以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。本明細書での「接触」とは、特に明示がない限り、言及している二者が直接的に接触する場合の他に、他の部材を介して間接的に接触する場合も含む。
(第1の実施の形態)
図1は、第1実施形態の操作装置10が用いられる水栓装置12を示す斜視図である。水栓装置12は、水栓装置12の構成部品を収容する水栓本体14と、下向きに水を吐き出し可能な吐水部16とを備える。水栓本体14は、先端側部分に吐水部16が設けられたスパウト部18を有する。水栓装置12は、ユーザにより操作される操作部材20と、操作部材20に対する操作を通じて吐水部16から吐き出される水の流量を調整可能な弁ユニット22とを備える。本実施形態において、操作部材20はシングルレバーであり、弁ユニット22は操作部材20に対する操作を通じて水の温度も調整可能である。
図2は、水栓装置12の設置状態を示す平面図である。水栓装置12の水栓本体14は、たとえば、流し台、洗面台、洗面キャビネット等の基体24に設置される。本実施形態の基体24は、正面側(図2の下側)に居るユーザの作業に用いられるカウンター26と、カウンター26に一体化された水受槽28と、を備える。水受槽28は、たとえば、キッチンシンク、洗面ボウル等である。
図3は、水栓装置12の一部の側面断面図である。図1、図3に示すように、水栓本体14は、ベース部14aと、ベース部14aに脱着可能に装着される本体部14bと、を有する。ベース部14aは、スパウト部18の基端部を含む箇所を構成し、本体部14bは、スパウト部18の先端側部分となる吐水ヘッドを構成する。
本実施形態の水栓本体14の本体部14bは、外部本体部品43と、内部本体部品44と、を有する。本実施形態の外部本体部品43は、第1筒状部43aと、第1筒状部43aの外周部から突出する第2筒状部43bとを有する。第2筒状部43bには吐水部16が設けられる。本実施形態の第1筒状部43aは、ユーザにより把持されるグリップ部を構成する。本実施形態の吐水部16は、水栓本体14とは別体であり、第2筒状部43b内に配置される吐水部材が構成する。
図4は、図3の拡大図である。内部本体部品44は、外部本体部品43の第1筒状部43aに収容される。内部本体部品44は、基端側の筒状の第1本体部材46と、先端側の第2本体部材48とを有する。第1本体部材46にはカートリッジ34が収容される。
吐水部16は、複数の異なる吐水態様で水を吐き出し可能である。この吐水態様には、第1吐水態様としての、単数の水流を吐き出すストレート吐水と、第2吐水態様としての、シャワー状の複数の水流を吐き出すシャワー吐水とが含まれる。吐水部16は、第1吐水態様で水を吐き出すためのストレート吐水穴16a(第1吐水穴)と、第2吐水態様で水を吐き出すための複数のシャワー吐水穴16b(第2吐水穴)とを有する。
図5は、水栓本体14の内部に形成される給水路30の一部を模式的に示す説明図である。給水路30は、水源側から弁ユニット22を通して送られる水を吐水部16に供給するためのものである。給水路30は、弁ユニット22により流量の調整された水が供給される上流側水路30A、30Bと、上流側水路30A、30Bから水が供給される下流側水路32A、32Bとを有する。
本実施形態の上流側水路30A、30Bには、下流側水路32A、32Bに原水を供給するための原水水路30A(第1上流側水路)と、下流側水路32A、32Bに改質水を供給するための改質水水路30B(第2上流側水路)とが含まれる。改質水は、カートリッジ34内の改質材により原水を改質することで生成される。本実施形態のカートリッジ34は、水栓本体14のスパウト部18内に収容される。本明細書での「改質」とは、物理変化や化学変化を経て、特定の成分を原水から除去又は原水に付与することをいう。本実施形態の改質材は活性炭であり、原水の残留塩素の除去により改質水として浄水を生成する。
本実施形態の下流側水路32A、32Bには、ストレート吐水穴16aに水を供給するためのストレート用水路32A(第1下流側水路)と、シャワー吐水穴16bに水を供給するためのシャワー用水路32B(第2下流側水路)とが含まれる。
給水路30には、上流側水路30A、30Bと下流側水路32A、32Bの間に兼用弁体36が設けられる。本実施形態の兼用弁体36は、複数の上流側水路30A、30Bのなかからいずれかの上流側水路30A、30Bに、水が流れる通水経路を切り替え可能である。また、本実施形態の兼用弁体36は、複数の下流側水路32A、32Bのなかからいずれかの下流側水路32A、32Bに、水が流れる通水経路を切り替え可能である。
図4に戻り、水栓装置12は、水栓装置12の動作状態を変更するための操作装置10を備える。操作装置10は、回転操作を受けて回転可能な回転ハンドル38(回転操作体)と、押圧操作を受けてX方向に可動な押しボタン40(押圧操作体)と、を備える。X方向は、押しボタン40が押圧操作を受けたときに押しボタン40が押圧される押圧方向Xpと平行な方向である。X方向は、回転ハンドル38の回転軸方向でもある。以下、X方向の押圧方向Xpを基端側ともいい、X方向で押圧方向Xpとは反対側の反押圧方向Xoを先端側ともいう。また、X方向の方向軸を中心とする円の円周方向、半径方向を単に「周方向」、「径方向」ともいう。
操作装置10は、操作装置10の構成部品を収容する装置本体42を備える。本実施形態の装置本体42は、水栓本体14が兼ねている。
第2本体部材48は、基端側の弁体収容部48a(第1収容部)と、先端側の機構収容部48b(第2収容部)と、弁体収容部48aと機構収容部48bの間に設けられる水路形成部48cとを有する。弁体収容部48aは、基端側に向かって開くとともに先端側に底部を有する有底筒状をなす。機構収容部48bは、先端側に向かって開くとともに基端側に底部を有する有底筒状をなす。水路形成部48cには、水路形成部48cをX方向に貫通する貫通孔48dと、前述の複数の下流側水路32A、32Bとが形成される。本図では、単数の下流側水路32Aの通水方向のみ示す。
図6は、図4の一部の拡大図である。回転ハンドル38は、後述の受け部材68を介して装置本体42に回転可能に支持される。回転ハンドル38は筒状の外周壁部38cを有する。本実施形態の外周壁部38cは、X方向の両側に向かって開放する開口部を有するとともに円筒状をなす。外周壁部38cは、基端側の小外径部38dと、小外径部38dより大きい外径を持つ先端側の大外径部38eとを有する。小外径部38dは、装置本体42の第1筒状部43a内に先端開口部から差し込まれる。大外径部38eは、装置本体42の外部に露出する。大外径部38eは、ユーザによる回転操作を受ける。大外径部38eの外周面には、ユーザの操作性を高めるために、他の箇所より摩擦抵抗を大きくするための滑り止め構造が設けられる。本実施形態の滑り止め構造は微小な凹凸構造である。
押しボタン40は、後述の受け部材68を介して装置本体42にX方向に移動可能に支持される。押しボタン40は、回転ハンドル38の内部空間38aを反押圧方向Xoから覆う位置に設けられる。本実施形態の押しボタン40は、回転ハンドル38とは別体であり、回転ハンドル38と独立して動作可能である。押しボタン40は、ユーザによる押圧操作を受ける円盤状の端面部40aと、端面部40aから基端側に延びる筒状の中空軸部40bとを有する。
図7は、図4の一部の他の拡大図である。操作装置10は、第1可動弁体35Aと第2可動弁体35Bを備える。本実施形態の操作装置10は、第1可動弁体35Aと第2可動弁体35Bを兼ねる兼用弁体36と、兼用弁体36が着座可能な固定弁体50とを備える。兼用弁体36は、X方向の方向軸周りに回転する回転弁体でもある。兼用弁体36は、装置本体42の弁体収容部48aに収容される。
第1可動弁体35Aは、回転ハンドル38の回転に連動して、水栓装置12の動作状態を第1変更態様で変更させることが可能である。本実施形態の第1変更態様は、吐水部16の吐水態様の切り替えである。詳しくは、ストレート吐水とシャワー吐水の間で吐水部16の吐水態様を択一的に切り替える。
