以下、本発明の一実施形態に係るポンプ容器1の構成を、図1乃至図14を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るポンプ容器1の構成を示す上面図、図2はポンプ容器1の構成を図1中II−II断面で示す断面図、図3はポンプ容器1に用いられる支持部15の構成を上方から示す斜視図、図4はポンプ容器1に用いられる支持部15の構成を下方から示す斜視図、図5はポンプ容器1に用いられるノズル16の構成を下方から示す斜視図、図6はポンプ容器1に用いられるポンプ部17のシリンダ41の構成を上方から示す斜視図、図7はポンプ部17のロッド部61及び第1ピストン部62の構成を上方から示す斜視図、図8はポンプ部17のロッド部61及び第1ピストン部62の構成を下方から示す斜視図、図9はポンプ部17の第2ピストン部63の構成を示す斜視図、図10は弁部43に用いられる第2弁体92の構成を示す斜視図、図11は弁部43に用いられる第2案内部94の構成を示す斜視図である。
また、図12はポンプ容器1の構成、具体的にはピストン42が上死点から下死点へ移動を開始した状態を図1中XII−XII断面で示す断面図、図13はポンプ容器1の構成、具体的にはピストン42が下死点に位置する状態を図1中XIII−XIII断面で示す断面図、図14はポンプ容器1の構成、具体的にはノズル16のロック状態を図1中XIV−XIV断面で示す断面図である。なお、説明の便宜上、ポンプ容器1のノズル16側を上方、容器体側を下方として以下説明する。
図1及び図2に示すように、ポンプ容器1は、容器体2と、ポンプ体3と、管体4と、を備えている。ポンプ容器1は、容器体2内に貯留された液状物200を、ポンプ体3により泡状で吐出する所謂ハンドポンプである。なお、液状物200は、容器体2内に貯留される内容物であって、例えば、シャンプー、ハンドソープ、洗顔料及びシェービングクリーム等の界面活性剤を含有する液体が用いられる。
容器体2は、有底筒状に形成され、その内部に液状物200を貯留可能に形成されている。容器体2は、樹脂材料により形成されている。容器体2は、その上端の一部が突出して開口する開口部10を有する第1固定部11を備えている。第1固定部11は、その外周面に雄螺子部12が形成されている。
図1及び図2に示すように、ポンプ体3は、支持部15と、ノズル16と、シリンダ41及びシリンダ41内を往復動するピストン42を具備するポンプ部17と、多孔体18と、を備えている。ポンプ体3は、支持部15により容器体2に固定される。
図2乃至図4に示すように、支持部15は、容器体2の第1固定部11に固定される第1被固定部21と、ノズル16を挿通する第1案内部22と、ポンプ部17の一部が固定される第2固定部23と、を備えている。支持部15は、樹脂材料により、第1被固定部21、第1案内部22及び第2固定部23が、樹脂材料により一体に形成されている。
第1被固定部21は、端面24を有する円筒状に形成されるとともに、その内周面に第1固定部11の雄螺子部12と螺合する雌螺子部25が形成されている。第1被固定部21は、その端面24の外面に第1案内部22が一体に設けられる。また、第1被固定部21は、その端面24の内面に第2固定部23が一体に設けられる。
第1被固定部21は、その端面24により、開口部10を覆う。第1案内部22は、第1被固定部21の端面24の一部を開口する円筒状に形成されている。端面24は、その内面であって、第2固定部23の外周側に、一部窪む凹部24aが形成されている。
図3及び図4に示すように、第1案内部22は、その先端部に一体に形成された係止部26と、その内周面に一体に形成された複数のリブ27と、を備えている。
係止部26は、第1案内部22の先端部に、第1案内部22の内周面に沿って突出するとともに、互いに均一な距離だけ離間して形成された円弧状の2つの突起により形成される。係止部26は、周方向に均一な距離離間することで、第1案内部22の内周面に、凹部26aを形成する。
リブ27は、第1案内部22の軸心方向に沿って、係止部26の下面から第1案内部22の内周面に渡って形成される。また、リブ27は、係止部26の周方向の一方の端部に形成されるとともに、係止部26の周方向の他方の端部から離間する中途部に形成される。即ち、リブ27は、係止部26の中途部及びいずれか一方の端部に連続又は非連続で形成される。リブ27は、ノズル16の被係止部と当接することで、ノズル16の周方向の移動を規制する係止部である。
なお、本実施形態においては、リブ27は、係止部26の一方の端部から反時計回りに中途部まで3つ設けられるとともに、当該中途部から反時計回りに他方の端部まで、リブ27が設けられない構成を用いて説明する。
第2固定部23は、円筒状に形成され、ポンプ部17の一部を固定可能に形成されている。具体的には、第2固定部23は、その外周面が、ポンプ部17の後述するシリンダ41と嵌合可能に形成されている。このような支持部15は、第1被固定部21を第1固定部11に固定することで、端面24により開口部10を閉塞可能に形成されている。
