JP6003757B2 - 各輪独立駆動台車の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪(4輪ないし複数輪)の各輪が独立して回転する各輪独立駆動台車に係り、特に、車輪が空転状態,滑走状態であることを検知した場合における空転・滑走再粘着制御および各輪協調制御に関する。
従来の鉄道車両駆動用台車は左右の車輪が軸で結合されており、1つの電動機により左右車輪を一括して駆動する構成を採るのが一般的であった。この構成では左右の車輪回転角速度が一致するが、曲線通過時はレール長の差により曲線の内側と外側で進行距離が異なる。このレール長の差の影響を吸収するために、レールと接触する車輪踏面に勾配を付けて、接触位置における車輪回転半径が曲線内側で小さく、曲線外側で大きくなるようにしている。
しかしながら、急曲線になると上記の踏面勾配のみではレール長の差を吸収できずに、車輪のフランジ接触やレールとのすべりを引き起こす。その結果、振動,騒音,レール・車輪の磨耗を増大させる。
それに対し、左右車輪間の結合軸をなくして各輪に電動機を設置し、それぞれ独立に回転駆動させることが可能な各輪独立駆動台車の構成が検討されている。この各輪独立駆動台車は、左右車輪回転角速度を個別の電動機で任意に制御できるため、曲線通過時の走行性能向上とともに、結合軸をなくすことによる低床化・省スペース化が期待できる。
一方で、各輪の電動機を協調して制御しなければスムースな走行ができない恐れもあり、その制御手法が重要な課題となる。特許文献1および特許文献2では、各輪の回転角速度を検出し、前輪左右と後輪左右のそれぞれで左右の回転角速度差を求め、左右の回転角速度差が任意の値となるように制御する方式を提案している。例えば、直線通過時は左右の回転角速度差がゼロとなるように制御することで、従来の結合軸がある構成と同様に左右の回転角速度を一致させ、直線走行時の安定性を向上させている。
また、曲線通過時は曲線半径に応じて任意の左右回転角速度差を持つように角速度制御を行い、その結果生じる補正卜ルクを駆動トルクに加算・減算して円滑な走行を可能としている。
また、空転・滑走再粘着制御については、従来の台車構成において数多くの方法が提案されている(特許文献3,4参照)。
図13は、各輪協調制御を行うための各輪モータ制御装置の一例を示す構成図である。各輪モータ制御装置は、回転角速度指令値変換部11において運転手の操作から得られるノッチトルク指令値Tnotchに基づき基本となる回転角速度指令値ω*に変換する。さらに、回転角速度指令値補正部12において、その基本となる回転角速度指令値ω*を、曲線半径Rに基づき各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *に変換する。そして、回転角速度制御器13a〜13dにおいて、各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *と各輪の回転角速度検出値ωFL,ωFR,ωRL,ωRRとの偏差により回転角速度フィードバック制御を行い、モータ入力トルク指令値TFL *,TFR *,TRL *,TRR *を算出している。
回転角速度指令値補正部12では、両レール軌間中心基準の曲線半径R(左カーブを正とする)に応じて基本となる回転角速度指令値ω*を各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *ωRL *,ωRR *に補正する。車輪踏面とレールの接触位置における車輪回転半径Rのリアルタイム計測は困難なため、ここではノミナル値(車輪が左右中立位置にある場合の回転半径)を使用している。図14は、レール,軌間,曲線半径Rを定義したものである。曲線通過時は、内側レールと外側レールでレール長の差が生じるため、下記(1)式に基づいて各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *に補正する。
Figure 0006003757
前記(1)式は、図14の曲線半径Rと軌間距離2bの情報から内側と外側のレールの進行距離の差を求めて、各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *を導いたものである。
各輪の回転角速度制御器13a〜13dでは、前記(1)式より求めた各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *と回転角速度検出値ωFL,ωFR,ωRL,ωRRの偏差を取り、PID制御等による一般的なフィードバック制御を行う。これにより、回転角速度が所望の値となるトルク指令値TFL *,TFR *,TRL *,TRR *が生成される。
