JP2014196808A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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知宏 金谷
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Abstract

【課題】衝撃荷重等の入力時における異音発生の原因となるキャビテーションを簡単に且つ効果的に抑制することの出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】主液室38と副液室40と、それら両液室38,40間が非圧縮性流体の流動を許容するオリフィス通路42で連通された流体封入式防振装置10において、少なくとも主液室38における封入流体に対して、気泡核を与えて主液室が減圧された際に気泡の分散発生を促進する不溶性の粉体46が混入されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車のエンジンマウント等に用いられる流体封入式防振装置に係り、特に衝撃的荷重等の入力に伴って発生するキャビテーションに起因する異音に対して効果的で且つ簡便な解決策を提供することができる技術に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体や防振支持体の如き防振装置の一種として、内部に封入された流体の流動作用に基づいた防振効果を利用する流体封入式防振装置が知られている。かかる流体封入式防振装置は、例えば特開2005−337348号公報(特許文献1)に記載されているように、振動入力時に本体ゴム弾性体の変形に基づいて圧力変動が惹起される主液室と、振動入力時に該主液室との間で相対的な圧力変動が生ぜしめられる副液室とが、オリフィス通路で連通された構造とされる。そして、振動入力時に相対的な圧力変動が惹起される主液室と副液室との間でオリフィス通路を通じて流動せしめられる非圧縮性封入流体の流動作用に基づいて防振効果が発揮されるようになっている。
ところで、このような流体封入式防振装置では、衝撃的荷重の入力時に発生する異音や振動が問題になる場合がある。かかる異音等は、衝撃的荷重の入力で主液室の圧力が急激に低下して発生するキャビテーション気泡に起因すると考えられる。
このような問題に対して、特許4265613号公報(特許文献2)に記載されているように、主液室と副液室との間にリリーフバルブ等を備えた短絡流路を設けて、主液室における過大な負圧を速やかに解消させる構造も提案されている。
しかしながら、リリーフバルブや短絡流路などを特別に形成する必要があり、部材点数の増加や構造の複雑化が避けられないという問題があった。
また、再表2009−154222号公報(特許文献3)には、エチレングリコール等の封入流体中にシリコーンオイル等の高蒸気圧(低沸点)の液体を少量添加することによりキャビテーションを抑える技術が開示されている。
ところが、高蒸気圧の液体が比較的低い温度環境下で沸騰してしまうことから、防振装置の使用環境が制限されてしまうという問題があった。特に、内燃機関を有していたり、直射日光下で利用されることが多い自動車用の防振装置としては、決して望ましくなく、例えば自動車用エンジンマウントへの適用は、エンジンルームが高温になり易いことから難しかった。
特開2005−337348号公報 特許4265613号公報 再表2009/154222号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、衝撃的荷重等の入力に伴って発生するキャビテーションに起因する異音に対して簡便且つ効果的な解決策を提供することにある。
すなわち、本発明の第1の態様は、振動入力時に本体ゴム弾性体の変形に基づいて圧力変動が惹起される主液室と、振動入力時に該主液室との間で相対的な圧力変動が生ぜしめられる副液室と、それら主液室および副液室に封入された非圧縮性流体のかかる両液室間での流動を許容するオリフィス通路とを、備えた流体封入式防振装置において、前記主液室に封入された前記封入流体には、気泡核を与えて主液室が減圧された際に気泡の分散発生を促進する不溶性の粉体が混入されていることを、特徴とする。
このような第1の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置によれば、不溶性の粉体が気泡核を与えることで封入流体からの気体の遊離が発生し易くなるのであり、それ故、衝撃的荷重の入力により主液室の圧力が大きく低下すると、所謂キャビテーションといわれる封入液の沸騰現象によって大きな気泡が成長する前に、複数個に混入された気泡核を中心として多数の気泡発生が促進される。このため、かかる多数の気泡が主液室における負圧の吸収軽減作用を発揮することとなり、主液室における著しい圧力低下が回避されることにより、キャビテーションによる大きな気泡の発生が防止されて、巨大気泡の消滅の際に発生する異音や振動が効果的に抑えられるのである。
