JP2014189559A - 生分解性ポリオキシエチレン誘導体の製造方法 - Google Patents

生分解性ポリオキシエチレン誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】末端にポリ乳酸を含むポリオキシエチレン化合物を用いて高純度の生分解性ポリオキシエチレン誘導体を工業的規模で得ることの可能な製造方法の提供。
【解決手段】式(1)
Figure 2014189559

の生分解性ポリオキシエチレン化合物と、無水コハク酸又は無水グルタル酸とを、酢酸ナトリウム存在下で、トルエンを溶媒として60〜120℃にて反応させることによって、末端にカルボキシル基を有する生分解性ポリオキシエチレン誘導体を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、生分解性ポリオキシエチレン誘導体の製造方法に関する。
近年、組織工学やドラッグデリバリーシステム(DDS)等への利用を目的とし、様々な生体適合性材料の需要が増大している。例えば、薬物やポリペプチド等の生理活性物質を親水性ポリマーであるポリエチレングリコール等で修飾することにより、副作用を低減し、血中滞留性を向上させる方法が検討されている。また、細胞足場、薬物放出デバイス、縫合糸・骨固定剤、止血剤、組織癒着防止剤等の用途として、複数の成分をゲル形成させた架橋ポリマー組成物の開発、研究が行われている。
このような架橋ポリマー組成物として、例えば、1級アミノ基もしくはチオール基等の複数の求核性基を含む合成ポリペプチドまたはポリエチレングリコール誘導体とN−ヒドロキシスクシンイミジル基のような求電子性基を有する親水性または疎水性ポリマー誘導体を混合し形成させたハイドロゲル等がある。
架橋ポリマーから形成されるゲルがその機能を十分に発揮するためには、混合するポリマー誘導体が互いに等しく反応し、均一な三次元網目構造を形成する必要があり、それゆえ反応性官能基のポリマーへの高い導入率が重要となる。
さらに、生体内への埋植やターゲット部位での薬物の徐放後、酵素的または非酵素的に加水分解を受け、無毒な成分に分解、代謝、吸収させる目的として、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等の生分解性ポリマーや、それらを生分解性部位としてポリエチレングリコール等に導入したコポリマーが注目され、広く利用されている。
このような生分解性部位を有するポリマーに反応性官能基を導入したポリマー誘導体について、高純度で、かつ工業的規模で得ることの可能な製造方法を確立することは非常に重要である。
生分解性部位を有するポリマー誘導体を高純度で得る方法として、分取液体クロマトグラフィーによる精製があるが、官能基数の異なるポリマー誘導体は、構造によってはその物性が類似したものであるために、目的物との分離、除去が困難なものが多く、除去が可能な場合も収率の低下などの問題が発生するため、工業的規模での方法として効率的ではない。また、再結晶や晶析による精製においては、高収率でポリマー誘導体を得ることが可能であるが、同様に、官能基数の異なるポリマー誘導体を除去することは困難である。
したがって、生分解性部位を有する高純度のポリマー誘導体を工業的規模で得るためには、反応工程において、高い官能基導入率を達成することが重要である。
生分解性部位を有するポリマー誘導体の製造方法として、例えば、特許文献1には、ポリヒドロキシ酸−ポリオキシエチレンをトリエチルアミン存在下にアクリル酸クロリドと反応させた、アクリル−ポリヒドロキシ酸−ポリオキシエチレンの製造方法が報告されているが、副生するトリエチルアミン塩酸塩の濾過が非常に遅く濾面上で冷却され固化し、濾過できなくなるという問題があり、かかる観点から、工業的な製造には不向きである。
また、官能基の導入反応においては、使用する触媒の種類によっては生分解性部位の結合が切断されるため触媒を選択する際に制約を受ける。特にポリ乳酸のような末端に2級水酸基を有するものについては、1級水酸基を有するものに比べて反応性が低く、そのため高純度のポリマーを得るためには、触媒の選択が特に重要となる。
特許文献2においては、末端に2級水酸基を有する、ペンタエリスリトール ポリオキシエチレン−ポリラクチドを炭酸カリウム存在下、無水グルタル酸と反応させた、ペンタエリスリトール ポリオキシエチレン−ポリラクチド−テトラグルタレートの製造方法が報告されている。
