JP2014198515A - 船舶の運転状態表示装置及び船舶 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主機2と、主機2により駆動される可変ピッチプロペラ4と、主機2の回転数を検出する回転数検出手段11と、主機2の出力を算出する主機出力算出手段21と、可変ピッチプロペラ4のピッチ角を検出するピッチ角検出手段16と、船舶1の船速を検出する船速検出手段15と、主機2の回転数特性と主機2の出力特性と可変ピッチプロペラ4のピッチ角特性と船舶1の船速との関係を特性図として表示する表示手段40とを備え、回転数検出手段11で検出された主機2の回転数と、主機出力算出手段21で算出された主機2の出力と、ピッチ角検出手段16で検出された可変ピッチプロペラ4のピッチ角と、船速検出手段15で検出された船速との関係を現時点の運転状態として特性図表示手段40に表示したことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
このモニター装置は、毎分回転数比N(%)を横軸に、主機馬力比BHP(%)を縦軸にとって、主機の運転許容範囲を表示器に表示している。また、表示器には、ピッチ角パラメータの線が図示されるとともに、軸馬力と毎分回転数の計測点の0点(ゼロ点)が置点され、ピッチ角の計測値が数値表示され、さらに、最適運転のガイドラインが表示される。
特許文献2に示されている線図は、可変ピッチプロペラの制御方法を説明するための図にすぎず、船舶の運転状態を把握するための表示装置を示しているものではなく、従って現時点の運転状態を示さず、船舶の省エネ運航を支援する表示を行えていない。
特許文献3に示されているエンジン回転数と負荷との関係図は、内燃機関の作動パラメータを決定する方法を説明するための図にすぎず、船舶の運転状態を把握するための表示装置を示しているものではなく、従って現時点の運転状態を示さず、船舶の省エネ運航を支援する表示を行えていない。
図1に示すように、本実施形態の船舶1は、主機2を搭載し、主機2により駆動軸3を介して駆動され船舶1を推進する可変ピッチプロペラ4を備えている。駆動軸3には、クラッチ5と可変ピッチプロペラ変節装置6とを設けている。
ここで、船速検出手段15には、例えばGPSを用いることができる。また、対水船速を検出する例えばドップラログセンサや電磁ログセンサ等を併用してもよい。
振幅検出手段17には、例えば加速度センサを用いることができる。
主機2の燃料消費量は、燃料消費量検出手段13での検出に代えて、ラック変位検出手段14で検出されるラック変位と、回転数検出手段11で検出される回転数を用いて燃料消費量算出手段23で算出してもよい。
記憶手段30には、主機2の回転数特性、主機2の出力特性、及び可変ピッチプロペラ4のピッチ角特性と船舶1の船速の関係データをあらかじめ記憶している他、運転状態算出手段22で算出される運転状態の各種データが蓄積される。
表示手段40では、運転状態算出手段22で算出される現時点の運転状態が、記憶手段30に記憶しているデータとともに表示される。
表示手段40としては、パーソナルコンピュータを用いることができ、その他、多機能携帯電話など、無線通信による携帯端末を用いてもよい。
図2は、表示手段での表示画面の一実施例を示すイメージ図である。
表示手段40には、特性図41の他に、燃料消費量関連情報42、時間関連情報43、海象情報44、及び気象情報45が表示される。
また、表示手段40は、時間関連情報43として、本日の日付43a、現在時刻43b、及び船速(対地速度)43cを表示している。時間関連情報43には、目的地までの距離、到着予測時刻、及び目的地までの所要時間を更に表示することが好ましい。
また、表示手段40は、海象情報44として、トリム振幅44a及びヒール振幅44bを表示している。なお、トリム振幅44a及びヒール振幅44bは、海象の影響としての船舶1の前後方向、幅方向の動きを示すが、船舶1で計測した、あるいは他から得た波高や波長等の波浪情報や海流、潮流情報等を表示してもよい。
また、表示手段40は、気象情報45として、相対風向45a及び相対風速45bを表示している。なお、気象情報45として船舶1で計測したもの以外に、他から得た気象情報を表示してもよい。
また、表示手段40は、他の情報46として、可変ピッチプロペラ4のピッチ角46a、主機2の回転数46b、ラックの変位46c、軸出力46d、プロペラ回転数46e、トルク46f、スラスト46g、船首側喫水46h、船尾側喫水46i、軸発電機の発電出力(軸発出力)46j、緯度46k、経度46m、全出力46n、負荷率46p、針路46q、プロペラ効率46r、推進出力46s、及び蛇角46tを表示している。
図3では、横軸を主機2の回転数(rpm)、縦軸を主機2の出力(PS)とし、単位時間当たりの燃料消費量42b(L/h)を色の変化で表現している。色の変化で表現した燃料消費量42bの表示欄には、現時点の運転状態における燃料消費量42bと理想運転状態における燃料消費量42bとを示している。なお、縦軸には、主機2の出力に代えて、駆動軸3の軸出力としてもよい。
また、表示手段40は、船速43cを一定に保った上で主機2の燃料消費量42bが最小となる理想運転状態(「推奨値」として表した黒星印)を等船速カーブとして特性図41に表示している。なお、等船速カーブは、船速別に複数の等船速カーブを特性図41に表示することもできる。
また、表示手段40は、現時点の運転状態を白丸印として表示し、理想運転状態を黒星印として表示して、現時点の運転状態と理想運転状態との表現を異ならせている。
また、表示手段40は、理想運転状態(「推奨値」として表した黒星印)を中心として、燃料消費量42bを色の変化により等高線として表現している。なお、等高線は色の変化を付けずに、線図として表してもよい。色の変化による等高線、あるいは線図としての等高線は、主機2の回転数と出力、また可変ピッチプロペラ4のピッチ角の組み合わせとしてどのように組み合わせたら理想運転状態に合理的に近づくことができるかを判断し易くなる。