このような本発明によって発揮される効果は、後述する実施例の試験結果からも明らかなところであるが、技術思想として、本願発明は、気泡の消滅時に大きな圧力波を生ずるキャビテーションを防止するために、キャビテーションの直接の原因となる液体中での気体の遊離を抑えるのではなく、逆転の発想をもって、液体中で気体が遊離し易くしたことに大きな特徴を有する。即ち、一般に水ではごく短時間だけ大気圧の1/50程度の飽和蒸気圧よりも低くなった際に発生するとされる気体の遊離現象も、核となる気泡核の存在がなければ発生し難いことが知られている。本発明では、気体の遊離現象を抑えるために気泡核の存在を防止するのではなく、反対に、不溶性の粉体を液中に混入することで気泡核を与えて気泡の分散発生を促進したのであり、飽和蒸気圧よりも高い圧力下で気泡を発生させることにより、更なる圧力低下を抑えて、気泡の消滅時に大きい衝撃波を発生させる程のキャビテーションを回避することを可能と為し得たのである。
特に本発明では、流体中に分散状態で存在する不溶性の粉体により、主液室内の広い領域に分散して気泡核が与えられることとなり、その結果、衝撃的荷重の入力に際して、主液室内の広い領域に分散して気泡が発生する。それ故、発生する気泡が極めて小さく分散されることとなり、それが消失する際に発生する衝撃を、大きな気泡に比して極めて小さなエネルギーとすることに加えて、更に一層小さく抑えることができるのである。
また、本発明では、気泡核を与えて気体の分散発生を促進するのに不溶性の粉体を採用していることから、液体そのものの特性が大きく変化してしまうことがなく、流体封入式防振装置の使用環境に関して温度等の条件が大幅に制限されることもない。
しかも、本発明では、主液室や副液室、オリフィス通路などの基本的構造に変更を加えることなく、キャビテーションに起因する異音等を低減することが可能になる。
なお、本発明において主液室等に封入される非圧縮性流体は、溶存ガスの存在を問うものでない。即ち、封入流体とされる液の調製過程や注入工程などにおいて外気に晒されることで空気や水分等が液中に溶存していても良いし、そのような溶存ガスが存在していない純度の高い液体であっても良い。また、液中に積極的にガスを溶存させたものを封入流体として採用することも可能であり、それによって、本発明の不溶性の粉体によるエアレーション気泡の分散発生の促進効果を調節することもできる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記粉体が、少なくとも振動入力時において前記主液室内の前記封入流体中で浮遊状態とされるものである。
第2の態様によれば、振動入力時に、気泡核を与える不溶性の粉体が主液室内の広い領域において一層効率的に分散位置せしめられることにより、主液室内に発生する気体の更なる分散や縮小が図られ得る。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記封入流体が親水性とされていると共に、前記粉体の表面が撥水性とされているものである。
第3の態様によれば、気泡が表れる不溶性の粉体の表面が、封入流体に対する低接着エネルギー面とされることから、粉体の表面における気泡の発生が一層効果的に促進されると共に、現出した気泡が不溶性の粉体の表面上で拡張することが抑えられてレンズ状又は球状に近い形に維持される。その結果、主液室の圧力低下に際して発生した気泡が粉体表面上で他の気泡と結合等して大型化することも防止されるのであり、分散発生する気泡による巨大気泡発生の防止効果の更なる向上と安定化が図られ得る。
本発明の第4の態様では、第3の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記粉体が、前記封入流体を基準として1より大きな比重を有しており、且つ、表面の撥水性に基づいて該封入流体中では静置状態でも沈殿せずに浮上しているものがあるようにされる。
第4の態様によれば、比重が封入流体よりも大きい粉体の表面への撥水性の程度により、封入流体中での粉体の浮上の程度を一層広い範囲で調節して分散の程度などを適宜に設定することが可能になる。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記粉体が、前記封入流体に対して0.01重量%以上で混入されているものである。
第5の態様によれば、後述する実施例の試験結果からも明らかなように、粉体の混入によるキャビテーション異音等の防止という、本発明の技術的効果を一層有効に得ることが可能である。
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記粉体が、前記封入流体に対して100重量部以下で混入されているものである。
第6の態様によれば、粉体の混入による封入流体の流動性等への悪影響が可及的に回避され得る。
