JP2014189871A - 金属及び/又は合金の焼結体の製造方法 - Google Patents

金属及び/又は合金の焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】広汎な種類の粘土に適用でき、均一な金属・合金の焼結体を容易に製造できる方法の提供
【解決手段】金属・合金粒子と有機バインダーとを必須成分としてなる可塑性粘土を成型して成型体を得る成型工程;成型体を炭粒子の集合体に埋設した状態で焼成して金属・合金の焼結体を得る焼成工程を含み、金属・合金粒子が遷移金属・亜鉛から選ばれる少なくとも1種を含み、炭粒子が次の試験で90度に曲げられるものである金属・合金の焼結体の製造方法を用いる。試験:粘土(真鍮粒子50g、アルギン酸ナトリウム水溶液8.5g、水5g)から厚さ2mm×2cm×2cmの成型体を調製し、磁性るつぼの約半分の容量の炭粒子を充填し、その上にこの成型体をのせ、さらに炭粒子で満たし、磁性るつぼの蓋をして、950、960又は970℃の電気炉内で30分間焼成して得られた焼成体の角から約8mmまでのコーナー部を平ペンチで挟んで90度に曲げる。
【選択図】図1

Description

本発明は金属及び/又は合金の焼結体の製造方法に関する。
酸素酸化を受けやすい金属や合金の粒子を含む粘土を成型、乾燥、焼成して焼結体を得る場合、空気中で焼成すると、容易に粒子が酸化され、焼結体が得られない。一方、還元雰囲気中(窒素ガス中等)で焼成すると、バインダーの燃焼除去が不十分となるため、空気中での予備焼成を組み合わせる等の方法が採用され、焼成条件が複雑となり、高価な焼成設備も必要であった。
そこで、焼成をより簡単にするため、「銅を含む銅含有金属粉末と銅を含む銅含有酸化物粉末とを含有する粉末成分と、バインダーと、水とを含み、前記粉末成分に含有される酸素量が、4質量%以上8質量%以下の範囲内とされていることを特徴とする焼結体形成用粘土状組成物」を「任意の形状に成形することで成型体とし、この成形体を乾燥させた後に、還元雰囲気又は非酸化雰囲気において焼成を行うことにより、銅焼結体とすることを特徴とする銅焼結体の製造方法」及びこの製造方法において「活性炭中に埋め込んだ状態で焼成を行う」方法(特許文献1)や、「用いた可塑性粘土組成物中の金属粉末が酸化性元素を含む場合や成形体中に酸化性元素を含む合金からなる造形補助物品や金具等が使用されている場合には、還元炎が照射されるように調整することが重要である。このように貴金属粘土自体や造形補助物品、金具等に酸化性元素が含まれている場合も、ガスバーナーの還元炎を用いて数分〜十数分の短時間で成形体を焼結させることができる」方法(特許文献2の0008段落)が知られている。
特開2012−122132号公報(請求項1、18、20等) 特開2000−026903号公報(0008段落等)
特許文献1の方法は、「銅を含む銅含有金属粉末と銅を含む銅含有酸化物粉末とを含有する粉末成分と、バインダーと、水とを含み、前記粉末成分に含有される酸素量が、4質量%以上8質量%以下の範囲内とされている」特殊な粘土しか適用できない方法であるため、適用範囲が著しく狭いという問題がある。
特許文献2の方法は、成形品の大きさが還元炎の中に収まっている必要があるため、成形品の大きさによって還元炎の大きさも大きくする必要があり、エネルギーロスが膨大になるという問題がある他、還元炎の揺らぎ等に起因して、焼結体の焼成度合いにムラが生じやすい{焼成温度のムラによる焼結具合のムラ(未焼結、焼結、融解のそれぞれの箇所が混在)や、酸化炎との接触による金属酸化物の生成}という問題がある。
本発明は、広汎な種類の粘土に適用でき、均一な金属及び/又は合金の焼結体を容易に製造できる方法の提供を目的とする。
本発明の金属及び/又は合金の焼結体の製造方法の特徴は、金属粒子及び/又は合金粒子(M)と有機バインダー(B)とを必須成分としてなる可塑性粘土を成型して成型体を得る成型工程(1);
成型工程(1)で得た成型体を炭粒子の集合体に埋設した状態で焼成して金属及び/又は合金の焼結体を得る焼成工程(2)を含み、
金属粒子及び/又は合金粒子(M)が遷移金属及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
炭粒子が次の融着性試験で90度に曲げられるものである点を要旨とする。
融着性試験: JIS Z8815−1994「ふるい分け試験方法通則」に準拠して得られる粒径が105μm未満である粒子を95重量%以上含む真鍮粒子(重量比:銅70/亜鉛30)50gと、12重量%アルギン酸ナトリウム水溶液8.5gと、イオン交換水5gとを混練して粘土を調製した後、この粘土を厚さ2mmのシート状に延ばし、2cm×2cmの大きさに切り出し、これを110℃×3時間乾燥して成型体を調製してから、30mlの磁性るつぼの約半分の容量の試験用炭粒子を充填し、その上にこの成型体をのせ、さらに試験用炭粒子を充填して磁性るつぼ全体を試験用炭粒子で満たし、磁性るつぼの蓋をして、電気炉内で、300℃×15分間焼成し、さらに焼成温度950、960又は970℃で20分間焼成して得られた真鍮の焼成体の角から約8mmまでのコーナー部を平ペンチで挟んで90度に曲げる操作によって、いずれかの焼成温度で90度まで曲げられるものを「90度に曲げられるもの」とし、いずれの焼成温度でも、焼成体が板状を保っていないものや90度まで曲げられず折れるものは「90度に曲げられるもの」には含まれない。