ノズル16は、第1案内部22に挿通可能な内筒部31と、その内部に第1案内部22を挿通可能な外筒部32と、内筒部31及び外筒部32の一端部に一体に形成された吐出ヘッド33と、を備えている。ノズル16は、第1案内部22に沿って、ピストン42の往復動する方向の一方向に押圧可能に形成されている。
ノズル16は、内筒部31、外筒部32及び吐出ヘッド33が、樹脂材料により一体に形成されている。また、ノズル16は、内筒部31及び吐出ヘッド33内に、液状物200を通過させる吐出流路34が形成される。
内筒部31は、その外径が第1案内部22の内径よりも若干小径に形成されている。内筒部31は、吐出ヘッド33により一端側が閉塞される。内筒部31は、その内部に、吐出流路34の一部を構成する円柱状の第1流路部35が形成されている。
また、内筒部31は、その外周面の一部に2つ形成され、第1案内部22の係止部26間の凹部26aを通過可能な扇状の凸部36と、その内周面に複数、例えば4つ形成され、内筒部31の軸心方向に沿って延設された突起部37と、を備えている。
凸部36は、内筒部31の外周面に、周方向に等間隔、換言すると内筒部31の軸心を中心に180度ずれた対称位置に配置される。凸部36は、その吐出ヘッド33に対向する面が、ノズル16がピストン42の往復動する方向の一方向に移動可能な位置の終点(下死点)において、係止部26の内面よりも一方向に移動可能な位置の終点(下死点)側、換言すると、係止部26の下方に位置可能に、内筒部31に設けられる。
凸部36は、係止部26の内面より下方に位置する際に、その周方向の端部が、第1案内部22のリブ27と当接可能に形成されている。凸部36は、係止部26及びリブ27に当接することで、ノズル16の移動を規制する被係止部である。突起部37は、内筒部31の内周面に、内筒部31の軸心方向に沿って延設され、後述するピストン42のロッド部61の一部を嵌合可能に形成されている。
外筒部32は、その内径が第1案内部22の外径よりも若干大径に形成されている。外筒部32は、吐出ヘッド33により、内筒部31とともに一端側が閉塞される。即ち、外筒部32は、その内周面が内筒部31と対向し、その内周面と内筒部31の外周面との隙間に、第1案内部22を挿通可能に形成されている。また、外筒部32は、その一端部に一体に形成された吐出ヘッド33が第1案内部22の端部と当接する長さに形成されている。
吐出ヘッド33は、外筒部32よりも大径に形成された円盤状であって、その外周の一部が突出して形成されている。吐出ヘッド33は、その内筒部31及び外筒部32間に位置する一部が第1案内部22の端部と当接することで、ノズル16の移動量を規制可能に形成されている。なお、吐出ヘッド33の頂面部分は別部材を嵌合することによって形成されており、その別部材を吐出ヘッド33に嵌合する前の状態では、凸部36の上方に開口が形成され、凸部36を金型で成形する際に上方に金型が抜ける形状に形成されている。
また、吐出ヘッド33は、その内部に、内筒部31の第1流路部35と連通するとともに、第1流路部35の軸心方向に交差する方向、さらに言えば、略直交方向に延設され、吐出流路34の他部を構成する第2流路部39が形成されている。
第2流路部39は、第1流路部35の端部と連通するとともに、その端部が吐出ヘッド33の外周の突出する部位から開口することで、吐出口40を構成する。第2流路部39は、第1流路部35よりも、その流路断面積が小さく形成されている。吐出口40は、例えば、その開口面積(流路断面積)が、第2流路部39の他部の流路断面積よりも若干大径に形成されている。また、例えば、吐出口40は、略四角形に開口して形成される。
ポンプ部17は、シリンダ41と、ピストン42と、弁部43と、付勢部材44と、を備えている。また、ポンプ部17は、第1空気室45、第2空気室46、液室47及び混合部48を備えている。
図2及び図6に示すように、シリンダ41は、第1シリンダ部51と、第1シリンダ部51に一体に形成された第2シリンダ部52と、第2固定部23に固定される第2被固定部53と、第2シリンダ部52に設けられた管体4の取付部54と、第2シリンダ部52及び取付部54間に設けられた弁部43の一部を成す第1弁座55と、を備えている。
シリンダ41は、第1シリンダ部51、第2シリンダ部52、第2被固定部53、取付部54及び第1弁座55が、樹脂材料により一体に形成されている。シリンダ41は、第1シリンダ部51及び第2シリンダ部52が同軸上に配置される。
第1シリンダ部51は、円筒状に形成されている。第1シリンダ部51は、一方の端部側に第2シリンダ部52が形成されるとともに、他方の端部に第2被固定部53が形成される。第1シリンダ部51は、その内周面に、ピストン42の一部が摺動可能に形成されている。第1シリンダ部51は、その内径が、第2固定部23の内径と同一径に形成されている。
また、第1シリンダ部51は、その周面の一部に、第1シリンダ部51内と容器体2内を連通する孔部51aが形成されている。孔部51aは、ポンプ部17が支持部15を介して容器体2に固定された際に、容器体2の内部に位置するとともに、容器体2に貯留される液状物200の液面よりも高い位置となる、第1シリンダ部51の周面に配置される。孔部51aは、第1シリンダ部51内を摺動するピストン42の一部により第1シリンダ部51内の空間と容器体2の内部空間とが遮断可能に形成されている。