第2可動弁体35Bは、押しボタン40のX方向での動きに連動して、水栓装置12の動作状態を第1変更態様とは異なる第2変更態様で変更させることが可能である。本実施形態の第2変更態様は、吐水部16から吐き出される水の種類の切り替えである。詳しくは、吐水部16から吐き出される水を改質水と原水の間で択一的に切り替える。
兼用弁体36は、固定弁体50とX方向に対向する弁体対向部36aと、弁体対向部36aから基端側に延びる弁軸部36bとを有する。本実施形態の兼用弁体36は、弁体対向部36aの一部と他の部位を構成する本体部材52と、弁体対向部36aの一部を構成するとともに本体部材52と一体化されたシール部材54とを有する。シール部材54は、ゴム等の弾性体が構成している。
本実施形態の弁軸部36bは、基端側に向かって開くとともに先端側に底部を有する有底筒状をなす。弁軸部36bの外部には、装置本体42との間に原水水路30Aの一部が形成される。弁軸部36bの内部には、改質水水路30Bの一部が形成される。
図8は、図7の内部本体部品44のA-A線断面図である。本実施形態の固定弁体50は、第2本体部材48の弁体収容部48aの底面部が構成する。兼用弁体36が着座する固定弁体50の座面には複数の弁孔56A、56Bが開口する。複数の弁孔56A、56Bには、ストレート用水路32Aの上流側端部が構成するストレート用弁孔56A(第1下流側水路用弁孔)と、シャワー用水路32Bの上流側端部が構成するシャワー用弁孔56B(第2下流側水路用弁孔)とが含まれる。
図9は、図7の兼用弁体36、内部本体部品44及びシャフト64のA-A線断面図である。本図では兼用弁体36のハッチングを省略する。図10は、図9の兼用弁体36及びシャフト64のB-B線断面図である。図11は、図9の兼用弁体36及びシャフト64のC-C線断面図である。本実施形態の兼用弁体36の弁体対向部36aは円盤状をなす。弁体対向部36aには、複数の上流側水路30A、30Bに個別に連通する複数種の通水孔58A、58Bが形成される。複数種の通水孔58A、58Bには、原水水路30Aに連通する原水通水孔58A(第1通水孔)と、改質水水路30Bに連通する改質水通水孔58B(第2通水孔)とが含まれる。複数種の通水孔58A、58Bは、所定の並び順で周方向に並べられる。本実施形態での並び順は原水通水孔58Aと改質水通水孔58Bが交互に位置することである。本実施形態の原水通水孔58Aは合計2つ形成され、改質水通水孔58Bは合計2つ形成される。
弁体対向部36aは、弁孔56A、56BとX方向に重なる位置に通水孔58A、58Bが配置されるとき、その弁孔56A、56Bを開く。このとき、弁孔56A、56Bが構成する下流側水路32A、32Bと、通水孔58A、58Bに連通される上流側水路30A、30Bとが連通される。弁体対向部36aは、弁孔56A、56BとX方向に重なる位置に通水孔58A、58B以外の箇所が配置されるとき、その弁孔56A、56Bを閉じる。図9では、ストレート用弁孔56Aが開き、シャワー用弁孔56Bが閉じている状態を示す。兼用弁体36は、自らが回転することによって弁孔56A、56Bを開閉可能である。
図7に戻り、弁体対向部36aは、固定弁体50に着座するシール面36cを有する。本実施形態のシール面36cはシール部材54が構成している。兼用弁体36のシール面36cが固定弁体50に着座することで、兼用弁体36と固定弁体50の間がシールされ、兼用弁体36が閉じている弁孔56A、56Bと通水孔58A、58Bとの間の連通が断たれる。
図4に戻り、操作装置10は、回転ハンドル38の回転に連動して兼用弁体36(第1可動弁体35A)を作動させることが可能な第1連動機構60Aと、押しボタン40のX方向での動きに連動して兼用弁体36(第2可動弁体35B)を作動させることが可能な第2連動機構60Bと、を備える。これらは後述する。
以上の操作装置10の動作を説明する。図12は、回転ハンドル38の動作の説明図である。図12(a)は、回転ハンドル38によりストレート吐水が選択されている状態を示し、図12(b)は、回転ハンドル38によりシャワー吐水が選択されている状態を示す。図12の上段は、吐水部16から吐き出される水を示し、図12の下段は、兼用弁体36と固定弁体50の位置関係を示す。図13も同様である。本図では、兼用弁体36の回転位置を示すために兼用弁体36に原点Poを付す。
本実施形態の第1連動機構60Aは、回転ハンドル38の回転に連動して、兼用弁体36を第1回転態様で回転させる。兼用弁体36は、回転ハンドル38の回転に連動して回転するとき、不図示の回転制限機構により、所定の第1角度θ1の範囲に回転可能範囲が制限されている。回転制限機構は、回転ハンドル38と一体的に回転する第1回転規制部(不図示)と、装置本体42に設けられ、第1回転規制部との接触により回転ハンドル38の回転を規制する第2回転規制部(不図示)との組み合わせである。本実施形態の第1回転態様とは、このように所定の第1角度θ1の範囲に兼用弁体36の回転可能範囲が制限されているもと、回転ハンドル38の回転量に応じた回転量で兼用弁体36を回転させることである。本例では第1角度θ1=45°である。
図12(a)の例では、兼用弁体36が回転可能範囲の一端位置に配置されている。この場合に、本例では、複数の原水通水孔58Aのうち一つの原水通水孔58Aが、ストレート用弁孔56Aが構成するストレート用水路32Aに連通される。これにより、原水水路30Aがストレート用水路32Aが連通され、原水水路30Aからストレート用水路32Aに原水が供給され、吐水部16からストレート吐水の吐水態様で原水が吐き出される。
図12(b)の例では、兼用弁体36を第1角度θ1で回転可能範囲の他端位置まで回転させている。この場合に、本例では、複数の原水通水孔58Aのうち他の原水通水孔58Aが、シャワー用弁孔56Bが構成するシャワー用水路32Bに連通される。これにより、原水水路30Aがシャワー用水路32Bに連通され、原水水路30Aからシャワー用水路32Bに原水が供給され、吐水部16からシャワー吐水の吐水態様で原水が吐き出される。
このように、兼用弁体36は、第1回転態様で回転することによって、複数の下流側水路32A、32Bのなかからいずれかの下流側水路32A、32Bに特定種の通水孔58A、58Bの連通先を切り替える。この結果、複数の下流側水路32A、32Bのなかからいずれかの下流側水路32A、32Bに、給水路30において水が流れる通水経路を切り替える。これにより、兼用弁体36は、吐水部16から吐き出される水が、ストレート吐水とシャワー吐水の間で切り替わるように、水栓装置12の動作状態を択一的に切り替える。このように、兼用弁体36は、回転ハンドル38の回転に連動して、水栓装置12の動作状態を第1変更態様で変更させる。本実施形態では、回転ハンドル38の回転位置によって、水栓装置12の動作状態が切り替わる。
このように兼用弁体36が第1変更態様で回転するとき、前述の特定種の通水孔58A、58Bとは別の通水孔58A、58Bは、その回転の前後で兼用弁体36により全ての下流側水路32A、32Bとの連通が絶たれた状態が維持される。ここでの「別の通水孔58A、58B」とは、上の例でいえば、改質水通水孔58Bである。
図13は、押しボタン40の動作の説明図である。図13(a)は、押しボタン40により原水Waが選択されている状態を示し、図13(b)は、押しボタン40により改質水Wbが選択されている状態を示す。
本実施形態の第2連動機構60Bは、押しボタン40のX方向での動きに連動して、兼用弁体36を第2回転態様で回転させる。本実施形態の第2回転態様とは、押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、所定の第2角度θ2で周方向の一方側に兼用弁体36を回転させることである。第2角度θ2は、円周をN等分する角度であって、第1角度θ1より大きい角度である。Nは2以上の自然数であり、本例ではN=4、第2角度θ2=90°である。
