JP2014196895A - 多管式熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造時の工数を削減できるようにする。【解決手段】 多管式熱交換器は、容器1の両端部に、管板2と5により仕切られた第一流体3の分配ヘッダ4と集合ヘッダ6を備える。各管板2と5の間の環状の管群設置領域7には、各ヘッダ4と6に接続された複数の伝熱管9からなる管群8を設ける。管群設置領域7は、周方向180度間隔の位置に、容器軸心方向に平行で且つ半径方向に延びる軸心方向バッフル10aと10bにより仕切られた分割区画7aと7bを形成する。各分割区画7aと7bには、第二流体11の流れ方向が半径方向外向きと内向きで交互になるよう第二流体流通経路を形成する。各伝熱管9内を流通させる第一流体3は、各分割区画7aと7bで管外側を流れる第二流体11と熱交換させる。軸心方向バッフル10a,10bより伝熱管9挿通用の孔をなくすことで、多管式熱交換器製造時の孔開け工程を不要にさせる。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の伝熱管内を流通させる流体と、各伝熱管の外側を流通させる別の流体との熱交換を行わせるために用いる多管式熱交換器に関するものである。
触媒反応により反応原料から反応生成物を連続的に製造するプロセスでは、発熱反応や吸熱反応である触媒反応の進行に伴う温度変化を防止するために、触媒反応の実施時に、熱媒と触媒、反応原料、反応生成物の熱交換を並行して行わせることにより、反応温度条件を一定に維持することが行われている。
この種の熱交換を効率よく実施させるための装置としては、たとえば、各種化学物質の製造プロセスで広く用いられている多管式の熱交換器(チューブラー熱交換器、又は、シェルアンドチューブ型熱交換器とも称される)がある。
上記多管式熱交換器としては、以下のような構成のものが広く一般的に用いられている。
すなわち、円筒状の容器(シェル)の一端部と他端部に、個別の管板によって仕切られた第一の流体の分配室と集合室が設けてある。
上記各管板同士の間には、平行な複数の伝熱管(チューブ)による管群が配置してあり、各伝熱管の両端部は、上記分配室と集合室の双方にそれぞれ連通するように取り付けてある。これにより、上記各伝熱管内を、上記第一の流体を流通させることができるようにしてある。
更に、上記容器内では、各管板同士の間で且つ上記各伝熱管の外側の空間が、上記第一の流体と伝熱管の管壁を介して熱交換させるための第二の流体の流通領域とされている。
上記第二の流体の流通領域には、上記各管板のうちの一方の管板寄りとなる該流通領域の一方の端部と、他方の管板寄りとなる該流通領域の他方の端部に、第二の流体の入口と出口をそれぞれ設け、更に、該流通領域内における上記一方の端部から他方の端部までの或る間隔ごとの複数個所に、伝熱管の長手方向に直交する面内に配置したバッフル(邪魔板)を設けた構成が広く採用されている。かかる構成によれば、上記流通領域に上記入口より流入させる第二の流体は、上記の出口へ向けて流通する過程で、上記各バッフルを順次迂回するようになる。これにより、上記流通領域では、第二の流体の流れ方向が、常に上記管群の各伝熱管の長手方向に直交する方向の流れ(以下、管群直交流と云う)となって該各伝熱管に当たるようにしてある。しかも、上記流通領域では、上記各バッフルにより第二の流体の流通経路の断面積を制限することにより、上記第二の流体の流速を高めるようにしてある。
したがって、以上の構成を備えた従来の多管式熱交換器では、上記流通領域にて、上記第二の流体の管群直交流を、流速を高めた状態で発生させることで、上記各伝熱管と、その外面に接する第二の流体との間の熱伝達率を高めるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
特開2006−510471号公報
ところが、上記特許文献1に示された多管式熱交換器では、上記第二の流体の流通領域に設ける伝熱管の長手方向に直交する各バッフルで、第二の流体の流れを順次折り返させて、該第二の流体が、管群直交流を繰り返すようにしてあるため、該第二の流体の圧力損失が大きくなり、該第二の流体用のポンプ動力の増加を招いている。
又、上記第二の流体の流通領域に設ける各バッフルには、各伝熱管の配置に対応する位置に、該各伝熱管を挿通させるための伝熱管挿通孔を備える必要がある。
そのため、上記各バッフルが設けてある上記第二の流体の流通領域では、該各バッフルで順次反転させられる第二の流体の流れに加えて、各バッフルの伝熱管挿通孔と、その内側に挿通させてある伝熱管との隙間からの漏れ(リーク)による該第二の流体の流れが生じる。
この際、上記多管式熱交換器では、上記各バッフルの伝熱管挿通孔の部分での漏れが多いか少ないか、更には、その漏れの伝熱管周方向における分布等に起因して、上記流通領域での第二の流体の流れの複雑さが変化してしまう。
更に、上記各バッフルの伝熱管挿通孔で生じる第二の流体の漏れが多いか少ないかは、上記流通領域での第二の流体の圧力損失の変化に繋がるため、該第二の流体の流速にも影響する。
したがって、上記各バッフルの伝熱管挿通孔で生じる第二の流体の漏れは、多管式熱交換器の熱交換性能に大きく影響を与えている。しかし、製造誤差等により、上記漏れを正確に制御することは困難であるため、製造される多管式熱交換器の熱交換性能の個体差に繋がってしまう。
又、上記多管式熱交換器の製造時には、各バッフルに伝熱管挿通孔を穿設する孔開け工程に手間と時間を要しているのが実状である。更に、上記孔開け工程では、伝熱管の数が多くなると、孔開け工数が、バッフルの数に応じた分、積算されて増加するため、該孔開け工数が多大になる。
そこで、本発明は、容器内で各伝熱管内を流通する第一の流体と熱交換させるために各伝熱管の外側に流通させる第二の流体を、管群直交流とさせる場合であっても、上記伝熱管の管壁を介した上記第一流体と第二流体との間での熱通過率を低下させることなく、該第二の流体の圧力損失を低減させることができて、該第二の流体用のポンプ動力の削減化を図ることができ、しかも、バッフルの伝熱管挿通孔を不要にすることができて、熱交換性能の個体差を低減させることができると共に、製造時の工数を削減できる多管式熱交換器を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、円筒形の容器と、該容器内の軸心方向の一方の端部に管板により仕切って形成した第一流体の分配ヘッダと、該容器内の軸心方向の他方の端部に別の管板により仕切って形成した上記第一流体の集合ヘッダと、上記容器内の上記各管板の間の空間における中央部と外周部を除く環状の管群設置領域に配置した該容器の軸心方向に平行な複数の伝熱管からなり、且つ該各伝熱管の両端部を上記第一流体の分配ヘッダと集合ヘッダにそれぞれ連通接続させてなる管群とを備え、且つ上記管群設置領域における周方向の複数個所を、上記容器の軸心方向に平行で且つ半径方向に沿う軸心方向バッフルで仕切って、複数の分割区画を形成し、周方向に配列された少なくとも2つの分割区画を、管群設置領域の外側に設ける外周側接続流路又は管群設置領域の内側に設ける内周側接続流路のいずれかを介して接続するか、又は、上記外周側接続流路と上記内周側接続流路の双方を交互に介して接続して、隣接する分割区画を順に経る第二流体の流れ方向が半径方向の内向きと外向きで交互になるように流通させるための第二流体流通経路が形成されるようにし、上記容器に、上記第二流体流通経路の最も上流側に位置する分割区画における第二流体流れ方向の上流側端部に位置する管群設置領域の外側又は管群設置領域の内側の第二流体分散室に連通する第二流体入口と、上記第二流体流通経路の最も下流側に位置する分割区画における第二流体流れ方向の下流側端部に位置する管群設置領域の外側又は管群設置領域の内側の第二流体集合室に連通する第二流体出口と、第一流体の分配ヘッダに連通させた第一流体入口と、上記第一流体の集合ヘッダに連通させた第一流体出口とを設けてなる構成を有する多管式熱交換器とする。
又、請求項2に対応して、上記構成において、管板同士の間における管群設置領域の内周側位置と外周側位置に、周方向に延びる内周側分散板と外周側分散板をそれぞれ設けるようにした構成とする。
本発明の多管式熱交換器によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)伝熱管の管壁を介した第一流体と第二流体の間での熱通過率を低下させることなく、伝熱管の外側を流通させる上記第二流体の圧力損失を低減させることができる。よって、熱交換性能の低下を防止しながら上記第二流体用のポンプ動力の削減化を図ることができる。
(2)軸心方向バッフルは、伝熱管挿通孔を設ける必要をなくすことができる。このため、第二流体を流通させる領域では、該第二流体の流れを単純化することができる。よって、本発明の多管式熱交換器は、熱交換性能の個体差の低減化を図ることができる。
(3)更に、本発明の多管式熱交換器は、製造時にバッフルに対する孔開け工程が不要なため、製造時の工数を削減することができる。
