JP2014189649A - スタッドレスタイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】氷雪上性能及び耐摩耗性が良好であり、更に、硬度変化及びタイヤ表面の変色が少ないスタッドレスタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いたスタッドレスタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分100質量部に対して、重量平均分子量が1000〜500000のミルセン重合体、重量平均分子量が1000〜500000のミルセン−ブタジエン共重合体及び重量平均分子量が1000〜150000のミルセン−スチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のミルセン系樹脂を1〜50質量部、窒素吸着比表面積が40〜400m/gのシリカを10〜150質量部含有し、上記ゴム成分100質量%中、シス含量が95質量%以上のハイシスポリブタジエンの含有量が15〜65質量%であるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いたスタッドレスタイヤに関する。
スパイクタイヤによる粉塵公害を防止するために、スパイクタイヤ禁止が法制化され、寒冷地では、スパイクタイヤに代わってスタッドレスタイヤが使用される様になった。
かかるスタッドレスタイヤの氷雪上でのグリップ性能を向上させる方法として、タイヤに使用するゴムの硬度を低くすることにより、低温における弾性率(モジュラス)を低下させ、粘着摩擦を向上させる方法が知られている。特に、氷上でのグリップ性能は、ゴムの氷との有効接触面積による影響が大きいため、それを大きくするために、柔軟なゴムにすることが求められる。しかしながら、ゴムは時間経過によって柔軟性が損なわれて硬くなるため、単に硬度を低くして柔軟なゴムにするだけでは、良好なグリップ性能を維持できないという点で改善の余地がある。
また、タイヤは走行中に発生する熱や空気中のオゾン、酸素、紫外線などによって劣化することが知られており、近年、工業化などの影響によりオゾン量は増加傾向にある。そのため、耐オゾン性を一層改善してゴムの劣化を抑制し、タイヤを長寿命化することが要求されている。
耐オゾン性を高める方法として、老化防止剤やワックスなどを配合する方法が知られているが、かかる方法では老化防止剤及びワックスが移行してタイヤ表面が変色し、美観を損ねてしまう。このような美観の悪化は、サイドウォールにおいて特に問題となるが、トレッドにおいても走行頻度が少ない車両などでは問題となる。
また、近年、地球環境問題重視の観点から、石油系オイルに代わる新しいオイルが開発されており、例えば、特許文献1には、パーム油などの植物油脂を含有するゴム組成物が開示されている。しかしながら、植物油脂は、環境に配慮するという観点では優れているが、フィラーの分散性がアロマオイルなどの石油系オイルに比べて劣るという点で改善の余地があった。
特開2003−64222号公報
本発明は、前記課題を解決し、氷雪上性能及び耐摩耗性が良好であり、更に、硬度変化及びタイヤ表面の変色が少ないスタッドレスタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いたスタッドレスタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分100質量部に対して、重量平均分子量が1000〜500000のミルセン重合体、重量平均分子量が1000〜500000のミルセン−ブタジエン共重合体及び重量平均分子量が1000〜150000のミルセン−スチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のミルセン系樹脂を1〜50質量部、窒素吸着比表面積が40〜400m/gのシリカを10〜150質量部含有し、上記ゴム成分100質量%中、シス含量が95質量%以上のハイシスポリブタジエンの含有量が15〜65質量%であるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記ゴム組成物はトレッドに使用されることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したスタッドレスタイヤに関する。
本発明によれば、重量平均分子量が特定の範囲内である特定のミルセン系樹脂と、シス含量が特定の範囲内であるハイシスポリブタジエンと、窒素吸着比表面積が特定の範囲内であるシリカとをそれぞれ所定量含有するスタッドレスタイヤ用ゴム組成物であるので、氷雪上性能(氷雪上でのグリップ性能及びハンドリング性能)及び耐摩耗性が良好であり、更に、硬度変化及びタイヤ表面の変色が少ないスタッドレスタイヤを提供できる。
本発明のゴム組成物は、重量平均分子量が特定の範囲内である特定のミルセン系樹脂と、シス含量が特定の範囲内であるハイシスポリブタジエンと、窒素吸着比表面積が特定の範囲内であるシリカとをそれぞれ所定量含有する。上記ミルセン系樹脂を軟化剤として配合することで、オイルを使用した場合と比較して、氷雪上性能及びハンドリング性能を改善するとともに、時間経過による硬度変化を抑制できる。また、シリカ表面近傍に該ミルセン系樹脂の被膜が形成されることや、天然ゴムやポリブタジエンなどのゴム成分と該ミルセン系樹脂とが共加硫されることにより、ミルセン系樹脂のブルームやそれに付随する老化防止剤やワックスのブルームが抑制されるため、オイル、老化防止剤、ワックスを使用した場合であっても、ゴム表面の変色(白色化、茶色化)を抑制できる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、シス含量が95質量%以上(好ましくは97質量%以上)のハイシスポリブタジエン(ハイシスブタジエンゴム)を含有する。ハイシスポリブタジエンとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150Bなど、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
