JP2014189633A - 樹脂組成物の製造方法、太陽電池封止材及び太陽電池モジュール - Google Patents

樹脂組成物の製造方法、太陽電池封止材及び太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】 ポンプやフィーダー等を用いずにポリエチレン系樹脂および液体添加物を押出し混練しても、原料成分が均一に安定に混合され、特に、安定して太陽電池封止材用樹脂組成物を製造できる方法を提供。
【解決手段】 特定のペレット状のポリオレフィン樹脂成分(A1)30〜97重量%及び特定のパウダー状のポリオレフィン樹脂成分(A2)70〜3重量%並びに成分(A1)と成分(A2)との合計量100重量部に対して、液体添加剤(B)1.5〜5.5重量部を混合し、押出し混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物の製造方法、太陽電池封止材及び太陽電池モジュールに関し、より詳しくは、ポリオレフィン系樹脂と液体添加剤を混練しても、原料成分が均一に混合され、安定した樹脂組成物を得ることができる製造方法、並びにその方法で製造された太陽電池封止材及び太陽電池モジュールに関するものである。
近年、二酸化炭素の増加など地球環境問題がクローズアップされる中で、クリーンエネルギーとしての太陽光発電が注目されている。太陽光発電は、一般に、太陽電池素子を上部透明保護材と下部基板保護材とで保護し、太陽電池素子と保護材とを樹脂製の封止材で固定し、パッケージ化した太陽電池モジュールを用いる。
太陽電池モジュールを構成する封止材は、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン・α−オレフィン共重合体などのポリエチレン系樹脂に、架橋剤などの液体添加剤を含有する(たとえば特許文献1、2参照)。上記ポリエチレン系樹脂は、液体添加剤とともに押出機などにより未架橋で成形され、モジュール化の際、加熱によって架橋される。
太陽電池封止材を押出成形する際、ポリエチレン系樹脂と液体添加剤を混練する方法としては、押出成形機で、まずポリエチレン系樹脂組成物を混練し、その途中からポンプやフィーダー等で液体添加剤を添加する方法が知られている。しかし、この方法では、ポンプやフィーダー等の専用の設備が必要である。
また、ポリエチレン系樹脂と液体添加剤とをともにホッパーに投入して、押出成形機で混練する方法も用いられているが、従来のペレット状のポリエチレン系樹脂を用いて混練する場合、ペレット表面に液体添加剤が付着し、ペレットのホッパー内での互着やホッパーへの密着などが発生したり、ペレットに付着した液体によりシリンダーやスクリューとの摩擦が低下し、ペレットが滑ってしまう等の問題により、安定した押出成形が困難であった。
これに対し、特許文献3では、特定の混練トルクと比表面積を有するエチレン系重合体のペレットを用いることで、ポンプやフィーダー等を用いることなく、安定して押出成形することができる押出成形方法が開示されている(特許文献3)。しかし、特許文献3に開示の方法は、押出機の設定温度を170〜210℃に設定しており、添加した架橋剤の架橋反応が開始しないように比較的低温(通常、130℃以下)で押出し混練する必要のある太陽電池封止材の製造に適用できるかは不明であり、また、ホッパーへポンプを設置する必要性があり、設備改造をしなければならない等の問題があった。
特開平9−116182号公報 特開2006−210906号公報 特開2011−207217号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、ポンプやフィーダー等を用いずにポリオレフィン系樹脂および液体添加物を押出し混練しても、互着やホッパーとの密着が発生せず、原料成分が均一に混合され、安定した押出成形が可能になる太陽電池封止材用樹脂組成物を製造できる方法を提供すること、並びにその方法を用いて製造した太陽電池封止材及び太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のペレット状及びパウダー状の成分からなるポリオレフィン系樹脂成分を用い、これに液体添加剤を特定割合で混合することにより、上記課題が達成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の第1の発明によれば、下記の成分(A1)30〜97重量%及び成分(A2)70〜3重量%並びに成分(A1)と成分(A2)との合計量100重量部に対して、液体添加剤(B)1.0〜5.5重量部を混合し、押出し混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
(A1)JIS B 7507で規定されたノギスによって測定した長径及び短径がいずれも1.0〜10mmである、ペレット状のポリオレフィン樹脂。
(A2)JIS K 0069で規定されたふるい分け法で測定した粒径が2830μm以下である、パウダー状のポリオレフィン樹脂。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、押出し混練が樹脂温度80〜130℃で行われることを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、液体添加剤(B)が有機過酸化物を含有することを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3の発明において、成分(A1)及び(A2)が非極性ポリエチレン系樹脂であることを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4の発明において、成分(A1)及び(A2)がメタロセン触媒によって製造されることを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5の