本発明の多管式熱交換器の実施の一形態を示すもので、(a)は容器軸心位置での断面図、(b)は(a)のA−A方向矢視図である。 本発明の実施の他の形態を示すもので、(a)は容器軸心位置での断面図、(b)は(a)のB−B方向矢視図である。 本発明の実施の更に他の形態として、伝熱管設置領域の周方向の6個所を軸心方向バッフルにより仕切って形成した6つの分割区画において形成させる第二流体流通経路の別の例を示す図2(b)に対応する図である。 (a)(b)はいずれも、本発明の実施の更に他の形態として、伝熱管設置領域の周方向の6個所を軸心方向バッフルにより仕切って形成した6つの分割区画において形成させる第二流体流通経路の更に別の例をそれぞれ示す図2(b)に対応する図である。 (a)(b)はいずれも、本発明の実施の更に他の形態として、伝熱管設置領域の周方向の6個所を軸心方向バッフルにより仕切って形成した6つの分割区画において形成させる第二流体流通経路の更に別の例をそれぞれ示す図2(b)に対応する図である。 本発明の実施の更に他の形態として、伝熱管が正三角形を単位とする千鳥配列の場合における軸心方向バッフルの別の配置例として、伝熱管設置領域の周方向120度間隔の3個所に軸心方向バッフルを配置した場合を示す概要図である。 本発明の実施の更に他の形態として、伝熱管が正三角形を単位とする千鳥配列の場合における軸心方向バッフルの更に別の配置例として、伝熱管設置領域の周方向30度間隔の12個所に軸心方向バッフルを配置した場合を示す概要図である。 本発明の実施の更に他の形態として、伝熱管が正方配列の場合における軸心方向バッフルの配置例として、伝熱管設置領域の周方向90度間隔の4個所に軸心方向バッフルを配置した場合を示す概要図である。 本発明の実施の更に他の形態として、伝熱管が正方配列の場合における軸心方向バッフルの別の配置例として、伝熱管設置領域の周方向45度間隔の8個所に軸心方向バッフルを配置した場合を示す概要図である。 本発明の実施の更に他の形態を示すのもので、(a)は容器軸心位置での断面図、(b)は(a)のC−C方向矢視図である。 本発明の多管式熱交換器について行った流動解析に関するもので、(a)は解析に用いた図8に対応する構成の多管式熱交換器の解析モデルを示す図、(b)は第二流体側の圧力分布の解析結果を示す図である。 本発明の多管式熱交換器について行った流動解析に関するもので、(a)は解析に用いた図2(a)(b)に対応する構成の多管式熱交換器の解析モデルを示す図、(b)は第二流体側の圧力分布の解析結果を示す図である。 図11(b)及び図12(b)にて比較例とする解析モデルを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1(a)(b)は本発明の多管式熱交換器の実施の一形態を示すものである。
すなわち、本発明の多管式熱交換器は、図1(a)(b)に示すように、円筒状の容器1を備える。該容器1内の軸心方向の一端部(図では下端部)には、管板2により仕切られた第一流体3の分配ヘッダ4が設けてある。又、上記容器1内の軸心方向の他端部(図では上端部)には、別の管板5により仕切られた第一流体3の集合ヘッダ6が設けてある。
上記容器1内における各管板2と5の間の空間は、該容器1の中心部と外周部を除く領域が、環状の管群設置領域7としてある。該管群設置領域7には、上記容器1の軸心方向に平行に配置された複数の伝熱管9よりなる管群8が設けられている。該管群8を構成している各伝熱管9は、その両端部が、上記各管板2と5を介して上記第一流体分配ヘッダ4と上記第一流体集合ヘッダ6に、それぞれ連通接続されている。なお、図1(a)では、図示する便宜上、図1(b)に比して伝熱管9の数を減らして記載してある。
上記管群設置領域7には、周方向に等間隔の複数個所、たとえば、周方向180度間隔の2個所に、上記容器1の軸心方向に平行な面内で該管群設置領域7の内周側端部から外周側端部まで半径方向に沿って延びる軸心方向バッフル10a,10bが設けてある。該各軸心方向バッフル10a,10bは、容器1軸心方向の両側に位置する端部が、上記各管板2と5にそれぞれ気密に取り付けてある。これにより、上記管群設置領域7には、上記各軸心方向バッフル10aと10bによって仕切られた2つの分割区画7aと7bが、周方向に並べて、形成されるようにしてある。
なお、上記各軸心方向バッフル10a,10bは、上記管群8の各伝熱管9と干渉しないように配置してあるものとする。この場合、たとえば、上記管群8における伝熱管9の配列が、図1(b)に示すような正三角形を単位とする千鳥配列となっている場合には、該管群8において、上記各伝熱管9同士の隙間が半径方向に連続して延びる個所が、周方向60度間隔の6個所に形成される。この各半径方向に連続する隙間が存在する個所では、その他の個所に比べて、後述するように上記管群設置領域7(分割区画7aと7b)に半径方向に沿わせて流通させる第二流体11が通り抜け易くなる。このため、上記管群設置領域7における上記第二流体11の局所的な通り抜けを抑制して、該第二流体11と各伝熱管9との熱交換効率の向上化を図るという観点から考えると、上記各軸心方向バッフル10a,10bは、上記各伝熱管9同士の隙間が半径方向に連続して延びる個所に設けることが望ましい。
上記のようにして管群設置領域7に周方向に形成させた2つの分割区画7aと7bは、該隣接する分割区画7aと7b同士で上記第二流体11の流れ方向が半径方向外向きと半径方向内向きで交互になり、且つ該流れ方向が半径方向外向きから半径方向内向きに折り返す状態で、該各分割区画7aと7bが一連に繋がる第二流体流通経路が形成されるようにする。
具体的には、上記各軸心方向バッフル10a,10bのうち、一方の軸心方向バッフル10aの外周側端部と、上記容器1の周壁内面との間を、外周部仕切部材12で閉塞させる。これにより、上記各分割区画7aと7bの外周側に、他方の軸心方向バッフル10bの外周側端部と、上記容器1の周壁内面との隙間を通って周方向に連なる外周側接続流路13を形成させる。
更に、上記各軸心方向バッフル10a,10bの内周側端部同士の間には、内周部仕切部材14を取り付けて、該各軸心方向バッフル10aと10bの内周側端部同士の間を仕切る。
これにより、上記容器1内の各管板2と5同士の間には、上記第一の分割区画7aを半径方向の内側から外向きに流れる第二流体11が、該第一の分割区画7aの外周へ達すると、上記外周側接続流路13を通して第二の分割区画7bの外周側に導かれ、しかる後、上記第二流体11が該第二の分割区画7bを半径方向の外側から内向きに流れるようになる一連の第二流体流通経路が形成される。
よって、上記第二流体流通経路では、上流側端部に位置する区画は上記第一の分割区画7aであり、下流側端部に位置する区画は上記第二の分割区画7bとなる。上記第一の分割区画7aにおける上記第二流体11の流れ方向の上流側端部は内周側端部であるため、該第一の分割区画7aの内側の空間は、第二流体11の分散室15としてある。一方、上記第二の分割区画7bにおける上記第二流体11の流れ方向の下流側端部は内周側端部であるため、該第二の分割区画7bの内側の空間は、第二流体11の集合室16としてある。
更に、上記容器1の軸心方向他端側に設けてある管板5には、上記管群設置領域7よりも内側となる中央部に、上記内周部仕切部材14を挟んで配置された上記第二流体分散室15と、第二流体集合室16の双方に臨む開口が設けてある。該開口には、上記容器1の軸心方向他端部の外側より上記第一流体集合ヘッダ6の内側を通して配置した管状部材17の内側端部が接続してある。且つ該管状部材17は、その内部に、上記内周部仕切部材14に繋がる位置で該管状部材17の内部空間を軸心方向に沿って二分割する隔壁18を備えた構成として、該隔壁18で仕切られた2つの空間のうち、上記第二流体分散室15に連通する一方の空間を、第二流体11の入口19とし、上記第二流体集合室16に連通する他方の空間を、第二流体11の出口20としてある。
これにより、上記第二流体入口19より供給される第二流体11は、上記第二流体分散室15より、上述した第二流体流通経路を経て、上記第二流体集合室16まで流通させられた後、上記第二流体出口20より外部へ取り出されるようにしてある。この際、上記第二流体11は、上記管群設置領域7の各分割区画7aと7bを流通する際には、上記管群8を形成している各伝熱管9の外側を流れるようになるため、該各伝熱管9の外周壁を介しての熱交換に供されるようになる。又、上記各分割区画7a,7bでは、上記第二流体11が各伝熱管9同士の間を流通する際に、圧力損失を生じることで、該第二流体11が上記第二流体分散室15から上記第一の分割区画7aへ流入する際には、周方向に一様に分散されるようにしてある。
上記容器1の軸心方向の一端部には、上記第一流体分配ヘッダ4に連通する第一流体入口21が設けてある。これにより、上記第一流体入口21より供給される第一流体3は、第一流体分配ヘッダ4に流入すると、該第一流体分配ヘッダ4内で分散された後、上記管群8を形成している各伝熱管9に対して均等に供給されるようにしてある。
上記容器1の軸心方向の他端部における上記管状部材17と干渉しない位置には、上記第一流体集合ヘッダ6に連通する第一流体出口22が設けてある。これにより、上記各伝熱管9を通過する際に該各伝熱管9の内周壁との熱交換に供された後の第一流体3は、上記第一流体集合ヘッダ6で集合させられた後、上記第一流体出口22より外部へ取り出されるようにしてある。
以上の構成としてある本発明の多管式熱交換器を使用する場合は、第一流体入口21へ第一流体3を連続的に供給すると共に、該第一流体3との熱交換を所望する第二流体11を、第二流体入口19へ連続的に供給する。
これにより、上記第一流体3は、管群8の各伝熱管9内を流通する。一方、上記第二流体11は、上記第二流体分散室15より上記第二流体流通経路を経て第二流体集合室16まで向かう間に、上記各管群設置領域7の各分割区画7aと7bにて、該各分割区画7aと7b内に配置されている各伝熱管9の外側を、周方向に分散された状態で流通する。
よって、この際、上記第一流体3と、上記第二流体11の各伝熱管9の管壁を介した熱交換が行われるようになる。
上記熱交換に供された後の第一流体3と、第二流体11は、それぞれ第一流体出口22と、第二流体出口20より外部へ取り出されるようになるため、各々所望の後処理を行うようにすればよい。
ところで、上記管群設置領域7の各分割区画7aと7bでは、第二流体11が、それぞれ半径方向の外向きと内向きに流れるようにしてあるため、該第二流体11の流路断面積は、中心側よりも周辺部の方が大となる。したがって、上記各分割区画7a,7bにおける第二流体11の流速は、中心側では大となり、周辺部では小さくなる。このため、上記第二流体11の流速の変化に伴って、上記各分割区画7a,7bに配置されている各伝熱管9では、管外側の熱伝達率が、該各伝熱管9が配置されている半径方向の位置に応じて変化する。
又、上記第二流体11は、各分割区画7aと7bを順に流れるようにしてあるため、下流側の分割区画7bに供給される上記第二流体11は、上流側の分割区画7aで既に熱交換に供された後となっているため、上流側の分割区画7aと、下流側の分割区画7bでは、供給される第二流体11の温度の相違に起因して、管外側の熱伝達率に差が生じることが考えられる。