この第2角度θ2は、複数種の通水孔58A、58Bの位置と対応している。詳しくは、複数種の通水孔58A、58Bは第2角度θ2を空けた箇所毎に位置するように並べられる。これにより、兼用弁体36を角度θ2で回転させる毎に、複数種の通水孔58A、58Bの並び順に応じた順番で、複数の下流側水路32A、32Bのうち特定の下流側水路32A、32Bに連通する通水孔58A、58Bが切り替わる。
図13(a)の例では、原水通水孔58Aがストレート用弁孔56Aが構成するストレート用水路32Aに連通している。このとき、原水水路30Aからストレート用水路32Aに原水が供給され、吐水部16からストレート吐水の吐水態様で原水Waが吐き出される。
この場合に、兼用弁体36が第2角度θ2の角度で周方向の一方側に回転すると、図13(b)に示すように、ストレート用水路32Aに連通する通水孔58A、58Bは、原水通水孔58Aから改質水通水孔58Bに切り替わる。このとき、改質水通水孔58Bからストレート用水路32Aに改質水が供給され、吐水部16からストレート吐水の吐水態様で改質水Wbが吐き出される。
兼用弁体36が第2角度θ2の角度で周方向の一方側にさらに回転すると、ストレート用水路32Aに連通する通水孔58A、58Bは、改質水通水孔58Bから原水通水孔58Aに切り替わる。
このように、兼用弁体36は、第2回転態様で回転することによって、複数の上流側水路30A、30Bのなかからいずれかの上流側水路30A、30Bに、給水路30において水が流れる通水経路を切り替える。これにより、兼用弁体36は、吐水部16から吐き出される水が、原水Waと改質水Wbとの間で切り替わるように、水栓装置12の動作状態を択一的に切り替える。このように、兼用弁体36は、押しボタン40のX方向での動きに連動して、水栓装置12の動作状態を第1変更態様とは異なる第2変更態様で変更させる。本実施形態では、押しボタン40が押圧操作を受ける度に、水栓装置12の動作状態が切り替わる。
このように兼用弁体36が第2回転態様で回転するとき、特定の下流側水路32A、32Bとは別の下流側水路32A、32Bは、その回転の前後で兼用弁体36によりすべての通水孔58A、58Bとの連通が絶たれた状態が維持される。ここでの「別の下流側水路32A、32B」とは、上の例でいえば、シャワー用水路32Bである。
操作装置10の効果を説明する。
(A1)押しボタン40は、回転ハンドル38の内部空間38aを反押圧方向Xoから覆う位置に設けられる。よって、水栓装置12の動作状態を変更するにあたり、ユーザにより操作される箇所を回転ハンドル38の近くに集約できる。このため、ユーザが腕を大きく動かすことなく回転ハンドル38や押しボタン40を操作でき、ユーザの操作性が良好となる。
(A2)水栓装置12の動作状態の第1変更態様による変更操作に用いる箇所と、第2変更態様による変更操作に用いる箇所とが、個別の操作体(回転ハンドル38、押しボタン40)に分けられている。よって、これらの変更操作に用いる箇所を単数の操作体に担わせる場合と比べ、ユーザにとって操作体により変更される対象が分かり易くなり、ユーザの操作性が良好となる。
第1可動弁体35Aと第2可動弁体35Bは兼用弁体36が兼ねている。よって、第1可動弁体35Aと第2可動弁体35Bを別体に構成する場合と比べ、操作装置10の部品点数を削減でき、装置コストの低減を図れる。
兼用弁体36は、第1回転態様及び第2回転態様のそれぞれで回転させられることにより水栓装置12の動作状態を異なる変更態様で変更させることができる。よって、兼用弁体36を回転させるだけで、水栓装置12の動作状態の異なる変更態様での変更を実現できる。
(B)兼用弁体36が構成する第1可動弁体35Aは、回転ハンドル38の回転に連動して、水栓装置12の動作状態を択一的に切り替え可能である。また、兼用弁体36が構成する第2可動弁体35Bは、押しボタン40のX方向での動きに連動して、水栓装置12の動作状態を択一的に切り替え可能である。よって、4パターン以上の水栓装置12の動作状態の切り替えを実現するうえでも、ユーザにより操作される箇所を回転ハンドル38の近くに集約でき、ユーザの操作性が良好となる。
次に、前述の第1連動機構60A及び第2連動機構60Bに関連する構成を説明する。本実施形態の第1連動機構60Aの一部の構成部品は、第2連動機構60Bの一部の構成部品を兼ねている。ここでの「一部の構成部品」とは、次に説明する位置切替機構62、シャフト64である。本実施形態では、両者に共通する内容を第1連動機構60Aを用いて説明する。第1連動機構60Aの構成部品は、第2本体部材48の機構収容部48b内に収容される。第1連動機構60Aは、位置切替機構62と、シャフト64と、第1付勢部材66と、を備える。
図14は、図4の状態から押しボタン40の保持位置が変化した状態を示す図である。図4、図14に示すように、位置切替機構62は、押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、押しボタン40のX方向での位置を切り替え可能に押しボタン40を保持する。本実施形態の位置切替機構62は、スラストロック機構である。位置切替機構62により押しボタン40が保持される位置を保持位置という。
位置切替機構62は、図6に示すように、受け部材68と、回転子70と、運動変換機構(不図示)と、第2付勢部材72と、を有する。
受け部材68は、全体として筒状をなす。受け部材68は、装置本体42の機構収容部48bの外周壁部に対する摺動を伴い、装置本体42に回転可能に支持される。回転ハンドル38は、受け部材68に対して、一体的に回転可能、かつ、X方向に相対移動不能に取り付けられる。押しボタン40は、受け部材68に対してX方向に移動可能にガイドされ、かつ、受け部材68と一体的に回転可能に設けられる。
回転子70は、全体としてX方向に延びる軸体である。回転子70は、受け部材68の内周面に対する摺動を伴い、X方向に移動可能に受け部材68に支持される。回転子70は、受け部材68の内周面に形成されるカム部(不図示)との接触により回転が規制される回転規制位置と、その規制が解除される規制解除位置との間を移動可能である。
第2付勢部材72は、回転子70を反押圧方向Xoに付勢可能である。本実施形態の第2付勢部材72は、弾性体の一例となるコイルスプリングである。
運動変換機構は、押しボタン40の押圧方向Xpでの動きを回転子70の回転に変換可能である。本実施形態の運動変換機構76は、押しボタン40、受け部材68のカム部に形成されたカム面と、回転子70に形成されたカム受け面とを有するカム機構である。
シャフト64は、回転ハンドル38や押しボタン40に連動する位置切替機構62の構成部品(回転子70)の動きを、兼用弁体36に伝達する伝達部材の一例となる。シャフト64は、回転子70と一体的に回転可能で、回転子70と一体的に押圧方向Xpに移動可能に設けられる。シャフト64は、装置本体42の貫通孔48dに挿通される。シャフト64の基端側の端部は、兼用弁体36と一体的に回転可能、かつ、兼用弁体36と一体的にX方向に移動可能に設けられる。
第1付勢部材66は、押しボタン40の押圧方向での動きに連動した弁体36の移動方向とは反対側に弁体36を付勢可能である。ここでの「弁体36の移動方向」とは、本実施形態では押圧方向Xpである。本実施形態の第1付勢部材66は、弾性体の一例となるコイルスプリングである。
以上の操作装置10の動作を説明する。押しボタン40が押圧操作を受けていないとき、回転子70は、第2付勢部材72により反押圧方向Xoに付勢されることで回転規制位置に保持され、受け部材68に対する相対回転が規制される。このため、回転ハンドル38が回転すると、回転ハンドル38と一体的に受け部材68、回転子70、シャフト64及び兼用弁体36が回転する。第1連動機構60は、回転ハンドル38の回転に連動して、回転ハンドル38の回転量に応じた回転量で兼用弁体36を回転させることになる。