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記粉体が、0.01〜5000μmの平均粒子径を有しているものである。
第7の態様によれば、粉体の混入による封入流体の流動性等への悪影響を可及的に回避しつつ、気泡の表面積を効率的に確保すると共に、気泡の封入流体中での分散性を効果的に確保して、気泡核の付与による気泡の分散発生促進という粉体の混入効果を一層有利に得ることができる。
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記封入流体が親水性とされている一方、前記粉体が撥水性材料から構成されており、該撥水性材料による撥水性が該粉体の表面において発揮されるようになっているものである。
第8の態様によれば、粉体の撥水性を利用して、親水性の封入流体中における気泡核の付与効果の向上等が図られ得る。特に、粉体が素材として撥水性を有していることから、表面に撥水性を有する粉体の製造の効率化等も図られ得る。
本発明の第9の態様は、第1〜8の何れかの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記粉体の表面における対水接触角が90度以上とされているものである。
本態様では、気泡が表れる不溶性の粉体の表面において、対水接触角が90度以上とされた低接着エネルギー面が設けられることとなる。それ故、粉体の表面に現出した気泡の粉体表面上での拡張や他の気泡との結合による大型化が防止されて、レンズ状や球状に近い形を有する小さい気泡状態に一層維持され易くなり、小さい多数の気泡の発生を促進することによる前述の如きキャビテーションによる大きな気泡の消滅時に発生する衝撃波によって生じる異音等の防止効果の更なる向上が図られ得る。
本発明によれば、封入流体中に存在する不溶性の粉体が気泡核を与えることで、振動入力に際して主液室が減圧された際に小さな気泡が分散発生し易くなり、かかる気泡による負圧の吸収軽減作用が発揮されて、キャビテーションに起因する異音や振動が効果的に抑えられる。特に、流体封入式防振装置を構成する各部品の構造を大幅に変更せずとも、キャビテーション異音に対する対策が、容易に且つ効率的に実現可能となる。
本発明の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。 図1に示されたエンジンマウントについて、その防振特性を測定するのに用いた試験装置を説明するための説明図。 実施例4と比較例1における比較結果であり、主液室圧力と加振変位についてのグラフ。 実施例4と比較例1における比較結果であり、伝達荷重と加振変位についてのグラフ。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置の第一の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、第一の取付部材12と第二の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結された構造を有している。そして、第一の取付部材12と第二の取付部材14との一方がパワーユニット側に取り付けられると共に他方が車両ボデーに取り付けられることにより、自動車において車両ボデーに対してパワーユニットを防振支持するようになっている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として図1中の上下方向であってエンジンマウント10の中心軸である弾性主軸が延びる方向をいう。
より詳細には、第一の取付部材12は、上下方向に延びる円形短柱形状を有しており、軸方向下端部分が下方に向かって小径化された逆円錐台形状とされている。また、第一の取付部材12の中心軸上には、上端面に開口する固定ボルト穴18が設けられており、この固定ボルト穴18に螺着される固定ボルトによって第一の取付部材12がパワーユニットに固着されるようになっている。
第二の取付部材14は、上下方向に延びる大径の略円筒形状を有しており、例えば図示しない取付ブラケットを介して、車両ボデーに固着されるようになっている。また、第二の取付部材14には、上側の開口周縁部において外周側へ広がるフランジ状部20が設けられていると共に、下側の開口周縁部において内周側へ突出する環状係止部22が設けられている。
そして、第二の取付部材14の軸方向上方に離隔して、第一の取付部材12が、略同一中心軸上に配置されている。
また、本体ゴム弾性体16は、略円錐台形状を有しており、小径側端部の中央部分に対して第一の取付部材12が埋入状態で固着されている一方、大径側端部の外周面に対して第二の取付部材14の上端部分の内周面とフランジ状部20の上面とが固着されている。これにより、第一の取付部材12と第二の取付部材14とが本体ゴム弾性体16で弾性的に連結されている。
