JP2014195767A - シャワーヘッド - Google Patents

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Yutaka Aihara
豊 相原
三浦 剛
Takeshi Miura
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Abstract

【課題】吐止水モードの切換え操作が行われる構成において、操作性を向上させるとともに、コンパクトな構成の実現を容易とする。【解決手段】複数の吐水状態に対応した複数の通水路の開閉状態を切り換えることにより、止水状態および複数の吐水状態のうち少なくとも3つの状態の各状態に対応する吐止水モードが切り換えられるシャワーヘッドにおいて、シャワーヘッドは、複数の通水路の開閉状態を切り換える流路切換機構20と、流路切換機構20を収納する筐体から一部が露出した状態で設けられ、操作を受けて摺動することで流路切換機構20を作動させるスライド円盤11と、を備え、スライド円盤11は、摺動面上で吐止水モードを選択した位置を、互いに交わる少なくとも2つの直線上に位置させる。【選択図】図2

Description

本発明は、複数の吐水状態を切り換えるための操作部を備えたシャワーヘッドに関する。
従来、シャワーホースの先端等に取り付けられるシャワーヘッドには、複数の吐水状態を切り換えるための操作部を備えた構成のものがある(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。かかる構成のシャワーヘッドにおいては、操作部の操作により、シャワーヘッド本体に内蔵された弁体が動作することで内部の流路が切り換えられ、吐水状態が切り換えられる。
特許文献1には、吐水状態を切り換えるための操作部として、シャワーヘッド本体の先端部に設けられた一対のボタンを備える構成が記載されている。特許文献1には、一対のボタンの操作にともなって動作する弁体によって直流水、散水、および泡沫水の各吐水状態に対応する3個の通水孔のうち2個の通水孔を閉じるとともに1個の通水孔を開口させることで、3種類の吐水状態を切り換える構成が記載されている。
特許文献2には、吐水状態を切り換えるための操作部として、シャワーヘッド本体に対する把持部分に設けられ、押圧操作される押しボタンと連動して傾動する傾動部材を備える構成が記載されている。この傾動部材は、三角形状の板状部材であって、その略中心位置が傾動の支点となるように点支持された状態で設けられる。そして、傾動部材の三角形状の各頂点に対応する位置に配設された弁が、傾動部材の傾動によって個別に開閉される。ここで傾動部材の傾動によって個別に開閉される弁は、Oリングが外嵌された円板状の蓋体を弁体とし、この弁体によって塞がれる開口の開口縁部を弁座とする。
特開2002−165719号公報 特表2003−530175号公報
特許文献1に記載されたシャワーヘッドの構成によれば、吐水状態を切り換えるための操作部がシャワーヘッド本体の先端部に設けられていることから、シャワーヘッドを把持している手によって操作部を操作することが実質的に不可能である。このため、操作部の操作に際し、例えばシャワーヘッドを把持していない方の手の動作が必要となり、操作性の面で問題がある。
この点、特許文献2に記載されたシャワーヘッドヘッドの構成によれば、操作部がシャワーヘッド本体に対する把持部分に設けられていることから、シャワーヘッドを把持している手によって比較的容易に操作部を操作することができると考えられる。しかしながら、特許文献2の構成は、流路の切換えに際して、操作部分が押圧されることにより押しボタンを介して動作する傾動部材の傾動にともない、単に蓋体によって開口を開閉するといった動作が行われる構成であることから、良好な操作性が得られにくいと考えられる。特に、シャワーヘッドの操作部については、通常、浴室において水に濡れた手指で操作されることから、わずかな操作性の違いが使用者の受ける操作感に大きな影響を及ぼす。
また、特許文献1および特許文献2に記載の構成のように、吐水状態を切り換えるための操作が押圧操作である操作部においては、複数の吐水状態に対応して、互いに独立した複数箇所に押圧部が存在する。具体的には、特許文献1の場合、押圧部として一対の(2箇所の)ボタンが存在し、特許文献2の場合、押圧部として傾動部材の三角形状の各辺の中央部に対応する位置の3箇所に押しボタンが存在する。
このように操作部において互いに独立した複数の押圧部が存在する構成においては、複数の押圧部間の間隔が狭い場合、誤操作等の操作上の問題が生じて良好な操作性が得られにくくなる一方で、複数の押圧部間の間隔が広い場合、シャワーヘッドを把持した手による片手での操作が難しくなり、この場合も良好な操作性が得られにくくなる。特に、例えば3つ以上の吐水状態に対応した3箇所以上の押圧部が同一直線上に配置された場合、これらの操作部を操作するための操作距離、つまり操作部を操作する指の動作距離が長くなり、良好な操作が得られにくくなる。したがって、互いに独立した複数の押圧部が存在する構成においては、良好な操作性を得る観点から、複数の押圧部間について適度な間隔を設ける必要がある。しかしながら、互いに独立した複数の押圧部が存在する構成は、複数の押圧部間に適度な間隔を設ける必要があることに加え、複数の押圧部について各押圧部を構成する部材をシャワーヘッドの内部に設ける必要があることから、コンパクト化の面で好ましくない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、吐止水モードの切換え操作が行われる構成において、良好な操作性を得ることができるとともに、コンパクトな構成を容易に実現することができるシャワーヘッドを提供することを目的とする。
本発明のうち第1の態様に係るシャワーヘッドは、複数の吐水状態に対応した複数の通水路の開閉状態を切り換えることにより、止水状態および前記複数の吐水状態のうち少なくとも3つの状態の各状態に対応する吐止水モードが切り換えられるシャワーヘッドであって、前記複数の通水路の開閉状態を切り換える流路切換機構と、前記流路切換機構を収納する筐体から一部が露出した状態で設けられ、操作を受けて摺動することで前記流路切換機構を作動させるスライド操作部材と、を備え、前記スライド操作部材は、摺動面上で前記吐止水モードを選択した位置を、互いに交わる少なくとも2つの直線上に位置させることを特徴とするものである。このような構成のシャワーヘッドによれば、吐止水モードの切換え操作が行われる構成において、良好な操作性を得ることができるとともに、コンパクトな構成を容易に実現することができる。
本発明のうち第2の態様に係るシャワーヘッドは、第1の態様に係るシャワーヘッドにおいて、前記流路切換機構は、前記スライド操作部材の摺動に連動して移動することで前記複数の通水路を選択的に開閉する平板状の弁体と、一端側が前記スライド操作部材に係合し他端側が前記弁体に係合する軸部を含み、前記スライド操作部材の摺動動作にともない、前記軸部の軸線上に存在する支点を中心として回動することで前記弁体を移動させる作動棹部と、を有することを特徴とするものである。このような構成のシャワーヘッドによれば、流路切換機構において一体の平板状の弁体によって複数の通水路の開閉を行うことができるので、流路切換機構をコンパクトに構成することができ、これにより、シャワーヘッドをよりコンパクトに構成することができる。
本発明のうち第3の態様に係るシャワーヘッドは、第1の態様または第2の態様に係るシャワーヘッドにおいて、前記スライド操作部材を、前記吐止水モードの各モードに対応する前記複数の通水路の開閉状態をなす所定の位置で保持する保持手段をさらに備えたことを特徴とするものである。このような構成のシャワーヘッドによれば、スライド操作部材が自動的に各モードに対応する位置で保持されることから、シャワーヘッドの使用者は選択されている吐止水モードを視覚的・形状的に容易に認識することができる。
本発明によれば、吐止水モードの切換え操作が行われる構成において、良好な操作性を得ることができるとともに、コンパクトな構成を容易に実現することができる。
本発明の一実施形態に係るシャワーヘッドの外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る流路切換ユニットを示す斜視図である。 図2におけるA−A断面図である。 図2におけるB−B断面図である。 本発明の一実施形態に係る流路切換ユニットを示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る流路切換ユニットを示す断面斜視図である。 本発明の一実施形態に係る流路切換機構の構成部品の一つを示す図である。 本発明の一実施形態に係る流路切換機構の構成部品の一つを示す図である。 本発明の一実施形態に係る流路切換機構の構成部品の一つを示す図である。 本発明の一実施形態に係る流路切換機構の構成部品の一つを示す図である。 本発明の一実施形態に係る流路切換ユニットの動作説明図である。 本発明の一実施形態に係る流路切換ユニットの動作説明図である。 本発明の一実施形態に係る流路切換ユニットの動作説明図である。
本発明に係るシャワーヘッドは、把持部に設けられた操作部の操作によって止水状態および複数の吐水状態のうち少なくとも3つの状態の各状態に対応する吐止水モードが切り換えられる構成において、操作部を構成する操作部材として、所定の面に沿って2次元平面的に摺動するスライド操作部材を備えることにより、良好な操作性を得ながら、コンパクトな構成を実現しようとするものである。以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態のシャワーヘッド1は、吐水部を構成する本体部2と、使用者等によって把持される部分である把持部3とを有する。本体部2は略厚板円板状の外形を有し、この本体部2の一端側から、筒状ないし棒状の外形を有する把持部3が、本体部2に対して徐々に細くなるように連続的に形状を変化させて延出される。本体部2および把持部3の外装部分は、上述したような各部の外形形状をなす一体の筐体としての本体ケース4により構成される。本体ケース4は、例えば合成樹脂製あるいは金属製の部材である。
本体部2の一方の板面側には、円板状の散水板5が設けられている。散水板5は、本体部2の一方の板面側の周縁部分を除いた大部分を占めるように設けられる。散水板5は、吐水部としての本体部2においてシャワーヘッド1に供給される水を吐水させる吐水孔が形成された部材である。散水板5は、本体部2の一方の板面側に形成された円形の開口部2aに臨むように設けられる。把持部3の本体部2側と反対側の端部には、シャワーホースの接続口3aが設けられており、この接続口3aにシャワーホースが接続される。シャワーヘッド1において、シャワーホースから供給される水は、本体ケース4の内部において形成された通水路を通って、散水板5の吐水孔から吐水される。