また、等船速カーブを有しているため、船舶1の運航上の最大関心事である到達時刻の予測に一番関係の深い船速を基軸として、船舶1の省エネ運航を支援することができる。特に、船速を一定に保った上で主機の燃料消費量が最小となる理想運転状態を特性図41に表示したことにより、到達時刻の予測に一番関係の深い船速を一定として理想運転状態に近づけるように、主機2の回転数と可変ピッチプロペラ4のピッチ角を変更できるため、更に船舶1の省エネ運航を支援することができる。
また、表示手段40は、特性図41に、船舶1の運航における、回転数の限界(図では下限回転数が160ppm、上限回転数が210ppm)及び出力の上限限界PSmax、下限限界PSminを表示している。
図4及び図5における黒丸印のプロットは、主機2の回転数(rpm)に対する出力(PS)を示しており、現時点の計測データだけでなく、時間経過に伴う推移を複数のプロットによってリアルタイムで表示している。このように、時間経過に伴う推移をリアルタイムで表示することで、海象の変化に伴う主機2の状態変化を把握することができる。
記憶手段30に記憶した長期の運航データは、図6及び図7に示す表示を行うことで、例えば月内の運航状況を評価することができる。
燃料消費量42bの積算値や燃料消費量42bの時間経過による推移燃料消費量関連情報42を、記憶手段30に記憶した長期の運航データを用いて表示することで、例えば月別の燃料消費量運航時間などの運航状況を評価することができる。
地図や海図を用いた表示は、記憶手段30に記憶した長期の運航データを用いて表示することで、例えば月別の運航状況を評価することができる。
また、地図や海図を用いた表示は、運航中に表示することが好ましく、運航中に表示する場合には、表示手段40に、目的地までの距離、船速43c、到着予測時刻、現在時刻43b、目的地までの所要時間から少なくとも一つが選択される時間関連情報43を表示することが好ましい。
2 主機
3 駆動軸
4 可変ピッチプロペラ
11 回転数検出手段
12 駆動トルク検出手段
13 燃料消費量検出手段
14 ラック変位検出手段
15 船速検出手段
16 ピッチ角検出手段
21 主機出力算出手段
22 運転状態算出手段
23 燃料消費量算出手段
30 記憶手段
40 表示手段
41 特性図
42 燃料消費量関連情報
43 時間関連情報
44 海象情報
45 気象情報
46 他の情報
Claims (15)
- 船舶に搭載された主機と、
前記主機により駆動軸を介して駆動され前記船舶を推進する可変ピッチプロペラと、
前記主機の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記主機の出力を算出する主機出力算出手段と、
前記可変ピッチプロペラのピッチ角を検出するピッチ角検出手段と、
前記船舶の船速を検出する船速検出手段と、
前記主機の回転数特性と前記主機の出力特性と前記可変ピッチプロペラのピッチ角特性と前記船舶の前記船速との関係を特性図として表示する表示手段と
を備え、
前記回転数検出手段で検出された前記主機の前記回転数と、前記主機出力算出手段で算出された前記主機の前記出力と、前記ピッチ角検出手段で検出された前記可変ピッチプロペラの前記ピッチ角と、前記船速検出手段で検出された前記船速との関係を現時点の運転状態として前記特性図に表示したことを特徴とする船舶の運転状態表示装置。 - 前記船速を一定に保った上で前記主機の燃料消費量が最小となる理想運転状態を前記特性図に表示したことを特徴とする請求項1に記載の船舶の運転状態表示装置。
- 現時点の前記運転状態の表示と前記理想運転状態の表示とは、表現を異ならせたことを特徴とする請求項2に記載の船舶の運転状態表示装置。
- 前記理想運転状態を等高線で表現したことを特徴する請求項2又は請求項3に記載の船舶の運転状態表示装置。
- 前記等高線を色の変化で表現したことを特徴とする請求項4に記載の船舶の運転状態表示装置。
- 前記主機の前記出力を、前記回転数検出手段で検出した前記回転数と、前記駆動軸の駆動トルクとに基づいて算出したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の船舶の運転状態表示装置。
- 前記主機の前記出力を、前記主機の燃料消費量に基づいて算出したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の船舶の運転状態表示装置。
- 前記燃料消費量を、前記主機への燃料供給量を制御するラックの変位と、前記回転数検出手段で検出した前記回転数に基づいて算出したことを特徴とする請求項7に記載の船舶の運転状態表示装置。
- 前記特性図には、前記船舶の運航における、前記回転数及び前記出力の限界を表示したことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の船舶の運転状態表示装置。
- 前記表示手段に、単位距離当たりの燃料消費量、単位時間当たりの燃料消費量、前記燃料消費量の積算値、及び前記燃料消費量の時間経過による推移から少なくとも一つが選択される燃料消費量関連情報を表示したことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の船舶の運転状態表示装置。
- 前記表示手段に、目的地までの距離、船速、到着予測時刻、現在時刻、前記目的地までの所要時間から少なくとも一つが選択される時間関連情報を表示したことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の船舶の運転状態表示装置。
- 前記表示手段に、海象情報又は気象情報を表示したことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の船舶の運転状態表示装置。
- 前記表示手段に、海図又は地図を表示したことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の船舶の運転状態表示装置。
- 請求項1から請求項13のいずれかに記載した船舶の運転状態表示装置を搭載したことを特徴とする船舶。
- 前記表示手段を操舵室と機関制御室に搭載したことを特徴とする請求項14に記載の船舶。
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