なお、本明細書において、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析により算出される値である。
ゴム成分100質量%中のハイシスポリブタジエンの含有量は、15質量%以上、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。15質量%未満であると、氷雪上性能及び耐摩耗性が悪化する傾向がある。ハイシスポリブタジエンの含有量は、65質量%以下、好ましくは60質量%以下である。65質量%を超えると、良好な氷雪上性能や耐摩耗性が得られるものの、ハンドリング性能やウェットグリップ性能が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、上記ハイシスポリブタジエン以外に他のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、ブチルゴムなどが挙げられる。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという点から、NR、IR、SBRが好ましく、NRがより好ましい。NR、IR、SBRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
本発明の効果が良好に得られるという点から、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上であり、好ましくは85質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
本発明のゴム組成物は、ミルセン重合体、ミルセン−ブタジエン共重合体及びミルセン−スチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のミルセン系樹脂を含有する。ミルセン重合体とは、ミルセンをモノマー成分として重合して得られた重合体を、ミルセン−ブタジエン共重合体とは、ミルセン及びブタジエンをモノマー成分として重合して得られた共重合体を、ミルセン−スチレン共重合体とは、ミルセン及びスチレンをモノマー成分として重合して得られた共重合体を意味する。ここで、ミルセンは、天然に存在する有機化合物で、モノテルペンに属するオレフィンの一種である。ミルセンには、α−ミルセン(2−メチル−6−メチレンオクタ−1,7−ジエン)とβ−ミルセン(7−メチル−3−メチレンオクタ−1,6−ジエン)の2種の異性体が存在するが、本発明においては、単にミルセンという場合、β−ミルセン(下記構造の化合物)を意味する。
Figure 2014189649
本発明では、上記ハイシスポリブタジエンと共に、特定の重量平均分子量を有するミルセン系樹脂及び特定の窒素吸着比表面積を有するシリカを配合することにより、氷雪上性能及びハンドリング性能を改善するとともに、硬度変化及びゴム表面の変色を抑制できる。各性能の改善効果が高いという点から、ミルセン系樹脂としては、ミルセン−ブタジエン共重合体、ミルセン−スチレン共重合体を使用することが好ましい。
なお、ミルセン系樹脂は、従来配合されているオイルなどの軟化剤に置き換えて配合することが好ましい。これにより、本発明の効果がより好適に得られる。
ミルセン重合体の重量平均分子量(Mw)は、1000以上であれば特に限定されないが、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上である。1000未満では、ハンドリング性能、耐摩耗性が悪化する傾向がある。ミルセン重合体のMwは、500000以下であれば特に限定されないが、好ましくは300000以下、更に好ましくは150000以下、特に好ましくは100000以下である。500000を超えると、氷雪上性能が悪化する傾向がある。Mwが上記範囲内のミルセン重合体は、常温で液状であり、軟化剤として好適に使用できる。
同様の理由から、ミルセン−ブタジエン共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1000以上であれば特に限定されないが、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上である。ミルセン−ブタジエン共重合体のMwは、500000以下であれば特に限定されないが、好ましくは300000以下、更に好ましくは150000以下、特に好ましくは100000以下である。
また、ミルセン−スチレン共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1000以上であれば特に限定されないが、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上である。ミルセン−スチレン共重合体のMwは、150000以下であれば特に限定されないが、好ましくは100000以下、更に好ましくは50000以下、特に好ましくは30000以下である。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、実施例に記載の方法により得られる。
ミルセン系樹脂を調製する際の重合において、重合手順は特に限定されず、例えば、すべてのモノマーを一度に重合させてもよいし、逐次、モノマーを加えて重合させてもよい。また、モノマー成分として、ミルセン、ブタジエン、スチレン以外に他のモノマー成分を併用してもよい。
