JP2014192928A - 各輪独立駆動台車の制御装置 - Google Patents

各輪独立駆動台車の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】制御方式の切り換えを行うことなく、連続的に再粘着制御を行う手法を提供し、より効率的な再粘着制御を実現する。
【解決手段】指令トルク選択部21により、ノッチトルク指令値Tnotch *と負荷トルク指令値の台車枠内における車輪の平均値Tobs_aveとの偏差が閾値よりも小さい時はノッチトルク指令値Tnotch *を選択し、ノッチトルク指令値Tnotch *と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値Tobs_aveとの偏差が閾値以上の時はモータ入力トルク指令Tmに基づくトルク値を選択し、回転角速度指令値変換部22により、トルク指令T*から基本となる回転角速度指令値ω*を算出する。ゲイン調整指令変換部26により、ノッチトルク指令値Tnotch *と負荷トルク推定値Tobs_aveの台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に回転角速度制御器23のゲインを引き下げる。
【選択図】図5

Description

本発明は、車輪(4輪ないし複数輪)の各輪が独立して回転する各輪独立駆動台車に係り、特に、車輪が空転状態,滑走状態であることを検知した場合における空転・滑走再粘着制御および各輪協調制御に関する。
従来の鉄道車両駆動用台車は左右の車輪が軸で結合されており、1つの電動機により左右車輪を一括して駆動する構成を採るのが一般的であった。この構成では左右の車輪回転角速度が一致するが、曲線通過時はレール長の差により曲線の内側と外側で進行距離が異なる。このレール長の差の影響を吸収するために、レールと接触する車輪踏面に勾配を付けて、接触位置における車輪回転半径が曲線内側で小さく、曲線外側で大きくなるようにしている。
しかしながら、急曲線になると上記の踏面勾配のみではレール長の差を吸収できずに、車輪のフランジ接触やレールとのすべりを引き起こす。その結果、振動,騒音,レール・車輪の磨耗を増大させる。
それに対し、左右車輪間の結合軸をなくして各輪に電動機を設置し、それぞれ独立に回転駆動させることが可能な各輪独立駆動台車の構成が検討されている。この各輪独立駆動台車は、左右車輪回転角速度を個別の電動機で任意に制御できるため、曲線通過時の走行性能向上とともに、結合軸をなくすことによる低床化・省スペース化が期待できる。
一方で、各輪の電動機を協調して制御しなければスムースな走行ができない恐れもあり、その制御手法が重要な課題となる。特許文献1および特許文献2では、各輪の回転角速度を検出し、前輪左右と後輪左右のそれぞれで左右の回転角速度差を求め、左右の回転角速度差が任意の値となるように制御する方式を提案している。例えば、直線通過時は左右の回転角速度差がゼロとなるように制御することで、従来の結合軸がある構成と同様に左右の回転角速度を一致させ、直線走行時の安定性を向上させている。
また、曲線通過時は曲線半径に応じて任意の左右回転角速度差を持つように速度制御を行い、その結果生じる補正卜ルクを駆動トルクに加算・減算して円滑な走行を可能としている。
また、空転・滑走再粘着制御については、従来の台車構成において数多くの方法が提案されている(特許文献3,4参照)。
図16は、各輪協調制御を行うための各輪モータ制御装置の一例を示す構成図である。各輪モータ制御装置は、回転角速度指令値変換部11において運転手の操作から得られるノッチトルク指令値Tnotch *に基づき基本となる回転角速度指令値ω*に変換する。さらに、回転角速度指令値補正部12において、その基本となる回転角速度指令値ω*を、曲線半径Rに基づき各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *に変換する。そして、回転角速度制御器13a〜13dにおいて、各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *と各輪の回転角速度検出値ωFL,ωFR,ωRL,ωRRとの偏差により回転角速度フィードバック制御を行い、モータ入力トルク指令値TFL *,TFR *,TRL *,TRR *を算出している。
回転角速度指令値補正部12では、両レール軌間中心基準の曲線半径R(左カーブを正とする)に応じて基本となる回転角速度指令値ω*を各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *に補正する。車輪踏面とレールの接触位置における車輪回転半径Rのリアルタイム計測は困難なため、ここではノミナル値(車輪が左右中立位置にある場合の回転半径)を使用している。図17は、レール,軌間,曲線半径Rを定義したものである。曲線通過時は、内側レールと外側レールでレール長の差が生じるため、下記(1)式に基づいて各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *に補正する。
Figure 2014192928
