金型と第2金型とを組み付けた後に熱処理などのテストを実施し、その後第1金型と第2金型との組み付けを解いて第1金型および第2金型を微調整し、第1金型と第2金型とを再度組み付けてテストを繰り返すことが一般的である。
図2(a)に示すように、工具鋼(SKD11)などを用いた第1金型102と、鋳鋼(FCD550)などを用いた第2金型103との位置決めにノックピン104が用いられる場合がある。この場合に、図2(b)に示すように、第1金型102に時効変寸が発生して第1金型102が膨張してノックピン104を挿入するノック穴105が縮径されると、縮径されたノック穴105がノックピン104に食いつき、ノックピン104の引き抜きに対する摩擦が大きくなり、ノックピン104が引き抜けなくなる弊害が生じる。
そして、抜け難いノックピン104が無理に引き抜かれると、ノックピン104の外周面に凹凸(荒れ)が生じる。図3に示すように、外周面に凹凸が生じたノックピン104aは、第1金型102に再度挿入されるときに凸部がノック穴105の開口縁に引っ掛かり、再利用できない。
そして、抜け難いノックピン104が無理に引き抜かれると、ノックピン104の外周面に凹凸(荒れ)が生じる。図3に示すように、外周面に凹凸が生じたノックピン104aは、第1金型102に再度挿入されるときに凸部がノック穴105の開口縁に引っ掛かり、再利用できない。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、引き抜き易く再利用可能なノックピンおよびノックピンを備えた金型を提供することにある。
(1) 本発明のノックピン(例えば、後述のノックピン4)は、ノックピン引き抜き方向(例えば、後述のノックピン引き抜き方向P)に拡径したテーパ状の内周面を有した孔部(例えば、後述の孔部51)が設けられるとともに時効変寸が発生する第1金型(例えば、後述の第1金型2)と、円筒状の内周面を有した穴部(例えば、後述の穴部52)が設けられる第2金型(例えば、後述の第2金型3)と、を、前記孔部および前記穴部によって構成されるノック穴(例えば、後述のノック穴5)に挿通されることで位置決めするノックピンであって、前記第1金型の前記孔部に係合するテーパ状の外周面を有したテーパ部(例えば、後述のテーパ部42)と、前記テーパ部に連続するとともに前記第2金型の前記穴部に係合する外周面を有したストレート部(例えば、後述の第2ストレート部43)と、を含み、前記ストレート部の長さ(例えば、後述の長さL)は、前記第1金型に発生した時効変寸による前記ノックピンの前記ノックピン引き抜き方向の変位量(例えば、後述の変位量X)よりも長いことを特徴とする。
(1)の発明は、ノックピンが、第1金型の孔部に係合するテーパ状の外周面を有したテーパ部と、テーパ部に連続するとともに第2金型の穴部に係合する外周面を有したストレート部と、を備える。第1金型に発生した時効変寸によって孔部が縮径されると、ノックピンのテーパ部は、孔部のノックピン引き抜き方向に拡径したテーパ状の内周面が縮径されるとともに第1金型がノックピン引き抜き方向に変位することに応じて、ノックピン引き抜き方向に押し出されて変位する。このため、第1金型に発生した時効変寸によって縮径された孔部がノックピンのテーパ部に食いつかず、ノックピンの引き抜きに対する摩擦は小さい。したがって、ノックピンは引き抜き易い。
また、ノックピンのストレート部の長さは、第1金型の時効変寸によってテーパ部のノックピン引き抜き方向の変位量よりも長い。このため、第1金型に発生した時効変寸によってノックピンのテーパ部がノックピン引き抜き方向に変位しても、ノックピンのストレート部は第2金型の穴部に係合した状態を維持する。したがって、ノックピンは、第1金型に時効変寸が発生した後でも、第1金型および第2金型の位置決めを継続することができる。
さらに、第1金型に時効変寸が発生した後でもノックピンが引き抜き易いことから、ノックピンを引き抜くときにノックピンの外周面に凹凸(荒れ)が生じ難い。したがって、引き抜いたノックピンは、ノック穴の開口縁に引っ掛かる凸部を有さず、再利用できる。