第2シリンダ部52は、第1シリンダ部51よりもその径が小径に形成されている。第2シリンダ部52は、その内周面に、ピストン42の一部が摺動可能に形成されている。第2シリンダ部52は、その軸心方向の長さが、第1シリンダ部51の軸心方向の長さと略同一長さ、換言すると、ピストン42の摺動可能な長さが略同一長さに形成されている。また、第2シリンダ部52は、その端部に第1弁座55及び取付部54が設けられる。
第2被固定部53は、第1シリンダ部51の端部に形成されている。第2被固定部53は、円筒状であって、その内径が第1シリンダ部51の内径よりも若干大径に形成され、第2固定部23の外周面に嵌合可能に形成されている。
第2被固定部53は、その一方の端部に形成され、第1シリンダ部51と連続する連続部53aと、その他方の端部に形成されたフランジ部53bと、を備えている。連続部53aは、第1シリンダ部51の上端から第2被固定部53に向かって傾斜して形成される。第2被固定部53は、第2固定部23に固定されたときに、その連続部53aが第2固定部23から離間して配置される。即ち、連続部53aは、第2固定部23の端部と第1シリンダ部51の端部とを離間して配置させる。
フランジ部53bは、その端面が第1被固定部21の端面24と当接する。また、フランジ部53bは、その一部に形成され、端面24の凹部24aと係合する凸部53cを備えている。
取付部54は、第1弁座55を介して第2シリンダ部52に設けられ、液室47に液状物200の流路を形成する吸込口である。取付部54は、その内径が、管体4の外径と略同一径、又は、若干小径に形成され、管体4を嵌合可能に形成されている。
第1弁座55は、第2シリンダ部52の端部に設けられ、第2シリンダ部52の軸心方向と直交する方向に延設された円環状の平面部55aと、平面部55aの内周縁に設けられ、平面部55aから取付部54に向かって漸次縮径する円環状の斜面部55bと、を備えている。また、第1弁座55は、平面部55aの一部に突出する凸部55cが形成されている。
ピストン42は、内筒部31に固定されるロッド部61と、ロッド部61に設けられた第1ピストン部62と、ロッド部61に固定された第2ピストン部63と、を備えている。ピストン42は、ロッド部61及び第1ピストン部62が、樹脂材料により一体に形成されている。ピストン42は、内筒部31にロッド部61が固定されることで、ノズル16の往復動に追従して往復動可能に形成されている。
ロッド部61は、円筒状に形成され、その一方の端部の外周面に形成された、内筒部31の内周面に嵌合固定される第1嵌合部65と、第1嵌合部65の内周面に設けられた仕切部66と、その他方の端部側の周面に設けられ、第2ピストン部63が嵌合固定される第2嵌合部67と、を備えている。また、ロッド部61は、その内周面であって、仕切部66及び第2嵌合部67間に、後述する弁部43の第2弁体92のカム部92dと当接可能、且つ、第2弁体92の移動を規制可能に形成された規制部68を備えている。
第1嵌合部65は、その外径が、内筒部31の突起部37の内面の延長が形成する内径と同一径又は若干大径に形成されている。第1嵌合部65は、その外周面の一部に、ピストン42の軸心方向に沿って延設された突起部65aを備えている。突起部65aは、内筒部31の突起部37と周方向で当接可能に形成されている。
仕切部66は、第1嵌合部65の内周面に設けられたその中央部に孔部66aを有する円環状の突起であり、液状物200を通過可能に構成されている。
第2嵌合部67は、第2ピストン部63が嵌合することで、第2ピストン部63を固定可能に形成されるとともに、その一部に、嵌合されたロッド部61の両端部間を連通する溝部67aが形成されている。
具体的に説明すると、第2嵌合部67は、ロッド部61の内周面に設けられ、ロッド部61の他部よりもその内径が大径に形成されている。第2嵌合部67は、その内周面に一体に形成され、ロッド部61の軸心方向に沿って延設された複数、例えば5つの突起部67bと、単数の突起部67cを備えている。第2嵌合部67は、複数の突起部67b及び67c間に、溝部67aが形成される。
複数の突起部67bと突起部67cは、第2嵌合部67の内周面に等間隔に配置される。突起部67bは、互いに対向する端面間に、第2ピストン部63を嵌合可能に形成されている。突起部67bは、その端部がロッド部61の仕切部66に一体に形成されるとともに、当該端部が仕切部66の孔部66aに向かって延設されて形成される。即ち、突起部67bは、その仕切部66側の端部が、ロッド部61の中心に向かって延設されることで、隣り合う突起部67bの端部間に溝部を形成する。突起部67cは、突起部67bよりも第2嵌合部67の内周面から高く突出する。
規制部68は、ロッド部61の内周面であって、仕切部66及び第2嵌合部67間に設けられた突起であって、等間隔に複数、例えば2つ形成される。規制部68は、後述する弁部43の第2弁体92のカム部92dと当接するとともに、カム部92dに当接した状態で、ロッド部61が回転することで、当該回転方向の力をカム部92dに伝達する、所謂カムフォロアである。規制部68は、カム部92dと当接することで、第2弁体92を閉塞させるとともに、第2弁体92の移動を規制する。
