JP2014198027A - 田植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】植付アーム軸に生じるトルク変動を打ち消すトルクを与えて、トルク変動を平準化し、位相のズレを改善することで、植付爪の軌跡を適正化し、植付不良を防ぐ田植機を提供する。【解決手段】ロータリケースを支持する植付アーム軸に不等速機構を介して動力を伝達する田植機であって、前記不等速機構によって生じるトルク変動を打ち消すトルクを付与するトルク平準化機構を設けるとともに、当該トルク平準化機構は、前記トルクを付与する弾性体を備え、当該弾性体の弾性力を調節可能である。【選択図】図2
Description
本発明は、田植機に関する。
従来の田植機では、密植を基準に、下死点付近で植付爪先端の軌跡がほぼ鉛直になるように設定していると、疎植状態では、植付爪が圃場から逃げる速度が遅くなるため、植付けられた苗を前に押し倒す現象が生じやすい。逆に疎植を基準に、下死点付近で植付爪先端の軌跡がほぼ鉛直になるように設定していると、密植状態では、植付爪が圃場に入り込んだまま後ずさりするような現象が生じ、苗がばらけたり泥土がえぐられることで浮き苗が発生しやすい。
そのため、密植状態を基準にして、植付爪を圃場からより迅速に逃げ移動させるべく疎植の際に、不等速機構を設けて、植付爪を支持するロータリ式植付アーム軸の一回転中の角速度(回転速度)を変化させる方法がある。
そのため、密植状態を基準にして、植付爪を圃場からより迅速に逃げ移動させるべく疎植の際に、不等速機構を設けて、植付爪を支持するロータリ式植付アーム軸の一回転中の角速度(回転速度)を変化させる方法がある。
特許文献1には、植付ミッションケースから植付アーム軸の間に不等速伝動機構を設けて、一回転中の角速度を変化させることで、次のように緩急をつける技術が開示される。すなわち、苗取りをする時と、植付直後に速い区間を設けるとともに、苗取り前と植付前に遅い区間を設けることによって良好な苗取り動作及び植付動作を実現している。
不等速伝動機構は回転軸の一回転中での角速度を加減速させるものであるため、回転軸にかかるトルク変動(負荷変動)が大きくなる。回転軸がねじれ、ねじれ解除を繰り返すことにより、駆動系を構成するギアのバックラッシュまたは駆動系製造時に部品間に生じた隙間によるガタや駆動系のねじれに起因した駆動系の回転ムラが発生することで、加減速位相のズレがおき、植付不良につながる。
そこで、本発明は、植付アーム軸に生じるトルク変動を打ち消すトルクを与えて、トルク変動を平準化し、位相のズレを改善することで、植付爪の軌跡を適正化し、植付不良を防ぐ田植機を提供する。
そこで、本発明は、植付アーム軸に生じるトルク変動を打ち消すトルクを与えて、トルク変動を平準化し、位相のズレを改善することで、植付爪の軌跡を適正化し、植付不良を防ぐ田植機を提供する。
本発明の田植機は、ロータリケースを支持する植付アーム軸に不等速機構を介して動力を伝達する田植機であって、前記不等速機構によって生じるトルク変動を打ち消すトルクを付与するトルク平準化機構を設けるとともに、当該トルク平準化機構は、前記トルクを付与する弾性体を備え、当該弾性体の弾性力を調節可能である。
前記トルク平準化機構は、前記不等速機構から前記植付アーム軸への動力伝達を断接するユニットクラッチの断接に連動する。
前記弾性体の弾性力は、植付株数に応じて小さく又はゼロに設定される。
前記弾性体の弾性力は、車速または植付アーム軸の回転数に応じて調節される。
本発明によれば、不等速機構によって発生するトルク変動を平準化し、位相のズレを改善することで、植付爪の軌跡を適正化し、植付不良を防ぐことができる。
添付の図面を参照して田植機1について説明する。
田植機1は、エンジン2の動力により前輪3及び後輪4を駆動させて走行しながら、植付部5により植付作業を行う。エンジン2からの動力はミッションケース6を経て前輪3及び後輪4に、並びに、ミッションケース6及び株間変更装置9を経て植付部5にそれぞれ伝達される。
植付部5は、植付センターケース10、植付ベベルケース11、ロータリケース12、植付アーム13、苗載台14、及び、複数のフロート15を具備する。