前記(1)式は、図17の曲線半径Rと軌間距離2bの情報から内側と外側のレールの進行距離の差を求めて、各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *を導いたものである。
各輪の回転角速度制御器13a〜13dでは、前記(1)式より求めた各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *と回転角速度検出値ωFL,ωFR,ωRL,ωRRの偏差を取り、PID制御等による一般的なフィードバック制御を行う。これにより、回転角速度が所望の値となるトルク指令値TFL *,TFR *,TRL *,TRR *が生成される。
なお、回転角速度制御器13a〜13dのPID制御ゲインは、車両走行の安定性と性能改善のために、車両状態(車両速度や曲線半径情報R)に応じて、ゲインスケジューリングされるのが一般的である。
以上、「特許文献1:請求項3」と同等の基本的な機能について説明した。上記のように曲線等の路面状況に応じて各輪のモータを協調制御することで円滑な走行を目指 している。
特開平08−242506号公報 特開平09−233613号公報 特開1999−252716号公報 特開平07−215229号公報
しかしながら、上記特許文献1には空転・滑走再粘着方法が記載されておらず、この各輪独立駆動台車特有の課題となる空転・滑走現象の対応策が検討されていない。 例えば、特許文献3のような従来の空転滑走再粘着制御方法を、単純に図16に示すような回転角速度制御系に適用すると、ノッチトルク指令値Tnotch *から基本となる回転角速度指令値ω*に変換する積分器のリセット処理を適切に行わなければならない課題がある。また、特許文献3の方式は各輪独立駆動台車への適用は考慮されていない。
さらに、空転・滑走検出期間中は回転角速度制御を停止して、任意の再粘着制御トルクパターンに切り替えて再粘着制御を実行し、空転滑走再粘着が完了すると、再び回転角速度制御に切り替えて回転角速度を制御する方法が考えられる。しかし、この制御方法の場合、回転角速度制御を一旦停止する必要がある。
本発明は、上記のような制御方式の切り換え(回転角速度制御の停止)を行うことなく、連続的に再粘着制御を行う手法を提供し、より効率的な(所定レベル以下に車輪のすべり率を抑制しつつ、可能な限りトルクを与えて効率よく車両を加速/減速する)再粘着制御を実現することを課題とする。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、各車輪をそれぞれ独立して駆動制御する各輪独立駆動台車の制御装置であって、ノッチトルク指令値と負荷トルク指令値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値よりも小さい時はノッチトルク指令値を選択し、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時にはモータ入力トルク指令値に基づくトルク値を選択して、トルク指令として出力する指令トルク選択部と、トルク指令から車両内における車輪の回転角速度指令値を算出する回転角速度指令値変換部と、車輪の回転角速度指令値と回転角速度検出値との偏差に基づき、回転角速度制御を行う回転角速度制御器と、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に、回転角速度制御器のゲインを引き下げるゲイン調整指令変換部と、を備えたことを特徴とする。
また、前記ゲイン調整指令変換部は、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時にゲインを一旦0にリセットし、その後、任意の変化率で除々に1となるまで引き上げてもよい。
さらに、前記ゲイン調整指令変換部は、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に、負荷トルク推定値をノッチトルク指令値で除算した値のa%(1<a<100)を初期値として前記ゲインをリセットし、その後、任意の変化率で除々に1となるまで引き上げても良い。
また、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に、モータ入力トルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値の偏差が予め設定された閾値以上か否かを判定するトルク差検知部と、前記モータ入力トルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の場合、トルクを引き下げ車輪を再粘着させるための再粘着制御トルクパターンを生成する再粘着制御トルクパターン生成部と、を備え、前記ゲイン調整指令変換部は、再粘着制御トルクパターンをノッチトルク指令値で除算した値のa%(1<a<100)を、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時における前記ゲインとしても良い。