発明において、成分(A1)及び(A2)が、エチレンと、少なくとも一種以上のα−オレフィンを含むポリエチレン系樹脂であることを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6の発明において、成分(A2)が成分(A1)を粉砕して得られたポリエチレン系樹脂であることを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、液体添加剤(B)が液体の架橋助剤を含有することを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第1〜8の発明において、液体添加剤(B)がシランカップリング剤を含有することを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第1〜9の発明において、あらかじめ成分(A2)を液体添加剤(B)と混合し、得られた混合物を次に成分(A1)と混合した後、押出し混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、第1〜10の発明において、押出し混練が単軸押出し機によって行われることを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
一方、本発明の第12の発明によれば、第1〜11の発明において、成分(A1)及び(A2)が下記(a1)〜(a2)の特性を有するポリエチレン系樹脂であり、液体添加物(B)が、成分(A1)と成分(A2)との合計量100重量部に対して、有機過酸化物0.5重量部以上を含むことを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
(a1)メルトフローレート(MFR)が10〜50g/分
(a2)密度が0.860〜0.920g/cm
また、本発明の第13の発明によれば、第12の発明に係る方法で製造された樹脂組成物を用いた太陽電池モジュールが提供される。
また、本発明の第14の発明によれば、第13の発明に係る太陽電池封止材を用いてなる太陽電池封止材が提供される。
本発明の樹脂組成物の製造方法により、特定のペレット状及びパウダー状の成分からなるポリオレフィン系樹脂成分及び液体添加剤を混合するため、ポンプやフィーダー等を用いずにポリオレフィン系樹脂および液体添加物を押出し混練しても、互着やホッパーとの密着が発生せず、原料成分が均一に混合され、安定した押出成形が可能となる。また、この製造方法により、品質高くかつ安定した太陽電池封止材用樹脂組成物、太陽電池封止材及び太陽電池モジュールを得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、特定のペレット状及びパウダー状の成分からなるポリオレフィン樹脂成分並びに液体添加剤を混合し、押出機にて混練して製造されること特徴とする。
以下、本発明に用いられる各成分、樹脂組成物の製造方法、その方法により製造される太陽電池封止材及び太陽電池モジュール等について項目ごとに説明する。
1.ポリオレフィン樹脂
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂は、ペレット状のポリオレフィン樹脂である成分(A1)およびパウダー状のポリオレフィン樹脂である成分(A2)からなる(以下、成分(A1)及び(A2)をあわせて「ポリオレフィン樹脂(A)」ともいう)。
本発明では、成分(A1)と成分(A2)とを用いることにより、ポリオレフィン樹脂(A)全体の単位重量あたりの表面積を増加させ、その結果、ポリオレフィン樹脂(A)と液体添加物とを混合した場合、液体添加剤がパウダー状成分に付着でき、樹脂組成物同士の互着やホッパーへの密着を防止することができる。
以下、成分(A1)及び(A2)について詳細に説明する。
(1)ポリオレフィン樹脂の原料
本発明に用いられる成分(A1)及び成分(A2)のポリオレフィン樹脂原料としては、ポリオレフィン樹脂であれば限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1、もしくはこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、好ましくはポリエチレン、またはポリプロピレン、もしくはこれらの混合物である。
ポリエチレンとしては、エチレン単独重合体、またはエチレンと他の重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。
エチレンと共重合する他の重合性モノマーとしては、炭素数3〜8のα−オレフィンが挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等が挙げられる。
さらに、他の重合性モノマーとしては、酢酸ビニル、ビニルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等も挙げられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体の具体例としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−ペンテン−1共重合体等が挙げられる。この中ではエチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体が好ましい。
また、α−オレフィンは1種または2種以上の組み合わせでもよい。
2種のα−オレフィンを組み合わせて三元共重合体とする場合は、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン三元共重合体、エチレン・1−ブテン・1−ヘキセン三元共重合体、エチレン・プロピレン・1−オクテン三元共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン三元共重合体等が挙げられる。この中ではエチレン・プロピレン・1−ヘキセン三元共重合体が好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体は、そのα−オレフィンの含有量が5〜20mol%であることが好ましく、6〜17mol%がより好ましく、特に8〜15mol%が好ましい。