ミルセン重合体において、モノマー成分100質量%中のミルセンの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
ミルセン−ブタジエン共重合体において、モノマー成分100質量%中のミルセン及びブタジエンの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。また、ミルセン及びブタジエンの質量比(ミルセン/ブタジエン)は、好ましくは50/50〜90/10、より好ましくは60/40〜80/20である。
ミルセン−スチレン共重合体において、モノマー成分100質量%中のミルセン及びスチレンの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。また、ミルセン及びスチレンの質量比(ミルセン/スチレン)は、好ましくは50/50〜90/10、より好ましくは60/40〜80/20である。
上記重合は、常法により実施することができ、例えば、アニオン重合、配位重合などにより実施することができる。
重合方法については特に制限はなく、溶液重合法、乳化重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれをも用いることができるが、このうち、溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、バッチ式及び連続式のいずれであってもよい。
以下において、アニオン重合、配位重合によりミルセン系樹脂を調製する方法についてそれぞれ説明する。
<アニオン重合>
該アニオン重合は、アニオン重合開始剤の存在下、適当な溶媒中で実施することができる。アニオン重合開始剤としては、慣用のものをいずれも好適に使用することができ、そのようなアニオン重合開始剤としては、例えば、一般式RLix(但し、Rは1個又はそれ以上の炭素原子を含む脂肪族、芳香族又は脂環式基であり、xは1〜20の整数である。)を有する有機リチウム化合物が挙げられる。適当な有機リチウム化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム及びナフチルリチウムが挙げられる。好ましい有機リチウム化合物はn−ブチルリチウム及びsec−ブチルリチウムである。アニオン重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。アニオン重合を行う際の重合開始剤の使用量は特に限定はないが、例えば、重合に供する全モノマー100g当り、約0.05〜35mmol用いるのが好ましく、約0.05〜0.2mmol用いるのがより好ましい。
また、アニオン重合に用いる溶媒としては、アニオン重合開始剤を失活させたり、重合反応を停止させたりしないものであれば、いずれも好適に用いることができ、極性溶媒又は非極性溶媒のいずれも使用することができる。極性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒があげられ、非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンタンなどの鎖式炭化水素、シクロヘキサンなどの環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを挙げることができる。これら溶媒は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アニオン重合は、極性化合物の存在下で実施することが好ましい。極性化合物としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、エチルプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジフェニルエーテル、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)などが挙げられる。極性化合物は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。この極性化合物は、重合体のミクロ構造を制御するのに有用である。極性化合物の使用量は、極性化合物の種類及び重合条件により異なるが、アニオン重合開始剤とのモル比(極性化合物/アニオン重合開始剤)として0.1以上であることが好ましい。アニオン重合開始剤とのモル比(極性化合物/アニオン重合開始剤)が0.1未満ではミクロ構造を制御することに対する極性物質の効果が充分でない傾向がある。
アニオン重合の際の反応温度は、好適に反応が進行する限り特に限定はないが、通常−10℃〜100℃であることが好ましく、25℃〜70℃であることがより好ましい。また、反応時間は、仕込み量、反応温度、その他条件により異なるが、通常、例えば、3時間程度行えば充分である。
上記アニオン重合は、この分野で通常使用する反応停止剤の添加により、停止させることができる。そのような反応停止剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール又は酢酸などの活性プロトンを有する極性溶媒及びこれらの混液、又はそれらの極性溶媒とヘキサン、シクロヘキサンなどの無極性溶媒との混液が挙げられる。反応停止剤の添加量は、通常、アニオン重合開始剤に対し、同モル量又は2倍モル量程度で充分である。
重合反応停止後、ミルセン系樹脂は、重合溶液から常法により溶媒を除去することにより、又は、重合溶液をその1倍量以上のアルコールに注ぎ、ミルセン系樹脂を沈殿させることにより、容易に単離することができる。
<配位重合>