第1ピストン部62は、第1シリンダ部51の内周面と摺動可能な第1摺動部71と、第1摺動部71をロッド部61に一体に連結する連結部72と、連結部72に設けられた孔部73と、を備えている。
第1摺動部71は、その両端が第1シリンダ部51の内周面と摺動可能に形成された円筒状に形成される。具体的には、第1摺動部71は、第1シリンダ部51の内径よりも若干小径に形成され、第1シリンダ部51の内周面とその外周面との間に微小な隙間を形成する胴部76と、胴部76の両端に設けられ、第2固定部23及び第1シリンダ部51の内径よりも若干大径に形成され、第2固定部23及び第1シリンダ部51の内周面と摺動可能な端部77と、を備えている。
胴部76は、その一端から他端までの長さが、第1シリンダ部51の孔部51aから第1シリンダ部51の端部までの長さと略同一又は若干長く形成されている。端部77は、その外径が、第2固定部23及び第1シリンダ部51の内径よりも若干大径であって、且つ、連続部53aの中途部の内径よりも小径に形成されている。即ち、端部77は、第2固定部23及び第1シリンダ部51間の隙間を通過する際に、連続部53aと離間して通過可能に形成されている。
連結部72は、ロッド部61及び胴部76を連結可能に形成されている。連結部72は、孔部73に隣接して設けられた円筒状の溝部74を備えている。孔部73は、連結部72の溝部74の外周側に隣接して、周方向に複数設けられる。
第2ピストン部63は、円筒状に形成される。第2ピストン部63は、ロッド部61に固定され、その外周面が第2シリンダ部52の内周面と摺動可能に形成されている。具体的に説明すると、図9に示すように、第2ピストン部63は、ロッド部61の第2嵌合部67に固定される第2被嵌合部81と、第2シリンダ部52の内周面と摺動する第2摺動部82と、を備えている。また、第2ピストン部63は、第2被嵌合部81が設けられた端部の内周面に設けられた第2弁座83と、その内周面であって第2弁座83よりも他方の端部側に設けられた第1座面部84と、第2被嵌合部81及び第2摺動部82間に設けられた第3弁座85と、を備えている。
第2被嵌合部81は、ロッド部61の第2嵌合部67の内周面に嵌合可能に形成されている。また、第2被嵌合部81は、その外周面の一部に、第2嵌合部67の突起部67cを挿通可能な溝部81aが形成されている。第2摺動部82は、円筒状に形成され、その外径が第2シリンダ部52の内径と略同一又は若干大径に形成され、第2シリンダ部52の内周面と摺動可能に形成されている。
第2弁座83は、第2ピストン部63の第2被嵌合部81側端部の内周面に設けられた、第2摺動部82側に向かって漸次縮径する円環状の斜面により構成される。第2弁座83は、その中心に、液状物200が通過可能、且つ、第2弁体92の一部が通過可能な孔部83aが形成される。第1座面部84は、第2ピストン部63の第2摺動部82側の内径が第2被嵌合部81側の内径よりも大径となることで形成され、付勢部材44の一方の端部を支持可能に形成されている。
第3弁座85は、第2摺動部82の第2被嵌合部81側の端部に設けられ、第2摺動部82の当該端部の外周面から円環状に突出して形成された突出部であって、第2被嵌合部81側の端面により構成される。
弁部43は、第1弁座55と、第2弁座83と、第3弁座85と、第1弁体91と、第2弁体92と、第3弁体93と、第2弁体92の移動を案内する第2案内部94と、を備えている。弁部43は、ピストン42の往復動により、第1弁体91、第2弁体92及び第3弁体93が開閉可能に形成されている。
第1弁体91は、金属材料により形成された球体である。第1弁体91は、第1弁座55の斜面部55bに配置され、その表面が、斜面部55bの面の一部に円環状に接触する。また、第1弁体91は、取付部54からの液状物200の流れにより、斜面部55bから離間可能に形成されている。
第2弁体92は、樹脂材料で形成された、所謂ポペット弁である。第2弁体92は、その外周面が第2弁座83と当接する弁体部92aと、弁体部92aの一方の端部に設けられた軸体92bと、軸体92bの端部に形成された突起部92cと、弁体部92aの他方の端部に設けられた複数のカム部92dと、を備えている。
弁体部92aは、その外周面が漸次縮径する円環状の斜面により形成され、第2弁座83に当接する当接面を成す。弁体部92aは、その傾斜角度が、第2弁座83の傾斜角度と同一角度に形成されている。弁体部92aは、先端側の端面の一部が、第2弁座83と接触せずに、孔部83aに位置することで、第2ピストン部63の内部空間に対向する。
軸体92bは、弁体部92aの先端に一体に構成され、その中途部から縮径するとともに、その縮径する外周面に複数、例えば2つの突出部92fを備えている。軸体92bは、その外径が孔部83aよりも小径に形成されている。突起部92cは、軸体92bの先端部、さらに言えば弁体部92aが設けられた端部と相対する端部に設けられる。突起部92cは、その軸心方向に直交し、弁体部92aに対向する端面に有する。