しかし、一般に、熱交換器の熱交換性能は、第一流体3の供給時と取出時の温度差や、第二流体11の供給時と取出時の温度差に基づいて決定されるものであるため、個々の伝熱管9で管外側の熱伝達率に差が生じていても、本発明の多管式熱交換器の熱交換性能に何ら問題が生じることはない。
このように、本発明の多管式熱交換器によれば、第一流体3と第二流体11との熱交換を実施させることができる。
又、上記第二流体11に関しては、軸心方向バッフル10a,10bにより流路断面積を制限して、各伝熱管9の外側を流通する該第二流体11の流速を高めることが可能なため、熱交換性能を高いものとすることができる。
更に、本発明の多管式熱交換器では、従来の伝熱管の長手方向に直交する面内に配置したバッフルにより順次流れ方向を折り返させる場合に比して、上記各伝熱管9の管壁を介した上記第一流体3と第二流体11との間での熱通過率を低下させることなく、上記軸心方向バッフル10a,10bにより上記第二流体11の流れ方向を半径方向の外向きと内向きに折り返させる回数を低減させることができて、上記第二流体11の圧力損失を低減させることができる。このため、上記第二流体11の給排に用いるポンプ動力の削減化を図ることができる。
しかも、本発明の多管式熱交換器を構成する上記各軸心方向バッフル10a,10bは、各伝熱管9の長手方向に平行に配置してあるため、伝熱管挿通孔を設ける必要がない。
したがって、上記第二流体11を流通させる領域では、該第二流体11の流れを単純化することができる。よって、本発明の多管式熱交換器は、熱交換性能に個体差が生じる虞を低減化させることができる。
又、上記軸心方向バッフル10a,10bは、製造時に、上記従来のバッフルに伝熱管挿通孔を穿設する場合の孔開け工程が不要になる。このため、本発明の多管式熱交換器は、製造時の工数を削減することができる。
次に、図2(a)(b)は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1(a)(b)に示したと同様の構成において、管群設置領域7の周方向180度間隔の2個所に、軸心方向バッフル10aと10bを設ける構成に代えて、管群設置領域7における周方向60度間隔の6個所に、上記軸心方向バッフル10a,10bと同様の軸心方向バッフル101a,101b,101c,101d,101e,101fを設けた構成としてある。
これにより、本実施の形態では、上記管群設置領域7に、上記各軸心方向バッフル101a,101b,101c,101d,101e,101fによって仕切られた6つの分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fが、周方向に配列されて形成されるようにしてある。
なお、上記各軸心方向バッフル101a,101b,101c,101d,101e,101fは、上記管群設置領域7における第二流体11の局所的な通り抜けを抑制するという観点から考えると、図2(b)に示すように、伝熱管9を、正三角形を単位とする千鳥配列とする場合に各伝熱管9同士の隙間が半径方向に連続して延びるようになる周方向60度間隔の6個所に合わせて配置するようにすることが望ましい。
更に、各軸心方向バッフル101aと101cと101eの外周側端部には、容器1の周壁内面との間を閉塞させるための外周部仕切部材12が設けてある。これにより、分割区画71aと71bの外周側と、分割区画71eと71fの外周側には、それぞれ外周側接続流路13が形成してある。更に、分割区画71cと71dの外周側には、互いに連通する第二流体集合室16が形成してある。該第二流体集合室16に対応する容器1の外周部には、第二流体11を外部に取り出すための第二流体出口20が設けてある。
又、各軸心方向バッフル101bと101dと101fの内周側端部には、該各軸心方向バッフル101bと101dと101fの内周側端部同士の間を繋いで、管群設置領域7の内側の空間を周方向に3分割する形式の内周部仕切部材14が取り付けてある。これにより、分割区画71aと71fの内側には、管板5に取り付けられた管状部材17の内側の第二流体入口19と連通する第二流体分散室15が形成してある。又、分割区画71bと71cの内側と、分割区画71eと71dの内側には、分割区画71bと71c同士、分割区画71eと71d同士をそれぞれ連通させる内周側接続流路23が形成してある。なお、該各内周側接続流路23は、上端側を閉止部材24により閉止させることで、上記管状部材17とは連通しないようにしてある。
これにより、図2(b)に示すように、上記管群設置領域7に周方向に配列された3つの分割区画71aと71bと71cでは、上記第二流体入口19より上記第二流体分散室15を経て供給される第二流体11が、先ず、分割区画71aを半径方向外向きに流れ、次に、外周側接続流路13を経て流入する分割区画71bを半径方向内向きに流れ、次いで、内周側接続流路23を経て流入する分割区画71cを半径方向外向きに流れてから、第二流体集合室16に到達する一系統目の第二流体流通経路が形成されるようにしてある。
又、上記管群設置領域7に周方向に配列された残る3つの分割区画71dと71eと71fでは、上記第二流体入口19より上記第二流体分散室15を経て供給される第二流体11が、先ず、分割区画71fを半径方向外向きに流れ、次に、外周側接続流路13を経て流入する分割区画71eを半径方向内向きに流れ、次いで、内周側接続流路23を経て流入する分割区画71dを半径方向外向きに流れてから、第二流体集合室16に到達する二系統目の第二流体流通経路が形成されるようにしてある。
その他の構成は図1(a)(b)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の多管式熱交換器を使用する場合は、第一流体入口21に、第一流体3を連続的に供給すると共に、第二流体入口19に第二流体11を連続的に供給する。
この場合、上記第一流体3の流れは、図1(a)(b)の実施の形態の場合と同様であるため説明を省略する。
上記第二流体11は、上記第二流体入口19より第二流体分散室15に供給されると、図2(b)に示すように、該第二流体分散室15より、分割区画71aと71fへ一様に分散されて流入する。
上記分割区画71aに流入した第二流体11は、3つの分割区画71aと71bと71cを順に経る上記一系統目の第二流体流通経路にて、流れ方向が半径方向外向きと半径方向内向きで交互に折り返されて上記第二流体集合室16へ流れるようになる。
上記分割区画71fに流入した第二流体11は、3つの分割区画71fと71eと71dを順に経る上記二系統目の第二流体流通経路にて、流れ方向が半径方向外向きと半径方向内向きで交互に折り返されて上記第二流体集合室16へ流れるようになる。
したがって、本実施の形態の多管式熱交換器によっても、管群8の各伝熱管9内を流通する上記第一流体3と、上記管群設置領域7の各分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fで、半径方向外向き又は内向きの流れとなる上記第二流体11との各伝熱管9の管壁を介した熱交換を行わせることができて、図1(a)(b)に示した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図示してないが、上記図2(a)(b)の実施の形態と同様の構成において、第二流体入口19と第二流体出口20とを入れ替えて、分割区画71cと71dの外周側に、容器1の外周部に設けた第二流体入口に連通する第二流体分散室を形成し、分割区画71aと71fの内側に、管状部材17の内側の第二流体出口と連通する第二流体集合室を形成した構成としてもよい。
かかる構成によれば、3つの分割区画71aと71bと71cを有する一系統目の第二流体流通経路と、残る3つの分割区画71fと71eと71dを有する二系統目の第二流体流通経路では、第二流体11の流れ方向が、上記図2(a)(b)の実施の形態の場合とは逆方向になるが、この場合であっても、管群8の各伝熱管9内を流通する第一流体3と、上記各分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fで、半径方向外向き又は内向きの流れとなる上記第二流体11との各伝熱管9の管壁を介した熱交換を行わせることができる。よって、図2(a)(b)の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次いで、図3は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図2(a)(b)に示したと同様に、管群設置領域7の周方向に6つの分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fを形成した構成における第二流体流通経路の別の例を示すものである。
すなわち、本実施の形態では、上記6つの分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fのうち、周方向に配列される3つの分割区画71aと71bと71cを有する一系統目の第二流体流通経路では、第二流体11が、図2(a)(b)に示したものと同様に、分割区画71aと71bと71cを順に経て流れるようにしてある。
一方、残る3つの分割区画71dと71eと71fを有する二系統目の第二流体流通経路では、上記第二流体11が、図2(a)(b)に示したものとは逆に、分割区画71dと71eと71fの順に流れるようにしてある。
かかる構成とする場合は、上記各系統の第二流体流通経路において最も上流側に位置する分割区画は、分割区画71aと71dとなり、これらは隣接した配置とはならない。そのため、上記各分割区画71aと71dのそれぞれの内周側には、内周部仕切部材14により仕切られて、管状部材17(図2(a)参照)による第二流体入口19に連通する第二流体分散室15が形成してある。