散水板5は、水を吐水させる吐水孔として、吐水形態が互いに異なる3種類の吐水孔を有する。具体的には、散水板5は、スプレー吐水を行うためのスプレー吐水孔部5aと、ジャイロビート吐水を行うためのジャイロビート吐水孔部5bと、滝状吐水を行うための滝状吐水孔部5cとを有する。スプレー吐水孔部5aは、散水板5の中心位置を中心とする円弧に沿って点在するように多数設けられている。ジャイロビート吐水孔部5bは、散水板5の中央部に設けられている。滝状吐水孔部5cは、本体部2の先端側(把持部3側と反対側)の周縁に沿って円弧状の孔を形成する部分として設けられている。
ここで、スプレー吐水孔部5aおよび滝状吐水孔部5cは、散水板5の表面から突出するように設けられるゴム製のノズルにより構成される。また、ジャイロビート吐水孔部5bは、散水板5の中央部に設けられた散水ノズル5dにより構成されている。散水ノズル5dは、円柱状の部材であり、回転可能に支持された状態で設けられる。散水ノズル5dには、円柱状の形状における軸線方向に沿う3本のノズル孔が形成されている。ジャイロビート吐水としては、散水ノズル5dが水の勢いによってすりこぎ運動(歳差運動)することで3本のノズル孔からの螺旋を描くような吐水が行われる。以上のように、本実施形態のシャワーヘッド1においては、スプレー吐水、ジャイロビート吐水、および滝状吐水の3種類の吐水が行われる。
シャワーヘッド1は、散水板5の吐水孔からの吐水が行われない止水状態、および上述したような3種類の吐水のいずれかの吐水を行う3つの吐水状態の4つの状態のうち、シャワーヘッド1の状態としていずれかの状態を選択するための操作部6を備える。つまり、操作部6は、シャワーヘッド1において、止水状態および3つの吐水状態の計4つの状態の各状態に対応する吐止水モードを切り換えるための構成である。操作部6は、本体部2と把持部3との間の部分、つまり本体部2に対する把持部3の付け根部分において、散水板5が臨む開口部2a側と同じ側に設けられている。
操作部6は、使用者等によって直接操作される部分となるスライド操作部材としてのスライド円盤11を有する。スライド円盤11は、本体ケース4から一部が露出した状態で、所定の方向にスライド可能に設けられる。すなわち、操作部6の操作としては、スライド円盤11を所定の方向にスライドさせる操作が行われる。そして、操作部6におけるスライド円盤11のスライド操作により、吐止水モードが切り換えられ、シャワーヘッド1が、上述したような止水状態および3つの吐水状態のうちのいずれかの状態に対応する吐止水モードとなる。
操作部6の操作による吐止水モードの切換えは、シャワーヘッド1が有する複数の通水路の開閉状態を切り換えることに相当する。つまり、操作部6が操作されることで、シャワーヘッド1における複数の通水路の開閉状態が、各吐止水モードに対応した開閉状態に切り換わる。シャワーヘッド1は、複数の通水路の開閉状態を切り換えるための構成として、流路切換機構20を内蔵する。すなわち、操作部6の操作によるスライド円盤11のスライド動作に連動して流路切換機構20が動作し、複数の通水路の開閉状態が切り換えられる。
本実施形態のシャワーヘッド1は、操作部6の操作によって開閉状態が切り換えられる複数の通水路として、上述した3つの吐水状態の各吐水状態に対応する通水路を有する。シャワーヘッド1が有する通水路について詳細に説明する。
本体ケース4の把持部3を構成する部分の内部においては、シャワーヘッド1が有する通水路の上流側の部分を構成する基部側水路が設けられる。基部側水路は、本体ケース4内における主に把持部3の部分に組み込まれる上流側通水路形成部材によって形成される。上流側通水路形成部材は、筒状ないし棒状の外形を有する把持部3の形状に沿う細長い筒状の部材であり、把持部3の長手方向に沿う基部側水路を形成する。基部側水路の上流側端部は、上述したようにシャワーホースが接続される接続口3aに臨む。
基部側水路は、流路切換機構20が設けられる部分において、第1分岐水路、第2分岐水路、および第3分岐水路の3つの水路に分岐する。これらの3つの分岐水路は、本体ケース4内における主に本体部2の部分に組み込まれる下流側通水路形成部材によって形成される。ここで、第1分岐水路は、スプレー吐水孔部5aに連通し、第2分岐水路は、ジャイロビート吐水孔部5bに連通し、第3分岐水路は、滝状吐水孔部5cに連通する。
すなわち、本体ケース4の内部においては、操作部6の操作によって開閉状態が切り換えられる複数の通水路として、基部側水路から第1分岐水路によってスプレー吐水孔部5aに導かれる第1の通水路と、基部側水路から第2分岐水路によってジャイロビート吐水孔部5bに導かれる第2の通水路と、基部側水路から第3分岐水路によって滝状吐水孔部5cに導かれる第3の通水路との3つの通水路が存在する。そして、基部側水路から各分岐水路への分岐部分に設けられた流路切換機構20により、3つの通水路の開閉状態が切り換えられる。
本実施形態のシャワーヘッド1においては、操作部6を構成するスライド円盤11と、スライド円盤11に連動して作動する流路切換機構20とを含む構成が、一体的な流路切換ユニット10として構成されている。つまり、操作部6を構成するスライド円盤11は、3つの通水路の開閉状態を切り換える流路切換機構20を含む流路切換ユニット10の一部として設けられている。
図2に示すように、流路切換ユニット10は、全体として略直方体形状の外形を有する。流路切換ユニット10において、スライド円盤11は、略正方形状となる一方の板面側に臨むように設けられる。また、流路切換ユニット10においては、スライド円盤11が臨む側の面を上面とした場合における4つの側面のうちの1つの側面に、1つの流入口12が開口している。一方、流路切換ユニット10の4つの側面のうち流入口12が開口する側と反対側の側面には、3つの流出口13が開口している。1つの流入口12には、上述したような3つの通水路の共通部分を構成する基部側通水路の下流側が連通する。また、3つの流出口13の各流出口13には、3つの通水路を構成する第1分岐水路、第2分岐水路、および第3分岐水路の3つの水路のいずれかの上流側が連通する。
そして、1つの流入口12と3つの流出口13の連通状態と非連通状態とが、流路切換機構20の動作によって切り換えられる。つまり、1つの流入口12と3つの流出口13との間における連通状態と非連通状態とを切り換えることが、3つの通水路の開閉状態を切り換えることに相当する。具体的には、3つの通水路の開閉状態としては、1つの流入口12に対していずれか1つの流出口13を連通させ他の2つの流出口13を非連通状態とした3つの吐水状態と、1つの流入口12に対して全ての流出口13を非連通状態とした止水状態とが存在する。このように、1つの流入口12に対して1つの流出口13を連通させた状態が、その流出口13が連通する分岐水路によって構成される通水路を開いた状態であり、1つの流入口12に対する連通が断たれた状態が、その連通が断たれた流出口13が連通する分岐水路によって構成される通水路を閉じた状態である。したがって、流路切換機構20によって切り換えられる各吐水状態は、3つの通水路のうちいずれか1つの通水路が開かれた状態である。
流路切換ユニット10は、スライド円盤11が設けられる側の面が本体ケース4の表面側に臨むように、本体ケース4内に組み込まれた状態で設けられる。ここで、流路切換ユニット10は、通水路を構成する基部側水路に連通する流入口12が開口する側の面が把持部3の接続口3a側を向き、かつ通水路を構成する各分岐水路に連通する流出口13が開口する側の面が本体部2の先端側を向くように設けられる。流路切換ユニット10が本体ケース4内に組み込まれることで、流路切換ユニット10を構成する流路切換機構20は、本体ケース4に収納された状態となる。
以上のような構成において、シャワーホースから本体ケース4内に流れ込む水は、把持部3内の基部側水路を通って流入口12から流路切換ユニット10の流路切換機構20内において形成された流路に流れ込む。そして、吐止水モードがいずれかの吐水状態の場合、流路切換機構20内の流路に流れ込んだ水は、3つの通水路のうち開いた状態の通水路に対応する1つの流出口13からその流出口13が連通する分岐水路に流れ出し、その分岐水路が連通する散水板5のいずれかの吐水口から吐水される。一方、吐止水モードが止水状態の場合、流路切換機構20内の流路に流れ込んだ水は、どの流出口13からも流れ出すことが規制され、流路切換機構20内において流れを停止させた状態となる。このような流水経路が形成される各吐止水モード、つまり3つの吐水状態および止水状態の各状態が、操作部6におけるスライド円盤11のスライド方向について選択的な操作によって選択される。
以上のように、本実施形態のシャワーヘッド1は、3つの吐水状態に対応した3つの通水路の開閉状態を切り換えることにより、止水状態および3つの吐水状態の各状態に対応する吐止水モードが切り換えられる構成を備える。そして、本実施形態のシャワーヘッド1は、3つの通水路の開閉状態を切り換える流路切換機構20と、流路切換機構20を収納する筐体としての本体ケース4から一部が露出した状態で設けられ、操作を受けて摺動することで流路切換機構20を作動させるスライド操作部材としてのスライド円盤11とを備える。
以下では、本実施形態に係る流路切換ユニット10について、図2〜図10を用いて詳細に説明する。なお、図8(a)は、図7(a)におけるC−C断面図であり、図8(b)は、図7(b)におけるD−D断面図である。また、図9(b)は、同図(a)におけるE−E断面図である。また、図10(b)は、同図(a)におけるF−F断面図である。また、以下の説明では、全体として略直方体形状の流路切換ユニット10において、スライド円盤11が設けられる側(スライド円盤11の一部が露出する面側、図3において上側)を上側とし、その反対側の面側を下側として、上下方向を鉛直方向とする。また、流路切換ユニット10において流入口12が開口する面側を上流側または後側とし、その反対側となる流出口13が開口する面側を下流側または前側とする。また、平面視(上面視)で上下方向となる前後方向に直交する方向を左右方向とし、平面視で前側が上側となる向きにおける左右を流路切換ユニット10における左右とする。
流路切換ユニット10は、操作部6を構成するスライド円盤11と、3つの通水路の開閉状態が切り換えるための流路切換機構20と、流路切換ユニット10の外観部品となる円盤ガイド部材14とを有する。
