JP2014193883A - 第vii因子ポリペプチドの疎水性相互作用クロマトグラフィ精製 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】組み換えて作製した第VII因子ポリペプチドの薬剤物質の精製方法であって、(a)疎水性相互作用クロマトグラフィ物質への薬剤物質の一部の結合を促す条件下にて疎水性相互作用クロマトグラフィ物質と薬剤物質を接触させ、このときの該薬剤物質が0.0〜0.1Mの範囲又は0.5Mからそれぞれの塩の飽和濃度の85%の範囲の濃度の塩類及び/又は双性イオンを含むものであり;(b)場合によって洗浄バッファにて該疎水性相互作用クロマトグラフィ物質を洗浄し;そして、(c)溶出バッファにて該疎水性相互作用クロマトグラフィ物質を溶出し、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質を溶出物として回収する方法。
【選択図】なし
Description
本発明は第VII因子ポリペプチドの疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)精製のための方法に関する。本方法は、特定の濃度の疎水性相互作用クロマトグラフィ物質と塩ないしは双性イオン、又はその両方の組み合わせを利用するものである。
例えば、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子及びプロテインCを含む凝固カスケードに関与するタンパク質は、様々な病理学的状態を治療するために有用な治療的薬剤であることが判明している。したがって、薬学的に受容可能であって、均一かつ所定の臨床有効性を表すこれらのタンパク質を含有してなる製剤の必要性が増している。第VII因子ポリペプチドの薬剤物質の精製のための全般的な産業的規模の方法は、かなりの量の生成物関連の(第VII因子関連の)不純物(例えば遅発型溶出ピークに包含される不純物(異なるレベルのN結合グリコシル化を有するグリコ-変異体(「デス-N-グリカン型」)を含む)、酸化型、タンパク質分解型(重鎖切断型)、又は対象とする第VII因子ポリペプチドよりも大きな分子量を有する凝集塊)を含むという欠点に悩まされうることがある。もちろん、これは望ましいことでなく、場合によって容認できないものである。
文献「FVIIa derivatives obtained by autolytic and controlled cathepsin G mediated cleavage」 FEBS Lett. 1993 Feb 15; 317(3): 245-9は、第VII因子の重鎖切断型が非変性条件下で第VII因子から単離することができないことを述べている。
米国特許第6777390号(Baxter)は、AIEXとその後のフェニル-セファロース上の疎水性クロマトグラフィによるクリオ上清からの第VII因子の精製に関する。
本発明の発明者の知識の限りでは、産業規模の方法でのFVIIポリペプチドの薬剤物質における生成物関連の不純物の除去の課題は従来技術で解決されなかった。
本発明は、組み換えて作製した第VII因子ポリペプチドの薬剤物質中の生成物関連の不純物の含有量を低減するための方法、特に、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質の精製方法であって、
(a) 疎水性相互作用クロマトグラフィ物質への薬剤物質の一部の結合を促す条件下にて疎水性相互作用クロマトグラフィ物質と薬剤物質を接触させ、このときの該薬剤物質が0.0〜0.1Mの範囲又は0.5Mからそれぞれの塩の飽和濃度の85%の範囲の濃度の塩類及び/又は双性イオンを含むものであり;
(b) 場合によって洗浄バッファにて該疎水性相互作用クロマトグラフィ物質を洗浄し;そして、
(c) 溶出バッファにて該疎水性相互作用クロマトグラフィ物質を溶出し、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質を溶出物として回収する;
という工程を含んでなり、それによって、本明細書中に定められる方法によって決定される生成物関連の不純物の含有量が、工程(a)に用いられる薬剤物質に含有される含有量と比較して、少なくとも50%(w/w)に減少している方法に関する。
図1は、TSK-Gelフェニル5PWによるrhFVII分離のクロマトグラムである(実施例1参照)。
図2は、TSKフェニル5PWによるFVIIa類似体分離のクロマトグラムである(実施例3参照)。
図3は、生成物ピークの全体にわたる不純物の溶出を例示する(実施例3参照)。
図4は、TSKフェニル5PWによるFVIIa類似体分離のクロマトグラムである(実施例4参照)。
図5は、185、140及び90kDaの高分子化合物を示すHIC負荷のSDS-PAGEを例示する。
図6は、185、140及び90kDaの高分子化合物がほとんど取り除かれたことを示すHICプールのSDS-PAGEを例示する。
図7は、TSK-Gelフェニル5PWによるrhFVII分離のクロマトグラムである(実施例6参照)。
図8は、GD-FVIIの部分的な除去を例示するSDS-PAGEゲルである。レーン1:mw標準物質、レーン2:負荷試料、レーン3:リーディングエッジ、レーン4:メインピーク、レーン5:テーリングエッジ、実施例6参照。
図9は、FVII及びその生成物関連の不純物のHPLCクロマトグラムを例示する。
図10は、20℃のTSKフェニル5PWを用いたFVIIaのHIC精製による他の生成物関連の不純物と遅発型溶出ピークの低減を例示する。
現在、本発明の発明者等は、塩及び/又は双性イオンが用いられる特定の疎水性相互作用クロマトグラフィ手順に従うことによって、薬剤物質中の特定の生成物関連の不純物の存在を低減、又は実質的に取り除くことができることを明らかにした。特に、(ヒトFVIIの)位置Asn145及び/又はAsn322にN-グリカンを持たないN-グリコ変異体を含む「遅発型溶出ピーク」といった不純物の存在は低減されうる。
したがって、本発明による方法は、特に、初めにかなりの量の遅発型溶出ピーク、すなわち、第VII因子ポリペプチドの総量の少なくとも2%(w/w)の遅発型溶出ピークのプールを有する第VII因子ポリペプチドの薬剤物質に関連する。場合によって、第VII因子ポリペプチドの産業規模の薬剤物質は、さらに多くの量の遅発型溶出ピーク、例えば少なくとも3%、例えば少なくとも4%、又は少なくとも5%、ときにはおよそ最大10〜12%にも達する遅発型溶出ピークを含み得、本発明の方法はそのような薬剤物質にさらに関連することが理解されるであろう。このような薬剤物質は発酵プロセスから直接選られうるが、より一般的には初めの粗生成物の精製の結果として得られうる。
さらに、本発明は、初めにかなりの量の酸化型、タンパク質分解型、及び/又は対象とする第VII因子ポリペプチドの薬剤物質よりも大きな分子量を有する凝集塊、すなわち、第VII因子ポリペプチドの総量の少なくとも2%(w/w)のタンパク質分解型及び/又は第VII因子ポリペプチドの総量の少なくとも1%(w/w)の酸化型のプールを有する第VII因子ポリペプチドの薬剤物質に関連する。
したがって、生成物関連の不純物(例えば遅発型溶出ピーク)の2分の1の低減、例えば2%から1%への低減は、50%の相対的な減少である;したがって、例えば8%から2%への低減は、4分の1の低減、すなわち75%の相対的な減少を示す;そして、12%から6%への低減は、生成物関連の不純物の含有量の2分の1の低減であり(すなわち50%の減少)、6%-程度の減少ではない。