同様に、上記各系統の第二流体流通経路において最も下流側に位置する分割区画は、分割区画71cと71fとなり、これらは隣接した配置とはならない。そのため、上記各分割区画71cと71fにおける第二流体11流れ方向の下流側端部となるそれぞれの外周側には、外周部仕切部材12により周方向の両側が仕切られた個別の第二流体集合室16を設けて、該各第二流体集合室16に対応する容器1の外周部に、個別の第二流体出口20を設けるようにしてある。
その他の構成は図2(a)(b)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の多管式熱交換器によっても、管群8の各伝熱管9内を流通する第一流体3と、上記各分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fで、半径方向外向き又は内向きの流れとなる上記第二流体11との各伝熱管9の管壁を介した熱交換を行わせることができるため、図2(a)(b)の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図示してないが、上記図3の実施の形態と同様の構成において、第二流体入口19と第二流体出口20とを入れ替えて、分割区画71cと71fの外周側に、容器1の外周部に設けた個別の第二流体入口に連通する第二流体分散室を形成し、分割区画71aと71dの内側に、管状部材17の内側の第二流体出口と連通する第二流体集合室を形成した構成としてもよい。
かかる構成によれば、上記各系統の第二流体流通経路では、第二流体11の流れ方向が、上記図3の実施の形態の場合とは逆方向になるが、この場合であっても、管群8の各伝熱管9内を流通する第一流体3と、上記各分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fで、半径方向外向き又は内向きの流れとなる上記第二流体11との各伝熱管9の管壁を介した熱交換を行わせることができるため、図3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、図4(a)(b)は、本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図2(a)(b)に示したと同様に、管群設置領域7の周方向に6つの分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fを形成した構成における第二流体流通経路の更に別の例を示すものである。
すなわち、図4(a)の実施の形態は、分割区画71aと71b,71cと71d,71eと71fの外周側に、それぞれ外周部仕切部材12により周方向の両側が仕切られた外周側接続流路13が形成してある。又、分割区画71bと71c,71dと71eの内周側に、周方向の両側が内周部仕切部材14により仕切られた内周側接続流路23が形成してある。これにより、図4(a)の実施の形態では、第二流体流通経路が、管群設置領域7の周方向に形成した6つの分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fのすべてを順に経由するように一系統のみ形成してある。
更に、上記第二流体流通経路の上流側端部の分割区画71aにおける第二流体11の流れ方向の上流側端部が該分割区画71aの内周側となるように、該分割区画71aの内周側に、管状部材17(図2(a)参照)による第二流体入口19に連通する第二流体分散室15が設けられている。
上記のように分割区画71aの内周側に第二流体入口19に連通する第二流体分散室15を設ける場合、上記第二流体流通経路の下流側端部は、分割区画71fであり、該分割区画71fにおける第二流体11の流れ方向の下流側端部は、内周側となる。
よって、図4(a)では、上記分割区画71fの内周側に、第二流体集合室16を設けるようにして、図1(a)(b)に示したと同様に管状部材17の内部空間を隔壁18で仕切ることで該管状部材17内部に第二流体入口19に隣接して形成させた第二流体出口20を、該第二流体集合室16に連通させるようにすればよい。
一方、図4(b)の実施の形態では、分割区画71aと71b,71cと71d,71eと71fの内周側に、それぞれ内周部仕切部材14により周方向の両側が仕切られた内周側接続流路23が形成してある。又、分割区画71bと71c,71dと71eの外周側に、周方向の両側が外周部仕切部材12により仕切られた外周側接続流路13が形成してある。これにより、図4(b)の実施の形態では、第二流体流通経路が、管群設置領域7の周方向に形成した6つの分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fのすべてを順に経由するように一系統のみ形成してある。
更に、上記第二流体流通経路の上流側端部の分割区画71aにおける第二流体11の流れ方向の上流側端部が、該分割区画71aの外周側となるように、該分割区画71aの外周側に、第二流体分散室15を設けて、該第二流体分散室15に対応する位置の容器1の外周部に、外部と連通する第二流体入口19が設けてある。
上記のように分割区画71aの外周側に第二流体入口19に連通する第二流体分散室15を設ける場合、上記第二流体流通経路の下流側端部は、分割区画71fであり、該分割区画71fにおける第二流体11の流れ方向の下流側端部は、外周側となる。
よって、図4(b)では、上記分割区画71fの外周側に、第二流体集合室16を設けると共に、該第二流体集合室16に対応する位置の容器1の外周部に、外部と連通する第二流体出口20が設けてある。
なお、図4(b)に示した構成では、上記したように、第二流体入口19及び第二流体出口20が、ともに容器1の外周部に設けてあることから、上記容器1の軸心方向他端側に設ける管板5(図2(a)参照)は、中央部に開口のない構成とすればよく、又、上記容器1の軸心方向他端部の外側より第一流体集合ヘッダ6(図2(a)参照)の内側を通して管群設置領域7の内周側に連通接続するための管状部材17(図2(a)参照)は、省略した構成とすればよい。
図4(a)(b)において、図2(a)(b)に示したものと同一のものには同一の符号が付してある。
上記図4(a)(b)のいずれの実施の形態の多管式熱交換器によっても、すべての分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fを経る一系統の第二流体流通経路を流通させる第二流体11と、管群8の各伝熱管9内を流通する第一流体3との各伝熱管9の管壁を介した熱交換を行わせることができる。よって、本実施の形態によっても図2(a)(b)の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図5(a)(b)は、本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図2(a)(b)に示したと同様に、管群設置領域7の周方向に6つの分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fを形成した構成における第二流体流通経路の更に別の例を示すものである。
すなわち、図5(a)の実施の形態は、分割区画71aと71b,71cと71d,71eと71fの外周側に、それぞれ外周部仕切部材12により周方向の両側が仕切られた外周側接続流路13が形成してある。又、分割区画71aと71cと71eの内周側には、周方向の両側が内周部仕切部材14により仕切られた第二流体分散室15がそれぞれ設けてある。且つ分割区画71bと71dと71fの内周側には、周方向の両側が内周部仕切部材14により仕切られた第二流体集合室16がそれぞれ設けてある。これにより、図5(a)の実施の形態では、2つずつの分割区画71aと71b、71cと71d、71eと71fが個別の外周側接続流路13により接続された三系統の第二流体流通経路が形成されるようにしてある。
上記分割区画71aと71cと71eの内周側に設ける第二流体分散室15は、図1(a)(b)に示したと同様に管状部材17の内部空間を隔壁18で仕切ることで該管状部材17内部に形成させた第二流体入口19に連通させ、一方、上記分割区画71bと71dと71fの内周側に設ける第二流体集合室16は、上記管状部材17の内部空間を隔壁18で仕切ることで該管状部材17内部に形成させた第二流体出口20に連通させるようにすればよい。
一方、図5(b)の実施の形態では、分割区画71aと71b,71cと71d,71eと71fの内周側に、それぞれ内周部仕切部材14により周方向の両側が仕切られた内周側接続流路23が形成してある。又、分割区画71aと71cと71eの外周側には、周方向の両側が外周部仕切部材12により仕切られた第二流体分散室15がそれぞれ設けてあり、該各第二流体分散室15に対応する位置の容器1の外周部に、外部と連通する第二流体入口19が個別に設けてある。更に、分割区画71bと71dと71fの外周側には、周方向の両側が上記外周部仕切部材12により仕切られた第二流体集合室16がそれぞれ設けてあり、該各第二流体集合室16に対応する位置の容器1の外周部に、外部と連通する第二流体出口20が個別に設けてある。これにより、図5(b)の実施の形態では、2つずつの分割区画71aと71b、71cと71d、71eと71fが、個別の内周側接続流路により接続された三系統の第二流体流通経路が形成されるようにしてある。
なお、図5(b)の実施の形態では、図4(b)に示したものと同様に、管板5(図2(a)参照)は、中央部に開口のない構成とすればよく、又、管状部材17(図2参照)は、省略した構成とすればよい。
上記図5(a)(b)のいずれの実施の形態の多管式熱交換器によっても、2つずつの分割区画71aと71b,71cと71d,71eと71fを備えた三系統の各第二流体流通経路を流通させる第二流体11と、管群8の各伝熱管9内を流通する第一流体3との各伝熱管9の管壁を介した熱交換を行わせることができる。よって、本実施の形態によっても図2(a)(b)の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
ここで、上記図1(a)(b)、図2(a)(b)、図3、図4(a)(b)、図5(a)(b)の各実施の形態から明らかとなる本発明の多管式熱交換器に備える第二流体流通経路の配置パターンについて述べる。