なお、本体ゴム弾性体16は、金属等の剛性材で形成された第一及び第二の取付部材12,14を有する一体加硫成形品とされている。また、本体ゴム弾性体16には、大径側端面に開口する逆向き略すり鉢状の中央凹所24が形成されている。更に、第二の取付部材14の内周面には、略全面を覆うシールゴム層26が、本体ゴム弾性体16における中央凹所24の開口周縁部から軸方向下方に延び出すようにして本体ゴム弾性体16と一体形成されている。
また、第二の取付部材14の下側の開口部分には、薄肉ゴム膜等からなる可撓性膜28が配設されている。可撓性膜28の外周面にはリング形状の嵌着金具30が加硫接着されており、この嵌着金具30が第二の取付部材14の下側開口部分に嵌着固定されることにより、第二の取付部材14の下側開口が可撓性膜28で流体密に封止されている。なお、嵌着金具30は、環状係止部22で係止されることにより、第二の取付部材14からの抜け出しが阻止されている。
これにより、第二の取付部材14の内部には、本体ゴム弾性体16と可撓性膜28との対向面間において、外部空間に対して密閉されて非圧縮性の封入流体が充填された液封領域が画成されている。なお、封入流体としては、流体の流動作用に基づいて防振効果を発揮し得るものであれば良いが、取り扱いに際しての作業性等を考慮すると親水性の液体が好適である。一般には、水の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール等が好適に採用され、特に0.1Pa・s以下の低粘性流体が望ましい。
このような封入流体が充填された液封領域には、仕切部材32が収容配置されている。仕切部材32は、金属や樹脂等からなる硬質の部材であって、厚肉の略円板形状の仕切部材本体34に対して、略同一平面形状を有する薄肉の蓋板36が重ね合わされて構成されている。
そして、仕切部材32は、第二の取付部材14に対して嵌め込まれて軸方向中間部分で軸直角方向に広がる状態で組み付けられており、仕切部材32の外周面が、第二の取付部材14の内周面に対してシールゴム層26を介して嵌着固定されている。なお、シールゴム層26の軸方向中間部分に設けられた段差と嵌着金具30との間で仕切部材32が挟まれることにより、仕切部材32が第二の取付部材14に対して軸方向で位置決めされている。
これにより、液封領域が、仕切部材32によって上下両側に仕切られており、仕切部材32の上方には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変動が惹起される主液室38が形成されている。また、仕切部材32の下方には、壁部の一部が可撓性膜28で構成されて、容積変化が容易に許容されることで圧力変動が回避されて略大気圧に保たれる副液室40が形成されている。そして、主液室38の圧力変動によって、主液室38と副液室40の間で相対的な圧力変動が生じるようになっている。
また、仕切部材32には、外周部分を周方向に所定長さで延びるオリフィス通路42が形成されており、主液室38と副液室40の間で、オリフィス通路42を通じての流体流動が許容されるようになっている。なお、本実施形態では、仕切部材本体34の外周部分を上方に開口して周方向に一周弱の長さで延びる上溝44が、蓋板36で覆蓋されることにより、周方向の各一方の端部が主液室38と副液室40に対して連通されたオリフィス通路42が形成されている。
そして、振動入力時に主液室38と副液室40との間に惹起される相対的な圧力変動に基づいてオリフィス通路42を通じての流体流動が生ぜしめられるようになっており、かかる流体の共振作用に基づいて、オリフィス通路42が予めチューニングされた所定周波数域の振動に対して防振効果が発揮されることとなる。
さらに、かかる主液室38や副液室40に充填された封入流体には、不溶性の粉体46が混入されている。かかる粉体46は、不溶性であるが故に封入流体に対して表面が物質界面を形成しており、大きな衝撃的荷重の入力等によって主液室38の圧力が大きく低下した際に、封入流体との物質界面である表面において、封入流体中で気泡核を与えて気泡の分散発生を促すように作用する。
特に、封入流体として前述の如き極性(親水性)の液体が採用されている場合には、表面が撥水性とされた粉体46を採用することが望ましく、それによって、粉体46の表面における気泡の分散発生の促進作用がより効果的に発揮される。撥水性の表面を有する粉体46としては、粉体素材そのものとして撥水性材料を採用することも可能である。
なお、撥水性を与えるものとしては、例えば四フッ化エチレン樹脂(PTFE)や四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)、四フッ化エチレン・バーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、三フッ素化樹脂(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、PTFE/PFA複合塗料などのフッ素系樹脂やシリコーン系の材料、或いはこれらの二種類の粒子を混合したものからなる粒子のもの、それらが、優れた耐久性をもって良好な疎水性を有することから、好適に採用される。尤も、このようなフッ素系樹脂等は、撥水性と共に撥油性も発揮することから、無極性(疎水性)の封入流体を採用する場合でも、フッ素系樹脂を用いることにより、気泡核を与えて気泡の分散発生を促す界面としての低接着エネルギー面が、粉体46の表面において有効に形成され得る。