スライド円盤11は、操作部6に対する操作の際に使用者等によって直接操作される部材である。スライド円盤11は、平らな円板状の基部11aと、基部11aの上側の板面の中央部に設けられた操作突部11bとを有する。操作突部11bは、基部11aの上側の板面の中央部において上側に向けて突出する円板状ないしは円柱状の部分である。すなわち、操作突部11bは、基部11aに対する縮径部分であって、スライド円盤11は、全体として略ハット状の外形を有する。
スライド円盤11は、基部11aの板面を水平面に沿わせた状態で2次元的にスライド移動するように設けられる。スライド円盤11は、使用者等による操作を受けることで、所定の方向にスライド移動する。すなわち、スライド円盤11の所定の方向へのスライド移動が、流路切換機構20を動作させて3つの通水路の開閉状態を切り換える。
このように操作を受けることでスライド動作するスライド円盤11においては、操作突部11bの部分が、操作部6の操作に際して使用者の指等が直接接触する部分となる。このため、スライド円盤11は、流路切換ユニット10において操作突部11bを上側に露出させた状態で設けられる。また、操作突部11bの突出側(上側)の端面11cは、全体的に下側に凹む凹面として形成されている。操作突部11bの端面11cが凹面であることにより、操作部6を操作する使用者等の指の動きがスライド円盤11に伝わりやすくなり、良好な操作性が得られる。
流路切換機構20は、流路切換ユニット10の基部を構成するとともに流路切換機構20における通水部を構成する本体21と、本体21の上側に設けられるスライドカバー体22と、流路切換機構20において形成された流路を開閉する平板状の弁体であるディスク弁体23と、スライド円盤11の動きをディスク弁体23に伝える作動棹部24と、作動棹部24の動きをガイドするガイド体25とを有する。
流路切換機構20は、本体21およびスライドカバー体22により、全体として略直方体状の外形をなす。具体的には次のとおりである。本体21は、上面視形状が略正方形状で上側が開放された箱状の形状を有する部材である。また、スライドカバー体22は、略正方形状の板状の外形を有する部材である。これら本体21およびスライドカバー体22は、上面視で互いに略同じ寸法の略正方形状をなす。そして、本体21およびスライドカバー体22が上下に重なることで、各部材の側面からなる面一の側面を有する略直方体状の外形が形成される。
本体21について詳細に説明する。本体21は、上側が開放された箱状の形状を有する部材であり、上流側壁部31、下流側壁部32、左側壁部33、および右側壁部34の前後左右の4つの壁部と底面部とにより上側が開放された通水空間21aを形成する。この本体21内の通水空間21aは、流路切換ユニット10に対して水が流れ込む空間、つまり水の流路となり、上述したように流路切換ユニット10に設けられる流入口12および3つの流出口13と連通する。流入口12は、上流側壁部31の外側(前側)の壁面に開口し、3つの流出口13は、下流側壁部32の外側(後側)の壁面に開口する。
流入口12は、開口形状(横断面形状)が円形状の孔部であって、上流側壁部31を前後方向に貫通するように設けられることで、通水空間21aと連通する。流入口12は、上流側壁部31において上下方向および左右方向の中央位置に設けられている。
3つの流出口13は、開口形状(横断面形状)が円形状の孔部であって、本体21の内部に設けられた台座部35を介して通水空間21aと連通する。3つの流出口13は、下流側壁部32において上下方向の中央よりも下側であって左右方向に所定の間隔を隔てて並んだ位置に開口する。3つの流出口13は、互いに同じ開口寸法(内径)を有し、上下方向について共通の高さ位置に設けられる。なお、本実施形態では、流出口13の孔径は、流入口12の孔径よりも小さい。
台座部35は、本体21内において、通水空間21aを形成する底面の大部分を底上げするように、平面視で略矩形状となるように盛り上がった部分である。台座部35は、本体21における全体の高さの略半分の高さの位置に、底上げされた面として水平方向に沿う平面状の座面35aを形成する。
台座部35は、通水空間21aを形成する4つの壁部との関係において、下流側壁部32ならびに左側壁部33および右側壁部34の前側の端部に対しては連続した部分であるとともに、左側壁部33および右側壁部34の大部分ならびに上流側壁部31に対しては所定の間隔を隔てる。したがって、上流側壁部31の内側(前側)の壁面とこれに対向する台座部35の後側端面との間、左側壁部33の内側(右側)の壁面とこれに対向する台座部35の左側の側面との間、および右側壁部34の内側(左側)の壁面とこれに対向する台座部35の右側の側面との間には、いずれも通水空間21aの一部をなす隙間が存在する。台座部35により、本体21内の空間の下半分の大部分が占められた態様となる。つまり、本体21の通水空間21aは、本体21内の上側の略半分の空間と、上流側壁部31、左側壁部33および右側壁部34の各壁部と台座部35との間の隙間とからなる空間であるといえる。
このように本体21に設けられる台座部35に対して、下流側壁部32の外側の壁面に開口する3つの流出口13は、前後方向に直線状に延びるトンネル状の通路を形成するように設けられる。そして、各流出口13は、台座部35において座面35aに開口するように上下方向に穿設された態様で設けられた縦穴15を介して、通水空間21aに連通する。各縦穴15は、各流出口13に対してトンネル状の通路の奥側(後側)の端部の位置で連通するように設けられる。流出口13と縦穴15とにより、上流側が台座部35の座面35aに開口するとともに下流側が下流側壁部32の外側の壁面に開口する側面視でL字状の通路が形成される(図8(a)参照)。3つの縦穴15は、互いに同じ形状・寸法で形成される。
本実施形態では、3つのトンネル状の流出口13について、左側の流出口13bおよび右側の2つの流出口13cの方が中央の流出口13aよりも長くなるように形成されている。つまり、左右の2つの流出口13b、13cの後端は、中央の流出口13aの後端よりも奥側(後側)に位置する。したがって、各流出口13に対して後側の端部の位置で連通するように設けられる3つの縦穴15の位置関係は、座面35aに臨む開口部について、各開口部の開口形状の中心位置を結ぶ直線が平面視で前側を頂点側とする二等辺三角形状をなす位置関係となる。なお、本実施形態では、縦穴15の開口部の開口形状は、左右方向を長手方向とする略矩形状である。
このように本体21において形成される流入口12、通水空間21a、3つの縦穴15から流出口13へと繋がる水の流路は、上述したように流路切換機構20の動作によって開閉状態が切り換わる3つの通水路の一部を構成する。そして、この通水路は、本体21内において通水空間21aに臨む3つの縦穴15によって分岐する。このように、3つの通水路の分岐部分は、流路切換機構20の本体21内に存在する。
以上のような本体21に対して、通水空間21a内において、台座部35の座面35a上に、ディスク弁体23が設けられる。ディスク弁体23は、台座部35の座面35a上においてスライド移動可能に設けられ、そのスライド移動によって位置を変化させることで、座面35aに開口した3つの縦穴15を選択的に開閉する。
図9(a)、(b)に示すように、ディスク弁体23は、全体として略矩形板状の部材であり、平面視で台座部35の座面35aの大きさの範囲内に収まる程度の大きさを有する。ディスク弁体23は、平板状の板状基部23aと、板状基部23aの上側の板面の中央部に設けられた軸受部23bとを有する。
板状基部23aは、略矩形板状の部分であり、互いに対向する一対の辺部の中央部に、矩形状の切欠部23cが形成されている。互いに対向する一対の辺部に設けられた切欠部23cは、板状基部23aの平面視形状において各辺部で凹部として現れる。ディスク弁体23の平面視形状をなす板状基部23aは、互いに反対側に設けられる一対の切欠部23cを有することで、平面視で略H字形状の外形をなす。ディスク弁体23は、台座部35上において、一対の切欠部23cが左右両側を向くように設けられる。
軸受部23bは、板状基部23aの上側の面から平面視で円形状に突出する部分であり、左右の切欠部23cの間の部分に位置する。軸受部23bは、すり鉢形の形状を有する部分であり、ディスク弁体23の上面側の中央部において凹球面状の軸受面23dを形成する部分である。軸受部23bは、後述するように作動棹部24の下側の端部を受け入れる部分である。また、ディスク弁体23において、板状基部23aの軸受部23bが設けられる側と反対側の面である下面23eは、平らな面として形成されている。
ディスク弁体23は、その下面23eを台座部35の座面35aに対向させるとともに下面23eを座面35aに略接触させた状態で設けられる。具体的には次のとおりである。ディスク弁体23と台座部35との間には、弁座部材26が介設される(図5参照)。弁座部材26は、ディスク弁体23が着座する弁座を形成する。また、弁座部材26は、ゴム等の合成樹脂材料からなる弾性部材であって、ディスク弁体23によって選択的に開閉される3つの縦穴15に対するシール部材として機能する。
弁座部材26は、3つの縦穴15の周囲を囲むように、縦穴15の開口形状に沿った形状を有する。本実施形態では、弁座部材26は、上述したように開口部の各開口形状の中心位置を結ぶ直線が平面視で二等辺三角形状をなす位置関係で配置された3つの縦穴15の周囲を囲むような一体の弾性部材として形成されている。したがって、弁座部材26は、各縦穴15の開口形状・寸法に対応した左右方向を長手方向とする略矩形状の無端状(環状)の部分が3つの縦穴15の位置関係と同様の位置関係で繋がったような形状を有する。
弁座部材26は、台座部35の上面に形成された嵌合溝35bに嵌った状態で設けられる。嵌合溝35bは、弁座部材26の平面視形状と同様の形状に沿って形成されている。嵌合溝35bは、弁座部材26の厚さ(上下方向の寸法)よりも若干短い深さ(上下方向の寸法)で形成されている。これにより、弁座部材26は、嵌合溝35bに嵌め込まれた状態で、上側の部分を座面35aの表面から一部突出させた状態となる。つまり、弁座部材26が嵌合溝35bに嵌め込まれることにより、弁座部材26の上側の部分によって座面35a上に弁座部材26の平面視形状に沿う突条部分が形成された状態となる。
このように嵌合溝35bに嵌め込まれた弁座部材26によって突条部分が形成された座面35a上に、ディスク弁体23が平坦面である下面23eを弁座部材26に接触させるように設けられる。ディスク弁体23は、流入口12から通水空間21aに流入する水の圧力等によって座面35aに押し付けられた状態となる。これにより、嵌合溝35bから一部を突出させた状態の弁座部材26は、ディスク弁体23によって下面23e側から押圧され、弾性によって圧縮変形して潰れた状態となり、シール機能を発揮させる。以上のように、ディスク弁体23は、座面35a上に突出する弁座部材26を下面23eによって押圧して圧縮変形させることで、下面23eを座面35aに略接触させた状態となる。
