JP2014195645A - 音響信号受信装置、光音響イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 音響波信号以外の要因により生じた光の強度変化によるノイズ信号を低減することが可能となる音響信号受信装置を提供する。【解決手段】 本発明に係る音響信号受信装置は、測定対象物から発生した音響波を光強度信号へ変換するファブリ・ペロー干渉計により構成されたファブリ・ペローセンサーと、第1及び第2の波長を設定する制御部と、第1の波長の光を発する第1の光源と、第2の波長の光を発する第2の光源と、ファブリ・ペローセンサー上への第1の光源及び第2の光源からの光の照射による反射光の光強度を、第1及び第2の波長ごとに独立して電気信号に変換する検出部と、第1の波長に対応する電気信号と第2の波長に対応する電気信号との差を取得する信号処理部と、を有し、制御部は、第1及び第2の波長におけるファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルの微分値が異なるように第1及び第2の波長を設定する。【選択図】 図1
Description
本発明は、ファブリ・ペロー干渉計を用いた音響信号受信装置に関する。
生体内のイメージングをする手法として、光音響イメージング装置(Photo―acoustic tomograPhy:PAT)が知られている。以下、これをPATと記す。
光音響イメージング装置では、光源から発生したパルス光を被検体に照射し、その光のエネルギーが生体組織に吸収され、その時に発生する音響波(以下、光音響波と記す。)を複数の空間的位置で検出する。
そして、光音響イメージング技術では、それらの信号を解析処理し、光エネルギー吸収の分布などの情報を断層像として可視化することができる。
上記光音響波などの音響波を受信(音響波信号から電気信号への変換)する手段として、音響波信号を一度光の強度変調へ変換し、その光強度変調を電気信号に変換する手法が知られている(非特許文献1)。
音響波を光強度信号へ変換するデバイスは、比較的軟らかい物質が平行な2枚の反射鏡に挟まれた構造を利用し、2枚の反射鏡の間で光が共振する構造、一般にファブリ・ペロー干渉計(Fabri−Perot Interferometer, FPI)と呼ばれる構造が用いられる。
以下、上記の比較的軟らかい物質が平行な2枚の反射鏡に挟まれたファブリ・ペロー干渉計による構造をFPIセンサーと記す。
次に、このFPIセンサーで音響波を受信するメカニズムを説明する。
音響波がFPIセンサーに入射すると、反射板の間の膜厚が変化し、FPIセンサーの共振波長が変化する。ところで、FPIセンサーは共振器構造になっているため、FPIセンサーの上部から見える光の反射率には、共振波長の位置に複数のディップができる。これは、一般にファブリ・ペロー ディップと呼ばれるものである。
そこで、音響波を発生させる光とは別の光(以下、プローブ光と記す。)をFPIセンサーにあて、その光の波長をFPIセンサーの反射率の共振ディップ付近に調整すると、音響波が入射した際に共振波長が変化し、結果として反射された光強度が変化する。
そして、FPIセンサーにより強度変調された光をフォトディテクターで電気信号に変換することにより、音響波信号を電気信号に変化することができる。
このような音波の受信方法により音波信号を受信する方式を用いた音響信号受信装置を、以下ではFPI−PATと記す。
E.Zang,J.Laufer,and P. Beard,¨Backward−mode multiwavelength photoacoustic scanner using a planer Fabry−Perot polymer film ultrasound sensor for high−resolution three−dimensional imaging of biological tissue¨,Applied Optics,47,4.(2008)
ところで、上記のFPI−PATでは、プローブ光の強度変化を介して音波信号を電気信号に変換する。
そのため、音響波信号による強度変化以外の要因により光の強度変化が起きてしまう場合、その変化は本来の音響波信号の波形を歪ませてしまう。
例えば、FPI−PATを構成する光学部品が、外部からの振動により機械的な振動し、それによる光学系の透過率等の変化が起きると、結果として光強度が変動する。また、外部からプローブ光と近い波長の光が入ることでも、光強度が変調して、ノイズとなってしまう。
本発明は、上記課題に鑑み、音響波信号以外の要因により生じた光の強度変化によるノイズ信号を低減することが可能となるファブリ・ペロー干渉計を用いた音響信号受信装置の提供を目的とする。
本発明に係る音響信号受信装置は、測定対象物から発生した音響波を光強度信号へ変換するファブリ・ペロー干渉計により構成されたファブリ・ペローセンサーと、第1の波長の光を発する第1の光源と、第1の波長とは異なる第2の波長の光を発する第2の光源と、ファブリ・ペローセンサー上への第1の光源及び第2の光源からの光の照射による反射光の光強度を、第1の波長及び第2の波長ごとに独立して電気信号に変換する検出部と、第1の波長に対応する電気信号と第2の波長に対応する電気信号との差を取得する信号処理部と、を有し、第1の波長及び第2の波長におけるファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルの微分値が異なるように設定されている。
本発明によれば、音響波信号以外の要因により生じた光の強度変化によるノイズ信号を低減することが可能となるファブリ・ペロー干渉計を用いた音響信号受信装置を実現することができる。