また、粉体46の大きさや具体的形状等は、特に限定されるものでないが、小さすぎると取り扱いの作業性が低下したり、製造が困難になること等が懸念される一方、大きすぎると液封領域を形成する各部材との接触による磨耗や、流体流動性への悪影響等が懸念される。従って、粉体46としては、0.01〜5000μmの平均粒径を有するものが実用的で好適に用いられる。
更にまた、粉体46は、主液室38内に僅かでも存在していれば、前述の如き気泡の分散発生の促進効果を発揮し得るものであり、混入量の下限値を限定されるものでないが、実用的な効果を得るには、封入流体に対して0.01重量%以上で混入されることが望ましい。
一方、粉体46の混入量を多くしても、粒径が小さく封入流体の流動性に大きな影響を与えるものでないが、各部材への接触による磨耗や流体流動性への悪影響等を考慮すると、封入流体に対して100重量部以下で混入されることが望ましい。
更にまた、前述の如き気泡の分散発生の促進効果を有利に得るためには、主液室38内で粉体46の全てが沈下した状態が維持されることは望ましくない。即ち、少なくとも振動入力時において、主液室38中で浮遊状態の粉体46が存在しているようにされるのが好適である。
かかる粉体46の浮遊状態の実現は、粉体46の質量(封入流体に対する比重)だけでなく、粉体46の表面性状を調節することによって為され得る。例えば、親水性の封入流体を採用する場合には、粉体46の表面における撥水性のレベルを調節することにより、封入流体中での粉体46の浮力を変更設定することも可能である。特に、封入流体を基準として1より大きな比重を有する材料からなり、且つ、表面における撥水性の作用により封入流体中での浮上が実現可能な粉体46を採用することにより、封入流体中での浮遊の程度を、表面の撥水性を調節することで広い範囲に亘って設定して調節することが可能になる。
上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、車両への装着状態下で第一の取付部材12と第二の取付部材14との間に主として上下方向の振動が入力されることとなるが、通常走行に伴う程度の入力振動であれば、主液室38と副液室40の間でのオリフィス通路38を通じての流体流動作用等に基づいて有効な防振効果が発揮され得る。
一方、車両の段差通過等に際して衝撃的荷重がエンジンマウント10に入力されると、主液室38に過大な圧力変化が急激に発生し、それに起因するキャビテーションによる異音等が問題になり易い。ここにおいて、本実施形態のエンジンマウント10では、封入流体に前述の如き粉体46が混入されていることから、キャビテーションによる大きな気泡を発生させる前に小さな多数の気泡が分散して現出せしめられる。
そして、この分散して現出した気泡により主液室38の圧力変化量が吸収されて緩和されることから、主液室38の著しい圧力低下が軽減されることとなり、その結果、キャビテーションによる巨大な気泡の発生が防止され、ひいてはキャビテーションに起因すると解される異音や振動の低減効果が発揮されることとなる。
特に本実施形態のエンジンマウント10では、親水性の封入流体と組み合わせて撥水性の表面を有する粉体46が採用されることにより、主液室38内に分散状態で存在する各粉体46の表面において対水接触角の小さい低接着エネルギー面が形成されており、この低接着エネルギー面上に現出した気泡が一層効果的に維持されて、主液室38の圧力変化の緩和によるキャビテーション防止効果が一層安定して発揮されるのである。
しかも、本実施形態のエンジンマウント10では、低接着エネルギー面からなる粉体46の表面上に現出した気泡について、その対水接触角θが90度以上となるように撥水性を付与した粉体46が採用され得る。これにより、粉体46の表面上に現出した気泡が、レンズ状又は球状に近い形へ一層安定して維持され得て、粉体46の表面上で扁平な拡張形状に広がったり、それに伴って他の気泡と合体して大きくなるようなことが、より効果的に防止されることとなる。その結果、発生した気泡が、主液室38の圧力変動に際しても消失し難く、小さなままで安定して維持され易くなり、主液室38の圧力変化の緩和によるキャビテーションによる巨大な気泡生成の防止効果がより一層安定して有効に発揮されるのである。