配位重合は、上記アニオン重合におけるアニオン重合開始剤に代えて、配位重合開始剤を用いることにより、実施することができる。配位重合開始剤としては、慣用のものをいずれも好適に用いることができ、そのような配位重合開始剤としては、例えば、ランタノイド化合物、チタン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物などの遷移金属含有化合物である触媒が挙げられる。また、所望により、さらにアルミニウム化合物、ホウ素化合物を助触媒として使用することができる。
ランタノイド化合物は、原子番号57〜71の元素(ランタノイド)のいずれかを含むものであれば特に限定されないが、これらランタノイドのうち、とりわけネオジムが好ましい。ランタノイド化合物としては、例えば、これら元素のカルボン酸塩、β−ジケトン錯体、アルコキサイド、リン酸塩又は亜リン酸塩、ハロゲン化物などが挙げられる。これらの内、取り扱いの容易性から、カルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体が好ましい。チタン化合物としては、例えば、シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換シクロペンタジエニル基又は置換インデニル基を1つ含み、かつハロゲン、アルコキシル基、アルキル基の中から選ばれる置換基を3つ有するチタン含有化合物などが挙げられるが、触媒性能の点から、アルコキシシリル基を1つ有するチタン含有化合物が好ましい。コバルト化合物としては、例えば、コバルトのハロゲン化物、カルボン酸塩、β−ジケトン錯体、有機塩基錯体、有機ホスフィン錯体などが挙げられる。ニッケル化合物としては、例えば、ニッケルのハロゲン化物、カルボン酸塩、β−ジケトン錯体、有機塩基錯体などが挙げられる。配位重合開始剤として用いる触媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。配位重合を行う際の重合開始剤としての触媒の使用量は特に限定はないが、好ましい使用量としては、アニオン重合の場合の触媒の使用量と同様である。
助触媒として用いるアルミニウム化合物としては、例えば、有機アルミノキサン類、ハロゲン化有機アルミニウム化合物、有機アルミニウム化合物、水素化有機アルミニウム化合物などが挙げられる。有機アルミノキサン類としては、例えば、アルキルアルミノキサン類(メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、オクチルアルミノキサン、へキシルアルミノキサンなど)が、ハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、例えば、ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物(ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなど)が、有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルキルアルミニウム化合物(トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなど)が、水素化有機アルミニウム化合物としては、例えば、水素化アルキルアルミニウム化合物(ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなど)が挙げられる。また、ホウ素化合物としては、例えば、テトラフェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどのアニオン種を含む化合物が挙げられる。これら助触媒も、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
配位重合に関し、溶媒及び極性化合物としては、アニオン重合で説明したものを同様に使用することができる。また、反応時間及び反応温度もアニオン重合で説明したものと同様である。重合反応の停止及びミルセン系樹脂の単離も、アニオン重合の場合と同様にして行うことができる。
ミルセン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、重合時に仕込むミルセンなどのモノマー量や重合開始剤量を調節することにより制御することができる。例えば、全モノマー/アニオン重合開始剤比や全モノマー/配位重合開始剤比を大きくすればMwを大きくすることができ、逆に小さくすればMwを小さくすることができる。ミルセン系樹脂の数平均分子量(Mn)についても同様である。
ミルセン系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。1質量部未満では、氷雪上性能及び耐摩耗性の改善効果、並びに、硬度変化及びタイヤ表面の変色を抑制する効果が充分に得られない傾向がある。ミルセン系樹脂の含有量は、50質量部以下、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。50質量部を超えると、ハンドリング性能、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、シリカを含有する。上記ハイシスポリブタジエン及び上記ミルセン系樹脂とともにシリカを配合することで、シリカを良好に分散させることができる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上、好ましくは50m/g以上、更に好ましくは60m/g以上である。40m/g未満では、補強効果が小さく、耐摩耗性が悪化する傾向がある。シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、400m/g以下、好ましくは360m/g以下、より好ましくは300m/g以下である。400m/gを超えると、シリカが分散しにくくなり、加工性が悪化する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは45質量部以上である。10質量部未満であると、シリカを配合した効果が充分に得られず、ハンドリング性能及び耐摩耗性が悪化したり、硬度変化が大きくなる傾向がある。シリカの含有量は、150質量部以下、好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、氷雪上性能が大きく悪化したり、硬度変化が大きくなる傾向がある。