田植機1は、エンジン2の動力により前輪3及び後輪4を駆動させて走行しながら、植付部5により植付作業を行う。エンジン2からの動力はミッションケース6を経て前輪3及び後輪4に、並びに、ミッションケース6及び株間変更装置9を経て植付部5にそれぞれ伝達される。
植付部5は、植付センターケース10、植付ベベルケース11、ロータリケース12、植付アーム13、苗載台14、及び、複数のフロート15を具備する。
図2は、植付部5の植付駆動に関する伝動系統図である。図2は、一つの植付ユニットについて示しているが、他の植付ユニットについても同様に構成される。
植付センターケース10から分岐される植付横軸20から、植付ベベルケース11内でベベルギア21a、21bを介して植付縦軸22に伝達される。そして、不等速ベベルギア23a、23bを介して植付縦軸22からユニットクラッチ24に伝達される。
そしてユニットクラッチ24の断接に応じて接続状態となった場合に、植付アーム軸25に動力が伝達される。他方、ユニットクラッチ24が切断状態となった場合は、植付アーム軸25に動力は伝達されない。
植付センターケース10から分岐される植付横軸20から、植付ベベルケース11内でベベルギア21a、21bを介して植付縦軸22に伝達される。そして、不等速ベベルギア23a、23bを介して植付縦軸22からユニットクラッチ24に伝達される。
そしてユニットクラッチ24の断接に応じて接続状態となった場合に、植付アーム軸25に動力が伝達される。他方、ユニットクラッチ24が切断状態となった場合は、植付アーム軸25に動力は伝達されない。
植付アーム軸25は、植付ベベルケース11の左右に設けられるロータリケース12内に延出され、ロータリケースに固定される。ロータリケース12が回転することで、植付ベベルケース11に固定されたサンギア30から中間ギア31を介して遊星ギア32に伝達される。そして、遊星ギア32に固定された植付アーム13にロータアーム軸33を介して伝達され、ロータリケース12とともに植付爪34が回転することで苗載台14から苗を取り、植え付けることができる。
[不等速機構]
植付部5へ動力を伝達する株間変更装置9の内部に含まれる不等速機構、及び、植付部5の植付ベベルケース11内の不等速ベベルギア23a・23bを含む不等速機構によって、植付アーム軸25が不等速で回転運動する。
すなわち、植付爪34が苗載台14から苗を取る時、及び、苗の植付後に植付爪34を圃場から素早く引き抜くとともに植付爪34に残る苗を振り落とす時にロータリケース12の回転駆動を速くするとともに、圃場へ苗を植付ける前、及び、植付爪34を苗載台14に差し込む時にロータリケース12の回転速度を緩めている。
植付部5へ動力を伝達する株間変更装置9の内部に含まれる不等速機構、及び、植付部5の植付ベベルケース11内の不等速ベベルギア23a・23bを含む不等速機構によって、植付アーム軸25が不等速で回転運動する。
すなわち、植付爪34が苗載台14から苗を取る時、及び、苗の植付後に植付爪34を圃場から素早く引き抜くとともに植付爪34に残る苗を振り落とす時にロータリケース12の回転駆動を速くするとともに、圃場へ苗を植付ける前、及び、植付爪34を苗載台14に差し込む時にロータリケース12の回転速度を緩めている。
このように、不等速機構を介して植付アーム軸25に動力が伝達され、周期的な加減速を伴って回転駆動される。これにより、植付アーム軸25に不等速運動に起因するトルク変動が発生する。具体的には、各植付爪34の苗取時と植付時を基準にそれぞれ加減速しているので、不等速運動に起因するトルク変動は、ロータリケース12が一回転する間に二回のピークを有する周期的な変動となる。
さらに、そのトルク変動の大きさは、植付条件に応じて変化する。具体的には、車速が高速、言い換えれば、植付回転数(植付アーム軸25の回転数)が高速ならばトルク変動は大きくなり、低速ならば小さくなる。
また、株間変更装置9で設定される株間数(植付株数)に応じて不等速の有無や不等速度合いが変わり、植付速度が変わることで同様にトルク変動の大きさが変化する。なお、密植時等、株間変更装置9にて設定される株間数によっては、等速で動力が伝達される場合もあり、常に不等速で動力が伝達されるとは限らない。
また、株間変更装置9で設定される株間数(植付株数)に応じて不等速の有無や不等速度合いが変わり、植付速度が変わることで同様にトルク変動の大きさが変化する。なお、密植時等、株間変更装置9にて設定される株間数によっては、等速で動力が伝達される場合もあり、常に不等速で動力が伝達されるとは限らない。