本発明の金属及び/又は合金の焼結体の製造方法を適用すると、広汎な種類の粘土に適用でき、均一な金属及び/又は合金の焼結体を容易に製造できる。すなわち、本発明の製造方法によると、特殊な粘土を用いなくても、未焼結部分や融解部分、金属酸化物の混在等がなく、金属光沢を有し、成形体に対応する目的の形状を有する焼結体を容易に製造できる。
実施例1で調製した焼結体(1)を撮影した写真である。 実施例1で調製した成形体(1)を撮影した写真である。
「焼結」とは、金属及び/又は合金の一部が融解して結着すること(融着すること)を意味し、「焼成」とは、加熱(焼成)により加熱前の性質と相違するものに変化することを意味する。したがって、「焼成」には、「焼結」、融解(融解後冷却固化したものも含む)、酸化(金属酸化物への酸化)及びこれらの混合を含む意味である。
金属粒子及び/又は合金粒子(M)は、遷移金属及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいれば金属粒子であってもよいし、合金粒子であってもよく、金属や合金の種類に制限はない。これらのうち、本発明の製造方法は酸素酸化を受けやすい金属や合金の粒子に特に好適である。このように好適であるのは、酸素酸化を受けにくい貴金属(白金、金、銀及びこれらの合金等)等は本発明の製造方法を適用しなくても、均一な金属及び/又は合金の焼結体を容易に製造できるためである。酸素酸化を受けやすい金属や合金の粒子のうち、意匠性の観点等から、銅、銅合金{真鍮(銅と亜鉛の合金)、青銅(銅と錫との合金)、白銅(銅とニッケルとの合金)、赤銅(銅と金との合金)}、鉄、鉄合金{鋼(鉄と炭素との合金)、ステンレス鋼(鉄とニッケルとクロムとの合金)、42アロイ(鉄とニッケルとの合金)}、アルミニウム等の粒子が好ましい。
金属粒子及び/又は合金粒子(M)は、2種類以上を混合して用いてもよく、1種類のみでもよいが、金属粒子及び/又は合金粒子の焼結温度(融点に大きく影響される)が大きく相違するもの同士を混合して使用することは避けるべきである。2種類以上の金属粒子及び/又は合金粒子(M)を使用する場合、使用した金属粒子及び/又は合金粒子(M)の種類とは異なる合金からなる焼結体となっても構わない。
有機バインダー(B)としては、金属粒子及び/又は合金粒子の焼結温度未満の温度で、完全分解して、ガス化(水、二酸化炭素、一酸化炭素等)して消失し、金属粒子及び/又は合金粒子と混合して可塑性粘土を構成できるものであれば制限なく使用できるが、引火性、可燃性等の観点から、水溶性有機バインダーが好ましく、さらに好ましくはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、カードラン、寒天、デンプン、ゼラチン、小麦粉、マンノース、ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、ポリエチレングリコール、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びポリアクリル酸、特に好ましくはポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、カードラン、寒天、デンプン、ゼラチン、小麦粉、マンノース、ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースである。
可塑性粘土は、金属粒子及び/又は合金粒子(M)と有機バインダー(B)とを必須成分としてなるが、金属粒子及び/又は合金粒子(M)並びに有機バインダー(B)以外に、溶媒(S)や炭素数2〜8の有機酸又はこの塩、その他の公知の添加剤(特許文献1、2等)等を含有してもよい。
溶媒(S)としては、有機バインダー(B)を溶解できるものであれば制限ないが、引火性、可燃性等の観点から、水が好ましい。
炭素数2〜8の有機酸又はこの塩としては、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、アセチルクエン酸、グルコン酸、酢酸銅、グルコン酸銅及びアスコルビン酸ナトリウム等が挙げられる。
金属粒子及び/又は合金粒子(M)の含有量(重量%)は、金属粒子及び/又は合金粒子(M)並びに有機バインダー(B)の重量に基づいて、90〜99が好ましく、さらに好ましくは92〜98.5、特に好ましくは94〜98である。
有機バインダー(B)の含有量(重量%)は、金属粒子及び/又は合金粒子(M)並びに有機バインダー(B)の重量に基づいて、1〜10が好ましく、さらに好ましくは1.5〜8、特に好ましくは2〜6である。
溶媒(S)を含有する場合、溶媒(S)の含有量(重量%)は、金属粒子及び/又は合金粒子(M)並びに有機バインダー(B)の重量に基づいて、15〜40が好ましく、さらに好ましくは20〜35、特に好ましくは25〜30である。
炭素数2〜8の有機酸又はこの塩を含有する場合、炭素数2〜8の有機酸又はこの塩の含有量(重量%)は、金属粒子及び/又は合金粒子(M)並びに有機バインダー(B)の重量に基づいて、0.02〜2が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1、特に好ましくは0.2〜0.7である。
成型工程(1)は、可塑性粘土を成型して成型体が得られれば、成型方法に制限はなく、通常の可塑成形{手びねり、型おこし、回転成形(ろくろ、機械ろくろ及びローラーマシン等)、押出成形、射出成形、圧延成形及び湿式加圧成形等}が適用できる。
