JP2014197718A - ガスセル及び磁気測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、パッケージの内部と外部との間で流体が流通し易くしつつ、パッケージを容易に封止することを目的とする。
この封止方法によれば、パッケージの内部と外部との間で流体が流通し易くしつつ、パッケージを容易に封止することができる。
この封止方法によれば、パッケージと蓋との間に容易に封止材を設けることができる。
この封止方法によれば、パッケージと蓋との間に容易に封止材を設けることができる。
この封止方法によれば、コーティング剤により内面に膜が形成され、アルカリ金属原子を封入したパッケージを容易に製造することができる。
この封止方法によれば、コーティング剤により内面に膜が形成され、アルカリ金属原子を封入した複数のパッケージをまとめて製造することができる。
この電子デバイスの筐体によれば、パッケージの内部と外部との間で流体が流通し易くしつつ、パッケージを容易に封止することができる。
このセルによれば、パッケージの内部と外部との間で流体が流通し易くしつつ、パッケージを容易に封止することができる。
(1)構成
図1は、第1実施形態に係る磁気測定装置1の構成を表すブロック図である。磁気測定装置1は、心臓から発生する磁場(心磁)または脳から発生する磁場(脳磁)等、生体から発生する磁場を、生体の状態の指標として測定する磁気センサーである。磁気測定装置1は、ガスセルアレイ10と、ポンプ光照射ユニット20と、プローブ光照射ユニット30と、検出ユニット40とを有する。ガスセルアレイ10は、複数のガスセル11を有する。ガスセル11内には、アルカリ金属ガス(例えば、セシウム(Cs))が封入されている。ポンプ光照射ユニット20は、アルカリ金属原子と相互作用するポンプ光(例えば、セシウムのD1線に相当する波長894nmの光)を出力する。ポンプ光は円偏光成分を有する。ポンプ光が照射されると、アルカリ金属原子の最外殻電子が励起され、スピン偏極が生じる。スピン偏極したアルカリ金属原子は、被測定物が生じる磁場Bによって歳差運動をする。一つのアルカリ金属原子のスピン偏極は、時間の経過とともに緩和するが、ポンプ光がCW(Continuous Wave)光であるので、スピン偏極の形成と緩和は、同時平行的かつ連続的に繰り返される。その結果、原子の集団全体としてみれば、定常的なスピン偏極が形成される。
図3は、ガスセル11の製造工程を示すフローチャートである。図4〜9は、ガスセル11の製造工程を説明する図である。図4〜9では、図2に示すI−I線で切断したガスセル11の断面が示されている。ステップS110(結合工程)において、パッケージ12とリッド13とが接合する面に、ペースト状の低融点ガラス60を塗布する。具体的には、パッケージ12の上面とリッド13の下面の周辺部とに、ペースト状の低融点ガラス60を塗布する。この低融点ガラス60の塗布は、例えばスクリーン印刷やディスペンサを利用して行われる。低融点ガラス60を塗布した後、加熱により、低融点ガラス60に含まれる溶剤成分を蒸発させ、乾燥させる。次に、アンプル50をパッケージ12の凹部15に置く。アンプル50を置いた後、図4に示すように、棒状の金属ワイヤ61を溝17に入れる。このとき、金属ワイヤ61は、一端が外部に突出し、他端が凹部19内に突出するように配置される。また、棒状の金属ワイヤ62を溝18に入れる。このとき、金属ワイヤ62は、一端が外部に突出し、他端が凹部15内に突出するように配置される。なお、パッケージ12には、金属ワイヤ61,62の位置決めができるように、金属ワイヤ61,62が配置されるところに溝が形成されていてもよい。
上述した第1実施形態では、金属ワイヤ61,62を用いて、低融点ガラス60により貫通孔71,72を有する封止材を形成していた。第2実施形態は、これらの封止材に代えて、予め貫通孔73,74を有する筒状の形状に成形された封止材81,82を用いる点で、第1実施形態と異なる。それ以外の点については、概ね第1実施形態と同様である。従って、第2実施形態では、ガスセル11の製造方法を中心に説明する。また、第2実施形態に係るガスセル11の構成は、第1実施形態で説明した構成と概ね同じである。ただし、パッケージ12には、凹部19は設けられていない。その他の第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明した図2及び図4〜9と同様の符号を付し、その説明を省略する。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
ガスセル11を製造するときに、複数のガスセル11をまとめて製造してもよい。
図16は、変形例1に係るガスセル11の製造方法を示すフローチャートである。図17〜20は、変形例1に係るガスセル11の製造方法を説明する図である。図17〜20では複数のガスセル11のI−I断面が示されている。図17〜20に示す例では、第2実施形態に係るガスセル11と同じ構成の4つのガスセル11A,11B,11C,11Dがまとめて製造される。以下の説明では、ガスセル11Aに関する構成については、符号に「A」という文字を付加する。同様に、ガスセル11B,11C,11Dに関する構成については、符号に「B」,「C」,「D」という文字を付加する。