米国特許第5410016号明細書 特開2008−106269号公報
しかし、特許文献2記載の製法では、反応時間を長くするのにつれて、初期には官能基導入率が上がっていくが、ある程度官能基導入率が上がったところで限界に達する。その時点を過ぎて反応時間を延長すると、生分解性部位の結合が切断され、官能基導入率の低下が見られることが判明した。
それゆえ高純度のポリマー誘導体を得るためには、切断が起こる前に反応を終了させる必要がある。しかし、このような不均一系においては、バッチスケール、撹拌速度等の要因により反応挙動が変化する場合があるため、ラボスケール実験時に設定した、生分解性部位が切断されない最適な反応時間の再現性が得られない可能性があり、工業的規模での製造の際には純度低下の懸念がある。したがって、反応工程中に生分解性部位が切断されず、工業的規模においても安定して高純度を維持することが可能であるポリマー誘導体の製造方法の創製が望まれる。
本発明の課題は、末端にポリ乳酸を含むポリオキシエチレン化合物を用いて高純度の生分解性ポリオキシエチレン誘導体を工業的規模で得ることの可能な製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記式(1)で示される生分解性ポリオキシエチレン化合物と、式(I)で示される化合物との反応を、酢酸ナトリウム存在下、トルエン中60〜120℃にて行うことで、従来の上記問題を生ずることなく下記式(2)で示される高純度の生分解性ポリオキシエチレン誘導体を工業的規模で得ることの可能な製造方法を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1] 下記式(1)で示される生分解性ポリオキシエチレン化合物(以下、化合物(1)という)と、下記式(I)で示される化合物(以下、化合物(I)という)とを酢酸ナトリウム存在下で、トルエンを溶媒とし60〜120℃にて反応させることを特徴とする、下記式(2)で示される生分解性ポリオキシエチレン誘導体(以下、化合物(2)という)の製造方法。
Figure 2014189559
(式(1)中、Zは1〜8個の水酸基を有する化合物の残基を示し、mは1〜2000であり、nは1〜20であり、kは1〜8である。)
Figure 2014189559
(式(I)中、tは1〜2である。)
Figure 2014189559
(式(2)中、Zは1〜8個の水酸基を有する化合物の残基を示し、mは1〜2000であり、nは1〜20であり、kは1〜8であり、Gは前記式(I)で示される化合物の前記反応に由来する残基を示す。)
[2] tが2である、上記[1]記載の製造方法。
[3] nが1〜4である、上記[1]又は[2]記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、反応触媒として酢酸ナトリウムを使用することで、生分解性部位の切断による官能基導入率の低下は起こらず、反応工程中、安定して高純度を維持することが可能である。したがって、本発明の製造方法は、バッチスケール等の要因により反応挙動が変化する可能性のある工業的規模での製造に有利であり、従来よりも高品質の生分解性ポリオキシエチレン誘導体を安定して提供することができる。
本明細書において、式(1)または(2)におけるZは、1〜8個の水酸基を有する化合物の残基を示しており、その構造は直鎖状、分岐状及び環状のいずれの形態であってもよい。すなわち、「1〜8個の水酸基を有する化合物」の化学式は、Z(OH)(k=1〜8)であり、kは、「1〜8個の水酸基を有する化合物」が有する水酸基の数である。「1〜8個の水酸基を有する化合物の残基」とは、化合物Z(OH)の水酸基を除いた残りの部分で構成される官能基を意味する。
「1〜8個の水酸基を有する化合物」(Z(OH))としては、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン等のポリグリセリン化合物や、メタノール等の炭素数が1〜6の1価アルキルアルコール、エチレングリコール等の2価アルコール、グリセリン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール等が挙げられる。1価アルキルアルコールにおいては、中でもメタノール、エタノール、2−メチル−2−プロパノールが好ましく、メタノールがより好ましい。