さらに、コモノマーとして、非共役ポリエンを用いることもできる。具体的には、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、及び1,9−デカジエン等のジエン化合物を、α−オレフィンに少量配合できる。
またα−オレフィンに少量配合されるジエン化合物として、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネンおよび4−ビニル−1−シクロヘキセンのような環状ジエンも使用できる。
非共役ポリエンをコモノマーとして使用する場合、ポリオレフィン中のその含量は、0.01〜5.00mol%であり、好ましくは0.02〜1.00mol%、より好ましくは0.05〜0.50mol%である。
ポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体、またはプロピレンとエチレンもしくは炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。該共重合体としては、ランダム共重合体またはブロック共重合体のいずれでもよい。α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等が挙げられる。プロピレンとα−オレフィンとの共重合体におけるプロピレン含量は、好ましくは90〜99.5mol%である。
このようなポリプロピレンの具体例としては、ホモポリプロピレン、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体等が挙げられる。
また、本発明におけるポリオレフィン樹脂として、上述したポリエチレンとポリプロピレンとの混合物、例えば前記低密度ポリエチレンとプロピレン・エチレンランダム共重合体との混合物などを挙げることもできる。
本発明においては、これらのポリオレフィンの中でも、液体添加剤との混合が特に困難なエチレン−α−オレフィン共重合体などの非極性ポリエチレンは、本発明の製造方法により、簡便に安定して押出成形することが可能となり、従来の方法と比較して、より大きな効果を得ることができるため、本発明におけるポリオレフィン樹脂原料として好適に用いられる。
(2)ポリオレフィン樹脂の調整方法
本発明で用いられる成分(A1)及び成分(A2)は、チーグラー触媒、バナジウム触媒又はメタロセン触媒等、好ましくはバナジウム触媒又はメタロセン触媒、より好ましくはメタロセン触媒を使用して製造することができる。
メタロセン触媒としては、特に限定されるわけではないが、シクロペンタジエニル骨格を有する基等が配位したジルコニウム化合物などのメタロセン化合物と助触媒とを触媒成分とする触媒が挙げられる。特に、シクロペンタジエニル骨格を有する基等が配位したジルコニウム化合物などのメタロセン化合物を使用するのが、好ましい。市販品としては、日本ポリエチレン社製のハーモレックスシリーズ、カーネルシリーズ、プライムポリマー社製のエボリューシリーズ、住友化学社製のエクセレンGMHシリーズ、エクセレンFXシリーズ、ダウ・ケミカル社製のエンゲージシリーズ、エクソンモービル社製のエグザクトシリーズが挙げられる。バナジウム触媒としては、可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウムハライドとを触媒成分とする触媒が挙げられる。
製造法としては、高圧イオン重合法、気相法、溶液法、スラリー法等が挙げられる。特に、高圧イオン重合法等の高圧法を利用するのが好ましい。
(3)成分(A1)及び(A2)の特性
(i)メルトフローレート(MFR)
本発明において、成分(A1)及び(A2)のMFRは、特に限定されないが、好ましくは、MFRはJIS−K−7210に準拠して測定したときの値が、ポリエチレンについては0.1〜100g/10分(190℃、荷重21.18N)、ポリプロピレンについては1.5〜80g/10分(230℃、荷重21.18N)である。ポリオレフィン樹脂のMFRがこの範囲内であればMFRが精度良く推定できる傾向があるという利点がある。
特に、太陽電子封資材用途では、本発明で用いる成分(A1)及び(A2)は非極性ポリエチレンが好ましく、そのMFRが10〜50g/10分であり、好ましくは15〜45g/10分、さらに好ましくは20〜40g/10分である。成分(A1)及び(A2)のMFRが10g/10分未満では、分子量が高すぎて混練時に押出しが困難になり、一方、50g/10分を超えると分子量が小さいため耐熱性に劣る。なお、成分(A1)及び(A2)のMFRは、JIS−K6922−2:1997附属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定した値である。
なお、MFRは、重合時の温度、又は、エチレン及び水素等の圧力などのポリオレフィンの製造条件により調整することができる。
(ii)密度
本発明において、成分(A1)及び(A2)の密度は特に限定されないが、太陽電子封止材用用途では、本発明で用いる成分(A1)及び(A2)は非極性ポリエチレンが好ましく、その密度は好ましくは0.860〜0.920g/cmであり、さらに好ましくは0.865〜0.900g/cmである。成分(A1)及び(A2)の密度が0.860g/cm未満では、加工後のシートがブロッキングしてしまい、密度が0.920g/cmを超えると加工後のシートの剛性が高すぎて、取り扱い性に欠けるものとなり、また、透明性等に劣るものとなる。なお、成分(A1)及び(A2)の密度は、JIS−K6922−2:1997附属書(低密度ポリエチレンの場合)に準拠して測定する(23℃)。
