JP6041737B2 - 田植機 - Google Patents

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Description

本発明は、田植機に関する。
従来の田植機では、密植を基準に、下死点付近で植付爪先端の軌跡がほぼ鉛直になるように設定していると、疎植状態では、植付爪が圃場から逃げる速度が遅くなるため、植付けられた苗を前に押し倒す現象が生じやすい。逆に疎植を基準に、下死点付近で植付爪先端の軌跡がほぼ鉛直になるように設定していると、密植状態では、植付爪が圃場に入り込んだまま後ずさりするような現象が生じ、苗がばらけたり泥土がえぐられることで浮き苗が発生しやすい。そのため、密植状態を基準にして、植付爪を圃場からより迅速に逃げ移動させるべく疎植の際に、不等速機構を設けて、植付爪を支持するロータリ式植付アーム軸の一回転中の角速度(回転速度)を変化させる方法がある。
特許文献1には、植付ミッションケースから植付アーム軸の間に不等速伝動機構を設けて、一回転中の角速度を変化させることで、次のように緩急をつける技術が開示される。すなわち、苗取りをする時と、植付直後に速い区間を設けるとともに、苗取り前と植付前に遅い区間を設けることによって良好な苗取り動作及び植付動作を実現している。
特開平07−163216号公報
不等速伝動機構は回転軸の一回転中での角速度を加減速させるものであるため、回転軸にかかるトルク変動(負荷変動)が大きくなる。回転軸がねじれ、ねじれ解除を繰り返すことにより、駆動系を構成するギアのバックラッシュまたは駆動系製造時に部品間に生じた隙間によるガタや駆動系のねじれに起因した駆動系の回転ムラが発生することで、加減速位相のズレがおき、植付不良につながる。そこで、本発明は、植付アーム軸に生じるトルク変動を打ち消すトルクを与えて、トルク変動を平準化し、位相のズレを改善することで、植付爪の軌跡を適正化し、植付不良を防ぐ田植機を提供する。
本発明の第一態様に係る田植機は、次の如く構成されたものである。
請求項1においては、ロータリケースを支持する植付アーム軸に不等速機構を介して動力を伝達する田植機であって、前記不等速機構によって生じるトルク変動を打ち消すトルクを付与するトルク平準化機構を設け、前記トルク平準化機構は、前記ロータリケースに設けられる前後のロータアーム軸間を連結する連結部材に設けられるとともに、前記トルク変動を打ち消すためのトルクを付与する弾性体を具備し、前記連結部材の回転とともに前記弾性体が伸縮して、不等速機構により植付アーム軸に発生するトルク変動と同周期の平準化トルクを付与することを可能とするものである。
本発明によれば、不等速機構によって発生するトルク変動を平準化し、位相のズレを改善することで、植付爪の軌跡を適正化し、植付不良を防ぐことができる。
田植機の側面図である。 植付駆動部のスケルトン図である。 トルク平準化機構の側面図である。 トルク平準化機構によって付与されるトルクの説明図である。 トルク平準化機構によって付与されるトルクの説明図である。 不等速機構により駆動される植付アーム軸に生じるトルク変動及びトルク平準化機構によって付与される平準化トルク、並びにこれらの合成トルクを示す図である。 トルク平準化機構に弾性力調節機構を設けた実施形態を示す図である。 トルク平準化機構を植付横軸に設けた実施形態を示すスケルトン図である。 トルク平準化機構を植付横軸に設けた実施形態を示す図である。 トルク平準化機構を植付横軸に設けた実施形態を示す図である。 トルク平準化機構の別実施形態を示す図である。 トルク平準化機構の別実施形態を示す図である。
添付の図面を参照して田植機1について説明する。田植機1は、エンジン2の動力により前輪3及び後輪4を駆動させて走行しながら、植付部5により植付作業を行う。エンジン2からの動力はミッションケース6を経て前輪3及び後輪4に、並びに、ミッションケース6及び株間変更装置9を経て植付部5にそれぞれ伝達される。植付部5は、植付センターケース10、植付ベベルケース11、ロータリケース12、植付アーム13、苗載台14、及び、複数のフロート15を具備する。