さらに、前記指令トルク選択部において、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に選択されるトルク指令を、モータ入力トルク指令値の台車枠内における車輪の平均値に対して負荷トルク推定値のb%(1<b<100)を上乗せした値としても良い。
また、前記指令トルク選択部において、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に選択されるトルク指令を、負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値に対して負荷トルク推定値のb%(1<b<100)を上乗せした値としても良い。
本発明によれば、制御方式の切り換えを行うことなく、連続的に再粘着制御を行う手法を適用し、より効率的な(所定レベル以下に車輪のすべり率を抑制しつつ、可能な限りトルクを与えて効率よく車両を加速/減速する)再粘着制御方法を実現することが可能となる。
本願発明における各輪独立駆動台車の制御装置を示す基本構成図である。 本願発明における各輪モータ制御装置を示す基本構成図である。 本願発明における回転角速度指令値補正部を示す基本構成図である。 本願発明における回転角速度制御器を示す基本構成図である。 実施形態1における各輪モータ制御装置を示す構成図である。 実施形態2における各輪モータ制御装置を示す構成図である。 実施形態3における各輪モータ制御装置を示す構成図である。 実施形態4における各輪モータ制御装置を示す構成図である。 実施形態5における各輪モータ制御装置を示す構成図である。 実施形態5における各輪独立駆動台車の制御装置の処理ステップを示すフローチャートである。 シミュレーションの各条件を示す図である。 条件1のシミュレーション結果を示すグラフである。 条件2のシミュレーション結果を示すグラフである。 条件3のシミュレーション結果を示すグラフである。 条件4のシミュレーション結果を示すグラフである。 従来における各輪モータ制御装置を示す構成図である。 レール,軌間,曲線半径Rを定義した図である。
[基本構成]
まず、本発明における各輪独立駆動台車の制御装置の基本形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明における各輪独立駆動台車の制御装置は、各輪モータ制御装置1と、各車輪の駆動装置2a〜2dと、を備える。
運転手の操作から得られるノッチトルク指令Tnotch *に基づいて、各輪モータ制御装置1で基本となる(車両内における車輪の)回転角速度指令値に変換し、各駆動装置2a〜2dにモータ入力トルク指令値TFL *,TFR *,TRL *,TRR *を送信する。各駆動装置2a〜2dでは、例えばインバータ装置を用いてベクトル制御などを行い、所望のトルクが得られるように各モータMa〜Mdを制御する。また、各モータMa〜Mdに設置した回転角速度検出器3a〜3dにより検出される回転角速度検出値ωFL,ωFR,ωRL,ωRRは、各輪モータ制御装置1に送信する。
次に、各輪モータ制御装置1について図2に基づき説明する。図2に示すように、各輪モータ制御装置1は、回転角速度指令値変換部11と、回転角速度指令値補正部12と、回転角速度制御器13a〜13dと、制御ゲイン調整部14と、を備える。
回転角速度指令値補正部11は、運転手の操作から得られるノッチトルク指令値Tnotch *から基本となる(車両内における車輪の)回転角速度指令値ω*に変換する。
回転角速度指令値変換部11における変換には、例えば下記(2)式を用いる。なお、下記(2)式は車軸取付の場合の回転角速度指令値ω*を示しているが、モータ取付の場合はギア比を適宜換算すればよい。
Figure 2014192928
回転角速度指令値補正部12は、曲線半径Rおよび基本となる回転角速度指令値ω*に応じて各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *に補正する。例えば、図3に示すように、回転角速度指令値補正部12は、レールの曲線半径Rと基本となる回転角速度指令値ω*を入力とする2次元テーブル12a〜12dを構成する。前記2次元テーブル12a〜12dのテーブルデータはシミュレーション等から予め補正値を決定し用意しておく。補正値の決定に際しては、レール・車輪間の横圧が低減できるような補正値を適用し、円滑な曲線走行を実現する。
回転角速度制御器13a〜13dには、一般的なPID制御器などのフィードバック制御器を用いる。ここでは、一例として図4に示すようなPI制御器を適用する。図4に示すように回転角速度制御器13a〜13dは、それぞれ比例部15と、積分ゲイン部16と、積分器17と、を備える。
回転角速度制御器13a〜13dは、回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *と回転角速度検出値ωFL,ωFR,ωRL,ωRRとの偏差を入力し、比例部15,積分ゲイン部16においてその偏差にPゲイン(比例ゲイン)Kp,Iゲイン(積分ゲイン)Kiをそれぞれ乗算する。そしてIゲインKiを乗算した値を積分器17において積分し、PゲインKpを乗算した値と加算する。