本発明の多管式熱交換器では、管群設置領域7の周方向に形成する複数の分割区画について、すべての分割区画を経る一系統のみの第二流体流通経路を形成する構成としてもよく、あるいは、すべての分割区画を周方向に複数区画ずつに等分できる場合は、該等分された複数区画ずつの分割区画を経る複数系統の第二流体流通経路を形成する構成としてもよい。
又、上記第二流体流通経路が偶数の分割区画を経る場合は、該第二流体流通経路における第二流体11の流れ方向上流側端部に連通させる第二流体分散室15と、第二流体11の流れ方向下流側端部に連通させる第二流体集合室16を、共に管群設置領域7の内周側に設ける構成と、共に管群設置領域7の外周側に設ける構成のいずれを採用してもよい。
一方、上記第二流体流通経路が奇数の分割区画を経る場合は、該第二流体流通経路における第二流体11の流れ方向上流側端部に連通させる第二流体分散室15を、管群設置領域7の内周側に設け、且つ該第二流体流通経路における第二流体11の流れ方向下流側端部に連通させる第二流体集合室16を、管群設置領域7の外周側に設ける構成と、上記第二流体分散室15を管群設置領域7の外周側に設け、且つ上記第二流体集合室16を管群設置領域7の内周側に設ける構成のいずれを採用してもよい。
更に、複数系統の第二流体流通経路を備える構成では、それぞれの第二流体流通経路における第二流体分散室15から流入して第二流体集合室16まで流通させる第二流体11の周方向の移動方向は、容器1の軸心方向の片側から見て時計回り方向、又は、反時計回り方向に、各第二流体流通経路ごとに個別に設定すればよい。
図6は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(a)(b)に示したと同様の構成において、管群設置領域7の周方向180度間隔の2個所に、軸心方向バッフル10aと10bを設ける構成に代えて、管群設置領域7における周方向120度間隔の3個所に、上記軸心方向バッフル10a,10bと同様の軸心方向バッフル102a,102b,102cを設けた構成としてある。
これにより、本実施の形態では、上記管群設置領域7に、上記各軸心方向バッフル102a,102b,102cによって仕切られた3つの分割区画72a,72b,72cが、周方向に配列されて形成されるようにしてある。
なお、上記各軸心方向バッフル102a,102b,102cは、上記管群設置領域7における上記第二流体11の局所的な通り抜けを抑制するという観点から考えると、伝熱管9を正三角形を単位とする千鳥配列とする場合に、各伝熱管9同士の隙間が半径方向に連続して延びるようになる周方向60度間隔の6個所のうちの3個所に合わせて配置するようにすることが望ましい。
更に、本実施の形態では、上記分割区画72aの内側の空間を、第二流体入口19に連通する第二流体分散室15として、該第二流体分散室15より分割区画72aと72bと72cを順に経た後、分割区画72cの外周側に、第二流体集合室16が形成されるように、外周部仕切部材12と、内周部仕切部材14とを適宜設けた構成としてある。
その他の構成は図1(a)(b)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の多管式熱交換器によっても、第二流体入口19より連続供給される第二流体11は、第二流体入口19より第二流体分散室15を経た後、第二流体流通経路に沿って各分割区画72aと72bと72cを、半径方向外向きと、半径方向内向きと、半径方向外向きに交互に流通させることができ、その後、第二流体集合室16を経て第二流体出口20まで流通させることができる。
したがって、本実施の形態の多管式熱交換器によっても、図1(a)(b)に示した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図示してないが、上記図6の実施の形態と同様の構成において、第二流体入口19と第二流体出口20とを入れ替えた構成としてもよいことは勿論であり、この場合にも、図6の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図7は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(a)(b)に示したと同様の構成において、管群設置領域7の周方向180度間隔の2個所に、軸心方向バッフル10aと10bを設ける構成に代えて、管群設置領域7における周方向30度間隔の12個所に、上記軸心方向バッフル10a,10bと同様の軸心方向バッフル103a,103b,103c,103d,103e,103f,103g,103h,103i,103j,103k,103lを設けた構成としてある。
これにより、本実施の形態では、上記管群設置領域7に、上記各軸心方向バッフル103a,103b,103c,103d,103e,103f,103g,103h,103i,103j,103k,103lによって12区画に仕切られた分割区画73a,73b,73c,73d,73e,73f,73g,73h,73i,73j,73k,73lが、周方向に配列されて形成されるようにしてある。
なお、上記各軸心方向バッフル103a,103b,103c,103d,103e,103f,103g,103h,103i,103j,103k,103lは、上記管群設置領域7における上記第二流体11の局所的な通り抜けを抑制するという観点から考えると、半数は、伝熱管9を正三角形を単位とする千鳥配列とする場合に、各伝熱管9同士の隙間が半径方向に連続して延びるようになる周方向60度間隔の6個所に合わせて配置するようにし、残りの半数は、管群8に配列されている各伝熱管9のうちの一部を間引くことで管群設置領域7に半径方向に延びるよう形成させた空間に設けるようにすることが望ましい。
上記のように管群設置領域7に周方向に12区画の分割区画73a,73b,73c,73d,73e,73f,73g,73h,73i,73j,73k,73lを形成した構成においては、図示を省略するが、前述した第二流体流通経路の配置パターンのように、12区画のすべてを経る一系統の第二流体流通経路、6区画ずつを経る二系統の第二流体流通経路、4区画ずつを経る3系統の第二流体流通経路、3区画ずつを経る四系統の第二流体流通経路、又は、2区画ずつを経る六系統の第二流体流通経路のいずれかを形成するようにすればよい。
この際、上記2区画ずつを経る六系統の第二流体流通経路を形成する場合は、上記分割区画73a,73b,73c,73d,73e,73f,73g,73h,73i,73j,73k,73lを、2区画ずつ、外周側接続流路13又は内周側接続流路23のいずれか一方を介して接続した構成とすればよい。又、上記のように、3区画、4区画、6区画、12区画を経る形式の第二流体流通経路を形成する場合は、上記分割区画73a,73b,73c,73d,73e,73f,73g,73h,73i,73j,73k,73lを、上記所定の区画数ずつ、外周側接続流路13と内周側接続流路23の双方を交互に介して接続した構成とすればよい。
又、上記のうち、12区画を経る一系統の第二流体流通経路、6区画ずつを経る二系統の第二流体流通経路、4区画ずつを経る3系統の第二流体流通経路、又は、2区画ずつを経る六系統の第二流体流通経路のいずれかを形成する場合は、第二流体流通経路が偶数区画を備えていることから、各第二流体流通経路の上流側端部に連通させる第二流体分散室15、及び、下流側端部に連通させる第二流体集合室16は、共に管群設置領域7の内周側に設ける構成とするか、あるいは、共に管群設置領域7の外周側に設ける構成とすればよい。
一方、3区画ずつを経る四系統の第二流体流通経路を形成する場合は、各第二流体流通経路の上流側端部に連通させる第二流体分散室15を管群設置領域7の内周側に設け、且つ下流側端部に連通させる第二流体集合室16を管群設置領域7の外周側に設ける構成とするか、あるいは、第二流体分散室15を管群設置領域7の外周側に設け、且つ下流側端部に連通させる第二流体集合室16を管群設置領域7の内周側に設ける構成とすればよい。
更に、上記12区画の分割区画73a,73b,73c,73d,73e,73f,73g,73h,73i,73j,73k,73lのうち、6区画ずつを経る二系統の第二流体流通経路、4区画ずつを経る3系統の第二流体流通経路、3区画ずつを経る四系統の第二流体流通経路、又は、2区画ずつを経る六系統の第二流体流通経路のいずれかを形成する場合は、それぞれの第二流体流通経路について、第二流体分散室15から流入して第二流体集合室16まで流通する第二流体11の周方向の移動方向が容器1の軸心方向の片側から見て時計回り方向、又は、反時計回り方向になるように個別に設定すればよい。
なお、本実施の形態の多管式熱交換器では、上記のように第二流体流通経路における区画数、第二流体分散室15と第二流体集合室16の配置、第二流体11の周方向の移動方向について所望する構成が得られるようにするために、外周部仕切部材12は、上記各軸心方向バッフル103a,103b,103c,103d,103e,103f,103g,103h,103i,103j,103k,103lの外周側となる12個所のうち、外周側接続流路13を形成する個所以外の個所に設置するようにしてあるものとする。
又、同様に、内周部仕切部材14は、第二流体流通経路における内周側接続流路23を形成する個所以外の個所に配置されている上記各軸心方向バッフル103a,103b,103c,103d,103e,103f,103g,103h,103i,103j,103k,103lの内周側端部同士を繋ぐように構成してあるものとする。
更に、第二流体入口19は、上記のように設定される第二流体流通経路の上流側端部に連通するように、又、第二流体出口20は、上記のように設定される第二流体流通経路の下流側端部に連通するように、それぞれ設けるようにすればよい。更には、上記第二流体入口19と第二流体出口20の配置に応じて、容器1の軸心方向他端側における管状部材17の有無は適宜定めるようにすればよい。
以上の構成としてある本実施の形態の多管式熱交換器によっても、図1(a)(b)に示した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