図2は、植付部5の植付駆動に関する伝動系統図である。図2は、一つの植付ユニットについて示しているが、他の植付ユニットについても同様に構成される。植付センターケース10から分岐される植付横軸20から、植付ベベルケース11内でベベルギア21a・21bを介して植付縦軸22に伝達される。そして、不等速ベベルギア23a・23bを介して植付縦軸22からユニットクラッチ24に伝達される。そしてユニットクラッチ24の断接に応じて接続状態となった場合に、植付アーム軸25に動力が伝達される。他方、ユニットクラッチ24が切断状態となった場合は、植付アーム軸25に動力は伝達されない。
植付アーム軸25は、植付ベベルケース11の左右に設けられるロータリケース12内に延出され、ロータリケース12に固定される。ロータリケース12が回転することで、植付ベベルケース11に固定されたサンギア30から中間ギア31を介して遊星ギア32に伝達される。そして、遊星ギア32に固定された植付アーム13にロータアーム軸33を介して伝達され、ロータリケース12とともに植付爪34が回転することで苗載台14から苗を取り、植え付けることができる。
[不等速機構]
植付部5へ動力を伝達する株間変更装置9の内部に含まれる不等速機構、及び、植付部5の植付ベベルケース11内の不等速ベベルギア23a・23bを含む不等速機構によって、植付アーム軸25が不等速で回転運動する。すなわち、植付爪34が苗載台14から苗を取る時、及び、苗の植付後に植付爪34を圃場から素早く引き抜くとともに植付爪34に残る苗を振り落とす時にロータリケース12の回転駆動を速くするとともに、圃場へ苗を植付ける前、及び、植付爪34を苗載台14に差し込む時にロータリケース12の回転速度を緩めている。このように、不等速機構を介して植付アーム軸25に動力が伝達され、周期的な加減速を伴って回転駆動される。これにより、植付アーム軸25に不等速運動に起因するトルク変動が発生する。具体的には、各植付爪34の苗取時と植付時を基準にそれぞれ加減速しているので、不等速運動に起因するトルク変動は、ロータリケース12が一回転する間に二回のピークを有する周期的な変動となる。なお、密植時等、株間変更装置9にて設定される株間数によっては、等速で動力が伝達される場合もあり、常に不等速で動力が伝達されるとは限らない。
また、植付爪34は側面視で斜めにした姿勢で苗載台14から苗を掻き取り、次いで、植付爪は鉛直に近い姿勢になって圃場に向かい、下降しきってから上昇に転じる必要があるため、ロータリケース12内のサンギア30、中間ギア31及び遊星ギア32は非円形で偏心している。そのうえで、植付アーム軸25と同様の理由から、植付アーム13を支持しているロータアーム軸33もロータリケース12に対して不等速機構により不等速で回転させている。
[トルク平準化機構]
図2及び図3に示すように、トルク平準化機構40が植付ベベルケース11に設けられる。つまり、トルク平準化機構40は各植付ユニットに設けられる植付ベベルケース11に設けられている。トルク平準化機構40は、植付アーム軸25に動力を伝達するベベルギア23bと噛み合うベベルギア41、ベベルギア41が固定されるクランク軸42、及び、クランク軸42に接続されるコイルバネ43を具備する。ベベルギア41の歯数はベベルギア23aの歯数と同数、かつ、ベベルギア23bの歯数の半分である。つまり、クランク軸42は、植付アーム軸25の二倍の回転数で回転駆動される。
クランク軸42にコイルバネ43の一端を固定するボス44aを設ける。コイルバネ43は、その一端をクランクアームに設けたボス44aに固定し、他端は植付ベベルケース11の後方に取り付けられるボス44bに固定する。また、コイルバネ43には常に収縮する方向に力が作用するようにボス44bの位置が決定される。
ユニットクラッチ24が接続状態の時、植付アーム軸25の回転に伴ってベベルギア23bからベベルギア41に回転が伝達され、ベベルギア41の回転に伴ってクランク軸42がその回転中心から偏心した位置で回転し、コイルバネ43の長さが変わることによりコイルバネ43に弾性力が発生する。このようにクランク軸42の回転に連動してトルクが発生する。コイルバネ43に発生した弾性力は、クランク軸42を介してベベルギア41に伝達され、さらに、植付アーム軸25にトルクとして付与される。
