JP5277599B2 - 生分解性ポリオキシアルキレン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]下記一般式(1)で表される生分解性ポリオキシアルキレン化合物(以下、化合物(1)という)と、下記式(I)〜(IV)で表される化合物(以下、化合物(I)〜(IV)という)とをアルカリ性固体塩存在下に反応させる、下記一般式(2)で表される生分解性ポリオキシアルキレン誘導体(以下、化合物(2)という)の製造方法。
[3]k1が0である、上記[1]又は[2]記載の製造方法。
[4]k2が0である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]k1、k3がそれぞれ1≦k1≦4、1≦k3≦2である、上記[4]記載の製造方法。
[6]アルカリ性固体塩が炭酸カリウム又は酢酸カリウムである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]式(I)で表される化合物が下記式(I−1)で表される化合物である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。式中、tは1〜2である。
先ず、本明細書において使用する、各式中の記号の定義を説明する。
Zは2〜10個の水酸基を有する化合物の残基を示すが、その構造は直鎖状、分岐状及び環状のいずれの形態であってもよい。
本明細書において、2〜10個の水酸基を有する化合物の残基とは、該化合物の水酸基を置換する全ての基(k1、k2及びk3で括られた括弧部分)を除いた残りの部分で構成される基を意味する。
2〜10個の水酸基を有する化合物としては、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン等のポリグリセリン化合物や、エチレングリコール等の2価アルコール、グリセリン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール等の4価アルコール等を挙げることができる。中でも、水酸基数が2〜8のアルコールが好ましく、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールがより好ましい。
また、Yは炭素数1〜6のアルキレン基、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)(CH2)p−、−C(=O)(CH2)qC(=O)O−、−(CH2)2NHC(=O)(CH2)2−、−(CH2)3NHC(=O)(CH2)2−から選択される基であってもよい。炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、トリメチレン基、イソブチレン基、シクロブチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基、ヘキサメチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられ、直鎖状、分岐状及び環状のいずれの形態であってもよい。中でも、炭素数が1〜3である、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、トリメチレン基等が好適である。
Yが−C(=O)(CH2)p−基である場合、pは1≦p≦5であるが、好ましくは1≦p≦2である。また、Yが−C(=O)(CH2)qC(=O)O−基である場合、qは2≦q≦3である。
Yとしては、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、トリメチレン基、−(CH2)2NHC(=O) (CH2)2−、−(CH2)3NHC(=O)(CH2)2−、−C(=O)(CH2)qC(=O)O−が好適である。
ペンチル基、シクロへキシル基等が挙げられ、直鎖状、分岐状及び環状のいずれの形態であってもよい。中でも、メチル基、エチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好適であり、特にメチル基が好適である。
(AO)m1〜3で表されるポリオキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン基は1種のみでもよいが、2種以上のオキシアルキレン基が組み合わされていてもよい。2種以上のオキシアルキレン基が組み合わされる場合、組み合わせ方は特に限定されず、ポリオキシアルキレン基はブロック状であってもランダム状であってもよい。また、全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基の含有比率が低いと水溶性が低下する場合があるので、全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基の含有比率を50〜100モル%とすることが好ましい。
m1、m2はそれぞれ独立に5〜2000であるが、好ましくは30〜1000である。m3は0〜2000であるが、好ましくは0〜1500である。なお、m1、m2及びm3は、アルキレンオキシドの平均付加モル数を示す。