「遅発型溶出ピーク」の「相対的な滞留」(対象とするFVIIポリペプチド、例えばrFVIIaとの相対)は、後述の一般法にて説明するような、RP-HPLCアッセイを用いて決定される。
定量化のために、このような「遅発型溶出ピーク」の相対的な滞留時間(RR)は、一般的にRP-RPLC分析法によって決定されるところの1.040から1.300である(1.000でのrFVIIaメインピーク)。
後述の一般法にて説明するように、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質の遅発型溶出ピークの含有量を決定することができる。
限定するものではないが、本発明の方法は、第VII因子ポリペプチドの「産業的規模の」(又は「大規模な」)薬剤物質に特に適する。「産業的規模」なる用語は、一般的に、液体の第VII因子ポリペプチド組成物の容量が少なくとも10L、例えば少なくとも50L、例えば少なくとも500L又は少なくとも5000Lであるか又は、生成物の重量が少なくとも1g(乾燥物)、例えば少なくとも10g、例えば少なくとも50g、例えば1〜1000gである方法を意味する。
「第VII因子ポリペプチド」なる用語はさらに後述で定義される。
方法の第一工程では、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質は、疎水性相互作用クロマトグラフィ物質への薬剤物質の一部の結合を促す条件下にて疎水性相互作用クロマトグラフィ物質と薬剤物質を接触させる。薬剤物質は(負荷溶液の温度で)0.0〜0.1Mの範囲又は0.5Mからそれぞれの塩の飽和濃度の85%の範囲の濃度の塩類及び/又は双性イオンを含む。この目的は、前記疎水性相互作用クロマトグラフィ物質への第VII因子ポリペプチドの一部の前記薬剤物質の結合を容易にすることである。特に好適な実施態様では、薬剤物質は0.5Mから飽和濃度の85%の範囲の濃度、例えば0.7〜2.2Mの塩を含む。
工程(a)と関連する「一部」なる用語は、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質に存在する第VII因子ポリペプチドの質量の少なくとも30%(すなわち30〜100%)を意味する。ほとんどの場合、第VII因子ポリペプチドの質量のはるかに30%より多く、例えば少なくとも50%又は少なくとも70%又は主な部分を結合することが望ましいと理解されるであろう。「主な部分」なる用語は、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質に存在する第VII因子ポリペプチドの質量の少なくとも90%を意味する。好ましくは、さらに多い部分、例えば第VII因子ポリペプチドの薬剤物質に存在する第VII因子ポリペプチドの質量の少なくとも95%、又は質量の少なくとも98%、又は質量の少なくとも99%、又は質量の実質的にすべてを疎水性相互作用クロマトグラフィ物質に結合するようになる。
疎水性相互作用クロマトグラフィ物質は、疎水性配位子、例えばエチル、ブチル、フェニル又はヘキシル(タンパク質結合を担うと思われる)と置換される基質である。好適な物質は、ブチル配位子及び/又はフェニル配位子に置換されるものである。物質は、多くの場合ビーズの形態、例えば0.1〜1000μmの範囲の平均直径を有する粒子状物質、又は棒状、膜状、ペレット状、モノリス状などの形態で存在することが多い。
疎水性相互作用クロマトグラフィ物質で最も一般的な配列はカラム形式である。バッチ容器の配列もまた可能である。
一般的に、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質の接触は、従来のプロトコールに従って実施される。すなわち薬剤物質の濃度、温度、イオン強度などは通常通りでよく、疎水性相互作用クロマトグラフィ物質は洗浄して平衡化してから、通常通り用いてもよい。
第VII因子ポリペプチドの負荷は、一般的に1リットルの基質(HIC物質)当たり少なくとも250mg、例えば1リットルの基質(湿性の疎水性相互作用クロマトグラフィ物質)当たり0.5〜10.0g、例えば2.0〜5.0gの第VII因子ポリペプチドの範囲であり、一般的には薬剤物質は1時間当たり1〜50カラム容量の流量で負荷される。
カルシウムイオンの含有量は、第VII因子ポリペプチドの安定性と関連して役割を果たしうる。いくつかの好適な実施態様では、工程(a)の薬剤物質は、少なくとも5mM、例えば5〜100mMの範囲のカルシウムイオンの濃度を有する。このような場合には、好適なpH範囲は5.0〜9.5である。
一般的に、薬剤物質の温度は、0〜25℃、例としておよそ2〜10℃又は2〜8℃である。一般的に、結合した第VII因子ポリペプチドを有する疎水性相互作用クロマトグラフィ物質の温度は、0〜25℃、例としておよそ2〜10℃又は2〜8℃であり、例えば冷却カバー及び温度を調節した溶液を用いることによって特定の範囲内に保たれる。
一般的に、疎水性相互作用クロマトグラフィ物質への第VII因子ポリペプチドの薬剤物質の結合の後、洗浄工程(b)は、疎水性相互作用クロマトグラフィ物質から遅発型溶出ピークの実質的分画を取り除くために実施される。この工程によって、疎水性相互作用クロマトグラフィ物質上に残っている(結合した)第VII因子ポリペプチドの分画は、非常に少ない量の遅発型溶出ピークを有するであろう。
また、洗浄バッファ中の塩及び/又は双性イオンの含有は特定の利点を提供することがわかった。ゆえに、好ましくは、工程(b)の洗浄バッファは0.0〜0.1Mの範囲又は0.5Mからそれぞれの塩の飽和濃度の85%の範囲の濃度の塩類及び/又は双性イオンを含む。最も好ましくは、洗浄バッファの塩及び/又は双性イオンの濃度は、工程(a)の薬剤物質中の塩の濃度の±0.1Mの範囲内である。特に好適な実施態様では、洗浄バッファは0.5Mから飽和濃度の85%の範囲の濃度、例えば0.7〜2.2Mの塩を含む。
上記の工程(a)のように、カルシウムイオンの存在は特定の役割を果たすようである。ゆえに、一般的に、工程(b)の洗浄バッファは、少なくとも5mM、例えば5〜100mMの範囲のカルシウムイオンの濃度を有する。
一般的に、洗浄バッファは、緩衝剤を含む水溶液であり、一般的に、緩衝剤は、MES、PIPES、ACES、BES、TES、HEPES、TRIS、ヒスチジン、イミダゾール、グリシン、グリシルグリシン、グリシンアミド、リン酸、酢酸(例えば酢酸ナトリウム)、乳酸、グルタル酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸及びコハク酸からなる群から選択される少なくとも一の成分を含む。緩衝剤が2以上の成分の混合物を含み、この混合物が特定の範囲のpH値を提供しうることが理解されるであろう。実施例では酢酸及び酢酸ナトリウムなどを言及する。
洗浄工程(b)は1、2又はいくつかの異なる洗浄バッファを用いて、又は勾配洗浄バッファを用いて行ってもよい。
また、洗浄工程と溶出工程は別々の工程である必要はないが、特に溶出工程で勾配溶出バッファが用いられる場合には組み合わされうることを注記する。
一又は複数の洗浄工程(c)の後、疎水性相互作用クロマトグラフィ物質は溶出バッファにて溶出され、第VII因子ポリペプチドの精製された薬剤物質は溶出液として回収される。