ガスセルアレイ10は、単に複数のガスセル11を並べたものに限らない。
図21は、変形例2に係るガスセルアレイEのI−I断面図である。このガスセルアレイ10Eは、ガスセル11に複数の主室14を設けたものと同様の構成を有している。ガスセルアレイ10Eは、パッケージ12Eとリッド13Eとを有している。パッケージ12Eは、4つの主室14A〜14Dを有している。このパッケージ12Eの上面には、上述した凹部15,19,溝16〜18に加えて、溝91〜93が形成されている。溝91は、主室14Aと主室14Bとを接続する。溝92は、主室14Bと主室14Cとを接続する。溝93は、主室14Cと主室14Dとを接続する。凹部15は、主室14Dの隣に形成される。溝17は、主室14Aから外部に向けて形成される。このガスセルアレイ10Eでは、アンプル50から放出されたアルカリ金属ガスは、溝16を介して主室14Dへと移動する。続いて、アルカリ金属ガスは、溝93,92,91を介して、主室14C,14B,14Aへと順に移動する。これにより、主室14A〜14Dにアルカリ金属ガスが充填される。
図22は、変形例2に係るガスセルアレイ10Fの断面図である。この断面は、図に示すxy平面に平行である。ガスセルアレイ10Fは、ガスセル110と、ガスセル120と、ガスセル140と、ガスセル150と、ダミーセル130とを有している。ガスセル110とダミーセル130との間には、貫通孔111が設けられている。ガスセル120とダミーセル130との間には、貫通孔121が設けられている。ガスセル140とダミーセル130との間には、貫通孔141が設けられている。ガスセル150とダミーセル130との間には、貫通孔151が設けられている。ダミーセル130にはアンプル50が収納される。アンプル50から放出されたアルカリ金属ガスは、ダミーセル130から、貫通孔111、貫通孔121、貫通孔141、および貫通孔151を介して、ガスセル110、ガスセル120、ガスセル140、およびガスセル150に拡散される。
溝17,溝18の位置は、図2に示す位置に限定されない。
図23は、変形例3に係るパッケージ12Fの平面図である。図23に示す主室14の形状は、直方体である。この場合、主室14の角においては、アルカリ金属原子のスピン偏極が緩和しやすい。従って、溝17と溝18とは、パッケージ12Fの上面において、主室14の対角に設けられてもよい。なお、図23に示す溝17,18は、ガスセル11の側面と平行に延びるように形成されているが、主室14の角からガスセル11の角に向けて延びるように形成されていてもよい。
ガスセル11には、必ずしも2つの貫通孔を設ける必要はない。例えば、洗浄液やコーティング剤の流入と流出とを1つの貫通孔を用いて行う場合には、ガスセル11に1つの貫通孔だけが設けられてもよい。ただし、アンプル50から放出された気化成分を外部へ排気することを考えると、アンプル50側の貫通孔を設けるのが好ましい。また、パッケージ12とリッド13とを接合する前に、予めコーティング剤により主室14の内面に膜70を形成する場合には、貫通孔を使用せずに、パッケージ12の開口部から洗浄液やコーティング剤は流入、流出させることができる。ただし、パッケージ12とリッド13とを接合した後に、アンプル50から放出された気化成分を外部へ排気する必要がある。従って、この場合には、アンプル50側の貫通孔だけを設けてもよい。ガスセル11に1つの貫通孔だけが設けられる場合には、その貫通孔を封止するときに、アニール炉を利用してガスセル11全体を加熱してもよい。
ガスセル11の形状は図2に示す形状に限定されない。図2に示すガスセル11は、直方体の形状をしている。しかし、ガスセル11の形状は、直方体以外の多面体、球体、または、円柱等、一部に曲面を有するものであってもよい。
パッケージ12とリッド13とを接合する接合材料は、低融点ガラスに限定されない。例えば、半田であってもよい。また、パッケージ12とリッド13とをオプティカルコンタクトにより接合してもよい。この場合、溝17,18だけに接合材料が塗布される。また、接合材料は、パッケージ12とリッド13との両方に塗布されてもよいし、パッケージ12の上面だけに塗布されてもよい。
封止材の形状は、貫通孔を有する筒状の形状に限定されない。例えば、封止材の形状は、立方体や直方体などの多面体、球体、円柱などの、貫通孔を有する筒状以外の立体形状であってもよい。この場合、第1実施形態では、封止材の形状に合わせた溝17,18が形成される。第2実施形態では、このような形状を有する封止材81,82が用いられる。また、封止材の材料は、低融点ガラスや半田に限定されない。例えば、樹脂であってもよい。
パッケージ12とリッド13との間に配置される棒状部材は、ニッケルを用いて形成された金属ワイヤ61,62に限定されない。この棒状部材は、ニッケル以外の材料を用いて形成された棒状の部材に、ニッケルめっきを施したものであってもよい。また、この棒状部材は、パッケージ12とリッド13との接合に用いられる接合材料と接合し難い材料を用いて形成されるのが好ましい。棒状部材を引き抜き難い場合には、超音波振動を印加して、棒状部材と接合材料との接合界面を剥離させてもよい。