また、[−C(=O)(CH2)n1O(CH2CH2O)n2−]及び[−C(=O)CH(CH3)O−]はブロック状に結合していることが好ましい。
b=0である場合は末端に2級水酸基を有するが、かかる2級水酸基は反応し難いため所望の官能基を導入することが困難になる。本発明においては、そのような場合においても所望の官能基を導入できる点で特に有効である。
本発明に係る化合物(2)を、ゲル化等により架橋ポリマーを形成し、薬物放出デバイス、縫合糸・骨固定剤、止血剤、組織癒着防止剤等に使用する場合には、k1=k2=0、2≦k3≦10の化合物が好ましく、より好ましくは4≦k3≦8である。また、この場合、a及びbはそれぞれ、1≦a≦300、0≦b≦300、2≦a+b≦300であることがより好ましく、1≦a≦50、0≦b≦50、4≦a+b≦50であることが更に好ましい。
一方、本発明に係る化合物(2)を、血中滞留性を高め、ターゲット部位での薬剤の徐放を目的とするポリマーとして使用する場合には、1≦k1≦4、1≦k2≦4、1≦k3≦2の化合物が好ましく、より好ましくは2≦k1≦4、2≦k2≦4、1≦k3≦2であり、更に好ましくはk1=2、k2=2、k3=1である。また、この場合、a及びbは、1≦a≦9、0≦b≦9であることが好ましく、1≦a≦5、b=0であることがより好ましい。
また、E1とE2とが一緒になって形成されるアルキレン基としては、炭素数1〜5のアルキレン基が好適であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、1,1’−ジメチルエチレン等の直鎖状、分岐状のものが挙げられる。中でも、エチレン基、トリメチレン基、イソプロピレン基等の炭素数1〜3のアルキレン基が好適である。
本発明の製造方法で使用する化合物(1)は、例えば、ポリオキシエチレンの水酸基に3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、カプロラクトン、1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、1,4−ジオキサン−2オン等のモノマーが付加した、ランダム共重合体又はブロック共重合体である。化合物(1)がランダム共重合体の場合、生分解性部位を有する分子鎖の末端には1級水酸基又は2級水酸基を有しており、すなわち末端に1級水酸基又は2級水酸基する化合物の混合物となる。また、化合物(1)の生分解性部位は、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸から選択される少なくとも1種である。
具体的には、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、酢酸塩等が挙げられ、具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素二カリウム、炭酸水素カリウム、酢酸カリウム等が挙げられる。中でも、炭酸カリウム、酢酸カリウムが好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。
かかる観点から、化合物(1)と、化合物(I)〜(IV)の仕込みモル比は、全水酸基当量、すなわち、「化合物(1)の1モル当たりの水酸基数×化合物(1)のモル数」に対して、好ましくは1〜100倍モル、より好ましくは1.1〜50倍モル、更に好ましくは1.1〜30倍モルである。
用される。
溶媒の使用量は、化合物(I)に対して、好ましくは0.1〜100重量倍、より好ましくは1〜20重量倍である。
濾過に使用する濾材は、被処理液の不溶物を除去することができるものであれば特に制限はなく、通常は保留粒子細孔径が1〜10μmで耐溶媒性を有する紙、ガラス等の各種の材質のフィルターを使用することができる。濾過方法には制限なく、例えば、減圧濾過、加圧濾過、遠心濾過等の方法を用いることができる。
なお、得られた濾液を冷却するだけでも結晶化させることができるが、溶媒の種類によって化合物(2)が十分に析出せず溶液中に残存し、収率が低下する可能性がある。そのため、濾液に貧溶媒を用いて、好ましくは10℃以下に冷却すれば十分に結晶化させることが可能になり、良好な収率で結晶を得ることができる。また、蒸留等により有機溶媒を除去して結晶化してもよく、必要により再結晶、再沈殿や晶析等を行なってもよい。
これらの良溶媒で結晶化する場合、溶解温度は好ましくは0〜120℃、より好ましくは20〜70℃である。
有機溶媒の使用量は結晶に対して、好ましくは1〜100重量倍、より好ましくは2〜50重量倍である。
(A)反応液を濾過しアルカリ性固体塩を除去した後の溶液を、そのまま冷却するか、あるいは濾過後の溶液に少なくとも1種の溶媒、すなわち、良溶媒である酢酸エチル、アセトン、トルエン等を加えて溶解した後、冷却することにより目的物である化合物(2)を析出させる。
但し、この方法の場合、溶媒の種類や化合物(1)の分子量が3,000以下であるような場合には、化合物(2)が十分に結晶化しない場合がある。