溶出工程(c)には多くの変更が考えられうる。
前述の工程のように、溶出バッファもまた塩及び/又は双性イオンを含むことが好ましい。
一実施態様では、溶出バッファはカルシウムキレート化合物を含まない。他の実施態様では、溶出バッファはEDTA及び/又はクエン酸塩を含まない。一実施態様では、溶出バッファはカルシウム塩を含む;他の実施態様では、カルシウム塩を含まない。一実施態様では、本発明に係る方法はカルシウム塩の存在下にて実施される;他の実施態様では、本発明に係る方法はカルシウム塩の非存在下にて実施される。
最終的な溶出バッファの伝導率は工程(a)の薬剤物質を含有する組成物の伝導率より低いことが好ましい。
多くの場合、一般的に、工程(c)の溶出バッファは工程(a)及び(b)のようなpHを有する。
また、工程(c)の溶出バッファは、少なくとも5mM、例えば5〜100mMの範囲のカルシウムイオンの濃度を有する実施態様が好ましい。
一般的に、溶出工程(c)は1時間当たり1〜50のカラム容量の流速で実施される。
一般的に、本発明の方法は、薬剤物質中の生成物関連の不純物の初めの含有量の少なくとも50%、又は該含有量に対して少なくとも50%の相対量の生成物関連の不純物(遅発型溶出ピークを含む)の含有量を減らすことができるが、より好ましくかつ現実的には、相対的な減少量は少なくとも60%、例として少なくとも70%、又はさらに少なくとも80%又は少なくとも85%である。
さらに、非常に効率的な本発明の方法は、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質からの遅発型溶出ピークなどの生成物関連の不純物の除去を可能にし、更にこのような遅発型溶出ピークの形成の抑制を可能にする。
一実施態様では、工程(c)で回収された第VII因子ポリペプチドの精製された薬剤物質の酸化型の含有量は、工程(a)の薬剤物質の含有量と比較して、少なくとも35%、例えば少なくとも40%又は45%減少する。他の実施態様では、工程(c)で回収された第VII因子ポリペプチドの精製された薬剤物質のタンパク質分解型の含有量は、工程(a)の薬剤物質の含有量と比較して、少なくとも30%、例えば少なくとも32%又は38%減少する。他の実施態様では、工程(c)で回収された第VII因子ポリペプチドの精製された薬剤物質中の一又は複数のN-結合グリカンを持たない第VII因子ポリペプチド(デス-N-グリカン型)の含有量は、工程(a)の薬剤物質の含有量と比較して、少なくとも40%、例えば少なくとも50%、60%、70%又は75%減少する。
より具体的には、第VII因子ポリペプチドの精製された薬剤物質は、遅発型溶出ピークの多くとも5%、例として多くとも2.0%、又は多くとも1.5%、好ましくは多くとも1.0%又は多くとも5%を含む。
洗浄工程と溶出工程は別々の工程である必要はないが、特に溶出工程で勾配溶出バッファが用いられる場合には組み合わされうることを注記する。
本発明は、第VII因子ポリペプチドの精製した薬剤物質を得るために特に有用であり、さらに、pHに関して工程(a)−(c)の条件が適切に選択される場合、遅発型溶出ピークの形成を低減し、それにより方法全体の収率を増加することができる。
したがって、本発明の好適な実施態様は、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質の精製のための方法であって、該薬剤物質が少なくとも3%の遅発型溶出ピークを含むものであり、
(a) 疎水性相互作用クロマトグラフィ物質への薬剤物質の一部の結合を促す条件下にて疎水性相互作用クロマトグラフィ物質と薬剤物質を接触させ、このときの該薬剤物質が1.5〜2.5Mの範囲の濃度のアンモニウム塩を含むものであり;
(b) 1.5〜2.5Mの範囲の濃度、典型的には工程(a)と実質的に同じ濃度のアンモニウム塩を含む洗浄バッファにて該疎水性相互作用クロマトグラフィ物質を洗浄し;そして、
(c) アンモニウム塩を含む溶出バッファにて該疎水性相互作用クロマトグラフィ物質を溶出し、この溶出バッファがアンモニウム塩に関する勾配バッファであり、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質を溶出物として回収する
という工程を含んでなり、この工程(b)と(c)が組み合わされうる方法を提供する。
本明細書中で用いられる「第VII因子ポリペプチド」なる用語は、野生型ヒト第VIIa因子(すなわち米国特許第4784950号に開示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド)、その変異体、並びに第VII因子関連ポリペプチド、第VII因子誘導体及び第VII因子コンジュゲートを包含する。これには、野生型ヒト第VIIa因子と相対的に同じか改善された生物学的活性を実質的に示すFVII変異体、第VII因子関連ポリペプチド、第VII因子誘導体及び第VII因子コンジュゲートが含まれる。
また、「第VII因子ポリペプチド」なる用語は、第VIIa因子の生物学的活性が野生型第VIIa因子の活性と比較して実質的に修飾されている、ないしはいくらか減少している変異体を含むポリペプチドを包含する。これらのポリペプチドには、ポリペプチドの生理活性を修飾するか又は破壊する特定のアミノ酸配列の変更が導入されている第VII因子又は第VIIa因子が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本発明のために、第VII因子ポリペプチドの生物学的活性(「第VII因子生物学的活性」)は、調製物の血液凝固を促進する能力を測定することによって定量化されうる(本明細書中のアッセイ4を参照)。このアッセイにおいて、生物学的活性は、コントロール試料に対する凝固時間の減少として表され、1単位/mlの第VII因子活性を含むプールしたヒト血清標準物質との比較により、「第VII因子単位」に変換される。あるいは、第VIIa因子の生物学的活性は、(i) 脂質膜に包埋されたTF及び第X因子を含む系における第VIIa因子又は第VII因子関連ポリペプチドの活性化第X因子(第Xa因子)生産能の測定(Persson等, J. Biol. Chem. 272:19919-19924, 1997);(ii) 水性の系における第X因子の加水分解の測定(「インビトロタンパク質分解アッセイ」、下記のアッセイ2を参照);(iii) 表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance)を基礎とする装置を用いた、第VIIa因子又は第VII因子関連ポリペプチドのTFへの物理的な結合の測定(Persson, FEBS Letts. 413:359-363, 1997);(iv) 第VIIa因子及び/又は第VII因子関連ポリペプチドによる合成基質の加水分解の測定(「インビトロ加水分解アッセイ」、下記のアッセイ1を参照);及び(v) TF-非依存性インビトロ系におけるトロンビンの生成の測定(下記のアッセイ3を参照)によって、定量化されうる。