押しボタン40が押圧操作を受けると、押しボタン40により回転子70が押圧方向Xpに動かされる。回転子70が規制解除位置まで動くと、運動変換機構と第2付勢部材72の付勢力によって、回転子70が所定の第2角度θ2で回転しつつ反押圧方向Xoに動かされる。
以上の動作を経ることで、押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、回転子70は、前述の第2角度の分だけ回転する。位置切替機構62は、回転子70が前述の第2角度の分だけ回転する毎に、回転子70のX方向での保持位置が切り替わるように構成される。回転子70の保持位置の切り替えにより、押しボタン40のX方向での保持位置も切り替えられる。
図15は、押しボタン40が押圧操作を受けている途中状態を示す図である。押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、回転子70と一体的に兼用弁体36やシャフト64が押圧方向Xpに押圧される。これにより、兼用弁体36は固定弁体50から離れる方向である押圧方向Xpに動かされる。兼用弁体36は、第1付勢部材66の付勢力に抗して押圧方向Xpに動かされる。押しボタン40の押圧操作に伴い回転子70が回転すると、回転子70と一体的に弁体36やシャフト64が回転する。押しボタン40による押圧方向Xpでの押圧が解除されると、図4に示すように、第1付勢部材66の付勢力により、兼用弁体36やシャフト64が固定弁体50に近づく方向である反押圧方向Xoに動かされ、兼用弁体36が固定弁体50に着座する。これにより、前述のように、水栓装置12の動作状態が変更される。このように、位置切替機構62は、押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、兼用弁体36を固定弁体50から離れる方向に移動させてから回転させることが可能である。
以上の操作装置10の効果を説明する。
(C)第1連動機構60Aの構成部品は第2連動機構60Bの構成部品を兼ねている。よって、各連動機構60A、60Bの構成部品を別体にする場合と比べ、操作装置10の部品点数を削減でき、装置コストの低減を図れる。
(D)押しボタン40の押圧方向Xpでの動きに連動して、兼用弁体36を固定弁体50から離れる押圧方向Xpに動かすことが可能である。仮に、押しボタン40が押圧操作を受けたとき、固定弁体50に対する摺動を伴い兼用弁体36を回転させると、固定弁体50と兼用弁体36との間の摩擦抵抗の影響を受ける。この点、本実施形態によれば、押しボタン40が押圧操作を受けたときに、このような摩擦抵抗の影響を受けることなく、兼用弁体36を固定弁体50から離すことができる。よって、兼用弁体36が固定弁体50に固着したときでも、兼用弁体36を固定弁体50から容易に引き離せる。
位置切替機構62は、押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、押圧方向Xpに移動させてから弁体36を回転させることが可能である。よって、水栓装置12の動作状態を変更する場合に、弁体36と固定弁体50の間の摩擦抵抗の影響を受けることなく、弁体36を回転させることができる。
操作装置10の他の特徴を説明する。図16は、押しボタン40の保持位置と水栓装置12の動作状態との関係を示す図である。図16(a)は、水栓装置12の動作状態が原水Waの吐き出しである状態を示し、図16(b)は、水栓装置12の動作状態が改質水Wbの吐き出しである状態を示す。押しボタン40は、図16の上段は、吐水部16から吐き出される水を示し、図16の下段は、押しボタン40や回転ハンドル38の平面視での位置を示す。図17も同様である。
位置切替機構62は、押しボタン40により変更される操作対象の動作状態に応じた複数の異なる保持位置に押しボタン40を保持する。本実施形態の押しボタン40は、原水Waの吐き出しと改質水Wbの吐き出しとの間で、水栓装置12の動作状態を変更する。押しボタン40は、水栓装置12が原水Waを吐き出している状態のときに第1保持位置Pa1に配置され、水栓装置12が改質水Wbを吐き出している状態のときに第2保持位置Pa2に配置される。
押しボタン40は、第2保持位置Pa2にあるとき、第1保持位置Pa1にあるときより、回転ハンドル38の先端開口部38b(図4も参照)からの突出量が大きくなる。これにより、押しボタン40の保持位置を用いて、押しボタン40により選択されている操作対象の動作状態を表示可能となる。
図17は、回転ハンドル38の保持位置と操作対象(水栓装置12)の動作状態との関係を示す図である。図17(a)は、水栓装置12の動作状態がストレート吐水であるときの回転ハンドル38を示し、図17(b)は、水栓装置12の動作状態がシャワー吐水であるときの回転ハンドル38を示す。
水栓本体14の第1筒状部43aは、回転ハンドル38により変更可能な水栓装置12の動作状態を表示する状態表示部80A、80Bを有する。状態表示部80A、80Bは、凹部や凸部の凹凸構造や、模様や色彩の違いを用いて、ピクトグラム、文字等の記号の表示態様により水栓装置12の動作状態を表示する。本実施形態の回転ハンドル38による変更対象は、水栓装置12の吐水部16の吐水態様である。状態表示部80A、80Bには、水栓装置12の動作状態がストレート吐水であることを示す第1状態表示部80Aと、水栓装置12の動作状態がシャワー吐水であることを示す第2状態表示部80Bとが含まれる。本実施形態の状態表示部80A、80Bは第1筒状部43aの外周面に設けられる。
回転ハンドル38は、状態表示部80A、80Bと協働して、回転ハンドル38により選択されている水栓装置12の動作状態を特定するための状態特定部82を有する。本実施形態の状態特定部82は、回転ハンドル38の外周面に設けられる。状態特定部82は、凹部や凸部の凹凸構造や、模様や色彩の違いを用いて構成される。本実施形態の状態特定部82は回転ハンドル38の外周面に設けられた滑り止め構造のない箇所により構成される。本実施形態の状態特定部82は、状態表示部80A、80BとX方向に重なる位置に配置されることで、複数の状態表示部80A、80Bのなかから一つの状態表示部80A、80Bを特定する機能を果たす。状態特定部82により特定される状態表示部80A、80Bは、回転ハンドル38により選択されている水栓装置12の動作状態を示す。
(E)これにより、回転ハンドル38の近くの押しボタン40の保持位置をみれば、押しボタン40により選択されている水栓装置12の動作状態を把握できる。また、回転ハンドル38の近くの状態特定部82をみれば、回転ハンドル38により選択されている水栓装置12の動作状態を把握できる。つまり、回転ハンドルの近くをみるだけで、回転ハンドル38や押しボタン40により選択されている水栓装置12の動作状態を容易に把握できる。
図6に戻り、押しボタン40は、回転ハンドル38の内側に配置される内側部材84と、内側部材84に対して先端側に配置されて外部に露出する外側部材86とを有する。本実施形態において、前述の押しボタン40の端面部40aは内側部材84と外側部材86が構成し、中空軸部40bは内側部材84が構成する。内側部材84と外側部材86は、互いにX方向に対向する箇所に設けられた凹部と凸部の圧入を伴う嵌め合い等を用いて一体化される。内側部材84は、押しボタン40の保持位置によらず、回転ハンドル38により少なくとも一部が覆われている。外側部材86は、押しボタン40の保持位置によらず、その外周面や反押圧方向Xoの端面の少なくとも一部が外部に露出している。
この利点を説明する。外側部材86は外部に露出するため、意匠性を考慮して、外側部材86の模様、色彩等の形態を設計したり、さわり心地を考慮して、摩擦係数等の表面性状を設計できる。内側部材84は、回転ハンドル38の内側で回転ハンドル38により覆われるため、意匠性やさわり心地を考慮せず、他の目的を実現するように設計できる。つまり、外側部材86と内側部材84で異なる目的を実現するように設計でき、設計上の自由度の向上を図れる。