カム部92dは、弁体部92aの端面から突出するとともに、周方向の少なくとも一方の端部が第2弁体92の軸心方向に対して弁体部92aの端面からその頂部に向かってカム部92dの周方向の幅が漸次狭くなるように傾斜して形成された傾斜面92eを備えている。即ち、カム部92dは、ロッド部61に設けられた規制部68が、その傾斜面92eに当接して移動可能に形成され、規制部68の回動方向の移動を、弁体部92aが第2弁座83に当接する方向への移動に変換する。
突出部92fは、軸体92bの外周面であって、軸体92bの中途部から突起部92cに渡って、第2弁体92の軸心方向に沿って設けられる。突出部92fは、軸体92bの外周面に等間隔に配置される。
第3弁体93は、連結部72に固定される固定体93aと、固定体93aの端部の外周側に設けられた第1開閉弁93bと、固定体93aの端部の内周側に設けられた第2開閉弁93cと、を備えている。
第3弁体93は、固定体93a、第1開閉弁93b及び第2開閉弁93cが、ゴム部材等の弾性変形が可能な樹脂材料により一体に形成されている。固定体93aは、例えば、円筒状に形成され、連結部72に設けられた溝部74に嵌合されることで固定される。
第1開閉弁93bは、連結部72に当接することで、孔部73を閉塞可能に形成されている。第2開閉弁93cは、第2ピストン部63の第3弁座85と当接することで、第2嵌合部67の溝部67aを閉塞可能に形成されている。
第2案内部94は、樹脂材料で形成され、第1弁座55の平面部55aに配置される。具体的には、第2案内部94は、円筒状に形成されている。第2案内部94は、一方の端部に設けられた第2座面部94aと、一方の端部側に設けられた複数の溝部94bと、他方の端部の内周面に設けられた突起部94cと、第2案内部94は、第2座面部94aに形成された凹部94dと、を備えている。
第2座面部94aは、第2案内部94の一方の端部の外周部から円環状に突出して形成された平面部55aと略同一径に形成されている。
溝部94bは、第2案内部94の一方の端部側に設けられ、第2案内部94の軸心方向に沿って形成された切欠であり、第2案内部94の内周面側と外周面側とを連通させる。突起部94cは、その中心に、軸体92bの縮径する部位及び突出部92fの外周面と略同一形状に開口する開口部94eが形成されている。
突起部94cは、開口部94eに第2弁体92の突起部92cを嵌入可能、且つ、その開口部94eの周囲が突起部92cの弁体部92a側に形成された端面と当接可能に形成されている。突起部94cは、軸体92bの周方向(回転方向)、及び、軸心方向の移動を規制可能に形成されている。凹部94dは、第2座面部94aの一部が切欠することで形成され、平面部55aに形成された凸部55cと係合可能に形成されている。
付勢部材44は、金属材料により構成されたコイルバネである。付勢部材44は、第2ピストン部63の内周面に設けられた第1座面部84と、第2案内部94の第2座面部94aとに支持される。付勢部材44は、ピストン42が往復動する方向であって、ノズル16により押圧される一方向とは異なる方向(他方)に、ピストン42を付勢可能に形成されている。具体的には、付勢部材44は、第1座面部84及び第2座面部94aを介して第2ピストン部63及び第2案内部94を互いに離間する方向に付勢する。
第1空気室45は、第1シリンダ部51、第1ピストン部62、第2ピストン部63により形成され、第1ピストン部62の往復動でその容積が可変する。第1空気室45は、孔部73を介して第2空気室46と連通するとともに、ロッド部61の第2嵌合部67の溝部67aにより、混合部48と連通する。
第2空気室46は、第1被固定部21の端面24、第2固定部23、第1シリンダ部51、ロッド部61、及び、第1ピストン部62により形成され、第1ピストン部62の往復動でその容積が可変する。第2空気室46は、第1案内部22及び内筒部31間の隙間により、外気と連通する。また、第2空気室46は、第1ピストン部62の第2空気室46に位置する端部77が第2固定部23及び第1シリンダ部51の隙間に位置することで、その端部77が第1シリンダ部51及び第2被固定部53間の連続部53aと離間して対向することで、第2空気室46が胴部76及び第1シリンダ部51の隙間、及び、第1シリンダ部51の孔部51aを介して容器体2内の空間と連通する。
液室47は、第2シリンダ部52、第2ピストン部63、第1弁体91及び第2弁体92により形成され、第2ピストン部63の往復動で、その容積が可変する。液室47は、第1弁体91が斜面部55bから離間することで、取付部54及び管体4を介して容器体2の内部と連通する。また、液室47は、第2弁体92の弁体部92aが第2ピストン部63の第2弁座83から離間することで、孔部83aにより、混合部48を介して吐出流路34と連通する。
即ち、液室47は、取付部54により、容器体2内の液状物200の吸込部が形成されるとともに、第1弁体91の開閉により、吸込部が開放及び遮断される。また、液室47は、孔部83aにより、混合部48及び吐出流路34への吐出部が形成されるとともに、第2弁体92の開閉により、吐出部が開放及び遮断される。