第VII因子ポリペプチドの例には、野生型第VII因子、L305V-FVII、L305V/M306D/D309S-FVII、L305I-FVII、L305T-FVII、F374P-FVII、V158T/M298Q-FVII、V158D/E296V/M298Q-FVII、K337A-FVII、M298Q-FVII、V158D/M298Q-FVII、L305V/K337A-FVII、V158D/E296V/M298Q/L305V-FVII、V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、V158D/E296V/M298Q/L305V/K337A-FVII、K157A-FVII、E296V-FVII、E296V/M298Q-FVII、V158D/E296V-FVII、V158D/M298K-FVII、and S336G-FVII、L305V/K337A-FVII、L305V/V158D-FVII、L305V/E296V-FVII、L305V/M298Q-FVII、L305V/V158T-FVII、L305V/K337A/V158T-FVII、L305V/K337A/M298Q-FVII、L305V/K337A/E296V-FVII、L305V/K337A/V158D-FVII、L305V/V158D/M298Q-FVII、L305V/V158D/E296V-FVII、L305V/V158T/M298Q-FVII、L305V/V158T/E296V-FVII、L305V/E296V/M298Q-FVII、L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、S314E/K316H-FVII、S314E/K316Q-FVII、S314E/L305V-FVII、S314E/K337A-FVII、S314E/V158D-FVII、S314E/E296V-FVII、S314E/M298Q-FVII、S314E/V158T-FVII、K316H/L305V-FVII、K316H/K337A-FVII、K316H/V158D-FVII、K316H/E296V-FVII、K316H/M298Q-FVII、K316H/V158T-FVII、K316Q/L305V-FVII、K316Q/K337A-FVII、K316Q/V158D-FVII、K316Q/E296V-FVII、K316Q/M298Q-FVII、K316Q/V158T-FVII、S314E/L305V/K337A-FVII、S314E/L305V/V158D-FVII、S314E/L305V/E296V-FVII、S314E/L305V/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T-FVII、S314E/L305V/K337A/V158T-FVII、S314E/L305V/K337A/M298Q-FVII、S314E/L305V/K337A/E296V-FVII、S314E/L305V/K337A/V158D-FVII、S314E/L305V/V158D/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V-FVII、S314E/L305V/V158T/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V-FVII、S314E/L305V/E296V/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、S314E/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316H/L305V/K337A-FVII、K316H/L305V/V158D-FVII、K316H/L305V/E296V-FVII、K316H/L305V/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T-FVII、K316H/L305V/K337A/V158T-FVII、K316H/L305V/K337A/M298Q-FVII、K316H/L305V/K337A/E296V-FVII、K316H/L305V/K337A/V158D-FVII、K316H/L305V/V158D/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158D/E296V-FVII、K316H/L305V/V158T/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T/E296V-FVII、K316H/L305V/E296V/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、K316H/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/K337A -FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316Q/L305V/K337A-FVII、K316Q/L305V/V158D-FVII、K316Q/L305V/E296V-FVII、K316Q/L305V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T-FVII、K316Q/L305V/K337A/V158T-FVII、K316Q/L305V/K337A/M298Q-FVII、K316Q/L305V/K337A/E296V-FVII、K316Q/L305V/K337A/V158D-FVII、K316Q/L305V/V158D/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V-FVII、K316Q/L305V/V158T/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V-FVII、K316Q/L305V/E296V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/K337A/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、K316Q/L305V/V158D/K337A/M298Q-FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/K337A -FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/K337A-FVII、F374Y/V158D-FVII、F374Y/E296V-FVII、F374Y/M298Q-FVII、F374Y/V158T-FVII、F374Y/S314E-FVII、F374Y/L305V-FVII、F374Y/L305V/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D-FVII、F374Y/L305V/E296V-FVII、F374Y/L305V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158T-FVII、F374Y/L305V/S314E-FVII、F374Y/K337A/S314E-FVII、F374Y/K337A/V158T-FVII、F374Y/K337A/M298Q-FVII、F374Y/K337A/E296V-FVII、F374Y/K337A/V158D-FVII、F374Y/V158D/