ポリマーの密度を調節するには、例えば、α−オレフィン含有量、重合温度、触媒量など適宜調節する方法がとられる。
(4)成分(A1)の調整方法
成分(A1)はペレット状のポリオレフィン樹脂であり、成分(A1)の製造方法としては、公知の方法を用いることができる。具体的には、溶融させたポリオレフィン樹脂を押出機を用いてストランド状に押し出しカッターで切断するストランドカット法、溶融させたポリオレフィン樹脂を押出機のダイから押し出しダイ面でカットするダイカット法や、溶融させたポリオレフィン樹脂をシート状に押し出し得られたシートを切断してペレット状にするシートカット法、などがある。
また、一般的にエチレン系樹脂はペレット状で供給されるため、成分(A1)としては、エキソン・ケミカル社、及び、DEXプラストマー社製商品名「エグザクト」、ダウ・ケミカル社製商品名「エンゲージ」、住友化学社製商品名「エクセレン」、三井化学社製商品名「タフマー」などの市販の製品を用いることができる。
(5)成分(A1)の粒径
成分(A1)の粒径は、JIS−B7507で規定されたノギスによって測定した長径および短径がいずれも、1.0〜10mmであり、好ましくは、1.5〜7.5mm、さらに好ましくは、2.0〜5.0mmである。平均粒径が1.0mm未満では、扁平なため静電気等で装置内面に貼りつきやすく取り扱いが困難となり、一方、10mmを超えると、大きすぎるためスクリューへの噛み込みが困難である。
(6)成分(A2)の調整方法
成分(A2)は、粒径2830μm以下のパウダー状のポリオレフィン樹脂であり、成分(A2)の製造方法としては、上記ペレット状の成分(A1)を、室温又は冷却後、グライディング、ビクトリーミル、ウィレー粉砕機等を用いて粉砕し、所望の平均粒径を持つパウダー状の成分(A2)を得ることができる。
また、特公昭50−32110号、同52−45750号、同53−8666号、同56−18132号、同56−22444号、同61−363号、同61−26805号の公報に詳細に記載されているユニポール法では、気相流動床反応器中、特定の重合条件で平均粒径0.05〜2.0mm、嵩密度0.2〜0.5g/cm、比表面積500〜2000cm/gを持つ直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレンを製造でき、これは、粉砕することなくパウダー状の成分(A2)として使用できる。
ただし、パウダーは市販していないため、(A2)の調整方法としては、任意の購入したペレットをパウダー化して得ることが好ましい。
また、パウダー化の方法としては、有機溶剤に一旦溶解させた後再沈させて得ることも可能だが、コストの観点から機械的に粉砕することが好ましい。
(7)成分(A2)の粒径
成分(A2)の粒径分布は、JIS−K0069で規定された方法によりふるい分けを行って得られたものであり、いずれのパウダー粒径も2830μm以下である。
成分(A2)のパウダーの粒径分布については、44〜1410μmであるものが粒径2830μm以下のパウダー全体の20重量%以上、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。
2.液体添加剤(B)
本発明に用いられる液体添加剤(B)は、太陽電池封止材などに含有される液体添加物であり、以下に挙げる有機過酸化物、シランカップリング剤、架橋助剤などを挙げることができる。
(1)有機過酸化物
有機過酸化物は、主にポリオレフィン樹脂(A)を架橋するために用いられ、分解温度(半減期が1時間である温度)が70〜180℃、とくに90〜160℃の有機過酸化物を用いることが好ましい。
本発明に用いられる有機過酸化物として、例えば、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、ジクロヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。
有機過酸化物は、架橋工程における架橋効率を向上させ、太陽電池封止材の耐熱性を良好なものとするという観点から、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは0.2〜5重量部使用し、より好ましくは0.5〜3重量部、さらに好ましくは0.5〜2重量部で使用される。
(2)シランカップリング剤
シランカップリング剤は、主に封止材と太陽電池の上部保護材や太陽電池素子との接着力を向上させる目的で用いられる。
本発明に用いられるシランカップリング剤としては、例えばγ−クロロプロピルトリメトキシシラン;ビニルトリクロルシラン;ビニルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン;ビニル−トリス−(β−メトキシエトキシ)シラン;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;ビニルトリアセトキシシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。好ましくは、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、ポリオレフィン樹脂(A)に対して、好ましくは0〜5重量部使用し、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.01〜2重量部、さらに好ましくは、0.05〜1重量部で使用される。
(3)架橋助剤
また、本発明の樹脂組成物には架橋助剤を配合することができる。架橋助剤は、架橋反応を促進させ、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の架橋度を高めるのに有効であり、その具体例としては、ポリアリル化合物やポリ(メタ)アクリロキシ化合物のような多不飽和化合物を例示することができる。