混合部48は、ロッド部61、ロッド部61の仕切部66、第2ピストン部63、及び第2弁体92により構成された、空気及び液状物200を混合して二次側に通過させる混合室である。混合部48は、ポンプ部17の吐出部に設けられ、仕切部66を介して吐出流路34と連通する。
多孔体18は、吐出流路34に設けられ、空気が含有された液状物200が通過することで、液状物200を泡状に発泡可能に形成されている。多孔体18は、例えば、円筒状のスペーサ101と、スペーサ101の両端部にそれぞれ設けられたネット102と、を備えている。
このようなポンプ体3は、支持部15、ノズル16、シリンダ41、ピストン42及び弁体43が、同一軸心上に配置されるとともに、周方向に位置決めして組み立てられる。また、ポンプ体3は、支持部15、ピストン42及び弁体43により、ノズル16のロック機構を形成する。
具体的に説明すると、支持部15及びノズル16は、第1案内部22の係止部26に形成された凹部26a、及び、ノズル16の内筒部31に形成された凸部36が係合することで、周方向に位置決めされる。
支持部15及びシリンダ41は、端面24の内面に形成された凹部24a、及び、フランジ部53bに形成された凸部53cが係合することで、周方向に位置決めされる。
ノズル16及びピストン42は、内筒部31の内面に形成された突起部37、及び、ロッド部61の第1嵌合部65の外周面に形成された突起部65aが係合することで、周方向に位置決めされる。
ピストン42は、ロッド部61及び第2ピストン部63が、第2嵌合部67の内周面に形成された突起部67c、及び、第2被嵌合部81の外周面に形成された溝部81aが係合することで、周方向に位置決めされる。
弁体43は、第2弁体92及び第2案内部94が、軸体92bの外周面に形成された突出部92f、及び、突起部94cの中心に形成された開口部94eと係合することで、周方向に位置決めされる。
シリンダ41及び弁体43は、第1弁座55の平面部55aに形成された凸部55c、及び、第2案内部94の第2座面部94aに形成された凹部94dが係合することで、周方向に位置決めされる。
これら周方向の位置決めにより、ロッド部61に形成された規制部68及び第2弁体92のカム部92dは、周方向に所定の距離だけ離間して配置される。また、シリンダ41、第2弁体92、第2案内部94は、フランジ部53bの凸部53cが容器体2に固定された支持部15の凹部24aと係合することで、周方向の移動が規制される。
なお、規制部68とカム部92dが離間する所定の距離とは、例えば、軸心を中心とした所定の角度から求められる周方向の距離である。また、所定の角度とは、第1案内部22の凹部26aに挿通されたノズル16の凸部36が、当該挿通した位置から、一方向、ここでは、時計回りに回動した際に、凸部36が第1案内部22の内周面に形成されたリブ27に当接するまでの回動角度である。
即ち、規制部68及びカム部92dは、凸部36が凹部26aに挿通された位置からノズル16が回動して凸部36がリブ27に当接することで、規制部68が傾斜面92eに沿って移動して、カム部92dの頂部に位置可能な距離だけ離間して配置される。
また、ノズル16が回動して凸部36が第1案内部22の凹部26aから回動してリブ27に当接する位置に位置することで、ノズル16の軸心方向の移動が、係止部26に規制されるとともに、カム部92dの頂部を規制部68で押圧することで、第2弁体92の移動が規制される。これらのように、ポンプ体3は、ノズル16及び第2弁体92を固定するロック機構を有し、当該ロック機構により、ノズル16の操作、及び、第2弁体92の開放が規制される。
次に、このように構成されたポンプ容器1の動作について図2、図12乃至図14を用いて説明する。なお、ポンプ容器1の動作として、ピストン42(ノズル16)の上死点と下死点との往復動、液状物200の発泡、並びに、ノズル16の固定について以下説明する。
なお、本実施の形態においては、死点とは、ノズル16及びピストン42が移動可能な位置の終点を示しており、液室47が最大容積となるピストン42の移動の終点を上死点、液室47が最小容積となるピストン42の移動の終点を下死点として説明する。
(ピストン42の往復動)
図2に示すように、先ず、ポンプ容器1は、常時、付勢部材44により、第2ピストン部63が第2シリンダ部52に設けられた第2案内部94と離間する方向に付勢されることで、ノズル16及びピストン42が上死点に維持される。
ノズル16及びピストン42が上死点に位置すると、第1空気室45及び液室47は、その容積が最大となる。また、ノズル16及びピストン42が上死点に位置すると、第1弁体91、第2弁体92及び第3弁体93は閉状態が維持され、第1空気室45及び第2空気室46、第1空気室45及び液室47、第1空気室45及び混合部48、並びに、液室47及び混合部48が遮断される。
図12に示すように、次に、ノズル16を容器体2に近接させる方向に押圧すると、上死点から下死点に向かってピストン42が移動する。具体的には、第1ピストン部62及び第2ピストン部63が下死点に向かって移動し、第1空気室45及び液室47の容積が漸次減少する。また、第1ピストン部62及び第2ピストン部63が下死点に向かって移動すると、第2空気室46の容積が漸次増加する。