焼成工程(2)で使用する炭粒子は、次の融着性試験で90度に曲げられるものである必要がある。全く同じ可塑性粘土を用いても炭粒子の種類によっては、融着性試験で焼成体が板状を保っていないもの{可塑性粘土を構成する金属粒子及び/又は合金粒子(M)が融解してその表面張力により、融解物の表面がより小さくなるように(より球状に近づくように)集まり、そのまま冷却され不定形の塊となった融解体}や、90度まで曲げられず折れるもの{金属粒子及び/又は合金粒子(M)の一部又は全部が酸化され酸化物に変化し、焼成体の機械的強度が著しく低下するもの}が得られることがある。次の融着性試験で90度に曲げられる炭粒子を用いると、金属光沢を有する目的の形状を有する焼結体(すなわち、成形体に対応する焼結体)が容易に得られる。
炭粒子は、1種類で使用してもよいし、2種以上の炭粒子を使用してもよい。2種以上の炭粒子を使用する場合、予め均一に混合してから使用してもよいし、偏在させたまま使用してもよい。
本発明の製造方法において、炭粒子は焼成工程(2)の後でも減量がほとんど認められず、繰り返し使用することができる。
<融着性試験>
JIS Z8815−1994「ふるい分け試験方法通則」に準拠して得られる粒径が105μm未満である粒子を95重量%以上含む真鍮粒子(重量比:銅70/亜鉛30)50gと、12重量%アルギン酸ナトリウム水溶液8.5gと、イオン交換水5gとを混練して粘土を調製した後、この粘土を厚さ2mmのシート状に延ばし、2cm×2cmの大きさに切り出し、これを110℃×3時間乾燥して成型体を調製してから、30mlの磁性るつぼの約半分の容量の試験用炭粒子を充填し、その上にこの成型体をのせ、さらに試験用炭粒子を充填して磁性るつぼ全体を試験用炭粒子で満たし、磁性るつぼの蓋をして、電気炉内で、300℃×15分間焼成し、さらに焼成温度950、960又は970℃で20分間焼成して得られた真鍮の焼成体の角から約8mmまでのコーナー部を平ペンチで挟んで90度に曲げる操作によって、いずれかの焼成温度で90度まで曲げられるものを「90度に曲げられるもの」とし、いずれの焼成温度でも、焼成体が板状を保っていないものや90度まで曲げられず折れるものは「90度に曲げられるもの」には含まれない。
融着性試験で90度に曲げられる炭粒子としては、備長炭{土佐備長炭(樫)、土佐備長炭(姥目樫)、日向備長炭(樫)}、クマミズキ炭、エンジュ炭、モミジ炭、トネリコ炭、もみがら炭、椿炭及び杉炭からなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子が含まれる。
融着性試験で90度に曲げられれない炭粒子としては、松炭、ミズナラ炭、サルスベリ炭、ヨボウ炭、ネムノキ炭、黒鉛、窯変チップ、活性炭、竹炭、コナラ(ホソ)炭及びマングローブ炭が挙げられる。
本発明者は、どんな特性を持つ炭粒子が本発明の製造方法に適用でき、本発明の目的を達成できるかどうかについて、たとえば、(1)電気抵抗値、(2)亜鉛片の減量率、(3)真鍮片の融解温度及び減量率、(4)真鍮片の融解前後の成分分析、(5)上記の融着性試験における減量率、収縮率及び成分分析との関係を以下の通り鋭意検討した。しかし、これらの物性値からは本発明の目的を達成できる炭粒子であるかどうかを判別できなかった(一定の相関関係を見いだせなかった。)。
(1)電気抵抗値
市販のテスターを用い、プローブ間距離12mmで、炭表面の電気抵抗を測定し、測定値(Ω)を表1に示した。
上記の融着性試験と同様にして得た焼成体について、本発明の効果「特殊な粘土を用いなくても、未焼結部分や融解部分、金属酸化物の混在等がなく、金属光沢を有し、成形体に対応する目的の形状を有する焼結体を容易に製造できる。」を奏するものに「○」を、一方、本発明の効果を奏しないものに「×」を付した。「over」はテスターの測定限界(40MΩ以上)であったことを示す。「M」はメガ(×10)を意味し、「K」はキロ(×10)を意味する。
(2)亜鉛片の減量率
上記融着性試験で粘土から調製した成形体の代わりに、直径10mm×厚さ約3mmの亜鉛片(和光純薬工業株式会社製、試薬特級、99.99%、融点419.47℃)を用い、850℃×30分間焼成し、焼成前後の亜鉛片の重量差から亜鉛片の減量率(%)を次式から算出し、表2に示した。

(減量率)=((W0)−(W1))×100/(W0)}

ただし、W0は焼成前重量、W1は焼成後重量を示す。
上記の融着性試験と同様にして得た焼成体について、本発明の効果を奏するものに「○」を、一方、本発明の効果を奏しないものに「×」を付した。「−」は未測定であることを示す。
(3)真鍮片の融解温度及び減量率
上記融着性試験で粘土から調製した成形体の代わりに、2cm×2cm×1mm厚の真鍮片(銅60重量%/亜鉛40重量%、融点約900℃)を用い、890、900、910、920、930、940、950又は960℃×20分間焼成し、真鍮片の融解具合を目視判断して、形状が変化しない(融解していない)最高温度(以下、最高温度と略する。)と、融解してほぼ球状になった最低温度(以下、最低温度と略する。)とを表3に示した。なお、温度範囲(950〜960℃)を記載しているのは、真鍮片の表面のみ融解しているが、形状に大きな変化がなかったことを示す。最高温度と最低温度との差が20℃ある炭粒子{松炭、ヨボウ炭、活性炭、コナラ(ホソ)炭、マングローブ炭}について、その間の温度{最高温度+10℃又は最低温度−10℃}において、真鍮片の表面のみ融解しているが、形状に大きな変化がなかった。
各温度における焼成前後の真鍮片の重量差から真鍮片の減量率(%)を上式から算出し、表3の括弧内に示した。「−」は未測定を示す。
上記の融着性試験と同様にして得た焼成体について、本発明の効果を奏するものに「○」を、一方、本発明の効果を奏しないものに「×」を付した。「−」は未測定であることを示す。