より具体的には、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフ
タレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエートのようなポリアリル化合物、エチレ
ングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレートのようなポリ(メタ)アクリロキシ化合物、ジビニルベンゼン
などを挙げることができる。架橋助剤は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは、0〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部、さらに好ましくは0.5〜2重量部の割合で配合することができる。
(4)その他の添加成分
また、本発明の樹脂組成物には、さらに紫外線吸収剤、光安定化剤、その他本発明の目的を著しく損なわない範囲で、他の付加的任意成分を配合することができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系など各種タイプのものを挙げることができる。
光安定化剤としては、ヒンダードアミン系光安定化剤を配合することが好ましい。ヒンダードアミン系光安定化剤は、ポリマーに対して有害なラジカル種を補足し、新たなラジカルを発生しないようにするものである。ヒンダードアミン系光安定化剤には、低分子量のものから高分子量のものまで多くの種類の化合物があるが、従来公知のものであれば特に制限されずに用いることができる。
また、本発明に用いるエチレン系樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、本発明におけるポリオレフィン樹脂(A)以外のポリオレフィン樹脂、例えば、チーグラー系又はメタロセン系触媒によって重合されたEBR、EPR等のエチレン・α−オレフィンエラストマー若しくはSEBS、水添スチレンブロック共重合体等のスチレン系エラストマー等のゴム系化合物などを配合することもできる。
3.樹脂組成物の製造方法
(1)各成分の混合割合
成分(A1)及び(A2)の混合割合は、成分(A1)、(A2)の合計量100重量%に対して、成分(A1)30〜97重量%及び成分(A2)70〜3重量%、好ましくは、成分(A1)40〜96重量%及び成分(A2)60〜4重量%、より好ましくは、成分(A1)50〜95重量%及び成分(A2)50〜5重量%である。成分(A1)の混合割合が30重量%未満であると、成分(A2)が相対的に多くなり、生産コストを考慮した際経済的に不利であり、かつ、成分(A2)のパウダーの量が増える分、取り扱いが困難である。一方、成分(A1)の混合割合が97重量%を越えると成分(A2)が相対的に少なくなり、液体添加剤による互着が発生してしまう。
液体添加剤(B)の混合割合は、成分(A1)、(A2)の合計量100重量部に対して、1.0〜5.5重量部であり、好ましくは、2.0〜5.3重量部、より好ましくは、2.5〜5.1重量部である。液体添加剤(B)の混合割合が、1.0重量部未満であると、架橋が足りず耐熱性に欠け、一方、5.5重量部を越えると互着しやすく、ブリード、発泡、不経済である。
また、液体添加剤(B)は、ポリオレフィン樹脂(A)100gに対して、好ましくは1.0〜6.0ml、さらに好ましくは2.0〜5.5mlを混合する。液体添加剤(B)の混合量が、1.0ml未満であると、架橋が足りず耐熱性に欠け、一方、6.0mlを超えると互着しやすく、ブリード、発泡、不経済である。
(2)成分(A1)、(A2)及び(B)の混合方法
成分(A1)、(A2)及び(B)、並びに必要に応じて成分(C)及びその他の添加成分を、ヘンシェルミキサー等の混合機に入れ、均一な混合物を調整する。
各成分を混合する順番は特に限定されないが、好ましくは、パウダー状の成分(A2)と液体添加剤(B)をあらかじめ混合し、その後、得られた(A2)及び(B)の混合物と、ペレット状の成分(A1)と、を混合する。成分(A2)と液体添加剤(B)をあらかじめ混合させることにより、ペレットと混合前に液体添加剤がパウダーに付着しペレットに液体が付着しにくいため、より安定した押出し混練が可能となるからである。
例えば、各成分を一括で混合する場合は、ヘンシェルミキサーに成分(A1)、(A2)及び(B)を投入し、室温で2分間混合したり、成分(A2)及び成分(B)を予め混合する場合は、予めポリ袋を用いて成分(A2)と成分(B)を手で軽く混合した後、ヘンシェルミキサーを用いて成分(A1)と室温で2分間混合することができる。
(3)押出し混練
上記の様にして得られた成分(A1)、(A2)及び(B)の混合物を、ホッパーから押出機に投入し、押出し混練する。
押出温度範囲としては、ポリエチレン系樹脂が溶融し、かつ、液体添加剤として含有される有機過酸化物の架橋反応が開始しない温度が好ましいとの観点から、好ましくは80〜130℃、さらに好ましくは90〜120℃である。
押出温度が80℃未満であると成形は可能であるが、押出負荷が著しく増大するため生産性が大幅に低下し、一方、130℃を越えると、架橋反応が開始し、溶融樹脂がゲル化するため、押出形成が困難となる場合がある。
押出機としては、単軸押出機、二軸押出機など公知のものを用いることができるが、特に単軸押出機において、本発明の方法を好適に用いることができる。
本発明は、大量の液体添加剤をポリオレフィン樹脂と混練させる際に、一般的に混練押出機として使用されている単軸押出機を用いても、安定した混練押出しができることから、新たな押出機の購入、改造をする必要がない。従って、既存設備の有効利用という経済的効果をもたらすことは明らかである。
特に、太陽電池封止材を製造する際、多量の有機過酸化物を混練する必要があるため、本発明は有用である。
4.太陽電池封止材および太陽電池モジュールの製造方法