このとき、第1空気室45内の空気が、第1ピストン部62により圧縮されて、大気圧よりも高くなると、第3弁体93は、第2開閉弁93cが第1空気室45内の空気により押圧され、第3弁座85から離間する方向に移動して開状態となる。これにより、溝部67aが第1空気室45と連通し、第1空気室45内の空気が混合部48に移動する。
また、液室47内の液状物200が、第2ピストン部63により圧縮されて、大気圧よりも高くなると、第1弁体91は、液室47内の液状物200により斜面部55bに押圧される。
また、第2弁体92は、液室47内の液状物200により、第2ピストン部63の移動方向とは逆方向、換言すると、第2弁座83から離間する方向に押圧され、第2弁座83から弁体部92aが離間して開状態となる。これにより、液室47が混合部48と連通し、液室47内の液状物200が混合部48に移動する。なお、このとき、規制部68は、弁体部92aの端面に当接し、弁体部92aの移動を規制する。これら第1空気室45の空気及び液室47の液状物200の移動により、混合部48で液状物200中に空気が混合する。
図13に示すように、下死点に第1ピストン部62及び第2ピストン部63が到達すると、第1空気室45及び液室47の容積が最小となるとともに、第2空気室46の容積が最大となる。また、液室47の容積が最小となり、液室47内の圧力が大気圧と同圧となると、第2弁体92は開状態を維持するか、又は、自重により第2弁体92が移動し、閉状態となる。
なお、図13においては、第2弁体92は閉状態を示すが、第2弁体92が開状態であっても、液室47内の圧力が大気圧と同圧であることから、液室47内の液状物200は、混合部48に移動しない。また、付勢部材44は、第2ピストン部63の第1座面部84により押圧されて圧縮する。
ノズル16及びピストン42が下死点に移動後、ノズル16の押圧を解除すると、圧縮した付勢部材44が復元力により伸張し、第1座面部84を介して第2ピストン部63を付勢する。これにより、ノズル16及びピストン42が上死点に向かって移動する。
具体的には、第1ピストン部62及び第2ピストン部63が、上死点に向かって移動し、第1空気室45及び液室47の容積が漸次増加する。また、第1ピストン部62及び第2ピストン部63が上死点に向かって移動すると、第2空気室46の容積が漸次減少する。
このとき、第1空気室45内の空気が第1ピストン部62により膨張し、第1空気室45内の圧力が第2空気室46内の圧力よりも低くなると、第3弁体93は、第1開閉弁93bが第2空気室46内の空気により押圧されて連結部72から離間する方向に移動し、開状態となる。これにより、第1空気室45及び第2空気室46が連通し、第2空気室46内の空気が第1空気室45内に移動する。
また、第2ピストン部63が移動して液室47の容積が増加すると、液室47内の圧力が容器体2内の圧力よりも小さくなり、管体4内の液状物200の圧力により第1弁体91が斜面部55bから離間して開状態となる。これにより、容器体2内の液状物200が液室47内に移動する。
その後、上死点に第1ピストン部62及び第2ピストン部63が到達すると、第1空気室45及び液室47の容積が最大となるとともに、第2空気室46の容積が最小となる。
(液状物200の発泡)
このような上死点及び下死点間のピストン42の往復動により、容器体2内の液状物200及び空気が混合部48に供給される。また、混合部48で空気と混合した液状物200は、吐出流路34内で多孔体18を通過することで、液状物200中の空気がネット102により攪拌されことで、均質な泡が形成される。これにより、液状物200が、泡状となり、吐出口40から吐出される。
(ノズル16の固定)
ノズル16は、ピストン42が下死点に位置するときに、図1に二点差線で示すように回動させることで、ノズル16が固定される。具体的に説明すると、先ず、ピストン42が下死点に位置すると、内筒部31の凸部36が、第1案内部22の凹部26aを通過して凹部26aよりも下方に位置する。
この状態で、ノズル16を時計回りに回動させると、凸部36は係止部26の下方に位置することとなる。これにより、ノズル16の押圧を解除しても、付勢部材44の付勢力は、凸部36を介して係止部26で受圧することとなり、係止部26によりノズル16の軸心方向(付勢方向)の移動が規制され、ノズル16が固定される。
また、ノズル16をリブ27及び凸部36が当接するまで回動させることで、ノズル16の回動に追従して規制部68も回動する。このとき、規制部68は、図12に示すように、カム部92dから離間した状態から、カム部92dの傾斜面92eに当接しながら移動し、図14に示すように、カム部92dの頂部に移動する。
第2弁体92は、規制部68により、弁体部92aが第2弁座83に当接する方向に押圧され、閉状態が維持されることで、混合部48に連通する液室47が遮断される。液室47を遮断することで、吐出流路34に容器体2内の液状物200が吐出されることが防止される。即ち、ノズル16の固定に伴って第2弁体92を規制部68により第2弁座83に固定することで、液室47を遮断し、吐出流路34を遮断することが可能となる。