なお、回転角速度制御器13a〜13dのPID制御ゲインは、車両走行の安定性と性能改善のために、車両状態(車両速度や曲線半径情報R)に応じて、ゲインスケジューリングされるのが一般的である。
以上、「特許文献1:請求項3」と同等の基本的な機能について説明した。上記のように曲線等の路面状況に応じて各輪のモータを協調制御することで円滑な走行を目指 している。
特開平08−242506号公報 特開平09−233613号公報 特開1999−252716号公報 特開平07−215229号公報
しかしながら、上記特許文献1には空転・滑走再粘着方法が記載されておらず、この各輪独立駆動台車特有の課題となる空転・滑走現象の対応策が検討されていない。 例えば、特許文献3のような従来の空転滑走再粘着制御方法を、単純に図13に示すような回転角速度制御系に適用すると、ノッチトルク指令値Tnotchから基本となる回転角速度指令値ω*に変換する積分器のリセット処理を適切に行わなければならない課題がある。また、特許文献3の方式は各輪独立駆動台車への適用は考慮されていない。
さらに、空転・滑走検出期間中は回転角速度制御を停止し、任意の再粘着制御トルクパターンに切り替えて再粘着制御を実行し、空転滑走再粘着が完了すると、再び回転角速度制御に切り替えて回転角速度を制御する方法が考えられる。しかし、この制御方法の場合、回転角速度制御を一旦停止する必要がある。
本発明は、上記のような制御方式の切り換え(回転角速度制御の停止)を行うことなく、連続的に再粘着制御を行う手法を提供し、より効率的な(所定レベル以下に車輪のすべり率を抑制しつつ、可能な限りトルクを与えて効率よく車両を加速/減速する)再粘着制御を実現することを課題とする。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、各車輪をそれぞれ独立して制御する各輪独立駆動台車の制御装置であって、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値よりも小さい時はノッチトルク指令を選択し、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時には負荷トルク推定値に基づいて算出されたトルク値を選択し、トルク指令として出力する指令トルク選択部と、トルク指令から車両内における車輪の回転角速度指令値を算出する回転角速度指令値変換部と、車輪の回転角速度指令値と回転角速度検出値との偏差に基づき、回転角速度制御を行う回転角速度制御器と、台車内の全ての車輪において、負荷トルク推定値とノッチトルク指令値との偏差が予め設定された閾値よりも大きい場合、回転角速度制御器のゲインを引き下げるゲイン調整指令を出力するゲイン調整指令生成部と、を備えたことを特徴とする。
また、前記ゲイン調整指令生成部は、負荷トルク推定値をノッチトルク指令値で除算した値のa%(0<a<100)をゲイン調整指令値として出力しても良い。
さらに、前記指令トルク選択部において、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に選択されるトルク指令を、負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値に対して負荷トルク推定値のb%(1<b<100)を上乗せした値としても良い。
本発明によれば、制御方式の切り換えを行うことなく、連続的に再粘着制御を行う手法を適用し、より効率的な(所定レベル以下に車輪のすべり率を抑制しつつ、可能な限りトルクを与えて効率よく車両を加速/減速する)再粘着制御方法を実現することが可能となる。
本願発明における各輪独立駆動台車の制御装置を示す基本構成図である。 本願発明における各輪モータ制御装置を示す基本構成図である。 本願発明における回転角速度指令値補正部を示す基本構成図である。 本願発明における回転角速度制御器を示す基本構成図である。 実施形態における各輪モータ制御装置を示す構成図である。 実施形態における回転角速度制御器を示す構成図である。 実施形態における空転時トルク指令生成部を示す構成図である。 実施形態におけるゲイン調整指令部を示す構成図である。 条件1のシミュレーション結果を示すグラフである。 条件2のシミュレーション結果を示すグラフである。 条件3のシミュレーション結果を示すグラフである。 条件4のシミュレーション結果を示すグラフである。 従来における各輪モータ制御装置を示す構成図である。 レール,軌間,曲線半径Rを定義した図である。
[基本構成]
まず、本発明における各輪独立駆動台車の制御装置の基本形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明における各輪独立駆動台車の制御装置は、各輪モータ制御装置1と、各車輪の駆動装置2a〜2dと、を備える。