(2) 本発明の金型(例えば、後述の金型1)は、ノックピン引き抜き方向(例えば、後述のノックピン引き抜き方向P)に拡径したテーパ状の内周面を有した孔部(例えば、後述の孔部51)が設けられるとともに時効変寸が発生する第1金型(例えば、後述の第1金型2)と、円筒状の内周面を有した穴部(例えば、後述の穴部52)が設けられる第2金型(例えば、後述の第2金型3)と、前記第1金型と前記第2金型とを、前記孔部および前記穴部によって構成されるノック穴(例えば、後述のノック穴5)に挿通されることで位置決めするノックピン(例えば、後述のノックピン4)と、を備え、前記ノックピンは、前記第1金型の前記孔部に係合するテーパ状の外周面を有したテーパ部(例えば、後述のテーパ部42)と、前記テーパ部に連続するとともに前記第2金型の前記穴部に係合する外周面を有したストレート部(例えば、後述の第2ストレート部43)と、を含み、前記ノックピンの前記ストレート部の長さ(例えば、後述の長さL)は、前記第1金型に発生した時効変寸による前記ノックピンの前記ノックピン引き抜き方向の変位量(例えば、後述の変位量X)よりも長いことを特徴とする。
(2)の発明は、(1)の発明と同様の作用・効果を奏することができる。
本発明によれば、引き抜き易く再利用可能なノックピンおよびノックピンを備えた金型を提供することができる。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1(a),(b)は、本実施形態に係る金型1の要部を示す断面図であり、図1(a)が通常状態を示す断面図であり、図1(b)が時効変寸発生後の状態を示す断面図である。
図1(a),(b)に示すように、本実施形態に係る金型1は、プレス成形用金型であり、第1金型2と、第2金型3と、ノックピン4と、を備える。
図1(a),(b)に示すように、本実施形態に係る金型1は、プレス成形用金型であり、第1金型2と、第2金型3と、ノックピン4と、を備える。
第1金型2は、平板状であり、プレス成形材にプレス成形を施す金型表面21を有し、第2金型3に組み付けられる。第1金型2の材質は、ある程度硬質な材料(例えば、工具鋼(SKD11)など)を用いる。
第1金型2は、工具鋼(SKD11)などを用いているため、時効変寸が発生する(図1(b)参照)。ここで、第1金型2に発生する時効変寸とは、第1金型2の熱処理後に完全にマルテンサイトにならず残留したオーステナイトが存在している場合に、その残留オーステナイトが分解されることによって第1金型2の変寸(寸法変化)が発生する現象である。一般的な時効変寸は、金型が膨張する方向の変寸である。時効変寸は、熱処理後の相当時間を経て引き起こされるため、第1金型2と第2金型3とを組み付けた後に発生し、第1金型2を膨張させる。
第1金型2は、工具鋼(SKD11)などを用いているため、時効変寸が発生する(図1(b)参照)。ここで、第1金型2に発生する時効変寸とは、第1金型2の熱処理後に完全にマルテンサイトにならず残留したオーステナイトが存在している場合に、その残留オーステナイトが分解されることによって第1金型2の変寸(寸法変化)が発生する現象である。一般的な時効変寸は、金型が膨張する方向の変寸である。時効変寸は、熱処理後の相当時間を経て引き起こされるため、第1金型2と第2金型3とを組み付けた後に発生し、第1金型2を膨張させる。
第2金型3は、平板状であり、第1金型2に重ねられ、第1金型2を支持する金型本体を構成する。第2金型3の材質は、工具鋼(例えば、SKD11)などより廉価な材料(例えば、鋳鋼(FCD550)など)を用いる。第2金型3を廉価な材料で構成することで、金型の製造コストの低減を図っている。第2金型3は、鋳鋼(FCD550)などを用い、工具鋼(SKD11)などを用いていないため、時効変寸が発生しない。
第1金型2と第2金型3には、ノックピン4を挿通するノック穴5が穿設されている。
ノック穴5は、第1金型2および第2金型3にわたり、金型積層面Sに対して垂直な軸線方向に沿って中空円筒状に穿設され、孔部51と、穴部52と、を含む。
ノック穴5は、第1金型2および第2金型3にわたり、金型積層面Sに対して垂直な軸線方向に沿って中空円筒状に穿設され、孔部51と、穴部52と、を含む。
孔部51は、第1金型2に設けられ、第1ストレート孔部51aと、テーパ孔部51bと、第2ストレート孔部51cと、を、ノックピン差込方向Iにこの順に含む。
第1ストレート孔部51aは、第1金型2の金型表面21側に円形で等しい口径を有する。第1ストレート孔部51aは、円筒状の内周面を有する。
テーパ孔部51bは、第1ストレート孔部51aに対してノックピン差込方向Iに連続し、ノックピン差込方向Iとは反対方向であるノックピン引き抜き方向Pに拡径したテーパ状の内周面(円錐面)を有する。
第2ストレート孔部51cは、テーパ孔部51bに対してノックピン差込方向Iに連続し、円形で等しい口径を有する。第2ストレート孔部51cは、円筒状の内周面を有する。