(4)真鍮片の融解前後の成分分析
上記の「(3)真鍮片の融解温度及び減量率」で融解した試料{融解しなかったもの(黒鉛、窯変チップ、ブランク)は最高温度における試料}について、エネルギー分散形蛍光X線分析(JSX−3202EV、日本電子株式会社製)を行い、銅の含有量(重量%)と亜鉛の含有量(重量%)を表4に示した。
なお、焼成前の真鍮片は銅60重量%/亜鉛40重量%であった。焼成前後で銅と亜鉛との含有量が変化するのは、磁性るつぼの外側に白色固体が付着していることから、亜鉛(沸点907℃)が蒸発し電気炉内の空気により酸化され酸化亜鉛が生じていると考えられ、銅の沸点は2562℃であるため、そのまま磁性るつぼ内に留まることによって、亜鉛が蒸発した分だけ真鍮の成分が変化したものと考えられる。
上記の融着性試験と同様にして得た焼成体について、本発明の効果を奏するものに「○」を、一方、本発明の効果を奏しないものに「×」を付した。「−」は未測定であることを示す。
(5)上記の融着性試験における減量率、収縮率及び成分分析
上記の融着性試験における焼成温度、930℃、940℃又は980℃で焼成し、各焼成温度における焼成前後の真鍮の重量差から真鍮の減量率(%)を上式から算出し、表5及び6に示した。
焼成前後の収縮率を次式から算出し、表5及び6に示した。

(収縮率)=(2−H)×100/2}
ただし、Hは焼成体の一辺の長さ(cm:平均値)を示す。なお、融解してしまった焼成体は測定できないため、「−」を付した。
上記の収縮率を計測した後の焼成体について、エネルギー分散形蛍光X線分析(JSX−3202EV、日本電子株式会社製)を行い、銅の含有量(重量%)と亜鉛の含有量(重量%)を表7及び8に示した。「−」は未測定を示す。
上記の融着性試験と同様にして得た焼成体について、本発明の効果を奏するものに「○」を、一方、本発明の効果を奏しないものに「×」を付した。「−」は未測定であることを示す。
(6)融着性試験例
上記の融着性試験における焼成温度、930℃、940℃又は980℃で焼成し、各焼成温度における融着性を次の基準で評価し、表9及び10に示した。
<融着性試験の評価基準>
a:90度に曲げられるもの
b:焼成体が板状を保っていないもの
c:90度まで曲げられず折れるもの
上記の融着性試験と同様にして得た焼成体について、本発明の効果を奏するものに「○」を、一方、本発明の効果を奏しないものに「×」を付した。「−」は未測定であることを示す。
この融着性試験例で90度に曲げられる炭粒子としては、上記の通り、備長炭、クマミズキ炭、エンジュ炭、モミジ炭、トネリコ炭、もみがら炭、椿炭及び杉炭であり、一方、90度に曲げられれない炭粒子としては、松炭、ミズナラ炭、サルスベリ炭、ヨボウ炭、ネムノキ炭、黒鉛、窯変チップ、活性炭、竹炭、コナラ(ホソ)炭及びマングローブ炭である。
炭粒子の粒径は、特に制限ないが、16mm未満であることが好ましく、さらに好ましくは8mm未満、特に好ましくは5.6mm未満である。炭粒子の粒径の下限値としては、使用中に、粉砕によりより細かい粒子が生じるため、厳密ではないが(あまり細かな粒子が含まれていないことが好ましい程度の意味である。)、20μmが好ましく、さらに好ましくは45μmである。
炭粒子の粒径は、JIS Z8815−1994「ふるい分け試験方法通則」に準拠して測定される。
焼成工程(2)において、成型工程(1)で得た成型体は、炭粒子の集合体に埋設した状態であればよいが、成形体及び炭粒子の集合体が容器中に入っていることが好ましく、さらに好ましくは成形体及び炭粒子の集合体が気体が出入りできる隙間を有する不完全密閉容器中に入っていることである。すなわち、焼成工程(2)は、気体が出入りできる隙間を有する不完全密閉容器中で焼成することが好ましい。
容器としては、耐熱容器(磁性るつぼ、黒鉛るつぼ、セラミックスるつぼ、石英るつぼ、ステンレスるつぼ及び白金るつぼ等)が含まれ、気体が出入りできる隙間を有する不完全密閉容器とするには、容器に蓋をすることにより達成できる。
気体が出入りできる隙間を有する不完全密閉容器は、加熱冷却によって生じる容器中の気体の体積膨張又は体積収縮による気体が出入りでき、可塑性粘土に含まれる有機バインダーの分解ガスが容器外に放出でき、炭粒子や金属粒子及び/又は合金粒子の焼成によって発生するガスが容器外に放出できる程度の隙間を有している。
成型工程(1)で得た成型体を炭粒子の集合体に埋設した状態にするには、使用する炭粒子の集合体のうち、約半分の上に成型体をのせ、その上に炭粒子をのせることにより達成できる。成形体及び炭粒子の集合体が容器中に入れる場合、容器の約半分の容量の試験用炭粒子を容器に充填し、その上に成型体をのせ、さらに炭粒子を充填して容器全体を炭粒子で満たすることにより達成することが好ましい。
焼成工程(2)の後、焼結体は炭粒子の集合体に埋設した状態のまま冷却されることが好ましい。
本発明の金属及び/又は合金の焼結体の製造方法は、広汎な種類の粘土に適用でき、均一な金属及び/又は合金の焼結体を容易に製造できるので、小型から大型の焼結体をも製造でき、工業製品、宝飾品、装飾品、美術工芸品(七宝焼、陶芸等を含む)等の製造するために好適である。特に、カルチャー教室や個人の趣味で多品種少量だけ焼結体を得る場合等にも適している。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。備長炭は、「炭のみやび商会」(大阪市平野区)から入手し、備長炭以外の炭粒子は、「佐藤商店」(長浜市余呉町)から入手した。