以下に、本発明の実施形態におけるファブリ・ペロー干渉計により構成されたファブリ・ペローセンサーを用いたFPI−PATシステムによる音響信号受信装置の構成例について説明する。
本実施形態では、プローブ光として第1の光源と第2の光源とによる2つの異なる波長の光を同時に使用する。
そして、これらの2つの波長の光をFPIセンサーで強度変調したのち、それぞれの光の強度を独立にフォトディテクターで電気信号に変換する。
この時、2つのプローブ光の波長は、反射率スペクトルの微分値が異なるように設定される。例えば、共振ディップ付近に存在する反射率スペクトル(反射率の波長依存性)の微分値の絶対値が最大となる波長に合わせ、その微分値の符号が逆(反射率スペクトルの傾きが反対)になるように各々設定する。
これによりノイズ強度の低減と、信号強度とノイズとの比の改善が得られる。
これらを説明するため、例えば、図6に実際のFPIセンサーの反射率スペクトルと、上記波長を設定する位置の例、6110、6120を示す。
この例では、異なる共振ディップの一つずつ、具体的には6110は782.2nm、6120は788.4nmの位置に配置する。
なお、同じディップ内で異なる傾きの位置に配置しても良い。
また、実施例5で説明するように、片方の波長をディップ外のスペクトルが平坦な領域に配置してもノイズを低減する効果が得られる。
上記のように2つのプローブ光の波長を設定し、音響波信号以外の要因により生じた光の強度変化によるノイズ信号を低減する過程について、以下に更に詳しく説明する。
以上のように2つの波長を共振ディップ付近の微分値の符号が逆となる波長に設定すると、音響波がFPIセンサーに入射した際の2つのプローブ光での反射率変化が逆向きになり、結果として、光強度の変調が逆向きの信号を得ることができる。
例えば、第1の波長の光を図6の6110のように短波長側から長波長側に向かって反射率が減少する範囲に設定し、第2の波長の光を6120のように反射率が増加する範囲に設定した場合を考える。
この状態で、音響波がFPIセンサーに入射しFPIセンサーの共振器の長さが短くなると、FPIセンサーの共振波長が短波長側へシフトする。
その結果、第1の波長では反射率が落ちるため反射する光強度は減少し、第2の波長では、反射率が増加するため反射する光強度は増加する。
その後、共振器が縮んだ状態から長くなる方向に変化すると、上記とは逆の反射率変化が起き、第1の波長では反射する光強度が増加し、第2の波長では、反射する光強度は減少する。
以上の本実施形態においては、上記のようにFPIセンサーに同時に2つの波長の異なるプローブ光を、ファブリ・ペローセンサー上(FPIセンサー上)における近接位置、または同一位置に照射して音響波信号を取得し、更に、その波長がFPIの反射率スペクトルの微分値が異なるように設定されている。例えば、2つの波長がFPIの反射率スペクトルの微分値の符号が逆または片方が0になるように設定される。
そして、FPIセンサーで生成された2つの波長に対応する信号は、電気信号に変換される。そして、電気回路でどちらかの信号を反転させ、足し合わせることにより、ノイズを低減することができる。すなわち、2つの波長を共振ディップ付近の微分値の符号が逆となる波長に設定することにより得られた電気信号の差を取得することにより、ノイズを低減することができる。
ところで、電気信号のノイズを低減する方法としては、特許文献1に記載された方法が知られている。
特許文献1では、送信する元信号を反転させてノイズ低減用の信号を生成する電気回路を設け、それによりノイズ低減用の信号を生成し、その後それら2つの信号を2つの光源で独立に送信している。
そして、受信側でそれぞれの信号を独立して電気信号に変換し、それらの電気信号の差を取得することによりノイズを低減している。
以上のような従来例と、本発明のFPI−PATシステムを適用した本実施形態の音響信号受信装置とでは、以下の点で基本的に相違している。
すなわち、本実施形態の音響信号受信装置のFPI−PATシステムによる場合、検知する信号はあらかじめ電気信号として存在するものではなく、音響波からプローブ光の光強度信号へと直接変換する。
そのため、その間に音響波信号を何らかの形で受信し、その信号を基にノイズ低減用の信号を生成する機能を有する部を設け、それを用いてノイズ低減用の信号を生成するといった処理を挟むことは困難である。
また、ノイズ低減用の信号を形成後にプローブ光にのるノイズに加え、FPI−PATの場合には、プローブ光の光源からFPI−PATに到達する間にも、光学系の機械的な揺らぎや外部からの光によるノイズが載る。
そのため、従来例のようにノイズ低減用の信号が形成された後のノイズだけではなく、その前の段階も含めて、光源から電気に変換するまでの光路上すべてで発生する光強度のノイズをまとめて低減する必要がある。
その際、本実施形態では、FPI−PATへ入射する前にノイズが生じても、光強度変化が生じたプローブ光に対してFPIセンサーでの反射率変化を掛け合わせることでプローブ光に光音響波の信号を乗せる。
そして、上記したようにFPIセンサーでプローブ光が強度変調を受けた際に、自動的にFPIセンサーで直接形成されたノイズ低減用の信号を電気信号に変換した後に、上述した処理をする。これによりFPI−PATへ入射する前に生じた光強度変化も含めて、ノイズを低減することが可能となる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1として、FPI−PATシステムによる音響信号受信装置を備えた光音響イメージング装置の構成例について、図1を用いて説明する。
実施例1として、FPI−PATシステムによる音響信号受信装置を備えた光音響イメージング装置の構成例について、図1を用いて説明する。
本実施例の音響信号受信装置を備えた光音響イメージング装置は、図1に示すように、