また、植付爪34は側面視で斜めにした姿勢で苗載台14から苗を掻き取り、次いで、植付爪は鉛直に近い姿勢になって圃場に向かい、下降しきってから上昇に転じる必要があるため、ロータリケース12内のサンギア30、中間ギア31及び遊星ギア32は非円形で偏心している。そのうえで、植付アーム軸25と同様の理由から、植付アーム13を支持しているロータアーム軸33もロータリケース12に対して不等速機構により不等速で回転させている。
[トルク平準化機構]
図2及び図3に示すように、トルク平準化機構40が植付ベベルケース11に設けられる。つまり、トルク平準化機構40は各植付ユニットに設けられる植付ベベルケース11に設けられている。
トルク平準化機構40は、不等速ベベルギア23bと噛み合い、不等速ベベルギア23aの歯数と同じ歯数を有する不等速ベベルギア23c、不等速ベベルギア23cが固定され、植付縦軸22と同軸上に設けられるクランク軸41、クランク軸41に接続されるコイルバネ42、コイルバネ42の他端に接続される摺動部材43、摺動部材43の他端に固定され、テンションを調節することで摺動部材43を移動させるワイヤ44、及び、摺動部材43を収容するケース45、並びに、摺動部材43に設けられ、摺動部材43のケース45内での可動域を制限するストッパー43aを具備する。
図2及び図3に示すように、トルク平準化機構40が植付ベベルケース11に設けられる。つまり、トルク平準化機構40は各植付ユニットに設けられる植付ベベルケース11に設けられている。
トルク平準化機構40は、不等速ベベルギア23bと噛み合い、不等速ベベルギア23aの歯数と同じ歯数を有する不等速ベベルギア23c、不等速ベベルギア23cが固定され、植付縦軸22と同軸上に設けられるクランク軸41、クランク軸41に接続されるコイルバネ42、コイルバネ42の他端に接続される摺動部材43、摺動部材43の他端に固定され、テンションを調節することで摺動部材43を移動させるワイヤ44、及び、摺動部材43を収容するケース45、並びに、摺動部材43に設けられ、摺動部材43のケース45内での可動域を制限するストッパー43aを具備する。
上記のトルク平準化機構40において、植付アーム軸25の回転に伴って不等速ベベルギア23cが回転し、クランク軸41がその回転中心から偏心して回転し、コイルバネ42の長さが変わることによりコイルバネ42に弾性力が発生する。コイルバネ42に発生した弾性力は、クランク軸41を介して不等速ベベルギア23cから不等速ベベルギア23bへ伝達され、さらに、植付アーム軸25にトルクとして付与される。
図3に示すように、クランク軸41にコイルバネ42の一端を固定するボス46aを設け、摺動部材43にコイルバネ42の他端を固定するボス46bを設ける。ボス46bは、クランク軸41の回転中心O1の上方となるよう配置される。
摺動部材43は、植付ベベルケース11に固定されるケース45に収容されており、ボス46aに近付く方向及び離れる方向(図示では上下方向)に摺動する。また、摺動部材43の中途部に設けられたストッパー43aにより摺動方向への可動域が制限されている。ワイヤ44を操作することで、摺動部材43が上下に移動し、摺動部材43に固定されているコイルバネ42の伸縮によって弾性力の大きさを変えることができる。このように、トルク平準化機構40には弾性体であるコイルバネ42の弾性力を調節する機構が備えられる。
摺動部材43は、植付ベベルケース11に固定されるケース45に収容されており、ボス46aに近付く方向及び離れる方向(図示では上下方向)に摺動する。また、摺動部材43の中途部に設けられたストッパー43aにより摺動方向への可動域が制限されている。ワイヤ44を操作することで、摺動部材43が上下に移動し、摺動部材43に固定されているコイルバネ42の伸縮によって弾性力の大きさを変えることができる。このように、トルク平準化機構40には弾性体であるコイルバネ42の弾性力を調節する機構が備えられる。
[トルク平準化機構の弾性力の調節]
具体的には、図3(a)が示すように、摺動部材43に取り付けられたワイヤ44を引っ張ることで、摺動部材43がコイルバネ42を引っ張り、コイルバネ42の長さが長くなることで弾性力が増加する。その状態から、図3(b)が示すように、ワイヤ44を引っ張る力を緩めると、同様に、コイルバネ42の弾性力が弱まる。なお、図3(c)が示すように、ストッパー43aがケース45に当たる位置を、コイルバネ42の弾性力がゼロ若しくはゼロに近くなるように設定している。