<実施例1>
表11の粒度分布をもつ真鍮粉末(銅80%、亜鉛20%)50部、有機バインダー{アルギン酸ナトリウム12%水溶液}8.5部及びイオン交換水5部を均一混練して、可塑性粘土(1)を調製した。
可塑性粘土(1)を6ml注射器(ノズル内径約1.5mm)に充填し、これを押し出しながら紐状粘土を調製し、この紐状粘土を用いて、型紙に合わせながら組み合わせて取っ手付の籠を形成し、105℃で1時間乾燥して、成形体(1)を調製した(図2参照:型紙は除去していない。)。
6cm×9cm×深さ4.5cmのステンレス容器(6cm×9cmの開口部を1つ有する直方体型容器)に、炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}をステンレス容器の約半分まで充填し、その上に成形体(1)をのせ、さらに炭粒子(1)を充填して、成形体(1)を埋設させた。ステンレス容器の開口部よりも僅かに大きく深さが1cmの蓋(6cm×9cmより僅かに大きな開口部を有する直方体型蓋)を閉めて、ステンレス容器を電気炉内に設置し、990℃×30分間焼成した{このとき、有機バインダー(B)は分解して消失する。}。その後、電気炉ごと空冷して、ステンレス容器を取り出し、焼成体(1)を取り出し、ステンレスブラシで研磨して、焼結体(1)を得た(図1参照)。
焼結体(1)は、美しい真鍮色を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(1)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例2>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(2){土佐備長炭(姥目樫)、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、焼結体(2)を得た。
焼結体(2)は、美しい真鍮色を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(2)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例3>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(3){日向備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、焼結体(3)を得た。
焼結体(3)は、美しい真鍮色を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(3)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例4>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(4){クマミズキ炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、焼結体(4)を得た。
焼結体(4)は、美しい真鍮色を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(4)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例5>
表12の粒度分布をもつ青銅粉末(銅90%、錫10%)100部、有機バインダー{アルギン酸ナトリウム12%水溶液}14部及びイオン交換水2部を均一混練して、可塑性粘土(2)を調製した。
可塑性粘土(2)を2cm×3cm×厚み2mmの直方体を形成し、105℃で1時間乾燥して、成形体(2)を調製した。
5cm×7cm×深さ4.5cmのセラミックス容器(5cm×7cmの開口部を1つ有する直方体型容器)に、炭粒子(2){土佐備長炭(姥目樫)、粒径5.6mm未満}をセラミックス容器の約半分まで充填し、その上に成形体(2)をのせ、さらに炭粒子(2)を充填して、成形体を埋設させた。セラミックス容器の開口部よりも僅かに大きく深さが1cmの蓋(5cm×7cmより僅かに大きな開口部を有する直方体型蓋)を閉めて、セラミックス容器を電気炉内に設置し、880℃×30分間焼成した。その後、電気炉ごと空冷して、セラミックス容器を取り出し、焼成体(5)を取り出し、ステンレスブラシで研磨して、焼結体(5)を得た。
焼結体(5)は、美しいブロンズ色(青銅色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(2)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例6>
「炭粒子(2){土佐備長炭(姥目樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(4){クマミズキ炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例5と同様にして、焼結体(6)を得た。
焼結体(6)は、美しいブロンズ色(青銅色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(4)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例7>
「炭粒子(2){土佐備長炭(姥目樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(5){トネリコ炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例5と同様にして、焼結体(7)を得た。