測定対象物10に光音響波を発生させるための光を照射する光照射部(光音響波発生光源)20と、
光音響波信号以外の要因により生じた光の強度変化によるノイズが低減された音響波信号を取得する音響波取得部(音響信号受信装置)30と、
音響波取得部30からのノイズが低減された音響波信号により3D断層像を生成する断層像生成部160と、により構成されている。
測定対象物10に光音響波を発生させるための光を照射する光照射部(光音響波発生光源)20と、
光音響波信号以外の要因により生じた光の強度変化によるノイズが低減された音響波信号を取得する音響波取得部(音響信号受信装置)30と、
音響波取得部30からのノイズが低減された音響波信号により3D断層像を生成する断層像生成部160と、により構成されている。
次に、本実施例における音響波取得部(音響信号受信装置)30の構成について、更に詳しく説明する。
音響波取得部30は、2つの波長の異なる光を発生し、1本の光路にまとめるプローブ光発生部100と、プローブ光発生部で発生したビームをFPIの所望の位置に集光するための偏向光学系105を備える。
また、偏向光学系から出たプローブ光を集光し、測定対象物10からの音響波信号を光強度に変調するFPIセンサー110と、FPIセンサーから反射されて戻った光を入射光と分離する反射光分離部130を備える。
また、反射光分離部130で分離した反射光を波長分離してそれぞれの波長の光強度信号を取得する検出部(電気信号に変換する検出手段)140と、
検出部140により得られた信号の差を取得する信号処理部150と、装置の各構成の動きを制御する制御部170を備える。
検出部140により得られた信号の差を取得する信号処理部150と、装置の各構成の動きを制御する制御部170を備える。
そして、本実施例の光音響イメージング装置は、上記信号処理部で合成されノイズが低減された音響波信号を用い、断層像生成部160において3Dの断層像としての像を生成する。
以下、音響波取得部30で取得された音響波信号を用い、3D断層像が得られるまでの流れを、各部分の具体的な構成を含めて説明する。
はじめに、プローブ光発生部100について説明する。
プローブ光発生部100は、780nm帯のレーザを出射するDFB半導体レーザであるLD101およびLD102、そしてそれらから出射された光を同じ光路上に重ね合わせるための、反射率50%のハーフミラー103で構成されている。
LD101およびLD102で出射される光の波長は、上記解決手段の項で説明したように、FPIセンサー110の、反射率の波長依存性(反射率スペクトル)の変化量(微分値)が最大となり、かつその符号が逆になる2つの波長に合わせている。
具体的には、FPIセンサーの反射率は図6のようになっており、LD1は782.21nm、LD2は788.48nmである。
そして、LD101およびLD102から出た光はハーフミラー103を通して、同一の光路上に合成され、空間的に極めて近接した位置を進行する1つのビームとして出力される。
そして、プローブ光発生部100より出たビームは、FPIセンサー上にビームを集光する機能を持つ偏向光学系105によって偏向される。
偏向光学系105は偏向方向を変えることができる構成となっており、制御部170からの信号により動く。
この偏向光学系105としては、非特許文献1で用いられている光学系を含め、従来から使用されている構成が使用されている。
偏向光学系105から出た光は、FPIセンサー110の所望の位置に集光される。そして、集光した光は、FPIセンサーの各波長における反射率に応じて、それぞれ独立に強度が変化し、反射される。
以上で説明したように、測定対象物10からの音響波信号が入射すると、2つのプローブ光の間で、それぞれの波長における反射率の増減が逆方向に変化する。これにより、照射された光が、ノイズ低減用の信号を生成する電気回路を介さず、測定対象物からの音響波信号を光強度信号に変調すると同時に、プローブ光が自動的にノイズ低減用の信号に直接形成される。
FPIセンサー110で強度変調され反射されたプローブ光は、FPIセンサー110へ入射する光の光路上を逆方向に進む。
具体的には、反射光は再び偏向光学系105を通り、反射光分離部130まで進む。
そして、反射光分離部130で反射光が入射光の光路上から分離される。反射光分離部130は50%の反射率を持つハーフミラー104で入射光の光路から分離される。分離された光は強度を検出する検出部140に入る。
検出部140は、波長フィルタ106を有しており、2つの波長が異なるプローブ光は波長フィルタ106により、それぞれの波長成分に分離される。
そして、それぞれの波長の光はPD107とPD108へ入射し、波長ごとの光強度信号が電気信号に変換される。波長フィルタ106は、一般に、バンドパスフィルタと呼ばれるものを使用している。
本実施例では785nmから795nmの10nmの範囲の光は透過し、その周辺の波長は反射するバンドパスフィルタを使用している。
本実施例では、同じディップ内でFPIセンサー110の反射率の傾きが異なる位置を使用せず、異なるディップを使用している。これは、2つのプローブ光に5nm以上の大きな波長差を持たせるためである。
これは、FPIセンサー110の温度や照射位置によってディップ波長が変化することを考慮している。
具体的には、レーザ波長がディップの移動に追従した場合でも、透過すべきプローブ光、及び反射すべきプローブ光が波長フィルタ106において狙いと異なる透過または反射を起こさないように余裕を持って設計する必要があるためである。
本実施例で使用した光源は、同じ設計で、素子ごとの個体差により発振波長の異なる2つの半導体チップからなる光源を使用している。
そのため、波長差は5nm程度が現実的である。
一方、バンドパスフィルタの作成の容易さを優先して考えると、波長差は10nm以上ある方が好ましい。そこで、別設計の素子を使用できる場合、波長差を10nm以上つけることが好適である。