本発明の太陽電池封止材(以下、単に封止材ともいう)は、上記方法により、太陽電池封止材用樹脂組成物を押出し混練してペレット化、あるいはシート化したものである。
この太陽電池封止材を用いれば、太陽電池素子を上下の保護材とともに固定することにより太陽電池モジュールを製作することができる。このような太陽電池モジュールとしては、種々のタイプのものを例示することができる。例えば上部透明保護材/封止材/太陽電池素子/封止材/下部保護材のように太陽電池素子の両側から封止材で挟む構成のもの、下部基板保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子上に封止材と上部透明保護材を形成させるような構成のもの、上部透明保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子、例えばフッ素樹脂系透明保護材上にアモルファス太陽電池素子をスパッタリング等で作成したものの上に封止材と下部保護材を形成させるような構成のものなどを挙げることができる。
太陽電池素子としては、特に制限されず、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルルなどのIII−V族やII−VI族化合物半導体系等の各種太陽電池素子を用いることができる。本発明においては、基板としてガラスを用いたものが好ましい。
太陽電池モジュールを構成する上部保護材としては、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂などを例示することができる。
また、下部保護材としては、金属や各種熱可塑性樹脂フィルムなどの単体もしくは多層のシートであり、例えば、錫、アルミ、ステンレススチールなどの金属、ガラス等の無機材料、ポリエステル、無機物蒸着ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィンなどの1層もしくは多層の保護材を例示することができる。このような上部及び/又は下部の保護材には、封止材との接着性を高めるためにプライマー処理を施すことができる。本発明においては、上部保護材としてガラスが好ましい。
本発明の太陽電池封止材は、ペレットとして使用してもよいが、通常、0.1〜1mm程度の厚みのシート状に成形して使用される。0.1mmよりも薄いと強度が小さく、接着が不十分となり、1mmよりも厚いと透明性が低下して問題になる場合がある。好ましい厚さは、0.1〜0.8mmである。
シート状太陽電池封止材は、T−ダイ押出機、カレンダー成形機などを使用する公知のシート成形法によって製造することができる。例えばポリオレフィン樹脂(A)と液体添加剤(B)と、必要に応じて、架橋助剤等の他の添加剤とを予め混合して、T−ダイ押出機のホッパーから供給し、80〜130℃の押出温度において、シート状に押出成形することによって得ることができる。
太陽電池モジュールを製造するに当たっては、本発明の封止材のシートを予め作っておき、封止材の樹脂組成物が溶融する温度、例えば150〜200℃で圧着するという方法によって、前記のような構成のモジュールを形成することができる。また本発明の封止材を押出コーティングすることによって太陽電池素子や上部保護材あるいは下部保護材と積層する方法を採用すれば、わざわざシート成形することなく一段階で太陽電池モジュールを製造することが可能である。したがって本発明の封止材を使用すれば、モジュールの生産性を格段に改良することができる。
一方、太陽電池モジュールを製造する際、有機過酸化物が実質的に分解せず、かつ本発明の封止材料が溶融するような温度で、太陽電池素子や保護材に該封止材を仮接着し、次いで昇温して充分な接着とエチレン・α−オレフィン共重合体の架橋を行うこともできる。この場合は、封止材層の融点(DSC法)が85℃以上、150℃の貯蔵弾性率が10Pa以上の耐熱性が良好な太陽電池モジュールを得るために、封止材層におけるゲル分率(試料1gをキシレン100mlに浸漬し、110℃、24時間加熱した後、20メッシュ金網で濾過し未溶融分の質量分率を測定)が50〜98%、好ましくは70〜95%程度になるように架橋するのがよい。
太陽電池素子の封止作業では、太陽電池素子を上記本発明の封止材でカバーした後、有機過酸化物が分解しない程度の温度に数分から10分程度加熱して仮接着し、次に、オーブン内において有機過酸化物が分解する150〜200℃程度の高温で5分から30分間加熱処理して接着させる等の方法がある。
以下、本発明を実施例によって、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用いた評価方法及び使用樹脂は、以下の通りである。
1.樹脂物性の評価方法
(1)メルトフローレート(MFR):ポリオレフィン系樹脂のMFRは、JIS−K6922−2:1997附属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定した。
(2)密度:ポリオレフィン系樹脂の密度は、JIS−K6922−2:1997附属書(23℃、低密度ポリエチレンの場合)に準拠して測定した。
(3)平均粒径:ペレット状のポリオレフィン系樹脂の平均粒径は、JIS−B7507で規定されたノギスを用いて測定した。具体的には、ペレット20個の長径と短径を、それぞれノギスを用いて測定し、平均して求めた。
(4)ペレット重量:ペレット状のポリオレフィン系樹脂のペレット重量は、無作為にペレット50粒を選択し、その重量を精秤して1粒あたりの重量を求めた。
(3)粒子径分布:パウダー状のポリオレフィン系樹脂の粒子径分布は、JIS−K0069に準拠して測定した。乾式によりふるい分け、ぞれぞれのふるいの上に残る試料の重量を測定して求めた。
2.押出成形加工性の評価方法
(1)押出可否の判定
樹脂組成物の混合物を試験押出機で押出加工したときの、押出可否について判断した。具体的には以下の基準で評価した。