ところで、上記各実施の形態は、いずれも、管群8の伝熱管9が、正三角形を単位とする千鳥配列としてある構成について示したが、図8に示すように、上記管群8の伝熱管9は、正方配列であってもよい。
図8は本発明の実施の更に他の形態として、上記管群8の伝熱管9が正方配列されている場合の構成例を示すものである。
上記のように伝熱管9が正方配列となっている場合は、各伝熱管9同士の隙間が半径方向に連続して延びるようになる個所が、周方向90度間隔の4個所に形成されるようになる。よって、図8の実施の形態では、管群設置領域7における第二流体11の局所的な通り抜けを抑制して、該第二流体11と各伝熱管9との熱交換効率の向上化を図るという観点から考えると、たとえば、上記伝熱管9同士の隙間が半径方向に形成される周方向の4個所に、軸心方向バッフル104a,104b,104c,104dを配置するようにすることが望ましい。
これにより、管群設置領域7には、上記4つの軸心方向バッフル104a,104b,104c,104dにより仕切られた4つの分割区画74a,74b,74c,74dが周方向に形成される。
更に、図8の実施の形態では、上記4つの分割区画74a,74b,74c,74dについて、第二流体流通経路の配置パターンの一例として、第二流体11が分割区画74aを半径方向外向きに流れた後、分割区画74bを半径方向内向きに流れるようにした一系統目の第二流体流通経路と、第二流体11が分割区画74dを半径方向外向きに流れた後、分割区画74cを半径方向内向きに流れるようにした二系統目の第二流体流通経路が形成されるように、外周部仕切部材12と、内周部仕切部材14とを適宜設けた構成としてある。したがって、かかる構成では、上記各系統の第二流体流通経路の上流側端部と下流側端部にそれぞれ連通させる第二流体分散室15と第二流体集合室16は、共に管群設置領域7の内周側に設けられた構成としてある。
その他の構成は図1(a)(b)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
本実施の形態によっても、図1(a)(b)の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図示してないが、上記図8の実施の形態と同様に、管群設置領域7に、周方向に4つの分割区画74a,74b,74c,74dを形成した構成においては、2区画ずつの分割区画74aと74b、74dと74cをそれぞれ経る二系統の第二流体流通経路として、第二流体11が分割区画74aを半径方向内向きに流れた後、分割区画74bを半径方向外向きに流れるようにした一系統目の第二流体流通経路と、第二流体11が分割区画74dを半径方向内向きに流れた後、分割区画74cを半径方向外向きに流れるようにした二系統目の第二流体流通経路が形成される構成としてもよい。この場合、第二流体分散室15と第二流体集合室16は、共に管群設置領域7の外周側に配置されるため、容器1の外周部における上記第二流体分散室15と第二流体集合室16にそれぞれ対応する位置には、外部に連通する第二流体入口19と第二流体出口20をそれぞれ備えた構成とすればよい。
又、上記のように2区画ずつの分割区画74aと74b,74cと74dを経る二系統の第二流体流通経路を備える構成とする場合は、第二流体流通経路の上流側端部に連通させる第二流体分散室15と、下流側端部に連通させる第二流体集合室16の周方向の配置は、任意に設定してよいことは勿論である。
更に、図示してないが、上記図8の実施の形態と同様に、管群設置領域7に、周方向に4つの分割区画74a,74b,74c,74dを形成した構成においては、すべての分割区画74a,74b,74c,74dを経る第二流体流通経路を一系統のみ備える構成としてもよい。
この場合、上記一系統のみの第二流体流通経路の上流側端部に連通させる第二流体分散室15と、上記第二流体流通経路の下流側端部に連通させる第二流体集合室16は、共に管群設置領域7の内周側に設ける構成と、共に管群設置領域7の外周側に設ける構成のいずれの構成を採用してもよいことは勿論である。
次いで、図9は本発明の実施の更に他の形態として、図8の実施の形態と同様に、管群8の伝熱管9が正方配列されている場合の別の構成例を示すものである。
すなわち、図9の実施の形態では、図8に示したと同様の構成において、管群設置領域7の周方向90度間隔の4個所に、軸心方向バッフル104a,104b,104c,104dを設ける構成に代えて、管群設置領域7における周方向45度間隔の8個所に、上記軸心方向バッフル104a,104b,104c,104dと同様の軸心方向バッフル105a,105b,105c,105d,105e,105f,105g,105hを設けた構成としてある。
これにより、本実施の形態では、上記管群設置領域7に、上記各軸心方向バッフル105a,105b,105c,105d,105e,105f,105g,105hによって8区画に仕切られた分割区画75a,75b,75c,75d,75e,75f,75g,75hが、周方向に配列されて形成されるようにしてある。
なお、上記各軸心方向バッフル105a,105b,105c,105d,105e,105f,105g,105hは、上記管群設置領域7における第二流体11の局所的な通り抜けを抑制するという観点から考えると、半数は、図8に示したと同様に、正方配列された各伝熱管9同士の隙間が半径方向に連続して延びるようになる周方向90度間隔の4個所に合わせて配置するようにし、残りの半数は、管群8に配列されている各伝熱管9のうちの一部を間引くことで管群設置領域7に半径方向に延びるよう形成させた空間に設けるようにすることが望ましい。
上記のように管群設置領域7に周方向に8区画の分割区画75a,75b,75c,75d,75e,75f,75g,75hを形成した構成においては、図示を省略するが、前述した第二流体流通経路の配置パターンのように、8区画のすべてを経る一系統の第二流体流通経路、4区画ずつを経る二系統の第二流体流通経路、又は、2区画ずつを経る四系統の第二流体流通経路のいずれかを形成するようにすればよい。
この際、上記2区画ずつを経る四系統の第二流体流通経路を形成する場合は、上記分割区画75a,75b,75c,75d,75e,75f,75g,75hを、2区画ずつ、外周側接続流路13又は内周側接続流路23のいずれか一方を介して接続した構成とすればよい。又、上記のように、4区画と8区画を経る形式の第二流体流通経路を形成する場合は、上記分割区画75a,75b,75c,75d,75e,75f,75g,75hを、上記所定の区画数ずつ、外周側接続流路13と内周側接続流路23の双方を交互に介して接続した構成とすればよい。
又、上記いずれの場合においても、第二流体流通経路は、偶数区画を備えた構成となることから、第二流体流通経路の上流側端部に連通させる第二流体分散室15、及び、下流側端部に連通させる第二流体集合室16は、共に管群設置領域7の内周側に設ける構成とするか、あるいは、共に管群設置領域7の外周側に設ける構成とすればよい。
更に、上記8区画の分割区画75a,75b,75c,75d,75e,75f,75g,75hのうち、4区画ずつを経る二系統の第二流体流通経路、又は、2区画ずつを経る四系統の第二流体流通経路のいずれかを形成する場合は、それぞれの第二流体流通経路について、第二流体分散室15から流入して第二流体集合室16まで流通する第二流体11の周方向の移動方向が容器1の軸心方向の片側から見て時計回り方向、又は、反時計回り方向になるように個別に設定すればよい。
なお、本実施の形態の多管式熱交換器では、上記のように第二流体流通経路における区画数、第二流体分散室15と第二流体集合室16の配置、第二流体11の周方向の移動方向について所望する構成が得られるようにするために、外周部仕切部材12は、上記各軸心方向バッフル105a,105b,105c,105d,105e,105f,105g,105hの外周側となる8個所のうち、外周側接続流路13を形成する個所以外の個所に設置するようにしてあるものとする。
又、同様に、内周部仕切部材14は、第二流体流通経路における内周側接続流路23を形成する個所以外の個所に配置されている上記各軸心方向バッフル105a,105b,105c,105d,105e,105f,105g,105hの内周側端部同士を繋ぐように構成してあるものとする。
更に、第二流体入口19は、上記のように設定される第二流体流通経路の上流側端部に連通するように、又、第二流体出口20は、上記のように設定される第二流体流通経路の下流側端部に連通するように、それぞれ設けるようにすればよい。更には、上記第二流体入口19と第二流体出口20の配置に応じて、容器1の軸心方向他端側における管状部材17の有無は適宜定めるようにすればよい。
以上の構成としてある本実施の形態の多管式熱交換器によっても、図8に示した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、図10(a)(b)は本発明の実施の更に他の形態として、図1(a)(b)に示した多管式熱交換器の応用例を示すものである。
すなわち、図10(a)(b)に示した多管式熱交換器は、管群設置領域7の内周側の端縁に対応する個所と、外周側の端縁に対応する個所に、それぞれ周方向に延びる内周側分散板25と、外周側分散板26を設けた構成としたものである。
上記内周側分散板25及び外周側分散板26は、第二流体11を周壁の内外方向に通過させることができ、且つ該第二流体11が上記周壁を通過するときに或る程度の圧力損失を生じさせて、上記管群設置領域7を通過する第二流体11の周方向及び各伝熱管9の長手方向への分散を促進させることができるようにしてある。更に、該内周側分散板25及び外周側分散板26では、内周側接続流路23及び外周側接続流路13を第二流体11が流れるときに、円滑に案内することができるようにしてある。
なお、上記内周側分散板25及び外周側分散板26は、上記のような分散促進機能を備えていれば、たとえば、周壁に図示しないスリットや開口を設けてなる構成、あるいは、周壁をメッシュやパンチングメタルにより形成した構成等、任意の構成のものを採用してよい。