焼結体(7)は、美しいブロンズ色(青銅色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(5)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例8>
表13の粒度分布をもつ白銅粉末(銅70%、ニッケル30%)100部、有機バインダー{アルギン酸ナトリウム12%水溶液}15部及びイオン交換水2部を均一混練して、可塑性粘土(3)を調製した。
可塑性粘土(3)を1cm×2cm×厚み2mmの直方体を形成し、105℃で1時間乾燥して、成形体(3)を調製した。
5cm×7cm×深さ4.5cmのセラミックス容器(5cm×7cmの開口部を1つ有する直方体型容器)に、炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}をセラミックス容器の約半分まで充填し、その上に成形体(3)をのせ、さらに炭粒子(1)を充填して、成形体を埋設させた。セラミックス容器の開口部よりも僅かに大きく深さが1cmの蓋(5cm×7cmより僅かに大きな開口部を有する直方体型蓋)を閉めて、セラミックス容器を電気炉内に設置し、1200℃×30分間焼成した。その後、電気炉ごと空冷して、セラミックス容器を取り出し、焼成体(8)を取り出し、ステンレスブラシで研磨して、焼結体(8)を得た。
焼結体(8)は、美しい白銅色(ステンレス色;銀白色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(1)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例9>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(2){土佐備長炭(姥目樫)、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、焼結体(9)を得た。
焼結体(9)は、美しい白銅色(ステンレス色;銀白色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(2)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例10>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(3){日向備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、焼結体(10)を得た。
焼結体(10)は、美しい白銅色(ステンレス色;銀白色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(3)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例11>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(6){エンジュ炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、焼結体(11)を得た。
焼結体(11)は、美しい白銅色(ステンレス色;銀白色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(6)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例12>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(7){もみじ炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、焼結体(12)を得た。
焼結体(12)は、美しい白銅色(ステンレス色;銀白色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(7)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例13>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(8){もみがら炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、焼結体(13)を得た。
焼結体(13)は、美しい白銅色(ステンレス色;銀白色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(8)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例14>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(9){椿炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、焼結体(14)を得た。
焼結体(14)は、美しい白銅色(ステンレス色;銀白色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(9)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例15>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(10){杉炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、焼結体(15)を得た。