○:安定した押出混練が可能な状態
△:ホッパーへの密着があるが、ホッパーへの軽微な衝撃を与えることにより容易に解消し、安定した押出混練が可能な状態
×:ホッパーへの密着が著しく、スクリューでの滑り発生により押出量が一定ではなく、安定した押出混練が不可能な状態
3.押出成形物(シート)の評価方法
(1)HAZE
厚み0.7mmのプレスシートを用いて、JIS−K7136−2000に準拠して測定した。流動パラフィン(関東化学製)で満たしたセルにプレスシート片をセットし測定した。プレスシートは、150℃の条件で熱プレス機に30分間保管し、架橋させ準備した。HAZE値は、小さいほど良い。
(2)光線透過率
厚み0.7mmのプレスシートを用いて、JIS−K7361−1−1997に準拠して測定した。流動パラフィン(関東化学製)で満たしたセルにプレスシート片をセットし測定した。プレスシートは、150℃の条件で熱プレス機に30分間保管し、架橋させ準備した。
光線透過率は、80%以上であり、好ましくは、85%以上、さらに好ましくは90%以上である。
(3)耐熱性
150℃で30分架橋したシートのゲル分率で評価した。ゲル分率が高いほど架橋が進行しており、耐熱性が高いと評価できる。ゲル分率が70重量%以上のものを、耐熱性評価「○」とした。尚、ゲル分率は、当該シートを、約1gを切り取り精秤して、キシレン100ccに浸漬し110℃で24時間処理し、ろ過後残渣を乾燥し精秤して、処理前の重量で割りゲル分率を算出する。
4.使用原料
(1)成分(A1):ペレット状のポリオレフィン系樹脂
(A1−1):下記<PE−1の製造方法>の項に記載の方法で調整したエチレン・プロピレン・1−ヘキセン共重合体
(A1−2):エチレン・1−オクテン共重合体(DEXプラストマー社製、エグザクト8230)
(A1−3):エチレン・1−オクテン共重合体(ダウ・ケミカル社製、エンゲージ8401)
これらの物性を表1に示す。
<PE−1の製造方法>
(i)触媒の調製
特開平10−218921号公報に記載された方法で調製した錯体「rac−ジメチルシリレンビスインデニルハフニウムジメチル」0.05モルに、等モルの「N,Nジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート」を加え、トルエンで50リットルに希釈して触媒溶液を調製した。
(ii)重合方法
内容積5.0リットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器を用い、反応器内の圧力を80MPaに保ち、エチレンを34.4重量%、プロピレンを26.3重量%、1−ヘキセンを39.2重量%となるように40kg/時の割合で原料ガスを連続的に供給した。また、上記「(i)触媒の調整」の項に記載の触媒溶液を連続的に供給し、重合温度が213℃を維持するようにその供給量を調整した。1時間あたりのポリマー生産量は約3.9kgであった。反応終了後、プロピレン含有量が12.1重量%、1−ヘキセン含有量が11.3重量%、MFRが30g/10分、密度が0.880g/cmであるエチレン・プロピレン・1−ヘキセン共重合体(PE−1)を得た。
(iii)ペレット製造方法
エチレン・プロピレン・1−ヘキセン共重合体(PE−1)を十分に混合し、40mmφ単軸押出機(三鈴エリー製、MK−40)を用いて設定温度130℃、押出量(17kg/時)の条件でペレット化した。
Figure 2014189633
(2)成分(A2):バウダー状のポリエチレン系樹脂の調整方法
(A2−1):ペレット−1を粉砕機(吉田製作所社製、ウイレー氏実験場用粉砕機1029型)を用いてドライアイスとともに粉砕し、平均粒径0.7mmのパウダー状の樹脂(A2−1)を得た。
(A2−2):直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)製造装置から抜き取ってLLDPE粉末(A2−2)を得た。
(A2−3):高密度ポリエチレン(HDPE)製造装置から抜き取ってHDPE粉末(A2−3)を得た。
これらのパウダーの物性を表2に示す。
Figure 2014189633
(3)液体添加剤(B)
(B1)有機過酸化物:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(アルケマ吉富社製、ルペロックス101)
(B2)シランカップリング剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM503)
(B3)架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート(日本化成社製、タイク)
5.実施例及び比較例
(実施例1〜12、比較例1〜7、参考例1)
表3に示す混合割合で、成分(A1)、(A2)に対して(B1)、(B2)、(B3)を混合した。
実施例2、4、比較例2〜8では、予めポリ袋を用いて成分(A2)と(B1)(B2)(B3)を手で軽く混合した後、ヘンシェルミキサーを用いて成分(A1)と室温で2分間混合した。
実施例1、3、5〜12では、ヘンシェルミキサーに成分(A1)(A2)(B1)(B2)(B3)を投入し、室温で2分間混合した。
比較例1および参考例1では、ヘンシェルミキサーを用いて成分(A1)(B1)(B2)(B3)を室温で2分間混合した。
参考例1を除いて、各成分を混合後、40mmφ単軸押出機(三鈴エリー製、MK−40)を用いて設定温度130℃、押出量17kg/時の条件でペレット化し、押出可否を評価した。評価結果を表3に示す。
得られたペレットを用いて前記の方法によりプレスシートを作成し、HAZE、光線透過率、耐熱性を評価した。評価結果を表4に示す。比較例1〜7では押出不可であり、ペレットが得られなかったのでHAZE、光線透過率、耐熱性の評価は実施できなかった。