このように弁座部材26を介して座面35a上に設けられるディスク弁体23は、座面35aに開口した3つの縦穴15を選択的に開閉するために、座面35a上にて摺動する。ディスク弁体23の摺接部分については、例えば耐水性のグリース等の潤滑剤が塗布されることで、例えばゴム製の弁座部材26に接触するディスク弁体23について良好な摺動性が得られる。
ディスク弁体23は、平面視で略H字形状となる外形を利用して、座面35a上で摺動して位置を変化させることで、3つの縦穴15を選択的に開閉する。縦穴15は、座面35aに臨む開口部を囲む弁座部材26に圧接した状態となるディスク弁体23により上側から覆われることで閉じた状態となり、平面視でディスク弁体23が重なることなく開口部が露出することで開いた状態となる。
ディスク弁体23の動作によって切り換わる縦穴15の開閉状態が、3つの縦穴15によって分岐する3つの通水路の開閉状態に相当する。つまり、ディスク弁体23によって縦穴15が閉じられることで、その縦穴15から分岐する通水路が閉じた状態となり、縦穴15が開かれることで、その縦穴15から分岐する通水路が開いた状態となる。そして、座面35a上におけるディスク弁体23の位置により、3つの縦穴15の開閉状態、つまり3つの通水路の開閉状態の開閉パターンが選択される。この3つの通水路の開閉状態の開閉パターンが、各吐止水モードに対応して存在する。ディスク弁体23の位置による3つの縦穴15の開閉状態(3つの通水路の開閉状態)の開閉パターンについては後述する。
なお、本実施形態では、台座部35とディスク弁体23との間に介在する弁座部材26は、3つの縦穴15の開口部に対応する3つの無端状の部分が一体となった部材であるが、弁座部材26としては、各縦穴15の開口部に対して個別の部材として設けられてもよい。ただし、組立て作業性の観点からは、本実施形態の弁座部材26のように一体の部材であることが好ましい。また、ディスク弁体23が例えばセラミックス等を材料として構成されることで、摺動面となる下面23eについて、ディスク弁体23と座面35aとの間で十分な摺動性およびシール性が得られるような面精度が実現される場合は、弁座部材26を省略することができる。
本体21の上側の開放部には、略矩形板状の外形を有する部材であるガイド体25が設けられている。ガイド体25は、本体21の上側の開放部に嵌り込んだ状態で設けられる。このため、ガイド体25は、平面視において本体21の上側の開口部の形状・寸法と略同じ形状・寸法を有する。本体21に上側から嵌り込んだ状態のガイド体25は、本体21の左側壁部33および右側壁部34の上端部の内側に形成された段差面33a、34aにより支持される。ガイド体25により、本体21内の通水空間21aが上側から略塞がれた状態となる。ガイド体25は、その上面25bが本体21の上側の端面と略同一面を形成するように設けられる。
ガイド体25と本体21との間には、シール部材としてのOリング41が設けられる。Oリング41は、略矩形状となるガイド体25の周縁の全周にわたって形成され略U字形状の断面形状をなす外周溝25aに嵌ることで、ガイド体25に外嵌された状態で設けられる。Oリング41により、ガイド体25の外周面と本体21の上側の開放部の内周面との間が密閉された状態となる。また、ガイド体25の中央部には、作動棹部24を貫通させる孔部25cが設けられている。
本体21の上側には、スライドカバー体22が設けられる。スライドカバー体22は、流路切換機構20の上側の部分を構成する。スライドカバー体22は、略正方形状の板状の部材であり、略同一面上に位置するガイド体25の上面25bと本体21の上側の端面の上に乗った状態で設けられる。スライドカバー体22とガイド体25との間には、シール部材としてのOリング42が設けられる。Oリング42は、ガイド体25の上面25bにおいて上面25bの中心位置を中心とする円周に沿って形成された円環状の溝部25dに嵌り込んだ状態で設けられる(図5参照)。Oリング42により、ガイド体25の上面25bとスライドカバー体22の下面との間が密閉された状態となる。また、スライドカバー体22の中央部には、作動棹部24を貫通させる孔部22cが設けられている。スライドカバー体22の孔部22cは、ガイド体25の孔部25cと連続して、作動棹部24を収納する空間を形成する。
作動棹部24は、球状の外形を有する球状基部43と、球状基部43の所定の直径方向に沿って球状基部43の両側から突出する固定軸部44および可動軸部45とを有する。つまり、固定軸部44および可動軸部45は、球状基部43とともに球状基部43の中心を通る所定の軸線に沿う軸部(以下「作動軸部」という。)を構成する。したがって、球状基部43ならびに固定軸部44および可動軸部45は、外形的には、球状基部43に対して1本の軸状の部分が球状基部43の中心位置を通るように貫通したような態様をなす。
固定軸部44は、軸状の部材である固定軸体44aが球状基部43の表面に開口する挿入穴43aに差し込まれることにより構成される。固定軸体44aは、その長手方向の略半分を球状基部43の表面から突出させた状態で設けられる。固定軸体44aは、例えばPOM(ポリアセタール)等の樹脂材料からなる部材である。
可動軸部45は、球状基部43の表面において固定軸体44aが差し込まれる挿入穴43aと反対側に開口する挿入穴43bに、球状基部43の径方向に進退可能に差し込まれる可動軸体45aにより構成される。つまり、可動軸体45aは、挿入穴43bに差し込まれて球状基部43の表面から一部を突出させた状態で設けられるとともに、球状基部43の表面からの突出長さが変化するように、球状基部43に対して軸方向(球状基部43の径方向)に沿って移動可能に設けられる。可動軸体45aの先端部45dは、略半球面状の先細りの形状を有する。
可動軸部45を構成する可動軸体45aは、バネ45bにより、球状基部43に対して径方向外側(表面から突出する方向)に向けて付勢された状態で設けられる。バネ45bは、可動軸体45aにおいて軸方向の略全体にわたって形成されたバネ挿入穴45cに挿入された状態で、挿入穴43b内において球状基部43に対して可動軸体45aを径方向外側に向けて付勢する。バネ挿入穴45cは、可動軸体45aの後端側にて開口して可動軸体45aの先端側を底側とする穴部である。バネ挿入穴45cを有する可動軸体45aは、先端部45dと反対側が開口した筒状の部材となる。バネ45bは、一端側を可動軸体45aが挿入される挿入穴43bの底面に当接させるとともに、他端側を可動軸体45aのバネ挿入穴45cの底面に当接させた状態で、可動軸体45aを付勢する。
このように、作動棹部24が有する可動軸部45は、バネ45bによって球状基部43の径方向外側に付勢された状態で設けられる可動軸体45aを有することで、球状基部43の表面からの突出長さを変化させる。可動軸部45の突出長さが変化することで、作動棹部24において作動軸部全体としての軸方向の長さが変化する。
以上のように球状基部43、固定軸部44、および可動軸部45を有する作動棹部24は、流路切換機構20内において、球状基部43の部分が位置決めされた状態で、かつ作動軸部が傾倒するように回動可能に設けられる。具体的には、作動棹部24は、球状基部43の部分を、上述したように互いに連続するスライドカバー体22の孔部22cとガイド体25の孔部25cとによって形成される空間内に位置させる。作動棹部24は、スライドカバー体22の孔部22cの上端開口部に設けられた縮径部22dに対して球状基部43を下側から係止させることで、上側への移動が規制されながら、下側については、可動軸部45の先端部45dをディスク弁体23の軸受部23bに嵌合させることでディスク弁体23に係合して支持された状態となる。ここで、可動軸部45のディスク弁体23に対する係合支持部は、凹球面状の軸受面23dに対して凸球面状の先端部45dが嵌合した部分となる。
作動棹部24の球状基部43の部分を上側で支持するスライドカバー体22の孔部22cの縮径部22dは、孔部22cの上端部分の孔径を他の部分に対して小さくする部分であり、孔部22cにおいては、径方向の内側(孔部22cの中心側)に向けて円周状に突出した部分となる。ここで、球状基部43と縮径部22dとの間には、Oリング46が設けられている。Oリング46は、縮径部22dの内周面に形成された段差部に嵌合した状態で設けられ、球状基部43によって下側から押圧され圧縮変形した状態となる。Oリング46により、球状基部43とスライドカバー体22の縮径部22dとの間が密閉された状態となる。ここで、Oリング46には、球状基部43に対する摺動性を得るために例えばグリース等の潤滑剤が塗布される。また、作動棹部24は、スライドカバー体22の孔部22cから球状基部43の上端部をスライドカバー体22の上面22aに臨ませ、固定軸部44を孔部22cから上面22aよりも上側に突出させた状態で設けられる。
一方、作動棹部24の下側の部分については、作動棹部24は、上記のとおり可動軸部45の先端部45dをディスク弁体23の軸受部23bに嵌合させることで、バネ45bによる可動軸体45aの突出側への付勢力の反作用として、球状基部43において上側への付勢力を受ける。このように球状基部43がバネ45bから受ける付勢力により、作動棹部24のOリング46に対する圧接作用が得られる。また、バネ45bによる可動軸体45aに対する付勢力は、ディスク弁体23を下側に押圧し、流入口12から通水空間21aに流入する水の圧力とともに、嵌合溝35bから一部を突出させた状態の弁座部材26を圧縮させる。
このように流路切換機構20内において位置決めされ支持された状態で設けられる作動棹部24は、球状基部43の中心位置に相当する仮想の支点C1を中心として、作動軸部を傾倒させるように回動する。支点C1は、作動棹部24の作動軸部の軸線上に存在することになる。作動棹部24の支点C1を中心とする回動については、例えば、スライドカバー体22の孔部22cから上側に突出する固定軸部44が右側に移動する向きの回動は、作動軸部の傾倒により、固定軸部44と同軸上に位置する可動軸部45を左側に移動させる。同様にして、例えば、作動棹部24の固定軸部44が後側に移動する向きの回動は、可動軸部45を前側に移動させる。
このように支点C1を中心として回動する作動棹部24においては、作動軸部の軸線方向を回転軸方向とする回動が規制される。このため、作動棹部24においては、球状基部43の表面から突出する係止突部43dが設けられている。係止突部43dは、球状基部43の下半部において、作動棹部24の作動軸部の軸線を通る断面視でその軸線方向に対して直交する方向に沿って両側に突出するように2箇所に設けられている。