焼結体(15)は、美しい白銅色(ステンレス色;銀白色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(10)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<実施例16>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を、「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」及び「炭粒子(10){杉炭、粒径5.6mm未満}」(重量比で1:1)に変更したこと以外、実施例8と同様にして、焼結体(16)を得た。
焼結体(16)は、美しい白銅色(ステンレス色;銀白色)を有し、金属光沢があり、強度も問題なかった。
炭粒子(1)及び炭粒子(10)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例1>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H1){活性炭、粒径2.8mm未満、クラレコールSW、株式会社クラレ製、「クラレコール」は同社の登録商標である。}」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の焼成体(H1)を得た。
焼成体(H1)は、真鍮色ではなく、銅色を有し、強度は問題なかった。
炭粒子(1)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例2>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H2){窯変チップ、粒径355mm未満}」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の焼成体(H2)を得た。
焼成体(H2)は、真鍮色ではなく、茶色を有し、強度は問題なかった。
炭粒子(H2)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例3>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H3){竹炭、粒径8mm未満}」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の焼成体(H3)を得た。
焼成体(H3)は、黒く酸化され、籠の形状を保っていなかった。
炭粒子(H3)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例4>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H4){松炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の焼成体(H4)を得た。
焼成体(H4)は、黒く酸化され、籠の形状を保っていなかった。
炭粒子(H4)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例5>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H5){ミズナラ炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の焼成体(H5)を得た。
焼成体(H5)は、黒く酸化され、籠の形状を保っていなかった。
炭粒子(H5)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例6>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H6){ヨボウ炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の焼成体(H6)を得た。
焼成体(H6)は、黒く酸化され、籠の形状を保っていなかった。
炭粒子(H6)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例7>
「炭粒子(2){土佐備長炭(姥目樫)、粒径5.6mm未満}」を使用しなかったこと以外、実施例5と同様にして、比較用の焼成体(H7)を得た。
焼成体(H7)は、黒く酸化され、ボロボロと崩れ落ちた。
<比較例8>
「炭粒子(2){土佐備長炭(姥目樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H1){活性炭、粒径2.8mm未満、クラレコールSW、株式会社クラレ製、「クラレコール」は同社の登録商標である。}」に変更したこと以外、実施例5と同様にして、比較用の焼成体(H8)を得た。
焼成体(H8)は、ブロンズ色(青銅色)ではなく、銅色を有し、強度は問題なかった。
炭粒子(H1)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例9>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を使用しなかったこと以外、実施例8と同様にして、比較用の焼成体(H9)を得た。
焼成体(H9)は、黒く酸化され、ボロボロと崩れ落ちた。