運転手の操作から得られるノッチトルク指令Tnotchに基づいて、各輪モータ制御装置1で基本となる(車両内における車輪の)回転角速度指令値に変換し、各駆動装置2a〜2dにモータ入力トルク指令値TFL *,TFR *,TRL *,TRR *を送信する。各駆動装置2a〜2dでは、例えばインバータ装置を用いてベクトル制御などを行い、所望のトルクが得られるように各モータMa〜Mdを制御する。また、各モータMa〜Mdに設置した回転角速度検出器3a〜3dにより検出される回転角速度検出値ωFL,ωFR,ωRL,ωRRは、各輪モータ制御装置1に送信する。
次に、各輪モータ制御装置1を図2に基づいて説明する。図2に示すように、各輪モータ制御装置1は、回転角速度指令値変換部11と、回転角速度指令値補正部12と、回転角速度制御器13a〜13dと、制御ゲイン調整部14と、を備える。
回転角速度指令値補正部11は、運転手の操作から得られるノッチトルク指令値Tnotchから基本となる(車両内における車輪の)回転角速度指令値ω*に変換する。
回転角速度指令値変換部11における変換には、例えば下記(2)式を用いる。なお、下記(2)式は車軸取付の場合の回転角速度指令値ω*を示しているが、モータ取付の場合はギア比を適宜換算すればよい。
Figure 0006003757
回転角速度指令値補正部12は、曲線半径Rおよび基本となる回転角速度指令値ω*に応じて各輪の回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *に補正する。例えば、図3に示すように、回転角速度指令値補正部12は、レールの曲線半径Rと基本となる回転角速度指令値ω*を入力とする2次元テーブル12a〜12dを構成する。前記2次元テーブル12a〜12dのテーブルデータはシミュレーション等から予め補正値を決定し用意しておく。補正値の決定に際しては、レール・車輪間の横圧が低減できるような補正値を適用し、円滑な曲線走行を実現する。
回転角速度制御器13a〜13dには、一般的なPID制御器などのフィードバック制御器を用いる。ここでは、一例として図4に示すようなPI制御器を適用する。図4に示すように回転角速度制御器13a〜13dは、それぞれ比例部15と、積分ゲイン部16と、積分器17と、を備える。
回転角速度制御器13a〜13dは、回転角速度指令値ωFL *,ωFR *,ωRL *,ωRR *と回転角速度検出値ωFL,ωFR,ωRL,ωRRとの偏差を入力し、比例部15,積分ゲイン部16においてその偏差にPゲイン(比例ゲイン)Kp,Iゲイン(積分ゲイン)Kiをそれぞれ乗算する。そしてIゲインKiを乗算した値を積分器17において積分し、PゲインKpを乗算した値と加算する。
制御ゲイン調整部14では、回転角速度制御器13a〜13dの制御パラメータに対して基本となる回転角速度指令値ω*および曲線半径Rに応じて適宜調整するゲインスケジューリングを行う。図4に示すPI制御器の例では、Pゲイン(比例ゲイン)KpとIゲイン(積分ゲイン)Kiをスケジューリングする。スケジューリングテーブルは、図3と同様にシミュレーション等の結果からテーブルで予め用意しておけばよい。
これにより、走行制御の安定化と制御性能の向上を実現する。 以上、基本的な機能について説明した。本発明は、上記基本機能に対して空転・滑走再粘着制御機能を付加したものである。
[実施形態]
図5は、本実施形態における各輪独立駆動台車の制御装置を示す構成図である。なお、本実施形態(図5)では、図2に示す回転角速度指令値補正部12を省略して記載するが実際には行われているものとする。また、回転角速度制御器23の出力Tmは、図2に示すモータ入力トルク指令値TFL *,TFR *,TRL *,TRR *を示すものとする。
また、本実施形態における各輪モータ制御装置は、ノッチトルクリミッタ21と、指令トルク選択部22と、回転角速度指令値生成部23と、減算器24と、回転角速度制御器(PI制御器)25と、モータ入力トルクリミッタ26と、空転時トルク指令生成部27と、負荷トルク推定部28と、ゲイン調整指令生成部29と、重畳指令生成部30と、を備える。
ノッチトルクリミッタ21はノッチトルク指令Tnotchと回転角速度検出器ωdetを入力し、回転角速度検出値ωdetが所定の閾値を越えた場合、ノッチトルク指令Tnotchに対し出力制限と傾き制限を行い、ノッチトルク指令Tnotch *として出力する。
指令トルク選択部22は、ノッチトルク指令Tnotch *と、後述する空転時トルク指令生成部27で生成された空転・滑走時のトルク指令Ts *と、を入力し、指令値切換フラグFlag1=「0」の場合ノッチトルク指令Tnotch *を、指令値切換フラグFlag1=「1」の場合、空転・滑走時のトルク指令Ts *を、トルク指令T*として出力する。