孔部51の口径は、第1ストレート孔部51aの大きな径からテーパ孔部51bを介して縮径され、第2ストレート孔部51cの小さな径にノックピン差込方向Iに順次変形する。第2ストレート孔部51cの口径は、第1金型2に時効変寸が発生した後でもノックピン4を挿通可能な寸法である。
孔部51の軸線方向の長さは、テーパ孔部51bが最も長く、第1ストレート孔部51aがテーパ孔部51bの次に長く、第2ストレート孔部51cが最も短い。
第1ストレート孔部51aは、第1金型2の金型表面21側に円形で等しい口径を有する。第1ストレート孔部51aは、円筒状の内周面を有する。
テーパ孔部51bは、第1ストレート孔部51aに対してノックピン差込方向Iに連続し、ノックピン差込方向Iとは反対方向であるノックピン引き抜き方向Pに拡径したテーパ状の内周面(円錐面)を有する。
第2ストレート孔部51cは、テーパ孔部51bに対してノックピン差込方向Iに連続し、円形で等しい口径を有する。第2ストレート孔部51cは、円筒状の内周面を有する。
孔部51の口径は、第1ストレート孔部51aの大きな径からテーパ孔部51bを介して縮径され、第2ストレート孔部51cの小さな径にノックピン差込方向Iに順次変形する。第2ストレート孔部51cの口径は、第1金型2に時効変寸が発生した後でもノックピン4を挿通可能な寸法である。
孔部51の軸線方向の長さは、テーパ孔部51bが最も長く、第1ストレート孔部51aがテーパ孔部51bの次に長く、第2ストレート孔部51cが最も短い。
穴部52は、第2金型3に設けられ、第2ストレート孔部51cに対してノックピン差込方向Iに連続し、円形で等しい口径とノック穴5の底53とを有する。穴部52は、円筒状の内周面を有する。
穴部52の口径は、第2ストレート孔部51cの口径よりもわずかに小さい寸法である。
穴部52の口径は、第2ストレート孔部51cの口径よりもわずかに小さい寸法である。
ノックピン4は、棒状であり、第1金型2と第2金型3とを、第1金型2および第2金型3に穿設されたノック穴5に挿通されて位置決めする。ノックピン4の材質は、例えば、SUS、S45CF、SCM、HRC、SUJなどを用いる。
ノックピン4は、第1ストレート部41と、テーパ部42と、第2ストレート部43と、をノックピン差込方向Iにこの順に含む。
第1ストレート部41は、円柱状であり、第1ストレート孔部51aの口径よりも小さな直径を有する。第1ストレート部41の直径は、第1金型2に発生した時効変寸によって第1ストレート孔部51aが縮径された後でも第1ストレート孔部51aに接触しない寸法である。
テーパ部42は、円錐台状であり、第1ストレート部41に対してノックピン差込方向Iに連続し、テーパ孔部51bに係合可能なノックピン引き抜き方向Pに拡径されたテーパ状の外周面(円錐面)を有する。すなわち、テーパ部42のテーパ角は、テーパ孔部51bのテーパ角とほぼ一致している。
テーパ部42は、テーパ孔部51bに係合した状態となっているときに、第1金型2に発生した時効変寸によってテーパ孔部51bが縮径されると、テーパ部42の直径と縮径されたテーパ孔部51bの口径とが一致するとともに、第1金型2のテーパ孔部51b以下の下方部分がノックピン引き抜き方向Pへ変位することによる変位量Xでノックピン引き抜き方向Pに変位する。
第2ストレート部43は、円柱状であり、テーパ部42に対してノックピン差込方向Iに連続し、穴部52の口径とほぼ等しい直径を有する。第2ストレート部43は、穴部52の口径とほぼ等しい直径を有することで、穴部52と係合可能である。また、第2ストレート部43は、第1金型2に発生した時効変寸によって縮径された第2ストレート孔部51cに挿通可能であり、第2ストレート孔部51cの口径よりもわずかに小さいことで、第1金型2に時効変寸が発生したときに第2ストレート孔部51cの内周面に接触して第2ストレート孔部51cと係合可能である。
第2ストレート部43の軸線方向の長さLは、第1金型2の時効変寸によるテーパ部42のノックピン引き抜き方向Pの変位量Xよりも長くなる寸法である。
第1ストレート部41は、円柱状であり、第1ストレート孔部51aの口径よりも小さな直径を有する。第1ストレート部41の直径は、第1金型2に発生した時効変寸によって第1ストレート孔部51aが縮径された後でも第1ストレート孔部51aに接触しない寸法である。
テーパ部42は、円錐台状であり、第1ストレート部41に対してノックピン差込方向Iに連続し、テーパ孔部51bに係合可能なノックピン引き抜き方向Pに拡径されたテーパ状の外周面(円錐面)を有する。すなわち、テーパ部42のテーパ角は、テーパ孔部51bのテーパ角とほぼ一致している。