検出部140により得られた各波長に対応する電気信号は、信号処理部150において電気信号の片方を反転し、その後、足し合わせる。すなわち、信号処理部150は、各波長に対応する電気信号の差を取得する。
これにより、音響波信号成分は強調され、またノイズは打ち消しあうことになり、結果としてノイズが抑えられる。結果として、ノイズが軽減された信号が得られる。
なお、この信号処理部150での信号の差分処理については、特許文献1で用いられているのと同様な電気回路を用いることができる。
なお、この信号処理部150での信号の差分処理については、特許文献1で用いられているのと同様な電気回路を用いることができる。
信号処理部150でノイズが軽減された音響波信号は断層像生成部160に入力され、画像生成のための音響波信号が記憶される。
上記の一連のフロー(プローブ光発生部100でのプローブ光の生成から、断層像生成部160での音響波信号の記憶まで)により、FPIセンサー110面内での1点の音響波信号の取得が完了する。
断層像の生成には、FPIセンサー110上での複数の音響波信号の取得が必要である。
そこで、制御部170で全体を制御して、FPIセンサー110上の複数位置での音響波信号を取得する。
具体的には、まず制御部170は偏向光学系105を所望の位置に動かす。次に制御部170は光音響波を発生させるためのレーザ光およびプローブ光発生部100でプローブ光を発生させる。
そして、制御部170は上記一連のフローにより取得した光音響波信号の波形、およびそのときのFPIセンサー110上の位置を断層像生成部160に、FPIセンサー110上の位置ごとに独立して記憶させる。
制御部170はこの動作を繰り返し、必要なFPIセンサー110上の位置での音響波信号をすべて取得、断層像生成部に記憶する。
最後に、すべての情報がそろった時点で断層像生成部160で3D断層像を算出し、目的とする3D断層像が得られる。
本実施例では、プローブ光発生部100ではレーザ光源としてDFBレーザを用いたが、単一の波長スペクトルを持つレーザであればよく、DFBレーザに限るものではない。例えば、VCSELでもよい。また、レーザの波長帯についても、本実施例では780nmであったが、それに限るものではない。例えば、850nm帯、980nm帯、1.55μm帯などでもよい。
また、プローブ光発生部100では、ハーフミラーを用いて2つのビームを結合したが、光導波路などを用いて結合してもよい。
また、反射光分離部130にはハーフミラーを用いたが、2つのプローブ光の偏光方向をそろえておけば、偏光ビームスプリッターと反射板の組み合わせに置き換えることも可能である。
その際には、FPIセンサー110に入射するためのプローブ光が反射光分離部130を透過する際の偏光方向と、FPIセンサー110から反射された光が反射光分離部130に入る際の偏光方向が90度ずれることで、偏光ビームスプリッターでのビームの透過と反射が制御できる。
また、本実施例では2つの異なる波長のプローブ光を用いたが、FPIセンサー110の微分値の符号が異なる波長でのプローブ光を含んでいれば3つ以上でも良い。その場合、同じ時刻での値がより平均化されるため、ノイズ成分の減少の効果は大きくなる。
本実施例では、FPIセンサーを用いた音響波取得部30は、光音響波信号を3D断層像得るための音波信号の取得に使用したが、これに限るものではない。他の音波信号を取得する用途に使用することもできる。これらは以下の実施例2〜実施例5のものにおいても同様である。
[実施例2]
実施例2として、実施例1と異なる形態のFPI−PATシステムによる音響信号受信装置を備えた光音響イメージング装置の構成例について、図2を用いて説明する。
実施例2として、実施例1と異なる形態のFPI−PATシステムによる音響信号受信装置を備えた光音響イメージング装置の構成例について、図2を用いて説明する。
本実施例と実施例1と相違する点は、プローブ光発生部200と検出部240の構成の点であり、他は基本的に同じ構成であるから、同一の部材には、同一の符号を付している。
実施例1では、検出部140において2つの異なる波長の光を分離する方法として、波長の違いを利用し、波長選択性のある波長フィルタ106によって、片方を透過、もう片方の光を反射させることで分離していた。
これに対して、本実施例の検出部240では、2つの波長の異なる光の偏光方向は90度異なるように維持されている。そのため、2つのプローブ光を分離する方法として、偏光の向きの違いを利用し、偏光特性により光の進行方向を変える部材を用いる。
偏光向きの違いを利用するメリットは、偏光方向が維持されていれば、どんなに波長が近くても精度良く分離できることにある。
実施例1では、波長で切り分けているため、FPIセンサーの反射率ディップの空間的な分布や、温度変化でのディップ波長の変化などによるプローブ光の波長が変化しても切り分けるために、十分離れた波長を使用していた。
これに対して、本実施例では、このように波長を離す必要がない。
そのため、同じディップのそれぞれの傾きの部分を使用でき、下記の具体的な開示でもそのように波長を設定している。
また、ディップ波長がシフトすることでのプローブ光の波長を追従させる際にも、2つの波長の差が小さいことや、波長フィルタの特性との関連などの波長依存性を考慮する必要がないというメリットもある。
以下、本実施例の具体的構成について説明する。
プローブ光発生部200は2つのDFBレーザ、101と102で構成されている。
そして、DFBレーザ101は偏光ビームスプリッター203を透過する向きに合わせて偏光方向が決められている。
そして、DFBレーザ101は偏光ビームスプリッター203を透過する向きに合わせて偏光方向が決められている。