S314E-FVII、F374Y/V158D/M298Q-FVII、F374Y/V158D/E296V-FVII、F374Y/V158T/S314E-FVII、F374Y/V158T/M298Q-FVII、F374Y/V158T/E296V-FVII、F374Y/E296V/S314E-FVII、F374Y/S314E/M298Q-FVII、F374Y/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/K337A/V158D-FVII、F374Y/L305V/K337A/E296V-FVII、F374Y/L305V/K337A/M298Q-FVII、F374Y/L305V/K337A/V158T-FVII、F374Y/L305V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158D/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/E296V/V158T-FVII、F374Y/L305V/E296V/S314E-FVII、F374Y/L305V/M298Q/V158T-FVII、F374Y/L305V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/S314E-FVII、F374Y/K337A/S314E/V158T-FVII、F374Y/K337A/S314E/M298Q-FVII、F374Y/K337A/S314E/E296V-FVII、F374Y/K337A/S314E/V158D-FVII、F374Y/K337A/V158T/M298Q-FVII、F374Y/K337A/V158T/E296V-FVII、F374Y/K337A/M298Q/E296V-FVII、F374Y/K337A/M298Q/V158D-FVII、F374Y/K337A/E296V/V158D-FVII、F374Y/V158D/S314E/M298Q-FVII、F374Y/V158D/S314E/E296V-FVII、F374Y/V158D/M298Q/E296V-FVII、F374Y/V158T/S314E/E296V-FVII、F374Y/V158T/S314E/M298Q-FVII、F374Y/V158T/M298Q/E296V-FVII、F374Y/E296V/S314E/M298Q-FVII、F374Y/L305V/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A -FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158D/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158D/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/S314E-FVII、F374Y/V158T/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/V158T/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158T/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/V158T/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/M298Q-FVII、F374Y/L305V/V158T/M298Q/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158T/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/S314E-FVII、F374Y/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T-FVII、F374Y/L305V/E296V/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A/S314E-FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E-FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E-FVII、S52A-第VII因子、S60A-第VII因子; R152E-第VII因子、S344A-第VII因子、Glaドメインを欠いている第VIIa因子;及び、P11Q/K33E-FVII、T106N-FVII、K143N/N145T-FVII、V253N-FVII、R290N/A292T-FVII、G291N-FVII、R315N/V317T-FVII、K143N/N145T/R315N/V317T-FVI;及び、233Thrから240Asnまでのアミノ酸配列に置換、付加又は欠失を有するFVII、304Argから329Cysまでのアミノ酸配列に置換、付加又は欠失を有するFVII、及びアミノ酸配列Ile153−Arg223に置換、付加又は欠失を有するFVIIが含まれるがこれらに限定されるものではない。
他の実施態様では、第VII因子ポリペプチドは第VII因子配列変異体である。
ある実施態様では、第VII因子ポリペプチドは野生型ヒト第VII因子と異なるグリコシル化を有する。
様々な実施態様では、例えば第VII因子ポリペプチドが第VII因子関連のポリペプチド又は第VII因子配列変異体である場合、第VII因子ポリペプチドの活性と天然のヒト第VIIa因子(野生型FVIIa)の活性との間の比率は、本明細書中に記載の「インビトロタンパク質分解アッセイ」(アッセイ2)にて試験されると、少なくともおよそ1.25、好ましくは少なくともおよそ2.0、又は4.0、最も好ましくは少なくともおよそ8.0である。
第VII因子ポリペプチドの精製された薬剤物質に相当する分画の収集の後、溶液に調製し、バイアルに分注して、凍結乾燥してもよいし又はそのまま保存してもよい。市販の、組み換えて作製されたFVIIポリペプチド組成物に相当する最終生成物の例として、1.2mg 組み換えヒト第VIIa因子、5.84mg NaCl、2.94mg CaCl2、2 H2O、2.64mg GlyGly、0.14mg ポリソルベート80及び60.0mg マンニトールを含有するバイアル(1.2mg)であるNovoSeven(登録商標)(Novo Nordisk A/S, Denmark)が述べられる。この生成物は、使用の前に2.0mlの注射用蒸留水(WFI)によってpH5.5に再構成される。再構成の場合、タンパク質溶液は24時間の使用に安定である。
組み換え活性化第VII因子(rFVIIa)の全体的な製造は、Thrombosis and Hemostasis, Vol. 27, No. 4, 2001のセミナーにおいてJurlander等によって示される。
第VII因子ポリペプチドの生物学的活性を決定するために適するアッセイ
本発明に有用な第VII因子ポリペプチドは、簡単な事前のインビトロ試験として実施されうる適切なアッセイによって選択されうる。したがって、本明細書は、第VII因子ポリペプチドの活性のための簡易試験(「インビトロ加水分解アッセイ」と称する)を開示する。