回転ハンドル38の内周面と対向する内側部材84の外周面は、外側部材86の外周面より摩擦抵抗が小さくなるように設定される。本実施形態において、内側部材84は樹脂を素材として構成され、外側部材86は金属を素材として構成される。
この利点を説明する。回転ハンドル38の回転操作をするとき、回転ハンドル38の内周面が内側部材84の外周面に対する接触を伴い摺動する場合がある。この場合に、内側部材84の外周面の摩擦抵抗が外側部材86の外周面の摩擦抵抗以上になるときと比べ、その摺動抵抗を抑えられる。この結果、このような場合でも、回転ハンドル38に入力すべき荷重を小さくでき、ユーザの操作性が良好になる。なお、押しボタン40の押圧操作をするときも同様に、回転ハンドル38の内周面に対する押しボタン40の摺動抵抗を抑えられるので、押しボタン40に入力すべき荷重を小さくできる。
内側部材84の外周面と外側部材86の外周面との摩擦抵抗の具体的な大きさは、ユーザの操作性との関係で要求される性能に応じて、実験的手法、統計的手法等を用いて定めればよい。
押しボタン40の外周壁部は、第1保持位置Pa1にあるとき、回転ハンドル38の内側に配置される内側意匠部40dと、回転ハンドル38の外側に露出する外側意匠部40eとを有する。内側意匠部40dは、図16に示すように、第2保持位置Pa2にあるとき、回転ハンドル38の先端開口部38bからはみ出しており、回転ハンドル38の外側に露出する。本実施形態の内側意匠部40dは内側部材84が構成し、外側意匠部40eは外側部材86が構成する。内側意匠部40dと外側意匠部40eとは、形状、模様及び色彩の少なくとも一つが異なるように設けられる。本実施形態においては、外側意匠部40eにはステンレス調の銀色の色彩が設けられ、内側意匠部40dには青色の色彩が設けられる。これにより、押しボタン40の保持位置の違いを把握し易くなり、押しボタン40により選択されている水栓装置12の動作状態を把握し易くなる。
図3に示すように、回転ハンドル38は、吐水部16が設けられる水栓本体14の第2筒状部43bとは異なる箇所に設けられる。本実施形態では、水栓本体14の第1筒状部43aの先端部43cに設けられる。水栓本体14のスパウト部18の先端側部分に設けられるとも捉えられる。
(F)これにより、吐水部16から離れた箇所で回転ハンドル38や押しボタン40を操作でき、吐水部16から吐き出される水によって、ユーザの手や腕が濡れる事態を避けられる。
図2、図3に示すように、回転ハンドル38が設けられる水栓本体14の第1筒状部43aの先端部43cは、カウンター26の正面側を向くように設けられる。この条件は、水栓本体14が基体24に鉛直方向軸周りに回転可能に設置される場合、その回転可能範囲の一部で満たしていればよい。
(G)このような条件を満たすことで、カウンター26の正面側に居るユーザから見て、回転ハンドル38や押しボタン40の視認性が良好になり、ユーザの操作性が良好となる。特に、本実施形態では、回転ハンドル38や押しボタン40による水栓装置12の動作状態の変更態様に関して、吐水部16の吐水態様の切り替えと、吐水部16から吐き出される水の種類の切り替えとを採用している。これらはユーザによる使用頻度が多く、そのような変更動作を視認性がよく、かつ、集約された箇所にある操作体を用いて実現できるため、ユーザによる操作性が特に良好となる。また、このような使用頻度の多い変更動作に用いる箇所が集約されるため、吐水部16の近傍に他の用途で用いられる操作部材を組み込むことができ、更なる付加価値の向上を図れる。
ちなみに、第1筒状部43aの先端開口部の中心軸線Lcは、回転ハンドル38や押しボタンの視認性を高める観点から、水平方向に沿った方向または斜め上方向に設定されると好ましい。
回転ハンドル38は、水栓本体14の第1筒状部43aのX方向での延長上に設けられる。本実施形態の回転ハンドル38は、第1筒状部43aの外周面のX方向での延長上に設けられる。
これにより、第1筒状部43aの延長上に回転ハンドル38がない場合と比べ、回転ハンドル38をユーザが掴み易くなり、回転ハンドル38の操作性が良好になる。
図4に示すように、兼用弁体36が兼ねる第1可動弁体35Aや第2可動弁体35Bは、水栓本体14の第1筒状部43aの内側に配置される。第1連動機構60Aや第2連動機構60Bも水栓本体14の第1筒状部43aの内側に配置される。
(H)これにより、水栓本体14の第2筒状部43bの内側に第1可動弁体35Aや第2可動弁体35Bを配置するより、第2筒状部43bの大型化を避けられ、良好な意匠性を得られる。このような観点から、第1可動弁体35Aや第2可動弁体35Bは、少なくとも一部が第1筒状部43aの内側に配置されていればよい。
図6に示すように、押しボタン40の少なくとも一部は、回転ハンドル38の内側に配置される。本実施形態では、押しボタン40の内側部材84が回転ハンドル38の内側に配置される。また、押しボタン40の外側部材86は回転ハンドル38の外側に配置される。本実施形態の押しボタン40は、回転ハンドル38の先端開口部38bから一部がはみ出した状態になる。
これにより、回転ハンドル38の内側のスペースを有効に活用して押しボタン40を配置でき、押しボタン40の全体が回転ハンドル38の外側に配置される場合と比べ、操作装置10全体のX方向での寸法の小型化を図れる。
回転ハンドル38には、回転ハンドル38の内周面を径方向内側から覆う筒状の摩擦低減部材88が取り付けられている。摩擦低減部材88は、押しボタン40が押圧操作を受けたときに押しボタン40がX方向に動く範囲で、回転ハンドル38の内周面を覆うように設けられる。摩擦低減部材88の内周面は、回転ハンドル38の内周面より摩擦抵抗が小さくなるように設定される。これにより、摩擦低減部材88は、回転ハンドル38の内周面に対して押しボタン40が直接に接触するより、押しボタン40に付与される摩擦抵抗を低減できる。
図6に示すように、回転ハンドル38の小外径部38dは第1筒状部43aの先端部43cの内側に配置される。押しボタン40の中空軸部40bや、第2連動機構60Bの構成部品となる受け部材68、回転子70、シャフト64は、第1筒状部43aの先端部の内側で、かつ、回転ハンドル38の内側に配置される。第1筒状部43aの先端部43cの内側で、かつ、回転ハンドル38の内側には、押しボタン40の押圧操作を受けて押圧方向Xpに移動する部材が配置されるともいえる。本実施形態では、第1筒状部43aの先端部43cの内側で、かつ、回転ハンドル38の内側には、第1連動機構60Aの構成部品となる受け部材68等が配置されるともいえる。
これにより、第1筒状部43aの先端部43cの内側スペースを有効に活用して、回転ハンドル38や、押しボタン40又は第2連動機構60Bを配置できる。よって、これらの配置スペースを別に分けるよりも操作装置10の小型化を図れる。このような観点から、筒状部43aの先端部43cの内側で、かつ、回転ハンドル38の内側には、押しボタン40または第2連動機構60の少なくとも一方が配置されていればよい。
前述のように、押しボタン40は、押圧操作を受けて前述の保持位置Pa1、Pa2から動作位置Pb(図15参照)まで移動した後、押圧操作が解除されることによって、兼用弁体36の回転を伴い水栓装置12の動作状態を変更可能である。ここでの動作位置Pbとは、回転子70が前述の規制解除位置にあるときに押しボタン40が位置する箇所をいう。
押しボタン40は、このような動作位置Pbに位置するとき、回転ハンドル38の先端開口部38bから反押圧方向Xoの外側に少なくとも一部がはみ出すように設けられる。この利点を説明する。たとえば、ユーザの手のひらや手の甲等のような、回転ハンドル38の先端開口部38bより大きい操作箇所で押しボタン40を押圧操作する場合を考える。この場合に、押しボタン40を保持位置Pa1、Pa2から動作位置Pbに移動させるまでの間に、回転ハンドル38の先端開口部38bと前述の操作箇所の間で干渉が生じ難くなる。これに伴い、押しボタン40の操作性が良好となる。