mはオキシエチレン基の平均付加モル数である。mは1〜2000であり、20〜1000が好ましい。
m×kは20〜1000が好ましく、100〜500が特に好ましい。
nは生分解性部位であるポリ乳酸の平均重合度である。nは1〜20であり、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
化合物(I)について、具体的には、下記式(I−1)で示される無水コハク酸(t=1である)または下記式(I−2)で示される無水グルタル酸(t=2である)であり、無水グルタル酸が好ましい。
Figure 2014189559
Gは、化合物(I)の化合物(1)との反応に由来する残基を示すが、下記式(i)で示される基が挙げられる。式中、tは上記定義と同義である。
Figure 2014189559
本発明の製造方法で使用する化合物(1)は、ポリオキシエチレンの水酸基に3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンのモノマーが付加した、ブロック共重合体である。化合物(1)の生分解性部位は、ポリ乳酸である。なお、ポリ乳酸中の不斉炭素の立体配置は特に限定はなく、S(ポリ(L−乳酸))、R(ポリ(D−乳酸))、あるいは両者の任意の混合物であってもよい。
化合物(1)は公知の方法により製造できるが、例えば、ポリオキシエチレン誘導体を有機溶媒中、オクチル酸錫(2−エチルヘキサン酸錫)存在下、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンのモノマーを重合させ、その後、晶析等を行うことによって製造することができる。
本発明においては、化合物(1)を酢酸ナトリウム存在下に化合物(I)と反応させる。その場合、これらの化合物を全て投入し反応させてもよいが、化合物(1)に酢酸ナトリウム存在下、化合物(I)を加えて反応させることが好ましい。また、化合物(1)は吸水性を有するため、反応前に十分に脱水処理を行うことが望ましい。なお、かかる観点から、使用する酢酸ナトリウムは水和物でなく、無水物であることが好ましい。
酢酸ナトリウムの使用量は、そのモル数を化合物(1)の水酸基のモル数よりも過剰に使用した場合、生分解性部位が切断される恐れがある。また、ポリ乳酸の末端は反応性の低い2級水酸基であるため、酢酸ナトリウムのモル数が化合物(1)の水酸基のモル数よりも小さい場合、官能基の導入率は低くなり、高純度の目的物を得ることができない。
かかる観点から、酢酸ナトリウムの使用量は、全水酸基当量、すなわち、「化合物(1)の1モル当たりの水酸基数×化合物(1)のモル数」に対して、1〜100倍モルが好ましく、1〜50倍モルがより好ましく、1〜20倍モルが更に好ましい。
化合物(1)と、化合物(I)との仕込み量は、化合物(I)が過剰となるように設定するのが望ましい。なぜなら、化合物(I)が過剰である場合には後述の精製工程において未反応物を簡便に除去することが可能であるが、化合物(1)が過剰である場合には未反応の化合物(1)が残存するため、晶析等の方法により除去することが困難になり、高純度の目的物を得ることができない。
かかる観点から、化合物(1)と、化合物(I)の仕込みモル比は、全水酸基当量、すなわち、「化合物(1)の1モル当たりの水酸基数×化合物(1)のモル数」に対して、1〜100倍モルが好ましく、1.1〜50倍モルがより好ましい。
反応溶媒であるトルエンの使用量は、化合物(1)に対して、0.1〜100質量倍が好ましく、1〜20質量倍がより好ましい。
反応温度は60〜120℃であり、80〜120℃が好ましい。反応時間は1時間以上が好ましく、3時間以上が更に好ましい。また、反応時間を長くしても分解が生じにくいので、反応時間の上限は特にないが、生産効率の観点からは、50時間以下が好ましく、20時間以下が更に好ましい。
このようにして、化合物(1)と化合物(I)とを結合させ、所望の官能基が導入された、高純度の化合物(2)を生成させることができる。
反応終了後、精製工程を行う。すなわち、濾過により反応液から酢酸ナトリウムを除去した後、濾液を濃縮又は貧溶媒に投入して結晶化するなどの工程を行う。これにより、高収率で化合物(2)を得ることができる。