なお、上述の如き粉体46による気泡の分散発生促進作用に基づくキャビテーションによる巨大な気泡生成の防止効果は、振動入力時の減圧で気泡が発生する主液室38内での作用に基づいて発揮されるものである。それ故、少なくとも主液室38の封入流体に粉体46が混入されていれば足りる。尤も、本実施形態では、主液室38と副液室40が、粉体46に比して十分に大きな流路断面積を有するオリフィス通路42で連通されており、両室38,40間での流体流動が許容されていることから、主液室38とよび副液室40を含む液封領域の全体に分散して粉体46が混入されている。特に、図1中の上下方向がマウント装着状態で略上下方向とされて、かかる装着状態で主液室38が副液室40の上方に位置せしめられる場合には、静置状態でも浮遊又は浮上して沈下しない粉体46を採用することが望ましく、それによって、主液室38内における粉体46の存在が一層安定して確保され得る。
本発明の効果を確認するために、上述の実施形態に従う構造とされたエンジンマウントを製作し、かかるエンジンマウントを、図2に示されている如き試験装置50にセットして防振特性を実測した。得られた試験結果を、下記[表1]に示す。試験対象であるエンジンマウントでは、以下の[表1]に示されているように、何れもエチレングリコールとプロピレングリコールの混合液を封入流体として採用する一方、粉体としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)であるダイキン工業株式会社製のルブロン(登録商標)を採用した。なお、採用したルブロンの平均粒子径は略5μmであった。
また、採用した試験装置50は、ベース部材52と加振具54との間にエンジンマウント10をセットして、エンジンマウント10を介して加振具54からベース部材52に伝達される伝達荷重を荷重センサ56で検出するものである。なお、荷重センサ56による検出信号は、ハイパスフィルタ(500Hz)を通して処理することにより、対象振動数域の振動荷重を検出した。また、かかる実験に際しては、主液室内に圧力センサを設置して、加振具54の加振変位に対する伝達荷重の変化と併せて主液室内の圧力変化も実測した。
このような試験によって得られた結果を、[表1]に示すと共に、[表1]中の実施例4と比較例1における測定結果を図3,4に併せ示す。
これらの測定結果から、本発明に従って不溶性の粉体を混入させた封入流体を用いることにより、過大な振動荷重の入力時における主液室の圧力低下を軽減することが出来て、衝撃荷重による異音等の発生が抑えられることがわかる。
10:エンジンマウント(流体封入式防振装置)、12:第一の取付部材、14:第二の取付部材、16:本体ゴム弾性体、32:仕切部材、38:主液室、40:副液室、42:オリフィス通路、46:粉体

Claims (9)

  1. 振動入力時に本体ゴム弾性体の変形に基づいて圧力変動が惹起される主液室と、振動入力時に該主液室との間で相対的な圧力変動が生ぜしめられる副液室と、それら主液室および副液室に封入された非圧縮性流体のかかる両液室間での流動を許容するオリフィス通路とを、備えた流体封入式防振装置において、
    前記主液室に封入された前記封入流体には、気泡核を与えて主液室が減圧された際に気泡の分散発生を促進する不溶性の粉体が混入されていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記粉体が、少なくとも振動入力時において前記主液室内の前記封入流体中で浮遊状態とされる請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記封入流体が親水性とされていると共に、前記粉体の表面が撥水性とされている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記粉体が、前記封入流体を基準として1より大きな比重を有しており、且つ、表面の撥水性に基づいて該封入流体中では静置状態でも沈殿せずに浮上しているものがある請求項3に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記粉体が、前記封入流体に対して0.01重量%以上で混入されている請求項1〜4の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記粉体が、前記封入流体に対して100重量部以下で混入されている請求項1〜5の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記粉体が、0.01〜5000μmの平均粒子径を有している請求項1〜6の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  8. 前記封入流体が親水性とされている一方、前記粉体が撥水性材料から構成されており、該撥水性材料による撥水性が該粉体の表面において発揮されるようになっている請求項1〜7の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  9. 前記粉体の表面における対水接触角が90度以上である請求項1〜8の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
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