係止突部43dは、球状基部43の収納空間を形成するスライドカバー体22の孔部22cおよびガイド体25の孔部25cのそれぞれにおいて左右方向に対向するように形成された凹部22e、25e内に位置する。スライドカバー体22およびガイド体25の凹部22e、25eは、それぞれ、前後方向に対向する一対の壁面と、左右方向の外側の壁面とによって下面視で凹形状をなす(図5、図10(a)、(b)、(c)参照)。スライドカバー体22において、凹部22eは、孔部22cの縮径部22dの下側の部分に形成されている。また、ガイド体25において、凹部25eは、孔部25cにおいて孔部22cの凹部22eと連続するように形成されている。スライドカバー体22およびガイド体25は、それぞれの凹部22e、25eの位置を互いに整合させ、連続的な凹部を形成する。このようにして形成される凹部22e、25eの前後の壁面のいずれかの壁面に、2箇所の係止突部43dのうち少なくともいずれか一方が接触することで、作動棹部24による作動軸部の軸線方向を回転軸方向とする回動が規制される。
以上のような構成を備える流路切換機構20に対して、スライドカバー体22の上側に、スライド円盤11が設けられる。スライド円盤11は、基部11aの下側の面となる底面11dをスライドカバー体22の上面22aに対向させた状態で設けられる。スライド円盤11とスライドカバー体22との間には、複数の鋼球47が設けられる。鋼球47は、例えばステンレス鋼等の金属製の球体である。鋼球47は、スライドカバー体22の上面22aに形成された凹球面部に嵌ることで位置決めされた状態で回転可能に設けられる。本実施形態では、鋼球47は、スライドカバー体22の孔部22c周りに略等角度間隔に4箇所に設けられている。スライド円盤11は、スライドカバー体22に対して4箇所の鋼球47で点接触した状態で水平方向に摺動する。鋼球47は、スライド円盤11の移動にともなって上面22aの凹球面部に嵌った状態で摩擦力により回転する。このような構成により、スライド円盤11が摺動する際の抵抗が小さくなり、スライド円盤11について良好な摺動性が得られる。
スライド円盤11の底面11dには、スライドカバー体22の孔部22cから上側に突出する作動棹部24の固定軸部44を係止させる係止穴部11eが形成されている。係止穴部11eは、円板状のスライド円盤11の基部11aの中央の位置に設けられている。係止穴部11eは、上述したような支点C1を中心として回動する作動棹部24に対し、少なくとも上面22aからの突出量が最大となった状態の固定軸部44を受け入れる深さを有する。
スライド円盤11の上側には、円盤ガイド部材14が設けられている。円盤ガイド部材14は、流路切換ユニット10の外観部材であり、シャワーヘッド1に流路切換ユニット10が組み込まれた状態で本体ケース4から露出した状態となる。円盤ガイド部材14は、流路切換機構20の平面視形状に対応して略正方形状の外形を有する略板状の基部14aと、基部14aの四隅において下側に突出する柱部14bとを有する。円盤ガイド部材14は、4箇所の柱部14bの下端面をスライドカバー体22の上面22aに接触させた状態で設けられる。
基部14aの中央部には、スライド円盤11の基部11aを臨ませる円形状のガイド孔部14cが形成されている。円盤ガイド部材14は、基部14aの部分によってスライド円盤11の基部11aの一部を上側から覆うとともに、ガイド孔部14c内にてスライド円盤11の操作突部11bを貫通させる。これにより、スライド円盤11の操作突部11bおよび基部11aの一部がシャワーヘッド1の本体ケース4から露出した状態となる。なお、スライド円盤11の操作突部11bの上端の位置は、円盤ガイド部材14の基部14aの上面14dよりもわずかに上側に位置する。ガイド孔部14cは、スライドカバー体22上でスライド移動するスライド円盤11の所定の範囲での摺動を許容する大きさを有する。
柱部14bは、基部14aを、スライドカバー体22の上面22aに対して上側に所定の間隔を隔てて位置させ、基部14aとスライドカバー体22との間にスペースを形成する。この基部14aとスライドカバー体22との間のスペースに、スライド円盤11の基部11aが位置する。柱部14bによってスライドカバー体22の上面22aに対して間隔を隔てた状態となる基部14aの下面14eは、スライド円盤11の基部11aの上面11fに対して若干の隙間を隔てた位置で対向する。
円盤ガイド部材14の四隅の柱部14bは、スライドカバー体22上を摺動するスライド円盤11の移動をガイドする機能を有する。柱部14bは、スライド円盤11の移動をガイドする面として、平面視でガイド孔部14cの中心位置に向けて凸な曲面を形成する曲面部14fを有する(図5、図6参照)。スライド円盤11の基部11aの外周面が柱部14bの曲面部14fに接触することで、摺動するスライド円盤11の移動範囲が規制されて移動経路が規定される。本実施形態では、スライド円盤11は、流路切換機構20の平面視形状に対して中心を合わせた位置を中心位置として前後左右方向にそれぞれ同じ距離だけ移動するように設けられる。つまり、スライド円盤11は、前後左右方向に向く略十字状の経路に沿って移動する。このようなスライド円盤11の前後左右の移動が、円盤ガイド部材14の四隅の柱部14bにおいて形成される曲面部14fによってガイドされる。
このようにスライドカバー体22上に円盤ガイド部材14が設けられる構成においては、流路切換ユニット10の4方の各側面視においてスライドカバー体22と円盤ガイド部材14との間かつ柱部14b間に横長のスリット状の開口部40が形成される(図2参照)。このスリット状の開口部40は、前後左右方向に移動するスライド円盤11の基部11aの端部を出没させる。
また、スライド円盤11と円盤ガイド部材14との間には、スライド円盤11とスライドカバー体22との間と同様に、複数の鋼球48が設けられる。鋼球48は、円盤ガイド部材14の基部14aの下面14eに形成された凹球面部に嵌ることで位置決めされた状態で設けられる。本実施形態では、鋼球48は、円盤ガイド部材14のガイド孔部14c周りに略等角度間隔に4箇所に設けられている。鋼球48の配置位置は、スライド円盤11とスライドカバー体22との間に設けられる4個の鋼球47の配置位置に対してガイド孔部14cの中心位置を基準に平面視で略45°ずれた位置となっている。スライド円盤11は、円盤ガイド部材14に対して4箇所の鋼球48で点接触した状態で水平方向に摺動する。このように、スライド円盤11は、その上下に配置される円盤ガイド部材14およびスライドカバー体22に対して、基部11aの部分が上下各4箇所の計8箇所で鋼球によって点接触した状態で支持される。これにより、スライド円盤11が摺動する際の抵抗が小さくなり、スライド円盤11について良好な摺動性が得られる。
このようにスライドカバー体22と円盤ガイド部材14との間に設けられるスライド円盤11は、上述したように前後左右方向のいずれかの方向に移動することで、底面11dの係止穴部11eにおいて固定軸部44を係止させたディスク弁体23を、支点C1を中心に作動軸部が傾倒するように回動させる。このようにディスク弁体23が回動することで、ディスク弁体23が座面35a上において摺動し、所定の場所に移動する。このようなスライド円盤11の摺動に連動したディスク弁体23の移動により、座面35aに開口する縦穴15が選択的に開閉される。縦穴15の選択的な開閉は、3つの通水路を選択的に開閉することに相当する。
また、流路切換ユニット10においては、下から順に積み重なった本体21、スライドカバー体22、および円盤ガイド部材14に対して、略正方形状となる平面視形状の四隅の部分において円盤ガイド部材14の上側から上下方向に沿って螺挿されるボルト(図示せず)により、本体21、スライドカバー体22、および円盤ガイド部材14が互いに締結固定される。このため、本体21においては、その平面視形状における四隅に、本体21の上側端面に開口するネジ穴21bが形成されている。また、スライドカバー体22および円盤ガイド部材14においては、その平面視形状における四隅に、ボルトを挿通させる挿通孔22h、14hが形成されている。なお、円盤ガイド部材14の挿通孔14hは、四隅に設けられた柱部14bを上下方向に貫通する。また、外観部品である円盤ガイド部材14においては、四隅の挿通孔14hの上側の開口部周りに、ボルトの頭部が収まる凹部が形成されている。そして、ボルトは、上側から円盤ガイド部材14およびスライドカバー体22のそれぞれの挿通孔14h、22hを貫通して、本体21のネジ穴21bにねじ込まれる。これにより、本体21、スライドカバー体22、および円盤ガイド部材14が互いに締結固定されるとともに、作動棹部24(の球状基部43)、ディスク弁体23、スライド円盤11が上下方向について位置決めされた状態で、一体的な流路切換ユニット10が構成される。
このような流路切換ユニット10において、ディスク弁体23は、球状基部43から突出する方向に付勢された可動軸部45を座面35a上のディスク弁体23に係合させるとともに球状基部43の部分がスライドカバー体22の縮径部22dに係止されることで上下方向について位置決めされる。また、ディスク弁体23は、作動棹部24の可動軸部45によって座面35a上に押さえ付けられることで上下方向について位置決めされる。スライド円盤11は、スライドカバー体22と円盤ガイド部材14の基部14aとの間に鋼球47、48を介して挟まれることで上下方向について位置決めされる。
以上のように、本実施形態に係るシャワーヘッド1において流路切換ユニット10を構成する流路切換機構20は、平板状のスライド弁体であるディスク弁体23と、ディスク弁体23を移動させる作動棹部24とを有する。ディスク弁体23は、スライド円盤11の摺動に連動して移動することで3つの通水路を選択的に開閉する。作動棹部24は、一端側(上端側)がスライド円盤11に係合し他端側(下端側)がディスク弁体23に係合する作動軸部を含み、スライド円盤11の摺動動作にともない、作動軸部の軸線上に存在する仮想の支点C1を中心として回動することでディスク弁体23を移動させる。
また、本実施形態に係る流路切換ユニット10においては、上述したように流路切換機構20の平面視形状に対して中心を合わせた位置(以下「移動中心位置」という。)を基準として前後左右にスライド移動するスライド円盤11について、移動中心位置から前後左右のそれぞれの方向に所定の距離移動した各位置が、シャワーヘッド1を止水状態および3つの吐水状態の各状態に対応する吐止水モードのうちのいずれかの吐止水モードとする選択位置(以下「モード選択位置」)となる。つまり、本実施形態の流路切換ユニット10は、スライド円盤11のスライド位置について4箇所のモード選択位置を有する。スライド円盤11が各モード選択位置にある状態では、シャワーヘッド1における3つの通水路(縦穴15)が選択的に開閉された状態となる。