制御ゲイン調整部14では、回転角速度制御器13a〜13dの制御パラメータに対して基本となる回転角速度指令値ω*および曲線半径Rに応じて適宜調整するゲインスケジューリングを行う。図4に示すPI制御器の例では、Pゲイン(比例ゲイン)KpとIゲイン(積分ゲイン)Kiをスケジューリングする。スケジューリングテーブルは、図3と同様にシミュレーション等の結果からテーブルで予め用意しておけばよい。
これにより、走行制御の安定化と制御性能の向上を実現する。 以上、基本的な機能について説明した。本発明は、上記基本機能に対して空転・滑走再粘着制御機能を付加したものである。
[実施形態1]
図5は、本実施形態1における各輪独立駆動台車の制御装置を示す構成図である。
なお、実施形態1〜5(図5〜9)では、図2に示す回転角速度指令値補正部12を省略して記載するが実際には行われるものとする。また、回転角速度制御器23の出力Tmは、図2に示すモータ入力トルク指令値TFL *,TFR *,TRL *,TRR *を示すものとする。
本実施形態1における各輪モータ制御装置は、空転・滑走を任意の方法で検知し空転・滑走検知のフラグを立てる。空転・滑走を検知する方法としては、例えば、加速度閾値を用いる方法が挙げられる。加速度閾値を用いる空転・滑走検知方法は、従来の串軸台車でも用いられる一般的な方法であるため、ここでの説明は省略する。
また、本実施形態1における各輪モータ制御装置は、指令トルク選択部21と、回転角速度指令値変換部22と、回転角速度制御器23と、ゲイン調整指令変換部26と、負荷トルク推定部27と、空転時指令値生成部28と、を備える。
空転時指令値生成部28は、前記空転・滑走検知のフラグとは別に、再粘着制御のフラグFlag1を出力する。再粘着制御のフラグFlag1は、ノッチトルク指令値Tnotch *と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値(以下、4輪平均値と称する)Tobs_aveを比較し、ノッチトルク指令値Tnotch *と負荷トルク推定値の4輪平均値Tobs_aveとの偏差が閾値以上であった場合には空転・滑走状態としてFlag1=「1」を出力する。
すなわち、空転・滑走検知のフラグは、実際に車輪が空転・滑走したときにしか出力されないフラグであるが、再粘着制御のフラグFlag1は、空転・滑走検知のフラグが立ち上がってから任意の時間t保持するフラグであるため、実際には、車輪の空転・滑走が収まっていても再粘着制御のフラグFlag1=「1」として出力される場合がある。
また、空転時指令値生成部28は、負荷トルク推定値Tobsから負荷トルク推定値Tobsの台車枠内における車輪の平均値Tobs_aveを生成する。
粘着走行時と空転・滑走時では基本となる回転角速度指令値ω*を切り換えないと、空転・滑走時に回転角速度制御器23に入力される回転角速度偏差が大きくなってしまう。そのため、回転角速度指令値変換部22は、粘着走行時と空転時とでは、基本となる回転角速度指令値ω*を切り換える必要がある。
そこで、指令トルク選択部21はノッチトルク指令Tnotch *と負荷トルク推定値の4輪平均値Tobs_aveとの偏差が閾値以上(Flag1=「1」)であるとき、空転・滑走していると判断し回転角速度指令変換部22への入力をノッチトルク指令値Tnotch *から負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveに切り換え、トルク指令値T*として出力する。
回転角速度指令値変換部22は、前記トルク指令値T*(Flag1=「0」であれば粘着状態でTnotch *,Flag1=「1」であれば空転・滑走状態で負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_ave)を基本となる回転角速度指令値ω*(単位は[rad/s])に変換する。
回転角速度制御器23は、基本となる回転角速度指令値ω*と、回転角速度検出値ωdetとの回転角速度偏差ωdev1をPI制御等により回転角速度制御を行う。この回転角速度制御器23は、通常のゲインを1とすると、ゲイン調整指令Gre-adhesionで0〜1までゲイン調整することが可能である。回転角速度制御器23の積分器17(図4)は入力と出力に0〜1のゲイン調整指令Gre-adhesionが乗じられる。
ゲイン調整指令変換部26は、ゲイン調整指令Gre-adhesionを出力する。ゲイン調整指令Gre-adhesionのパターンは任意であるが、基本波形としては、空転・滑走状態を検知時に低減して、その後上昇させるような波形とする。例えば、ゲイン調整指令Gre-adhesionは通常(粘着)走行時は「1」とし、Flag1=「1」により空転・滑走状態を検知したときは、一旦「0」に低減し、任意に設定した変化率で徐々に1となるようにし、各輪の回転角速度制御器23のゲイン(比例・積分ゲインKp,Ki)を変化させる。
負荷トルク推定部27は、負荷トルク推定値Tobsを推定する。負荷トルク推定値Tobsを推定する方法としては、例えば、回転角速度検出値ωdetに車輪+モータ回転子の慣性モーメントを乗算して擬似微分し、モータ入力トルク指令値Tmから擬似微分した値を減算する方法が考えられる。