このように、ワイヤ44によって、コイルバネ42の弾性力の大きさ、及び、トルク付加の有無が調節される。そして、調節した弾性力が平準化トルクとして植付アーム軸25に付与される。
具体的には、図3(a)が示すように、摺動部材43に取り付けられたワイヤ44を引っ張ることで、摺動部材43がコイルバネ42を引っ張り、コイルバネ42の長さが長くなることで弾性力が増加する。その状態から、図3(b)が示すように、ワイヤ44を引っ張る力を緩めると、同様に、コイルバネ42の弾性力が弱まる。なお、図3(c)が示すように、ストッパー43aがケース45に当たる位置を、コイルバネ42の弾性力がゼロ若しくはゼロに近くなるように設定している。
このように、ワイヤ44によって、コイルバネ42の弾性力の大きさ、及び、トルク付加の有無が調節される。そして、調節した弾性力が平準化トルクとして植付アーム軸25に付与される。
ワイヤ44は、ユニットクラッチ24の断接と連動させることができる。つまり、ユニットクラッチ24の断接操作を行うアクチュエータ48の動きとワイヤ44の動きを連動させることで、ユニットクラッチ24が切断状態ならば、トルク平準化機構40によるトルク負荷をゼロ若しくは略ゼロにし、接続状態ならば植付条件に応じたトルク負荷を付与することができる。
このように、トルク平準化機構40によって付与される平準化トルクの大きさをユニットクラッチ24に連動させることで、作動条数に応じた平準化トルクを付与することができる。
このように、トルク平準化機構40によって付与される平準化トルクの大きさをユニットクラッチ24に連動させることで、作動条数に応じた平準化トルクを付与することができる。
また、ワイヤ44をアクチュエータ49に接続し、ユニットクラッチ24以外の装置に連動させることも可能である。アクチュエータ49は、例えばワイヤ44を引っ張る又は緩めるモータ又はソレノイドであり、アクチュエータ49に電気信号を送ることで、トルク平準化機構40による平準化トルクを調節可能である。例えば、植付株数(株間設定値)、車速(アクセル開度)、植付アーム軸25の回転数(植付回転数)、若しくは植付アーム軸25のトルク(トルク変動量)を検出し、これらの検出値に応じた電気信号をアクチュエータ49に送信することでバネ力を最適に調節することができる。
具体的には、車速又は植付回転数が高速になれば、発生するトルク変動が大きくなることから、ワイヤ44を引っ張ることで大きなトルクを付与し、反対に、低速になればワイヤ44を緩めることで、小さなトルクを付与する。これにより、回転数全域で効果的に回転変動を抑えることができる。
また、植付株数が少ない疎植の場合は、不等速運動が大きくなることから、トルク負荷を大きくし、植付株数が多い密植の場合は、等速運動若しくは僅かな加減速を伴うことから、トルク負荷を小さく又はゼロにする。さらに、疎植の条件で低速走行をする場合は、不等速運動に起因するトルク変動が小さくなることから、トルク負荷を小さく又はゼロにする。
以上のように、植付株数、高速又は低速等の植付条件に応じてトルク平準化機構40のトルク負荷を調節することで、効果的な抑制効果が得られる。
また、植付株数が少ない疎植の場合は、不等速運動が大きくなることから、トルク負荷を大きくし、植付株数が多い密植の場合は、等速運動若しくは僅かな加減速を伴うことから、トルク負荷を小さく又はゼロにする。さらに、疎植の条件で低速走行をする場合は、不等速運動に起因するトルク変動が小さくなることから、トルク負荷を小さく又はゼロにする。
以上のように、植付株数、高速又は低速等の植付条件に応じてトルク平準化機構40のトルク負荷を調節することで、効果的な抑制効果が得られる。
[トルク平準化機構によって付与するトルク変動の位相]
次に、図4を用いてトルク平準化機構40によって付与するトルクについて詳述する。図示において、クランク軸41が回転中心に対して時計回りに回転している。クランク軸41に設けられたボス46aには、ワイヤ44によって適宜調節されたコイルバネ42の弾性力が作用する。