回転角速度指令値生成部23はトルク指令T*を入力し、下記(3)式により、回転角速度指令値ωref *に変換する。
Figure 0006003757
減算器24は回転角速度指令値ωref *と回転角速度検出値ωdetを入力し、その回転角速度偏差ωdevを算出する。
回転角速度制御器25は、回転角速度偏差ωdevを入力し、PI制御等により回転角速度制御を行い、PI制御器出力トルクTmを出力する。回転角速度制御器(PID制御器)25の構成の一例を図6に示す。
回転角速度制御器25は、比例部15,積分ゲイン部16において回転角速度偏差ωdevに比例ゲインKp,積分ゲインKiをそれぞれ乗算する。そして、積分ゲインKiを乗算した値を積分器17において積分し、比例ゲインKpを乗算した値と足し合わせ、PI制御出力トルクTmとして出力する。また、モータ入力トルクリミッタ26から出力されたリミッタ飽和フラグsatで積分器の入力を0とすることが可能であり、さらに、ゲイン調整指令Gre-adhesionをP(比例)I(積分)ゲインに乗じることができる構成となっている。なお、積分器17に対しては入出力の両方に対してゲイン調整をかける構成としている。ゲイン調整指令Gre-adhesionは0〜100%の値としているため、ゲイン調整指令Gre-adhesionにより、基本のPIゲインよりハイゲインとなることは無い。
モータ入力トルクリミッタ26は、PI制御器出力トルクTmに対して出力制限を行う。 PI制御出力トルクTmがトルクリミッタにかかった場合にはトルクを制限し、その値をモータ入力トルク指令T*として出力する。また、飽和した(PI制御器出力トルクTmがトルクリミッタにかかった)場合にはリミッタ飽和フラグsatを立てる。
負荷トルク推定部28は、モータ入力トルク指令値TFL *(または、TFR *,TRL *,TRR *)と回転角速度検出値ωFL(または、ωFR,ωRL,ωRR)から算出した負荷トルク推定値Tobsを推定する。負荷トルク推定値Tobsを推定する方法としては、例えば、回転角速度検出値ωdetに車輪+モータ回転子の慣性モーメントを乗算して擬似微分し、モータ入力トルク指令値Tmから擬似微分した値を減算する方法が考えられる。
空転時トルク指令生成部27は、図7に示すように、平均値算出部31,32と、偏差判定部33,35と、フラグ判定部34,36と、を備え、ノッチトルク指令Tnotch *と負荷トルク推定値Tobsと加減速トルク重畳指令Tre-adhesionとから、指令値切換フラグFlag1,ゲイン切換フラグFlag2と、空転・滑走時のトルク指令Ts *を算出して出力する。
まず、平均値算出部31は負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveを算出し、平均値算出部32は加減速トルク重畳指令Tre-adhesionの4輪平均値を算出する。そして、平均値算出部31,32の出力を加算し、空転時のトルク指令Ts *として出力する。
また、別に、偏差判定部33により、ノッチトルク指令Tnotch *と負荷トルク推定値Tobsの4輪平均Tobs_aveとの偏差と、予め設定された閾値と、を比較し、前記偏差が閾値よりも大きい場合、フラグ判定部34により指令値切換フラグFlag1=「1」を出力する。
すなわち、前記空転・滑走検知のフラグは、実際に車輪が空転・滑走したときにしか出力されないフラグであるが、指令値切換フラグFlag1は、空転・滑走検知のフラグが立ち上がってから任意の時間t保持するフラグであるため、実際には、車輪の空転・滑走が収まっていても指令値切換フラグFlag1=「1」として出力される場合がある。
さらに、偏差判定部35により、ノッチトルク指令Tnotch *と負荷トルク推定値Tobsとの偏差と、予め設定された閾値と、を4輪それぞれにおいて比較し、全ての車輪において前記偏差が閾値よりも大きい場合、フラグ判定部36によりゲイン切換フラグFlag2=「1」を出力し、1輪でも偏差が閾値よりも小さい場合はゲイン切換フラグFlag2=「0」を出力する。ゲイン切換フラグFlag2はゲイン調整指令Gre-adhesionの切り換えに用いる。