濾過に使用する濾材は、被処理液の不溶物を除去することができるものであれば特に制限はなく、通常は保留粒子細孔径が1〜10μmで耐溶媒性を有する紙、ガラス等の各種の材質のフィルターを使用することができる。濾過方法には制限なく、例えば、減圧濾過、加圧濾過、遠心濾過等の方法を用いることができる。
なお、得られた濾液を冷却するだけでも結晶化させることができるが、溶媒の種類によって化合物(2)が十分に析出せず溶液中に残存し、収率が低下する可能性がある。そのため、濾液に貧溶媒を用いて、好ましくは10℃以下に冷却すれば十分に結晶化させることが可能になり、良好な収率で結晶を得ることができる。また、蒸留等により有機溶媒を除去して結晶化してもよく、必要により再結晶、再沈殿や晶析等を行なってもよい。
結晶化に使用する有機溶媒として、過剰に存在する未反応の化合物(I)を除去できる溶媒が好ましく、目的物である化合物(2)を溶解するが、化合物(I)を溶解しないか、あるいは溶解度の低い溶媒が特に好ましい。例えば、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、クロロホルム、アセトニトリル等が挙げられ、これらは化合物(2)の良溶媒である。
これらの良溶媒で結晶化する場合、溶解温度は0〜120℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。
有機溶媒の使用量は結晶に対して、好ましくは1〜100質量倍、より好ましくは2〜50質量倍である。
また、結晶化する場合、良溶媒のみに溶解した後、冷却して結晶化させてもよいし、貧溶媒を加えて結晶化させてもよい。良溶媒に溶解後、貧溶媒を加えて結晶化させる場合、目的物である化合物(2)のみを結晶化させ、未反応の化合物(I)を混合溶媒に溶解させたままの状態にすることの可能な溶媒比率にするのが好ましい。なお、溶媒比率は使用する溶媒により適宜選択することができる。
結晶化の具体的な方法として、以下の方法を挙げることができる。
(A) 反応液を濾過し、酢酸ナトリウムを除去した後の溶液を、そのまま冷却するか、あるいは濾過後の溶液に少なくとも1種の溶媒、すなわち、良溶媒である酢酸エチル、アセトン、トルエン等を加えて溶解した後、冷却することにより目的物である化合物(2)を析出させる。
但し、この方法の場合、溶媒の種類や化合物(1)の分子量が3000以下であるような場合には、化合物(2)が十分に結晶化しない場合がある。
(B) 反応液を濾過し、酢酸ナトリウムを除去した後の溶液に、貧溶媒であるエーテル又は炭素数5〜8の脂肪族炭化水素を用いて化合物(2)の結晶を析出させるか、あるいは濾過後の溶液に、良溶媒である酢酸エチル、アセトン、トルエン等を加えて溶解した後、貧溶媒であるエーテル又は炭素数5〜8の脂肪族炭化水素を用いて化合物(2)の結晶を析出させる。
(C) 反応液を濾過し、酢酸ナトリウムを除去した後の溶液に、目的物である化合物(2)が析出しない量の貧溶媒であるエーテル又は炭素数5〜8の脂肪族炭化水素の溶媒を組み合わせて溶解した後、冷却するか、あるいは濾過後の溶液に、少なくとも1種の良溶媒である酢酸エチル、アセトン、トルエン等を加え、目的物である化合物(2)が析出しない量の貧溶媒であるエーテル又は炭素数5〜8の脂肪族炭化水素の溶媒を組み合わせて溶解した後、冷却する。
このように、目的物である化合物(2)を高収率で得るには、化合物(1)の分子量や、使用する化合物(I)に応じて、上記(A)〜(C)の方法、溶媒の種類、温度等を適宜選択すればよい。
なお、貧溶媒として使用する炭素数5〜8の脂肪族炭化水素は特に制限がなく、例えば、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、3−メチルペンタン、ネオヘキサン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,3,3−トリメチルブタン、オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、3−エチルヘキサン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、2−メチル−3−エチルペンタン、3−メチル−3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3,3−テトラメチルブタン等を使用することができる。中でも、ヘキサン、ヘプタンが好ましい。