シリカを配合する際にシランカップリング剤を併用しても良い。シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどが挙げられる。なかでも、補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド及び3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好ましい。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満では、未加硫ゴム組成物の粘度が高く、加工性が悪化する傾向がある。シランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
添加剤としては、公知のものを用いることができ、硫黄などの加硫剤;チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤などの加硫促進剤;ステアリン酸、酸化亜鉛などの加硫活性化剤;有機過酸化物;カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカなどの充填剤;オイルなどの軟化剤;老化防止剤を例示することができる。
カーボンブラックとしては、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCF及びECFのようなファーネスブラック(ファーネスカーボンブラック);アセチレンブラック(アセチレンカーボンブラック);FT及びMTのようなサーマルブラック(サーマルカーボンブラック);EPC、MPC及びCCのようなチャンネルブラック(チャンネルカーボンブラック);グラファイトなどをあげることができる。これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、通常、5〜200m/gであり、下限は50m/g、上限は150m/gであることが好ましい。また、カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、通常、5〜300ml/100gであり、下限は80ml/100g、上限は180ml/100gであることが好ましい。カーボンブラックのNSAやDBP吸収量が上記範囲の下限未満では、補強効果が小さく耐摩耗性が低下する傾向があり、上記範囲の上限を超えると、分散性が悪下する傾向がある。該窒素吸着比表面積は、ASTM D4820−93に従って測定され、該DBP吸収量は、ASTM D2414−93に従って測定される。市販品としては、東海カーボン社製商品名シースト6、シースト7HM、シーストKH、デグッサ社製商品名CK3、SpecialBlack4Aなどを用いることができる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。カーボンブラックの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。60質量部を超えると、ゴムが硬くなり過ぎて、氷雪上性能が悪化する傾向がある。
オイルとしては、アロマオイル(粘度比重恒数(V.G.C.値)0.900〜1.049)、ナフテンオイル(V.G.C.値0.850〜0.899)、パラフィンオイル(V.G.C.値0.790〜0.849)などがあげられ、アロマオイルが好ましい。
上述のように、ミルセン系樹脂は、従来軟化剤として配合されているオイルなどの一部又は全量と置き換えて配合することが好ましい。軟化剤100質量%中のミルセン系樹脂の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。上限は、100質量%であってもよいが、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。また、軟化剤の合計含有量(ミルセン系樹脂の含有量を含む)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは10〜80質量部、更に好ましくは15〜60質量部である。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどのチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどのグアニジン系加硫促進剤をあげることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、0.2〜3質量部がより好ましい。
本発明のゴム組成物を製造する方法としては、公知の方法、例えば、各成分をロールやバンバリーのような公知の混合機で混練する方法を用いることができる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を配合する場合、混練温度は、通常50〜200℃であり、好ましくは80〜190℃であり、混練時間は、通常30秒〜30分であり、好ましくは1分〜30分である。
加硫剤、加硫促進剤を配合する場合、混練温度は、通常100℃以下であり、好ましくは室温〜80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を配合した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理を行って用いられる。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