基本的には国際公開第92/15686号又は米国特許第5997864号に記述されるように、第VII因子ポリペプチドの活性を1-段階(one-stage)凝固アッセイを用いて測定してもよい。簡単に言うと、試験する試料を、50mM トリス(pH7.5)、0.1%BSAにて希釈して、100μlを、100μlの第VII因子欠損血漿及び200μlの10mM Ca2+を含むトロンボプラスチンCとともにインキュベートする。凝固時間を測定し、参照標準物質又は階段希釈のクエン酸塩加の正常ヒト血漿の貯留(プール)を用いた標準曲線と比較する。
天然の(野生型)第VIIa因子及び第VII因子ポリペプチド(以降ともに「第VIIa因子」と称する)を特定の活性についてアッセイしてもよい。また、これらはアッセイすると同時に、特定の活性を直接比較してもよい。アッセイはマイクロタイタープレート(MaxiSorp, Nunc, Denmark)にて行う。発色基質D-Ile-Pro-Arg-p-ニトロアニリド(S-2288、Chromogenix, Sweden)を終濃度1mMで、第VIIa因子(終濃度100nM)を含む0.1M NaCl、5mM CaCl2及び1mg/ml ウシ血清アルブミンを含む50mM HEPES、pH7.4に加える。SpectraMaxTM 340プレート読み取り機(Molecular Devices, USA)にて405nmの吸光度を連続的に測定する。酵素を含まない空のウェルの吸光度を減算した後、20分間のインキュベートの間に反応する吸光度を用いて、第VII因子ポリペプチドと野生型第VIIa因子との活性の比率を算出する:
比率=(A405nmの第VII因子ポリペプチド)/(A405nmの第VIIa因子野生型)
これを元に、天然の第VIIa因子よりも活性が低い、同等又は高い第VII因子ポリペプチド、例えば第VII因子ポリペプチドの活性と天然の第VII因子(野生型FVII)の活性との間の比率がおよそ1.0対1.0を超えるものである第VII因子ポリペプチドが同定されうる。
また、第VII因子ポリペプチドの活性は、100〜1000nMの濃度に適する、第X因子などの生理学的基質を用いて測定されうる(「インビトロタンパク質分解アッセイ」)。このアッセイでは生成された第Xa因子が適切な発色基質(例えばS-2765)を加えた後に測定される。さらに、活性アッセイは生理学的温度で行ってもよい。
天然の(野生型)第VIIa因子及び第VII因子ポリペプチド(以降ともに「第VIIa因子」と称する)はアッセイすると同時に、特定の活性を直接比較してもよい。アッセイはマイクロタイタープレート(MaxiSorp, Nunc, Denmark)にて行う。第VIIa因子(10nM)及び第X因子(0.8μM)を含む、0.1M NaCl、5mM CaCl2及び1mg/ml ウシ血清アルブミンを含む50mM HEPES、pH7.4 100μlを15分間インキュベートする。次いで、0.1M NaCl、20mM EDTA及び1mg/ml ウシ血清アルブミンを含む50mM HEPES、pH7.4 50μlを加えて第X因子切断を止める。生成された第Xa因子の量は、発色基質Z-D-Arg-Gly-Arg-p-ニトロアニリド(S-2765、Chromogenix, Sweden)を終濃度0.5mMで加えて測定する。SpectraMaxTM 340プレート読み取り機(Molecular Devices, USA)にて405nmの吸光度を連続的に測定する。FVIIaを含まない空のウェルの吸光度を減算した後、10分間反応する吸光度を用いて、第VII因子ポリペプチドと野生型第VIIa因子のタンパク質分解活性の比率を算出する:
比率=(A405nmの第VII因子ポリペプチド)/(A405nmの第VIIa因子野生型)
これを元に、天然の第VIIa因子よりも活性が低い、同等又は高い第VII因子ポリペプチド、例えば第VII因子ポリペプチドの活性と天然の第VII因子(野生型FVII)の活性との間の比率がおよそ1.0対1.0を超えるものである第VII因子ポリペプチドが同定されうる。
第VII因子ポリペプチドのトロンビン生成能は、生理的濃度のすべての関連する凝固因子及びインヒビター(血友病A症状を模倣する場合の第VIII因子を含まない)、及び活性化血小板(参照により本明細書中に組み込まれるMonroe等 (1997) Brit. J. Haematol. 99, 542-547の543ページに記述される)を含むアッセイ(アッセイ3)にて測定することができる。
また、第VII因子ポリペプチドは、1-段階(one-stage)凝固アッセイ(アッセイ4)を用いて、特定の活性(「凝固活性」)について試験してもよい。この目的のために、試験する試料を50mM PIPES-バッファ(pH7.2)、1%BSAにて希釈し、40μlを40μlの第VII因子欠損血漿及び80μlの10mM Ca2+及び合成リン脂質を含むヒトの組み換え組織因子とともにインキュベートする。凝固時間(凝血時間)を測定して、類似のアッセイにて参照標準物質を用いた標準曲線と比較する。
「遅発型溶出ピーク」は、例えば以下に記載するようなRP-HPLCアッセイにおける対象の第VII因子ポリペプチドと比較したときに長い滞留時間で溶出するものである:
逆相HPLCは、5μmの粒子サイズと孔径300Åの社内生産されたブチル結合シリカカラム(4.5×250mm)にて行った;(類似の結果は、ACE C4、5μm、300Å、4.6×250mmカラムにて得られうる)。
カラム温度:70℃。A-バッファ:0.1%v/v トリフルオロ酢酸。B-バッファ:0.09%v/v トリフルオロ酢酸、80%v/v アセトニトリル。
カラムは、Xから(X+13)%Bまでの直線的濃度勾配にて30分間溶出した。Xは、FVIIaがおよそ26分の滞留時間で溶出するように調整した。
流速:1.0ml/分。検出:214nm。負荷:25μgのFVIIa。
図9は、FVIIのHPLCクロマトグラム及びその生成物関連の不純物を示す。
凝集塊の含有量は非変性サイズ排除HPLC(SEHPLC)によって測定する。非変性サイズ排除クロマトグラフィは、移動相として0.2M 硫酸アンモニウム、5% 2-プロパノール pH7.0を用いたWaters Protein Pak 300 SWカラム、7.5×300mmにて行った。流速:0.5ml/分。検出:215nm。負荷:25μgのFVIIa。
完全長第VII因子ポリペプチド構造に対するデスGla-第VII因子ポリペプチド構造の含有量はSDS-PAGEによって測定される。150μlの試料に50μlの試料バッファ(非還元、NuPAGE)を加え、5分間煮沸する。10μlの試料を12%のBisTris NuPAGEゲル(Invitrogen)に流す。ゲルを200ボルト、120mAで55分間動作する。クーマシーブリリアントブルー溶液を用いてゲルを染色し、脱色して、乾燥する。相対的なデスGla-第VII因子ポリペプチド含有量を、およそ50kDaの第VII因子ポリペプチドバンド領域と45kDaのデスGla-第VII因子ポリペプチドバンドの領域で除したデスGla-第VII因子ポリペプチドバンドの領域として算出する。