以上が本実施形態1の機能である。上記のように、本実施形態1における各輪独立駆動台車の制御装置によれば、再粘着制御中の基本となる回転角速度指令値ω*は、再粘着制御中のモータ入力トルク指令値Tmを考慮した値となる。すなわち、空転・滑走中は回転角速度指令値変換部22の変換対象となる信号が、負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveとなり、加速度が低減するような回転角速度指令値ω*に補正される。
また、モータ入力卜ルク指令値Tmは、ゲイン調整指令Gre-adhesionに応じたトルクを出力することができるため、空転・滑走検知時は、トルクを引き下げ車輪を再粘着させることが可能となる。
これにより、本実施例形態1によれば、空転・滑走時も従来のように回転角速度制御器23(フィードバック制御)を停止することなく、再粘着を考慮したゲイン調整パターンGre-adhesionで連続的なトルクを与えることができる。また、再粘着制御中は一般的に、回転角速度制御器23のゲインが路面摩擦状態に対して過剰となり、制御系として不安定になりやすい傾向にある。したがって、回転角速度制御系の安定化にも寄与する。
[実施形態2]
図6は、本実施形態2における各輪モータ制御装置を示す構成図である。本実施形態2における各輪モータ制御装置では、実施形態1(図5)と比較してゲイン調整指令変換部26にノッチトルク指令値Tnotch *と負荷トルク推定値Tobsが入力されている点が相違する。
ゲイン調整指令変換部26は、実施形態1のようにノッチトルク指令値Tnotch *と負荷トルク推定値の4輪平均値Tobs_aveとの偏差が閾値以上の時に各輪のゲイン調整指令Gre-adhesionを常に0に落とすのではなく、ノッチトルク指令値Tnotch *と各輪の負荷卜ルク推定値Tobsの割合のa%(0<a<100)となるように、ゲイン調整指令Gre-adhesionをリセットして、任意の変化率で徐々に1となるように引き下げる。例えば、ノッチトルク指令値Tnotch *と負荷トルク推定値Tobsとの偏差が閾値以上の時のゲイン調整指令Gre-adhesionの初期値は、ノッチトルク指令値Tnotch *=100Nm,負荷トルク推定値Tobs=50Nm,a=80%のとき、ゲイン調整指令Gre-adhesion=0.4となる。(すなわち、Tobs/Tnotch *×a%)
本実施形態2によれば、実施形態1の作用効果に加え現在の粘着状態を示す負荷トルク推定値Tobsの状態を活用することにより、不必要に再粘着制御時のモータ入力トルク指令値Tmを絞る必要がなくなり、再粘着制御中のより効率的な加減速走行を実現することが可能となる。
[実施形態3]
空転・滑走検知手段としては、一般に加速度が一定の閾値を超えた場合に空転・滑走状態と検知する手段や、各輪の回転角速度検出値ωFL,ωFR,ωRL,ωRRが車両推定速度から乖離した場合に空転・滑走状態と検知する手段等が知られているが、本実施形態3では負荷トルク推定値Tobsを用いた空転・滑走検知手法を提供する。
図7は、本実施形態3における各輪モータ制御装置を示す構成図である。本実施形態3では、実施形態2(図6)に対してトルク差検知部24と再粘着制御トルクパターン生成部25とが追加されている。
本実施形態3では、まず、空転時指令値生成部28により、ノッチトルク指令値Tnotch *と負荷トルク推定値の4輪平均値Tobs_aveとの偏差が所定の閾値以上であった場合に空転・滑走状態を検知して再粘着アルゴリズム処理中であることを示すフラグFlag1を立てる。
実施形態1や実施形態2で提案した再粘着制御方式は、トルクを上昇させて最も駆動力が稼げる最大摩擦係数付近での動作を目指すが、最大摩擦係数を超えたすべり領域でトルクを上昇させ続けると、再び滑りが大きくなって空転・滑走状態が再発する。
したがって、本実施形態3では、トルク差検知部24により、再粘着制御中、再粘着制御によって出力される最終的なモータ入力トルク指令値Tm(含モータ遅れ+検知遅れ)と負荷トルク推定値Tobsとを常に比較して、これらが乖離した(偏差が閾値以上となった)場合「再粘着制御中の空転・滑走状態」であると再検知し、Flag3=「1」とする。
再粘着制御トルクパターン生成部25は、ノッチトルク指令Tnotch *を目標値として、Flag3=「1」が入力された際には、トルクを絞る再粘着制御トルクパターンTre-adhesionを生成する。
再粘着制御トルクパターンTre-adhesionを算出する方法としては、例えば、空転・滑走を検知した際(Flag1=「1」)負荷トルク推定値Tobsのうち絶対値の最小値(滑走時には最大値)を次回の空転・滑走検知時までラッチし、このラッチした負荷トルク推定値Tobsに補正定数a(a=0〜1)を乗算する方法等が挙げられる。
ゲイン調整指令生成部26は、再粘着制御トルクパターンTre-adhesionがノッチトルク指令Tnotch *の何%になるのかを演算し、この値のa%(0<a<100)をゲイン調整指令Gre-adhesionとする。すなわち、ゲイン調整指令Gre-adhesion=Tre-adhesion/Tnotch *×aとする。ただし、粘着状態ではゲイン調整指令値Gre-adhesionを1としなければならないため、粘着状態であるか空転・滑走状態であるかをFlag1を参考に切り換える。すなわち、Flag1=「1」のときGre-adhesion=Tre-adhesion/Tnotch *、Flag1=「0」のときGre-adhesion=1とする。