なお、植付アーム軸25からクランク軸42への動力伝達は、クランク軸42側の回転数が植付アーム軸25の回転数の二倍となるものであれば良く、ベベルギア23b・41の代わりにスプロケット・チェーンを用いたものでも良い。また、トルクを発生させる機構は、クランク軸42及びコイルバネ43によるクランク・バネ機構に限らず、ベベルギア41の回転によって回転駆動されるカム及び当該カムに弾性力を付与する板バネ又はコイルバネによって構成されるカム・バネ機構も採用できる。
図4から図6を用いてトルク平準化機構40によって付与するトルクについて詳述する。なお、図示において、ベベルギア41及びクランク軸42は時計回りに回転する。
図4に示すように、クランク軸42が図示において右側、つまりコイルバネ43による収縮力がベベルギア41の回転方向と反対方向となる側に位置する場合は、コイルバネ43の弾性力がベベルギア41の回転方向と反対方向へのトルクが発生する。そして、クランク軸42を介してベベルギア41に生じるトルクはベベルギア23bを介して植付アーム軸25に伝達される。このとき植付アーム軸25には減速側へのトルクが付与される。
図5に示すように、クランク軸42が図示において左側、つまりコイルバネ43による収縮力がベベルギア41の回転方向と同一方向となる側に位置する場合は、コイルバネ43の弾性力がベベルギア41の回転方向と同一方向へのトルクが発生する。そして、クランク軸42を介してベベルギア41に生じるトルクはベベルギア23bを介して植付アーム軸25に伝達される。このとき植付アーム軸25には加速側へのトルクが付与される。
また、クランク軸42が回転運動することにより、コイルバネ43の伸縮に伴って生じる弾性力は、周期的なトルクとしてベベルギア41・23bを介して植付アーム軸25に伝達される。具体的には、コイルバネ43の固定端であるボス44bとクランク軸42の位置及び角度、つまりクランク軸42の回転位相に応じて正弦曲線に近いカーブを描くように変動するトルクが発生する。
図6に示すように、トルク平準化機構40によって生じるトルクの周期を、不等速機構によって植付アーム軸25に生じるトルク変動の周期に合わせて、不等速機構によって生じるトルク変動を打ち消す方向に(図示においては逆位相となるように)トルク平準化機構40によるトルクを発生させる。このとき、クランク軸42が固定されるベベルギア41は、植付アーム軸25の回転数の二倍で回転するため、トルク平準化機構40には植付アーム軸25が一回転する間に二周期分のトルクが生じる。つまり、トルク平準化機構40は、不等速機構を介したロータリケース12の一回転の間に発生する二回のピークを有する周期的なトルク変動を打ち消して平準化するトルクを発生させることができる。このように、トルク平準化機構40の周期を、不等速機構によるトルク変動の周期に合わせることで、トルクを合成して不等速機構に起因するトルク変動を抑えている。
なお、本実施形態では、不等速機構によって生じるトルク変動に対して、逆位相の平準化トルクを付与しているが、当該トルク変動を効果的に抑制するものであれば、完全に逆の位相の平準化トルクでなくても良い。例えば、トルク変動に対して30°、45°など適宜遅角させた平準化トルクを付与することでトルク変動を打ち消すことも可能である。この場合、ベベルギア41に設けられるトルク発生機構(本実施形態ではクランク軸42及びコイルバネ43)のタイミングを変更することで適宜設定可能である。
以上のように、トルク平準化機構40は、不等速機構によって生じるトルク変動の周期と同じ周期(ロータリケース12一回転で二周期)を有する滑らかなトルクを付与することで、トルク変動を平準化して、植付アーム軸25の位相のズレを改善することが可能である。その結果、植付アーム軸25が、ねじれたり、ガタついたりすることなく円滑に不等速回転でき、高速回転時の植付爪34の軌跡を安定させ、植付不良を防ぐことができる。
トルク平準化機構40は、植付ベベルケース11内において、ギア若しくはチェーンの仕組みを介して植付アーム軸25に直接的に取り付けられるため、トルク変動の発生元であるロータリケース12に近い位置に置くことができる。それにより、逆位相のトルク変動を効果的に与えることができ、トルク変動を平準化する効果を大きくすることができる。
トルク平準化機構40は、植付アーム軸25が設けられる植付ユニット毎に設けられている。つまり、平準化トルクがロータリケース12の加減速により発生するトルク変動と各ユニット内で打ち消し合うことにより、伝動系上流までトルク変動がさかのぼることがないので、植付爪34のシャクリを抑えることができる。