このように複数のモード選択位置に移動するスライド円盤11を備える本実施形態の流路切換ユニット10は、スライド円盤11を各モード選択位置で保持するための保持機構を備える。流路切換ユニット10は、保持機構として、スライドカバー体22の上面22aに対して出没可能にかつ上面22aから突出する方向(上向き)に付勢された状態で設けられる付勢係止部材51を有する。
付勢係止部材51は、例えばステンレス鋼等の金属製の部材であって、筒軸方向の一側が開口した略筒状の形状を有する。付勢係止部材51において、筒軸方向の開口側と反対側には、先端部が凸球面状となるように略テーパ状に突出した当接部51aが形成されている。
付勢係止部材51は、スライドカバー体22において上面22a側に開口する円形の穴部22jに、開口側から(当接部51aを上側に向けて)挿入された状態で設けられる。穴部22jは、付勢係止部材51を水平方向について位置決めするとともに付勢係止部材51の上下方向の移動を許容する程度の穴径を有する。また、穴部22jは、少なくとも付勢係止部材51の略全体を収める深さを有する。
付勢係止部材51は、バネ52により、スライドカバー体22の上面22aから突出する方向に付勢される。バネ52は、付勢係止部材51の穴部51b内に一端側の開口から挿入される(図6参照)。バネ52は、下端側を穴部22jの底面に当接させ、上端側を付勢係止部材51の穴部51bの底面(上面)に当接させた状態で、付勢係止部材51をスライドカバー体22に対して上側に付勢する。
このようにスライドカバー体22においてバネ52によって上方に向けて付勢支持された付勢係止部材51に対して、スライドカバー体22の上面22aに対向するスライド円盤11の底面11dには、付勢係止部材51の当接部51aが嵌る凹球面状の係止凹部11gが形成されている。
本実施形態では、スライド円盤11は、移動中心位置を基準に前後左右の4箇所のモード選択位置に移動するため、付勢係止部材51は、各モード選択位置に対応して、スライドカバー体22の上面22aの中心位置を基準に前後左右の4箇所に設けられている。これに対応して、スライド円盤11の係止凹部11gは、4箇所の各付勢係止部材51の嵌合を受けるように4箇所に設けられている。付勢係止部材51および係止凹部11gは、スライド円盤11が各モード選択位置にある状態で付勢係止部材51の当接部51aがスライド円盤11の係止凹部11gに嵌るような位置に設けられる。なお、各付勢係止部材51は、スライドカバー体22においてスライド円盤11との間に介在する鋼球47が設けられる位置と干渉しない位置に設けられる。本実施形態では、付勢係止部材51は、4箇所の鋼球47に対して平面視でスライドカバー体22の上面22aの中心位置を基準に略45°ずれた位置に設けられている。
以上のような構成の保持機構によれば、スライド円盤11がどのモード選択位置にも位置しない場合、4箇所の付勢係止部材51は、いずれも鋼球47を介して上面22aに対向するスライド円盤11の底面11dに対してバネ52の付勢力によって圧接した状態となる。かかる状態では、スライド円盤11は、その底面11d側について4箇所の鋼球47に加えて4箇所の当接部51aにより当接支持された状態となる。そして、スライド円盤11がどのモード選択位置にも位置しない状態からいずれかのモード選択位置に達することで、スライド円盤11の係止凹部11gが付勢係止部材51上に位置し、付勢係止部材51がバネ52の付勢力によって上方に突出して当接部51aを係止凹部11gに嵌り込ませる。これにより、スライド円盤11の水平方向の移動が規制され、モード選択位置でスライド円盤11が保持された状態となる。
一方、スライド円盤11がモード選択位置で保持された状態、つまり付勢係止部材51の当接部51aが係止凹部11gに嵌った状態から、スライド円盤11に水平方向の力が作用することで、係止凹部11gの凹面によって当接部51aを介して付勢係止部材51に下向きの力が加わり、付勢係止部材51がバネ52の付勢力に抗して穴部22j内に入り込み、当接部51aの係止凹部11gに対する嵌合が外れ、スライド円盤11の保持状態が解除される。したがって、保持機構によるスライド円盤11の保持については、スライド円盤11をスライド操作する使用者等の指の力によって解除される程度の保持力に設定される。保持機構の保持力は、バネ52の付勢力や付勢係止部材51の当接部51aおよび係止凹部11gの形状等によって規定される。
以上のように、本実施形態の流路切換ユニット10においては、スライドカバー体22においてバネ52によって付勢された状態で設けられる付勢係止部材51と、付勢係止部材51を嵌合させるスライド円盤11の底面11dに形成された係止凹部11gとを含む構成が、スライド円盤11を、吐止水モードの各モードに対応する3つの通水路の開閉状態をなす所定の位置(モード選択位置)で保持する保持手段として機能する。
また、本実施形態の流路切換ユニット10においては、外観部材である円盤ガイド部材14の表面(上面)のガイド孔部14cの周囲に、スライド円盤11の操作方向を案内する標識60が設けられている。標識60は、スライド円盤11の4箇所のモード選択位置に対応して、平面視でガイド孔部14cの中心位置を基準に前後左右の各位置の4箇所に設けられている。具体的には、左右両側および前側のモード選択位置については、それぞれ3つの吐水状態のうちいずれかの吐水状態に対応した吐止水モードを選択する位置であり、標識60としてそれぞれスライド円盤11の移動方向(操作方向)を向く三角矢印60aが用いられている(図2参照)。また、後側のモード選択位置については、止水状態に対応した吐止水モードを選択する位置であり、標識60として四角形状の印60bが用いられている。このような標識60により、スライド円盤11のモード選択位置が使用者等によって識別される。
以上のような構成を備える本実施形態の流路切換ユニット10の動作について説明する。まず、スライド円盤11とディスク弁体23の連動について、図11を用いて説明する。なお、図11の各図に示す断面は、図3と同様に図2のA−A断面に相当する。
図11(a)に、スライド円盤11が右側のモード選択位置にある状態を示す。かかる状態では、スライド円盤11は、移動中心位置を基準として右側に寄った位置に存在し、基部11aの右側の端部をスリット状の開口部40から突出させる。また、スライド円盤11は、その中心位置に対して右側の係止凹部11gに右側の付勢係止部材51の当接部51aを嵌合させることで保持されて位置決めされた状態となる。また、スライド円盤11は、操作突部11bの外周面をガイド孔部14cの縁部に略接触させた状態となる。
図11(a)に示すように、スライド円盤11が右側のモード選択位置にある状態においては、ディスク弁体23は、中心位置よりも左側に寄った位置に存在する。すなわち、スライド円盤11およびディスク弁体23は、球状基部43によって支点C1を中心として傾動する一直線状の作動軸部の両端部を係合させた状態で連動する構成であることから、スライド円盤11が移動中心位置から右側に移動した状態では、ディスク弁体23は、スライド円盤11と対称にスライド円盤11の移動中心位置に対応する中心位置から左側に寄った位置に存在する。
このように右側のモード選択位置にあるスライド円盤11は、使用者等によってスライド操作されることで、スライドカバー体22の上面22aに沿って水平方向に摺動し、他のモード選択位置に移動する。次では、右側のモード選択位置にあるスライド円盤11が移動中心位置を経て左側のモード選択位置まで移動する場合について説明する。
スライド円盤11は、右側のモード選択位置から左側のモード選択位置まで移動する過程で移動中心位置を経る。図11(b)に、スライド円盤11が移動中心位置にある状態(中立状態)を示す。スライド円盤11が右側のモード選択位置にある状態(図11(a)参照)から中立状態(同図(b)参照)まで移動する過程においては、まず、上述したように保持機構によるスライド円盤11の保持状態が解除され、その後、スライド円盤11の左側への移動にともない、係止穴部11eによってスライド円盤11に係合した状態の作動棹部24の固定軸部44が左側に押され、固定軸部44が左側に移動する方向に作動棹部24が支点C1を中心に回動する。この作動棹部24の回動にともない、作動棹部24の作動軸部が図11(a)に示す断面視で左回りに回動し、軸受部23bによってディスク弁体23に係合した可動軸部45が右側へ移動することにより、中央よりも左側にあったディスク弁体23が可動軸部45に追従して座面35a上をスライドして右側へと移動する。
また、スライド円盤11が右側のモード選択位置から移動中心位置まで移動する過程においては、作動棹部24において球状基部43から突出している可動軸部45の可動軸体45aは、バネ45bによる付勢力に抗して挿入穴43b内へと押し込まれ、球状基部43の表面からの突出量を減少させる。つまり、可動軸体45aの突出量が減少する分、作動棹部24の作動軸部が短縮する。このことは、作動棹部24の回動の中心となる支点C1の位置が3次元的に一定の位置であることと、可動軸部45が係合するディスク弁体23の上下方向の位置が座面35a上における水平方向の位置にかかわらず一定であることに基づく。
図11(b)に示すように、スライド円盤11が移動中心位置にある中立状態では、作動棹部24は、作動軸部の軸線方向を鉛直方向(図11(b)において上下方向)に沿わせた状態となる。同じく中立状態では、可動軸部45の可動軸体45aについては、球状基部43の表面からの突出量が最小となり、固定軸部44の固定軸体44aについては、スライドカバー体22の上面22aからの突出量が最大となる。これに対し、スライド円盤11がいずれかのモード選択位置にある状態では、可動軸部45の可動軸体45aについては、球状基部43の表面からの突出量が最大となり、固定軸部44の固定軸体44aについては、スライドカバー体22の上面22aからの突出量が最小となる。
図11(c)に、スライド円盤11が左側のモード選択位置にある状態を示す。スライド円盤11が移動中心位置から左側のモード選択位置まで移動する過程における動作は、スライド円盤11が右側のモード選択位置から移動中心位置まで移動する過程における動作に対して支点C1の位置を中心として略左右対称な動作となる。すなわち、スライド円盤11が移動中心位置から左側に移動することにともない、固定軸部44側が左側に移動するように作動棹部24が支点C1を中心に回動し、可動軸部45が球状基部43からの突出量を増やしながらディスク弁体23を中央位置から右側に移動させる。そして、スライド円盤11が左側のモード選択位置に達すると、スライド円盤11が基部11aの左側の端部をスリット状の開口部40から突出させた状態で、左側の付勢係止部材51によって保持されて位置決めされた状態となる。