(B)反応液を濾過しアルカリ性固体塩を除去した後の溶液に、貧溶媒であるエーテル又は炭素数5〜8の脂肪族炭化水素を用いて化合物(2)の結晶を析出させるか、あるいは濾過後の溶液に、良溶媒である酢酸エチル、アセトン、トルエン等を加えて溶解した後、貧溶媒であるエーテル又は炭素数5〜8の脂肪族炭化水素を用いて化合物(2)の結晶を析出させる。
(C)反応液を濾過しアルカリ性固体塩を除去した後の溶液に、目的物である化合物(2)が析出しない量の貧溶媒であるエーテル又は炭素数5〜8の脂肪族炭化水素の溶媒を組み合わせて溶解した後、冷却するか、あるいは濾過後の溶液に、少なくとも1種の良溶媒である酢酸エチル、アセトン、トルエン等を加え、目的物である化合物(2)が析出しない量の貧溶媒であるエーテル又は炭素数5〜8の脂肪族炭化水素の溶媒を組み合わせて溶解した後、冷却する。
例えば、化合物(2)のGはこれらの官能基変換を行うことにより、末端がチオール基、アミノ基、アセタール基、アルデヒド基等の化合物に変換することができる。
本発明の方法により製造された化合物(2)及びその誘導体は、ゲル化等により架橋ポリマーを形成することが可能であり、医療分野において、薬物放出デバイス、縫合糸・骨固定剤、止血剤、組織癒着防止剤等に使用することができる。
また、血中滞留性を高め、ターゲット部位での薬剤の徐放を目的とするポリマーとして使用することができる。
3L四つ口フラスコに、メトキシポリエチレングリコール(450g,0.0225mol;SUNBRIGHT MEH−20T(日本油脂製:分子量20000))、トルエン(1200g)を入れ攪拌し、110℃に昇温した後、脱水した(トルエン50g留去)。90℃に冷却後、脱水トルエン(9g)に溶解した2−エチルヘキサン酸錫(0.81g)、続いて、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン(9.73g,0.0675mol)を加えた。110℃に昇温後、6時間反応を行った。
反応終了後、40℃まで冷却し、酢酸エチル(1070mL)、ヘキサン(1500mL)を加え、晶析させた。結晶を濾過後、ヘキサン(1500mL)を加え、攪拌した。結晶濾過後、減圧下にて乾燥し、メトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(3量体)(448g)を得た。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)
δ1.45−1.61(m,−CH(CH 3)O−)、3.38(s,−OCH 3)、3.40−3.90(m,−(CH 2CH 2O)n−)、4.20−4.40(m,−CH 2OC(=O)−)、5.08−5.23(m,−CH(CH3)O−)
3L四つ口フラスコに、ペンタエリスリトール ポリエチレングリコール(300g,0.03mol;SUNBRIGHT PTE−10000(日本油脂製:分子量10000))、トルエン(900g)を入れ攪拌し、110℃に昇温した後、脱水した(トルエン100g留去)。90℃に冷却後、脱水トルエン(20g)に溶解した2−エチルヘキサン酸錫(4.32g)、続いて、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン(58.38g,0.405mol)を加えた。110℃に昇温後、10時間反応を行った。
反応終了後、40℃まで冷却し、酢酸エチル(900mL)、ヘキサン(2700mL)を加え、晶析させた。結晶を濾過後、ヘキサン(2700mL)を加え、攪拌した。結晶濾過後、減圧下にて乾燥し、ペンタエリスリトール ポリエチレングリコール−ポリラクチド(4量体)(305.7g)を得た。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)
δ1.45−1.61(m,−CH(CH 3)O−)、3.40−3.90(m,−(CH 2CH 2O)n−)、4.20−4.40(m,−CH 2OC(=O)−)、5.08−5.23(m,−CH(CH3)O−)
500mL四つ口フラスコに、製造例1で得られたメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(30g,0.0015mol)、トルエン(200g)を入れ攪拌し、110℃に昇温した後、脱水した(トルエン37g留去)。60℃に冷却後、無水グルタル酸(1.53g,0.0134mol)、炭酸カリウム(3.1g,0.0225mol)を入れ、60℃にて27時間反応を行った。
反応終了後、不溶物を濾過し、40℃まで冷却した後、酢酸エチル(100mL)、ヘキサン(350mL)を加え、晶析させた。結晶を濾過後、2−プロパノール(700mL)を加え、再結晶を行った。結晶濾過後、さらに1回再結晶を繰り返した後、結晶を濾過した。結晶をヘキサン(700mL)にて洗浄後、濾過した。結晶を減圧下にて乾燥し、メトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(3量体)−グルタレート(26.7g)を得た。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)