<比較例10>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H5){ミズナラ炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、比較用の焼成体(H10)を得た。
焼成体(H10)は、ブロンズ色(青銅色)ではなく、銅色を有し、強度は問題なかった。
炭粒子(H5)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例11>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H7){サルスベリ炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、比較用の焼成体(H11)を得た。
焼成体(H11)は、ブロンズ色(青銅色)ではなく、銅色を有し、強度は問題なかった。
炭粒子(H7)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例12>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H8){ネムノキ炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、比較用の焼成体(H12)を得た。
焼成体(H12)は、ブロンズ色(青銅色)ではなく、銅色を有し、強度は問題なかった。
炭粒子(H8)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例13>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H9){黒鉛、粒径50〜400μm}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、比較用の焼成体(H13)を得た。
焼成体(H13)は、ブロンズ色(青銅色)ではなく、銅色を有し、強度は問題なかった。
炭粒子(H9)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例14>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H10){コナラ(ホソ)炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、比較用の焼成体(H14)を得た。
焼成体(H14)は、ブロンズ色(青銅色)ではなく、銅色を有し、強度は問題なかった。
炭粒子(H10)は灰化しておらず、量も減少していなかった。
<比較例15>
「炭粒子(1){土佐備長炭(樫)、粒径5.6mm未満}」を「炭粒子(H11){マングローブ炭、粒径5.6mm未満}」に変更したこと以外、実施例8と同様にして、比較用の焼成体(H15)を得た。
焼成体(H15)は、ブロンズ色(青銅色)ではなく、銅色を有し、強度は問題なかった。
炭粒子(H11)は灰化しておらず、量も減少していなかった。






Claims (4)

  1. 金属粒子及び/又は合金粒子(M)と有機バインダー(B)とを必須成分としてなる可塑性粘土を成型して成型体を得る成型工程(1);
    成型工程(1)で得た成型体を炭粒子の集合体に埋設した状態で焼成して金属及び/又は合金の焼結体を得る焼成工程(2)を含み、
    金属粒子及び/又は合金粒子(M)が遷移金属及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
    炭粒子が次の融着性試験で90度に曲げられるものであることを特徴とする金属及び/又は合金の焼結体の製造方法。

    融着性試験: JIS Z8815−1994「ふるい分け試験方法通則」に準拠して得られる粒径が105μm未満である粒子を95重量%以上含む真鍮粒子(重量比:銅70/亜鉛30)50gと、12重量%アルギン酸ナトリウム水溶液8.5gと、イオン交換水5gとを混練して粘土を調製した後、この粘土を厚さ2mmのシート状に延ばし、2cm×2cmの大きさに切り出し、これを110℃×3時間乾燥して成型体を調製してから、30mlの磁性るつぼの約半分の容量の試験用炭粒子を充填し、その上にこの成型体をのせ、さらに試験用炭粒子を充填して磁性るつぼ全体を試験用炭粒子で満たし、磁性るつぼの蓋をして、電気炉内で、300℃×15分間焼成し、さらに焼成温度950、960又は970℃で20分間焼成して得られた真鍮の焼成体の角から約8mmまでのコーナー部を平ペンチで挟んで90度に曲げる操作によって、いずれかの焼成温度で90度まで曲げられるものを「90度に曲げられるもの」とし、いずれの焼成温度でも、焼成体が板状を保っていないものや90度まで曲げられず折れるものは「90度に曲げられるもの」には含まれない。
  2. 炭粒子が、備長炭、クマミズキ炭、エンジュ炭、モミジ炭、トネリコ炭、もみがら炭、椿炭及び杉炭からなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子である請求項1に記載の金属及び/又は合金の焼結体の製造方法。
  3. 金属粒子及び/又は合金粒子(M)が、銅及び/又は銅合金である請求項1又は2に記載の金属及び/又は合金の焼結体の製造方法。
  4. 焼成工程(2)が、気体が出入りできる隙間を有する不完全密閉容器中で焼成する請求項1〜3のいずれかに記載の金属及び/又は合金の焼結体の製造方法。
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