また、ゲイン調整指令生成部26は、Flag3=「1」となった場合、ゲイン調整指令値Gre-adhesionを、再粘着制御トルクパターンTre-adhesionとノッチトルク指令値Tnotch *の割合のa%(0<a<100)となるように再リセットするようにしても良い(Tre-adhesion/Tnotch *×a%)。
すなわち、本実施形態3では、実施形態1,2のように常にモータ入力トルク指令値Tmを最も駆動力が稼げる最大摩擦係数付近で動作させるのではなく、再粘着制御中におけるモータ入力トルク指令値Tmと負荷トルク推定値Tobsとの偏差が閾値以上の場合は再粘着制御中の空転・滑走状態であると判断し、ゲイン調整指令Gre-adhesionを再粘着制御トルクパターンTre-adhesionとするか再リセットし、再び空転・滑走状態となることを抑制している。
以上示したように、本実施形態3における各輪独立駆動台車の制御装置によれば、実施形態1,2の作用効果に加え、路面摩擦状況を反映した負荷トルク推定値Tobsに基づいて、再粘着処理中の効率的な車両加減速制御を実現することが可能となる。
[実施形態4]
空転・滑走再粘着制御中は、ノッチトルク指令値Tnotch *相当の加減速が得られないため、回転角速度指令値変換部11に入力されるトルク指令T*も、そのときに発生し得るトルク(駆動力)を反映したものにしなければならない。もし、トルク指令T*としてノッチトルク指令値Tnotch *をそのまま入力し続けると、基本となる回転角速度指令値ω*のみが過度に上昇し、後段の回転角速度制御器23の偏差入力が拡大し続けて、制御系が不安定に陥る。
再粘着制御中、回転角速度指令値変換部22の積分器の出力値を回転角速度検出平均値に常に一致させるような処理を施して、上述のような回転角速度制御器23における偏差入力の拡大現象が発生しないようにする手法も考えられる。ただし、この手法は、後段の回転角速度制御器23を機能させずに再粘着制御トルクパターン処理に切り換える方式にのみ適用できるものであって、本願発明のように回転角速度制御器23を常に機能させる方式には適用できない。仮に適用すると、回転角速度制御器23における偏差入力が常に0となった状態で回転角速度制御を行う ことになるため、車両速度の加減速制御が不可能となる。
そこで本実施形態4では、回転角速度指令値変換部22において、再粘着制御処理中はノッチトルク指令値Tnotch *を入力する代わりに、最終的なモータ入力トルク指令値(再粘着制御が反映されたモータ入力トルク指令値)Tmの4輪平均値Tm_aveをフィードバックする。ここで、単純に各輪のモータ入力トルク指令値Tmの4輪平均値Tm_aveをフィードバックすると、加減速に寄与するトルクがループ内で打ち消されて加減速できない現象が発生する。
したがって、各輪のモータ入力トルク指令値Tmの4輪平均値Tm_aveに、所望する任意のトルクを上乗せして加減速できるようにする。上乗せするトルク生成手段は任意であるが、例えば負荷トルク推定値Tobsのb%(0<b<100)を上乗せする方法等が考えられる。
本実施形態4では、図8に示すように、ゲイン調整指令判定部29により、ゲイン調整指令Gre-adhesionが1であるか否かを判定し、ゲイン調整指令Gre-adhesionが1でない場合は、空転・滑走状態であるとしてFlag2=「1」を出力する。
空転時指令値生成部28は、ノッチトルク指令Tnotch *と負荷トルク推定値Tobsの偏差が閾値以上である場合には、空転・滑走状態であるとしてFlag1=「1」を指令トルク選択部21に出力する。また、Flag2=「0」(粘着状態)であるときは、モータ入力トルク指令値Tmの4輪平均値Tm_aveに負荷トルク推定値Tobsのb%を上乗せした値をTm_ave´として指令トルク選択部21に出力する。一方、Flag2=「1」(空転・滑走状態)の場合は、モータ入力トルク指令値Tmの4輪平均値Tm_aveをそのままTm_ave´として指令トルク選択部21に出力する。その他の構成は実施形態3と同様である。
本実施形態4における各輪独立駆動台車の制御装置によれば、実施形態3の作用効果に加え、回転角速度制御器23の動作を停止あるいは不安定にさせることなく、再粘着制御中の加減速制御を実現することが可能となる。
[実施形態5]
実施形態4では、最終的な各輪のモータ入力トルク指令値Tmの4輪平均値Tm_aveをフィードバックして基本となる回転角速度指令値ω*を生成していたが、本実施形態5では、各輪の負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveをフィードバックする。また、実施形態4と同様の手段で加減速に寄与するトルク(Tobs×b)を上乗せする。本実施形態5によれば、モータ入力トルク指令値Tmに比べて負荷トルク推定値Tobsは実際の路面摩擦状況をより精度良く反映しているため、再粘着制御中の加減速の精度を向上させることが可能となる。