同様の効果を得る観点から、押しボタン40の反押圧方向Xoの先端40fは、前述の動作位置Pbに位置するとき、径方向から見て、回転ハンドル38の先端開口部38bと重なる位置に設けられていてもよい。押しボタン40は、回転ハンドル38の先端開口部38bからはみ出していなくともよいということである。
また、図6に示すように、本実施形態の押しボタン40の端面部40aは反押圧方向Xoに向かって凸となる曲面状をなす。詳しくは、本実施形態の端面部40aは反押圧方向Xoに向かって凸となる球面状をなす。端面部40aがなす曲面の反押圧方向Xoでの先端40fは端面部40aの中央部に設けられる。ここでの端面部40aの中央部40gとは、押しボタン40を押圧方向Xpに見たとき、端面部40aの中央に位置する箇所をいう。
これにより、押しボタン40の端面部40aが押圧方向Xpに向かって凹となる曲面状をなす場合と比べ、その端面部40aの中央部40gを押圧方向Xpに沿って真っ直ぐに押圧し易くなる。これに伴い、押しボタン40から第2連動機構60Bの構成部品である回転子70やシャフト64に荷重を伝達し易くなり、押しボタン40の操作性が良好となる。
(第2の実施の形態)
図18、図19は、第2実施形態の操作装置10を用いた水栓装置12の一部の側面断面図である。図18は、吐水部16からシャワー吐水で水を吐き出している状態を示し、図19は、ストレート吐水で水を吐き出している状態を示す。本実施形態の吐水部16は、ストレート吐水穴16a及びシャワー吐水穴16bの両方から吐き出される水を合流させることで、ストレート吐水で水を吐き出し可能である。本実施形態の吐水部16は、シャワー吐水穴16bのみから水を吐き出すことで、シャワー吐水で水を吐き出し可能である。
装置本体42の内部には、前述の原水水路30Aと、改質水水路30Bと、ストレート用水路32Aと、シャワー用水路32Bが形成される。本図では、説明の便宜のため、一部の水路に矢印を付して示す。装置本体42の内部には、原水水路30Aに通じる原水用弁孔56C(第1上流側水路用弁孔)と、改質水水路30Bに通じる改質水用弁孔56D(第2上流側水路用弁孔)と、原水用弁孔56C及び改質水用弁孔56Dの両方に通じる共通水路90と、共通水路90に通じるストレート用弁孔56Aとが形成される。本実施形態の共通水路90は、シャワー用水路32Bに常時連通している。
本実施形態の回転ハンドル38は押しボタン40を兼ねている。押しボタン40を兼ねる回転ハンドル38は、ユーザによる回転操作を受ける外周壁部38cと、ユーザによる押圧操作を受ける端面部40aとを有する。
本実施形態の第1可動弁体35Aと第2可動弁体35Bは別体に構成される。本実施形態の第1可動弁体35Aは、回転ハンドル38の回転に連動して、X方向と交差するY方向に移動可能である。第1可動弁体35Aは、Y方向に移動することによって、ストレート用弁孔56Aを開閉可能である。ストレート用弁孔56Aの開閉状態に応じて、共通水路90とストレート用水路32Aとの連通の有無が切り替えられる。
図19に示すように、共通水路90とストレート用水路32Aが連通されているとき、共通水路90からストレート用水路32Aを通してストレート吐水穴16aに水が供給されるとともに、シャワー用水路32Bを通してシャワー吐水穴16bに水が供給される。この結果、吐水部16からストレート吐水で水を吐き出される。一方、図18に示すように、共通水路90とストレート用水路32Aの連通が絶たれているとき、共通水路90からシャワー用水路32Bを通してシャワー吐水穴16bにのみ水が供給される。この結果、吐水部16からシャワー吐水で水が吐き出される。
このように、第1可動弁体35Aは、回転ハンドル38の回転に連動してY方向に移動することによって、水栓装置12の動作状態を第1変更態様で変更させることが可能である。本実施形態の第1可動弁体35Aは、複数の下流側水路32A、32B(ストレート用水路32A、シャワー用水路32B)のなかからいずれかの下流側水路32A、32Bに通水経路を切り替えることで、水栓装置12の動作状態を択一的に切り替える。このように、通水経路を切り替えるうえでは、単数の下流側水路32A、32Bを通水経路にした状態と、複数の下流側水路32A、32Bを通水経路にした状態とを切り替えてもよい。
第2可動弁体35Bは、押しボタン40のX方向での動きに連動して、X方向に移動可能である。第2可動弁体35Bは、X方向に移動することによって、原水用弁孔56Cと改質水用弁孔56Dのうちの一方のみを閉じるように、これらを開閉可能である。詳しくは、第2可動弁体35Bは、押圧方向Xpに移動することによって、原水用弁孔56Cを閉じるとともに、改質水用弁孔56Dを開ける第1弁体位置に配置される。また、第2可動弁体35Bは、反押圧方向Xoに移動することによって、原水用弁孔56Cを開くとともに、改質水用弁孔56Dを閉じる第2弁体位置に配置される。
図18に示すように、改質水用弁孔56Dが閉じているとき、開いている原水用弁孔56Cを通して原水水路30Aと共通水路90が連通する。このとき、原水水路30Aから共通水路90に原水が供給され、共通水路90から下流側水路32A、32Bに原水が供給され、吐水部16から原水が吐き出される。一方、図19に示すように、原水用弁孔56Cが閉じているとき、開いている改質水用弁孔56Dを通して改質水水路30Bと共通水路90が連通する。このとき、改質水水路30Bから共通水路90に改質水が供給され、共通水路90から下流側水路32A、32Bに改質水が供給される。この結果、吐水部16から改質水が吐き出される。
このように、第2可動弁体35Bは、押しボタン40のX方向での動きに連動してX方向に移動することによって、水栓装置12の動作状態を第2変更態様で変更させることが可能である。本実施形態の第2可動弁体35Bは、複数の上流側水路30A、30B(原水水路30A、改質水水路30B)のなかからいずれかの上流側水路30A、30Bに通水経路を切り替えることで、水栓装置12の動作状態を択一的に切り替える。
図20(a)は、図18のE-E線断面図であり、図20(b)は、図19のF-F線断面図である。第1連動機構60Aは、回転ハンドル38の回転に連動して、第2可動弁体35Bを回転させることが可能であるとともに、第2運動変換機構92によって、第2可動弁体35Bの回転を第1可動弁体35AのY方向での動きに変換させることが可能である。第2運動変換機構92はカム機構であり、第2可動弁体35Bの外周面に設けられる第2カム部92aと、第2カム部92aを受ける第2カム受け部92bとを有する。第2可動弁体35Bと一体的に第2カム部92aがX方向軸周りの一方側に回転すると、その第2カム部92aが第2カム受け部92bと接触し、第2カム部92aが第1可動弁体35AをY方向の一方側(図20の上側)に動かす(図20(b)参照)。
第1連動機構60Aは、第2可動弁体35BをY方向の他方側に付勢する第3付勢部材94を備える。第2可動弁体35Bと一体的に第2カム部92aがX方向軸周りの他方側に回転すると、その第2カム部92aと第2カム受け部92bの接触が解除される。これに伴い、第3付勢部材94の付勢力により第1可動弁体35AがY方向の他方側(図20の下側)に動かされる(図20(a)参照)。
第2連動機構60Bは、押しボタン40が押圧操作される毎に、第1可動弁体35AのX方向での位置を切り替え可能に保持する。このような機能を実現するため、第2連動機構60Bには、スラストロック機構が組み込まれるが、ハートカム機構、回転カム機構、ラチェットカム機構等が組み込まれてもよい。第2連動機構60Bは、押しボタン40が押圧操作される度に、第1弁体位置と第2弁体位置の間で、第1可動弁体35Aの位置を切り替える。
本実施形態の操作装置10によっても、(A1)、(A2)、(B)、(F)、(G)、(H)の効果を得られる。
(第3の実施の形態)