δ1.45−1.61(m,−CH(CH 3)O−)、1.97(−COCH2CH 2CH2CO−,quint)、2.47(−COCH 2CH2CH 2CO−,m)、3.38(s,−OCH 3)、3.40−3.90(m,−(CH 2CH 2O)n−)、4.20−4.40(m,−CH 2OC(=O)−)、5.08−5.23(m,−CH(CH3)O−)
500mL四つ口フラスコに、製造例1で得られたメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(30.0g,0.0015mol)、トルエン(200g)を入れ攪拌し、110℃に昇温した後、脱水した(トルエン41g留去)。60℃に冷却後、炭酸カリウム(8.3g,0.06mol)を入れ、続いて、アクリル酸クロリド(1.4g,0.015mol)を滴下し、18時間反応を行った。
反応終了後、濾過し、40℃まで冷却後、酢酸エチル(100mL)、ヘキサン(350mL)を加え、晶析させた。結晶を濾過後、2−プロパノール(600mL)を加え、再結晶を行った。結晶濾過後、さらに1回再結晶を繰り返した後、結晶を濾過した。結晶をヘキサン(600mL)にて洗浄後、濾過した。結晶を減圧下にて乾燥し、メトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(3量体)−アクリレート(25.5g)を得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz)
δ1.45−1.61(m,−CH(CH 3)O−)、3.38(s,−OCH 3)、3.40−3.90(m,−(CH 2CH 2O)n−)、4.20−4.40(m,−CH 2OC(=O)−)、5.08−5.23(m,−CH(CH3)O−)、5.80−6.50(CH 2=CH−、3H)
500mL四つ口フラスコに、製造例2で得られたペンタエリスリトール ポリエチレングリコール−ポリラクチド(50.0g,0.0043mol)、トルエン(300g)を入れ攪拌し、110℃に昇温した後、脱水した(トルエン40g留去)。60℃に冷却後、無水グルタル酸(29.2g,0.256mol)、炭酸カリウム(47.1g,0.341mol)を入れ、60℃にて16.5時間反応を行った。さらに、無水グルタル酸(19.5g)、炭酸カリウム(31.4g)を入れ、8時間反応を行った。
反応終了後、不溶物を濾過し、40℃まで冷却後、酢酸エチル(550mL)、ヘキサン(300mL)を加え、晶析させた。結晶を濾過後、酢酸エチル(650mL)に溶解後、ヘキサン(300mL)を加え、晶析させた。結晶を濾過後、同様に、酢酸エチル(650mL)に溶解後、不溶物があったため、5A濾紙、GF75にて濾過後、ヘキサン(600mL)を加え、晶析させた。結晶をヘキサン(600mL)にて洗浄後、濾過した。結晶を減圧下にて乾燥し、ペンタエリスリトール ポリエチレングリコール−ポリラクチド(4量体)−テトラグルタレート(41.0g)を得た。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)
δ1.45−1.61(m,−CH(CH 3)O−)、1.97(−COCH2CH 2CH2CO−,quint)、2.47(−COCH 2CH2CH 2CO−,m)、3.38(s,−OCH 3)、3.40−3.90(m,−(CH 2CH 2O)n−)、4.20−4.40(m,−CH 2OC(=O)−)、5.08−5.23(m,−CH(CH3)O−)
500mL四つ口フラスコに、製造例1で得られたメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(30.0g,0.0015mol)、塩化メチレン(150g)を入れ攪拌し、溶解した。溶解後、0℃まで冷却した。トリエチルアミン(0.40g,0.0039mol)を入れ、続いて、無水グルタル酸(0.26g,0.00225mol)を加え、0℃にて12時間反応を行った。さらに、トリエチルアミン(4.0g)を入れ、続いて、無水グルタル酸(2.6g)を加え、12時間反応を行った。不溶物を濾過し、ジエチルエーテル(300mL)を加え、晶析させた。結晶を濾過後、減圧下にて乾燥した(27.2g)。
500mL四つ口フラスコに、製造例2で得られたペンタエリスリトール ポリエチレングリコール−ポリラクチド(50.0g,0.0043mol)、塩化メチレン(250g)を入れ攪拌し、溶解した。溶解後、0℃まで冷却した。トリエチルアミン(4.52g,0.0447mol)を入れ、続いて、アクリル酸クロリド(2.34g,0.0258mol)を加え、0℃にて12時間反応を行った。
反応終了後、トリエチルアミン塩酸塩を濾過し、ジエチルエーテル(500mL)を加え、晶析させた。結晶を濾過後、結晶を減圧下にて乾燥し、ペンタエリスリトール ポリエチレングリコール−ポリラクチド(4量体)−テトラアクリレート(45.1g)を得た。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)
δ1.45−1.61(m,−CH(CH 3)O−)、3.38(s,−OCH 3)、3.40−3.90(m,−(CH 2CH 2O)n−)、4.20−4.40(m,−CH 2OC(=O)−)、5.08−5.23(m,−CH(CH3)O−)、5.80−6.50(CH 2=CH−、3H)