ここで、本実施形態5における処理ステップを図10のフローチャートに基づいて説明する。
S1:空転時指令値生成部28は、ノッチトルク指令値Tnotch *と負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveの偏差が閾値以上か否かを判定する。閾値よりも小さければNO(非空転)としてS10へ移行し、閾値以上であればYES(空転)としてS2へ移行する。(Flag1)
S2:指令トルク選択部21により、指令トルクT*をノッチトルク指令Tnotch *からTobs_ave´に切り換える。
S3:トルク差検知部24により、モータ入力トルク指令値(モータ遅れを含む)Tmと負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveとの偏差が閾値以上か否かを判定し、閾値よりも小さければNOとしてS4へ移行し、閾値以上であればYESとしてS5へ移行する。
S4:ゲイン調整指令生成部26は、ゲイン調整指令Gre-adhesionを1のままとする。
S5:再粘着制御トルクパターン生成部25は、Flag3=「1」の間の負荷トルク推定値Tobsをラッチし、そのラッチした値を参考にした再粘着制御トルクパターンTre-adhesionを出力する。
S6:ゲイン調整指令変換部26は、再粘着制御トルクパターンTre-adhesionがノッチトルク指令Tnotch *の何パーセントになるのかを演算し、その値のa%をゲイン調整指令Gre-adhesionとして出力し、回転角速度制御器23の制御ゲインを調整する(Iは入出力に乗じて、積分器はリセットしない)。
S7:ゲイン調整指令判定部29により、ゲイン調整指令Gre-adhesionが1か否かを判定する(Flag2)。ゲイン調整指令Gre-adhesion=1のときFlag2=「0」としてS8へ移行し、ゲイン調整指令Gre-adhesion≠1のときFlag2=「1」としてS9へ移行する。
S8:空転時指令生成部28により、負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_ave+トルク上げパターン(Tobs×b)をTobs_ave´として、指令トルク選択部21へ出力する。
S9:空転時指令生成部28により、負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveをTobs_ave´として指令トルク選択21へ出力する。
S10:指令トルク選択部21は、S1でFlag1=「0」(粘着状態)と判定された場合、ノッチトルク指令値Tnotch *を、回転角速度指令変換部22へ入力する。
すなわち、本実施形態5では、ノッチトルク指令値Tnotch *と負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveの偏差が閾値以上か否かで空転or非空転を判別していることとなる(S1:Flag1)。
その後、空転時の処理でモータ入力トルク指令値Tmと負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveの偏差が閾値以上か否かにより、さらに空転or非空転を判別している(S3:Flag3)。
1回目の判定(S1)は、ノッチトルク指令(運転手の指令)Tnotch *での加速ができるか否かを判定し、2回目の判定(S3)は再粘着制御トルクパターンTre-adhesionを上げられるか否かの判定に用いている。
次に、シミュレーション結果について図12〜図15に基づいて説明する。
図11に示すように、条件1,2では両レールの路面摩擦係数が降下しており、条件3,4では右レールのみ路面摩擦係数が降下し、左レールは路面摩擦係数が一定である。また、条件2,4では、路面摩擦係数が降下後一定時間経過後に復帰している。なお、条件1〜4ともに、ノッチトルク指令値Tnotch *=212[N/m]とする。
図12,図13(条件1,2)は左右両車輪が空転する場合を示す 。どちらの結果も、すべり率を5%付近で抑制することができている。その際に、モータ入力トルク指令値Tmが振動的になっているのは、ゲイン調整によるものではなく、回転角速度制御器23におけるPI制御器(特に比例項の影響)での出力トルクによるものである。この時のゲイン調整指令Gre-adhesionは0%にすることなく、10%〜100%の間でゲイン調整を繰り返す。
図13では、一定時間経過後に路面摩擦係数が復帰するが、問題なくトルクの復帰(ノッチトルク指令Tnotch *への切り換え)が可能であった。図13の結果は25秒付近でモータ入力トルク指令値Tmが上昇できなくなっているが、これはトルクリミッタの影響である。
次に、図14と図15に基づき、右レールの摩擦係数だけ低下する場合(条件3,4)について説明する。シミュレーション結果では左右両輪ともすべり率を5%付近で抑制することが可能となっている。そのときのゲイン調整指令Gre-adhesionは50%以上絞ることなく制御可能であった。路面摩擦係数が十分大きい左輪のモータ入力トルク指令値Tmの挙動が若干不安定ではあるが、これは再粘着制御トルクパターンTre-adhesionの選択がノッチトルク指令値Tnotch *への復帰を優先し、負荷トルク推定値Tobsの保持時間が短く、復帰のトルク傾きを大きくしたためと考えられる。