一方、DFBレーザ102は偏光ビームスプリッター203で反射される向きに偏光が固定されている。
このようにして偏光ビームスプリッター(合波手段)203で2つの波長の光は合波され、同じ光路上を進むビームとしてプローブ光発生部200より出射される。
プローブ光発生部200より出たプローブ光は、実施例1と同じ部材で構成される偏向光学系105を通り、FPIセンサー110に集光される。そして、FPIセンサー110で2つのプローブ光は強度が反転する関係の変調を受け、反射される。
その後、実施例1と同じ部材で構成される偏向光学系105と反射光分離部130を通り、検出部240に入射する。上記、実施例1と同じ部材は、実施例1と同じ機能を有しているため、本実施例では説明は省略する。
検出部240は、偏光ごとに光を分離する偏光ビームスプリッター206と、2つのプローブ光の光強度を独立にモニターするための2つのPD、107、108で構成されている。
ここで、2つのプローブ光は偏光方向が異なるように設定されていることを利用して分離している。そのため、上述のように、波長の近接に対して制限がない。
実施例1と同様の信号処理部150はこのように分離されたプローブ光に対応する電気信号の差を取得し、断層像生成部160に記憶される。そして、実施例1と同様に、制御部170が全体を制御し、FPIセンサー面内での音響波信号を取得し、断層像生成部160に記憶する。そして、最後に断層像を生成して完了する。
[実施例3]
実施例3として、実施例1、2と異なる形態のFPI−PATシステムによる音響信号受信装置を備えた光音響イメージング装置の構成例について、図3を用いて説明する。
実施例3として、実施例1、2と異なる形態のFPI−PATシステムによる音響信号受信装置を備えた光音響イメージング装置の構成例について、図3を用いて説明する。
本実施例と実施例1及び実施例2と相違する点は、FPIセンサー面内の複数の異なる位置での音響波信号を取得する方法が異なる点であり、他は基本的に同じ構成であるから、同一の部材には、同一の符号を付している。
実施例1及び実施例2では、ビームを偏向する光学系を使用して1つのビームを様々な位置に移動して光音響波信号を受信している。
これに対して、本実施例では、複数のビームを同時かつ平行に出射できるレーザアレイ光源を用いて、レーザアレイ上の1つの発光点がFPIセンサー上の特定の位置に対応している。
つまり、アレイ上の発光点がFPIセンサー上の位置と1対1で決まっており、アレイ内に存在する複数の光源の中から電気的に発光する光源を選ぶことで、自動的に光音響波を取得するFPIセンサー上の位置も決まる。
さらに、レーザアレイの場合、同時発光でき、かつFPIセンサー上の位置も異なる点に集光する。
そのため、レーザアレイを同時に発光させると、FPIセンサー上の各位置での光音響波による光強度変化を、各位置独立にかつ同時に行うことができる。
以下、本実施例3の具体的な構成を、実施例1及び実施例2と相違する点を中心に説明する。
プローブ光発生部300は、10×10に配置された780nm帯のVCSELアレイ(第1のアレイ光源)301とVCSELアレイ(第2のアレイ光源)302、およびそれらからの光を合波するハーフミラー103で構成されている。
VCSELアレイ301と302の波長は、実施例1のLD101およびLD102と同じ波長である。FPIセンサー110は実施例1と同じ部材を使用しており、したがって2つの光源の波長とFPIセンサー110の反射率スペクトルの関係も同一である。
プローブ光発生部300より出射した光は、集光光学系320によりVCSELアレイの発光点ごとにFPIセンサー110上に集光する。集光光学系320は、テレセントリックな光学系である。
FPIセンサー110面内の各空間位置には、VCSELアレイ301とVCSELアレイ302の2つの波長の異なるプローブ光が集光されており、各波長は、FPIセンサー110の反射率スペクトルに対して実施例1と同様な関係になっている。そのため、光音響波によって光強度が変調する際には、反転した関係で変調される。
FPIセンサー110上で反射されたプローブ光はハーフミラー104でFPIセンサー110へ入射するプローブ光から分離され、検出部340へ入射する。
検出部340は波長フィルタ106とCCDセンサー307、308で構成されている。波長フィルタ106では、実施例1と同様に、プローブ光の波長の違いにより透過、または反射される。
そして、それらのプローブ光はCCDセンサー307、308上へそれぞれ集光する。
また、プローブ光は、VCSELアレイの発光とおなじ配列でCCD上へ集光される。
そのため、集光点ごとの強度の時間変化をCCDセンサーでモニターすることで、FPIセンサー110の面内の音響波信号の波形を電気信号として得ることができる。
そして、得られた電気信号は信号処理部350で実施例1と同様の処理を行い、ノイズの低減が行われる。本実施例では、信号処理部は検出部340よりデジタル信号で2つのプローブ光の強度変化の波形が送られてくるため、デジタル信号で電気信号の差を取得する機能となっている。
その後、断層像生成部160に送られ、3D断層像の計算がおこなわれ、3D断層像が得られる。
なお、本実施例では検出部340ではCCDを使用して各発光点の光強度変化を検出したが、PDが面内に複数並んだアレイを使用して、各PDと集光した発光点を合わせることで、それぞれの発光点の光強度変化を電気信号に変換しても良い。
[実施例4]
実施例4として、実施例1〜実施例3と異なる形態のFPI−PATシステムによる音響信号受信装置を備えた光音響イメージング装置の構成例について、図4を用いて説明する。
実施例4として、実施例1〜実施例3と異なる形態のFPI−PATシステムによる音響信号受信装置を備えた光音響イメージング装置の構成例について、図4を用いて説明する。