本発明の方法により製造された化合物(2)は、公知の方法を用いて、活性基であるGを、さらに官能基変換することができる。例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドとDCC(1,1‘−ジシクロヘキシルカルボジイミド)を用いて、N−ヒドロキシスクシンイミド化でき、さらにはアミノ基等を有する化合物と反応させることができる。
例えば、化合物(2)のGはこれらの官能基変換を行うことにより、末端がチオール基、アミノ基、アセタール基、アルデヒド基等の化合物に変換することができる。
本発明の方法により製造された化合物(2)及びその誘導体は、ゲル化等により架橋ポリマーを形成することが可能であり、医療分野において、薬物放出デバイス、縫合糸・骨固定剤、止血剤、組織癒着防止剤等に使用することができる。また、血中滞留性を高め、ターゲット部位での薬剤の徐放を目的とするポリマーとして使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の化合物の同定にはH−NMR、また実施例1及び比較例1における純度分析にはイオン交換HPLCを用いた。
H−NMRの分析方法>
H−NMR分析では、日本電子データム(株)製JNM−ECP400及びJNM−ECA600を用いた。後述のNMR測定における積分値には、理論値を記載した。
<イオン交換HPLCの分析方法>
イオン交換HPLC分析では、HPLCシステムとしてWaters Allianceを用いて下記条件にて測定を行った。
Waters Alliance
展開溶媒:20mMギ酸アンモニウム緩衝液(pH8.0)
流速:1.0mL/min
カラム:Asahipak ES−502N(旭化成)
カラム温度:30℃
検出器:RI
サンプル量:10mg/g、20μL
(製造例1)
ペンタエリスリトール ポリオキシエチレン−ポリラクチドの合成(Z=ペンタエリスリトール脱水酸基残基、m=約56、n=約3(平均重合度)、分子量約10000の場合)
温度計、窒素吹き込み管、撹拌機、Dean−stark管、及び冷却管を付した5L丸底フラスコへ、ペンタエリスリトール ポリオキシエチレン1200g(SUNBRIGHT PTE−10000(0.12mol,日油製))、トルエン1200gを仕込み、加熱還流させ、トルエン180gと水分を共沸除去した。反応液を50℃に降温し、28% 2−エチルヘキサン酸錫13.7g、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン103g(0.72mol)を加え、110℃に昇温後5時間反応させた。反応終了後、反応液を30℃に降温し、トルエン3600gで希釈した後、不溶物をろ過し、ヘキサン3600gを加え結晶を析出させた。析出した結晶を濾取し、結晶に酢酸エチル7200gを加えて加温溶解後、ヘキサン3600gを加えて再度結晶化させた。この晶析操作を合計2回繰り返した。結晶をヘキサン7200gにて洗浄し、濾取、乾燥し、下記に示すペンタエリスリトール ポリオキシエチレン−ポリラクチド(p1)を得た。なお、ポリ乳酸の平均重合度nについては、δ3.40-3.90(ppm)のピーク積分値を理論値と一致させ、δ1.45-1.61(ppm)のピーク積分値を12で割ることにより求めることができる。
H−NMR(CDCl3 , 内部標準TMS) δ(ppm):
1.45-1.61(36H,m,-CH(CH 3 )O-)、3.40-3.90(899H,m,-(CH 2 CH 2 O)m-,-C-CH 2 -O-)、4.20-4.40(12H,m,-CH 2 OC(=O)-,-CH(CH3)-OH)、5.08-5.23(8H,m,-CH(CH3)O-)
Figure 2014189559
(実施例1)
ペンタエリスリトール ポリオキシエチレン−ポリラクチド−テトラグルタレートの合成(Z=ペンタエリスリトール脱水酸基残基、m=約56、n=約3(平均重合度)、分子量約10000の場合)