図21、図22は、第3実施形態の操作装置10を用いた水栓装置12の一部の側面断面図である。図21は、吐水部16からシャワー吐水で水を吐き出している状態を示し、図22は、ストレート吐水で水を吐き出している状態を示す。本実施形態の吐水部16は第2実施形態と同様の構成である。
本実施形態の装置本体42の内部にも、第2実施形態と同様、原水水路30Aと、改質水水路30Bと、共通水路90と、ストレート用水路32Aと、シャワー用水路32Bが形成される。
本実施形態の第1可動弁体35Aは、回転ハンドル38の回転に連動して回転可能な回転弁体である。本実施形態の第1可動弁体35Aによる水栓装置12の動作状態の変更態様(第1変更態様)は、吐水部16から吐き出される水の種類の切り替えである。
図23(a)は、図21の第1可動弁体35AのG-G線断面図であり、図23(b)は、図23(a)の位置から第1可動弁体35Aを回転させた状態を示す図である。第1可動弁体35Aには、共通水路90に連通する通水孔58Cが形成される。通水孔58Cは、第1可動弁体35Aが回転することによって、複数の上流側水路30A、30B(原水水路30A、改質水水路30B)のいずれかの上流側水路30A、30Bに択一的に連通される。
図23(a)に示すように、第1可動弁体35Aの通水孔58Cが原水水路30Aに連通される位置に配置されるとき、通水孔58Cを通して原水水路30Aと共通水路90が連通する。このとき、原水水路30Aから共通水路90を通して原水が供給され、共通水路90から下流側水路32A、32Bに原水が供給され、吐水部16から原水が供給される。一方、図23(b)に示すように、第1可動弁体35Aの通水孔58Cが改質水水路30Bに連通される位置に配置されるとき、通水孔58Cを通して改質水水路30Bと共通水路90が連通する。このとき、改質水水路30Bから共通水路90を通して改質水が供給され、共通水路90から下流側水路32A、32Bに改質水が供給され、吐水部16から改質水が吐き出される。
このように、第1可動弁体35Aは、回転ハンドル38の回転に連動して回転することによって、水栓装置12の動作状態を第1変更態様で変更させることが可能である。
第2可動弁体35Bは、押しボタン40のX方向での動きに連動して、X方向と直交するY方向に移動可能である。本実施形態の第2可動弁体35Bによる水栓装置12の動作状態の変更態様(第2変更態様)は、吐水部16の吐水態様の切り替えである。
第2可動弁体35Bは、Y方向に移動することによって、ストレート用弁孔56Aを開閉可能である。ストレート用弁孔56Aの開閉状態に応じて、共通水路90とストレート用水路32Aとの連通の有無が切り替えられる。ストレート用弁孔56Aの開閉状態に応じて、第2実施形態と同様、吐水部16の吐水態様が切り替えられる。
第1連動機構60Aは、回転ハンドル38の回転に連動して、第1可動弁体35Aを回転させることが可能である。
第2連動機構60Bは、押しボタン40のX方向での動きに連動して、退避位置と進出位置との間で、X方向での位置を切り替え可能な第2シャフト65を有する。このような機能を実現するため、第2連動機構60Bには、ハートカム機構が組み込まれるが、スラストロック機構、回転カム機構、ラチェットカム機構等が組み込まれてもよい。
第2連動機構60Bは、第2シャフト65が退避位置から進出位置に移動するとき、第2シャフト65のX方向での動きを第2可動弁体35BのY方向の一方側(図21の上側)への動きに変換する。第2連動機構60Bは、第2可動弁体35BをY方向の他方側(図21の下側)に付勢する第3付勢部材94を有する。第2シャフト65が進出位置にあるとき、第2可動弁体35Bは、ストレート用弁孔56Aを開く。第2シャフト65が退避位置にあるとき、第2可動弁体35Bは、第3付勢部材94の付勢力によって動くことで、ストレート用弁孔56Aを閉じる。
本実施形態の操作装置10によっても、(A1)、(A2)、(B)、(F)、(G)、(H)の効果を得られる。
以上、実施形態をもとに本発明を説明した。次に、各構成要素の変形例を説明する。
水栓本体14のスパウト部18は、単数の筒状部のみを有していてもよい。操作装置10の装置本体42は水栓本体14が兼ねる例を説明したが、水栓本体14とは別体に設けられていてもよい。
弁体35A、35B、36により複数の水路のなかからいずれかの水路に通水経路を切り替えるうえで、切り替え対象となる水路の数は特に限定されない。たとえば、上流側水路30A、30Bや下流側水路32A、32Bは、実施形態のように二つではなく、三つ以上あってもよい。弁体35A、35B、36は、このように通水経路を切り替えるうえで、複数の水路のなかの二つ以上の水路に通水経路を切り替えてもよい。つまり、弁体35A、35B、36は、複数の水路のなかの少なくとも一つの水路に通水経路を切り替えられればよい。
弁体35A、35B、36を用いた水栓装置12の動作状態の変更態様は、吐水部16の吐水態様の切り替え、吐水部16から吐き出される水の切り替えを例に説明した。この変更態様は、水栓装置12の動作状態を変更させるものであればよく、これらの例に限定されない。たとえば、変更態様は、吐水部16から吐き出される水の流量や温度の変更でもよいし、吐水部16の吐水状態と止水状態の間での切り替えでもよい。また、変更態様は、水栓装置12が複数の吐水部16を備える場合、水を吐き出している吐水部16の切り替えでもよい。
また、弁体35A、35B、36は、複数の水路のなかからいずれかの水路に通水経路を切り替えるのではなく、単数の水路の開度を変更することで、水栓装置12の動作状態を変更してもよい。これは、たとえば、水栓装置12の動作状態の変更態様が、吐水部16から吐き出される水の流量や温度の変更である場合である。また、弁体35A、35B、36は、複数の水路のなかからいずれかの水路に通水経路を切り替えることで、吐水部16から吐き出される水の流量や温度を変更させてもよい。
第1可動弁体35Aや第2可動弁体35Bのいずれかは、水栓装置12の動作状態を変更させるうえで、水栓装置12の給水路30を構成する一部の水路の開度を変化させてもよい。第1可動弁体35A及び第2可動弁体35Bの一方が、複数の水路のなかの少なくとも一つの水路に通水経路を切り替えることで、水栓装置12の動作態様を変更させることが可能であればよいということである。
回転ハンドル38や押しボタン40に連動する兼用弁体36の動き方は特に限定されない。兼用弁体36は、たとえば、回転ハンドル38の回転に連動して直動してもよいし、押しボタン40の動きに連動して直動してもよい。いずれにしても、兼用弁体36は、回転ハンドル38や押しボタン40の動きに連動して水栓装置12の動作態様を変化させることが可能であればよい。水栓装置12の動作態様を異なる変更態様で変更するうえで、兼用弁体36の第1回転態様や第2回転態様は特に限定されない。
同様に、回転ハンドル38の回転に連動する第1可動弁体35Aの動き方は特に限定されない。また、押しボタン40のX方向での動きに連動する第2可動弁体35Bの動き方も特に限定されない。
第1可動弁体35Aと第2可動弁体35Bとが別体の場合、回転弁体は第1可動弁体35Aが構成してもよいし、第2可動弁体35Bが構成してもよい。この場合、回転弁体を構成する第1可動弁体35Aまたは第2可動弁体35Bに対応する連動機構は、回転ハンドル38の回転または押しボタン40のX方向での動きに連動して、回転弁体を押圧方向Xpに移動させてもよい。この場合でも前述の(D)で説明した効果を得られる。
回転ハンドル38は、吐水部16が設けられる水栓本体14の第2筒状部43bに設けられていてもよい。押しボタン40は、内側部材84と外側部材86を有する例を説明したが、一体成形品が構成していてもよい。
前述の(C)の効果を得るうえでは、第1連動機構60Aの少なくとも一部の構成部品が第2連動機構60Bの少なくとも一部の構成部品を兼ねていればよい。