アルカリ金属原子は、固体、液体、または気体のうち、どの状態でガスセル11に導入されてもよい。アルカリ金属は、少なくとも測定時にガス化していればよく、常にガス状態である必要はない。
ガスセル11の用途は、磁気センサーに限定されない。例えば、ガスセル11は、原子発振器に用いられてもよい。
本発明に係るパッケージの封止方法を用いて封止されるパッケージは、ガスセル11に限定されない。例えば、水晶やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いたジャイロセンサー、加速度センサー、圧力センサー、傾斜センサー、水晶発振器などの電子デバイスの筐体には、気密封止パッケージが使われている。本発明に係るパッケージの封止方法は、この気密封止パッケージを封止するのに用いられてもよい。具体的には、上述した第1実施形態、第2実施形態又は変形例と同じ方法で、気密封止パッケージとリッドとの間に貫通孔を有する封止材を設け、気密封止パッケージとリッドとを接合し、気密封止パッケージの内部と外部との間で、この貫通孔を介して流体を流通させ、封止材を溶融させ、貫通孔を封止する。これにより、開口部を有するパッケージと、この開口部を覆う蓋と、貫通孔を有し、パッケージと蓋との間に設けられ、加熱されると溶融して、この貫通孔を封止する封止材とを備える電子デバイスの筐体が提供される。
Claims (7)
- 開口部を有するパッケージと当該開口部を覆う蓋との間に、貫通孔を有する封止材を設け、当該パッケージと当該蓋とを接合する接合工程と、
前記パッケージの内部と外部との間で、前記貫通孔を介して流体を流通させる流通工程と、
前記封止材を溶融させて前記貫通孔を封止する封止工程と
を備えることを特徴とするパッケージの封止方法。 - 前記接合工程において、前記パッケージと前記蓋とが接合する面には、接合材料が塗布され、当該パッケージと当該蓋との間には、一端が外部に突出するように棒状部材が配置され、当該接合材料が溶融されることにより前記パッケージと前記蓋とが接合され、冷却後、当該棒状部材が引き抜かれることにより、当該接合材料により前記封止材が形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージの封止方法。 - 前記接合工程において、前記パッケージと前記蓋とが接合する面には、融点が第1の温度である接合材料が塗布され、前記パッケージと前記蓋との間には、融点が前記第1の温度よりも高い第2の温度である材料で形成され、貫通孔を有する封止材が配置され、前記接合材料は、前記第1の温度以上前記第2の温度未満の温度で加熱され、当該接合材料が溶融することにより、前記パッケージと前記蓋とが接合され、
前記封止工程において、前記封止材は、前記第2の温度以上の温度で加熱される
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージの封止方法。 - 前記接合工程において、前記パッケージ内には、アルカリ金属原子を収容する収容部が配置され、前記パッケージと前記蓋との間には、第1の貫通孔を有する第1の封止材と、第2の貫通孔を有する第2の封止材とが設けられ、
前記流通工程において、前記パッケージの内部には、前記第1の貫通孔を介してコーティング剤が流入され、当該コーティング剤により当該パッケージの内面に膜が形成され、当該コーティング剤は、前記第2の貫通孔を介して外部に流出され、
前記封止工程において、前記第1の封止材を溶融させ、前記第1の貫通孔を封止する第1の封止工程と、
前記収容部にレーザ光を照射して、当該収容部を破壊する破壊工程と、
前記封止工程において、前記収容部が破壊された後、決められた時間が経過してから、前記第1の封止材を溶融させ、前記第2の貫通孔を封止する第2の封止工程とを備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかにパッケージの封止方法。 - 前記接合工程において、前記パッケージは、複数並べられて一体に連結されており、前記パッケージと前記蓋との間には、隣接するパッケージを連通する第3の貫通孔を有する第3の封止材が設けられ、
前記第2の封止工程において、前記第3の封止材は、前記第2の封止材から遠い順に加熱され、当該第3の封止材が溶融することにより、前記第3の貫通孔が順に封止され、前記第2の貫通孔は、当該第3の貫通孔が全て封止された後に封止される
ことを特徴とする請求項4に記載のパッケージの封止方法。 - 開口部を有するパッケージと、
前記開口部を覆う蓋と、
貫通孔を有し、前記パッケージと前記蓋との間に設けられ、加熱されると溶融して、当該貫通孔を封止する封止材と
を備えることを特徴とする電子デバイスの筐体。 - 開口部を有するパッケージと、
前記開口部を覆う蓋と、
前記パッケージ内に配置され、アルカリ金属原子を収容し、レーザ光で破壊されると、当該アルカリ金属を放出する収容部と、
第1の貫通孔を有し、前記パッケージと前記蓋との間に設けられ、加熱されると溶融して、当該第1の貫通孔を封止する第1の封止材と、
第2の貫通孔を有し、前記パッケージと前記蓋との間に設けられ、加熱されると溶融して、当該第2の貫通孔を封止する第2の封止材と
を備えることを特徴とするセル。
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