本実施例と実施例1〜実施例3と相違する点は、次の点であり、他は基本的に同じ構成であるから、同一の部材には、同一の符号を付している。
実施例1〜実施例3では、異なる2つの波長のプローブ光を異なる光源で発生させていた。そして、それらを合波、分波して光を電気信号に変換していた。
これに対して、本実施例では、プローブ光発生部より出射する波長をある時間間隔で、所定の2つ以上の異なる波長にステップ的に変化させる。
さらに、受光側でも、そのステップに同期して信号を取得し、時間ごとに区切って、各波長のデータをつなぎ合わせることで、2つの異なる波長でのFPIセンサーによる光強度の変調波形を得る。
本実施例の特徴は、光源、受光センサー、光学系の部品点数を減らすことができることである。
例えば、光源として波長を高速に変えることができる波長可変光源1つで構成すると、光源の数が減り、合波するための部材が必要なくなる。さらに合波する際の光軸の合わせなども必要なくなる。また、受光側も同様に、分波するための部材および受光センサーの数を減らすことができる。
以下、本実施例の具体的な構成について説明する。
プローブ光発生部400は波長可変できるSSG−DBRレーザ401で構成されている。SSG−DBRレーザは実施例での2つのプローブ光の波長、782.2nm、と788.4nmの2水準に10nsおきに変化している。
本実施例で求められるレーザの特性について考える。波長間のスイッチング速度については、2つの波長間のスイッチングは数ns程度の高速化が求められる。そこで、熱による屈折率変化を用いるよりも、キャリア注入や逆バイアス電圧の印加による屈折率変化を用いた波長制御が好ましい。
一方、波長安定性は、発光時間の間だけ安定していればよい。具体的には、上記10nsの間だけ安定していればよい。そのため、2波長間でそれよりも長い時間での波長安定性は求められない。
プローブ光発生部400から出射された光は、偏向光学系105を通り、FPIセンサー110上の所定の位置に集光される。この時、各時刻での波長と同じ時刻での光音響波からの影響を含めたFPIセンサー110の反射率スペクトルによって変調される。
そして、FPIセンサー110により、変調、反射されたプローブ光は偏向光学系105および反射光分離部130により取り出され、検出部440に入射する。
検出部440は1つのフォトディテクター441と反射率変化取得部としての信号再生部442で構成されている。フォトディテクター441では、入射光の時間波形を取る。
信号再生部442では、フォトディテクター441からの時間波形と光源から送られてくる発光波長の時間軸の情報を基に、2つの波長ごとに分離する。
さらに、信号再生部442は、離散的となった情報から2つの波長ごとの波形を再現する計算を行う。これにより、実施例1から3と同様な電気信号が得られる。
この後、得られた電気信号は信号処理部350で、実施例3と同様の差分処理が施され、断層像生成部160へ送られる。そして、実施例1および2と同様に、制御部170の制御により、FPIセンサー110の面内の必要な位置での音響波信号を取得し、最後に断層像を生成して終了する。
2つの波長をきりかえる時間としては、離散的な情報から波形を再現するため、光音響波の周波数や、ノイズの周波数の周波数成分より2倍以上早いことが必要である。
本実施例では、光音響波は10MHz程度の成分を取得する必要があり、また、光学系の機械的な揺らぎは1MHz以下の周波数成分を持っている。そのため、より高周波な光音響波の2倍以上、つまり20MHz以上を確保する必要がある。そこで、本実施例では10nsおき、つまり100MHzで取得しており、光音響波の周波数と比較して10倍で取得している。
本実施例では、波長を高速に変化させるレーザとして、SSG−DBRレーザを用いたが、これに限るものではない。
また、部品点数は多くなるが、2つの異なる波長のレーザを合波し、時間ごとに(時間経過により)片方ずつ交互に点灯させる構成でプローブ光発生部400を構成しても同様な効果を奏する。
[実施例5]
実施例5として、実施例1〜実施例4と異なる形態の構成例について説明する。
実施例5として、実施例1〜実施例4と異なる形態の構成例について説明する。
本実施例と実施例1〜実施例4と相違する点は、つぎの点である。
本実施例は、基本的構成は実施例1〜実施例4と同じであるが、2つのプローブ光の波長のうち、片方の波長の設定が異なる。
実施例1〜実施例4では、FPIセンサー110に光音響波が入射した際に光強度が変調を受けるように波長を設定していた。
一方、本実施例では、片方のプローブ光は、FPIセンサー110で光強度が変調を受けない波長に設定する。すなわち、片方のプローブ光の波長は、FPIセンサー110の反射率スペクトルに基づいて、反射率スペクトルの微分値が0に近い値となる波長に設定される。
このように設定することで、FPIセンサー110で強度変調を受けない方のプローブ光は、光源から検出部の間で生じるノイズのみで光強度が変調されることになる。
本実施例のこのように波長設定することのメリットは、波長の調整に求められる必要精度が低く抑えられることである。
FPIセンサー110の反射率の波長ディップは、0.3nm程度、またはそれ以下と狭く、光音響波による強度変調を受けるためには、その波長以下の精度で調整する必要がある。
そのため、2つのプローブ光とも強度変調されるためには、2つのプローブ光とも前述の精度での波長の調整が必要である。具体的には、レーザの波長を徐々に変化させ、それに従って光強度を電気信号に変換する検出部での強度変化を測定し、そこから図6のような反射率の波長依存性のデータを得る。そして、そのデータから微分値が最大となる波長を決定するという調整が必要となる。この制御は制御部170が全体を制御することで行う。