すなわち、ノッチトルク指令Tnotch *と各輪負荷トルク推定値Tobsの4輪平均Tobs_aveとの偏差が、予め設定された閾値以上であるときは、空転・滑走状態(再粘着制御中)として指令値切換フラグFlag1=「1」を出力し、回転角速度指令値生成部23に入力されるトルク指令値T*を、ノッチトルク指令値Tnotch *から空転時のトルク指令値Ts *に切り換えて基本となる回転角速度指令値ω*を生成する。このとき、空転時のトルク指令値Ts * は負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveに対し、加減速するための加減速トルク重畳指令Tre-adhesionの4輪平均値を上乗せする 。これにより、再粘着制御中は路面摩擦状況を反映 した回転角速度指令値ω*にすることができる。すなわち、空転・滑走中、負荷トルク推定値Tobsは減少するため、加速度が低減するような回転角速度指令値ω*に補正される。
重畳指令生成部30は、空転・滑走時のトルク指令TS *算出時に負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveに対して重畳するための加減速トルク重畳指令Tre-adhesionを出力する。加減速トルク重畳指令Tre-adhesionは、例えば、負荷トルク推定値Tobsの任意の割合(b%)とする。これは、空転時に負荷トルク推定値Tobsの4輪平均値Tobs_aveをトルク指令T*とすると加減速に寄与するトルクがループ内で打ち消されて車両速度(車体全体を代表する並進速度の推定値)は低下する方向にしか進まないためである。ただし、加減速トルク重畳指令Tre-adhesionに上限と下限を定めることとする。
ゲイン調整指令部29の構成を図8に示す。
再粘着制御中は路面の摩擦係数が低下しているため、回転角速度制御部25のゲインが過剰となり、制御が不安定になりやすい傾向にある。
そこで、ゲイン調整指令部29では、基本的には除算部41により、負荷トルク推定値Tobsをノッチトルク指令Tnotch *で除算した値のa%(すなわち、Tobs/Tnotch *×a)を出力する。ただし、非空転・非滑走状態でゲイン調整が行われるのを防ぐために、切換器42により、ゲイン切換フラグFlag2=「0」の場合にはゲイン調整指令Gre-adhesion=1を出力するように切り換えている。すなわち、ゲイン調整指令部29は、空転・滑走時にゲイン調整指令Gre-adhesion=Tobs/Tnotch *×a%を出力する。例えば、ノッチトルク指令Tnotch *=100Nm,負荷トルク推定値Tobs=50Nm,a=80%のとき、ゲイン調整指令Gre-adhesion=0.4となる。
一方、非空転・非滑走時はゲイン調整指令Gre-adhesion=1を出力する。また出力の急激な変化を防ぐため、出力制限部43と傾き制限部44が設けられている。
条件1〜4におけるシミュレーション結果を図9〜12に示す。図9,10に示す条件1,2の両シミュレーションとも路面摩擦係数の変化は同じ条件とし、初めに路面摩擦係数が0.01に低下し、その後、左レールの路面摩擦係数が0.3に復帰し、右レールの路面摩擦係数が0.02となる。そして一定時問経過後、右レールの路面摩擦係数も0.3へと復帰する。
ノッチトルク指令Tnotchは最大である3.5km/h/s相当の加速度としている。両レールの路面摩擦係数が復帰した後、条件1(図9)では加速を続け車輪回転角速度が80rad/s付近でノッチトルクリミッタ値となり、ノッチトルク指令Tnotch *が絞られる。また、条件2(図10)では車輪回転角速度が50rad/s付近でノッチトルクリミッタ値となり、ノッチトルク指令Tnotch *が絞られるようにしている。
[考察]
路面摩擦係数が変化する範囲では条件1,2とも同様に動作するため、まとめて考察を行う。
(両レールの路面摩擦係数が低下する範囲)
空転・滑走した瞬間はノッチトルク指令Tnotchが最大な上に、路面摩擦係数がステップ状(離散的)に0.01に低下するという条件であるため、すべり率が瞬時的に大きくなるが、その後はゲイン調整指令Gre-adhesionが小さくなることによりモータ入力トルク指令値Tmが絞られ、すべり率の上昇を防ぐことができている。このときに負荷トルク推定値Tobsへの加減速トルク重畳指令Tre-adhesionをわずかではあるが入力している理由は、この値が重畳されていない場合は、加減速に寄与するトルクがループ内で打ち消されて、車両速度が低下し、トルクの復帰ができないからである。
(左レールの路面摩擦係数が復帰する範囲)
左レールの路面摩擦係数が復帰すると、左レールは負荷トルク推定値Tobsがノッチトルク指令値Tnotch *付近まで復帰できるため、ゲイン調整指令Gre-adhesionが100%(すなわち、Gre-adhesion=1)へと復帰する。そのため、左レールの回転角速度指令値ω*と回転角速度検出値ωdetとの偏差ωdev分のトルクをモータ入力トルク指令値Tm *として出力することが可能となる。