テーパ部42は、テーパ孔部51bに係合した状態となっているときに、第1金型2に発生した時効変寸によってテーパ孔部51bが縮径されると、テーパ部42の直径と縮径されたテーパ孔部51bの口径とが一致するとともに、第1金型2のテーパ孔部51b以下の下方部分がノックピン引き抜き方向Pへ変位することによる変位量Xでノックピン引き抜き方向Pに変位する。
第2ストレート部43は、円柱状であり、テーパ部42に対してノックピン差込方向Iに連続し、穴部52の口径とほぼ等しい直径を有する。第2ストレート部43は、穴部52の口径とほぼ等しい直径を有することで、穴部52と係合可能である。また、第2ストレート部43は、第1金型2に発生した時効変寸によって縮径された第2ストレート孔部51cに挿通可能であり、第2ストレート孔部51cの口径よりもわずかに小さいことで、第1金型2に時効変寸が発生したときに第2ストレート孔部51cの内周面に接触して第2ストレート孔部51cと係合可能である。
第2ストレート部43の軸線方向の長さLは、第1金型2の時効変寸によるテーパ部42のノックピン引き抜き方向Pの変位量Xよりも長くなる寸法である。
次に、金型1の状態について説明する。
金型1の調整では、第1金型2と第2金型3とを組み付けた後に熱処理などのテストを実施し、その後第1金型2と第2金型3との組み付けを解いて第1金型2および第2金型3を微調整し、第1金型2と第2金型3とを再度組み付けてテストを繰り返す。
金型1の調整では、第1金型2と第2金型3とを組み付けた後に熱処理などのテストを実施し、その後第1金型2と第2金型3との組み付けを解いて第1金型2および第2金型3を微調整し、第1金型2と第2金型3とを再度組み付けてテストを繰り返す。
金型1は、まず、第2金型3に対して第1金型2を組み付けて固定する。次に、第2金型3に対して第1金型2を組み付けることで連続したノック穴5にノックピン4を挿通する。
また、第1金型2と第2金型3との組み付けを解く場合には、ノック穴5に挿通したノックピン4のノックピン引き抜き方向P側の基端端面に形成されたネジ穴にノックピン引き抜き装置を装着し、ノックピン4を引き抜く。
また、第1金型2と第2金型3との組み付けを解く場合には、ノック穴5に挿通したノックピン4のノックピン引き抜き方向P側の基端端面に形成されたネジ穴にノックピン引き抜き装置を装着し、ノックピン4を引き抜く。
図1(a)に示すように、第1金型2と第2金型3とを組み付ける場合には、第1金型2に時効変寸が発生していないため、ノックピン4がノック穴5に挿通されることで、第1金型2と第2金型3との組み付けが精度良く実施される。このとき、ノックピン4のテーパ部42は、第1金型2のテーパ孔部51bに係合した状態である。また、第2ストレート部43は、第2金型3の穴部52に係合した状態である。これにより、ノックピン4は、ノック穴5に嵌合する。加えて、ノックピン4のノックピン引き抜き方向P側の基端が、第1金型2の金型表面21に突出せず、ノックピン4全体がノック穴5内に収納される。
一方、図1(b)に示すように、第1金型2に時効変寸が発生すると、第1金型2が膨張し、ノック穴5の孔部51が縮径される。このとき、ノックピン4のテーパ部42は、テーパ孔部51bが縮径することで、テーパ部42の直径と縮径されたテーパ孔部51bの口径とが一致するとともに、第1金型2のテーパ孔部51b以下の下方部分がノックピン引き抜き方向Pへ変位することによる変位量Xでノックピン引き抜き方向Pに変位する。これにより、ノックピン4全体が上記変位量Xに合わせてノックピン引き抜き方向Pに移動する。そして、ノックピン4の第1ストレート部41は、第1金型2に発生した時効変寸によって第1ストレート孔部51aが縮径した後でも第1ストレート孔部51aに接触しない。また、第2ストレート部43は、第2金型3の穴部52と係合した状態を維持するとともに、第1金型2に発生した時効変寸によって縮径された第2ストレート孔部51cの口径が穴部52の口径とほぼ等しいため、第1金型2の第2ストレート孔部51cとも係合する。これにより、第1金型2の第2ストレート孔部51cは、第1金型2に時効変寸が発生した後でも、第2ストレート部43に食いつかない。
以上の本実施形態に係る金型1によれば、以下の効果を奏する。