次に、図4を用いてトルク平準化機構40によって付与するトルクについて詳述する。図示において、クランク軸41が回転中心に対して時計回りに回転している。クランク軸41に設けられたボス46aには、ワイヤ44によって適宜調節されたコイルバネ42の弾性力が作用する。
図4(a)に示すように、クランク軸41が左側、つまりコイルバネ42による収縮力が不等速ベベルギア23cの回転方向と同一方向となる側に位置する場合は、コイルバネ42の弾性力が不等速ベベルギア23cの回転方向と同一方向へのトルクが発生する。そしてクランク軸41を介して不等速ベベルギア23cに生じるトルクはそのまま不等速ベベルギア23bを介して植付アーム軸25に伝達される。このとき植付アーム軸25には加速側へのトルクが付与される。
図4(b)に示すように、クランク軸41が右側、つまりコイルバネ42による収縮力が不等速ベベルギア23cの回転方向と反対方向となる側に位置する場合は、コイルバネ42の弾性力が不等速ベベルギア23cの回転方向と反対方向へのトルクが発生する。そしてクランク軸41を介して不等速ベベルギア23cに生じるトルクはそのまま不等速ベベルギア23bを介して植付アーム軸25に伝達される。このとき植付アーム軸25には減速側へのトルクが付与される。
また、クランク軸41が回転運動することにより、コイルバネ42の伸縮に伴ってクランク軸41に生じる弾性力は、周期的なトルクとして植付アーム軸25に伝達される。具体的には、コイルバネ42を支持するボス46bとクランク軸41の先端部の位相、つまり、クランク軸41の回転中心に対する位置及び角度に応じて正弦曲線に近いカーブを描くように変動するトルクが発生する。
図5に示すように、トルク平準化機構40によって生じるトルクの周期を、不等速機構によって植付アーム軸25に生じるトルク変動の周期に合わせて、不等速機構によって生じるトルク変動を打ち消す方向に(図示においては逆位相となるように)トルク平準化機構40によるトルクを発生させる。
このとき、クランク軸41は、植付アーム軸25の回転数の二倍で回転するため、トルク平準化機構40には植付アーム軸25が一回転する間に二周期分のトルクが生じる。つまり、トルク平準化機構40は、不等速機構を介したロータリケース12の一回転の間に発生する二回のピークを有する周期的なトルク変動を打ち消して平準化するトルクを発生させることができる。
また、コイルバネ42の弾性力を調節することができるため、不等速機構によって発生するトルク変動の大きさに応じて、同程度の大きさのトルクを付与することができる。
このように、トルク平準化機構40の周期を、不等速機構によるトルク変動の大きさ、及び、周期に合わせることで、トルクを合成して不等速機構に起因するトルク変動を抑えている。
このとき、クランク軸41は、植付アーム軸25の回転数の二倍で回転するため、トルク平準化機構40には植付アーム軸25が一回転する間に二周期分のトルクが生じる。つまり、トルク平準化機構40は、不等速機構を介したロータリケース12の一回転の間に発生する二回のピークを有する周期的なトルク変動を打ち消して平準化するトルクを発生させることができる。
また、コイルバネ42の弾性力を調節することができるため、不等速機構によって発生するトルク変動の大きさに応じて、同程度の大きさのトルクを付与することができる。
このように、トルク平準化機構40の周期を、不等速機構によるトルク変動の大きさ、及び、周期に合わせることで、トルクを合成して不等速機構に起因するトルク変動を抑えている。
なお、本実施形態では、不等速機構によって生じるトルク変動に対して、逆位相の平準化トルクを付与しているが、当該トルク変動を効果的に抑制するものであれば、完全に逆の位相の平準化トルクでなくても良い。例えば、トルク変動に対して30°、45°など適宜遅角させた平準化トルクを付与することでトルク変動を打ち消すことも可能である。この場合、トルク発生機構(本実施形態ではクランク軸41及びコイルバネ42)のタイミングを変更することで適宜設定可能である。
以上のように、トルク平準化機構40は、不等速機構によって生じるトルク変動の周期と同じ周期(ロータリケース12一回転で二周期)を有する滑らかなトルクを付与することで、トルク変動を平準化して、植付アーム軸25の位相のズレを改善することが可能である。その結果、植付アーム軸25が、ねじれたり、ガタついたりすることなく円滑に不等速回転でき、高速回転時の植付爪34の軌跡を安定させ、植付不良を防ぐことができる。