ちなみに右レール摩擦係数がずっと小さいままである図14の条件では車両はノッチトルク指令値Tnotch *に近い加速ができるため、25秒付近からトルクリミッタにかかり30〜40秒ではトルクが低下している。
なお、空転検知の閾値は固定としてシミュレーションを行ったが、実際には回転角速度とノッチトルク指令値Tnotch *で変化する閾値とする必要がある。
以上示したように、実施形態1〜5の鉄道車両における各輪独立駆動台車においては、4輪ないし複数輪の回転角速度・トルクを協調制御している際に、路面や運転状況によって発生する可能性がある空転・滑走現象を効果的に抑制し、レール/車輪の摩耗,車両の駆動/制動力低下を防止して、安定かつ円滑な走行が可能となる。
1…各輪モータ制御装置
2a〜2d…各輪の駆動装置
Ma〜Md…モータ
3a〜3d…回転角速度検出器
11,22…回転角速度指令値変換部
12…回転角速度指令値補正部
12a〜12d…2次元テーブル
13,13a〜13d,23…回転角速度制御器
14…制御ゲイン調整部
21…指令トルク選択部
24…トルク差検知部
25…再粘着制御トルクパターン生成部
26…ゲイン調整指令変換部
27…負荷トルク推定部
28…空転時指令値生成部

Claims (6)

  1. 各車輪をそれぞれ独立して駆動制御する各輪独立駆動台車の制御装置であって、
    ノッチトルク指令値と負荷トルク指令値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値よりも小さい時はノッチトルク指令値を選択し、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時にはモータ入力トルク指令値に基づくトルク値を選択し、トルク指令として出力する指令トルク選択部と、
    トルク指令から車両内における車輪の回転角速度指令値を算出する回転角速度指令値変換部と、
    車輪の回転角速度指令値と回転角速度検出値との偏差に基づき、回転角速度制御を行う回転角速度制御器と、
    ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に、回転角速度制御器のゲインを引き下げるゲイン調整指令変換部と、を備えたことを特徴とする各輪独立駆動台車の制御装置。
  2. 前記ゲイン調整指令変換部は、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時にゲインを一旦0にリセットし、その後、任意の変化率で除々に1となるまで引き上げていくことを特徴とする請求項1記載の各輪独立駆動台車の制御装置。
  3. 前記ゲイン調整指令変換部は、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に、負荷トルク推定値をノッチトルク指令値で除算した値のa%(1<a<100)を初期値として前記ゲインをリセットし、その後、任意の変化率で除々に1となるまで引き上げることを特徴とする請求項1記載の各輪独立駆動台車の制御装置。
  4. ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に、モータ入力トルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値の偏差が予め設定された閾値以上か否かを判定するトルク差検知部と、
    前記モータ入力トルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の場合、トルクを引き下げ車輪を再粘着させるための再粘着制御トルクパターンを生成する再粘着制御トルクパターン生成部と、を備え、
    前記ゲイン調整指令変換部は、再粘着制御トルクパターンをノッチトルク指令値で除算した値のa%(1<a<100)を、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時における前記ゲインとすることを特徴とする請求項1記載の各輪独立駆動台車の制御装置。
  5. 前記指令トルク選択部において、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に選択されるトルク指令を、モータ入力トルク指令値の台車枠内における車輪の平均値に対して負荷トルク推定値のb%(1<b<100)を上乗せした値とすることを特徴とする請求項1〜4記載の各輪独立駆動台車の制御装置。
  6. 前記指令トルク選択部において、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に選択されるトルク指令を、負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値に対して負荷トルク推定値のb%(1<b<100)を上乗せした値とすることを特徴とする請求項1〜4記載の各輪独立駆動台車の制御装置。
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