あるいは、デスGla-第VII因子ポリペプチド構造の含有量を陰イオン交換HPLCで測定してもよい。この方法は、Gla-ドメインのない第VII因子ポリペプチドをインタクトな第VII因子ポリペプチドから切り離す。Gla-ドメインのない第VII因子ポリペプチドの含有量は、第VII因子ポリペプチド関連のピーク領域の%で表される。分析カラムには、DNAPac PA-100、250×4mm (Dionex Corp.)を用いる。カラムは、1.0ml/分の流速で、30分にわたって、pH9.0の0〜0.5Mの酢酸アンモニウムの直線的濃度勾配にて溶出する。溶出物の280nmの吸光度をモニタリングする。
一方又は両方のN-結合グリカンを持たない第VII因子ポリペプチド構造の含有量は、例えば高性能液体クロマトグラフィ(HPLC);キャピラリー電気泳動法(CE);又は質量分析(MALDI-MS及びLC-MS)を用いて測定されうる。
例えば、MALDI-MSを用いる場合、およそ50kDa、47.5kDa及び45kDaの質量を表すピークは、両方のN-結合グリカンを有する第VII因子ポリペプチド及び一又は両方のグリカンを持たないそれぞれの第VII因子ポリペプチドを示す。
N-結合オリゴ糖のパターンは、高性能液体クロマトグラフィ(HPLC);キャピラリー電気泳動法(CE);核磁気共鳴法(NMR);イオン化技術を用いた質量分析(MS)、例えば高速原子衝撃、エレクトロスプレー、又はマトリックス支援レーザー脱離(MALDI);ガスクロマトグラフィ(GC);及び、陰イオン交換(AIE)-HPLC、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)又はMSと組み合わせたエキソグリコシダーゼによる治療法を含むがこれらに限定されるものではない、当分野で公知の任意の方法を用いて測定されうる。例として、Weber等, Anal. Biochem. 225:135 (1995);Klausen等, J. Chromatog. 718:195 (1995);Morris等, in Mass Spectrometry of Biological Materials, McEwen等, eds., Marcel Dekker, (1990), pp 137-167;Conboy等, Biol. Mass Spectrom. 21:397, 1992;Hellerqvist, Meth. Enzymol. 193:554 (1990);Sutton等, Anal. Biohcem. 318:34 (1994);Harvey等, Organic Mass Spectrometry 29:752 (1994)を参照。
上記の方法のいずれかを用いた第VII因子グリコフォームの分解の後、分解された種は、異なるグループ(i) 〜 (iii)に分類される。(i) 〜 (iii)のそれぞれの相対的な含有量は、試料中のグリコフォームの総含有量に対するあるグループに分類されたグリコフォームの合計として算出される。
以下の実施例は本発明を例示するものである。これらの実施例は、例示の目的にのみ記載するもので、いかなる場合においても請求される本発明の範囲を制限することを目的としない。
5mgの純度の高いrhFVIIaに、終濃度1.8MのNH4-アセテートと終濃度10mMのCaCl2と終濃度10mMのメチオニンを加えた。pHはpH6.0に調整した。試料を、5CVの1.8M NH4-アセテート、10mM CaCl2、10mM メチオニン、pH6.0(負荷1.6g/l)にて平衡化したToso Haas TSK-Gelフェニル5PWを充填したカラム(0.5cm内径×10.0cmの長さ=2mlのカラム容量(CV))に流し込んだ。カラムを、3CVの1.8M NH4-アセテート、10mM CaCl2、10mM メチオニン、pH6.0にて洗浄した。10mM CaCl2、10mM メチオニン、pH6.0を含むバッファ中で1.8MのNH4-アセテートから50mMのNH4-アセテートの直線的な勾配溶液 18CVを用いて溶出を行った。リーディングエッジで最大吸光度(280nm)のおよそ65%及びテーリングエッジで最大吸光度のおよそ20%のピーク集積であるが、貯留を回収した。図1にクロマトグラムを示す。
6〜12CV/hの流速及び5℃の温度で精製を行った。50mM クエン酸塩、pH7.0及び0.5M NaOHにてカラムを再生した。
表1
重鎖が分解した酸化型のrhFVIIは、修飾されていないrhFVIIよりも相対的に滞留時間が短いために主に減少し、それによってリーディングエッジの切断によって減少した。
rhFVIIの試料に終濃度1Mの(NH4)2SO4を加える。pHは20mMのトリスにて緩衝してpH8.6に調整する。この試料を5CVの1M (NH4)2SO4、20mM トリス、pH8.6にて平衡化したToyopearl butyl 650Sを充填したカラムに加える。カラムを5CVの1M (NH4)2SO4、20mM トリス、pH8.6にて洗浄する。20mM トリス、pH8.6を含むバッファ中で1.0Mの(NH4)2SO4から0Mの(NH4)2SO4の直線的な勾配溶液 20CVを用いて溶出を行う。FVII含有貯留(プール)はピークの集積によって選択する。重鎖が分解された酸化型のrhFVIIは天然のrhFVIIと比較して滞留時間が短いために減少する。遅発型溶出ピーク1、2及び3は、天然のrhFVIIと比較して滞留時間が相対的に長いために減少する。
4.7mlのカラムにTSKフェニル5PW(20μm)樹脂を充填して、2.0M 酢酸アンモニウム、10mM CaCl2、10mM ヒスチジン、pH6.0を含有するバッファ 20CVにて平衡化した。
15mlの0.25mg/ml FVIIa類似体を含む2.0M 酢酸アンモニウム、10mM CaCl2、10mM ヒスチジン、pH6.0からなる負荷物質をカラムに流した(0.8mg/ml樹脂の特定の負荷に相当)。5CVの平衡化バッファを用いてカラムを洗浄した。10CVにわたって洗浄バッファ及び平衡化バッファから10mM CaCl2、10mM ヒスチジン、pH6.0への直線的な勾配溶液を用いた後に5CVの勾配の付いていない溶液を用いて溶出を行った。5mlの分画を溶出ピーク全体にわたって回収した。クロマトグラムを図3に示す。
カラムは、5CVの50mM 三クエン酸ナトリウム、pH7.5の後に5CVの1.0M 水酸化ナトリウムを用いて再生した。流速は精製の間6CV/hとし、5℃の一定温度を維持した。
図2に示すように、相対的な滞留時間(RR)が1000より大きい遅発型溶出ピークを分離した。全体で、遅発型溶出ピーク(RR1045、RR1066、RR1119、RR1148、RR1192及びRR1247)が因子2.5によって減少した。ピークの滞留時間は、分析的RP-HPLCシステムの主要な生成物ピークと比較したときのそれぞれのピークの相対的な滞留時間を示す。分画12〜17を回収したところ62%の収率であった。
2.0lのカラムに、TSKフェニル5PW(20μm)樹脂を充填し、20CVの2.0M 酢酸アンモニウム、10mM CaCl2、10mM ヒスチジン、pH6.0にて平衡化した。0.751mg/mlのFVIIa類似体を含む2.0M 酢酸アンモニウム、10mM CaCl2、10mM ヒスチジン、pH6.0を含有する5.3lの溶液を負荷した(2.0mg/ml樹脂の特定の負荷に相当)。10CVの平衡化バッファを用いてカラムを洗浄した。10CVにわたって洗浄バッファ及び平衡化バッファから10mM CaCl2、10mM ヒスチジン、pH6.0への直線的な勾配溶液を用いた後に6.5CVの勾配の付いていない溶液を用いて溶出を行った。貯留分画は、リーディングエッジの100mAu(5mmの光路)から、テーリングエッジの65mAu(5mmの光路)まで回収した。図4にクロマトグラムを示す。貯留容量は9.0lであった。