(1)ノックピン4は、第1金型2の孔部51に係合するテーパ状の外周面を有したテーパ部42と、テーパ部42に連続するとともに第2金型3の穴部52に係合する外周面を有した第2ストレート部43と、を含む。第1金型2に発生した時効変寸によって孔部51が縮径されると、ノックピン4のテーパ部42は、孔部51がノックピン引き抜き方向Pに拡径したテーパ状の内周面が縮径されるとともに第1金型2がノックピン引き抜き方向Pに変位することに応じて、ノックピン引き抜き方向Pに押し出されて変位する。このため、第1金型2に発生した時効変寸によって縮径された孔部51がノックピン4のテーパ部42に食いつかず、ノックピン4の引き抜きに対する摩擦は小さい。したがって、ノックピン4は引き抜き易い。
また、ノックピン4の第2ストレート部43の長さは、第1金型2の時効変寸によるテーパ部42のノックピン引き抜き方向Pの変位量Xよりも長い。このため、第1金型2に発生した時効変寸によってノックピン4のテーパ部42がノックピン引き抜き方向Pに変位しても、ノックピン4の第2ストレート部43は第2金型3の穴部52に係合した状態を維持する。したがって、ノックピン4は、第1金型2に時効変寸が発生した後でも、第1金型2および第2金型3の位置決めを継続することができる。
さらに、第1金型2に時効変寸が発生した後でもノックピン4が引き抜き易いことから、ノックピン4を引き抜くときにノックピン4の外周面に凹凸(荒れ)が生じ難い。したがって、引き抜いたノックピン4は、ノック穴5の開口縁に引っ掛かる凸部を有さず、再利用できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に包含される。
1…金型
2…第1金型
3…第2金型
4…ノックピン
42…テーパ部
43…第2ストレート部(ストレート部)
5…ノック穴
L…長さ
X…変位量
P…ノックピン引き抜き方向
2…第1金型
3…第2金型
4…ノックピン
42…テーパ部
43…第2ストレート部(ストレート部)
5…ノック穴
L…長さ
X…変位量
P…ノックピン引き抜き方向
Claims (2)
- ノックピン引き抜き方向に拡径したテーパ状の内周面を有した孔部が設けられるとともに時効変寸が発生する第1金型と、円筒状の内周面を有した穴部が設けられる第2金型と、を、前記孔部および前記穴部によって構成されるノック穴に挿通されることで位置決めするノックピンであって、
前記第1金型の前記孔部に係合するテーパ状の外周面を有したテーパ部と、前記テーパ部に連続するとともに前記第2金型の前記穴部に係合する外周面を有したストレート部と、を含み、
前記ストレート部の長さは、前記第1金型に発生した時効変寸による前記ノックピンの前記ノックピン引き抜き方向の変位量よりも長いことを特徴とするノックピン。 - ノックピン引き抜き方向に拡径したテーパ状の内周面を有した孔部が設けられるとともに時効変寸が発生する第1金型と、
円筒状の内周面を有した穴部が設けられる第2金型と、
前記第1金型と前記第2金型とを、前記孔部および前記穴部によって構成されるノック穴に挿通されることで位置決めするノックピンと、を備え、
前記ノックピンは、前記第1金型の前記孔部に係合するテーパ状の外周面を有したテーパ部と、前記テーパ部に連続するとともに前記第2金型の前記穴部に係合する外周面を有したストレート部と、を含み、
前記ノックピンの前記ストレート部の長さは、前記第1金型に発生した時効変寸による前記ノックピンの前記ノックピン引き抜き方向の変位量よりも長いことを特徴とする金型。
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JP2013075164A JP2014199118A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | ノックピンおよび金型 |
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JP2014199118A true JP2014199118A (ja) | 2014-10-23 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104514780A (zh) * | 2014-11-27 | 2015-04-15 | 苏州速腾电子科技有限公司 | 一种精密连接结构 |
DE102016203127A1 (de) * | 2016-02-26 | 2017-08-31 | Zf Friedrichshafen Ag | Einfach lösbare Passstift-Verbindung |
-
2013
- 2013-03-29 JP JP2013075164A patent/JP2014199118A/ja active Pending
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