温度計、窒素吹き込み管、撹拌機、Dean−stark管、及び冷却管を付した500mL丸底フラスコへ、製造例1で得られたペンタエリスリトール ポリオキシエチレン−ポリラクチド(p1)60g(57mmol)、トルエン150gを仕込み、加熱還流させ、トルエン30gと水分を共沸除去した。反応液を45℃に降温し、酢酸ナトリウム5.6g(68mmol)、無水グルタル酸13g(0.11mol)を加え、110℃に昇温後、3、6、9時間それぞれ反応させた。反応終了後、反応液を40℃に降温し、トルエン120gで希釈した後、不溶物をろ過し、ろ液を酢酸エチル120gで希釈した後、ヘキサン240gを加え結晶を析出させた。析出した結晶を濾取し、結晶に酢酸エチル360gを加えて加温溶解後、ヘキサン180gを加えて再度結晶化させた。この晶析操作を合計3回繰り返した。結晶をヘキサン360gにて洗浄し、濾取、乾燥し、下記に示すペンタエリスリトール ポリオキシエチレン−ポリラクチド−テトラグルタレート(p2)を得た。
H−NMR(CDCl3 , 内部標準TMS) δ(ppm):
1.45-1.61(36H,m,-CH(CH 3 )O-)、1.97(8H,quint,-C(=O)CH2CH 2 CH2C(=O)-)、2.47(16H,m,-C(=O)CH 2 CH2CH 2 C(=O)-)、3.40-3.90(899H,m,-(CH 2 CH 2 O)m-,-C-CH 2 -O-)、4.20-4.40(8H,m,-CH 2 OC(=O)-)、5.08-5.23(12H,m,-CH(CH3)O-)
Figure 2014189559
(比較例1)
ペンタエリスリトール ポリオキシエチレン−ポリラクチド−テトラグルタレートの合成(Z=ペンタエリスリトール脱水酸基残基、m=約56、n=約3(平均重合度)、分子量約10000の場合)
温度計、窒素吹き込み管、撹拌機、Dean−stark管、及び冷却管を付した100mL丸底フラスコへ、製造例1で得られたペンタエリスリトール ポリオキシエチレン−ポリラクチド(p1)10g(1.0mmol)、トルエン35gを仕込み、加熱還流させ、トルエン15gと水分を共沸除去した。反応液を45℃に降温し、炭酸カリウム11g(76mmol)、無水グルタル酸3.0g(26mmol)を加え、110℃に昇温後、3、6、9時間それぞれ反応させた。反応終了後、反応液を40℃に降温し、不溶物をろ過し、ろ液を酢酸エチル10gで希釈した後、ヘキサン50gを加え結晶を析出させた。析出した結晶を濾取し、結晶に酢酸エチル50gを加えて加温溶解後、ヘキサン50gを加えて再度結晶化させた。この晶析操作を合計2回繰り返した。結晶をヘキサン50gにて洗浄し、濾取、乾燥し、ペンタエリスリトール ポリオキシエチレン−ポリラクチド−テトラグルタレート(p2)を得た。
H−NMR(CDCl3 , 内部標準TMS): 実施例1に同じ。
(イオン交換HPLC分析による純度の算出)
実施例1及び比較例1の各反応時間において得られた化合物(p2)について、イオン交換HPLCを測定した。得られたクロマトグラムにおける、総ピーク面積に対する保持時間約14分のピークエリア比%によって純度(4官能導入率)を算出した。それぞれの測定結果を表1に示す。
Figure 2014189559
表1より、実施例1では反応時間を延長しても4官能導入率は一定であったのに対し、比較例1における4官能導入率は、反応時間に大きく依存する結果となった。すなわち、本発明での酢酸ナトリウムを触媒に用いた製造方法においては、官能基導入率の低下は起こらず、反応工程中、安定して高純度を維持することが示された。

Claims (3)

  1. 下記式(1)
    Figure 2014189559
    (式(1)中、Zは1〜8個の水酸基を有する化合物の残基を示し、mは1〜2000であり、nは1〜20であり、kは1〜8である。)で表される生分解性ポリオキシエチレン化合物と、
    下記式(I)
    Figure 2014189559
    (式(I)中、tは1〜2である。)で表される化合物とを、酢酸ナトリウム存在下で、トルエンを溶媒として60〜120℃にて反応させることによって、下記式(2)
    Figure 2014189559
    (式(2)中、Zは1〜8個の水酸基を有する化合物の残基を示し、mは1〜2000であり、nは1〜20であり、kは1〜8であり、Gは前記式(I)で示される化合物の前記反応に由来する残基を示す。)で表される生分解性ポリオキシエチレン誘導体を得ることを特徴とする、生分解性ポリオキシエチレン誘導体の製造方法。
  2. tが2である、請求項1記載の製造方法。
  3. nが1〜4である、請求項1または2記載の製造方法。
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