本発明のゴム組成物は、スタッドレスタイヤの各部材に好適に用いることができ、特にトレッド(キャップトレッド)に好適に用いることができる。
本発明のスタッドレスタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して、本発明のスタッドレスタイヤを製造できる。
本発明のスタッドレスタイヤは、乗用車用スタッドレスタイヤとして好適に用いることができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
ミルセン:和光純薬工業(株)製のミルセン(天然資源由来のミルセン)
ブタジエン:高千穂化学工業(株)製の1,3−ブタジエン
スチレン:和光純薬工業(株)製のスチレン
シクロヘキサン:関東化学(株)製のシクロヘキサン(特級)
2−エチルヘキサン酸ネオジム(III):和光純薬工業(株)製の2−エチルヘキサン酸ネオジム(III)
PMAO:東ソーファインケム(株)製のPMAO(ポリメチルアルミノキサン)
1M−水素化ジイソブチルアルミニウム:東京化成工業(株)製の水素化ジイソブチルアルミニウム
1M−塩化ジエチルアルミニウム:東京化成工業(株)製の塩化ジエチルアルミニウム
ヘキサン:関東化学(株)製のノルマルヘキサン(特級)
ジブチルヒドロキシトルエン:東京化成工業(株)製のジブチルヒドロキシトルエン
イソプロパノール:関東化学(株)製のイソプロパノール(特級)
メタノール:関東化学(株)製のメタノール(特級)
<触媒溶液の調製>
50mlガラス容器を窒素置換し、ミルセンのシクロヘキサン溶液(2.0mol/L)8ml、2−エチルヘキサン酸ネオジム(III)/シクロヘキサン溶液(0.2mol/L)1ml、PMAO(Al:6.8質量%)8mlを加え撹絆した。5分後、1M−水素化ジイソブチルアルミニウム/ヘキサン溶液5mlを加え、さらに5分後、1M−塩化ジエチルアルミニウム/ヘキサン溶液2mlを加え、攪拌して、触媒溶液を得た。
<製造例1(ミルセン重合体1の合成)>
3Lの耐圧ステンレス容器を窒素置換し、シクロヘキサンを1800ml、ミルセンを100g入れ10分間攪拌した後、触媒溶液を120ml添加し、30℃を保ったまま攪拌を行った。3時間後、0.01M−BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)/イソプロパノール溶液を10ml滴下し、反応を終了させた。反応液を、冷却後、別途用意しておいたメタノール3L中に加え、こうして得られた沈殿物を1晩風乾し、さらに2日間減圧乾燥を行い、ミルセン重合体1を100g得た。重合転化率(「乾燥重量/仕込量」の百分率)はほぼ100%であった。
<製造例2(ミルセン重合体2の合成)>
触媒溶液の量を6mlに変更した点以外は、製造例1と同様にして、ミルセン重合体2を100g得た。
<製造例3(ミルセン重合体3の合成)>
触媒溶液の量を0.3mlに変更した点以外は、製造例1と同様にして、ミルセン重合体3を100g得た。
<製造例4(ミルセン重合体4の合成)>
触媒溶液の量を0.09mlに変更した点以外は、製造例1と同様にして、ミルセン重合体4を100g得た。
<製造例5(ミルセン−ブタジエン共重合体1の合成)>
ミルセンの量を50gに変更し、更にモノマー成分としてブタジエン50gをミルセンとともに投入した点以外は、製造例1と同様にしてミルセン−ブタジエン共重合体1を100g得た。
<製造例6(ミルセン−ブタジエン共重合体2の合成)>
触媒溶液の量を6mlに変更した点以外は、製造例5と同様にして、ミルセン−ブタジエン共重合体2を100g得た。
<製造例7(ミルセン−ブタジエン共重合体3の合成)>
触媒溶液の量を0.3mlに変更した点以外は、製造例5と同様にして、ミルセン−ブタジエン共重合体3を100g得た。
<製造例8(ミルセン−ブタジエン共重合体4の合成)>
触媒溶液の量を0.09mlに変更した点以外は、製造例5と同様にして、ミルセン−ブタジエン共重合体4を100g得た。
<製造例9(ミルセン−スチレン共重合体1の合成)>
触媒溶液の量を240mlに、ミルセンの量を100gに変更し、更にモノマー成分としてスチレン100gをミルセンとともに投入した点以外は、製造例1と同様にしてミルセン−スチレン共重合体1を100g得た。
<製造例10(ミルセン−スチレン共重合体2の合成)>
触媒溶液の量を6mlに変更した点以外は、製造例9と同様にして、ミルセン−スチレン共重合体2を100g得た。
<製造例11(ミルセン−スチレン共重合体3の合成)>
触媒溶液の量を0.3mlに変更した点以外は、製造例9と同様にして、ミルセン−スチレン共重合体3を100g得た。
<製造例12(スチレン重合体の合成)>
触媒溶液の量を6mlに、ミルセンの量を0gに、スチレンの量を100gに変更した点以外は、製造例9と同様にしてスチレン重合体を100g得た。
得られたミルセン重合体1〜4、ミルセン−ブタジエン共重合体1〜4、ミルセン−スチレン共重合体1〜3、スチレン重合体について、下記の評価を行った。
(重量平均分子量(Mw)の測定)
Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
天然ゴム:TSR20
ハイシスポリブタジエン:宇部興産(株)製のウベポールBR150B(シス含量:97質量%)
シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3−G(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN339(NSA:96m/g、DBP吸収量:124ml/100g)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のX−140(アロマオイル)