500mL四つ口フラスコに、製造例2で得られたペンタエリスリトール ポリエチレングリコール−ポリラクチド(50.0g,0.0043mol)、塩化メチレン(250g)を入れ攪拌し、溶解した。溶解後、0℃まで冷却した。トリエチルアミン(4.52g,0.0447mol)を入れ、続いて、p−ニトロフェニルクロロホルメート(5.20g,0.0258mol)を加え、0℃にて12時間反応を行った。
反応終了後、トリエチルアミン塩酸塩を濾過し、ジエチルエーテル(500mL)を加え、晶析させた。結晶を濾過後、結晶を減圧下にて乾燥し、ペンタエリスリトール−ポリラクチド(4量体)−テトラ−p−ニトロフェニルカーボネート(45.1g)を得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz)
δ1.45−1.61(m,−CH(CH 3)O−)、3.38(s,−OCH 3)、3.40−3.90(m,−(CH 2CH 2O)n−)、4.20−4.40(m,−CH 2OC(=O)−)、5.08−5.23(m,−CH(CH3)O−)、7.39、8.25(m,−C=CH−CH=C(NO2)−CH=CH−)
一方、比較例2及び3については、アクリル基のピーク(δ5.80−6.50(CH 2=CH−、3H))、及びp−ニトロフェニル基のオルト位、メタ位のピーク(δ7.39(m)、8.25(m))より目的物が得られたことを確認できたが、δ1.43(t)、δ3.16(q)のピークより、トリエチルアミン塩酸塩が残存していることが分かった。
すなわち、比較例2〜3の場合はトリエチルアミン塩酸塩が目詰まりし、本発明でのアルカリ固体塩を用いた実施例1〜3の場合と比較し、非常に遅い結果であった。
Claims (7)
- 下記一般式(1):
[式中、
Zは2〜10個の水酸基を有する化合物の残基を示し、
Yは単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)(CH2)p−(但し、pは1≦p≦5)、−C(=O)(CH2)qC(=O)O−(但し、qは2又は3)、−(CH2)2NHC(=O) (CH2)2−、及び−(CH2)3NHC(=O) (CH2)2−から選択される基を示し、
Xはカルボキシル基、マレイミド基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、及び3,3−ジエトキシプロポキシ基から選択される基を示し、
Rは炭素数1〜6の炭化水素基を示し、
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、
a、bはそれぞれ1≦a≦500、0≦b≦500であり、
m1及びm2はそれぞれ独立に5〜2000であり、
m3は0〜2000であり、
n1、n2はそれぞれ1≦n1≦5、0≦n2≦1であり、
k1、k2、k3はそれぞれ、0≦k1≦8、0≦k2≦8、1≦k3≦10であり、かつ2≦k1+k2+k3≦10である。]
で表される生分解性ポリオキシアルキレン化合物と、
下記式(I)〜(IV):
[式中、
E1及びE2は−(CH2)rQ2(但し、Q2はハロゲン原子を示し、rは1〜5である。)を示すか、あるいはE1とE2とが一緒になってアルキレン基を示し、
P1はビニル基、2−プロペニル基、p−ニトロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、ベンゾトリアゾールオキシ基、スクシンイミジルオキシ基、及び−(CH2)rQ2(但し、Q2及びrは上記と同義である。)から選択される基を示し、
Q1はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物とを、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩又は酢酸塩であり、水に溶解して水溶液にした場合のpHが7.1〜13となるアルカリ性固体塩存在下に反応させる、下記一般式(2):
[式中、Z、Y、X、R、AO、a、b、m1、m2、m3、n1、n2、k1、k2及びk3は上記定義と同義であり、Gは上記式(I)〜(IV)で表される化合物に由来の残基を示す。但し、2≦k3の場合、少なくとも1つのGは水素原子であってもよいが、全てのGが同時に水素原子でない。]
で表される生分解性ポリオキシアルキレン誘導体の製造方法。 - aが1≦a≦300であり、かつbが0である、請求項1記載の製造方法。
- k1が0である、請求項1又は2記載の製造方法。
- k2が0である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- k1、k3がそれぞれ1≦k1≦4、1≦k3≦2である、請求項4記載の製造方法。
- アルカリ性固体塩が炭酸カリウム又は酢酸カリウムである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
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