参考例1のみ、各成分を混合後、35mmφ二軸押出機(東芝機械製、TEM35B)を用いて、設定温度120℃、押出量10kg/時の条件でペレット化し、同様に押出可否とHAZE、光線透過率、耐熱性を評価した。
Figure 2014189633
Figure 2014189633
6.評価
実施例1では、パウダーの量が5重量パーセントであり、押出時にホッパー内での弱い密着が見られた。それに対して、実施例2は実施例1と同じ配合比であるが、事前にパウダーと液体添加剤を混合したことにより、押出時にホッパー内での密着は見られず、問題なく安定した押出が可能であった。
実施例3〜6は、実施例1、2に比べて、ペレットの量に対するパウダー量が多く、問題なく安定した押出が可能であった。
実施例7、8では、(A1)として、ペレット−1の代わりにそれぞれペレット−2、ペレット−3を使用したが、問題なく安定した押出が可能であった。
実施例9では、(A1)と(A2)100g当たりの総液体量を5.0mLにしても問題なく安定した押出が可能であった。
実施例10では、安定した押出が可能だったが、有機過酸化物の量が少なかったため、ゲル分率が低く耐熱性に欠け、太陽電池封止材としては好ましくないことを示している。
実施例11、12では、パウダーとして製造装置から抜き取ったパウダーを用いたところ、安定した押出が可能だったが、密度が高かったため、透明性(HAZEおよび光線透過率)が実施例1〜9よりも悪化したことを示している。
以上の結果より、実施例1〜12では、液体添加剤を含むにもかかわらず単軸押出機で樹脂組成物を製造することが可能であった。さらに実施例1〜9の樹脂組成物から得られるシートのHAZE、光線透過率、耐熱性はいずれも良好であった。
これらに対して、比較例1では、パウダーがなくペレットのみに液体添加剤を混合したため、押出時にホッパー内で著しい密着が見られ、またスクリューとの滑りが発生してしまい、押出量も安定しなかった。
比較例2〜7では、液体添加剤の量に対するパウダーの量が少なく、安定した押出ができなかった。
参考例1では、パウダーを用いなかったが、二軸押出機を用いたため、問題なく混合物は押出機に供給され、安定した押出が可能だったことを示している。
本発明は、ポンプやフィーダー等を用いずに、ポリオレフィン系樹脂および液体添加物を押出し混練しても、安定して樹脂組成物を製造できる。特に、太陽電池封止材及び太陽電池モジュールの製造に適しており、また、IC(集積回路)の封止材の製造にも用いることができる。

Claims (14)

  1. 下記の成分(A1)30〜97重量%及び成分(A2)70〜3重量%並びに成分(A1)と成分(A2)との合計量100重量部に対して、液体添加剤(B)1.0〜5.5重量部を混合し、押出し混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
    (A1)JIS B 7507で規定されたノギスによって測定した長径及び短径がいずれも1.0〜10mmである、ペレット状のポリオレフィン樹脂。
    (A2)JIS K 0069で規定されたふるい分け法で測定した粒径が2830μm以下である、パウダー状のポリオレフィン樹脂。
  2. 押出し混練が樹脂温度80〜130℃で行われることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
  3. 液体添加剤(B)が有機過酸化物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 成分(A1)及び(A2)が非極性ポリエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3に記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. 成分(A1)及び(A2)がメタロセン触媒によって製造されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  6. 成分(A1)及び(A2)が、エチレンと、少なくとも一種以上のα−オレフィンを含むポリエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  7. 成分(A2)が成分(A1)を粉砕して得られたポリエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  8. 液体添加剤(B)が液体の架橋助剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  9. 液体添加剤(B)がシランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  10. あらかじめ成分(A2)を液体添加剤(B)と混合し、得られた混合物を次に成分(A1)と混合した後、押出し混練することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  11. 押出し混練が単軸押出し機によって行われることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  12. 成分(A1)及び(A2)が下記(a1)〜(a2)の特性を有するポリエチレン系樹脂であり、液体添加物(B)が、成分(A1)と成分(A2)との合計量100重量部に対して、有機過酸化物0.5重量部以上を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
    (a1)メルトフローレート(MFR)が10〜50g/分
    (a2)密度が0.860〜0.920g/cm
  13. 請求項12に記載の方法で製造された樹脂組成物を用いてなる太陽電池封止材。
  14. 請求項13に記載の太陽電池封止材を用いた太陽電池モジュール。
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