更に、本実施の形態では、管群8の各伝熱管9に触媒27を充填した構成とし、且つ該各伝熱管9内に流通させる第一流体3を、上記触媒を介した触媒反応の対象とする反応原料及び反応生成物とし、各伝熱管9の外側に流通させる第二流体11を、熱媒とした構成とする。
なお、本発明の多管式熱交換器では、各伝熱管9の外側に流通させる第二流体11が、内周側と周辺部で速度変化を生じる点、及び、第二流体11が各分割区画7a,7bを順に流通するようにしてある点に鑑みて、上記熱媒として用いる第二流体11は、各伝熱管9の管内側における上記反応原料及び反応生成物である第一流体3の熱伝達率に比して、管外側の熱伝達率が大きくなるように、比熱や流量が設定してあるものとする。又、該熱媒としての第二流体11は、上記触媒反応が発熱反応の場合は、冷却媒体を、又、上記触媒反応が吸熱反応の場合は、加熱媒体を用いるようにすればよい。更に、熱媒の種類は、触媒反応に所望される温度条件等に応じて適宜選定すればよい。
その他の構成は図1(a)(b)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
本実施の形態によれば、本発明の多管式熱交換器を、上記各伝熱管9の内部で触媒27により反応原料より反応生成物を生成させる触媒反応を進行させるための多管式反応器として使用することができる。
この際、上記したように、各伝熱管9では、管内側の熱伝達率が、管外側の熱伝達率よりも小さくなるようにしてあるため、該各伝熱管9の管壁を介した上記反応原料及び反応生成物となる第一流体3と、熱媒となる第二流体11との熱通過率(総括熱伝達係数)は、上記管内側の熱伝達率に大きく依存している。そのために、本実施の形態の多管式熱交換器では、上記管内側の熱伝達率が、上記管壁内外方向の熱通過率の全体に対して律速となる。
よって、本実施の形態の多管式熱交換器は、前記したような熱媒となる第二流体11に、速度変化が生じたり、各分割区画7a,7bを順次経ることで多少の温度変化が生じる場合であっても、該第二流体11による管外側の熱伝達率は、上記熱通過率への寄与が小さいため、各伝熱管9内をほぼ均一な温度条件に保持することができる。よって、本実施の形態の多管式熱交換器は、各伝熱管9で上記触媒反応を一様に進行させることが可能な多管式反応器として使用することができるようになる。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、各実施の形態において、第一流体入口21と第一流体出口22を入れ替えて、容器1の他端部の管板5により仕切られた空間を第一流体分配ヘッダ4とし、容器1の一端側の管板2により仕切られた空間を第一流体集合ヘッダ6としてもよい。かかる構成では、上記各実施の形態に対して第一流体3の流れ方向は逆になるが、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図2(a)(b)の実施の形態、図3の実施の形態、図4(a)(b)の実施の形態、図5(a)(b)の実施の形態、図6の実施の形態、図7の実施の形態、図8の実施の形態、及び、図9の実施の形態と同様の構成においては、図10(a)(b)に示したと同様に、管群設置領域7の内周側と外周側に、内周側分散板25と外周側分散板26を備えた構成としてもよい。かかる構成によれば、前述した各々の実施の形態の効果に加えて、管群設置領域7を通過する第二流体11の周方向及び各伝熱管9の長手方向への分散を促進させることができるという効果、並びに、内周側接続流路23及び外周側接続流路13を第二流体11が流れるときに、円滑に案内することができるという効果を得ることができる。
管群8における各伝熱管9の配列としては、正三角形を単位とする千鳥配列と、正方配列を例示したが、該管群8を半径方向の外向き又は内向きに通過する第二流体11の流れに対して圧力損失を生じさせることができて、該第二流体11の周方向及び各伝熱管9の長手方向への分散を促すことができるようにしてあれば、図示した以外の規則配列や、その他、任意の配列を採用してもよく、又、各伝熱管9の径や本数、配列ピッチも適宜変更してよい。更に、管群設置領域7における上記第二流体11の局所的な通り抜けを抑制するという観点から考えると、各軸心方向バッフル10aと10b,101a〜101f,102a〜102c,103a〜103l,104a〜104d,105a〜105hは、上記管群8を構成している各伝熱管9同士の隙間が半径方向に連続して延びる個所に合わせて配設することが望ましいが、その他の個所であってもよい。更に、上記各軸心方向バッフル10a,10b,101a〜101f,102a〜102c,103a〜103l,104a〜104d,105a〜105hは、管群8に配列されている各伝熱管9のうちの一部を間引くことで管群設置領域7に半径方向に延びるよう形成させた空間に設けるようにしてもよい。
容器1の軸心方向寸法と径寸法との比、容器1内における各管板2と5の設置位置、第一流体分配ヘッダ4と第一流体集合ヘッダ6の容積、各管板2と5同士の間隔、第二流体分散室15と第二流体集合室16の容積(容器1の径方向の寸法)、第一流体入口21と第一流体出口22と第二流体入口19と第二流体出口20のサイズや配置は、第一流体3と第二流体11の供給量や、温度条件等の熱交換処理に所望される種々の条件に応じて、図示したものから適宜変更してもよい。
上記第一流体3及び第二流体11は、ガス又は液体のいずれであってもよい。
本発明の多管式熱交換器は、アクリル酸製造用途以外に、エチレン酸、メタクリル酸や、その他の各種化学物質の製造プロセスにおける触媒反応や、その他の触媒反応を実施させる場合の多管式反応器以外のいかなる熱交換処理を行う熱交換器に適用してもよい。
本発明の多管式熱交換器は、容器1の軸心方向を、上下方向以外のいかなる方向に向けた姿勢で用いるようにしてもよい。
各伝熱管9について、長手方向の途中位置で振れ止めのための支持が必要な場合は、ワイヤやロッドを格子状に組み合わせたロッドバッフル等の管支持材で支持するようにすればよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の多管式熱交換器について、以下の実施例A、B、C、Dの各構成とする場合について、伝熱管9と管内を流通させる第一流体3との間の熱伝達率(管内側の熱伝達率)h、及び、伝熱管9と管外を流通させる第二流体11との間の熱伝達率(管外側の熱伝達率)hと、上記第一流体3と第二流体11との伝熱管9の管壁を介した熱通過率Kと、第一流体3側の圧力損失、及び、第二流体11側の圧力損失について数値解析した。
実施例Aは、管群設置領域7に、図1(a)(b)に示したと同様に、周方向180度間隔の2個所に設けた軸心方向バッフル10aと10bにより仕切られた2つの分割区画7aと7bを経る第二流体流通経路を備えた構成としたものである。
実施例Bは、管群設置領域7に、図6に示したと同様に、周方向120度間隔の3個所に設けた軸心方向バッフル102aと102bと102cにより仕切られた3つの分割区画72aと72bと72cを順に経る第二流体流通経路を備えた構成としたものである。
実施例Cは、管群設置領域7に、図8に示したと同様に、周方向90度間隔の4個所に軸心方向バッフル104a,104b,104c,104dを設けて、該各軸心方向バッフル104a,104b,104c,104dにより仕切られた4つの分割区画74a,74b,74c,74dのうちの2つずつの分割区画74aと74b及び74cと74dをそれぞれ経る2系統の第二流体流通経路を備えた構成としたものである。
実施例Dは、管群設置領域7に、図2(a)(b)に示したと同様に、周方向60度間隔の6個所に軸心方向バッフル101a,101b,101c,101d,101e,101fを設けて、該各軸心方向バッフル101a,101b,101c,101d,101e,101fにより仕切られた6つの分割区画71a,71b,71c,71d,71e,71fのうちの3つずつの分割区画71aと71bと71c及び71dと71eと71fをそれぞれ経る2系統の第二流体流通経路を備えた構成としたものである。
なお、熱通過率Kの算出は、以下の式に基づいて行った。
Figure 2014196895
その解析結果を、以下の表1に示す。
表1における比較例は、従来の多管式熱交換器であって、管群設置領域に、伝熱管の長手方向の3個所に、伝熱管の長手方向に直交する面内に配置したドーナツ状のバッフル2枚とディスク状のバッフル1枚を設けてなる4段流路構成としたものである。この比較例の構成について、上記と同様に、第一流体側の熱伝達率(管内側の熱伝達率)hと、第二流体側の熱伝達率(管外側の熱伝達率)hと、熱通過率Kと、第一流体側の圧力損失と、第二流体側の圧力損失について数値解析したものである。
なお、上記各実施例A、B、C、D、及び、比較例の構成は、伝熱管9の径、管ピッチ、本数、第一流体3の流量、第二流体11の流量、容器1の高さを同様に設定してある。又、上記各実施例A、B、C、D、及び、比較例のいずれにおいても、第二流体11の流速について、容器1の外周部の流速が、中心部での流速の1/4倍になるように条件を設定した。
なお、上記伝熱管9の管内側の上記第一流体3は、管外側の上記第二流体11に比して熱伝達率が低くなるように設定してある。
又、以下の表1では、各熱伝達率h及びhと、熱通過率Kについては、各実施例A、B、C、Dと比較例に共通している各伝熱管9内に流通させる第一流体3側の熱伝達率(管内側の熱伝達率)hの解析結果の値を基準となる1.0とおいて、上記各実施例A、B、C、Dと上記比較例の上記各項目の解析結果を規格化している。圧力損失については、上記と同様に、第一流体3側の圧力損失の解析結果の値を基準となる1.0とおいて、各実施例A、B、C、Dと上記比較例の上記各項目の解析結果を規格化している。なお、上記比較例の第二流体側の圧力損失の結果は、各伝熱管とバッフルとの間の隙間がない条件(隙間リークなし)での値である。
Figure 2014196895