以上のような左右方向についてのスライド円盤11とディスク弁体23との作動棹部24を介する連動動作が、前後方向についても同様に行われる。すなわち、スライド円盤11とディスク弁体23との作動棹部24を介する連動動作としては、スライド円盤11の移動中心位置を起点とする前後左右方向の略十字状の経路に沿うスライド移動にともない、中立状態を基準として前後方向および左右方向について略対称な動作が行われる。スライド円盤11は、あるモード選択位置から他のモード選択位置までの移動経路において、移動中心位置またはその近傍の位置を経ることになる。
以上のように、スライド円盤11とディスク弁体23とは、所定の支点C1を中心として可動軸部45の球状基部43からの突出量を変化させることで作動軸部を伸縮させながら回動する作動棹部24を介することで、互いに反対方向に水平移動するように連動する。ここで、作動棹部24の回動範囲内、つまりスライド円盤11の移動範囲内において、作動軸部の伸縮によって可動軸部45のディスク弁体23に対する係合状態が保持され、可動軸部45の回動に追従するディスク弁体23のスライド動作が得られる。
このような作動棹部24を介したスライド円盤11とディスク弁体23との連動動作においては、スライド円盤11のスライド移動にともなう作動棹部24の作動軸部の支点C1を中心とする回動が、可動軸部45の軸受部23bに対する先端嵌合部によってディスク弁体23に伝達される。そして、可動軸部45の軸受部23bに対する先端支持部は、可動軸部45が凸球面状の先端部45dを凹球面状の軸受面23dに嵌合させた部分、つまりピボット支承された部分となる。
このようなスライド円盤11とディスク弁体23との連動機構においては、可動軸部45によってディスク弁体23に係合する作動軸部が、支点C1を回動中心とするピボットとなる。作動棹部24の作動軸部は、支点C1を中心としてピボット運動することで、スライド円盤11のスライド動作をディスク弁体23に伝達してディスク弁体23をスライドさせる。そして、可動軸部45の先端部のディスク弁体23の軸受部23bに対するピボット支承により、前後左右の全方向について、スライド円盤11のスライド移動にともなう作動棹部24の作動軸部の回動に追従するディスク弁体23の動作が得られる。
なお、可動軸部45のディスク弁体23に対する先端支持部については、例えば可動軸部45の横断面形状およびディスク弁体23の軸受面の形状として、可動軸部45とディスク弁体23との相対回転を規制する略多角形状を採用することで、作動棹部24による作動軸部の軸線方向を回転軸方向とする回動を規制することができる。これにより、作動棹部24による作動軸部の軸線方向を回転軸方向とする回動を規制するための構成について、上述したような球状基部43の係止突部43dならびにスライドカバー体22およびガイド体25の孔部22c、25cの壁面形状による構成を省略することができる。これにより、作動棹部24の球状基部43の形状ならびにスライドカバー体22およびガイド体25の孔部22c、25cの形状の簡素化を図ることができる。
次に、本実施形態の流路切換ユニット10における吐止水モードの選択と通水路の開閉状態の切換わりについて、図12および図13を用いて、外観上のスライド円盤11の位置の変化と、3つの通水路の開閉状態としての3つの縦穴15の開閉状態とを対応させて説明する。図12は、外観上のスライド円盤11の位置の変化のパターンを示し、図13は、3つの通水路の開閉状態のパターンを示す。
なお、図12および図13の各図においては、上側が流路切換ユニット10の前側(下流側)に対応し、下側が流路切換ユニット10の後側(上流側)に対応する。また、図13の各図においては、座面35aに開口する3つの縦穴15の開口形状と、3つの縦穴15を選択的に開閉するディスク弁体23の外形形状とを平面視で模式的に示している。図13の各図においては、ディスク弁体23の外形形状の領域を斜線部で示しており、3つの縦穴15について斜線部で覆われた部分が、ディスク弁体23によって閉じられた部分となる。また、上述したように各開口形状の中心位置を結ぶ直線が平面視で前側を頂点側とする二等辺三角形状をなす位置関係で配置される3つの縦穴15について、前側に位置する縦穴15を第1縦穴15a、左側に位置する縦穴15を第2縦穴15b、右側に位置する縦穴15を第3縦穴15cとする。
図12(a)は、スライド円盤11が左側のモード選択位置にある状態を示す。この状態では、スライド円盤11は、移動中心位置を基準として左側に位置し、基部11aの左側の端部をスリット状の開口部40(図2参照)から突出させる。また、スライド円盤11は、左側の付勢係止部材51によって保持されるとともに、操作突部11bの外周面の左端をガイド孔部14cの左側の縁部に略接触させた状態となる。
図12(a)に示すようにスライド円盤11が左側のモード選択位置にある状態においては、図13(a)に示すように、ディスク弁体23は、中立状態に対応する中心位置に対して右寄りの位置に存在し、第1縦穴15aおよび第3縦穴15cを閉じるとともに第2縦穴15bのみを開いた状態とする。詳細には、ディスク弁体23の一対の切欠部23cよりも前側の前板部23fによって第1縦穴15aが塞がれ、一対の切欠部23c間の中間部23gによって第3縦穴15cの全部と第2縦穴15bの一部が塞がれた状態となる。
このように3つの縦穴15のうち第2縦穴15bのみが選択的に開かれた状態は、3つの吐水状態のうちのいずれかの吐水状態に対応する吐止水モードとして選択される。本実施形態では、図13(a)に示すような縦穴15の開閉状態、つまり図12(a)に示すようなスライド円盤11の左側の操作位置は、ジャイロビート吐水孔部5b(図1参照)によるジャイロビート吐水を行う吐水状態の吐止水モードに対応する。したがって、本実施形態では、左側の流出口13(13b)に連通する第2縦穴15bは、ジャイロビート吐水孔部5bへと水を導く通水路の一部を構成する。
図12(b)は、スライド円盤11が右側のモード選択位置にある状態を示す。この状態では、スライド円盤11は、移動中心位置を基準として右側に位置し、基部11aの右側の端部をスリット状の開口部40から突出させる。また、スライド円盤11は、右側の付勢係止部材51によって保持されるとともに、操作突部11bの外周面の右端をガイド孔部14cの右側の縁部に略接触させた状態となる。
図12(b)に示すようにスライド円盤11が右側のモード選択位置にある状態においては、図13(b)に示すように、ディスク弁体23は、中立状態に対応する中心位置に対して左寄りの位置に存在し、第1縦穴15aおよび第2縦穴15bを閉じるとともに第3縦穴15cのみを開いた状態とする。詳細には、ディスク弁体23の前板部23fによって第1縦穴15aが塞がれ、中間部23gによって第2縦穴15bの全部と第3縦穴15cの一部が塞がれた状態となる。
このように3つの縦穴15のうち第3縦穴15cのみが選択的に開かれた状態は、3つの吐水状態のうちのいずれかの吐水状態に対応する吐止水モードとして選択される。本実施形態では、図13(b)に示すような縦穴15の開閉状態、つまり図12(b)に示すようなスライド円盤11の右側の操作位置は、滝状吐水孔部5c(図1参照)による滝状吐水を行う吐水状態の吐止水モードに対応する。したがって、本実施形態では、右側の流出口13(13c)に連通する第3縦穴15cは、滝状吐水孔部5cへと水を導く通水路の一部を構成する。
図12(c)は、スライド円盤11が前側のモード選択位置にある状態を示す。この状態では、スライド円盤11は、移動中心位置を基準として前側に位置し、基部11aの前側の端部をスリット状の開口部40から突出させる。また、スライド円盤11は、前側の付勢係止部材51によって保持されるとともに、操作突部11bの外周面の前端をガイド孔部14cの前側の縁部に略接触させた状態となる。
図12(c)に示すようにスライド円盤11が前側のモード選択位置にある状態においては、図13(c)に示すように、ディスク弁体23は、中立状態に対応する中心位置に対して後寄りの位置に存在し、第2縦穴15bおよび第3縦穴15cを閉じるとともに第1縦穴15aのみを開いた状態とする。詳細には、ディスク弁体23の前板部23fによって第2縦穴15bおよび第3縦穴15cの各穴の全部と第1縦穴15aの一部とが塞がれた状態となる。
このように3つの縦穴15のうち第1縦穴15aのみが選択的に開かれた状態は、3つの吐水状態のうちのいずれかの吐水状態に対応する吐止水モードとして選択される。本実施形態では、図13(c)に示すような縦穴15の開閉状態、つまり図12(c)に示すようなスライド円盤11の前側の操作位置は、スプレー吐水孔部5a(図1参照)によるスプレー吐水を行う吐水状態の吐止水モードに対応する。したがって、本実施形態では、中央の流出口13(13a)に連通する第1縦穴15aは、スプレー吐水孔部5aへと水を導く通水路の一部を構成する。
図12(d)は、スライド円盤11が後側のモード選択位置にある状態を示す。この状態では、スライド円盤11は、移動中心位置を基準として後側に位置し、基部11aの後側の端部をスリット状の開口部40から突出させる。また、スライド円盤11は、後側の付勢係止部材51によって保持されるとともに、操作突部11bの外周面の後端をガイド孔部14cの後側の縁部に略接触させた状態となる。
図12(d)に示すようにスライド円盤11が後側のモード選択位置にある状態においては、図13(d)に示すように、ディスク弁体23は、中立状態に対応する中心位置に対して後寄りの位置に存在し、第1縦穴15a、第2縦穴15b、および第3縦穴15cの全てを閉じた状態とする。詳細には、ディスク弁体23の前板部23fおよび中間部23gによって第1縦穴15aが塞がれ、ディスク弁体23の一対の切欠部23cよりも後側の後板部23hによって第2縦穴15bおよび第3縦穴15cが塞がれた状態となる。
このように3つの縦穴15の全てが閉じられた状態は、止水状態に対応する吐止水モードとして選択される。すなわち、本実施形態では、図13(d)に示すような縦穴15の開閉状態、つまり図12(d)に示すようなスライド円盤11の後側の操作位置は、スプレー吐水孔部5a、ジャイロビート吐水孔部5b、滝状吐水孔部5cのいずれの吐水孔部からの吐水も行われない止水状態の吐止水モードに対応する。
また、図12(e)は、スライド円盤11が移動中心位置にある状態(中立状態)を示す。この状態では、スライド円盤11は、平面視においてガイド孔部14cの中央に位置し、円盤ガイド部材14の基部14aの範囲内に収まる。この中立状態は、スライド円盤11が吐止水モードの切換えの過程で経る状態である。