一方、本実施例では、1つのプローブ光は、光強度の変調を受けない位置、好ましくは、FPIセンサーの反射率スペクトルにおいて、2つの共振ディップの中間付近の波長であるため、波長の調整に必要な精度を下げることができる。
本実施例のもう一つのメリットは、クロストークに対して信号の劣化がないことである。例えば、2つのプローブ光の光強度に関してクロストークが生じた場合、反転信号の場合には、光音響波の信号成分が相殺する方向に働く。
一方、本実施例ではノイズがなければ光強度の変調を受けない側ではAC成分が少ないため、クロストークが生じてもAC成分、つまり音響波信号の成分が相殺しにくい。
図5を用いて、本実施例での波長の設定例について説明する。
このように、第1の波長を782.2nmに設定し、第2の波長を792nmに設定する。
第2の波長はFPIセンサーの反射率スペクトルにおいて、波長依存性の低い位置に設定されているため、光音響波がFPIセンサーに入射しても、それによる強度変調は第1の波長と比較して十分に小さい。例えば、第1と第2の波長におけるファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルの微分値が、10倍以上異なるようにすることができる。
本実施例でも、実施例1と同様に、波長フィルタでの波長切り分けの十分に行えるような波長差を確保することが好ましい。
実施例1と同じ原理で波長切り分けを行うため、好適な条件についても実施例1と同様である。
上記のように波長を設定する以外の装置構成は実施例1と同様であるため、省略する。本実施例では、実施例1の構成において片方のプローブ光の波長をFPIセンサーで強度変調を受けない位置に設定した。実施例2から4の構成でも同様な波長の設定をすることで本実施例と同様な効果を得ることができる。
また、実施例1から5を総合すると、本発明の概念としては、ファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルの微分値の異なる2つの波長にプローブ光を設定する。そして、本発明は、ファブリ・ペローセンサーで自動的に生成される、信号成分とノイズ成分の比が異なる2つの信号の差から、ノイズを低減するものである。
実施例1から4では、2つの信号の、音響波信号の成分の差が大きく、つまりノイズ低減の処理を行ったときの信号成分の大きさが大きくなることを優先した場合の好ましい条件として2つのプローブ光の波長を設定している。一方、実施例5では、ファブリ・ペローセンサーのディップ位置などが環境温度変化によってずれ、それを補正するための処理の負荷を軽減できることを優先して、好ましい条件でプローブ光の波長が設定されている。具体的には、片方のプローブ光の波長の精密な補正を行わずに安定した信号が得られる条件となっている。
但し、波長の設定値はこれに限るものではなく、上述のように2つのプローブ光の間で差が出ればよい。そのため、信号成分が載る第1のプローブ光の波長は、反射率スペクトルの微分値が最大、または最小(どちらも絶対値では最大値)となる付近の波長に設定され、それとは異なる第2の波長にもう一つのプローブ光の波長に設定されていれば良い。ただし、温度変化によりディップとプローブ光の波長の関係がずれ、プローブ光の波長がディップを挟んで微分値の符号が逆の側にずれた場合、急激に信号とノイズ成分の符号も含めた比が変化し、想定された信号処理条件ではノイズ低減が効果的に行われなくなる。また、第2の波長が温度変化によって、その微分値が第1の波長と同じになると差が出なくなるため、効果を奏さない。よって、第2のプローブ光の波長の精密な補正を行わなくてもよいように、第2のプローブ光の設定波長は、温度変化による波長変化量を見込んで第1の波長から離し、かつディップの波長位置からも離して設定することが好ましい。
上記第1の波長との微分値に関しては、ファブリ・ペローセンサーの反射率が周期的に変化する特性から、第1の波長と同一の波長だけではなく、1周期、またはそれ以上ずれた波長においても同じ微分値が存在し、それらと重ならないようにする必要がある。ディップも周期的に存在するので、同様となる。上記を式で表現すると、以下となるように第2の波長λ0を設定することが好ましい。
(第1の波長が反射率スペクトル微分値の最大値付近に設定されている場合)
ここで、第1のディップと前記第1のディップと隣り合い前記第1のディップに対応する波長よりも対応する波長が大きい第2のディップとの間の反射率スペクトルにおいて、λ0は第2の波長、λ1は第1のディップ内に存在する前記ファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルの微分値が最大値となる波長、λ2は第2のディップに対応する波長、Δλは単位温度あたりの環境温度変化での光源と反射率ディップの波長の相対的な変化量、Δtは想定される環境温度の変化である。
(第1の波長が反射率スペクトル微分値の最小値付近に設定されている場合)
ここで、第1のディップと、前記第1のディップと隣り合い前記第1のディップに対応する波長よりも対応する波長が大きい第2のディップとの間の反射率スペクトルにおいて、λ0は第2の波長、λ3は第1のディップに対応する波長、λ4は第2のディップ内に存在する前記ファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルの微分値が最小値となる波長、Δλは単位温度あたりの環境温度変化での光源と反射率ディップの波長の相対的な変化量、Δtは想定される環境温度の変化である。
また、いずれの実施例においても光音響波の受信について説明したが、本発明に係る音響信号受信装置は、あらゆる音響波の受信に適用することができる。例えば、本発明に係る音響信号受信装置は、送信された音響波が測定対象内で反射することにより発生するエコーなどの受信にも適用することができる。