図7に示すように、トルク平準化機構40にコイルバネ43の弾性力を変化させる調節機構50を設けても良い。調節機構50は、コイルバネ43の長さを変更することで、弾性力を調節する。例えば、調節機構50は、コイルバネ43の一端に設けられるボス44bに接続されるリンク51、及び、リンク51を操作するリンクバー52を具備する。リンクバー52を操作することでリンク51の姿勢を変更してコイルバネ43の一端の位置を変更する。ボス44bは、適宜の長穴に挿通され、該長穴に沿って移動することでコイルバネ43の長さが変更される。
以上のように、トルク平準化機構40に調節機構50を設けることで、平準化トルクの大きさを植付条件(例えば、植付株数(株間設定値)、車速(アクセル開度)、植付アーム軸25の回転数(植付回転数)、若しくは植付アーム軸25のトルク(トルク変動量))に応じて調節することができる。また、調節機構50をユニットクラッチ24と連動させることで作動条数に応じたトルク負荷を付加できる。なお、調節機構50は、上述の構成に限定されるものではなく、コイルバネ43の長さを変えることによってコイルバネ43に発生する弾性力を変化させることができれば良く、他のリンク機構、又は、ワイヤを用いたものでも良い。
図8から図10に示すように、トルク平準化機構40は、植付横軸20に設けても良い。なお、植付横軸20の回転数は、植付アーム軸25の二倍の回転数である。図8に示す実施形態では、植付横軸20の端部にクランク軸42を接続し、クランク軸42にコイルバネ43を接続する。
図9に示す実施形態では、トルク平準化機構40は、植付横軸22又は植付横軸20の中途部に固定されるカム60、カム60のカム面60aに当接して回転するローラー61、ローラー61をカム60側に付勢するコイルバネ62、及び、ローラー61とコイルバネ62を支持するアーム63を具備する。カム60のカム面60aは、一側が低く、他側が高くなるような傾斜面として形成される。アーム63の基端は、ケース内に摺動可能に収容されるとともに、先端にローラー61が設けられる。アーム63におけるローラー61との間にコイルバネ62が配置される。植付横軸20の回転に伴ってカム60が回転し、カム面60aに沿って回転するローラー61の位置が変わることで、コイルバネ62の長さが伸縮する。この伸縮の際に、カム60を介して植付横軸20に周期的なトルク変動が付与される。
図10に示す実施形態では、トルク平準化機構40は、植付横軸22又は植付横軸20の中途部に固定されるカム65、カム65に当接する押圧部材66、及び、押圧部材66をカム65側に付勢するコイルバネ67を具備する。カム65のカム面には大径部が一箇所形成される。コイルバネ67の基端はケース内に固定され、先端は押圧部材66に固定される。植付横軸20の回転に伴ってカム65が回転し、カム面の大径部によって押圧部材66を押し上げる際に、コイルバネ67の弾性力がトルク抵抗として付与される。他方、カム面の大径部を過ぎた後は、コイルバネ67の弾性力がトルクとして付与される。このように、カム65の周期に応じた周期的なトルクが付与される。
[別実施形態]
図11及び図12は、トルク平準化機構40の別実施形態を示す。図11に示す実施形態では、トルク平準化機構40は、ロータリケース12に設けられる二つのロータアーム軸33間を連結する連結部材である連結プレート70に設けられる。
図11(a)に示すように、連結部材である連結プレート70から外方側に向けて突出して設けられる二本のピン71は、ロータリケース12の回転中心となる植付アーム軸25を挟んで対称位置に設けられる。この二本のピン71を外周側から覆うリング72は、ピン71間の長さを内周の一辺とする正方形状に形成される。リング72のピン71と当接する側と反対側の辺の中央には、弾性体であるコイルバネ73が固定される。図11(b)に示すように、ロータリケース12の回転に応じてピン71も植付アーム軸25回りに回転し、リング72の内周を押し下げる。これにより、弾性体であるコイルバネ73が伸長し、弾性力が生じる。このように発生した弾性体であるコイルバネ73の弾性力は、連結部材である連結プレート70及びロータリケース12を介して植付アーム軸25にトルクとして伝達される。ロータリケース12が一回転する際に、ピン71とリング72との位置関係は、コイルバネ73を伸ばす、縮める、伸ばす、縮める、の二周期で変化する。つまり、植付アーム軸25に生じるトルク変動と同周期の平準化トルクを付与することが可能である。