[別実施形態]
図6及び図7は、トルク平準化機構40の別実施形態を示す。
図6に示す実施形態では、コイルバネ42の一端を長穴に変形させて、植付ベベルケース11に固定された摺動部材43に固定させている。コイルバネ42の長穴の中を自在に移動できるようにボス46bを配置する。
ワイヤ44の操作によって摺動部材43とコイルバネ42との相対的な位置関係が変わる。図6(a)に示すように、ボス46bがコイルバネ42の長穴の先端部に当たらない場合は、コイルバネ42の伸縮がなく、弾性力がゼロとなる。図6(b)が示すように、ボス46bがコイルバネ42の長穴の先端部に当たる場合に、コイルバネ42に引張力が生じて伸縮可能となる。このように、弾性力の有無を厳密に調節可能である。
図6及び図7は、トルク平準化機構40の別実施形態を示す。
図6に示す実施形態では、コイルバネ42の一端を長穴に変形させて、植付ベベルケース11に固定された摺動部材43に固定させている。コイルバネ42の長穴の中を自在に移動できるようにボス46bを配置する。
ワイヤ44の操作によって摺動部材43とコイルバネ42との相対的な位置関係が変わる。図6(a)に示すように、ボス46bがコイルバネ42の長穴の先端部に当たらない場合は、コイルバネ42の伸縮がなく、弾性力がゼロとなる。図6(b)が示すように、ボス46bがコイルバネ42の長穴の先端部に当たる場合に、コイルバネ42に引張力が生じて伸縮可能となる。このように、弾性力の有無を厳密に調節可能である。
図7に示す実施形態では、ボス46bに換えてボール50を摺動部材43に設け、コイルバネ42をその一端の円の直径をボール50よりも小さくすることでボール50がコイルバネ42の内部に位置するように配置されている。
ワイヤ44の操作によって摺動部材43とコイルバネ42との相対的な位置関係が変わる。図7(a)に示すように、ボール50がコイルバネ42の端部に当たらない場合は、コイルバネ42の伸縮がなく、弾性力がゼロとなる。図7(b)が示すように、ボール50がコイルバネ42の端部に当たる場合に、コイルバネ42に引張力が生じて伸縮可能となる。このように、弾性力の有無を厳密に調節可能である。
ワイヤ44の操作によって摺動部材43とコイルバネ42との相対的な位置関係が変わる。図7(a)に示すように、ボール50がコイルバネ42の端部に当たらない場合は、コイルバネ42の伸縮がなく、弾性力がゼロとなる。図7(b)が示すように、ボール50がコイルバネ42の端部に当たる場合に、コイルバネ42に引張力が生じて伸縮可能となる。このように、弾性力の有無を厳密に調節可能である。
上述の実施形態における植付部5への動力伝達経路は、主にギアを用いたものであるが、植付センターケース10から分岐される動力を各植付ユニットに伝達できるものであれば、スプロケット及びチェーンを用いたチェーン駆動式のものでも同様に適用可能である。
1:田植機、5:植付部、9:株間変更装置(不等速機構)、11:植付ベベルケース、12:ロータリケース、13:植付アーム、22:植付縦軸、23a・23b・23c:不等速ベベルギア(不等速機構)、24:ユニットクラッチ、25:植付アーム軸、40:トルク平準化機構、41:クランク軸、42:コイルバネ、43:摺動部材、44:ワイヤ
Claims (4)
- 本発明は、ロータリケースを支持する植付アーム軸に不等速機構を介して動力を伝達する田植機であって、
前記不等速機構によって生じるトルク変動を打ち消すトルクを付与するトルク平準化機構を設けるとともに、当該トルク平準化機構は、前記トルクを付与する弾性体を備え、当該弾性体の弾性力を調節可能であることを特徴とする田植機。 - 前記トルク平準化機構は、前記不等速機構から前記植付アーム軸への動力伝達を断接するユニットクラッチの断接に連動する請求項1に記載の田植機。
- 前記弾性体の弾性力は、植付株数に応じて小さく又はゼロに設定される請求項1又は2に記載の田植機。
- 前記弾性体の弾性力は、車速または植付アーム軸の回転数に応じて調節される請求項1から3の何れか一項に記載の田植機。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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