カラムは、5CVの50mM 三クエン酸ナトリウム、pH7.5の後に5CVの1.0M 水酸化ナトリウムを用いて再生した。流速は精製の間6CV/hとし、5℃の一定温度を維持した。
表2
6mgの組み換えhFVIIaに、終濃度1.8MのNH4-アセテートと終濃度10mMのCaCl2を加えた。pHはpH6.0に調整した。試料を、5CVの1.8M NH4-アセテート、10mM CaCl2、pH6.0(負荷1.6g/l)にて平衡化したToso Haas TSK-Gelフェニル5PWを充填したカラム(0.5cm内径×10.5cmの長さ=2mlのカラム容量(CV))に流し込んだ。カラムを、3CVの1.8M NH4-アセテート、10mM CaCl2、pH6.0にて洗浄した。10mM CaCl2、pH6.0を含むバッファ中で1.8MのNH4-アセテートから50mMのNH4-アセテートの直線的な勾配溶液 18CVを用いて溶出を行った。3つの試料を回収した;リーディングエッジ、メインピーク及びテーリングエッジ。リーディングエッジで最大吸光度(280nm)のおよそ50%及びテーリングエッジで最大吸光度のおよそ20%のピーク集積であるが、メインピークを回収した。図7にクロマトグラムを示す。
6〜12CV/hの流速及び5℃の温度で精製を行った。5CVの50mM クエン酸塩、pH7.0及び5CVの0.5M NaOHを用いてカラムを再生した。
表5
6mgの組み換えhFVIIaに、終濃度1.8MのNH4-アセテートと終濃度10mMのCaCl2を加えた。pHはpH6.0に調整した。試料を、5CVの1.8M NH4-アセテート、10mM CaCl2、pH6.0にて平衡化したToso Haas TSK-Gelフェニル5PWを充填したカラム(0.5cm内径×10.0cmの長さ=2mlのカラム容量(CV))に加えた。
カラムを、3CVの1.8M NH4-アセテート、10mM CaCl2、pH6.0にて洗浄した。10mM CaCl2、pH6.0を含むバッファ中で1.8MのNH4-アセテートから50mMのNH4-アセテートの直線的な勾配溶液 18CVを用いて溶出を行った。
リーディングエッジで最大吸光度(280nm)のおよそ65%及びテーリングエッジで最大吸光度のおよそ20%のピーク集積である。貯留を回収した。図10にクロマトグラムを示す。
6〜12CV/hの流速及び20℃の温度で精製を行った。50mM クエン酸塩、pH7.0及び0.5M NaOHにてカラムを再生した。
Claims (18)
- 組み換えて作製した第VII因子ポリペプチドの薬剤物質の精製方法であって、
(a) 疎水性相互作用クロマトグラフィ物質への薬剤物質の一部の結合を促す条件下にて疎水性相互作用クロマトグラフィ物質と薬剤物質を接触させ、このときの該薬剤物質が0.0〜0.1Mの範囲又は0.5Mからそれぞれの塩の飽和濃度の85%の範囲の濃度の塩類及び/又は双性イオンを含むものであり;
(b) 場合によって洗浄バッファにて該疎水性相互作用クロマトグラフィ物質を洗浄し;そして、
(c) 溶出バッファにて該疎水性相互作用クロマトグラフィ物質を溶出し、第VII因子ポリペプチドの薬剤物質を溶出物として回収する;
という工程を含んでなり、それによって、本明細書中に定められる方法によって決定される生成物関連の不純物の含有量が、工程(a)に用いられる薬剤物質に含有される含有量と比較して、少なくとも50%(w/w)に減少している方法。 - 前記疎水性相互作用クロマトグラフィ物質が、ブチル配位子及び/又はフェニル配位子にて置換された樹脂からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 工程(a)の薬剤物質の負荷が樹脂l当たり少なくとも250mgの第VII因子ポリペプチドの範囲である、請求項1又は2に記載の方法。
- 工程(a)の薬剤物質が液体の形態であり、50mS/cmのイオン強度を有する、請求項1から3のいずれか一に記載の方法。
- 工程(b)の洗浄バッファが0.7〜2.2Mの範囲の濃度の塩を含む、請求項1から4のいずれか一に記載の方法。
- 工程(c)の溶出バッファが0.7〜2.2Mの範囲の開始濃度の塩を含む、請求項1から5のいずれか一に記載の方法。
- 工程(c)の溶出バッファが塩に関する勾配バッファである、請求項1から6のいずれか一に記載の方法。
- 勾配バッファの塩の開始濃度が1.7〜2.2Mの範囲であり、勾配バッファの塩の終濃度が0.0〜1.6Mの範囲である、請求項7に記載の方法。
- 塩が酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム及び酢酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項1から8のいずれか一に記載の方法。
- 生成物関連の不純物が本明細書中に記載の方法によって測定するところの遅発型溶出ピークである、請求項1から9のいずれか一に記載の方法。
- 生成物関連の不純物が一又は複数のN結合グリカンを欠く対象とする第VII因子タンパク質の形態である、請求項10に記載の方法。
- 生成物関連の不純物が対象とする第VII因子ポリペプチドの酸化型である、請求項1から11のいずれか一に記載の方法。
- 生成物関連の不純物が対象とする第VII因子ポリペプチドのタンパク質分解型である、請求項1から12のいずれか一に記載の方法。
- 生成物関連の不純物が対象とする第VII因子ポリペプチドの二量体、オリゴマー及び/又は凝集塊である、請求項1から13のいずれか一に記載の方法。
- 工程(c)において回収される第VII因子ポリペプチドの精製された薬剤物質が工程(a)の薬剤物質と比較しておよそ50%未満の遅発型溶出ピークを有する、請求項1から14のいずれか一に記載の方法。
- 第VII因子ポリペプチドの薬剤物質の精製方法であって、該薬剤物質が少なくとも3%の遅発型溶出ピークを有するものであり、
(a) 疎水性相互作用クロマトグラフィ物質への薬剤物質の一部の結合を促す条件下にて疎水性相互作用クロマトグラフィ物質と薬剤物質を接触させ、このときの該薬剤物質が1.5〜2.5Mの範囲の濃度のアンモニウム塩を含むものであり;
(b) 1.5〜2.5Mの範囲の濃度のアンモニウム塩を含む洗浄バッファにて該疎水性相互作用クロマトグラフィ物質を洗浄しそして、
(c) アンモニウム塩を含む溶出バッファにて該疎水性相互作用クロマトグラフィ物質を溶出し、このときの溶出バッファがアンモニウム塩に関する勾配バッファであるものであり、第VII因子ポリペプチドの精製した薬剤物質を溶出物として回収する
という工程を含んでなり、このときの工程(b)と(c)は組み合わせてもよい方法。 - 工程(c)の溶出バッファがアンモニウム塩に関する勾配バッファであり、このときの勾配バッファのアンモニウム塩の開始濃度が1.8〜2.2Mの範囲であり、勾配バッファのアンモニウム塩の終濃度が1.2〜1.6の範囲である、請求項16に記載の方法。
- 工程(a)〜(c)の温度が0〜25℃の範囲であり、工程(a)〜(c)のpHが6〜9の範囲である、請求項16又は17に記載の方法。
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