このように構成されたポンプ容器1によれば、ロック機構である、支持部15、ノズル16、ピストン42及び弁部43の、係止部26、リブ27、凸部36、規制部68及びカム部92dにより、第2弁体92が閉状態に維持された状態でノズル16が下死点に固定されることとなる。
また、ポンプ容器1のノズル16を固定するロック機構は、係止部26、リブ27、凸部36、規制部68及びカム部92dを用いる簡単な構成でよく、また、各構成品に一体に形成される。このため、部品点数を増大させることがなく、製造コスト及び管理コストを増大させることがない。
また、ノズル16の固定及び第2弁体92による液室47の遮断は、ノズル16が下死点に位置する際に、一方向、本実施の形態においては時計回りに回動させるだけでよい。このため、操作性もよい。
また、ノズル16及び第2弁体92の固定は、ノズル16を下死点に位置させたあと、ノズル16を回動させる2つの動作により行われる。即ち、ノズル16を押圧した後に、ノズル16を回転させることで液室47と吐出流路34が遮断されることから、ポンプ容器1の使用時に、誤って液室47を遮断させることがない。このため、ピストン42を往復動させる際に、ノズル16の移動量を調整する必要がなく、ノズル16の操作性を維持できる。
上述したように本発明の一実施の形態に係るポンプ容器1によれば、ノズル16の操作性がよく、ノズル16の固定、及び、ノズル16の固定時に吐出流路34を遮断することが可能となる。
なお、本発明は一実施形態に限定されるものではない。上述した例では、多孔体18は、ネット102により発泡させる構成を説明したがこれに限定されない。多孔体18は、混合部48で空気が混合された液状物200を通過させることで、空気を攪拌させて、均質な泡とすることが可能であれば、他の構成であってもよい。
また、上述した例では、ポンプ容器1は、ポンプ体3に多孔体18を有し、液状物200を泡状として吐出する構成を説明したが、これに限定されない。例えば、ポンプ体3は、液状物200を泡状としないポンプ容器であってもよい。この場合には、ポンプ容器は、第1シリンダ部51、第1ピストン部62、第3弁体93及び多孔体18を有さない構成とすればよい。
また、上述した例では、規制部68と当接するカム部92dに傾斜面92eが形成された構成を説明したが、これに限定されない。例えば、カム部92dの傾斜面92eと同様の機能を有する目的で、規制部68を、その周方向の少なくとも一方の端にロッド部61の軸心方向に対して規制部68の端部に向かって周方向の幅が漸次狭くなるように傾斜する傾斜面を備える構成としてもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 液状物を吸い込む吸込口が形成されたシリンダと、
前記シリンダ内を往復動することで、容積が可変する液室を前記シリンダ内に形成するとともに、前記液室内の液状物を吐出する吐出部を形成するピストンと、
その内部に前記吐出部に連通する吐出流路を有し、前記ピストンの往復動に追従して移動するとともに、前記往復動の方向の一方向に操作されることで、前記ピストンを押圧するノズルと、
前記ピストンを前記往復動する方向の他方向に付勢する付勢部材と、
前記吸込口を開閉する第1弁体と、
前記吐出部に対して離接可能に形成され、前記吐出部を開閉する第2弁体と、
前記ノズルの移動を案内する案内部と、
前記案内部に形成された係止部と、
前記ノズルに設けられ、前記ノズルの軸心を中心に前記ノズルを回動させることで前記係止部に係止され、前記ノズルを固定する被係止部と、
前記被係止部が前記係止部に係止されたときに、前記吐出部を閉塞した前記第2弁体の移動を規制する規制部と、
を備えることを特徴とするポンプ容器。
[2] 前記係止部は、前記ノズルの移動方向及び回動方向で前記被係止部と係止可能に形成され、
前記被係止部は、前記ピストンが前記一方向に移動可能な終点に移動した後に前記係止部よりも前記終点側に位置し、前記ピストンが前記終点に移動した後に前記ノズルが回動することで、前記係止部に係止されることを特徴とする[1]に記載のポンプ容器。
[3] 前記規制部は、前記ピストンに設けられ、前記ノズルの回動に追従して回動可能に形成され、
前記第2弁体は、その端部に、前記規制部と当接可能に形成され、前記規制部の回動をその閉方向の移動に変換するカム部を具備することを特徴とする[2]に記載のポンプ容器。
[4] 前記シリンダは、第1シリンダ部及び第2シリンダ部を具備し、
前記ピストンは、前記第1シリンダ部を往復動することで、容積が可変する空気室を形成する第1ピストン部、前記第2シリンダ部を往復動し、前記液室を形成する第2ピストン部、並びに、その内部に前記空気室及び前記液室から吐出された空気及び前記液状物を混合する混合部が形成されたロッド部を具備し、
前記規制部は、前記混合部に設けられ、
前記第2弁体は、前記混合部内に、その開閉方向に移動可能に配置されることを特徴とする[3]に記載のポンプ容器。
[5] 前記カム部は、前記第2弁体の端部からその頂部に向かって前記カム部の周方向の幅が漸次狭くなるように傾斜する傾斜面が形成され、
前記規制部は、前記傾斜面に当接して回動することで、前記第2弁体が閉塞する方向に前記カム部を押圧することを特徴とする[3]に記載のポンプ容器。