より好ましい実施形態としては、ピン71をフランジ形状にすることで、リング72との接触面積を大きくしたり、ピン71にローラーを取り付けてリング72の内周面との抵抗を低減したりすることも可能である。若しくは、リング72を三角形状に形成し、ピン71間を結ぶ辺と対向する頂点にコイルバネ73を固定することも可能である。三角形状とすることでコイルバネ73を安定して固定することができる。
図12に示す実施形態では、トルク平準化機構40は、植付横軸20に固定されるタイミングカム80、タイミングカム80によって設定されるタイミングで作動するソレノイド81、及び、ソレノイド81と接続され、作動電流を流すことによりソレノイド81を作動するマイクロスイッチ82を具備する。
図12(a)に示すように、タイミングカム80は、径方向に延びる段差面80aを有し、段差面80aを挟んで大径部と小径部が周方向に隣接して形成される。ソレノイド81は、マイクロスイッチ82の上方に配置され、基端部が回動可能に支持されている。マイクロスイッチ82のスイッチ部分は上部、つまりソレノイド81の下方に配置される。ソレノイド81のプランジャ81aは、タイミングカム80のカム面に沿うように配置される。図12(b)に示すように、ソレノイド81のプランジャ81aが段差面80aを過ぎると、大径部から小径部に落ちる。これにより、ソレノイド81が回動し、マイクロスイッチ82のスイッチ部に接触し、マイクロスイッチ82からソレノイド81に作動電流が流される。そして、ソレノイド81のプランジャ81aが段差面80aを押圧する。このようにして、タイミングカム80を介して植付横軸20にインパルストルクが付与される。
タイミングカム80によるタイミングは、不等速機構によって生じるトルク変動における最大のトルクが発生するタイミングに設定される。これにより、最大のトルクを打ち消すようにインパルストルクを発生させている。以上のように、平準化トルクをインパルストルクとして付与することで、作用時間が短時間になるため、タイミングのズレが生じにくい。また、インパルストルクで回転をアシストするため、回転負荷へのブレーキとならない。さらに、トルク付与にかかる駆動力がロータリケース12の回転駆動力から独立しているため、影響を受けることがない。なお、植付横軸20ではなく、植付アーム軸25に設ける場合は、タイミングカム80に180°の位相差を有する段差面80aを設けることで、植付アーム軸25に生じるトルク変動の周期に合わせた平準化トルクを付与することが可能である。
上述の実施形態における植付部5への動力伝達経路は、主にギアを用いたものであるが、植付センターケース10から分岐される動力を各植付ユニットに伝達できるものであれば、スプロケット及びチェーンを用いたチェーン駆動式のものでも同様に適用可能である。
1:田植機、5:植付部、9:株間変更装置(不等速機構)、11:植付ベベルケース、12:ロータリケース、13:植付アーム、22:植付縦軸、23a・23b:不等速ベベルギア(不等速機構)、24:ユニットクラッチ、25:植付アーム軸、40:トルク平準化機構、41:ベベルギア、42:クランク軸、43:コイルバネ

Claims (1)

  1. ロータリケースを支持する植付アーム軸に不等速機構を介して動力を伝達する田植機であって、
    前記不等速機構によって生じるトルク変動を打ち消すトルクを付与するトルク平準化機構を設け、
    前記トルク平準化機構は、前記ロータリケースに設けられる前後のロータアーム軸間を連結する連結部材に設けられるとともに、
    前記トルク変動を打ち消すためのトルクを付与する弾性体を具備し、
    前記連結部材の回転とともに前記弾性体が伸縮して、不等速機構により植付アーム軸に発生するトルク変動と同周期の平準化トルクを付与することを可能とする
    ことを特徴とする田植機。
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