この時、右レールはまだ空転・滑走状態であるため、回転角速度指令値ω*と回転角速度検出値ωdetとの偏差ωdev分のトルク相当をモータ入力トルク指令値Tm *として出力することができない。ただ、左レールにおいて右レールで加速できない分のトルクも出力することができるため、モータ入力トルク指令値Tm *の平均値としてはノッチトルク指令Tnotchに近づき指令値切換フラグFlag1は非空転状態である「0」となる。
(路面摩擦係数が復帰後)
左右両レールでノッチトルク指令Tnotchに相当するモータ入力トルク指令Tmを出力できるため、そのモータ入力トルク指令Tmヘと復帰する。ただし、このときに、空転・滑走時において左右の車輪位置のバランスがずれていた場合、モータ入力トルク指令Tm *はその左右ずれを補正するよう働く。
条件1の場合には加速を続けるため左右変位が中央へ復帰していない。これを補正するには最適なPIゲインスケジュールが必要となる。それに対して条件2の場合には復帰できていることがわかる。
以上のように条件1,2では、回転角速度制御器25のゲインをゲイン調整指令Gre-adhesionにより、路面摩擦状況に応じて低減し、制御系を常に安定化できる。
図11(条件3)では、両レールの路面摩擦係数が0.01,0.02,0.3と変化し、ノッチトルク指令Tnotchを3.5km/h/sで入力し続ける。ノッチトルクリミッタは80km/h付近で制限される。
図12(条件4)では、右レールの路面摩擦係数が0.01,0.02,0.3と変化し、左レールの路面摩擦係数が0.3で一定であり、ノッチトルク指令Tnotchを3.5km/h/sで入力し続ける。ノッチトルクリミッタは80km/h付近で制限される。
条件3,4の場合も図11,12に示すように、回転角速度制御器25のゲインを、ゲイン調整指令Gre-adhesionにより路面摩擦状況に応じて低減し、制御系を常に安定化できている。
以上示したように、本実施形態における各輪独立駆動台車の制御装置によれば、空転・滑走状態の判定に負荷トルク推定値Tobsを用いることで制御系が常に安定となる回転角速度制御器25のゲインを維持 しつつ、再粘着制御中の動作においても制御系のモード切り替えやパターン的なトルクを与えることなく連続的に走行できるため、路面摩擦状況を最大限活用した効率の良い加減速走行を実現できる。
その結果、鉄道車両における各輪独立駆動台車において、4輪ないし複数輪の回転角速度・トルクを協調制御している際に、路面や運転状況によって発生する可能性がある空転滑走現象を効果的に抑制し、レール/車輪の摩耗,車両の駆動/制動力低下を防止して、安定かつ円滑な走行を実現することが可能となる。
21…ノッチトルクリミッタ
22…指令トルク選択部
23…回転角速度指令値生成部
25…回転角速度制御器(PI制御器)
26…モータ入力トルクリミッタ
27…空転時トルク指令生成部
28…負荷トルク推定部
29…ゲイン調整指令生成部
30…重畳指令生成部

Claims (3)

  1. 各車輪をそれぞれ独立して制御する各輪独立駆動台車の制御装置であって、
    ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値よりも小さい時はノッチトルク指令を選択し、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時には負荷トルク推定値に基づいて算出されたトルク値を選択し、トルク指令として出力する指令トルク選択部と、
    トルク指令から車両内における車輪の回転角速度指令値を算出する回転角速度指令値変換部と、
    車輪の回転角速度指令値と回転角速度検出値との偏差に基づき、回転角速度制御を行う回転角速度制御器と、
    台車内の全ての車輪において、負荷トルク推定値とノッチトルク指令値との偏差が予め設定された閾値よりも大きい場合、回転角速度制御器のゲインを引き下げるゲイン調整指令を出力するゲイン調整指令生成部と、
    を備えたことを特徴とする各輪独立駆動台車の制御装置。
  2. 前記ゲイン調整指令生成部は、負荷トルク推定値をノッチトルク指令値で除算した値のa%(0<a<100)をゲイン調整指令値として出力することを特徴とする請求項1記載の各輪独立駆動台車の制御装置。
  3. 前記指令トルク選択部において、ノッチトルク指令値と負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値との偏差が閾値以上の時に選択されるトルク指令を、負荷トルク推定値の台車枠内における車輪の平均値に対して負荷トルク推定値のb%(1<b<100)を上乗せした値とすることを特徴とする請求項1または2記載の各輪独立駆動台車の制御装置。
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