ミルセン重合体1:上記製造例1(重量平均分子量:500)
ミルセン重合体2:上記製造例2(重量平均分子量:10,000)
ミルセン重合体3:上記製造例3(重量平均分子量:200,000)
ミルセン重合体4:上記製造例4(重量平均分子量:650,000)
ミルセン−ブタジエン共重合体1:上記製造例5(重量平均分子量:500、ミルセン/ブタジエン(質量比)=50/50)
ミルセン−ブタジエン共重合体2:上記製造例6(重量平均分子量:10,000、ミルセン/ブタジエン(質量比)=50/50)
ミルセン−ブタジエン共重合体3:上記製造例7(重量平均分子量:200,000、ミルセン/ブタジエン(質量比)=50/50)
ミルセン−ブタジエン共重合体4:上記製造例8(重量平均分子量:650,000、ミルセン/ブタジエン(質量比)=50/50)
ミルセン−スチレン共重合体1:上記製造例9(重量平均分子量:250、ミルセン/スチレン(質量比)=50/50)
ミルセン−スチレン共重合体2:上記製造例10(重量平均分子量:10,000、ミルセン/スチレン(質量比)=50/50)
ミルセン−スチレン共重合体3:上記製造例11(重量平均分子量:200,000、ミルセン/スチレン(質量比)=50/50)
スチレン重合体:上記製造例12(重量平均分子量:10,000)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン3C
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:住友化学(株)製のソクシノールCZ
加硫促進剤2:住友化学(株)製のソクシノールD
(実施例及び比較例)
表1に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃で12分間加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。
得られた試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
(黒色度)
オゾン50pphm、40℃で1週間放置した後の試験用タイヤについて、色差計を用いて黒色度を測定し、タイヤ表面の変色(白変及び茶変)を下記基準で評価した。
5:変色なし
4:若干変色
3:変色部位が全体の半分未満
2:変色部位が全体の半分以上
1:全面的に変色
(硬度変化指数)
オゾン50pphm、40℃で1週間放置した後の試験用タイヤについて、トレッド部の硬度(JIS−A)を測定した。下記硬度変化指数が95%以上105%以内であれば良いレベルとする。
(硬度変化指数)=(放置後の硬度)/(放置前の硬度)×100
<ハンドリング性能指数>
上記試験用タイヤを国産2000ccのFF車に装着し、下記の条件下で氷雪上を実車走行し、発進、加速及び停止についてフィーリングによる評価を行った。フィーリング評価は、比較例1を100として、明らかに性能が向上したとテストドライバーが判断したものを120、これまでで全く見られなかった良いレベルであるものを140とする様な評点付けをした。
(氷上) (雪上)
試験場所 : 北海道名寄テストコ−ス ←
気温 : −1〜−6℃ −2〜−10℃
<氷上制動性能指数>
上記車両を用いて氷上を走行し、時速30km/hでロックブレーキを踏み、停止させるまでに要した停止距離(氷上制動停止距離)を測定し、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、氷上でのグリップ性能が良好である。
(氷上制動性能指数)=(比較例1の氷上制動停止距離)/(各配合の氷上制動停止距離)×100
<耐摩耗性指数>
試験用タイヤを国産FF車に装着し、走行距離8000km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性が良好である。
(耐摩耗性指数)=(各配合の走行距離)/(比較例1の走行距離)×100
Figure 2014189649
Figure 2014189649
Figure 2014189649
シス含量が特定の範囲内であるハイシスポリブタジエンと、窒素吸着比表面積が特定の範囲内であるシリカとをそれぞれ所定量含有するゴム組成物に、重量平均分子量が特定の範囲内である特定のミルセン系樹脂を所定量配合した実施例は、氷雪上性能及び耐摩耗性の両性能が改善されるとともに、硬度変化及びタイヤ表面の変色も抑制された。また、ミルセン系樹脂としてミルセン−ブタジエン共重合体、ミルセン−スチレン共重合体を配合した場合に、特に優れた性能が得られた。

Claims (3)

  1. ゴム成分100質量部に対して、重量平均分子量が1000〜500000のミルセン重合体、重量平均分子量が1000〜500000のミルセン−ブタジエン共重合体及び重量平均分子量が1000〜150000のミルセン−スチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のミルセン系樹脂を1〜50質量部、窒素吸着比表面積が40〜400m/gのシリカを10〜150質量部含有し、
    前記ゴム成分100質量%中、シス含量が95質量%以上のハイシスポリブタジエンの含有量が15〜65質量%であるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  2. トレッドに使用される請求項1記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2記載のゴム組成物を用いて作製したスタッドレスタイヤ。
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