10 測定対象物
30 音響波取得部
100 プローブ光発生部
110 FPIセンサー
140 検出部
150 信号処理部
30 音響波取得部
100 プローブ光発生部
110 FPIセンサー
140 検出部
150 信号処理部
Claims (12)
- 測定対象物から発生した音響波を光強度信号へ変換するファブリ・ペロー干渉計により構成されたファブリ・ペローセンサーと、
前記第1の波長および該第1の波長とは異なる前記第2の波長を設定する制御部と、
第1の波長の光を発する第1の光源と、
前記第2の波長の光を発する第2の光源と、前記ファブリ・ペローセンサー上への前記第1の光源及び前記第2の光源からの光の照射による反射光の光強度を、前記第1の波長及び前記第2の波長ごとに独立して電気信号に変換する検出部と、
前記第1の波長に対応する電気信号と、第2の波長に対応する電気信号との差を取得する信号処理部と、
を有し、
前記制御部は、前記第1の波長及び前記第2の波長における前記ファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルの微分値が異なるように前記第1の波長および前記第2の波長を設定することを特徴とする音響信号受信装置。 - 前記制御部は、前記第1の波長及び前記第2の波長における前記ファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルの微分値の符号が逆となるように前記第1の波長および前記第2の波長を設定することを特徴とする請求項1に記載の音響信号受信装置。
- 前記制御部は、前記ファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルの微分値が最大値付近となる波長を前記第1の波長として設定し、
前記第2の波長λ0を下記の式の範囲に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の音響信号受信装置。
但し、第1のディップと前記第1のディップと隣り合い前記第1のディップに対応する波長よりも対応する波長が大きい第2のディップとの間の反射率スペクトルにおいて、
λ1は前記ファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルの微分値が最大値となる波長、
λ2は第2のディップに対応する波長、
Δtは想定される環境温度の変化、
Δλは単位温度あたりの光源と反射率ディップの波長の相対的な波長変化量。 - 前記制御部は、前記ファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルの微分値が最小値付近となる波長を前記第1の波長として設定し、
前記第2の波長λ0を下記の式の範囲に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の音響信号受信装置。
但し、第1のディップと、前記第1のディップと隣り合い前記第1のディップに対応する波長よりも対応する波長が大きい第2のディップとの間の反射率スペクトルにおいて、λ3は第1のディップに対応する波長、
λ4は前記ファブリ・ペローセンサーの反射率スペクトルが最小値となる波長、Δtは想定される環境温度の変化、
Δλは単位温度あたりの光源と反射率ディップの波長の相対的な波長変化量。 - 前記第1の光源及び前記第2の光源は、異なる光源から構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の音響信号受信装置。
- 前記第1の光源及び前記第2の光源は、前記第1の波長及び前記第2の波長を含む複数の波長を発することが可能な単一の光源から構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の音響信号受信装置。
- 前記単一の光源は、前記第1の波長及び前記第2の波長の光を時間経過により交互に発するように構成され、
前記信号処理部は、前記電気信号と前記単一の光源における波長の時間変化の情報とに基づき、前記第1の波長における反射率変化の強度信号と前記第2の波長における反射率変化の強度信号との差を取得することを特徴とする請求項6に記載の音響信号受信装置。 - 前記電気信号と前記単一の光源における波長の時間変化の情報とに基づき、前記第1の波長及び前記第2の波長における反射率変化を取得する反射率変化取得部を備えることを特徴とする請求項7に記載の音響信号受信装置。
- 前記第1及び第2の光源から出射された光を合成し、該合成された光を前記ファブリ・ペローセンサー上における近接位置、または同一位置に照射する光学系を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の音響信号受信装置。
- 前記制御部は、前記第1および第2の波長が、前記ファブリ・ペローセンサーの反射率が持つ複数のディップのうち、異なる2つのディップ内に位置するように前記第1および前記第2の波長を設定することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の音響信号受信装置。
- 前記第1の波長と第2の波長との差は、5nm以上であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の音響信号受信装置。
- 前記測定対象物に光を照射し、光音響波を発生させるための光音響波発生光源と、
前記光音響波を受信して音響波信号を取得する請求項1から11のいずれか1項に記載の音響信号受信装置と、
前記音響波信号から断層像を生成する断層像生成部とを備えることを特徴とする光音響イメージング装置。
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