図12(e)に示すようにスライド円盤11が移動中心位置にある状態においては、図13(e)に示すように、ディスク弁体23は、中立状態に対応する中心位置に存在し、第1縦穴15aを閉じるとともに第2縦穴15bおよび第3縦穴15cを開いた状態とする。詳細には、ディスク弁体23の前板部23fによって第1縦穴15aが塞がれ、中間部23gによって第2縦穴15bおよび第3縦穴15cの各穴の一部が塞がれた状態となる。
このように、スライド円盤11のモード選択位置間の移動中に経る移動中心位置にある状態においては、第2縦穴15bおよび第3縦穴15cの各穴の一部が開かれ、流路切換機構20において通水状態が確保される。つまり、スライド円盤11が互いに異なるモード選択位置間を移動する過程においては、第2縦穴15bおよび第3縦穴15cが開いて各縦穴15によって構成される2つの通水路が開いた状態が一時的に得られる。
以上のように、本実施形態の流路切換ユニット10においては、操作部6を構成するスライド円盤11のスライド操作によって、スプレー吐水、ジャイロビート吐水、および滝状吐水の3種類の吐水状態、ならびに止水状態の4つの各状態に対応する吐止水モードのいずれかの吐止水モードへの切換えが行われる。スライド円盤11の操作は、例えばシャワーヘッド1の把持部3を把持した状態の手の親指によって行われる。
以上説明した本実施形態の流路切換ユニット10においては、スライド円盤11は、摺動面上で吐止水モードを選択した位置(モード選択位置)を、互いに交わる少なくとも2つの直線上に位置させる。本実施形態では、スライド円盤11は、水平面に沿うスライドカバー体22の上面22aに沿って摺動することから、スライド円盤11の摺動面は、水平面に沿う面となる。このような摺動面上において、スライド円盤11は、互いに異なる位置である4つのモード選択位置を有する。これらの4つのモード選択位置は、スライド円盤11の摺動面上で互いに交わる少なくとも2つの直線上に位置する。
具体的には、本実施形態においては、スライド円盤11は、流路切換機構20を作動させるための摺動経路として、同一面上で互いに交わる2つの直線状の摺動経路を有する。すなわち、スライド円盤11は、移動中心位置(図12(e)参照)を基準として、左側のモード選択位置(同図(a)参照)と右側のモード選択位置(同図(b)参照)との間の左右方向に沿う直線状の摺動経路と、前側のモード選択位置(同図(c)参照)と後側のモード選択位置(同図(d)参照)との間の前後方向に沿う直線状の摺動経路とを有し、これらの2つの摺動経路は、水平面上で互いに直交する2つの直線に沿う直線的な摺動経路となる。したがって、スライド円盤11の4つのモード選択位置は、水平面上で互いに直交する2つの直線上に位置することになる。言い換えると、スライド円盤11についての4つのモード選択位置は、スライド円盤11の摺動面上において第1の方向(例えば左右方向)の直線と、第1の方向に直交する第2の方向(例えば前後方向)の直線との2つの直線上に位置する。
このような構成は、スライド円盤11の摺動面において各モード選択位置にあるスライド円盤11における所定の点同士を結ぶことで、各モード選択位置にあるスライド円盤11における所定の点を頂点とする多角形(本実施形態の場合は四角形)が形成される構成であるといえる。つまり、本実施形態の流路切換ユニット10においては、スライド円盤11は、4つのモード選択位置間を移動する経路を共通の平面上に位置させ、その平面に沿って2次元的にスライド移動するように設けられる。
以上のような構成を備える本実施形態のシャワーヘッド1によれば、吐止水モードの切換え操作が行われる構成において、良好な操作性を得ることができるとともに、コンパクトな構成を容易に実現することができる。具体的には、本実施形態のシャワーヘッド1は、一体のスライド円盤11をスライド操作することで4つの吐止水モードを切り換える構成であることから、例えば操作部として複数の押しボタンが設けられた構成と比べて、良好な操作性を得ることができる。また、各吐止水モードに対応するスライド円盤11の4つのモード選択位置がスライド円盤11の摺動面において互いに交わる少なくとも2つの直線上に位置することから、吐止水モードの切換えにともなうスライド円盤11のスライド操作方向が互いに異なる複数の方向となる。これにより、例えば3つ以上のモード選択位置が同一直線上に位置する構成と比べて、吐止水モードをダイレクトに切り換えることができ、スライド円盤11の操作距離(摺動距離)を短くすることができる。結果として、スライド円盤11の操作範囲(摺動範囲)の面積を狭くすることができ、シャワーヘッド1をコンパクトに構成することができる。また、スライド円盤11の操作範囲(摺動範囲)の面積が狭くなると、スライド円盤11を操作する指の動作範囲を狭くすることができるので、この点からも良好な操作性が得られる。
また、本実施形態に係るシャワーヘッド1においては、流路切換ユニット10を構成する流路切換機構20が、平板状のディスク弁体23と、スライド円盤11の摺動に連動してディスク弁体23を移動させる作動棹部24とを有する。かかる構成によれば、流路切換機構20において一体のディスク弁体23によって複数の通水路の開閉を行うことができるので、流路切換機構20をコンパクトに構成することができる。この点からも、シャワーヘッド1をコンパクトに構成することができる。つまり、本実施形態のように流路切換機構20においてディスク弁体23と作動棹部24とを有する構成は、上述したようなスライド円盤11の構成とともにシャワーヘッド1のコンパクト化を図る観点から好ましい構成である。
また、本実施形態に係るシャワーヘッド1は、スライド円盤11を各モード選択位置で保持する保持機構として、4箇所に設けられた付勢係止部材51を含む構成を備える。かかる構成によれば、スライド円盤11が自動的に各モード選択位置で保持されることから、シャワーヘッド1の使用者は選択されている吐止水モードを視覚的・形状的に容易に認識することができる。これにより、吐止水モードの切換え操作について所望の吐止水モードを容易に得ることができ、シャワーヘッド1の使い勝手を良くすることができる。また、スライド円盤11を各モード選択位置で保持する保持機構として、本実施形態のようにバネ52により付勢支持された付勢係止部材51を含む構成を採用することにより、スライド円盤11がモード選択位置に達することで使用者はクリック感を得ることができる。これにより、スライド円盤11のスライド操作について良好な操作感を得ることができるとともに、例えばシャワーヘッド1の使用中において使用者が目を閉じている状態等であっても、吐止水モードの切換えを容易に認識することができる。
また、本実施形態のシャワーヘッド1は、スライド円盤11がモード選択位置間を移動する過程で通る移動中心位置にある状態(中立状態)においても、3つの縦穴15の一部が開かれて流路切換機構20において通水状態が確保される構成であることから、ディスク弁体23および作動棹部24を介してスライド円盤11に作用する水圧等の影響によってスライド円盤11の操作負荷が大きくなることを回避することができる。このような点からもスライド円盤11のスライド操作について良好な操作性を得ることができる。
なお、本実施形態に係るシャワーヘッド1は、操作部6の操作によって切り換えられる吐止水モードとして、3つの吐水状態と1つの止水状態の各状態に対応する4つの吐止水モードを有する構成であるが、本発明に係るシャワーヘッドとしては、少なくとも3つの吐止水モードを有する構成であればよい。例えば、3つの吐止水モードを有する構成の場合、スライド円盤11の摺動面において各モード選択位置にあるスライド円盤11における所定の点同士を結ぶことで、各モード選択位置にあるスライド円盤11における所定の点を頂点とする三角形が形成されることになる。また、操作部6の操作によって切り換えられる吐止水モードとしては、止水状態に対応する吐止水モードが含まれる必要はなく、吐水状態に対応する吐止水モードのみであってもよい。すなわち、本発明に係るシャワーヘッドにおいて、止水状態および複数の吐水状態のうち少なくとも3つの状態には、複数の吐水状態と1つの止水状態との組合せのほか、複数の吐水状態のみの組合せも含まれる。具体的には、操作部の操作によって切り換えられる吐止水モードに対応する状態の数が例えば3つの場合、3つの状態としては、2種類の吐水状態の各状態に対応する2つの通水路のうちのいずれかの通水路が開いた2つの吐水状態、および2つの通水路の両方が閉じた止水状態の3つの状態であってもよく、また、3種類の吐水状態の各状態に対応する3つの通水路のうちのいずれかの通水路が開いた3つの吐水状態であってもよい。また、スライド円盤11の摺動面としては、平面に限らず曲面であってもよい。つまり、本発明に係るスライド操作部材についての摺動面は、平面に加えて曲面も含む概念である。
1 シャワーヘッド
4 本体ケース(筐体)
6 操作部
10 流路切換ユニット
11 スライド円盤(スライド操作部材)
11g 係止凹部
14 円盤ガイド部材
15 縦穴
20 流路切換機構
21 本体
22 スライドカバー体
23 ディスク弁体(弁体)
24 作動棹部
25 ガイド体
44 固定軸部
45 可動軸部
51 付勢係止部材
52 バネ

Claims (3)

  1. 複数の吐水状態に対応した複数の通水路の開閉状態を切り換えることにより、止水状態および前記複数の吐水状態のうち少なくとも3つの状態の各状態に対応する吐止水モードが切り換えられるシャワーヘッドであって、
    前記複数の通水路の開閉状態を切り換える流路切換機構と、
    前記流路切換機構を収納する筐体から一部が露出した状態で設けられ、操作を受けて摺動することで前記流路切換機構を作動させるスライド操作部材と、を備え、
    前記スライド操作部材は、摺動面上で前記吐止水モードを選択した位置を、互いに交わる少なくとも2つの直線上に位置させる
    ことを特徴とするシャワーヘッド。
  2. 前記流路切換機構は、
    前記スライド操作部材の摺動に連動して移動することで前記複数の通水路を選択的に開閉する平板状の弁体と、
    一端側が前記スライド操作部材に係合し他端側が前記弁体に係合する軸部を含み、前記スライド操作部材の摺動動作にともない、前記軸部の軸線上に存在する支点を中心として回動することで前記弁体を移動させる作動棹部と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のシャワーヘッド。
  3. 前記スライド操作部材を、前記吐止水モードの各モードに対応する前記複数の通水路の開閉状態をなす所定の位置で保持する保持手段をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシャワーヘッド。
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