以上の結果から明らかなように、実施例A、B、C、Dのいずれにおいても、比較例とした伝熱管長手方向に直交するバッフルを備えた多管式熱交換器に比して、伝熱管9と第二流体11側の熱伝達率(管外側の熱伝達率)hは低下する。しかし、熱交換器の熱交換性能の指標となる熱通過率Kに関しては、律速の因子となる伝熱管9と第一流体3側の熱伝達率hが変化しないため、実施例A、B、C、Dの熱通過率Kは、それぞれ0.95、0.96、0.95、0.96となり、比較例の熱通過率0.97に比して熱交換性能は殆ど低下していない。
一方、上記実施例A、B、C、Dでは、第二流体11側の圧力損失は、それぞれ、0.6、1.9、0.6、1.9となっており、比較例の第二流体側の圧力損失の4.4という値に比して、低減させることができることが判明した。よって、本発明の多管式熱交換器では、上記熱通過率Kの低下を防止しながら、すなわち、熱交換性能の低下を防止しながら、第二流体11用のポンプ動力の削減化を図ることが可能になる。
本発明の多管式熱交換器の上記実施例Cの構成(図8参照)について、図11(a)に示す如き管路網の解析モデルを設定して、第二流体11側の圧力分布について管路網の解析手法による流動解析を行った。
又、本発明の多管式熱交換器の上記実施例Dの構成(図2(a)(b)参照)について、図12(a)に示す如き管路網の解析モデルを設定して、第二流体11側の圧力分布について上記と同様の手法による流動解析を行った。
上記図11(a)及び図12(a)では、いずれも、第二流体分散室15から第二流体集合室16までの一連の第二流体流通経路を備えた反応容器1(図8、図2(b)参照)の半分の部分(半円部分)についての解析モデルを設定した。図11(a)及び図12(a)は平面図である。
図13は、比較例として、上記実施例1における比較例と同様の従来の多管式熱交換器について設定した管路網の解析モデルであり、これについても上記実施例C、Dと同様の手法で第二流体11側の圧力分布についての流動解析を行った。図13は側面図であり、左端が反応容器の軸心位置を示し、右端側が反応容器の外周部となっている。
図13において、符号St1〜St4は、第二流体11の流通領域の上部と下部に設けられた2枚のドーナツ状のバッフルb1,b3とその間の1枚のディスク状のバッフルb2により仕切られて形成された1段目から4段目の流路を示している。又、符号28は、1段目の流路St1の外周部に設けられた第二流体分散室となる下部ヘッダ、符号29は、4段目の流路St4の外周部に設けられた第二流体集合室となる上部ヘッダである。
上記図11(a)、図12(a)において、図中の破線は管群設置領域7を示している。なお、伝熱管9の記載は省略してある。同様に、図13の図中の破線は、管群設置領域を示している。又、上記図11(a)、図12(a)、図13において、図中の丸付きの数字は、圧力の観測位置となる節点の番号を示し、図中の数字は、各節点間の流路番号を示している。
図11(a)の上記実施例Cに対応する解析モデルについての第二流体11側の圧力分布の解析結果は、図11(b)に「●」で示す。又、図12(a)の上記実施例Dに対応する解析モデルについての第二流体11側の圧力分布の解析結果は、図12(b)に「▲」で示す。上記図11(b)及び図12(b)において「○」で示すものは、上記図13の比較例の解析モデルについての第二流体11側の圧力分布の解析結果を示すものである。
なお、上記図11(b)及び図12(b)のグラフの縦軸は、第二流体11側の圧力の値であり、第二流体11の流路出口側(図11(b)の「●」は図11(a)の節点22、図12(b)の「▲」は図12(a)の節点32、各図の「○」は図13の節点41の圧力値を基準値(=0)としてある。更に、各図に「○」で示す上記比較例の第二流体11側の圧力損失(=入口圧−出口圧)の結果が、上記実施例1における比較例と同様の4.4の値を取るように規格化してある。又、横軸は、上記管群設置領域7を半径方向の0.25〜1.0の範囲となるように設定して無次元化した値である。図11(b)及び図12(b)に示した各圧力分布は、第二流体11の流路入口側(図11(b)の「●」は図11(a)の節点1、図12(b)の「▲」は図12(a)の節点1、各図の「○」は図13の節点2)で最大値をとり、その圧力値は管群設置領域7(図11(a)、図12(a)、図13の破線内)における圧力損失値を意味する。
図11(b)における「●」の結果から、上記実施例Cの構成の場合は、第二流体11側の圧力損失が0.6程度であることが分かる。この結果は、上記実施例1における実施例Cの場合の第二流体11側の圧力損失の解析結果とよく一致している。
これにより、上記実施例Cの構成とする本発明の多管式熱交換器では、図11(b)に「○」で示した上記比較例の場合の第二流体11側の圧力損失の4.4という値に対して、第二流体11側の圧力損失を大幅に低減できることが判明した。なお、上記実施例Cの構成は、上記実施例1にて実施例Aとして示した構成(図1(a)(b)参照)の流路断面積を1/2にしたものに相当する。よって、上記実施例Aの構成についても、図11(a)に示す如き管路網の解析モデルを設定して、第二流体11側の圧力分布について管路網の解析手法による流動解析を行うことができる。本発明の多管式熱交換器を上記実施例Aの構成とする場合は、単位流路断面積あたりの第二流体11の流量が上記実施例Cと同様であるとすれば、流路断面積あたりの流量は同じである。実施例Cの場合は、軸心方向バッフル104a,104cによる第二流体11の摩擦抵抗が加わる分だけ、実施例Aより圧力降下が大きくなるが、この摩擦抵抗は管群8の直交方向の圧力抵抗に比べて無視できるほど小さいので、上記実施例Cと上記実施例Aの圧力分布は実質的に同じ結果となる。したがって、実施例Aの構成の場合でも上記比較例に比して、第二流体11側の圧力損失を大幅に低減させることができる。
同様に、図12(b)における「▲」の結果から、上記実施例Dの構成の場合は、第二流体11側の圧力損失が1.9程度であることが分かる。この結果は、上記実施例1における実施例Dの場合の第二流体11側の圧力損失の解析結果とよく一致している。
これにより、上記実施例Dの構成とする本発明の多管式熱交換器では、図12(b)に「○」で示した上記比較例の場合の第二流体11側の圧力損失の4.4という値に対して、第二流体11側の圧力損失を大幅に低減できることが判明した。なお、上記実施例Dの構成は、上記実施例1にて実施例Bとして示した構成(図6参照)の流路面積を1/2にしたものに相当する。よって、上記実施例Bの構成についても、図12(a)に示す如き管路網の解析モデルを設定して、第二流体11側の圧力分布について管路網の解析手法による流動解析を行うことができる。本発明の多管式熱交換器を上記実施例Bの構成とする場合は、単位流路断面積あたりの第二流体11の流量が上記実施例Dと同様であるとすれば、流路断面積あたりの流量は同じである。実施例Dの場合は、軸心方向バッフル101b,101d,101fによる第二流体11の摩擦抵抗が加わる分だけ、実施例Bより圧力降下が大きくなるが、この摩擦抵抗は管群8の直交方向の圧力抵抗に比べて無視できるほど小さいので、上記実施例Dと上記実施例Bの圧力分布は実質的に同じ結果となる。したがって、実施例Bの構成の場合でも上記比較例に比して、第二流体11側の圧力損失を大幅に低減させることができる。
1 容器、2 管板、3 第一流体、4 第一流体分配ヘッダ(分配ヘッダ)、5 管板、6 第一流体集合ヘッダ(集合ヘッダ)、7 管群設置領域、7a,7b 分割区画、71a〜71f 分割区画、72a〜72c 分割区画、73a〜73l 分割区画、74a〜74d 分割区画、75a〜75h 分割区画、8 管群、9 伝熱管、10a,10b 軸心方向バッフル、101a〜101f 軸心方向バッフル、102a〜102c 軸心方向バッフル、103a〜103l 軸心方向バッフル、104a〜104d 軸心方向バッフル、105a〜105h 軸心方向バッフル、13 外周側接続流路、15 第二流体分散室、16 第二流体集合室、19 第二流体入口、20 第二流体出口、21 第一流体入口、22 第一流体出口、23 内周側接続流路、25 内周側分散板、26 外周側分散板

Claims (2)

  1. 円筒形の容器と、
    該容器内の軸心方向の一方の端部に管板により仕切って形成した第一流体の分配ヘッダと、
    該容器内の軸心方向の他方の端部に別の管板により仕切って形成した上記第一流体の集合ヘッダと、
    上記容器内の上記各管板の間の空間における中央部と外周部を除く環状の管群設置領域に配置した該容器の軸心方向に平行な複数の伝熱管からなり、且つ該各伝熱管の両端部を上記第一流体の分配ヘッダと集合ヘッダにそれぞれ連通接続させてなる管群とを備え、
    且つ上記管群設置領域における周方向の複数個所を、上記容器の軸心方向に平行で且つ半径方向に沿う軸心方向バッフルで仕切って、複数の分割区画を形成し、
    周方向に配列された少なくとも2つの分割区画を、管群設置領域の外側に設ける外周側接続流路又は管群設置領域の内側に設ける内周側接続流路のいずれかを介して接続するか、又は、上記外周側接続流路と上記内周側接続流路の双方を交互に介して接続して、隣接する分割区画を順に経る第二流体の流れ方向が半径方向の内向きと外向きで交互になるように流通させるための第二流体流通経路が形成されるようにし、
    上記容器に、
    上記第二流体流通経路の最も上流側に位置する分割区画における第二流体流れ方向の上流側端部に位置する管群設置領域の外側又は管群設置領域の内側の第二流体分散室に連通する第二流体入口と、
    上記第二流体流通経路の最も下流側に位置する分割区画における第二流体流れ方向の下流側端部に位置する管群設置領域の外側又は管群設置領域の内側の第二流体集合室に連通する第二流体出口と、
    第一流体の分配ヘッダに連通させた第一流体入口と、
    上記第一流体の集合ヘッダに連通させた第一流体出口とを設けてなる構成
    を有することを特徴とする多管式熱交換器。
  2. 管板同士の間における管群設置領域の内周側位置と外周側位置に、周方向に延びる内周側分散板と外周側分散板をそれぞれ設けるようにした請求項1記載の多管式熱交換器。
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