位置切替機構62は、スラストロック機構を例に説明したが、その具体例は特に限定されない。位置切替機構62は、たとえば、ハートカム機構、回転カム機構、ラチェットカム機構等でもよい。運動変換機構はカム機構に限定されず、ラックアンドピニオン等の歯車機構でもよい。
前述の効果(E)を得るうえで、装置本体42の第1筒状部43aではなく回転ハンドル38が状態表示部80A、80Bを有し、回転ハンドル38ではなく装置本体42の第1筒状部43aが状態特定部82を有していてもよい。また、状態表示部80A、80Bは複数ではなく単数でもよい。これは、弁体36が水の流量や温度を連続的に変更させる場合に、その流量や温度をレベルメータ等のメータを用いて表示する場合を想定している。いずれの場合でも、状態表示部80A、80Bと協働して、回転ハンドル38により選択されている水栓装置12の動作状態を特定できればよい。単数の状態表示部がメータの場合、状態特定部82はメータのレベルを特定する指針が構成してもよい。
以上、本発明の実施形態や変形例について詳細に説明した。前述した実施形態や変形例は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態や変形例の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して強調しているが、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。以上の構成要素の任意の組み合わせも、本発明の態様として有効である。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。以下、発明が解決しようとする課題に記載の態様を用いて説明する。
第2態様の操作装置は、第1態様において、前記第1可動弁体と前記第2可動弁体を兼ねる兼用弁体を備えてもよい。
この態様によれば、第1可動弁体と第2可動弁体を別体に構成する場合と比べ、操作装置の部品点数を削減できる。
第3態様の操作装置は、第2態様において、前記兼用弁体は、前記第1回転態様で回転させられることにより前記水栓装置の動作状態を第1変更態様で変更させることが可能であり、前記第2回転態様で回転させられることにより前記水栓装置の動作状態を第2変更態様で変更させることが可能であってもよい。
この態様によれば、兼用弁体を回転させるだけで、水栓装置の動作状態の異なる変更態様での変更を実現できる。
第4態様の操作装置は、第1から第3態様のいずれかにおいて、前記回転操作体の回転または前記押圧操作体の前記第1方向での動きに連動して前記第1可動弁体または前記第2可動弁体を回転させる連動機構と、前記連動機構により回転させられる弁体である回転弁体が着座するとともに弁孔が形成された固定弁体と、を備え、前記回転弁体は、前記連動機構により回転させられることにより前記弁孔を開閉可能であり、前記連動機構は、前記回転操作体の回転または前記押圧操作体の前記第1方向での動きに連動して、前記回転弁体を前記固定弁体から離れる方向に動かすことが可能であってもよい。
この態様によれば、回転弁体が回転することで弁孔を開閉する場合に、回転弁体が固定弁体に固着したときでも、回転弁体を固定弁体から容易に引き離せる。
第5態様の操作装置は、第1から第4態様のいずれかにおいて、前記回転操作体の回転に連動して、前記水栓装置の動作状態を変更させるように前記第1可動弁体を作動させることが可能な第1連動機構と、前記押圧操作体の前記第1方向での動きに連動して、前記水栓装置の動作状態を変更させるように前記第2可動弁体を作動させることが可能な第2連動機構と、を備え、前記第1連動機構の一部の構成部品は、前記第2連動機構の一部の構成部品を兼ねていてもよい。
この態様によれば、各連動機構の構成部品を別体にする場合と比べ、操作装置の部品点数を削減できる。
第6態様の操作装置は、第1から第5態様のいずれかにおいて、前記回転操作体が設けられる筒状部を有する装置本体を備え、前記回転操作体は、前記筒状部の前記回転軸方向での延長上に設けられ、前記押圧操作体の少なくとも一部は、前記回転操作体の内側に配置されてもよい。
この態様によれば、回転操作体の内側のスペースを有効に活用して押圧操作体を配置できる。
第7態様の操作装置は、第1から第6態様のいずれかにおいて、前記押圧操作体は、前記回転操作体の内側に配置される内側部材と、前記内側部材に対して前記押圧操作体が押圧される押圧方向とは反対側に配置されて外部に露出する外側部材と、を有してもよい。
この態様によれば、外側部材と内側部材で異なる目的を実現するように設計でき、設計上の自由度の向上を図れる。
第8態様の操作装置は、第7態様において、前記回転操作体の内周面と対向する前記内側部材の外周面は、前記外側部材の外周面より摩擦抵抗が小さくなるように設定されてもよい。
この態様によれば、内側部材の外周面の摩擦抵抗が外側部材の外周面の摩擦抵抗以上になるときと比べ、回転操作体の回転操作をするときに、回転操作体に入力すべき荷重を小さくできる。
第9態様の操作装置は、第1から第8態様のいずれかにおいて、前記回転操作体が設けられる筒状部を有する装置本体と、前記押圧操作体が押圧操作を受ける毎に、前記第1方向での位置を切り替え可能に前記押圧操作体を保持する位置切替機構と、を備え、前記回転操作体及び前記筒状部の一方は、前記回転操作体により変更可能な前記水栓装置の動作状態を表示する状態表示部を有し、前記回転操作体及び前記筒状部の他方は、前記状態表示部と協働して、前記回転操作体により選択されている前記水栓装置の動作状態を特定するための状態特定部を有してもよい。
この態様によれば、回転操作体の近くをみるだけで、回転操作体や押圧操作体により選択されている水栓装置の動作状態を容易に把握できる。
第10態様の操作装置は、第1から第9態様のいずれかにおいて、前記第1可動弁体は、前記回転操作体の回転に連動して、前記水栓装置の動作状態を択一的に切り替え可能であり、前記第2可動弁体は、前記押圧操作体の前記第1方向での動きに連動して、前記水栓装置の動作状態を択一的に切り替え可能であってもよい。
この態様によれば、4パターン以上の水栓装置の動作状態の切り替えを実現するうえでも、ユーザにより操作される箇所を回転操作体の近くに集約でき、ユーザの操作性が良好となる。
第11態様の操作装置は、前記回転操作体が先端部に設けられる筒状部を有する装置本体と、前記押圧操作体の前記第1方向での動きに連動して、前記水栓装置の動作状態を変更させるように前記第2可動弁体を作動させることが可能な第2連動機構と、を備え、前記回転操作体の一部は、前記筒状部の先端部の内側に配置され、前記押圧操作体または前記第2連動機構の少なくとも一方は、前記筒状部の先端部の内側で、かつ、前記回転操作体の内側に配置されてもよい。
この態様によれば、筒状部の先端部の内側スペースを有効に活用して、回転操作体や、押圧操作体又は第2連動機構を配置できる。よって、これらの配置スペースを別に分けるよりも操作装置の小型化を図れる。
第12態様の操作装置は、第1から第11態様のいずれかにおいて、前記水栓装置は、水栓本体を備え、前記水栓本体は、第1筒状部と、前記第1筒状部の外周部から突出するとともに吐水部が設けられる第2筒状部とを有し、前記回転操作体は、前記第1筒状部の先端部に設けられてもよい。
この態様によれば、水栓本体の第1筒状部の先端部がカウンターの正面側を向くように配置することで、カウンターの正面側に居るユーザから見て、各操作体の視認性が良好になり、ユーザの操作性が良好となる。
第13態様の操作装置は、第1から第12態様のいずれかにおいて、前記水栓装置は水栓本体を備え、前記水栓本体は、第1筒状部と、前記第1筒状部の外周部から突出するとともに吐水部が設けられる第2筒状部とを有し、前記第1可動弁体及び前記第2可動弁体は、前記第1筒状部の内側に配置されてもよい。
この態様によれば、第2筒状部の内側に第1可動弁体や第2可動弁体を配置するより、第2筒状部の大型化を避けられ、良好な意匠性を得られる。
第13態様は、第1から第12態様のいずれかの操作装置を備える水栓装置である。